JP4294846B2 - 服飾付属レース地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣服やハンカチその他の服飾の端末部(耳部)、カーテンやテーブル掛け等の端末部の装飾のために用いられる服飾付属レース地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、服飾付属レースは、一本又は複数本の糸をからげたり、編んだり、より合わせたり、組み合わせたりして細幅状の透かし模様になるように作成したものである。そして、服飾に付属させるときは、通常では、細幅レースの一縁部を装飾しようとする生地の端末部に沿って重ね合わせ、その重ね部をミシン等の縫製機械により縫い付けていた。この場合、生地の端末部がほつれ易い場合には、服飾付属レースの逢着前にバイヤステープなどを用いて耳部を覆って始末することも必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、服飾付属レース地を逢着するに先立って耳部を始末することは手間がかかる上に甚だ面倒であった。また、今までの服飾付属レース地は、生地の端末部の片面(多くは表側になる面)に重ね合わせてミシン縫いをすることから、裏側が美麗でなく、表裏兼用(リバーシブル)の被服には適用でき難いという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の種々の課題を解決するためのもので、その目的とするところは、装飾しようとする生地端末(耳部)の装飾と、端末のほつれの始末の両機能を兼ね備えるとともに、リバーシブルの被服にも適用できる服飾付属レース地を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る服飾付属レース地は、柄組織で編成してなる細幅状の透かし模様部分と、その長さ方向の一縁に沿って帯状に連続した逢着代とを備え、該逢着代は外端縁を仮糸により連絡した状態で編成し、該編成後仮糸を抜き取って開放させて二重帯片にしたことを特徴とし、逢着代を拡開してその間に被服生地の端末部を挿入することによりリバーシブルに逢着できるように構成した。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記逢着代の二重帯片が、共に透かし模様部分を柄組織で編成させている途中から二俣に分離させて平無地の組織にしたことを特徴とし、逢着代の編目をしっかりさせ生地への縫製(逢着)工程を楽にさせ得るように構成した。
【0007】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の態様について図面を参照して説明する。図1は本願服飾付属レース地の斜視図、図2は本願服飾付属レース地の逢着代を拡開し、その間に装飾しようとする生地の端末部を挿入した状態を示す斜視図、図3は本願服飾付属レース地と生地とをミシン等により逢着した状態を示す斜視図、図4は図3のA−A線切断部拡大断面図である。
【0008】
本願服飾付属レース地1は、細幅状の透かし模様部分2と、該透かし模様部分2の長さ方向の一縁に沿って帯状に連続した逢着代3とからなる。該逢着代3は外縁側を開放させた二重帯片3a、3bになっている。この帯片3a、3bは外縁側を拡開することにより、図2の如く、装飾しようとする生地4の端末部4aを挿入できるようになっている。
【0009】
前記本願服飾付属レース地1は、トーションレース機を用いて作成したものであるが、機械の種類を限定する趣旨ではない。本願服飾付属レース地1の透かし模様部分2は柄組織、逢着代3は二重帯片3a、3b共に平無地組織で形成されている。前記トーションレース機は、図示していないが、環状に配した多数のロータメタルの個々の回転を制御しつつ、ボビン(糸巻)を円周に沿って走らせ、該ボビンから引き出した糸を環状中心に備えた筬打部にて所望の柄編み或いは平無地などに組織させ、起倒ナイフによる筬打ち後、順次、挟圧ローラを通して巻取ドラムに巻き取れるようになっている。
【0010】
前記本願服飾付属レース地1の透かし模様部分2の柄は、トーションレース機で形成するときは、前記ロータメタルの個々の回転を制御するプログラムによって決定され、複雑な柄から単純な柄まで自由に選択できる。なお、前記逢着代3は、常に平無地でなく、柄組織に形成することもあっても良い。この場合には、柄組織にしようとすると使用糸の本数が増大する点でコスト高になる虞があることを考慮する必要がある。
【0011】
前記逢着代3の形成は、透かし模様部分2を柄組織で編成させている途中から二俣に分離させればよい。前記トーションレース機で編成するときは、透かし模様部分の編成途中から二重編みにし、その連繋糸に対応するボビンを「空」にしておけば、二枚重ねになる。なお、編成中に二枚重ねの帯片3a、3bの外端縁は、仮糸により連絡し、編成後抜き取るようにすることとなる。
【0012】
今、本願服飾付属レース地1を用い、装飾しようとする生地4の端末部の装飾と、端末のほつれの始末を行う場合について説明する。先ず、本願服飾付属レース地1の透かし模様部分2の長さ方向の一縁に沿って帯状に連続した逢着代3の二枚重ねになっている帯片3a、3bの外端縁側を拡開し、これに生地4の端末部4aを、図2の如く挿入し、その重なり部を、図3の如く、ミシン等の縫製機械により逢着5する。これにより、生地4の端末部がほつれ易い場合にもそのほつれの始末ができるとともに、端末部のレースによる装飾を同時に完成する。
【0013】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る服飾付属レース地は、柄組織で編成してなる細幅状の透かし模様部分と、その長さ方向の一縁に沿って帯状に連続した逢着代とを備え、該逢着代は外端縁を仮糸により連絡した状態で編成し、該編成後仮糸を抜き取って開放させて二重帯片にしたことを特徴としているから、逢着代の二重帯片を拡開し、その間に装飾しようとする生地の端末部を挿入して逢着すれば、生地の端末部(耳部)のほつれの始末、及び端末部の装飾とが同時にでき、しかも表裏兼用(リバーシブル)の被服にも適用できるという優れた効果を奏するものである。
【0014】
また、請求項2に記載の発明に係る服飾付属レース地は、前記逢着代の二重帯片が、共に透かし模様部分を柄組織で編成させている途中から二俣に分離させて平無地の組織にしたことを特徴としているから、逢着代の編目をしっかりさせ生地への縫製(逢着)工程を楽にさせるばかりでなく、逢着代を編成する糸の本数が柄組織の編成の場合に比して少なくて済み、コストの低減化に寄与できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願服飾付属レース地の斜視図である。
【図2】本願服飾付属レース地の逢着代を拡開し、その間に装飾しようとする生地の端末部を挿入した状態を示す斜視図である。
【図3】本願服飾付属レース地と生地とをミシン等により逢着した状態を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線切断部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 本願服飾付属レース地
2 装飾帯部
3 帯状逢着代
4 装飾しようとする生地
5 逢着
Claims (2)
- 柄組織で編成してなる細幅状の透かし模様部分と、その長さ方向の一縁に沿って帯状に連続した逢着代とを備え、該逢着代は外端縁を仮糸により連絡した状態で編成し、該編成後仮糸を抜き取って開放させて二重帯片にしたことを特徴とする服飾付属レース地。
- 前記逢着代の二重帯片が、共に透かし模様部分を柄組織で編成させている途中から二俣に分離させて平無地の組織にしたことを特徴とする請求項1に記載の服飾付属レース地。
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