JP4294135B2 - 圧電発振器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動子等の圧電振動子を使用する圧電発振器、特に制御電圧によって発振周波数を制御することができる電圧制御水晶発振器(以下、「VCXO」という)等の圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2(a),(b)は、従来の温度補償型のVCXOの一例を示す構成図であり、同図(a)は回路図、及び同図(b)は構造を示す断面図である。
このVCXOは、図2(a)に示すように、水晶振動子10、この水晶振動子10を駆動して発振する発振回路20、及び電源電圧安定用のキャパシタ31,32を備えている。また、このVCXOは、それぞれ電源電圧VDD及び接地電圧VSSが与えられる端子41,42、周波数制御用の制御電圧VCが与えられる端子43、及び発振信号OUTを出力する端子44を有している。
端子41,42は内部電源電圧として一定電圧Vregを生成する電源部21に接続され、この電源部21の出力側に、制御部22、インバータ23、及びバッファアンプ24が接続されている。制御部22は、制御電圧VCと周囲温度とに応じて負荷容量を制御するための内部制御電圧VIを生成するものである。インバータ23は、水晶振動子10を駆動して所定の発振周波数を出力するものであり、このインバータ23の入出力側に水晶振動子10と帰還抵抗25とが並列に接続されている。更に、インバータ23の入力側は、負荷用のキャパシタ26の一端に接続され、このキャパシタ26の他端がNチャネルMOSトランジスタ(以下、「NMOS」という)27のドレインに接続されている。NMOS27のソースは端子43の接地電圧VSSに接続され、このNMOS27のゲートに制御部22からの内部制御電圧VIが与えられるようになっている。インバータ23の出力側と接地電圧VSSとの間には、負荷用のキャパシタ28が接続されている。また、インバータ23の出力側にはバッファアンプ24が接続され、このバッファアンプ24の出力側が端子44に接続されている。
【0003】
端子41,42の間には、入力電源の安定化のためのキャパシタ31が接続され、電源部21の出力側と端子42との間には、内部電源電圧の安定化のためのキャパシタ32が接続されている。
発振回路20の各構成要素は1つの半導体チップ20A上に形成され、水晶振動子10及びキャパシタ31,32は、それぞれ個別部品で構成されている。
このVCXOは、図2(b)に示すように、例えば概略の外形寸法が縦7mm×横5mm×高さ2mmのセラミックパッケージ50に収容されている。セラミックパッケージ50は、Al(アルミナ)等の絶縁層とMo(モリブデン)等の金属による配線パターンを多層構造にして焼成したベース51と、Fe(鉄)Ni(ニッケル)Co(コバルト)の合金であるコバール等にNiめっきを施して形成したキャップ52とで構成されている。ベース51の内側には段差部51aが形成され、この段差部51aに、例えば縦4mm×横2mm×厚さ50μm程度の水晶振動子10の一端が固定されている。ベース51の底部51bには、回路形成面を下にした半導体チップ20Aと、キャパシタ31,32とが、いわゆるフェースダウンで表面実装されている。
また、セラミックパッケージ50のベース51の外部の4隅には、端子41〜44が設けられている。これらの端子41〜44、半導体チップ20A、及び水晶振動子10の間の電気的接続は、ベース51に多層化して形成された配線パターン51cによって行われている。このように、このVCXOは、水晶振動子10より一回り大きい面積のセラミックパッケージ50に収めることができるようになっている。
【0004】
図2(a)のVCXOにおいて、端子41,42に電源電圧VDD及び接地電圧VSSが与えられると、電源部21によって定電圧化された一定電圧Vregが生成されて、制御部22、インバータ23、及びバッファアンプ24に供給される。これにより、インバータ23の入力側の信号は、このインバータ23で反転増幅され、出力側に接続された水晶振動子10が駆動される。そして、水晶振動子10、帰還抵抗25、キャパシタ26,28、及び配線パターン51cの浮遊容量による固有周波数成分がインバータ23の入力側に正帰還され、所定の発振周波数による発振動作が継続される。
一方、端子43から与えられた制御電圧VCは、制御部22において周囲温度に応じた内部制御電圧VIに変換され、NMOS27のゲートに与えられる。NMOS27のオン抵抗は内部制御電圧VIによって制御され、これによりインバータ23の入力側の負荷容量が制御されて、発振周波数が制御される。インバータ23の出力信号はバッファアンプ24で増幅されて発振信号OUTとして出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のVCXOでは、次のような課題があった。
VCXOの外形寸法は、水晶振動子10の寸法によってほぼ決定されるので、このVCXOの小形化を図るには水晶振動子10を小形化する必要がある。水晶振動子10は、水晶片の固有振動による圧電現象を利用するので、この水晶振動子10を小形化するには、発振周波数を高く設定することが必要である。
図3は、図2(a)中のインバータ23に対する負荷リアクタンスの電気的等価回路図である。
図3に示すように、負荷リアクタンスは、水晶振動子10と、これに直列に接続された負荷容量CLのほか、水晶振動子10の両端とインバータ23の入出力側とを接続する配線による浮遊容量CSで構成される。
水晶振動子10は、等価直列容量C1、等価直列インダクタンスL1、及び等価直列抵抗R1が直列に接続され、更にこの直列回路に対して電極容量C0が並列に接続された等価回路で表すことができる。負荷容量CLは、NMOS27に直列接続されたキャパシタ26と、キャパシタ28との合成容量である。
【0006】
このような負荷リアクタンスを有するVCXOの周波数制御範囲Δfは、等価直列容量C1がC0+CL+CSに比べて極めて小さいときには、次の(i)式で近似することができる。
Δf=1/2γ{1+CL/(C0+CS)}・・・(i)
ここで、γは電極容量C0と等価直列容量C1の比であるが、図2(b)に示すように、水晶振動子10と半導体チップ20Aとを接続する配線パターン51cの浮遊容量CSが、この電極容量C0に並列に接続されるので、実際の容量比γは、次の(ii)式で表される。
γ=(C0+CS)/C1・・・(ii)
VCXOでは、負荷容量CLを変化させて発振周波数を制御するようになっているが、周波数制御範囲Δfを広くするためには、(i)式からも明らかなように、容量比γを小さくする必要がある。
水晶振動子10の小形化により、等価直列容量C1及び電極容量C0はともに減少するが、同一のパッケージ構造の場合、配線パターン51cの浮遊容量CSはほとんど変化しない。このため、容量比γは相対的に大きくなり、周波数制御範囲Δfが小さくなるという課題があった。
本発明は、浮遊容量CSの小さな構造を工夫することにより、前記従来技術が持っていた課題を解決し、小形でかつ周波数制御範囲Δfの広いVCXO等の圧電発振器を提供するものである。
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の圧電発振器は、圧電効果を有する振動片による電気振動と力学振動の相互変換を利用して安定した発振周波数を生成するための圧電振動子と、回路形成面と該回路形成面の反対側の裏面とを有する半導体基板と、前記回路形成面上に形成され、前記圧電振動子を電気的に励振するとともに、該圧電振動子から出力される電気信号を増幅して再び該圧電振動子を励振することによって連続した発振信号を出力する発振回路と、前記回路形成面と前記裏面との間を貫通する第1及び第2の貫通孔と、前記第1及び第2の貫通孔の内部にそれぞれ充填された金属部材と、前記回路形成面に形成され、前記発振回路の入力側及び出力側と前記金属部材とをそれぞれ電気的に接続する配線パターンと、前記裏面側の前記金属部材上に形成された第1及び第2の電極と、前記裏面と前記圧電振動子とが所定の間隙を有するように、前記第1及び第2の電極に対して該圧電振動子の一端を片持ち梁状に電気的かつ機械的に接続する導電性接着剤とを有することを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、以上のように圧電発振器を構成したので、次のような作用が行われる。
半導体基板の回路形成面に形成された発振回路の出力信号は、この半導体基板に設けられた配線パターンと第2の貫通孔に充填された金属部材を通して裏面に接続された圧電振動子に伝えられ、この圧電振動子が励振される。励振された圧電振動子の圧電効果によって、この圧電振動子から出力された電気信号は、半導体基板の第1の貫通孔に充填された金属部材と回路形成面の配線パターンを通して、前記発振回路の入力側に伝えられる。このような帰還ループにより、発振回路から連続して安定した周波数の発振信号が出力される。
第2の発明は、第1の発明の圧電発振器における発振回路は、外部から与えられる発振周波数制御用の制御電圧または周囲温度に基づいて該発振回路の負荷を変化させることによって発振周波数を制御する周波数制御部を有している。
第2の発明によれば、発振回路において次のような作用が行われる。
発振回路に発振周波数制御用の制御電圧が与えられ、または周囲温度が検出されると、周波数制御部によってこの発振回路の負荷の大きさが変化させられる。これにより、発振回路と圧電振動子との帰還ループの定数が制御され、制御電圧や周囲温度に応じた周波数の安定した発振信号が出力される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)は、本発明の実施形態を示す温度補償型のVCXOの構成図であり、同図(a)はその概略の構造を示す断面図、及び同図(b)は同図(a)中のA部の詳細を示す拡大図である。この図1(a),(b)において、図2(a),(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
以下、このVCXOの回路構成(I)、構造(II)、製造方法(III)、及び動作(IV)について、順次説明する。
【0010】
(I) 回路構成
このVCXOの回路構成は、図2(a)の従来のVCXOの回路と同様である。即ち、図2(a)に示すように、圧電振動子(例えば、水晶振動子)10、発振回路20、及び電源電圧安定化のためのキャパシタ31,32を備えている。水晶振動子10は、水晶片が外力による応力に対応して電気分極を生ずる圧電効果と、逆に結晶体に電圧をかけるとひずみを生ずる逆圧電効果を利用して、電気振動と力学振動の相互変換によって安定した発振周波数を生成するための回路素子である。発振回路20は、水晶振動子10を電気的に励振するとともに、この水晶振動子10から出力される電気信号を増幅して再びこの水晶振動子10を励振することによって、連続した発振信号OUTを出力するものである。
このVCXOは、外部からそれぞれ電源電圧VDD及び接地電圧VSSが与えられる端子41,42、周波数制御用の制御電圧VCが与えられる端子43、及び発振信号OUTを出力する端子44を有している。
【0011】
端子41,42は発振回路20の電源部21に接続され、この電源部21によって所定の一定電圧Vregの内部電源電圧が生成されるようになっている。電源部21の出力側には、周波数制御部(例えば、制御部)22、インバータ23、及びバッファアンプ24が接続されている。制御部22は温度センサ等を有し、端子43に外部から与えられる制御電圧VCと、この温度センサによって検出した周囲温度に応じて、発振周波数を制御するための負荷容量制御用の内部制御電圧VIを生成するものである。インバータ23は、水晶振動子10を駆動して所定の発振周波数を出力する反転増幅回路であり、このインバータ23の入力側と出力側には水晶振動子10の両端が接続されるとともに、帰還抵抗25が並列に接続されている。更に、インバータ23の入力側は、負荷用のキャパシタ26の一端に接続され、このキャパシタ26の他端がNMOS27のドレインに接続されている。NMOS27のソースは端子43の接地電圧VSSに接続され、このNMOS27のゲートに制御部22からの内部制御電圧VIが与えられるようになっている。
インバータ23の出力側と接地電圧VSSとの間には、負荷用のキャパシタ28が接続されている。また、インバータ23の出力側には、バッファアンプ24が接続され、このバッファアンプ24の出力側が端子44に接続されて、発振信号OUTが出力されるようになっている。
端子41,42の間には、入力電源の安定化のためのキャパシタ31が接続され、電源部21の出力側と端子42との間には、内部電源電圧の安定化のためのキャパシタ32が接続されている。
【0012】
(II) 構造
このVCXOの水晶振動子10、及びキャパシタ31,32は、それぞれ個別部品で構成されている。また、発振回路20の各構成要素は、図2(b)中の半導体チップ20Aとは構造の異なる半導体基板(例えば、半導体チップ)60の回路形成面に形成されている。
このVCXOは、図1(a)に概略の構造を示すように、セラミックパッケージ70に収容されている。セラミックパッケージ70は、Al等の絶縁層71とMoまたはW(タングステン)等の高融点の金属による配線パターン72を多層構造にして焼成したベース70Aと、コバール等で形成されたキャップ70Bとで構成されている。ベース70Aの外部の4隅には、Cu(銅)等の端子41〜44が設けられている。
ベース70Aの内側の底部には、発振回路20が形成された回路形成面を下にした厚さ350μm程度の半導体チップ60と、キャパシタ31,32とが、いわゆるフェースダウンで表面実装されている。半導体チップ60の裏面には、水晶振動子10を接続するための電極61が形成されている。そして、水晶振動子10が半導体チップ60の裏面に一定の間隔で平行に位置するように、導電性接着剤81により、この水晶振動子10の一端が電極61に対して片持ち梁状に接続されている。また、セラミックパッケージ70の内部空間には、N(窒素)等の不活性ガスが封入され、ベース70Aとキャップ70Bはシーム溶接等で密閉されている。
【0013】
更に、図1(b)に詳細を示すように、半導体チップ60の裏面には、水晶振動子10を接続して搭載するための2つ電極61(但し、図示されているのは1個のみ)が設けられている。電極61の位置には、半導体チップ60の回路形成面から裏面へ抜ける貫通孔(例えば、スルーホール)62が設けられている。スルーホール62の直径は、例えば50μm程度であり、このスルーホール62の内側及び半導体チップ60の裏面には、SiO(酸化シリコン)等の絶縁膜63が形成されている。スルーホール62の内側の絶縁膜63の表面には、更に金属膜64が形成され、この金属膜64の内側に配線用のAl(アルミニウム)等の金属部材(例えば、配線パターン)65が充填されている。金属膜64は、溶融したAl等を流し込んで配線パターン65を生成するときに、スルーホール62の中に流れ込みやすくするためのもので、Nb(ニオブ)或いはTi(チタン)等の金属が用いられている。
【0014】
配線パターン65は、スルーホール62の内部に充填されるとともに、半導体チップ60の回路形成面において、インバータ23の入力側と出力側にそれぞれ接続するように形成されている。半導体チップ60の裏面に貫通された配線パターン65の表面には、電極61を構成するTi−CuまたはCr(クロム)−Cu等の金属膜61aが蒸着され、更にこの金属膜61aの表面にAu(金)等の薄膜61bが蒸着されている。金属膜61aのTiやCrは強い酸化力を有する金属で、配線パターン65のAl表面の酸化膜に強固に反応して、強い接着力と確実な電気的接続を得るためのものである。また、Cuは、半田等の接続材料との反応拡散が最も適当な材料である。更に、薄膜61bのAuは、金属膜61aのCuの表面酸化を防止するためのものである。Auは半田内に高速に拡散し、これが半田中のSn(すず)と反応してAuSnの金属間化合物を形成して導電性を害するおそれがあるので、薄膜61bは極めて薄く形成されている。
【0015】
一方、水晶振動子10は、発振周波数によって異なるが、例えば厚さ50μm程度の水晶片11の両面にAl等の電極12が接続されて構成されており、これらの電極12と半導体チップ60の裏面の電極61との間が、導電性接着剤81を介して所定の間隔を有するように、電気的かつ機械的に接続されている。
また、セラミックパッケージ70の外側の4隅に設けられた端子41〜44と、半導体チップ60の回路形成面に形成された電極66との間の電気的接続は、ベース70Aに多層化して形成された配線パターン72によって行われるようになっている。半導体チップ60の回路形成面側の電極66も、裏面の電極61と同様に、Ti−CuまたはCr−Cu等の金属膜と、Au等の薄膜とで構成されている。
セラミックパッケージ70のベース70Aの配線パターン72には、半導体チップ60をフェースダウンで接続するための電極73が形成されている。そして、ベース70Aの底部内側の電極73と半導体チップ60の回路形成面の接続用の電極66との間は、半田82で接続されている。
【0016】
(III) 製造方法
このVCXOにおける、水晶振動子10、キャパシタ31,32、半導体チップ60、及びセラミックパッケージ70は、それぞれ別工程で製造されるが、この内、半導体チップ60は、例えば、概略次のような工程で製造される。
Si(シリコン)等の半導体ウエハの回路形成面上に、通常のフォトリソグラフィ処理等のウエハ処理を施すことにより、多数の発振回路20のパターンを一括して形成する。
発振回路20のパターンが形成された半導体ウエハ表面に、スルーホール62を形成するためのレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、乾式エッチング等により、半導体ウエハの回路形成面から裏面に達するスルーホール62を形成する。
スルーホール62が形成された半導体ウエハを、例えば1000℃程度の水素・酸素雰囲気中に置き、この半導体ウエハの裏面及びスルーホール62の内面を酸化させて、SiO等による絶縁膜63を形成する。
スルーホール62の内面に形成された絶縁膜63の表面に、Nb等を蒸着させて金属膜64を形成する。更に、金属膜64で覆われたスルーホール62の内側と半導体ウエハの回路形成面の所定の位置に、溶融したAl等を充填して配線パターン65を形成する。
半導体ウエハの裏面に露出した配線パターン65上の電極形成位置に、Ti−Cu等の金属膜61a、及びAu等の薄膜61bを順次蒸着して、電極61を形成する。同様に、半導体ウエハの回路形成面に露出した配線パターン65上の電極形成位置に、Ti−Cu等の金属膜、及びAu等の薄膜を順次蒸着して、電極66を形成する。
【0017】
更に、半導体ウエハをダイシングして、個々の発振回路20毎に切断することによって、半導体チップ60が得られる。
以上のような工程で製造された半導体チップ60を、別途、通常の工程で製造されたキャパシタ31,32とともに、セラミックパッケージ70のベース71の内部底面に、次のような手順でフェースダウン接続する。
まず、ベース71側の配線パターン72に設けられた電極73の上に、例えば直径100〜500μm程度のボール状の半田82を搭載し、更にこの半田82の上に、半導体チップ60をその回路形成面上の電極66が位置するようにして搭載するとともに、キャパシタ31,32を搭載する。
次に、半導体チップ60、及びキャパシタ31,32を搭載したベース71を、リフロー炉に入れて半田82を溶融する。これにより、溶融した半田82の表面張力によるセルフアライメント効果によって、半導体チップ60の電極66は、セラミックパッケージ70側の電極73に自動的に位置合わせが行われる。
ベース71に半導体チップ60、及びキャパシタ31,32を搭載した後、このベース71に接続された半導体チップ60の裏面側の電極61に、導電性接着剤81を用いて水晶振動子10を接続する。更に、Nガス等の雰囲気中でセラミックパッケージ70のベース70Aとキャップ70Bとをシーム溶接等で密閉する。これにより、VCXOが完成する。
【0018】
(IV) 動作
このVCXOの動作は、図2(a)の従来のVCXOの動作と同様である。即ち、端子41,42に電源電圧VDD及び接地電圧VSSが与えられると、電源部21によって定電圧化された一定電圧Vregが生成されて、制御部22、インバータ23、及びバッファアンプ24に供給される。これにより、インバータ23の入力側の電圧は、このインバータ23で反転されて出力され、図1(b)の半導体チップ60の回路形成面から配線パターン65を介して裏面の電極61に伝えられ、更に、導電性接着剤81によって接続された水晶振動子10が駆動される。また、水晶振動子10から出力された電気信号は、導電性接着剤81を介して半導体チップ60の裏面の電極61に伝えられ、更に、配線パターン65を介して回路形成面上のインバータ23の入力側に与えられる。そして、水晶振動子10、帰還抵抗25、キャパシタ26,28、及び配線パターン65等の浮遊容量による固有周波数成分がインバータ23の入力側に正帰還され、所定の発振周波数による発振動作が継続される。このように、浮遊容量を形成する配線の主要部分は、半導体チップ60に設けられたスルーホール62中のAl等の配線パターン65であるので、図2(b)の従来のVCXOにおける配線パターン51cの浮遊容量に比べて、極めて小さな値となる。
【0019】
一方、端子43から与えられた制御電圧VCは、セラミックパッケージ70のベース70A中の配線パターン72、及び半田82を介して、半導体チップ60の制御部22に伝えられる。そして、制御部22において周囲温度に応じた内部制御電圧VIに変換され、NMOS27のゲートに与えられる。NMOS27のオン抵抗は内部制御電圧VIによって制御され、これによってインバータ23の入力側の負荷容量が制御されて、このインバータ23から出力される発振周波数が制御される。インバータ23の出力信号はバッファアンプ24で増幅されて発振信号OUTとして出力される。これにより、周囲温度の変化が制御部22で補償され、温度に影響されず制御電圧VCに応じた周波数の発振信号OUTが得られる。
【0020】
以上のように、本実施形態のVCXOは、次の(1)〜(3)のような利点を有する。
(1) 制御電圧VCによる発振周波数の可変範囲は式(i),(ii)で近似されるが、浮遊容量CSが極めて小さな値となっているので、水晶振動子10の寸法を小さくすることによって、等価直列容量C1及び電極容量C0が小さくなっても、容量比γはほとんど増加しない。これにより、高い周波数においても、発振周波数の制御範囲を大きく取ることができ、所定の周波数制御範囲Δfを確保することが可能である。
(2) 発振周波数の高い水晶振動子10を用いることができるので、全体の小形化が可能になる。
(3) セラミックパッケージ70には、水晶振動子10を固定するための段部や、この水晶振動子10を電気的に接続するための配線パターンが必要無いので、構造が簡素化でき、パッケージ本体の寸法を小形化することが可能である。
【0021】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(a)〜(f)のようなものがある。
(a) 水晶振動子10に限らず、セラミック振動子等の圧電振動子を用いることができる。
(b) パッケージの材質はセラミックに限定されず、プラスチック等でも同様に適用可能である。但し、水晶振動子10等の圧電振動子は機械的に振動することによって発振動作が行われるので、その周囲には所定の空間を確保するようにしなければならない。
(c) 半導体チップ60に設けた配線パターン65や電極61等を構成する材料や製造方法は、例示した材料や製造方法に限定されず、同等の性質を有する材料やそれを用いた製造方法であれば、同様に適用可能である。
(d) セラミックパッケージ70、半導体チップ70、及び水晶振動子10の接続において、導電性接着剤81や半田82に代えて直径30〜500μm程度のAu球を用い、超音波等によって接合することも可能である。
(e) 制御部22に代えて、温度補償のみを行う制御部22Aを設けても良い。これにより、外部からの制御電圧VCによる周波数制御はできないが、周波数制御範囲が広いので、広い温度範囲での発振周波数の補償が可能となる。
(f) 発振周波数を外部からの制御電圧VCや、温度補償によって制御する必要がない場合は、制御部22及び端子43を省略することができる。その場合においても、パッケージの小形化と簡素化の利点が得られる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、半導体基板の回路形成面に発振回路を形成し、この半導体基板の裏面に圧電振動子を接続している。そして、発振回路と圧電振動子との間の配線は、半導体基板に設けられた貫通孔を通して行うような構造にしている。これにより、圧電発振器の小形化が可能になるという効果がある。更に、発振回路と圧電振動子との間の配線による浮遊容量を減少することが可能になり、例えば発振周波数の温度補償を行う場合等に、周波数制御範囲を大きくすることができるという効果がある。
第2の発明によれば、発振回路には、外部から与えられる制御電圧や、周囲温度に基づいて発振周波数を制御する周波数制御部が設けられているので、小形で、しかも周波数可変範囲の広い電圧制御型の圧電発振器を構成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す温度補償型のVCXOの構成図である。
【図2】従来の温度補償型のVCXOの一例を示す構成図である。
【図3】図2(a)中のインバータ23に対する負荷リアクタンスの電気的等価回路図である。
【符号の説明】
10 水晶振動子
20 発振回路
26,28,31,32 キャパシタ
21 電源部
22 制御部
23 インバータ
24 バッファアンプ
25 帰還抵抗
27 NMOS
60 半導体チップ
61,66,73 電極
61a 金属膜
61b 薄膜
62 スルーホール
63 絶縁膜
64 金属膜
65 配線パターン
70 セラミックパッケージ
70A ベース
70B キャップ
71 絶縁層
72 配線パターン
81 導電性接着剤
82 半田

Claims (2)

  1. 圧電効果を有する振動片による電気振動と力学振動の相互変換を利用して安定した発振周波数を生成するための圧電振動子と、
    回路形成面と該回路形成面の反対側の裏面とを有する半導体基板と、
    前記回路形成面上に形成され、前記圧電振動子を電気的に励振するとともに、該圧電振動子から出力される電気信号を増幅して再び該圧電振動子を励振することによって連続した発振信号を出力する発振回路と、
    前記回路形成面と前記裏面との間を貫通する第1及び第2の貫通孔と、
    前記第1及び第2の貫通孔の内部にそれぞれ充填された金属部材と、
    前記回路形成面に形成され、前記発振回路の入力側及び出力側と前記金属部材とをそれぞれ電気的に接続する配線パターンと、
    前記裏面側の前記金属部材に形成された第1及び第2の電極と、
    前記裏面と前記圧電振動子とが所定の間隙を有するように、前記第1及び第2の電極に対して該圧電振動子の一端を片持ち梁状に電気的かつ機械的に接続する導電性接着剤と、
    を有することを特徴とする圧電発振器。
  2. 前記発振回路は、外部から与えられる発振周波数制御用の制御電圧または周囲温度に基づいて該発振回路の負荷を変化させることによって発振周波数を制御する周波数制御部を有することを特徴とする請求項1記載の圧電発振器。
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