JP4539619B2 - モデル作成方法及び適合方法 - Google Patents

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本発明はモデル作成方法及び適合方法に関する。
一般に、内燃機関の制御は、トルク、エミッション及び燃費等についての要求を満たすように点火時期、吸気弁又は排気弁の開閉弁特性、燃料噴射時期、燃圧等の制御パラメータの値を変化させることによって行われる。斯かる制御パラメータには、そのときの機関運転状態(例えば、機関負荷及び機関回転数等)毎に最適な値が存在する。このような機関運転状態毎の制御パラメータの最適な値は、一般に、各機関運転状態毎に制御パラメータを様々な値に設定し、そのときのトルク、燃料消費量又はNOX排出量等の特性パラメータの計測値から、制御パラメータの最適な値を求める作業、いわゆる適合作業によって求められる。
斯かる適合作業においては、その適合精度を高いものとするために多くの計測点において計測が必要であり、場合によっては計測点数が数千〜数十万点にも及ぶ。このため、適合作業全体の計測工数は膨大なものとなる。
そこで、適合作業における計測工数を減らすべく、制御パラメータを入力すると特性パラメータを出力する物理モデルを実際の物理現象に基づいて作成し、この物理モデルを用いて計測値を推定することが提案されている(例えば特許文献1)。このように物理モデルを用いて計測値を推定することにより、実際に全条件で計測を行う必要がなくなり、これにより計測工数を低減させることができる。
特に、特許文献1に記載の装置では、制御パラメータを所定の値として計測を行って得られた特性パラメータの計測値と、制御パラメータとして上記所定の値を入力して上記物理モデルによって算出された推定値との誤差を算出すると共に、算出された誤差に基づいて物理モデルに含まれる誤差を補償するための修正関数を導出することとしている。そして、制御パラメータの値に対する特性パラメータの値の算出は上記物理モデルに加えて修正関数に基づいて行われる。これにより、特性パラメータの推定精度を高めることができる。
特開2004−178247
ところで、上述した物理モデルは全ての制御パラメータと特性パラメータとの関係について作成できるわけではなく、一部の制御パラメータと特性パラメータとの間では作成するのが困難である。すなわち、物理モデルは、質量保存則、エネルギ保存則等の物理的な保存則に従うモデルであり、実際に生じる現象をこのような保存則で比較的容易に表すことができるような場合に用いられるが、実際に生じる現象を斯かる保存則では表すことが困難な場合には物理モデルを作成することができない。従って、このような場合には計測データに基づいて制御パラメータと特性パラメータとの関係を近似的に導出して、統計的近似モデルを作成することになる。
ここで、複数の制御パラメータと特性パラメータとの関係を求めるにあたって、制御パラメータのうちの一部については物理モデルで対応不可能である場合には、残りの制御パラメータについては物理モデルで対応可能であっても、通常全ての制御パラメータと特性パラメータとの関係について統計的近似モデルが作成される。
ところが、統計的近似モデルを作成する場合には物理モデルを作成する場合に比べて計測点数が多くなってしまい、よって計測工数が多くなってしまう。また統計的近似モデルではその精度が近似式の選択の仕方に大きく依存すると共に、物理モデルに比べてその精度が低い。
そこで、本発明の目的は、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータと、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータとを含む複数の制御パラメータと特性パラメータとの関係を表す特性パラメータ推定モデルを少ない計測工数で且つ精度良く作成するモデル作成方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、複数の制御パラメータの値の組合せによって特定される各機関制御状態における特性パラメータの値を推定する特性パラメータ推定モデルを作成するモデル作成方法において、上記複数の制御パラメータのうち一部の制御パラメータの値を特定の値に固定した場合における残りの制御パラメータの値と特性パラメータの値との関係について物理モデルを作成し、上記一部の制御パラメータの値を上記特定の値とは異なる値にすると共に上記残りの制御パラメータを所定の値として特性パラメータの値を計測すると共に該残りの制御パラメータを上記所定の値として上記物理モデルによって特性パラメータの値を算出し、これら特性パラメータの計測値と算出値との差分又は比率に基づいて、上記一部の制御パラメータの値を上記特定の値として上記物理モデルによって算出された特性パラメータの値と該一部の制御パラメータの値を上記特定の値とは異なる値とした場合の特性パラメータの値との差分又は比率と、該一部の制御パラメータの値との関係を示す統計的近似モデルを作成し、上記物理モデルと上記統計的近似モデルとに基づいて上記特性パラメータ推定モデルを作成する。
第1の発明によれば、物理モデルで対応不可能な制御パラメータが含まれているような場合であっても、一部の制御パラメータについてのみ統計的近似モデルが利用され、残りの制御パラメータについては物理モデルが作成される。このため、部分的ではあっても物理モデルを利用していることから、計測工数が少ないものとされると共に、作成された特性パラメータ推定モデルでは比較的高い精度で計測値を推定することができる。
第2の発明では、第1の発明において、上記制御パラメータは、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータと、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータとを含み、上記一部の制御パラメータは特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータであり、上記残りの制御パラメータは特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータである。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記制御パラメータはそれぞれ互いに異なるアクチュエータによって調整可能なパラメータである
第4の発明では、第1〜第3のいずれか一つの発明に係るモデル作成方法によって作成された特性パラメータ推定モデルを用いて、内燃機関に対する要求に応じた運転状態毎の各制御パラメータの最適な値を算出するようにした。
本発明によれば、特性パラメータ推定モデルを少ない計測工数で且つ精度良く作成するモデル作成方法が提供される。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。図1は適合作業の対象となる内燃機関及び当該適合作業に用いられる計測演算装置を示している。
図1を参照すると1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダブロック2内で往復動するピストン、4はシリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド、5はピストン3とシリンダヘッド4との間に形成された燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートをそれぞれ示す。図1に示したようにシリンダヘッド4の内壁面の中央部には点火プラグ10が配置され、シリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料噴射弁11が配置される。またピストン3の頂面上には燃料噴射弁11の下方から点火プラグ10の下方まで延びるキャビティ12が形成されている。
各気筒の吸気ポート7はそれぞれ対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結され、サージタンク14は吸気管15に連結される。吸気管15内にはステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置される。一方、各気筒の排気ポート9は排気マニホルド19に連結される。また、吸気弁6には吸気弁6の開閉弁特性、すなわち開閉弁する位相角及び作用角を変更するための可変動弁機構20が取付けられている。
一般に、図1に示したような内燃機関の制御は、内燃機関の運転中に変化するトルク、排気エミッション及び燃費等についての要求条件を満たすように、すなわち実際のトルク、排気エミッション及び燃費等が目標トルク、目標排気エミッション及び目標燃費等となるように、内燃機関の運転状態に影響を与える制御可能なパラメータ(すなわち、制御パラメータ)の値を変化させることによって行われる。なお、本明細書では、制御パラメータは、内燃機関の運転を制御する各種アクチュエータ(可変動弁機構、燃料噴射弁、スロットル弁等)によって調整可能なパラメータを意味する。
このような制御パラメータには、そのときの内燃機関に対する要求に応じて、例えば、機関回転数等により定まる運転状態毎に最適な値が存在する。例えば、点火プラグ10による点火時期については、内燃機関のトルク、燃費や失火等を考慮すると、一般に、トルクが最も大きくなるような最小進角時期、いわゆるMBT(Minimum Advance for Best Torque)付近で点火を行うのが好ましい。このMBTは、全ての運転状態に対して同じではなく、例えば機関回転数が異なると、MBTも異なる時期となる。また、一方で、内燃機関の排気浄化のために内燃機関の排気系に設けられた触媒(図示せず)を高温にする必要があるような場合には、機関本体1から排出される排気ガスの温度を高めるために上記MBTよりも或る程度遅角側の時期に点火を行うのが好ましい。
このような内燃機関に対する要求に応じた運転状態毎の各制御パラメータの最適な値(すなわち、適合値)は、数値計算のみから算出することは困難であるため、通常、内燃機関の形式毎に適合作業によって求められる。ここで、適合作業とは、特定の制御パラメータを様々な値に設定し、各制御パラメータの値毎に特性パラメータ(制御パラメータの値を変更することによりその値が変わり得るパラメータであって内燃機関の特性を表すパラメータ)を計測し、これら特性パラメータの計測値から各運転状態に対する制御パラメータの最適な値(すなわち、適合値)を求める作業を意味する。
図1には、適合作業の対象となる内燃機関に加えて、この内燃機関の特性パラメータの値を計測し必要な演算や各種の処理を行う計測演算装置40が示されている。図示したように、適合作業の対象となる内燃機関に対しては、スロットル弁18の開度を計測するためのスロットル開度センサ31がスロットル弁18に取付けられ、また、吸気管15内を流れる空気の流量を計測するエアフロメータ32がスロットル弁18上流側の吸気管15内に取付けられる。さらに、機関本体1から排出された排気ガスの温度を計測する排気温度センサ33及び機関本体1から排出された排気ガスの空燃比を計測する空燃比センサ34が排気ポート又は排気マニホルド19に取付けられる。さらに、機関本体1のクランクシャフト(図示せず)には内燃機関による駆動力であるトルクを検出するためのトルクセンサ(図示せず)が取り付けられる。これらセンサ31〜34は、計測演算装置40に接続され、計測演算装置40ではこれらセンサ31〜34によって計測された各特性パラメータの値が表示、保存及び演算処理される。
一方、上述した点火プラグ10、燃料噴射弁11、スロットル弁駆動用のステップモータ17及び可変動弁機構20等は計測演算装置40に接続され、これら点火プラグ10等は計測演算装置40によって駆動、制御される。すなわち、計測演算装置40によって制御パラメータの値が変更される。
ところで、上記適合作業における各種特性パラメータの値の計測は、通常、上述したように制御パラメータを様々な値に設定して各計測点にて行われる。ここで、計測点は各制御パラメータの設定値の組合せで特定され、一つの計測点は各制御パラメータに対する設定値の一つの組合せに対応する。つまり、設定される計測点の各々は各制御パラメータの値の組合せで特定される内燃機関の状態である機関制御状態の各々に対応する。
そして具体的には例えば、一つの制御パラメータのみを一定間隔で変化させた計測点(他の制御パラメータの値は一定値)で順次計測を行うようにする。そしてこの場合、定常運転時における特性パラメータの値(すなわち、特性パラメータの定常値)を求める必要があることから、制御パラメータの値を変化させて設定される各計測点毎に運転状態が安定するまで待ってから、すなわち例えばトルク、機関回転数がほぼ一定の値に収束するまで待ってから計測が行われる。このため、各計測点において特性パラメータの計測値を得るまでに長い時間を要することになってしまう。また、このような計測では、変化させる制御パラメータが複数あると共に、各制御パラメータのみを変化させた計測点が複数あることから、計測点数は膨大な数になってしまう。
例えば、制御パラメータとしてバルブタイミング、点火時期、燃料噴射時期、燃圧を変化させ、特性パラメータとしてトルクを計測する場合を考える。さらに、このような計測は運転状態毎に行う必要があることから、上記四つの制御パラメータに加えて機関負荷及び機関回転数をも変化させて計測する必要がある。この結果、機関負荷、機関回転数、バルブタイミング、点火時期、燃料噴射時期、燃圧の六つのパラメータをそれぞれ複数の異なる値、例えば五つの異なる値に設定して計測を行うこととすると、計測点数は56、すなわち15625条件にも及ぶことになる。
このように設定し得る全ての計測点において計測を行うと、計測点数が膨大な数になり、その結果、適合工数が過大なものになってしまう。このため、適合工数を低減すべく統計的近似モデル又は物理モデルを用いて各機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定することが提案されている。
まず、統計的近似モデルを用いて各機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定する手法について簡単に説明する。ここで、統計的近似モデルとは、質量保存則、エネルギ保存則、運動量保存則等の物理法則を利用せずに、計測値のみに基づいて統計的に導き出された近似モデルである。統計的近似モデルを用いた手法では、上述したような設定し得る全計測点での計測は行わずに、これら計測点のうち一部の計測点においてのみ計測を行い、得られた計測結果から制御パラメータと特性パラメータとの関係を表すモデル式を求めることとしている。
例えば、制御パラメータとしてのバルブタイミングVVT、点火時期SAと、特性パラメータとしてのトルクTQとの関係を表すモデル式を求める場合を考える。まず実験計画法(例えば最適計画法、又は中心複合計画法)等により計測を行うべき計測点、すなわち機関制御状態が特定される。このようにして特定される計測点の数は、上述したような設定し得る全計測点で計測が行われる場合における計測点数よりも少ない。例えば、上述した設定し得る全計測点で計測が行われる場合には、或る運転状態において(すなわち、或る機関回転数NE及び或る機関負荷KLにおいて)図2中に白丸及び黒丸で示した計測点で計測が行われることになるが、本手法を用いる場合には例えば図2中に黒丸で示した計測点においてのみ計測が行われることになる。
次に、計測結果に基づいて統計的に近似式が導き出される。例えば、機関回転数NE、機関負荷KL、バルブタイミングVVT及び点火時期SAとトルクTQとの関係をそれぞれ二次式で近似する場合には、例えば下記式(1)のような近似式、すなわち統計的近似モデルのモデル式が作成される。
TQ=k11・NE2+k12・NE+k13
+k21・KL2+k22・KL+k23
+k31・VVT2+k32・VVT+k33
+k41・SA2+k42・SA+k43 …(1)
ここで、式(1)においてk11〜k43は定数であり、計測結果を上記式(1)に代入することにより求められる。
そして、このようにして求められた統計的近似モデルのモデル式に各機関制御状態に対応する制御パラメータの値を代入することにより、その機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定することができる。
このようにして統計的近似モデルを作成すると、計測点数が上述したような設定し得る全計測点で計測が行われる場合における計測点数よりもかなり少ないことから、計測工数がかなり低減せしめられる。すなわち、かなり少ない計測工数で、各機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定することができるようになる。ただし、推定される特性パラメータの値の精度はあまり高くなく、特に近似式の選択が不適切だと非常に低いものとなってしまう。
次に、物理モデルを用いて各機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定する手法について簡単に説明する。ここで、物理モデルとは、質量保存則、エネルギ保存則、運動量保存則等の物理法則を利用して導き出されたモデルである。物理モデルを用いた手法では、制御パラメータと特性パラメータとの関係を表すモデル式を予め物理法則に基づいて導き出すと共に、ごく一部の計測点においてのみ計測を行って上記モデル式の適合係数を求めることとしている。
例えば、制御パラメータとしてのバルブタイミングVVT及び点火時期SAと、特性パラメータとしてのトルクTQとの関係を表すモデル式を求める場合を考える。ここで、各気筒の各サイクルにおける筒内圧力の履歴からその気筒によって生じるトルクを算出することができる。そこで、例えば各バルブタイミングVVT及び各点火時期SAにおける筒内圧力及び筒内温度の履歴を求め、これら筒内圧力及び筒内温度の履歴に基づいてトルクTQを算出することが考えられる。
ここで、各気筒の各サイクルにおける筒内圧力及び筒内温度の履歴は、例えば筒内を一領域として熱力学の第一法則等に基づいて作成された以下の連立常微分方程式(2)に基づいて算出される。
Figure 0004539619
ここで、式(2)において、pc、Vc、Tcはそれぞれ筒内の平均圧力、筒内の容積、筒内温度を、Qb、Qwはそれぞれ燃焼に伴う発熱量、壁面熱損失を表している。また、Ti、Giはそれぞれ吸気弁6を通過する気体の温度、質量を、Te、Geはそれぞれ排気弁8を通過する気体の温度、質量を、κ、Rはそれぞれ比熱比、気体定数を表している。
そして、上記式(2)で用いられる吸気弁6及び排気弁8を通過する気体の質量Gi、Geは、吸気弁6及び排気弁8近傍において断熱且つ定常流れを過程して作成された下記式(3)によって算出される。
Figure 0004539619
ここで、式(3)においてFvは吸気弁6又は排気弁8の開口面積であり、μvは流量係数である。また、p1は弁上流側の気体の圧力、p2は弁下流側の気体の圧力をそれぞれ表している。更に、Φは、弁上流側と弁下流側との圧力比の関数である。
吸気弁6のバルブタイミングVVTが変化すると、吸気弁6の開口面積Fvの推移が変化することになる。従って、各バルブタイミングVVT毎にそのバルブタイミングVVTに適した上記式(3)のFvのパターンが与えられる。また、機関負荷KLが変化すると、スロットル弁18の開度が変化せしめられることから、弁上流側の気体の圧力p1が変化することになる。従って、機関負荷KLに応じて弁上流側の気体の圧力p1が与えられる。すなわち、バルブタイミングVVT及び機関負荷KLに応じて吸気弁6を通過する気体の質量Giが変化せしめられ、よってトルクTQが変化せしめられる。
一方、上記式(2)で用いられる燃焼に伴う発熱量Qbは、例えば各クランク角毎の燃焼率を算出することによって行われる。燃焼率は、火炎伝播を支配している温度、圧力、当量比、乱れ強さ等を変数として算出される。また、各クランク角における燃料率を算出するには、点火時期SAも変数として用いられる。さらに、乱れ強さは、機関回転数NEに応じて、例えば機関回転数NEに比例するとして与えられる。すなわち、点火時期SA及び機関回転数NEに応じて燃焼に伴う発熱量Qbが変化せしめられ、よってトルクTQが変化せしめられる。
以上より、物理現象を支配する物理法則に基づいてバルブタイミングVVT及び点火時期SAとトルクTQとの関係を表すモデル式が求められる。特に、このモデル式では、バルブタイミングVVT及び点火時期SAに加えて運転状態を表すパラメータ(機関回転数NE及び機関負荷KL)が変数として用いられる。従って、このモデル式では、トルクTQが機関回転数NE、機関負荷KL、バルブタイミングVVT及び点火時期SAの関数として表される。そして、このようにして求められた物理モデルのモデル式に各機関制御状態に対応する制御パラメータの値を代入することにより、その機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定することができる。
なお、物理モデルのモデル式に含まれる適合係数(例えば、上記式(2)における流量係数μv等)は、実際の計測を行わなければ求めることができない。したがって、物理モデルを作成する際には、極めて少数の計測点において計測が行われ、その計測値に基づいて物理モデルのモデル式に含まれる適合係数の値が算出される。
このように物理モデルを作成すると、物理モデルのモデル式に含まれる僅かな適合係数を定めるために極めて少数の計測点のみで計測を行えばよいことから、計測工数を極めて少ないものとすることができる。すなわち、極めて少ない計測工数で、各機関制御状態に対する特性パラメータの値を推定することができるようになる。また、物理現象を支配する物理法則に基づいてモデル式が作成されているため、推定される特性パラメータの精度を比較的高いものとすることができる。
ところで、例えば上述したバルブタイミングVVT及び点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルでは、均質予混合を前提としている。すなわち、上記物理モデルでは、燃焼室5内の混合気は空気と燃料とが燃焼室5内全体に亘って均一に混合していることを前提としてモデル式が作成されている。従って、上述したバルブタイミングVVT及び点火時期SAとトルクTQとの関係を表すモデルは、吸気下死点近傍等、比較的早い時期に燃料噴射を行って混合気を均質燃焼させる場合には比較的正確にトルクTQを算出することができる。
ところが、上記物理モデルでは圧縮上死点近傍等、比較的遅い時期に燃料噴射を行って成層燃焼させる場合には均質予混合気が形成されないためトルクTQを正確に算出することができない。すなわち、燃料噴射時期によっては均質予混合気が形成されず、そのような燃料噴射時期においては上記物理モデルによってはトルクTQを正確に算出することができない。言い換えると、上記物理モデルでは燃料噴射時期Ainjや燃圧pr等を制御パラメータとしてトルクTQを算出することができない。また、一般に、均質予混合気が形成されない場合における燃焼解析は困難であり、よって燃料噴射時期Ainjや燃圧pr等に基づいて正確にトルクTQを算出することができる物理モデルを作成するのは困難である。
このように、制御パラメータには特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能なものと対応不可能なものとがある。ここで、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータとは、物理法則に基づいてその制御パラメータと特性パラメータとの関係を表す物理モデルを作成可能であると共に、作成された物理モデルが比較的正確にその制御パラメータと特性パラメータとの関係を表すものを意味し、上述した例ではバルブタイミングVVTと点火時期SAとが含まれる。一方、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータとは、物理法則に基づいてその制御パラメータと特性パラメータとの関係を表す物理モデルを作成するのが極めて困難であるか、又は作成された物理モデルによっては正確に制御パラメータと特性パラメータとの関係を表せないものを意味し、上述した例では燃料噴射時期Ainjと燃圧prが含まれる。
そこで、本発明の実施形態では、物理モデルで対応不可能な制御パラメータが含まれている場合であっても、高い精度で且つ少ない適合工数で、各機関制御状態における特性パラメータを推定する特性パラメータ推定モデルを作成すべく、物理モデルで対応可能な制御パラメータについては物理モデルを利用すると共に物理モデルで対応不可能な制御パラメータについては統計的近似モデルを利用して特性パラメータ推定モデルを作成することとしている。
以下、所定の運転状態において(すなわち、或る機関負荷KL及び或る機関回転数NEにおいて)、物理モデルで対応可能な制御パラメータである点火時期SAと物理モデルで対応不可能な制御パラメータである燃料噴射時期Ainjとの組合せによって特定される各機関制御状態におけるトルクTQの値を推定する特性パラメータ推定モデル、すなわち点火時期SA及び燃料噴射時期AinjとトルクTQとの関係を表す特性パラメータ推定モデルを作成する場合を例にとって本発明のモデル作成方法について説明する。
まず、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータに関して、その制御パラメータと特性パラメータとの関係について物理モデルを作成する。このとき、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータは特定の値に固定される。
具体的には、本実施形態では、物理モデルで対応可能な制御パラメータは点火時期SAのみであるため、点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルが作成される。ここで、上述したように点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルを作成することができるのは均質予混合気が形成される場合であるため、例えば燃料噴射時期Ainjが最も進角側に設定されているときの点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルが作成される。すなわち、点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルの作成に当たっては、燃料噴射時期Ainjは特定の値に、すなわち最も進角側の時期a1に固定される。
上述したように物理モデルのモデル式には少数の適合係数が含まれ、点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルでも例外ではない。このため、点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルを作成する際には、物理法則に基づいてモデル式を作成すると共に、燃料噴射時期Ainjを最も進角側に設定した状態で数点の計測点において計測を行い、得られた各計測点におけるデータに基づいて適合係数の値を算出する。こうして、点火時期SAとトルクTQとの関係を表す物理モデルが作成される。このようにして作成された物理モデルは、例えば図3(a)に示したような曲線を表しており、その変数は点火時期SAである。なお、以下の説明では、このようにして作成された物理モデルを燃焼モデルと称し、またこの燃焼モデルによって算出されるトルクを算出トルクTQmと称する。
次に、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータを上記特定の値とは異なる様々な値に設定すると共に物理モデルで対応可能な制御パラメータを所定の値として計測された特性パラメータの値と、物理モデルで対応可能な制御パラメータを所定の値として上記物理モデルによって算出された特性パラメータの値との差分についての統計的近似モデルが作成される。すなわち、本実施形態では、燃料噴射時期Ainjを最も進角側の時期a1以外の様々な時期に設定すると共に点火時期SAを所定の値として計測されたトルクと、点火時期SAを上記所定の値として上記燃焼モデルによって算出されたトルクTQmとの差分についての統計的近似モデルが作成される。
具体的には、まず、実験計画法等により計測を行うべき計測点、すなわち機関制御状態が特定される。本実施例では、制御パラメータは点火時期SAと燃料噴射時期Ainjとの二つであることから、各計測点はこれら点火時期SA及び燃料噴射時期Ainjの設定値の組合せで特定される。このうち、燃料噴射時期Ainjは全ての計測点について最も進角側の時期a1以外の時期とされる。本実施形態では、n個の計測点において計測が行われ、図3(b)、(c)に示した例では燃料噴射時期、点火時期がそれぞれ(a2、b1)、(a3、b2)、(a3、b3)、...、(ay、bz)である各計測点X1、X2、X3、...、Xnが計測を行うべき計測点として特定されている。
そして、このように設定された各計測点において、トルクが計測される。以下、このようにして計測されたトルクを計測トルクTQeと称する。図3(b)、(c)に示した例では、各計測点X1、X2、X3、...、Xnにおいて計測されたトルクがそれぞれTQeX1、TQeX2、TQeX3、...,TQeXnで示されている。
一方、このようにして設定された各計測点において上記燃焼モデルによって算出トルクTQmが算出される。ここで、上記燃焼モデルでは、燃料噴射時期Ainjが入力可能なパラメータとして扱われていないため、燃料噴射時期Ainjをパラメータとして上記燃焼モデルに入力することはできない。従って、各計測点における点火時期SAのみを上記燃焼モデルに入力して算出トルクTQmが算出される。図3(b)、(c)に示した例では燃焼モデルに上記各計測点X1、X2、X3、...、Xnにおける点火時期b1、b2、b3、...,bZがそれぞれ入力され、図3(b)、(c)にはこれら各点火時期を入力して算出された算出トルクがそれぞれTQmX1、TQmX2、TQmX3、...、TQmXnで示されている。
次いで、各計測点Xiにおいて計測された計測トルクTQeXiと、各計測点Xiにおいて上記燃焼モデルによって算出された算出トルクTQmXiとの差分(以下、トルク差分と称す)ΔTQXiが下記式(4)により求められる。
ΔTQXi=TQeXi−TQmXi (i=1,2,3,...,n) …(4)
このようにして算出された各計測点Xiにおけるトルク差分ΔTQXiは、その計測点Xiにおける燃焼モデルの誤差を表している。
次に、各計測点Xiとそのときのトルク差分ΔTQXiとに基づいて統計的に近似式が導き出される。例えば、点火時期SAと燃料噴射時期Ainjとトルク差分ΔTQXiとの関係を二次式で近似する場合には、例えば下記式(5)のような近似式、すなわち統計的近似モデルのモデル式が作成される。
ΔTQ=m11・Ainj2+m12・Ainj+m13
+m21・SA2+m22・SA+m23 …(5)
ここで、式(5)においてm11〜m23は定数であり、これら定数の値は各計測点Xiにおける燃料噴射時期AinjXiと点火時期SAXi及びそのときのトルクの差分ΔTQXiとを上記式(5)に代入することにより求められる。
このようにして、作成された統計的近似モデルは、燃料噴射時期Ainjを最も進角側の時期a1以外の様々な時期に設定すると共に点火時期SAを所定の値として計測されたトルクと、点火時期SAを上記所定の値として上記燃焼モデルによって算出された算出トルクTQmとのトルク差分ΔTQを表しており、その変数は燃料噴射時期Ainjと点火時期SAである。
最後に、上述したようにして求められた物理モデルと統計的近似モデルとに基づいて、点火時期SA及び燃料噴射時期Ainjの組合せによって特定される各機関制御状態におけるトルクTQを推定する特性パラメータ推定モデルが作成される。具体的には、上記燃焼モデルによって算出されたトルクTQmに上記統計的近似モデルによって算出されたトルク差分ΔTQを加算したものが、特性パラメータ推定モデルによって推定されるトルクとされる。従って、特性パラメータ推定モデルは、下記式(6)により表される。
TQ(SA,Ainj)=TQm(SA)+ΔTQ(SA,Ainj) …(6)
式(6)によれば、全ての点火時期SA及び燃料噴射時期Ainjの領域におけるトルクTQを算出することができる。すなわち、点火時期SA及び燃料噴射時期Ainjの組合せによって特定される全ての機関制御状態におけるトルクTQを推定することができる。従って上記式(6)により、所定の運転状態(或る機関回転数NE及び或る機関負荷)における最大トルク等を実現する点火時期SA及び燃料噴射時期Ainjの組合せを容易に選出することができる。すなわち、上記式(6)を用いれば容易に適合を行うことができる。
このように、本発明によれば、制御パラメータとして物理モデルで対応不可能な制御パラメータが含まれている場合であっても、物理モデルで対応可能な制御パラメータについては物理モデルを利用すると共に物理モデルで対応不可能な制御パラメータについては統計的近似モデルを利用して特性パラメータ推定モデルを作成することとしている。従って、物理モデルで対応不可能な制御パラメータが含まれている場合であっても特性パラメータ推定モデルを作成することができると共に、物理モデルを利用せずに統計的近似モデルのみを利用して特性パラメータ推定モデルを作成する場合に比べて高い精度で且つ少ない適合工数で特性パラメータ推定モデルを作成することができる。
なお、上記例では、物理モデルで対応可能な制御パラメータ及び物理モデルで対応不可能な制御パラメータがそれぞれ一つずつしかない場合を示しているが、もちろん物理モデルで対応可能な制御パラメータ及び対応不可能な制御パラメータがそれぞれ複数ある場合であっても上述した方法で特性パラメータ推定モデルを作成することができる。また、上記例では、各運転状態毎に特性パラメータ推定モデルを作成することとしているが、特性パラメータ推定モデルのパラメータとして運転状態、すなわち機関回転数NE及び機関負荷KLを加えてもよい。さらに、上記例では、特性パラメータとしてトルクのみを求めているが、複数の特性パラメータの値を求めることもできる。
図4は、特性パラメータ推定モデルの作成に関するフローチャートである。図4のフローチャートは、物理モデルで対応可能な二つの制御パラメータact1,act2及び物理モデルで対応不可能な二つの制御パラメータact3,act4の組合せによって特定される各機関制御状態における特性パラメータTの値を推定する特性パラメータ推定モデルを作成する場合を示している。なお、これら制御パラメータは各種アクチュエータにより制御可能なパラメータとされる。
まず、ステップ101では、物理モデルで対応可能な制御パラメータact1,act2と特性パラメータTとの関係を表す物理モデルを作成するのに必要なデータの計測が行われる。このとき、物理モデルで対応不可能な制御パラメータact3,act4は特定の値に固定して(act3=g1,act4=h1)、物理モデルで対応可能な制御パラメータact1,act2のみ値を変えて計測が行われる。
次いで、ステップ102では、ステップ101において計測されたデータに基づいて、物理モデルで対応可能な制御パラメータact1,act2と特性パラメータとの関係を表す物理モデルが作成される。この物理モデルでは、物理モデルで対応不可能な制御パラメータが特定の値(act3=g1,act4=h1)とされているときの、制御パラメータact1,act2と特性パラメータとの関係を表している。この物理モデルは、物理モデルで対応可能な制御パラメータact1,act2の関数であるためf(act1,act2)と表すことができ、また、以下ではこの物理モデルによって算出される特性パラメータの値をT’と表す(T’=f(act1,act2))。
次いで、ステップ103では、物理モデルで対応不可能な制御パラメータact3,act4を上記特定の値以外の値(act3≠g1,act4≠h1)としたときの、ステップ102で作成された物理モデルによって算出される特性パラメータの値T’と特性パラメータの計測値との差分を表す統計的近似モデルを作成するのに必要なデータ計測が行われる。斯かるデータ計測においては、物理モデルで対応可能な制御パラメータact1,act2のみならず、物理モデルで対応不可能な制御パラメータact3,act4の値も変えて計測が行われる。ただし、物理モデルで対応不可能な制御パラメータact3,act4が上記特定の値以外の値とされる(act3≠g1,act4≠h1)。本実施形態では、各計測点は実験計画法等により特定されたn個の計測点において計測が行われる。
ステップ104では、ステップ103において計測された各計測点における特性パラメータの計測値Teと、その計測点に対応する制御パラメータact1,act2の値を上記物理モデルに代入したときに物理モデルによって算出される特性パラメータの値T’との差分Mが算出される(M=Te−T’)。差分Mの算出は、ステップ103において計測された全ての計測点について行われる。
次いで、ステップ105では、ステップ104で算出された各計測点における差分Mの値に基づいて統計的近似モデルの作成が行われる。統計的近似モデルの作成手法は上述した通りである。この統計的近似モデルは、全ての制御パラメータact1〜act4の関数であるためg(act1,act2,act3,act4)と表すことができる。
最後に、ステップ106において、ステップ102で作成された物理モデルとステップ105で作成された統計的近似モデルとを加算したものが特性パラメータ推定モデルとされる(式(7)参照)。この特性パラメータ推定モデルは、全ての制御パラメータact1〜act4の関数であるためh(act1,act2,act3,act4)と表すことができる。そして、このようにして作成された特性パラメータ推定モデルを用いて適合作業が行われる。
h(act1,act2,act3,act4)=
f(act1,act2)+g(act1,act2,act3,act4)
…(7)
なお、本実施形態では、計測値Teと物理モデルによって算出される値T’との差分をMとしているが、この計測値Teと物理モデルによって算出される値T’との比率をMとしてもよい(M=Te/T’)。この場合、特性パラメータ推定モデルは物理モデルによって算出された値T’に比率Mを乗算したものとされる(T=T’・M)。
また、上記説明では、物理モデルで対応可能な制御パラメータについては物理モデルを作成し、物理モデルで対応不可能な制御パラメータについては統計的近似モデルを利用することとしている。しかしながら、物理モデルで対応可能な制御パラメータのうち一部の制御パラメータについては物理モデルを作成せずに統計的近似モデルを利用してもよい。これは、制御パラメータが物理モデルを作成可能ではあるが、物理モデルの作成が困難な場合等に有効である。
適合作業の対象となる内燃機関及び適合作業に用いられる計測演算装置を示す図である。 計測点を表す図である。 燃料噴射時期が異なる場合における点火時期とトルクとの関係を表す図である。 特性パラメータ推定モデルの作成に関するフローチャートである。
符号の説明
1 機関本体
6 吸気弁
8 排気弁
10 点火プラグ
11 燃料噴射弁
18 スロットル弁
31 スロットル開度センサ
32 エアフロメータ
33 排気温度センサ
34 空燃比センサ
40 計測演算装置

Claims (4)

  1. 複数の制御パラメータの値の組合せによって特定される各機関制御状態における特性パラメータの値を推定する特性パラメータ推定モデルを作成するモデル作成方法において、
    上記複数の制御パラメータのうち一部の制御パラメータの値を特定の値に固定した場合における残りの制御パラメータの値と特性パラメータの値との関係について物理モデルを作成し、
    上記一部の制御パラメータの値を上記特定の値とは異なる値にすると共に上記残りの制御パラメータを所定の値として特性パラメータの値を計測すると共に該残りの制御パラメータを上記所定の値として上記物理モデルによって特性パラメータの値を算出し、これら特性パラメータの計測値と算出値との差分又は比率に基づいて、上記一部の制御パラメータの値を上記特定の値として上記物理モデルによって算出された特性パラメータの値と該一部の制御パラメータの値を上記特定の値とは異なる値とした場合の特性パラメータの値との差分又は比率と、該一部の制御パラメータの値との関係を示す統計的近似モデルを作成し、
    上記物理モデルと上記統計的近似モデルとに基づいて上記特性パラメータ推定モデルを作成する、モデル作成方法。
  2. 上記制御パラメータは、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータと、特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータとを含み、上記一部の制御パラメータは特性パラメータとの関係について物理モデルで対応不可能な制御パラメータであり、上記残りの制御パラメータは特性パラメータとの関係について物理モデルで対応可能な制御パラメータである、請求項1に記載のモデル作成方法。
  3. 上記制御パラメータはそれぞれ互いに異なるアクチュエータによって調整可能なパラメータである、請求項1又は2に記載のモデル作成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモデル作成方法によって作成された特性パラメータ推定モデルを用いて、内燃機関に対する要求に応じた運転状態毎の各制御パラメータの最適な値を算出するようにした、適合方法。
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