JP4295367B2 - オイル溜め容器のオイル抜き用プラグ及びこれを用いたオイル抜き装置 - Google Patents

オイル溜め容器のオイル抜き用プラグ及びこれを用いたオイル抜き装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のエンジンのオイルパン、ギアボックス、あるいは自動車以外のギアボックス等のオイル溜め容器に用いるオイル抜きプラグ(栓,ドレンコック)、及びこのオイル抜きプラグを用いたオイル溜め容器用のオイル抜き装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、例えば自動車機関(エンジン)では、稼働部分の動きを円滑に行わせるため所定の部位に潤滑油(オイル)を循環させる機構が設けられるが、このオイルは使用に伴い経時的に劣化して所望の潤滑性能が得られなくなり、またオイル中に摩耗粉やスラッジが混入する。このため古くなったオイルはエンジン本体の損傷防止等の観点から一定期間毎(一般的には3000〜5000km程の一定距離の走行毎)に交換することが必要とされている。
【0003】
図16は、この古くなったオイルを交換するための構造をもった従来の一般的エンジンの一例を説明するための概略図であり、クランク室下部に設けられたオイルパン102のオイル100は、油ポンプ101によって所定部位に給油される。給油はポンプ101によってオイルを圧送し調整弁103で調圧してから、オイルに混入している金属粉,カーボン,スラッジ等の異物をフィルタ104で除去,清浄し、機関各部を潤滑したオイルは再びオイルパン102に戻るように設けられる。なお、オイルパン102は常に油を満たしている構造のものが普通である。
【0004】
このように、オイルは通常その循環途中でフィルタ104により混入物を除去する清浄処理が行われるが、フィルタによる異物除去にも限界があるだけでなく、オイル自身が経時に性能劣化するという問題は避けられない。そこで、オイルパン102の底部に設けた通常は閉塞されている穴(ドレン穴)105から栓(ドレンコック)106を取り外して開栓することで、古くなったオイルを自然流下(オイルドレン)により抜き、次に、該穴105を閉栓して新しいオイルを上部から流し込むという作業でオイル交換を行っている。
【0005】
ところで、カーメーカーから市場に供給されている自動車は、そのエンジン下部のオイルパンに設けたオイル抜き穴105を単純な螺子込み栓106で閉塞しているのが普通である。このためオイル交換の作業では、そのオイル交換作業の始めに上述のようにオイル抜き穴105の栓を取り外す作業を行い、オイル抜き取り後には栓を螺子込む作業を行っているが、これらの作業は面倒であり、また作業者がオイルまみれになることが避けられない。すなわち、自動車をリフトで持ち上げてから作業するサービス工場等においてはその作業は比較的容易であるが、作業者がオイルで汚れるという問題は解消できない。またリフトなしで行なう場合は、自動車下部の狭い空間に潜り込んでオイルパン底部の閉塞栓を取り外し、あるいは螺子込む作業は極めて面倒である。
【0006】
以上のように従来のオイル交換作業にあっては、作業性に難があり、また作業者や周囲がオイルで汚れるということが避け難いという問題があった。
【0007】
そこで、これらの作業上の難を解消する方法として、エンジンの上部側からオイルを抜き取る作業も行われている。これは例えば、エンジンのオイル量や汚れを調べるために設けられているオイルゲージの装着孔に細長い吸引用チューブを差し込んで古いオイルを真空吸引する方式、あるいはオイル注入口から吸引用チューブを差し込む方式(以下これらを「上抜き方式」という)などである。
【0008】
しかし、これらの上抜き方式は、狭い空間にコンパクトに収容されているクランク軸やその他の複雑な機構の上からチューブを差し込むため、チューブ先端がオイルパンの底部まで達していることを確認する方法がないこともあって、古いオイルの全量抜き取りが難しく、新しいオイルを入れた後のオイルチェックで古いオイルの抜き取り不良が始めて分かって、極端な場合には再度のオイル交換作業が必要になるという問題を招くことがある。また、オイルパンの底部に沈積している金属粉等の除去が困難であるという問題もあって、必ずしも普及していない。
【0009】
一方、古いオイルを下抜きする方法は、オイルの全量抜き取りができる点で優れているので、その下抜き方式の利点を生かしつつ、油で汚れる等の難を解消する方法、すなわち、常閉型ポペット弁内蔵の永久固定栓(プラグ)を使用したオイル交換方法(米国特許第4745894号公報(対応する日本公報:特公平4−48987号公報))、常閉型ボール弁内蔵の永久固定栓(プラグ)を使用したオイル交換方法(米国特許第5048578号公報、特開平8−170782号公報)が提案されている。
【0010】
この方法は例えばボール弁内蔵式のプラグを使用した場合で言えば次のように説明される。すなわち、図17,図18に示すように、既設の単純なプラグ構造のオイル抜き穴閉塞栓を取り外し、これに代えて常閉型ボール弁を内蔵した弁付きプラグ(閉塞栓)201をオイル抜き穴105に固定する。そしてオイル交換時には、該常閉型ボール弁内蔵のプラグ201に、専用の治具204を装着してボール弁を開路させ、オイルパン102内のオイル100を負圧吸引し、抜出しの終了後、前記治具204を外してボール弁を閉塞状態に戻して新しいオイル100を充填する。なおボール弁開栓時のオイル100の吸引抜き取りはオイル抜きホース205を介して吸引装置206で強制的に吸引抜き取りする。
【0011】
この方法によれば、弁付きプラグ201を使用したオイルの吸引抜き取りを、弁の開閉切り換えで行えるので、栓の取り外し,再螺子込みの作業が必要なく、ボール弁の開閉を行わせる専用治具204を用いることで作業を簡単化でき、またオイルで作業者や周囲が汚れることを防止できる。更にまた栓を永久固定とできるので、栓の螺着,螺出時の作業不良で螺子山をつぶすような不具合を招く虞がなくなる点で優れている。
【0012】
前記のボール弁付きプラグ201の詳細構造とその使用の状況は図18により説明される。すなわち、このボール弁付きプラグ201は、オイルパン102のオイル抜き穴(雄ネジ穴)105にネジ込まれるネジ軸部211からその先端に延出されたバネ収容部212に渡って筒形状に形成され、ネジ軸部211の後端にはネジ込み用の六角頭のボルト頭部213が一体に設けられている。なお前記バネ収容部212の先端はバネ支持部を兼ねたプラグ214で閉塞されていると共に、ネジ軸部に連接する根元部の周壁には、オイルが筒部内に流入できるようにするための径方向の穴215が例えば周方向に離隔して3カ所開口される。そしてネジ軸部211の筒内部にはボール216により閉塞される弁座217が設けられていて、このボール216をバネ収容部212内のコイルスプリング218で弁座217に押圧することで弁部を常閉させる(図18(a)参照)。なお、この通常時にはプロテクションキャップ250をボルト頭部213の開口2131に嵌合して、万一のオイルの漏れ止めを図っている。一方、ボール弁を開く際には、プロテクションキャップ250を外した後、ニードル型の先端221を有するボール押圧治具220(上述の専用治具204に相当)を、ボルト部材のボルト頭部213の開口2131から嵌挿し、ボール216をコイルスプリング218のバネ力に抗し弁座217から離座させて流路を開く(図18(b),(c)参照)。このようにしてボール弁が開路されることで、図18(c)の矢印で示すようにオイルパン102内のオイル100はボルト部材201のバネ収容部212の根元部周壁に設けた径方向の穴215から、ボール弁の弁部、ボール押圧治具220に設けた通路222を通して、チューブ205から吸引装置206に吸引される。
【0013】
一方、上記米国特許第474584号公報のポペット弁内蔵式の弁付きプラグは、上述したボール弁内蔵式のプラグにおけるボール弁を可動弁体の弁ヘッドに代えたものに相当する。すなわち、このポペット弁内蔵式の弁付きプラグは、両端に渡って貫通した管状の胴部を有していてオイルパンに螺子込み固定されるプラグ本体と、このプラグ本体のオイルパン内側の端部を弁座としてこれに係合することで弁通路を閉じる弁ヘッドをもった可動弁体とを備えていて、この可動弁体に弁通路を閉じる方向のバネ力を付勢して弁通路を常閉させるようにしたものである。
【0014】
したがって、ボール弁内蔵式のプラグの場合と同様に、可動弁体をバネ力に抗して移動させることで弁通路を開き、オイルを抜くことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のボール弁内蔵式あるいはポペット弁内蔵式の弁付きプラグをオイル抜き穴に永久固定する下抜き方式のオイル交換方法は、オイルパンからオイルを容易な作業でかつ迅速に抜くことができ、しかもオイルパン底部に溜っている金属粉等を排出できる点で他の従来法に比べて優れた方法である。
【0016】
しかしながら、前記した優れた点のある常閉弁内蔵式の弁付きプラグを用いた下抜き方式のオイル交換法においても、近時のオイルパン仕様の変更等に伴って改善すべき問題が生じている。また、自動車の性能向上により長期間,長走行距離に渡って自動車が使用される傾向が多くなるに伴って、前記弁付き閉塞栓の耐久性を向上させ、古いオイルの抜き取りを繰り返し行った場合にも確実にその抜き取りができるようにすることも求められる。また同様の効果を奏することが期待される低廉なプラグを提供することは当然に期待され、このためにより一層簡易な構造のプラグが望まれる。
【0017】
本発明者は、かかる観点から鋭意の研究,検討を重ねて本発明をなすに至ったものである。
【0018】
前記の改善すべき理由の一つは、オイルドレンのためのプラグ(閉塞栓,ドレンコック)はオイルパン102の底部に組み付けられるのが従来普通であったが、この構造では自動車の底部が地上の突起物などに接触する(いわゆる「こする」)場合に抜き栓を壊すことがある。そこで図19に示すようにオイルパン102の底部近傍の横壁(側壁面)にプラグ106を取り付ける構造のものが近時採用される場合も多くなっている。ところがこのような場合には、プラグ106の取り付け位置の関係で、抜き出せるオイルは図19のL線までが限界であり、線Lの下側部分にはオイル110やスラッジが残ってしまう。したがってこのような場合には図19に示すように上抜き方式で上側からチューブ111を挿入してオイル抜き取りを行うことが考えられるが、しかし上抜き方式には上述した別の問題がある。また車種によっては上抜きが不可能な場合もある。
【0019】
また別の理由として、オイルパン102の底部に抜き栓(ドレンコック)を取り付けた構造であっても、材料の品質向上などからオイルパンは近時薄肉化される傾向にあり、これに伴う問題がある。すなわち、薄肉化されたオイルパンであっても抜き栓の螺着固定のためには一定のネジ穴長は必要であり、このため、例えば図20に示すようにオイルパン102の該当部分にネジ穴のための裏打ち部材120,121を固定することが行われる。しかしこのようにすると、上述した提案の弁付きプラグ201を用いた場合であっても、プラグが底部にあれば、図中の線Lが抜き出せるオイルの下限界であり、前記図19で説明したのと同じ問題を招く。
【0020】
本発明は、以上のような従来技術を更に改善する目的でなされたものであり、上記のオイル抜きを確実に行うために、オイル抜き取り用の可撓性チューブをオイルパン内に挿入することができ、しかもその挿入操作を引っ掛かりなく確実かつ円滑に行うことができるようにした上記オイル抜き装置用の常閉弁内蔵式の弁付きプラグを提供するところにある。
【0021】
本発明の別の目的は、より一層簡易な構造の常閉弁内蔵型の弁付きプラグを提供するところにある。
【0022】
また本発明の他の目的は、オイルパンなどのオイル溜め容器内の底部に残ってしまう可能性のあるオイルを確実に抜き取ることができるオイル抜き装置を提供するところにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記した目的は、本願の前記特許請求の範囲の請求項1〜5、及び6に記載したオイル溜め容器用のオイル抜き用プラグの発明により達成され、また請求項7〜9に記載したオイル溜め容器用のオイル抜き装置により達成される。
【0024】
本願請求項1のオイル抜き用プラグの発明は、自動車エンジンのオイルパンなどで代表的に説明され、オイル溜め容器のオイル抜き穴に螺着固定される一端側のネジ軸、オイル溜め容器の外側に位置される他端側の頭部、前記一端側のネジ軸から他端側の頭部に渡って軸方向に貫通形成されたオイル抜き通路、このオイル抜き通路のネジ軸側端部に設けられた弁座、を有するボルト部材と、一端部に前記ボルト部材の弁座に係合して弁通路を閉じる弁体を有し、かつ弁体が弁座に係合した状態からオイル溜め容器内側方向に移動可能にオイル抜き通路に内装された可動弁体部材と、ボルト部材の前記オイル抜き通路内に内装されて、可動弁体部材に対して弁体が弁座に係合する方向にバネ力を付勢する弁常閉用のバネ部材と、を備え、可動弁体部材をバネ力に抗してオイル溜め容器内側方向に移動させて弁体を弁座から離間させることで弁通路を開き、オイルを抜くように用いられる常閉弁内蔵型のオイル抜き用プラグであって、前記ボルト部材の頭部には、可動弁体部材をバネ力に抗し移動させて弁通路を開路状態に保持する治具の組付け部を設け、前記可動弁体部材には、ボルト部材頭部側のオイル抜き通路開口から挿入されたオイル吸引用チューブの先端を、前記治具の組付けにより開路した弁通路を通してオイル溜め容器内に挿通させる案内面を設けたことを特徴する。前記のオイル抜き用プラグは、オイルパン等のオイル溜め容器の底面又は側壁面のいずれにも組付けることができるが、特にオイル溜め容器の側壁に組み付けた場合には、オイル吸引用チューブを用いることでオイル溜め容器底部のオイルを容易かつ確実に抜き取れるので好ましい。
【0025】
前記構成において、ボルト部材に貫通孔として設けるオイル抜き通路は、直接、又は可動弁体部材を介して間接的に、容易に弯曲することができる可撓性を有するオイル吸引用チューブが通る通路となるので、螺子込み時のボルト部材に必要な構造強度が担保される範囲でできるだけ孔径を大きく設定することが好ましい。また、前記バネ手段は、弁体部材の移動ストロークをできるだけ大きくすることで、弁体と弁座で形成される常閉弁の開路時の隙間をできるだけ大きくして前記チューブを通り易くすることが望ましく、限定されるものではないが、コイルスプリングが好ましく用いられる。
【0026】
可動弁体部材に設けられる弁体は、一般的には、ボルト部材の円形開口の弁座に液密的に係合する逆円錐形状の構造のものが例示され、弁体には弁座と係合するオイルシール用のシールリングを組み付けることもできる。
【0027】
また、可動弁体部材に設けられる案内面は、可撓性のオイル吸引用チューブを、弁座と弁体の間に形成される開路した弁通路を通して外部からオイル溜め容器の内側に挿通させる操作を円滑かつ確実に行わせるためのものであり、外部から真直ぐに差し込まれるチューブの先端をボルト部材の径方向に徐々に転向させるように、例えば弧状の弯曲面として形成することができる。
【0028】
この発明によれば、可動弁体部材に、オイル吸引用チューブをオイル溜め容器外からその内部に挿通させる際の案内面を設けているので、チューブ先端が挿通時に引っ掛かりを生ずることなく円滑に行われる。そして、このチューブを用いたオイル抜きにより、オイル溜め容器内のオイルを、プラグの組付け位置より下側の部分(底部)まで抜き取ることができるという従来法では全く行うことができなかったオイル抜き操作を行うことができる。
【0029】
また、ボルト部材のネジ軸先端において開口した貫通孔の大きな口径の開口周縁をそのまま弁座とするので、従来のような筒部内にボール弁機構を設ける場合に比べて弁部口径を大きくとれる。また、弁体が前記大きな口径の弁座に着座−離座し、その離座する弁座係合部のストロークによって弁座との間にできる隙間を設定できるので、常閉弁が開路した時のオイル抜き出しの流路径を大きくとれ、したがってオイルの粘度が高い場合にも、オイル抜き出しをスムースに行える。また弁体は、弁座口径よりも十分に径の大きな円錐形状のものとでき、大きな口径の環状弁座に対して安定に係合させることができ、弁閉路時の弁体の姿勢が安定して弁の開閉を確実に行わせることができると共に、ボルト部材の小径部内径に対して弁体部材の外径を若干小さい程度とすることで弁体部材の軸の芯がずれないようにできる。
【0030】
請求項2の発明は、上記プラグにおける可動弁体部材が、一端側に弁体を有しかつ他端側が開放された一端開口型の筒状胴部と、この胴部の前記一端側近傍の側面に設けられて筒内側の通路を筒外側に開放させる開口と、前記他端側の開口から挿入されたオイル吸引用チューブの先端を前記筒内を通し胴部側面の開口からオイル溜め容器内に送出すように導く案内面とを有する構造のものであることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、可動弁体部材の筒状胴部を通して、可撓性チューブをオイル溜め容器外からその内部に挿通させるので、例えば弧状の案内面を有するように該胴部内のチューブ通路を形成することで、チューブ先端を径方向に徐々に転向させる案内を引っ掛かりなく円滑に行わせることができる。なお、筒状胴部は、円筒状,だ円筒状,角筒状など適宜の形状のものを採用できるが、通常は円筒状が好ましく採用される。
【0032】
請求項3の発明は、上記プラグにおける可動弁体部材が、ボルト部材のオイル抜き通路内の頭部側に位置して前記付勢バネが係合される円環状のバネ受け部と、このバネ受け部と前記一端側の弁体を連結する軸状の連結軸部とを有すると共に、この連結軸部をボルト部材のオイル抜き通路の軸芯に対し偏心位置に設けることで中心側にオイル吸引用チューブ挿通のための断面積の広い区画を形成し、かつこの連結軸部の側面にオイル吸引用チューブ先端の挿通を案内する案内面を有するようにした構造のものであることを特徴とする。
【0033】
この発明における連結軸部は、請求項2の発明のように筒体内にチューブ通路を形成するのではなく、例えば、ボルト部材の貫通孔内でより太径のオイル吸引用チューブを挿通させることができるように、請求項2の発明の筒状連結軸部の一部を切り欠いた形状のものなどを例示することができるが、これに限定されるものではない。
【0034】
この発明によれば、前記請求項1の発明において得られている作用に加えて、オイル吸引用チューブを挿通させるためのチューブ通路の断面積をより大きくすることができる。
【0035】
この発明によっても、連結軸部に設けた案内面によりチューブ先端を径方向に徐々に転向させる案内を引っ掛かりなく円滑に行わせることができる。
【0036】
請求項4の発明は、前記の各発明において、可動弁体部材を軸回り方向に回転可能に設けると共に、該可動弁体部材の軸回り方向の姿勢を示す識別標識を設けて、該可動弁体部材に設けた案内面の案内方向を軸回り調整可能に設けたことを特徴とする。
【0037】
この構成において、可動弁体部材を軸回り回転可能とするためには、例えば該可動弁体部材の外部に臨む例えば円環状のバネ受けに溝孔を設け、これに回転用治具を組み付けて回転させるようにすればよい。また、可動弁体部材の軸回り方向の姿勢は、矢印やマーク等の識別標識によってチューブ先端の案内方向を表示することができる。
【0038】
この発明によれば、オイル吸引用チューブの案内面によって徐々にチューブ先端を転向させる方向を調整でき、チューブ先端を容器の底部に向けて確実に挿入することができる。
【0041】
なお上記各発明のプラグは、エンジンのオイルパンに代表的に適用されるが、オイル抜きのための閉塞プラグをもったオイル溜め容器に同様に使用することができ、例えば自動車のギアボックス、自動車以外のギアボックス等を挙げることができる。
【0042】
本願請求項6のエンジンのオイル抜き装置の発明は、
a:請求項1ないし4のいずれかであるオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ、
b:前記オイル抜き用プラグのボルト部材頭部に組付けられて可動弁体部材をバネ力に抗して弁開路状態に保持させるための弁体押圧治具、
c:前記弁体押圧治具に着脱可能に設けられたオイル吸引用ホース、
d:弁通路開路状態のオイル抜き用プラグを通して先端がオイル溜め容器内まで挿入されるオイル吸引用チューブのa〜dの組合せで用いられることを特徴とする。
【0043】
前記構成における弁体押圧治具は、前記常閉弁を開路させるために、ボルト部材の頭部側から貫通孔内に嵌挿されて可動弁体部材と係合し、かつ該可動弁体部材を常閉弁開路方向(容器内側方向)に移動(ストローク)させる係合部を有する構造のものとして構成される。また、この弁体押圧治具による常閉弁の開路維持のために、該オイル抜き用プラグの頭部に、該弁体押圧治具を嵌挿組み付けした状態で保持することができるようにした構成が好ましく採用される。例えば、弁を常閉させるバネに抗して可動弁体部材を押圧移動させた状態(姿勢)で維持するために、弁体押圧治具とオイル抜き用プラグの係合関係を一定姿勢で拘束するバヨネット機構を用いることができる。
【0044】
この発明によれば、例えば、可動弁体部材の端部(ボルト頭部側の後端)に設けた円環状バネ受部を押圧する専用の弁体押圧治具を用いて、これをボルト部材の頭部貫通孔開口に挿入するという容易な作業でオイル抜き用プラグの常閉弁(常閉型開閉弁)を開路状態に維持させることができる。
【0045】
前記構成におけるオイル吸引用チューブは、一般的には容易に弯曲する可撓性を有する合成樹脂製のものとして構成され、自由状態で先端が下方に弯曲して垂れ下がる可撓性を有するものが好ましく用いられる。このチューブは、前記弁体押圧治具とは別に挿入するようにしてもよいし、弁体押圧治具にスライド可能に予め組み付けておいて、弁体を移動させて弁部を開路させた後に可撓性チューブをスライドさせて開路した弁部からオイルパン内に挿入させるようにしてもよい。また、オイル吸引ポンプによって該チューブを通してのみオイル抜きを行うこともできるし、弁体押圧治具と吸引ポンプの間に接続したオイル吸引ホースと、このオイル吸引ホース内を通した前記オイル吸引用のチューブとの双方を通して行うこともできる。
【0046】
このオイル抜き装置の発明によれば、弁体押圧治具をオイル抜き用プラグに装着する作業を行うことによって、この弁体押圧治具に連結した吸引手段(オイル吸引用ホース及び吸引ポンプ)により、殆どのオイルを簡単にしかも強制的かつ短時間に行うことができる。また、この後に容器底部に残ったオイルを抜き取るために挿入するチューブは可撓性を有するので挿入先端がオイルパンの底面に垂れ下がり、オイルパンの側壁面にオイル抜き用プラグを組み付けた場合や、オイルパン底面にネジ穴長確保のための裏打ち部材を設けた構造のオイルパンであっても、オイル吸引用チューブを通して吸引することでオイルパンの底部に残留するオイルやスラッジ等を確実に抜き取ることができる。
【0049】
本願請求項の発明は、前記請求項の発明において、オイル吸引ホース端部に雌カプラーを設けると共に、弁体押圧治具とオイル吸引用チューブのそれぞれに、該雌カプラーとカップリングする雄カプラーを設けたことを特徴とする。
【0050】
この発明によれば、オイル吸引ホースの先端を弁体押圧治具から外してオイル吸引用チューブにつけ替える作業を簡単に行うことができる。弁体押圧治具にオイル吸引ホースを連結させた状態で、概ねのオイルの抜き取りを行った後、オイル吸引ホースを弁体押圧治具から外し、オイル吸引用チューブにつけ替えて、このチューブを利用した容器底部の残りのオイルの抜き取りを行うことができ、オイル吸引ホースをこれらの作業に共用できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0052】
実施形態1
図1〜図8は、オイルパンの側壁にオイル抜き穴が設けられている場合に本発明のオイル抜き用プラグを適用した一例を示したものである。
【0053】
図1において、1はオイルパン、2はこのオイルパン1の側壁に設けられたオイル抜き穴(雌ネジ穴)であり、通常は常閉弁を内蔵していない単純な閉塞プラグ(図16の符号106を参照)によって閉塞されているが、本例のオイル抜き用プラグ10を用いる場合には、前記の閉塞プラグ106を取り外して以下説明するオイル抜き用プラグ10を螺子込み固定する。3はオイルパン1内に貯溜されているオイルである。
【0054】
本例のオイル抜き用プラグ10の詳細は図4に示される。本例の該オイル抜き用プラグ10は、雄ネジが形成された先端のネジ軸部12、及びこのネジ軸部12に連続して大径に設けられた後端の頭部13を有すると共に、先端から後端に渡って段付き(ボルト頭部側が大径の段付き)の貫通孔14(14a,14b)が設けられたボルト部材11と、このボルト部材の貫通孔14(14a,14b)内に嵌挿された弁体部材20及びコイルスプリング30とからなっている。
【0055】
前記のボルト部材11は、そのネジ軸部12が、図1に示すように本例ではオイルパン1のオイル抜き穴2に液密的に螺合するように設けられ、かつその軸長はオイルパン1にガスケット15の厚みを加えた長さと一致されている。また、ボルト頭部13は、本例では軸に垂直な断面に関して実質的に円形に設けられていると共に、後述するゴム製キャップ(金属製でもよい)60が被嵌されたときの止め溝17が周状に設けられ、更に後述するオイル抜き専用の弁体押圧治具(以下「オイル抜き用アダプター」あるいは単に「アダプター」という)40を装着する際に利用される装着用母線方向溝16が設けられている。なお上記の止め溝17は、アダプター40を装着状態で保持する保持溝を兼ねており、以下においては保持溝17として説明する。
【0056】
なお、図1,2のボルト部材10と、図3のボルト部材10´は、前者(図1,2)のコイルスプリング30が段付の大径部から小径部に渡って張設されているのに対し、後者(図3)のコイルスプリング30´が段付の大径部内のみで張設されている点で異なるが、その他の点の構成は共通している。そして前者の構成では、コイルスプリング30が長いので大きな圧縮長をとれるので弁体と弁座の開度をより大きくとれる利点があり、他方、後者の構成では、ボルト部材の小径部と弁体部材の外径の寸法を概ね一致させることで弁体部材の軸方向移動の案内を軸芯ずれのない状態でより確実,安定して行えるという利点がある。
【0057】
本例の可動弁体部材(以下単に「弁体部材」という)20は、図4の(a),(b)及び図6(a),(b)に示すように、円筒状の筒状胴部20aから、その先端(図6(a)の上端)よりネジ棒23を延出して、これに円錐形の弁体21のネジ部(雌ネジ)21aが逆円錐形に螺子込まれて一体化されている。この弁体21の円錐形の広がった裾部の径は、前記ボルト部材10のネジ軸部12の貫通孔開口縁により形成される弁座12aの径よりも大きな径寸法に設けられていて、弁座12aに弁体21が着座することで該開口を液密的に閉路するようになっている。また弁体部材20の筒状胴部20aの先端近傍には、円筒の筒内から筒状のチューブ通路20bを径方向に弯曲連続させて筒外側に開孔するように、弧状案内面20cと開口孔22が設けられている。また筒状胴部20aの後端(図6(a)の下端)には外向きの鍔(フランジ)が形成されていて、この鍔(フランジ)がコイルスプリング30の円環状バネ受部24をなしている。なお、21bは弁体21に貫通螺合したネジ棒23の貫通先端の溶接部を示し、これによってネジ棒23と弁体21を強固に一体化し、オイル漏れの完全な防止を図っている。なお、22aはチューブ通路20bへのオイルの流れ込みを許すように筒状胴部に形成された小さなオイル流通路であり、この図では一つのみを示しているが複数設けることもできる。また、本例の筒状胴部20aの断面形状は、円筒状である場合の他、図6(c)の軸に直角名断面で示す適宜の断面形状とすることもでき、要するに内部に後述するオイル吸引用チューブ50が挿通できるチューブ通路が形成され、また上述した弧状案内面20cと開口孔22が形成できるものであれば、特に形状を限定されるものではない。
【0058】
前記のコイルスプリング30は、ボルト部材11の貫通孔14(14a,14b)内に収容されていて、一端が貫通孔14bの段付き肩部に係合され、他端が弁体部材20のバネ受部24に係合され、これにより弁体部材20にボルト部材頭部13方向へのバネ力を作用させて、通常は弁体21を弁座12aに着座させて開閉弁を常閉させるようになっている(図4(b)参照)。
【0059】
以上の構成をなす本例のオイル抜き用プラグ10によれば、通常時(図4(b))にはコイルスプリング30のバネ力により弁体部材20はボルト頭部13側に付勢されて、弁体21が弁座12aに着座され、弁部は常閉状態に維持される。
【0060】
そして、ボルト頭部13側の開口からアダプター40を挿入して弁体部材20をネジ軸部12側に押すと、弁体部材20はコイルスプリング30を圧縮してネジ軸部12側に移動され、弁体21を弁座12aから離座させ、常閉弁を開路させる。したがって、図1に示すように、ネジ軸部側(つまりオイルパン内)のオイルは、開路された開閉弁から弁体部材20の開口孔22,あるいはオイル流通路22aを通り、該弁体部材20のバネ受部24側の開口から外部に抜き出されることになる。
【0061】
次に、前記オイル抜き用プラグ10の開閉弁を開路してオイル抜きするために用いられるオイル抜き用アダプター40について説明する。
【0062】
本例のオイル抜き用アダプター40は図1〜図3及び図5に示され、六角ナット型の操作部41の先端にコネクタ部42が設けられていて、このコネクタ部42は、オイル抜き用プラグ10のボルト頭部13に嵌合する凹部を有する冠状(環状)部42aとこの冠状部42aの先端に内向きに突出形成された対向一対の短尺の掛り止め用フランジ42bとを有し、かつ冠状部42aの底部から軸方向に若干突出してボルト部材11の頭部13外側から貫通孔大径部14a内に挿入されることで、弁体部材20のバネ受部24と係合する弁体係合部42cを有するように設けられている。なお、42dは該弁体係合部42cの外周に組み付けられたシールリングであり、弁体係合部42cをボルト部材11の貫通孔大径部14aに嵌挿したときに該貫通孔大径部14a内周面に弾着して液密シールをなす。
【0063】
43は、該アダプター40の一端側のコネクタ部材42から他端側まで貫通されたオイル抜き貫通孔であり、44は、オイルを負圧吸引して強制的に抜く場合に使用するカプラー46を構成する雄カプラー(図1参照)を連結するための連結ネジ部である。
【0064】
本例のこのオイル抜き用アダプター40は次のように使用される。すなわち、図3に示すように、その掛り止め用フランジ42bを前記ボルト部材11の装着用母線方向溝16に係合させて、コネクタ部42をボルト部材11に対して軸方向に挿入する。この挿入操作は始めは特に抵抗がないが、挿入が一定量に達すると弁体係合部42cが弁体部材20のバネ受部24に係合し、コイルスプリング30のバネ力が挿入に対する抵抗となるが、このバネ力に抗してコネクタ部42を更に押し込み、掛り止め用フランジ42bが、装着用母線方向溝16に直角に連続する周方向の保持溝17の位置に至った時点で該コネクタ部42を軸回りに回転させ、該掛り止め用フランジ42bを保持溝17に嵌入させる。これによりコネクタ部42を押し戻そうとするコイルスプリング30のバネ力は、保持溝17とこれに嵌入した掛り止め用フランジ42bとの係合でアースされ、この状態でコネクタ部42は保持される。このコネクタ部42がボルト部材11に保持された状態では、弁体部材20はコイルスプリング30のバネ力に抗してネジ軸部12側に移動偏倚されて弁体21が弁座12aから離座して常閉弁を開路し、オイルパン1内のオイルは、これら(オイル抜き用プラグ10,アダプター40)によって形成されるオイル抜き通路を通して抜くことができる。なおこの際、弁体係合部42cに組み付けられているシールリング42dがボルト部材11の貫通孔大径部14a内周面に弾着しているので、前記オイル抜き通路以外からオイルが漏れることは防止される。
【0065】
図1は、このアダプター40にカプラー46の雄カプラー461を連結した状態で用い、かつこの雄カプラー461を、図示しないオイル吸引ポンプに接続したオイル吸引ホース463の端部の雌カプラー462に嵌合連結して、オイルを強制的に吸引抜き取りする状態を示している。なお上記のカプラーは、連結治具として既知のものを利用することができる。
【0066】
50は、オイル吸引用チューブであり、例えば合成樹脂製の易弯曲性のチューブを用いて構成され、前記オイル抜き用アダプター40に連結した雄カプラー461の端部開口から、弁体部材20のチューブ通路20b,開路した常閉弁を通してオイルパン1内に挿入され、該オイルパン1の底部に残ったオイルを抜くために使用される。
【0067】
本例においては、このオイル吸引用チューブ50は、図2に示すように、前記カプラー46の雌カプラー462に嵌合連結できるように準備されたもう一つの雄カプラー464に、その雌ネジ部4641に螺子込まれる円盤4642により固定される。4643はこの円盤4642に螺子込まれてチューブ50端部(後端)を該円盤4642に固定するボルト、4644はシールリングである。これにより、この雄カプラー464は、後端が該雄カプラー464内に連通されかつ先端がフリーな状態のチューブ50が組み付けられた構造に予め準備されることになる。図2は、この雄カプラー464を雌カプラー462に嵌合連結した状態を示している。
【0068】
図7は、前記専用アダプター40を取り外した後にオイル抜き用プラグ10に被嵌するゴム製キャップ60を示し、ボルト部材11のボルト頭部13に被せられる一端開放型の有底筒状をなしていて、該ボルト部材11の頭部端面に弾着する第1のシールリング部61と、ボルト部材11の止め溝17に嵌合弾着して該60キャップの抜け落ちを防ぐ第2のシールリング部62とを有し、底面には保護用の鉄板製の円板63が組み付けられて、ボルト部材11の頭部13に該キャップ60を被嵌することで万一のオイル漏れの防止、及びボルト頭部内へのゴミ等の進入を防ぐように用いられる。なお、このキャップ60の抜け止めのために該キャップの外周には、図7(c)に示すようにC−リング64が嵌合弾着する周溝60aが設けられている。
【0069】
次に、以上のように説明される本例のオイル抜き用プラグの使用の態様と、これを用いたオイル抜き装置の使用の態様について、図1〜図3により説明する。上述の図16,図18で説明したように、単純な閉塞プラグ106がオイルパン1のオイル抜き穴2に螺着固定されている場合には、まずこの閉塞プラグ106を取り外し、所定のオイル抜きを行った後、螺子込み用治具(図示せず)を用いて本例のオイル抜き用プラグ10をオイル抜き穴2に螺子込み螺着固定し、新しいオイルをオイルパンに充填する。この螺着固定されたオイル抜き用プラグ10は、前記の図4などによって説明したように、通常の状態ではコイルスプリング30のバネ力により弁体部材20の弁体21が弁座12aに着座して開閉弁を常閉させており、したがってオイルが抜けることはない。
【0070】
そしてこれ以後はオイル抜き用プラグ10を固定したまま、オイル抜き作業を行うことができる。
【0071】
すなわち、既に前記オイル抜き用プラグ10が固定されている状態では、まずキャップ60をボルト部材11から外し、オイル抜き用アダプター40を、その掛り止め用フランジ42bをボルト部材11の装着用母線方向溝16に係合させてコネクタ部42をボルト部材11に対して軸方向に挿入し、掛り止め用フランジ42bが装着用母線方向溝16に直角に連続する周方向の保持溝17の位置に至った時点で該コネクタ部42を軸回りに回転させ、掛り止め用フランジ42bを保持溝17に嵌入させてコネクタ部42を保持させる。
【0072】
これにより、弁体21が弁座12aから離座して開閉弁が開路され、図1の場合には、負圧吸引により、オイルパン1内のオイルがオイル抜き用プラグ10及びオイル抜き用アダプター40の貫通孔43を通って強制的に抜き取られる。すなわち、アダプター40に予め連結した雄カプラー461の後端を、ワンタッチカプラー46の雌カプラー462に嵌合連結しておくことで、このワンタッチカプラー46からオイル吸引ホース463を通して吸引ポンプでオイルが負圧吸引される。これにより周囲にオイルを漏らすことなくオイル抜き作業を行うことができる。
【0073】
次に、前記によりオイルパン1内からのオイル3の抜き取りが途切れた時点で、図1〜図3のA線で示した位置より下側の部分に残ったオイルを抜き取る作業を行う。
【0074】
すなわち、まず雄カプラー461から雌カプラー462を外し、次に、予めチューブ50を組み付けてある前述したもう一つの雄カプラー464を該雌カプラー462に嵌合連結する。そしてこのチューブ50のフリーな先端を、アダプター40に連結されている雄カプラー461の後端開口から、弁体部材20の開口孔22を通してオイルパン1内まで入るように挿入する(図2参照)。これにより可撓性を有する該チューブ50の先端は、自然に弯曲して垂れ下がってオイルパン1の底部に接する。そしてこのチューブ50の後端部にカプラー46を介して接続されている吸引ホース463,吸引ポンプ(不図示)より負圧吸引することで、残ったオイルを抜き取ることができる。
【0075】
以上の作業の終了後、チューブを抜き出し、オイル抜き用アダプター40を前記とは逆の手順でオイル抜き用プラグ10のボルト部材11の頭部13から外す。このアダプター40の取り外しで、オイル抜き用プラグ10の弁体21が弁座12aに着座して常閉弁は閉路状態に復帰し、新しいオイルを充填してもオイル漏れすることがなくなる。その後、キャップ60をオイル抜き用プラグ10のボルト部材頭部に被せる。
【0076】
以上のように、負圧吸引でオイルを抜き取る場合、本例のオイル抜き用プラグ10、あるいはこのオイル抜き用プラグ10を用いたオイル抜き装置(オイル抜き用アダプター40等を用いた装置)は、オイル抜きのための通路を大径に設けることができ、また開閉弁を広く開路することができるので、スラッジ等でこれらが詰まるような不具合を招く虞れがなく、また、ボルト部材11に対して軸方向に移動する弁体部材20の動きが安定するので開閉弁の開閉、特に開閉弁の常閉時の状態を確実に確保できると共に、弁体が傷つけられることもないのでシール不良の虞れもなく、自動車のエンジンでは致命的なオイル漏れの不具合を解消できる上でその利益は極めて大きなものがある。
【0077】
以上のように説明される本例は、オイルパンのオイル抜き穴に螺着固定したボルト部材の貫通孔内にボール弁を内蔵する形式に比べてその貫通孔の縁を弁座とし、及びこの弁座に着座する弁体が離座するストロークをオイル抜き用プラグの構造と殆ど関係なく設定できるという本発明によって提案された構成により達成できる。
【0078】
更に又、オイル抜き用チューブ50を挿入して底部のオイルを抜くことで、従来の装置では全く期待できないオイルパン1の底部に残ってしまっていたオイルやスラッジの抜き取りを確実に行うことができ、その利点は極めて大きなものがある。
【0079】
なお本例においては、更に次の構成を採用することができる。すなわち、図6(b)に示すように、弁体部材20のバネ受部24に周方向に離隔した位置に二つの小さな貫通孔241,241を形成すると共に、該バネ受部24の裏面(外部から視認できる面)に、向き(弁体部材20の軸回り回転姿勢)を示す例えば矢印(図示せず)を表記し、また図8に示すように、この貫通孔241,241に凹凸嵌合できる一対の凸部71,71を有する弁体部材回転用治具70を準備し、これを用いて弁体部材20を軸回りに回転させることができるように設けている。
【0080】
そして、キャップ60を外した時に、必要に応じて、該弁体部材回転用治具70の一対の凸部71,71を弁体部材20の貫通孔241,241に凹凸嵌合させて該弁体部材20を回転させる作業を行って、開口孔22が図1〜図3に示した姿勢とさせる。これにより、オイル吸引用チューブ50が確実にオイルパン1の底部に接するようにさせることができる。
【0081】
なお、本例の上記弁体部材回転用治具70は、図8に示すようにクランク型に折曲した棒状部材の一端に上記一対の凸部71,71を有すると共に、他端に、キャップ60を取り外すための二股状のヘラ部72を有するように設けられており、一つの治具でキャップ60の取り外し時と弁体部材の回転を行わせることができるという利点がある。
【0082】
また、図8(c)は、先端に、弁体部材13の底部開口(外端側開口)に挿入嵌合する先細り型でそのテーパー面に粗面(ローレット等)74を形成した、上記とは別の弁体部材回転用治具73を示したものであり、これによっても弁体部材の姿勢を上記と同様に所定の向きに調整することができる。この例によれば図8(a)の一対の凸部71,71のように細いピンが折損するような虞れもない。
【0083】
実施形態2
図9〜図11に示した本例は、オイル抜き用プラグ80の弁体部材81の構造が異なるが、その他は実施形態1と同じであり、また実施形態1と同様に用いられる。したがって弁体部材81を除く各部材等については実施形態1と同じ符号を付して説明は省略する。
【0084】
すなわち、本例の弁体部材81は、図9,図10に示すように、連結軸部82が、弁体83及び円環状バネ受部84の中心軸(ボルト部材11の貫通孔14a,14bの中心軸と一致)に対して偏心した位置に設けられており、これにより、ボルト部材11の貫通孔14(14a,14b)内を、断面積の広い部分と狭い部分に区画し、その断面積の広い側の区画部分を、チューブ50のためのチューブ通路85とした構成をなしている。86は連結軸部82の先端から延出されたネジ棒、83aはこのネジ棒86に螺合して固着されるネジ部、83bは溶接部、87はチューブ通路85に挿通されるチューブ50を開路した常閉弁の部分からオイルパン1内に送り出すように案内する弧状案内面である。
【0085】
本例においてこのように構成された弁体部材81を有するオイル抜き用プラグは、上述した実施形態1と同様に、図9に示したようにオイル抜き取りのために用いることができ、連結軸部82が偏心した位置に設けられているので、十分に広い断面積のチューブ通路85を形成することができ、太い径のチューブをオイル吸引用チューブ50として使用することができて、特に寒冷地等のオイルの粘性が高い場合などにおいても円滑なオイル抜き取りを行えるという利点が得られる。また、弧状案内面87等によりチューブ50の円滑かつ確実なオイルパン内への挿入を行うことができる。
【0086】
なお、本例の連結軸部が偏心位置に設けられる弁体部材は、図9,図10の構造のものに限定されるものでないことは当然であり、常閉弁を構成するのに十分な強度構造を満足し、かつ、円滑かつ確実にチューブが挿通できるチューブ通路の断面積等を確保できるものであればよい。図11はこのような例の構造の弁体部材を示したものであり、図11(a)は実施形態2で説明した弁体部材の例、図11(b)は弁体部分にゴム製等のシールリング88を組み付けた例を示し、図11(c)は連結軸部の断面形状についてのいくつかを例示したものである。
実施形態3
図12,図13に示した本例は、オイル抜き用プラグ90の弁体部材92の構造が異なるが、その他は実施形態1と略同じであり、また実施形態1と同様に用いられる。
【0087】
本例のオイル抜き用プラグ90の詳細は図13に示され、ボルト部材91は図4で示した実施形態1のボルト部材11と略同様の構造をなし、雄ネジが形成された先端のネジ軸部912、及びこのネジ軸部912に連続して大径に設けられた後端の頭部913を有すると共に、先端から後端に渡って段付き(ボルト頭部側が大径の段付き)の貫通孔914(914a,914b)が設けられている。なお本例のボルト部材91では、ボルト頭部913に被嵌するゴム製キャップ60のためのキャップ嵌合溝918が、弁体押圧治具40を装着・保持する保持溝917とは別に設けられている。なお、916はアダプター装着用の母線方向溝である。
【0088】
本例の特徴は、弁体部材92の構造にあり、これは図12の(a),(b)に示される。すなわち、円環状バネ受部924から、テーパー部920a,直筒部920bを介して先細り形状に設けられた先端920cを有するようにキャップ状本体920が形成されていて、その先端(図13(a)の上端)よりネジ棒923を延出して、これに円錐形の弁体921のネジ部(雌ネジ)921aが逆円錐形に螺子込まれて一体化されている。この弁体921の円錐形の広がった裾部の径は、前記ボルト部材91のネジ軸部912の貫通孔開口縁の径よりも大きな径寸法に設けられていて、該開口縁912aを弁座として弁体921が着座することで該開口を液密的に閉路するようになっている。また弁体部材92は先細り形状に設けられたその先端近傍に、内外を連通する開口孔922が設けられていると共に、後端(図13(a)の下端)には外向き鍔状のバネ受部924にコイルスプリング93が係合されている。なお、921bは弁体921に貫通螺合したネジ棒923の貫通先端の溶接部を示し、これによってネジ棒923と弁体921を強固に一体化し、オイル漏れの完全な防止を図っている。
【0089】
前記のコイルスプリング93は、ボルト部材91の貫通孔914内に収容されていて、一端が貫通孔914の段付き肩部に係合され、他端が弁体部材92のバネ受け部924に係合され、これにより弁体部材92にボルト頭部方向へのバネ力を作用させて、通常は弁を常閉させるようになっている(図13(a)参照)。
【0090】
以上の構成をなす本例のオイル抜き用プラグ90によれば、通常時(図13(a))には、コイルスプリング93のバネ力により弁体部材92はボルト頭部913側に付勢されて、弁体921が弁座912aに着座され、弁通路は常閉状態に維持される。
【0091】
そして、ボルト頭部913側の開口からアダプター40を挿入して弁体部材92をネジ軸部912側に押すことにより、弁体部材92はコイルスプリング93を圧縮してネジ軸部912側に偏倚(移動)されて弁体921は弁座912aから離座して開閉弁は開路される。したがって、図12に示すように、ネジ軸部側(つまりオイルパン内)は、開路された開閉弁から弁体部材92の開口孔922を通り、該弁体部材92のバネ受け部924側の開口から外部(外気)に連通される。
【0092】
図12(a)は、オイル抜き用アダプター40にオイル吸引用ホース963を直接連結した場合を示している。
【0093】
図12(b)は実施形態1の場合と同様にカプラー46を用いてアダプター40にオイル吸引ホース463とオイル吸引用チューブ50を着脱交換できるようにした場合を示しており、雄カプラー461はアダプター40に連結され、雌カプラー462がオイル吸引ホース946に連結されていて、もう一つの雄カプラー464にチューブ50を予め連結したものが準備され、実施形態1と全く同様にしてオイルパン1内のオイルの全量を負圧吸引により抜き取ることができる。すなわち、アダプター40と一体の雄カプラー461から雌カプラー462を外し、チューブ50と一体化したもう一つの雄カプラー464(図2参照)をこの雌カプラー462に連結して図2と同様に用いることができる。
【0094】
他方、図12(a)の構成の場合には、次のようにアダプター40に内装したオイル抜き用可撓性チューブ50を利用することで、バキュームポンプ等で負圧吸引してオイルパン1の底部に残ったオイルを抜く作業を行うことができる。すなわち、一端にコネクタ47を介してオイル抜き用ホース963が予め連結されているアダプター40を用い(ホース他端はバキュームポンプ(図示せず)に接続)、このオイル抜き用アダプター40をオイル抜きプラグ90のボルト部材91に装着する。この際、オイル抜き用可撓性チューブ50を貫通孔43内に内挿した状態のオイル抜き用アダプター40を用いる場合には、前記ホース463の途中(一般的にはコネクタ47の近傍)に、軸方向に伸縮可能な蛇腹状部(図示せず)を設けて、該アダプター40をオイル抜き栓90に装着する時には該蛇腹状部を伸ばしてオイル抜き用可撓性チューブ50の先端を該オイル抜き用アダプター40の先端から突出しないか又は若干突出した状態としておき、装着後に、この蛇腹状部の軸方向寸法を縮めることで、オイル抜き用可撓性チューブ50の先端を弁体部材92の開口孔922から、開路した弁を通してオイルパン1内まで挿入するようにすれば、オイル抜き用アダプター40の装着操作に該オイル抜き用可撓性チューブ50が邪魔になることがなく、またその後のオイル抜き用可撓性チューブ50のオイルパン1内への挿入をスムースに行わせることができる。
【0095】
なお、本例のオイル抜き用プラグ90における弁体部材92には、チューブ50の先端を案内する案内面を特に設けていないが、該弁体部材92のキャップ状本体920は先端先細り形状をなしているため、その先細り付近に形成されている開口孔922にチューブ先端が自然と導かれるので、円滑なチューブ挿入を行うことができる。
【0096】
本例の装置により、オイル抜き用可撓性チューブ50をカプラー46でオイル吸引ホース463に着脱交換し、あるいは該チューブ50を予め内装したオイル抜き用アダプター40を用いるいずれの場合にも、従来の装置では全く期待できないオイルパン1の底部に残ってしまっていたオイルやスラッジの抜き取りを確実に行うことができ、その利点は極めて大きなものがある。
【0097】
実施形態4
図14に示した本例は、オイル吸引用チューブ50を挿入しないで用いる点が実施形態1〜3と異なるが、オイル抜き用プラグ180のボルト部材181、弁体183及びコイルスプリング184の構造及び作用は、基本的にはこれらの実施形態であり、同様に用いることができる。
【0098】
すなわち、ボルト部材181は、外観構造は実施形態1と同じネジ軸部181a,ボルト頭部181bを有し、貫通孔182は、ネジ軸部181a側が小径でボルト頭部181b側が大径の段付形状をなすと共に、小径部から大径部への段付縁部に、コイルスプリング184の一端部を位置決めするための軸方向フランジ181cが周状に設けられていて、この軸方向フランジ181cにより形成された凹所にコイルスプリング184が嵌合されている。
【0099】
弁体183は図14(b)に示されるように、細長い棒状の軸部183aの一端に設けたネジ部183bに、実施形態1と同様の円錐形の弁座係合部183cが逆円錐形に螺子込まれて一体化されていると共に、他端には、軸部183aに直交する穴明き円板が設けられていて、この穴明き円板がバネ受け部183dをなしている。183eはこのバネ受け部である円板に設けられたオイル抜き穴である。
【0100】
これらにより構成された本例のオイル抜き用プラグ180は、実施形態1〜3と同様に用いることができ、図14(a)に示した通常時には、コイルスプリング184のバネ力によって、弁座係合部183cがボルト部材181のネジ軸部181a側の貫通孔開口縁(弁座181d)に着座することで開閉弁を閉じる。そして、実施形態3で説明したオイル抜き用アダプター40をボルト部材181に装着することで弁体183をネジ軸部181a側(図14(a)の上方)に図の一点鎖線で示した位置まで移動させて弁座係合部183cを弁座181dから離座させて開閉弁を開らく。これによりオイルパン1内のオイルを抜き取ることができる。
【0101】
本例によっても、通常時の常閉弁の閉路によるオイル漏れの防止と、必要時の簡単な作業によるオイル抜き取り作業を行うことができ、しかも本例の弁付きプラグは、構造が極めて簡単で量産性に優れているため、安価に製品を提供することができる。
【0102】
実施形態5
図15に示した本例のオイル抜き用プラグ190は、実施形態4に比べて、ボルト部材191の貫通孔192を3段の段付に形成して、この貫通孔192内に収容するコイルスプリング194を軸方向に長い寸法のものを用いることができるようにしたことを特徴とする。他の構成は実施形態4と同じであり、したがって同一の部材、構造については実施形態4の符号に10を加えて示して説明は省略する。
【0103】
本例によっても、実施形態4と同様に、通常時のオイル抜き穴の閉塞と、必要時に簡単な作業でオイル抜きを行うことができる。また本例は、コイルスプリング194が、オイル抜き用プラグ190の軸方向の半分以上に渡る長尺の寸法のものであるため、圧縮長(弁体の移動ストローク)を大きくとることができ、したがって常閉弁を開路した時の弁座係合部193cの弁座191dからの離座長を大きくとれて、オイル抜き時のオイルの流れをよりスムースとでき、また、構造が極めて簡単で量産性に優れているため、安価に製品を提供することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本願の各請求項に記載したオイル抜き用プラグの発明、及びオイル抜き装置の発明によれば、ボルト部材のネジ軸先端において開口した貫通孔の大きな口径の開口縁を弁座として常閉弁の口径を大きくとれると共に、ボルト部材の貫通孔内に配置したコイルバネ等のバネ手段によって、弁体部材(弁体)のストロークを大きく設定できるので、常閉弁の開路時における弁通路を大きくでき、可動弁体部材に形成した案内面によりオイル吸引用チューブをオイルパン等の容器内部に円滑にかつ確実に挿入させることができるので、オイル抜き取りの作業を容易かつ確実に行えると共に、チューブは先端がオイルパン等の底面に垂れ下がって、オイルパン等の側壁面にオイル抜き用プラグを組み付けた場合や、オイルパン等の底面にネジ穴長確保のための裏打ち部材を設けた構造のオイルパン等であっても、オイル及びスラッジの全量抜き出しができる。
【0105】
またこれらに加えて各請求項の発明によれば以下の効果が奏される。
【0106】
請求項2の発明によれば、可動弁体部材を筒状胴部を有するようにしたので、オイル吸引用チューブをこの筒状胴部を通して挿通させる際に、先端を引っ掛かりなく円滑に徐々に転向させることができて、オイルを残すことなくオイルとスラッジを全量抜き出すことができる。
【0107】
請求項3の発明によれば、ボルト部材の内部におけるオイル抜き通路(チューブ通路)の断面積を大きくすることができ、連結軸部に設けた案内面による円滑なチューブの挿入を行うことができる。
【0108】
請求項4の発明によれば、プラグを通してオイル溜め容器内に挿入するチューブの転向する向きを調整でき、容器底部側に向けることを確実に行わせることができる。
【0109】
請求項5の発明によれば、常閉弁内蔵型の弁付きプラグを極めて簡易な構造のものとして提供することができる。
【0110】
請求項7のオイル抜き装置の発明によれば、オイル吸引用ホース、及びオイル吸引用チューブを用いて容器内のオイルを確実に全量抜き出しすることができる。
【0111】
請求項8の発明によれば、オイル抜き装置に上記請求項1ないし5の弁付きプラグを用いることで、チューブの確実かつ円滑な操作を行うことができ、オイル交換作業がより一層簡単となる。
【0112】
請求項9の発明によれば、オイルパン底部のオイルを抜き取るために、オイル吸引用ホースの先端を弁体押圧治具から外し、オイル吸引用チューブにつけ替えるという簡単な作業でオイル抜き取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のオイル抜き用プラグをオイルパンの側壁に組み付け、該プラグにオイル吸引ホースを連結したワンタッチカプラーを連結してオイル抜きを行っている状態を示した縦断面図。
【図2】図1のワンタッチカプラーに、オイル吸引用チューブを組み付けてオイル抜きを行っている状態を示した縦断面図。
【図3】図1,図2とは、プラグの構成をボルト部材,弁体部材,コイルスプリングにおいて若干異なる構成とした場合の一部拡大部。
【図4】実施形態1のオイル抜き用プラグの詳細構造を示した図であり、(a)は正面図、(b)は全体の縦断面図。
【図5】実施形態1のオイル抜き専用治具の詳細構造を示した図であり、(a)は縦断面図、(b)は外観斜視図。
【図6】実施形態1の弁体部材を示した図であり、(a)は縦断面図、(b)は外観斜視図、(c)は連結軸部の種々の断面形状を示した図。
【図7】実施形態1のオイル抜き用プラグを通常時に被嵌するキャップを説明するための図であり、(a)はキャップをボルト部材頭部に被嵌する途中を示した縦断面図、(b)は該キャップの縦断面図、(c)はC−リングの斜視図。
【図8】実施形態1の弁体部材回転用治具を示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は弁体部材回転用治具の他の例を示した正面図である。
【図9】本発明の実施形態2のオイル抜き用プラグをオイルパンの側壁面に組み付けてオイル抜きを行っている状態を示した一部縦断面図。
【図10】実施形態2のオイル抜き用プラグ及び弁体部材を示した図であり、(a)はオイル抜き用プラグの縦断面図、(b)は弁体部材の縦断側面図、(c)は連結軸部の軸方向の中間位置における平断面図、(d)は連結軸部のバネ受部近傍における平断面図。
【図11】実施形態2の弁体部材を説明する図であり、(a)は実施形態2の弁体部材の外観斜視図、(b)はシールリングを組み付けた場合の弁体部材の外観斜視図、(c)は連結軸部の種々の断面形状を示した図。
【図12】(a)は本発明の実施形態3のオイル抜き栓をオイルパンの側壁に組み付けて、オイル抜きを行っている状態を示した縦断面図、(b)はワンタッチカプラーを用いた場合を示す一部断面図。
【図13】図12のオイル抜き栓の詳細構造を示した図であり、(a)は全体の縦断面図、(b)は弁体の正面図、(c)は全体の正面図。
【図14】本発明の実施形態4のオイル抜き栓を示した図であり、(a)は縦断正面図、(b)は弁体の斜視図。
【図15】本発明の実施形態5のオイル抜き栓を示した縦断正面図。
【図16】本発明を適用するエンジンのオイルパンからオイルを抜き取るための従来の方法の一例を説明するための図。
【図17】本発明を適用するエンジンのオイルパンからオイルを抜き取るための従来の他の方法を説明するための図。
【図18】従来のボール弁内蔵型のオイル抜き用プラグを用いた場合のオイル抜き作業を説明するための図であり、(a)は弁を閉塞した通常時、(b)はオイル抜き専用治具を組み付ける状態を示した図、(c)はオイル抜き専用治具を組み付けてオイル抜きを行っている状態を示した図。
【図19】従来のオイルパンの側壁にオイル抜き用プラグを組み付けた場合の問題を説明するための図。
【図20】従来のオイルパンの底部にオイル抜き用プラグを組み付けた場合の問題を説明するための図。
【符号の説明】
1・・・オイルパン
2・・・オイル抜き穴
3・・・オイル
10,10´・・・オイル抜き用プラグ
11・・・ボルト部材
12・・・ネジ軸部
12a・・・弁座(貫通口開口縁)
13・・・頭部
14・・・貫通孔
14a・・・大径部
14b・・・小径部
15・・・ガスケット
16・・・装着用母線方向溝
17・・・保持溝(止め溝)
18・・・キャップ嵌合溝
20・・・弁体部材(可動弁体部材)
20a・・・筒状胴部
20b・・・チューブ通路
20c・・・弧状案内面
21・・・弁体
21a・・・ネジ部
21b・・・溶接部
22・・・開口孔
22a・・・オイル流通孔
23・・・ネジ棒
24・・・バネ受部(円環状バネ受部)
241・・・貫通孔
30,30´・・・コイルスプリング
40・・・オイル抜き用アダプター(アダプター)
41・・・操作部
42・・・コネクタ部
42a・・・冠状部
42b・・・掛り止め用フランジ
42c・・・弁体部材係合部
42d・・・シールリング
43・・・オイル抜き貫通孔
44・・・連結ネジ部
46・・・カプラー
461・・・雄カプラー
462・・・雌カプラー
463・・・オイル吸引ホース
464・・・雄カプラー
4641・・・雌ネジ部
4642・・・円盤
4643・・・ボルト
4644・・・シールリング
50・・・オイル抜き用可撓性チューブ
60・・・ゴム製キャップ
60a・・・周溝
61・・・第1のシールリング部
62・・・第2のシールリング部
63・・・保護用の円板
64・・・C−リング
70・・・弁体部材回転用治具
71・・・凸部
72・・・ヘラ部
73・・・弁体部材回転用治具
74・・・粗面(ローレット面)
80・・・オイル抜き用プラグ
81・・・弁体部材
82・・・連結軸部
83・・・弁体
83a・・・ネジ部
83b・・・溶接部
84・・・円環状バネ受部
85・・・チューブ通路
86・・・ネジ棒
87・・・弧状案内面
88・・・シールリング
100・・・オイル
101油ポンプ
102・・・オイルパン
103・・・調整弁
104・・・フィルタ
105・・・オイル抜き穴
106・・・ドレンプラグ(閉塞プラグ)
111・・・チューブ
120,121・・・裏打ち部材
201・・・閉塞栓
204・・・治具(専用治具)
205・・・チューブ
206・・・吸引装置
211・・・ネジ軸部
212・・・バネ収容部
213・・・ボルト頭部
2131・・・開口
214・・・プラグ
215・・・穴
216・・・ボール
217・・・弁座
218・・・コイルスプリング
220・・・押圧治具
221・・・先端
222・・・通路
250・・・プロテクションキャップ

Claims (7)

  1. オイル溜め容器のオイル抜き穴に螺着固定される一端側のネジ軸、オイル溜め容器の外側に位置される他端側の頭部、前記一端側のネジ軸から他端側の頭部に渡って軸方向に貫通形成されたオイル抜き通路、このオイル抜き通路のネジ軸側端部に設けられた弁座、を有するボルト部材と、一端部に前記ボルト部材の弁座に係合して弁通路を閉じる弁体を有し、かつ弁体が弁座に係合した状態からオイル溜め容器内側方向に移動可能にオイル抜き通路に内装された可動弁体部材と、ボルト部材の前記オイル抜き通路内に内装されて、可動弁体部材に対して弁体が弁座に係合する方向にバネ力を付勢する弁常閉用のバネ部材と、を備え、可動弁体部材をバネ力に抗してオイル溜め容器内側方向に移動させて弁体を弁座から離間させることで弁通路を開き、オイルを抜くように用いられる常閉弁内蔵型のオイル抜き用プラグであって、前記ボルト部材の頭部には、可動弁体部材をバネ力に抗し移動させて弁通路を開路状態に保持する治具の組付け部を設け、前記可動弁体部材には、ボルト部材頭部側のオイル抜き通路開口から挿入されたオイル吸引用チューブの先端を、前記治具の組付けにより開路した弁通路を通してオイル溜め容器内に挿通させる案内面を設けたことを特徴するオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
  2. 請求項1において、可動弁体部材は、一端側に弁体を有しかつ他端側が開放された一端開口型の筒状胴部と、この胴部の前記一端側近傍の側面に設けられて筒内側の通路を筒外側に開放させる開口と、ボルト部材のオイル抜き通路内の頭部側に位置して前記付勢バネが係合される円環状のバネ受け部と、前記他端側の開口から挿入されたオイル吸引用チューブの先端を前記筒内を通し胴部側面の開口からオイル溜め容器内に送出すように導く案内面とを有することを特徴とするオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
  3. 請求項1において、可動弁体部材は、ボルト部材のオイル抜き通路内の頭部側に位置して前記付勢バネが係合される円環状のバネ受け部と、このバネ受け部と前記一端側の弁体を連結する軸状の連結軸部とを有すると共に、この連結軸部をボルト部材のオイル抜き通路の軸芯に対し偏心位置に設けることで中心側にオイル吸引用チューブ挿通のための断面積の広い区画を形成し、かつこの連結軸部の側面にオイル吸引用チューブ先端の挿通を案内する案内面を設けたことを特徴とするオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、可動弁体部材を軸回り方向に回転可能に設けると共に、該可動弁体部材の軸回り方向の姿勢を示す識別標識を設けて、該可動弁体部材に設けた案内面の案内方向を軸回り調整可能に設けたことを特徴とするオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、オイル溜め容器が自動車エンジンのオイルパンであることを特徴とするオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
  6. a:請求項1ないし4のいずれかであるオイル溜め容器のオイル抜き用プラグ。
    b:前記オイル抜き用プラグのボルト部材頭部に組付けられて可動弁体部材をバネ力に抗して弁開路状態に保持させるための弁体押圧治具、
    c:前記弁体押圧治具に着脱可能に設けられたオイル吸引用ホース、
    d:弁通路開路状態のオイル抜き用プラグを通して先端がオイル溜め容器内まで挿入されるオイル吸引用チューブの組合せで用いられることを特徴とするオイル溜め容器用のオイル抜き装置。
  7. 請求項において、オイル吸引ホースの端部に雌カプラーを設けると共に、弁体押圧治具及びオイル吸引用チューブのそれぞれに、該雌カプラーとカップリングする雄カプラーを設けたことを特徴とするオイル溜め容器用のオイル抜き装置。
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