JP4453581B2 - エンジン制御パラメータの実験計画設定方法、その実験計画設定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体およびエンジン制御パラメータの実験計画設定装置 - Google Patents

エンジン制御パラメータの実験計画設定方法、その実験計画設定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体およびエンジン制御パラメータの実験計画設定装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン制御パラメータの実験計画設定方法、その実験計画設定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体およびエンジン制御パラメータの実験計画設定装置に関する。
自動車用エンジンでは、排出ガス特性、燃料消費特性、安定燃焼性および動力性能等のエンジン特性がさまざまな要求を満たすべく、複雑な制御が行なわれている。
すなわち、エンジンの回転速度や負荷に基づき決定されるエンジンの運転状態に応じた最適な燃料噴射量や最適な点火時期等の各制御パラメータの適合値を予め設定しておき、エンジン制御用電子制御ユニット(ECU)に記憶させておく。そして、この設定した適合値を参照しつつ、ECUはエンジンの制御を行なう。さまざまな運転状態に各々対応する適合値を用いることにより、各エンジン特性についてのさまざまな要求が満たされる。
図22は、エンジンの制御パラメータの適合値について一般的に説明するための図である。
図22には、所定のエンジン回転速度および所定の負荷が与えられる条件下で、エンジンの点火タイミングに応じて各エンジン特性がどのように変化するかが示されている。図22においてNOxは排気ガス特性のひとつである窒素酸化物の濃度を表わし、TFは動力性能の特性を表わすトルク変動を示し、BSFCは燃料消費特性である燃料消費量を示す。
燃料消費量BSFCのみに着目すると、燃費が一番よい点は図22のC点である。しかしながら、エンジン特性としてトルク変動TFがTF0以下であることが求められるため、点火タイミングはAの範囲に限定される。さらに排気ガス中の窒素酸化物濃度NOxがNOx0以下でなければならないという要求があるため、点火タイミングはBの範囲に限定される。AおよびBを満たす範囲にあり、かつ、燃料消費量BSFCが一番少ない点Dが、求められる制御パラメータである点火タイミングの適合点である。
このように、排気ガスが清浄で、燃費が良く、安定燃焼し、かつ動力性能が良いという条件を満たす適合点を求めるために、複数あるエンジン制御パラメータをそれぞれ変更しつつ効率よく実験を行なうことが求められる。
制御パラメータ(図22の場合は点火タイミング)を連続的に変化させて、対応するデータを連続して取込むことは現実には困難である。したがって、複数の実験点において実験を行ないデータを測定し、このデータに基づいて近似式によるモデル化することにより、図22の3つの曲線に示すようなエンジン特性が得られる。
そしてこのエンジン特性を解析することにより、ある車速においてあるエンジン負荷がかかっている場合に運転者が操作するアクセルペダルの位置に応じた適合点(図22の場合はD点)を求めておく。そして、この種々の車速および負荷における適合点の集合である制御マップをエンジン制御を行なうECUに記憶させておくことにより、種々のエンジン特性を満たすエンジンが実現できる。
しかしながら、近年は、考慮しなければならないエンジン制御パラメータの数が増えてきており、旧来の試行錯誤による方法では、膨大な実験数とそれに伴う時間とが必要となる。たとえば近年は、エンジンの高性能化に伴い、エンジンパラメータとして吸気バルブ等のバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構が採用され、排気ガス中の窒素酸化物の発生量を低減させるために排気ガスの一部を吸入系に戻すEGRが採用され、また、筒内噴射エンジンが実用化されている。
このように点火タイミングや燃料噴射量に加えて、さらに可変バルブタイミングや吸気に排気を混合する割合、燃料噴射タイミング、燃料圧力等のさまざまなエンジン制御パラメータを考慮せねばならない。
また一方で、各国では排ガス規制に異なる基準が適用される場合があり、排気ガス中のNOx、CO2、HCなどの各濃度を各国の規制値を満たすように調整する必要もある。つまり求められるエンジン特性もまた複雑になっている。
各制御パラメータの性能が最良となる点を単純に重ねることでは、適合値を得ることはできない。これは、1つのエンジン制御パラメータと他の1つのエンジン制御パラメータとの間に交互作用があり、互いに影響し合っているからである。
エンジン制御パラメータが3つ程度しかないような旧来のエンジンの場合には、試行錯誤を繰返すことにより適合点を探すことができていたが、エンジンの高性能化に伴いエンジン制御パラメータの数が5ないし7個程度に増加すると、人間が旧来の感覚で試行錯誤により適合点を求めるのはほとんど不可能となってきた。
したがって、近年ではエンジン制御パラメータの適合化の効率を上げるため、たとえば特開2002−322938号公報(特許文献1)に示されるように、実験計画法が自動車の実験にも用いられるようになってきている。
特開2002−322938号公報
各種の最適化の手法には、シンプレックス法、ニュートン法、最近では遺伝アルゴリズムによる最適化手法などがあるが、これらは計測できる範囲で数多く実験を行ない、制御パラメータの最適化に必要な実験データを得るものである。しかし、実験点が多いため効率が悪く、もっと効率の良い新たな方法に対する要求が高まっている。
そこで、上述のように自動車の実験にも実験計画法を用いることが検討されているわけであるが、実験計画法を用いた場合には、計画した実験点のうち計測できない点(以下、これを欠測点という)があると、予測精度が大きく悪化してしまう。したがって、エンジン特性の精度のよいモデルを得るためには、欠測点がいくつか存在する場合には、各実験点において正常なデータが得られるような実験計画を立て直す必要がある。
このような場合、計測できない領域たとえばエンジンの失火領域や過熱領域などが事前に予測できれば、初めからその領域を外した実験計画を立てることができる。しかしながら、現実には、実験を実施することにより計測できない領域が判明することが多い。このため、設定した実験点の中に、計測できない領域に属する実験点すなわち欠測点が多数存在すると、計測したデータが不備であるということで再度実験計画法を立て直し再計測する必要がある。このようなケースでは、エンジン開発においてエンジン制御パラメータを適合させる段階を大きく遅延させる要因となる。
この発明の目的は、エンジン制御パラメータの適合化を短期に行なうことができるエンジン制御パラメータの実験計画設定方法、その実験計画設定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体およびエンジン制御パラメータの実験計画設定装置を提供することである。
この発明は、要約すると、エンジン制御パラメータの実験計画設定方法であって、各々が複数のエンジン制御パラメータの組合せで示される実験点を、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定するステップと、設定された第1の所定数の実験点において計測された実験結果データを入力するステップと、実験結果データを参照して、応答曲面を得るのに有効なデータが得られた有効実験点と有効なデータが得られられなかった欠測点を抽出するステップと、欠測点の数が所定のしきい値を超えた場合に、欠測点を実験点から排除した上で、有効実験点と組合せて用いることにより応答曲面を得ることができる第2の所定数の追加実験点を設定するステップとを備える。
好ましくは、追加実験点を設定するステップは、各有効実験点に対応する複数のエンジン制御パラメータと第2の所定数の追加実験点に対応する複数のエンジン制御パラメータを用いて作成される行列をXとするとき、行列式|XTX|が最大となる追加実験点の組合せを求めるステップを含む。
好ましくは、第1の所定数の実験点は、中心複合計画に基づいて定められる。
より好ましくは、第1の所定数の実験点を設定する際の実験候補点は、エンジン制御パラメータの制御幅の最大値、最小値および最大値と最小値の中間値の3点の選択値のうちのいずれか1つを各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せによって定まり、追加実験点は、3点の選択値に最大値と中間値の間の点および最小値と中間値の間の点が追加された5点の選択値からいずれか1つの値を各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せのうちから欠測点を除去したものから選択される。
好ましくは、エンジン制御パラメータの実験計画設定方法は、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定するステップにおいて、あるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータで表せる場合は、実験点におけるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータの作動範囲である場合にのみ、実験点として設定するステップと、実験点におけるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータの作動範囲外である場合には欠測点とするステップとをさらに備える。
この発明は他の局面においては、上記いずれかのエンジン制御パラメータの実験計画設定方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
この発明はさらに他の局面においては、上記いずれかのエンジン制御パラメータの実験計画設定方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
この発明のさらに他の局面に従うと、エンジン制御パラメータの実験計画設定装置であって、各々が複数のエンジン制御パラメータの組合せで示される実験点を、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定する第1の設定部と、設定された第1の所定数の実験点において計測された実験結果データを入力する入力部と、実験結果データを参照して、応答曲面を得るのに有効なデータが得られた有効実験点と有効なデータが得られられなかった欠測点を抽出する抽出部と、欠測点の数が所定のしきい値を超えた場合に、欠測点を実験点から排除した上で、有効実験点と組合せて用いることにより応答曲面を得ることができる第2の所定数の追加実験点を設定する第2の設定部とを備える。
好ましくは、第2の設定部は、各有効実験点に対応する複数のエンジン制御パラメータと第2の所定数の追加実験点に対応する複数のエンジン制御パラメータを用いて作成される行列をXとするとき、行列式|XTX|が最大となる追加実験点の組合せを求める。
好ましくは、第1の所定数の実験点は、中心複合計画に基づいて定められる。
より好ましくは、第1の所定数の実験点を設定する際の実験候補点は、エンジン制御パラメータの制御幅の最大値、最小値および最大値と最小値の中間値の3点の選択値のうちのいずれか1つを各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せによって定まり、追加実験点は、3点の選択値に最大値と中間値の間の点および最小値と中間値の間の点が追加された5点の選択値からいずれか1つの値を各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せのうちから欠測点を除去したものから選択される。
本発明によれば、自動車エンジンのように欠測点が存在する場合に、すでに実験で得られた正常なデータを生かしつつ、少ない追加実験を行なうことによって各特性のモデルの精度が効率的に確保できる。これによりエンジン制御パラメータの適合化に要する時間を短縮できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰返さない。
[エンジン制御パラメータ適合システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法が適用されるエンジン制御パラメータ適合システムの構成を示すブロック図である。
制御パラメータによって制御される対象は、筒内噴射型のガソリンエンジン10である。図1を参照して、ガソリンエンジン10は、シリンダ11と、ピストン12と、シリンダ11及びピストン12によって区画形成される燃焼室13の上方に配置され、燃料を直接噴射するインジェクタ14と、燃焼室13内の混合気に点火するための点火プラグ15を備える。
燃焼室13には吸気通路16から空気が吸入され、これに燃料が噴射され混合気になる。点火により混合気が燃焼した燃焼ガスは、排気として燃焼室13から排気通路17へ排出される。吸気通路16からの空気の吸入及び排気通路17への排気の排出の各タイミングは、それぞれ吸気バルブ18及び排気バルブ19の開弁タイミングによって設定される。図1に示されるエンジン10の場合、吸気バルブ18の開弁タイミング(排気バルブ19の開弁期間とのオーバーラップ量)は、可変バルブタイミング機構20によって可変設定される。
一方、エンジン10の燃焼室13に取り込まれる空気量は、吸気通路16の途中に設けられた電子制御スロットル21によって調節される。また、排気通路17へ排出された排気の一部は、EGR通路22を介して吸気通路16に戻される。そして、この戻される排気量は、EGRバルブ23の開弁量によって調節される。
こうしたエンジン10の制御は、ECU30によって行われる。また、このECU30には、水温センサ26やエンジン10の出力軸24近傍に設けられた回転速度センサ25等、エンジンの運転状態を計測する各種センサからの情報が計測情報として入力される。
エンジン10の各種制御パラメータを適切な値に設定する制御マップの各適合値を本実施の形態の適合システムは算出する。本実施の形態の適合システムは、エンジン10の出力軸24と連結されるダイナモメータ31と、ダイナモメータ31を操作するダイナモ操作盤32と、ダイナモメータ31を所定の条件に制御すべくダイナモ操作盤32に指令を送る自動計測装置33とを備える。
ここで、ダイナモメータ31は、エンジン10の出力軸24の発生するトルクを吸収する。これにより、エンジン10を擬似的に車両に搭載した負荷状態にして各種試験を行うことができる。そして、ダイナモメータ31の吸収するトルクは、自動計測装置33からの指令にしたがって、ダイナモ操作盤32が操作されることで制御される。
本実施の形態の適合システムは、さらに、ECU30と自動計測装置33との間でデータのやりとりを仲介するパネルチェッカー34を備える。そして、自動計測装置33では、パネルチェッカー34を介して、ECU30内に保持されるエンジン10の計測情報を取得する。
エンジン10が実際に車両に搭載されるときには、各種センサ等からECU30に入力される計測情報に基づきその運転状態が制御される。これに対し、ダイナモメータ31を用いて擬似的に車両に搭載された状態を作り出す場合には、運転者の意志を反映したアクセルペダルの踏み込み量等のデータがECU30に供給されない。
そこで、自動計測装置33は、エンジン10の計測情報を参照してエンジン10の状態をモニタしつつ、パネルチェッカー34を介してアクセルペダルの踏み込み量に相当するデータ等をECU30に供給する。このようにして、自動計測装置33は、エンジン10を所望の運転状態に制御する。
一方、ECU30内には、エンジン10の制御情報として、エンジン10に類似する機種のエンジンの制御マップ等、エンジン10を大まかに制御することのできる制御マップが記憶されている。
自動計測装置33によるエンジン10やダイナモメータ31を制御する指令は、大きくは自動計測装置33内の条件ファイルに基づいて設定される。この条件ファイルには、基本的には、計測を所望するエンジン10の各運転状態(回転速度及び負荷)ごとに、その制御パラメータ(点火タイミング、燃料噴射量、可変バルブタイミング、吸気に排気を混合する割合、燃料噴射タイミング、燃料圧力等)が書込まれている。そして、この各運転状態ごとにエンジン10が固定制御されてそのときのエンジン10の出力が計測器35によって計測される。なお、この条件ファイル内に設定される各条件は、条件設定ツール53によって設定される。
条件ファイルに設定された各運転状態にエンジン10の運転状態を制御するために、自動計測装置33は、パネルチェッカー34を介してECU30にアクセルペダルの踏み込み量に相当するデータ等を供給する。
そして、エンジン10がこの条件ファイルを通じて設定された運転状態に制御されると、自動計測装置33では、パネルチェッカー34を介してECU30内のメモリあるいはレジスタ等にマニュアルフラグをセットする。このマニュアルフラグは、上記制御マップによるエンジン10の制御を禁止するフラグである。
エンジン10が上記条件ファイルを通じて設定された運転状態となると、自動計測装置33では、このフラグをセットするとともに、エンジン10の制御パラメータを同条件ファイル内に設定された値に固定制御する。
こうして上記条件ファイルに設定されたエンジン運転条件にもとづいて制御パラメータが所定の制御値に固定制御された状態で、燃料消費量や排気中のNOx濃度、出力トルクの変動量等、エンジン10の各特性値が計測器35により計測される。
詳しくは、この計測器35は、エンジン10に供給される燃料量を計測する燃費計と、エンジン10の排気通路17から排出されるガス成分中のNOx濃度を分析する分析計と、エンジン10及びダイナモメータ31間に設置されたトルクメータと、トルクメータの値を計算処理するトルク変動計とを含む。
そして、燃料消費量に関しては、燃費計による計測値が、自動計測装置33内で計算処理される。また、NOx濃度は、分析計で算出された濃度が計測値として用いられ、自動計測装置33によって計算処理される。更に、出力トルクの変動量は、トルク変動計の値として計測され、自動計測装置33で計算処理される。これら自動計測装置33内で計算処理されたデータが計測データとなる。
この適合システムは、さらに、計測データを上記各条件ファイルごとに保持するサーバ40と、サーバ40に保持された計測データを各条件ファイルの情報とともに解析する解析ツール50と、解析ツール50による解析結果を表示する表示器51と、解析結果の一部を記憶保持するデータベース52と、これら解析ツール50や条件設定ツール53等を操作するための操作部60とを備える。
[欠測点と追加実験点の説明]
図2は、欠測点を簡単に説明するための図である。
図2では、本発明の実施の形態の特徴を簡単に説明するために、エンジン制御パラメータとして可変バルブタイミングVVTと点火時期AOPの2つのパラメータを変えた場合の実験計画について説明する。
エンジン特性のモデルの精度を高めるには、2次のモデルを適用することが好ましい。この場合には、各制御パラメータの値を3値的に変化させるという3水準の実験点を設定する。各制御パラメータのセンターポイントを「0」、その上下の値を「+1」および「−1」とすると、図2に示すような9点の実験点P(−1,1)、P(0,1)、P(1,1)、P(−1,0)、P(0,0)、P(1,0)、P(−1,−1)、P(0,−1)、P(1,−1)が設定される。以上の9点の実験点において測定を行なった結果実験点P(1,1)が欠測点となったとする。
欠測点となる場合とは、異常燃焼によりノッキングが発生しエンジンが正常に回転しない状態や、エンジンが高温となりすぎてエンジンの耐熱温度を超えてしまう場合や、燃料に点火が正常に行なわれず、未燃焼の燃料が排出され排気ガス触媒に対して不都合となってしまう場合などが当てはまる。また、データを測定したがノイズが大きい場合や通信の不具合などによりデータが異常となってしまう場合なども欠測点に当てはまる。
欠測点P(1,1)が生じた場合に精度の高いモデルを得るためには、欠測点P(1,1)を除いた上で再度始めから実験点9点を定める実験計画を立て直し、新たに定めた実験点9点に対して再度計測を行なうことが考えられる。
しかしながら、このような方法では、今までに測定済みで正常なデータが得られている8つの実験点の実験結果が無駄になってしまう場合が多い。
そこで、本発明では今まで測定したデータを活かしつつ追加の実験点を設定することにより、今までに得ていた正常な実験点のデータと追加実験点のデータを用いて2次のモデルを作成する。
図3は、追加の実験点について説明するための図である。
図3を参照して、まず追加実験点の候補として制御パラメータの制御幅を4等分した点を追加する。制御幅とは、制御パラメータの設定可能な最大値と最小値の差である。
こうして実験候補点が設定され、この実験候補点の中から欠測点の数よりも多い追加点を選択する。たとえばこの追加点の数は、欠測点の数の1.5倍の数の小数点以下を四捨五入してこれを追加点の数とする。図2の場合は欠測点が1点であるので、図3においては追加点は2点となる。
そして実験候補点の中から2点を選択するすべての組合せについて評価を行なう。評価は選択した2点と今までに正常にデータが得られている実験点について、D最適化計画による評価を行なう。そして評価が最大となる2点の組合せを追加実験点とする。なお、D最適化計画は、選択した2点と正常な実験点との組合せについて所定の行列Xを作成し、そして行列式|XTX|が最大となるような2点の実験候補点を選び出すものであるが、後に詳しく説明することとする。なお、XTは、行列Xの転置行列である。
図3の場合は欠測点P(1,1)に一番近い実験候補点である追加点P(0.5,1)、P(1,0.5)が選択された。
このようにすることにより、既に測定済みである実験点8点のデータを活かすことができ、さらにあらたに測定する実験点の点数を2点に抑えることができる。これにより、欠測点P(1,1)を除いた上で再度最初から実験計画を立て直す場合よりも大幅に時間の短縮が可能となる。
図4は、本発明の実施の形態に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法とこれを用いたエンジン制御パラメータの最適化処理を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、エンジン制御パラメータの実験計画設定方法は、各々が複数のエンジン制御パラメータの組合せで示される実験点を、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定するステップ(S1)と、設定された第1の所定数の実験点において計測された実験結果データを入力するステップ(S2)と、実験結果データを参照して、応答曲面を得るのに有効なデータが得られた有効実験点と有効なデータが得られられなかった欠測点を抽出するステップ(S3)と、欠測点の数が所定のしきい値を超えた場合に、欠測点を実験点から排除した上で、有効実験点と組合せて用いることにより応答曲面を得ることができる第2の所定数の追加実験点を設定するステップ(S5,S6)とを含む。
図1、図4を参照して、まず処理が開始されるとステップS1において、データ計測用の実験計画が条件設定ツール53において設定される。そしてこの設定された条件が自動計測装置33に条件ファイルとして転送され蓄積される。
続いてステップS2において、条件ファイルに基づいて自動計測装置33はパネルチェッカー34およびダイナモ操作盤32を制御して、各実験点に対応する運転をエンジン10に行なわせ、そして計測器35においてエンジンの特性値を計測データとして採取する。そして自動計測装置33は採取した計測データをサーバ40に転送する。そしてサーバ40から解析ツール50に計測値が入力される。
続いてステップS3において未計測処理が行なわれる。未計測処理では、解析ツール50は、計測データと条件ファイルとを参照して欠測点の数を算出する。欠測点としては、計測データ中に計測不能であった旨のフラグが書込まれている場合や、計測値が所定のしきい値を超えてしまうようなノイズと思われるデータであった場合が該当する。
そしてステップS4において、欠測数の数が所定の数たとえば3を超えているかいないかが判断される。この所定の数は制御パラメータの数や実験点の数に応じて調整される。
ステップS4において欠測数が所定の数を超えていた場合には、正常なモデルを作成することができないので、ステップS5に進み追加計画処理が行なわれる。追加計画処理においては、D最適化計画が用いられ、行列式|XTX|が最大となるように今まで正常に測定された実験点に追加される追加点が決定される。
そしてステップS6に進み追加実験点が効率的に実験できるような順序が設定される。そしてステップS6が終了すると、自動計測装置に追加点の条件が転送されて、これに基づいてパネルチェッカー34およびダイナモ操作盤32が制御され、追加実験点に対応するデータが計測器35において採取される。再び採取されたデータはステップS2においてサーバ40から解析ツール50に転送される。解析ツール50では再びステップS3の未計測処理が行なわれ、ステップS4において欠測数が所定の数より多いか否かが判断される。
ステップS4において欠測数が所定数以下であると判断された場合には、正常に測定されている実験点のデータのみで適正なモデルを得ることができる場合である。この場合にはステップS7で現在の欠測数を欠測値に確定する欠測値処理が行なわれ、ステップS8において特性値のモデル化処理が行なわれる。
モデル化処理では、正常に測定された計測結果に基づいて、各運転状態ごとに、各制御パラメータとエンジン10の各特性値との関係を定めたモデル式を求める。
そしてステップS9では、得られた特性値のモデル式を用いてエンジン制御パラメータの最適化処理が行なわれる。この最適化処理では、各運転状態ごとに上記エンジン10の各特性値に対して予め設定された要求条件に基づいて、この求めたモデル式から各運転状態における制御パラメータの適合値を算出する。そして制御パラメータの適合値が算出されると処理は終了する。
[制御パラメータが3つである場合の具体例]
続いて、もう少し具体的な例として制御パラメータが3つである場合について本発明の実施の形態に係る実験計画設定方法を適用した具体例を説明する。
たとえばエンジン制御のパラメータとして可変バルブタイミングVVT、点火時期AOPおよび吸気に排気を混入する率EGRを考える。またエンジン出力特性として燃料消費量BSFC、窒素酸化物濃度NOxおよびトルク変動TFを最適化することを例題とする。
各制御パラメータの変化に対して、エンジン出力特性は非線形であるので、少なくとも各制御パラメータに対して3水準の実験データが必要になる。
図5は、一般的な実験計画法における実験点を示した図である。
図5に示すように、従来の実験計画法では、3の3乗、すなわち27の実験点が必要となる。
しかしながら、近年では、中心複合計画(CCF)などにより、より効率的な計画を設定することが推奨されている。
図6は、中心複合計画によって設定された実験点を示した図である。
図6の例では、点火時期AOPは15度(°BTDC)、25度、35度の3値が実験値として示されている。また可変バルブタイミングVVTは、クランクアングル0度、20度、40度の3点が設定値として示されている。さらに吸気に対する排気の率EGRは0%、10%、20%が設定値として示されている。これらの制御パラメータの設定値の組合せによって15の実験点が選択されている。
図5の場合には27の実験点であったが、図6の場合は15の実験点に減っている。したがって各計測値の重要度は図5の場合よりも増すことになる。ただし中心点はばらつきを考慮するため複数回計測する。このため中心点は実験番号NO.8〜NO.10が対応している。
図7は、図6の中心複合計画によって設定した制御パラメータに対してエンジン出力特性を計測した一例を示す図である。
図7の測定番号1〜17は図6のNO.1〜NO.17にそれぞれ対応する。
図8は、出力特性を数式化し計算値を求め実測値との差を残差として示した図である。
図8においてエンジン出力特性である燃料消費量BSFC,窒素酸化物濃度NOxおよびトルク変動TFは2次応答曲面のモデル式で近似している。ただしトルク変動TFは正規分布にならない特性であるので、対数変換を実施した後に2次応答曲面のモデル式で近似して逆変換して示している。
ここで、モデル式について少し説明しておく。本実施の形態では、エンジン10の回転速度と負荷とで定まる複数点(たとえば120点)の運転条件に対して、それら各点におけるエンジン制御パラメータの適合値を求めることが目的となる。
そして、この複数点の適合値の算出は、基本的には:1)各運転状態ごとに、制御パラメータの値をいくつか設定してエンジン10の上述した各特性値を計測する;2)こうした計測結果に基づいて、各運転状態ごとに、各制御パラメータとエンジン10の各特性値との関係を定めたモデル式を求める;3)各運転状態ごとに上記エンジン10の各特性値に対して予め設定された要求条件に基づいて、この求めたモデル式から各運転状態における制御パラメータの適合値を算出する、といった手順にて行われる。
2次のモデル式は、3つの制御パラメータをX1,X2,X3とするとき、次の式(1)のように仮定される。
β11+β22+β33+β1212+β1313+β2323+β1111+β2222+β3333+β0=y … (1)
実験点と実験点の間をモデル式で内挿することにより、応答の様子が理解できる。つまり、各係数βをもとめれば、応答曲面が求まる。
測定データから各係数βの算出方法について説明する。
各実験点Pを一行として行列形式で式(1)をあらわすと、次の行列形式のようになる。ただし、X1(1)は、実験点NO.1におけるX1の測定データを示す。また、表記の簡略化のためX1(1)×X2(1)等はX12(1)のように記載する。
Figure 0004453581
Xを行列、β、yは実験点の数の配列とすると、結局次の式(2)のようになる。
Xβ=y … (2)
したがって、係数βは式(3)により求められる。
β=(XTX)-1Ty … (3)
ここで、図8において燃料消費量BSFCの変動幅が20%程度であるとき、残差BSFCは±2%以内に入っていれば数式化によるモデリングは良好に行なわれていると考えられる。またトルク変動TFの残差は±0.1に収まっていれば数式はモデルとして使用できる。また窒素酸化物濃度NOxの残差に関しては、ほとんど0であるので良好にモデル化がされている。
以上より、エンジン制御パラメータの変化に対してエンジン出力特性BSFC,NOx,TFをモデル式で表現することは可能であると考えられる。
図9は、図8に示される実験点17点でモデル式による燃料消費率BSFCに基づき応答曲面を示した図である。
図9では、可変バルブタイミングVVTが0度である場合の応答曲面が示されている。また、図9では、図8の実験番号1,2,3,4,5を対応の参考のために矢印で示している。
ここで、実験データが得られない場合について考察する。実験計画法により絞り込まれた条件での計測であるため、基本的には実験点において正常なデータが得られないと、それによって得られたモデルの精度は極端に悪化すると考えられているが、1〜2点の欠測においては、そのままデータを用いても欠測点以外の部分についてはほぼ良好なモデルが得られる。なお、欠測点は現実にエンジンを運転する点ではないため、欠測点における計算値が多少適切な値から外れていたとしても、現実にエンジンを運転する適合点を求めるのには差し支えない。
しかし欠測点数が多くなると、欠測点近傍における計算値と実測値の差は大きく異なってしまう。
図10は、欠測点が4点の存在する場合の例について欠測点の位置を示した図である。
図10を参照して、NO.1、5、11、17の4点が正常にデータを得ることができない欠測点であった場合について考える。欠測点は、ノッキングが起こった場合や、失火により未燃焼ガスが排気に混じり触媒においてこれが燃焼した場合などが原因で生ずる。
図11は、4点の欠測点が存在する場合の計算値と実測値との差を示した図である。
図11においては、図10におけるNO.1,5,11,17の4点の欠測点の測定データを使用せずに、他の実験点のデータを用いてエンジン出力特性を2次応答曲面で近似して計算値を出力している。
なお、残差が欠測点でも得られているのは、図7の実測値が4点の欠測点においても得られているからである。たとえば、実車では、量産が可能な触媒の耐熱性が低いものを使用したり、また、燃料として通常はレギュラーガソリンを使用し、欠測となる場合が想定されるが、実験ベンチでは、たとえば触媒として耐熱性の高いものを使用したり、ノッキングを防ぐためにハイオクガソリンを使用するなどによりデータを得ることができる。
図11では、欠測点においては特に残差が大きくなっていることがわかる。ただし欠測点は実際に使用することができない領域であるため、欠測点における残差が大きくなったとしても、他の運転可能領域における残差が小さければモデルとしては良好である。
図12は、図11に対応する燃料消費率BSFCの計算値に基づく応答曲面を示した図である。
図12では、可変バルブタイミングVVTが0度である場合の応答曲面が示される。図12と図9とを比較すると、欠測点であるNO.1の近辺では正常な場合に比べて大きく計算値が外れてしまうことがわかる。このように正常なモデルから大きく異なる結果となってしまった。つまり、欠測点数が多くなると、欠測点近傍において計算値が正常なモデルとはかけ離れた値となるので、実験点を増やしてデータを追加する必要が出てくる。
実験点を増やすことについて、図10に示した欠測点の条件を考察する。図10においてAOP=35およびEGR=20の組合せが測定不可であるので、実験可能な領域に実験点を設定するために制御パラメータの範囲をAOP=15〜30,EGR=0〜15とした実験計画を再度立案し、再計測する方法も考えられる。しかし、再計画されたすべての実験点を計測しなければならず、今まで計測した実験点のデータも無駄になり、非常に非効率的になる。
また、制御パラメータの設定値は、実験しやすい値であることが望ましいが、再計画された実験点の制御パラメータの設定値が中途半端な値となり実験がやりにくくなってしまう場合も考えられる。
図13は、図10に示すような欠測点が存在した場合の追加実験点を示した図である。
図13に示すように、NO.21〜25の5点の実験点が追加され、この実験点において測定されたデータが2次応答曲面で近似される近似式に用いられる。つまり、計測済の13点の実験点はそのままに、必要な追加点NO.21〜25のみを計測してモデル式の精度を確保する。
まず、各制御パラメータごとに実験空間を4等分した点を追加実験候補点として設定する。実験空間を4等分した点は、たとえば3等分する点などよりも制御パラメータの値が実験の際に設定しやすいものであることが多い。ここでは、追加実験点をこれらの追加実験候補点から選択する手法として、D最滴化計画を利用する。
先に説明した応答曲面を示す式(3)において係数βの精度は(XTX)-1の安定性に依存する。この安定性は、行列式|XTX|の大きさで評価できる。行列式|XTX|の大きさを最大にするように実験点を定めるのがD最適化計画である。
つまり、欠測した点を除いた行列X′に、実験候補点の中から欠測した点数+αを追加して行列Xを作成する。図13の例では欠測点4に対し、α=1として追加点の数を5とした。そして、行列式|XTX|を算出した結果から、最大となる追加点の組合せを決定する。図13の追加実験点NO.21〜25はこのようにして求められたものである。
この行列式について少し説明しておく。
3水準の制御パラメータの中心複合計画で、2次応答曲面をモデルとして考える。簡単のため、3水準値を「−1」、「0」、「1」の3値に無次元化して考える。無次元化しても、行列式|XTX|の演算結果同士の大小関係は同じになるからである。
図14は、無次元化した場合の式(1)および(2)に対応する行列を示した図である。
平均値を原点とすると、3つのパラメータの実験計画は図14のX1〜X3に示すようになる。また、交互作用はX1X2,X1X3,X2X3で示すようになり、2次成分はX1X1,X2X2,X3X3で示すようになる。
図14に示した行列をXとして行列式|XTX|を求めると、答は53248000となる。
図15は、4点の欠測値が存在した場合の行列を示した図である。
図15では、欠測値NO.1,5,11,17が図14から除かれている。この場合に行列式|XTX|を計算すると答は12288となり、元の図14の行列の場合と比べると非常に小さな値となっている。そこで、図15に示された行列に、有効な追加点5点分の行を加えることでこの行列式を大きくする。
図16は、追加実験点NO.21〜25に対応する行が加えられた行列を示した図である。
図16に示した行列の場合は、行列式|XTX|を計算すると答は40473993.97となった。追加点はこの場合欠測点数+1を基本とし、隣り合う欠測値を結ぶ直線上に位置する追加実験点は除去し、実験空間を4等分した点、すなわち無次元化した値で0.5刻みの追加実験点を候補として組合せ上行列式を最大とする点を、図1における解析ツール50が求めたものである。このようにして、図13の追加実験点NO.21〜25が求められる。なお解析ツール50は一般にはコンピュータを使用することができる。
図17は、欠測点を除いた実験点に追加して追加実験点21〜25の測定データを表示した図である。
図18は、元の有効データと追加点のデータを用いて近似したモデル式による計算値と実測値との差を示した図である。
図18においても2次応答曲面で近似した式から各点を推定した。図18を図8と比較すると、欠測なしで求めた図8の計算値と追加実験点を加えて求めた図18の計算値とは、ほぼ同等な結果が得られていることがわかる。
以上説明したように、自動車エンジンのように欠測点が存在する場合に、すでに実験で得られた正常なデータを生かしつつ、少ない追加実験を行なうことによって各特性のモデルの精度が効率的に確保できる。これによりエンジン制御パラメータの適合化に要する時間を短縮できる。
[実施の形態の変形例]
上記の実施の形態では、実験計画法において、実験点での制御を行なうとエンジンの破損が生じる場合に、追加点を加える追加計画にて試験条件を設定し試験を行ない、最終的に得られた計測点データから各特性をモデル化する場合について説明した。
特性モデルには物理量によるモデルと制御量によるモデルとが考えられる。エンジン制御のための適合は、制御パラメータでの最適解を求めるために制御量によるモデルが必要であるが、高品質化のためロバスト性等を考慮した適合には、更なるモデル精度が要求される。精度の高いモデルを形成するには、制御量では共線性等の問題があるので物理量ベースでの実験計画が必須となる。
しかしながら、エンジンの制御量(Y)が別の2以上の物理量のパラメータ(X1,X2)で表される場合において、制御量(Y)に対応する2以上の物理量のパラメータ(X1,X2)が存在しない領域である時に、物理量のパラメータに実験計画法を用いると応答曲面の精度が悪くなる。
図19は、エンジン制御量が存在しない領域について説明するための図である。
図19を参照して、縦軸にはオーバーラップ量olが示され、横軸にはインテークバルブ閉じタイミングvtclsが示されている。オーバーラップ量olとは、インテークバルブとエキゾーストバルブが両方とも開となる角度をいい、クランク角で表される。インテークバルブの進角量をinvt、エキゾーストバルブの進角量をexvtすると、オーバーラップ量olは、次式(4)で表される。
ol=invt+exvt+ofset0 …(4)
なお、ofset0は、invt=0,exvt=0の時のオーバーラップ量である。このとき、ofset0は負の数も取りうるがol<0のときはofset0は0であるとみなす必要がある。
すなわち、制御量であるオーバーラップ量olは2以上の物理量のパラメータによる関数fとして表される。このとき、次式(5)のように表記することができる。
ol=f(invt,exvt,ofset0) …(5)
同様に、制御量であるインテークバルブ閉じタイミングvtclsは、関数gとして次式(6)のように表記することができる。
vtcls=g(invt,ofset2) …(6)
なお、ofset2は、invtからvtclsを算出するための定数である。
図19の領域A1で実験計画法による実験点を定めたとする。しかし、このように、オーバーラップ量ol、インテークバルブ閉じタイミングvtclsが関連あるパラメータで示されるとき、現実に実験可能な実験点は領域A2で示され、領域A1中には実験不可能な実験点が含まれてしまう場合がある。
図20は、実験計画法により定めた実験点に対して追加点を定めた状態を示す図である。
図20を参照して、実験点P(−1,1)、P(0,1)、P(1,1)、P(−1,0)、P(0,0)、P(1,0)、P(−1,−1)、P(0,−1)、P(1,−1)の9点が図19の領域A1内に中心複合計画によって設定された初期実験計画点である。これらの初期実験計画点のうち、図19の領域A2からはみ出てしまう実験点が欠測点となる。図20では、実験点P(1,1)、P(−1,−1)の2点が欠測点である。
このようなケースで欠測点が生じた場合においても、図3で説明した場合と同様制御パラメータの制御幅を4等分した点を追加実験点の候補とする。この場合欠測点数の2倍の数を追加点数とする。そしてD最適化計画によって追加実験点を定める。図20では、追加実験点P(−0.5,0.5)、P(0.5,0.5)、P(−0.5,−0.5)、P(0.5,−0.5)の4点が定められたことが示される。
図21は、本発明の実施の形態の変形例に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法とこれを用いたエンジン制御パラメータの最適化処理を説明するためのフローチャートである。
図1、図21を参照して、まず処理が開始されるとステップS11においてエンジン特性の物理モデルが作成される。TQやNOx等のエンジン特性値をY1、Y2とするとエンジン特性値は、2次応答モデル等のモデル関数F1、F2を用いて次式のように表される。なおstは点火タイミングを示す。
Y1=F1(ol,vtcl,st,・・・) …(7)
Y2=F2(ol,vtcl,st,・・・) …(8)
続いてステップS12において、物理量でのデータ計測用の実験計画が設定される。またステップS13において式(4)〜(6)で説明したように制御量と物理量の関係式が設定される。なお、ステップS13は、ステップS11の前に行なわれても良い。
そして、図20で説明したように、ステップS14において制御量の設定可能範囲を考慮して実験点のうち欠測点を除外する処理が行なわれ、ステップS15において欠測点を除外した実験点でモデル式が算出可能か否かが判定される。ステップS15においてモデル式が算出不可能な場合はステップS16に進み計測不可能な実験点を欠測処理し、欠測点数の2倍の点を追加計画(D最適化計画)によって追加実験点として定めて再びステップS15の判定が行われる。D最適化計画は、行列式|XTX|が最大となるように今まで設定された欠測とならない実験点に追加される追加点が決定される。
ステップS15においてモデル式が算出可能な場合はステップS17に進み、実験計画に基づきデータの計測が行なわれる。計測の際には物理量からせ制御量が逆算されて計測が行なわれる。
続いて、ステップS18において特性値の物理モデル予測式算出処理が行なわれる。物理モデル予測式算出処理では、正常に測定された計測結果に基づいて、各運転状態ごとに、各物理量制御パラメータとエンジン10の各特性値との関係を定めたモデル式を求める。この処理では、物理量による2次応答曲面を統計手法により求める。なお、2次応答曲面をモデルとするが、2次の項目が有意でない場合(検定手法を用いて判断)は、その項目を削除することで予測モデルを向上させる。
そしてステップS19において物理量を制御量に変換し、制御量の特性予測式算出処理が行なわれる。
最後にステップS20では、得られた特性値のモデル式を用いてエンジン制御パラメータの最適化処理が行なわれる。この最適化処理では、各運転状態ごとに上記エンジン10の各特性値に対して予め設定された要求条件、つまり各特性の制限値やトレードオフを考慮して、この求めたモデル式から各運転状態における制御パラメータの適合値を算出する。そして制御パラメータの適合値が算出されると処理は終了する。
実施の形態の変形例では、物理量を元に実験計画を立て制御量を逆算するので精度の高い二次応答曲面を得ることができ、かつ制御不能な範囲を除くことが簡単にできるため、適合の効率化が促進される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法が適用されるエンジン制御パラメータ適合システムの構成を示すブロック図である。 欠測点を簡単に説明するための図である。 追加の実験点について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法とこれを用いたエンジン制御パラメータの最適化処理を説明するためのフローチャートである。 一般的な実験計画法における実験点を示した図である。 中心複合計画によって設定された実験点を示した図である。 図6の中心複合計画によって設定した制御パラメータに対してエンジン出力特性を計測した一例を示す図である。 出力特性を数式化し計算値を求め実測値との差を残差として示した図である。 図8に示される実験点17点で燃料消費率BSFCをモデル式による応答曲面を示した図である。 欠測点が4点の存在する場合の例について欠測点の位置を示した図である。 4点の欠測点が存在する場合の計算値と実測値との差を示した図である。 図11に対応する燃料消費率BSFCの計算値に基づく応答曲面を示した図である。 図10に示すような欠測点が存在した場合の追加実験点を示した図である。 無次元化した場合の式(1)および(2)に対応する行列を示した図である。 4点の欠測値が存在した場合の行列を示した図である。 追加実験点NO.21〜25に対応する行が加えられた行列を示した図である。 欠測点を除いた実験点に追加して追加実験点21〜25の測定データを表示した図である。 元の有効データと追加点のデータを用いて近似したモデル式による計算値と実測値との差を示した図である。 エンジン制御量が存在しない領域について説明するための図である。 実験計画法により定めた実験点に対して追加点を定めた状態を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例に係るエンジン制御パラメータの実験計画設定方法とこれを用いたエンジン制御パラメータの最適化処理を説明するためのフローチャートである。 エンジンの制御パラメータの適合値について一般的に説明するための図である。
符号の説明
10 エンジン、11 シリンダ、12 ピストン、13 燃焼室、14 インジェクタ、15 点火プラグ、16 吸気通路、17 排気通路、18 吸気バルブ、19 排気バルブ、20 可変バルブタイミング機構、21 電子制御スロットル、22 EGR通路、23 EGRバルブ、24 出力軸、25 回転速度センサ、26 水温センサ、31 ダイナモメータ、32 ダイナモ操作盤、33 自動計測装置、34 パネルチェッカー、35 計測器、40 サーバ、50 解析ツール、51 表示器、52 データベース、53 条件設定ツール、60 操作部。

Claims (11)

  1. 各々が複数のエンジン制御パラメータの組合せで示される実験点を、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定するステップと、
    設定された前記第1の所定数の実験点において計測された実験結果データを入力するステップと、
    前記実験結果データを参照して、前記応答曲面を得るのに有効なデータが得られた有効実験点と前記有効なデータが得られられなかった欠測点を抽出するステップと、
    前記欠測点の数が所定のしきい値を超えた場合に、前記欠測点を前記実験点から排除した上で、前記有効実験点と組合せて用いることにより前記応答曲面を得ることができる第2の所定数の追加実験点を設定するステップとを備える、エンジン制御パラメータの実験計画設定方法。
  2. 前記追加実験点を設定するステップは、
    各前記有効実験点に対応する前記複数のエンジン制御パラメータと前記第2の所定数の追加実験点に対応する前記複数のエンジン制御パラメータを用いて作成される行列をXとするとき、行列式|XTX|が最大となる追加実験点の組合せを求めるステップを含む、
    請求項1に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法。
  3. 前記第1の所定数の実験点は、中心複合計画に基づいて定められる、請求項1に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法。
  4. 前記第1の所定数の実験点を設定する際の実験候補点は、エンジン制御パラメータの制御幅の最大値、最小値および前記最大値と前記最小値の中間値の3点の選択値のうちのいずれか1つを各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せによって定まり、
    前記追加実験点は、前記3点の選択値に前記最大値と前記中間値の間の点および前記最小値と前記中間値の間の点が追加された5点の選択値からいずれか1つの値を各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せのうちから前記欠測点を除去したものから選択される、請求項3に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法。
  5. 前記応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定するステップにおいて、あるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータで表せる場合は、実験点におけるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータの作動範囲である場合にのみ、実験点として設定するステップと、
    実験点におけるエンジン制御パラメータが他の2以上のパラメータの作動範囲外である場合には、欠測点とするステップとをさらに備える請求項1に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  8. 各々が複数のエンジン制御パラメータの組合せで示される実験点を、応答曲面を得るために必要な第1の所定数だけ設定する第1の設定部と、
    設定された前記第1の所定数の実験点において計測された実験結果データを入力する入力部と、
    前記実験結果データを参照して、前記応答曲面を得るのに有効なデータが得られた有効実験点と前記有効なデータが得られられなかった欠測点を抽出する抽出部と、
    前記欠測点の数が所定のしきい値を超えた場合に、前記欠測点を前記実験点から排除した上で、前記有効実験点と組合せて用いることにより前記応答曲面を得ることができる第2の所定数の追加実験点を設定する第2の設定部とを備える、エンジン制御パラメータの実験計画設定装置。
  9. 前記第2の設定部は、
    各前記有効実験点に対応する前記複数のエンジン制御パラメータと前記第2の所定数の追加実験点に対応する前記複数のエンジン制御パラメータを用いて作成される行列をXとするとき、行列式|XTX|が最大となる追加実験点の組合せを求める、請求項8に記載
    のエンジン制御パラメータの実験計画設定装置。
  10. 前記第1の所定数の実験点は、中心複合計画に基づいて定められる、請求項8に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定装置。
  11. 前記第1の所定数の実験点を設定する際の実験候補点は、エンジン制御パラメータの制御幅の最大値、最小値および前記最大値と前記最小値の中間値の3点の選択値のうちのいずれか1つを各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せによって定まり、
    前記追加実験点は、前記3点の選択値に前記最大値と前記中間値の間の点および前記最小値と前記中間値の間の点が追加された5点の選択値からいずれか1つの値を各エンジン制御パラメータごとに選択する組合せのうちから前記欠測点を除去したものから選択される、請求項10に記載のエンジン制御パラメータの実験計画設定装置。
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