JP5636933B2 - 発振器 - Google Patents
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Description
このような水晶振動片を用いた圧電デバイスとして、例えば、水晶振動片と、その水晶振動片を発振させる発振回路を含む半導体回路素子などの電子部品とを同一パッケージ内に接合して封止した表面実装型の水晶振動子を用いた圧電発振器としての水晶発振器が、周波数や時間などの基準源として広く用いられている(例えば、特許文献1)。
また、水晶振動子X1の一般的な等価回路は図8のように表される。図8において、L1は等価直列インダクタンス、C1は等価直列容量、R1は等価直列抵抗、C0は並列容量である。
水晶振動子X1からみた増幅器A1を含む回路側の負荷容量(合成容量)をCLとし、容量比をγ(C0/C1)とすると、この負荷容量CLによる共振周波数f0の変化量Δf/f0は周知の次式で表される。
Δf/f0=C0/(2γ(C0+CL))
即ち、電圧制御型水晶発振器の周波数は、発振ループ中の負荷容量の変化によりその共振周波数が変化する。
また、可変容量ダイオードD1は、その2端子間に印加する逆電圧に応じて容量値が変化するダーオードである。したがって、可変容量ダイオードD1を発振ループ中に挿入し、その印加電圧を変化させることによって発振周波数を制御することができる。
さらに、インダクタ回路パターンが設けられた専用パッケージが必要となるために、パッケージの汎用性がないという問題があった。
また、インダクタ回路パターンが形成された中間基板に圧電振動片が重ねられた構成としているので、汎用パッケージを用いて、発振特性が安定した圧電発振器を提供することができる。
また、インダクタ回路パターンが形成された中間基板に圧電振動片が重ねられた構成を有しているので、中間基板がシールド効果を奏して、半導体回路素子と圧電振動片との電
極間の浮遊容量による発振特性への悪影響を抑えることができる。
また、本適用例にかかる発振器は、振動部を有する振動片と、前記振動部に設けられている励振電極と、前記振動片を発振させる発振回路を含む回路素子と、前記振動部との間に隙間が設けられ、平面視において前記振動部の少なくとも一部が重なるように配置されている中間基板と、前記中間基板の少なくとも一方の主面に設けられているインダクタ回路パターンと、前記振動片と前記中間基板および前記回路素子が搭載されているパッケージと、を含み、前記インダクタ回路パターンは、前記励振電極および前記回路素子と電気的に接続されていることを特徴とする。
〔適用例2〕上記適用例にかかる発振器において、前記中間基板の平面視において、前記インダクタ回路パターンは、前記振動部の少なくとも一部が重なっていてもよい。
また、上記適用例にかかる発振器において、前記インダクタ回路パターンと前記励振電極は、直列接続されていてもよい。
また、上記適用例にかかる発振器において、前記インダクタ回路パターンと前記励振電極は、直列接続されていてもよい。
また、上記適用例にかかる発振器において、前記インダクタ回路パターンと前記励振電極は、並列接続されていてもよい。
また、上記適用例にかかる発振器において、前記両主面に設けられている前記インダクタ回路パターン同士が直列接続されていてもよい。
まず、水晶発振器20にかかる水晶振動片10について図面に沿って説明する。
図2(a)は、本発明の圧電発振器にかかる圧電振動片としての水晶振動片の一例を上側からみた概略平面図、(b)は、(a)のB−B線断面図、(c)は、下側からみた概略平面図である。
水晶を用いて形成される水晶振動片10は、例えば、人工水晶原石の一部を結晶軸(光軸)を明確にしてブロック状に成形した水晶ランバードから所定の切断角度で切り出された単結晶基板としての水晶ウェハを用いて形成される。ここで、所定の切断角度とは、水晶の結晶軸に対して狙った角度だけ傾けたカット角を指し、本実施形態では、結晶軸から35°15′傾けた切断角度で切り出された所謂ATカット水晶を用いて形成された厚み滑り振動モードを呈する水晶振動片10として説明する。このようなATカット水晶を用いた水晶振動片10は、広範囲な温度領域において安定した周波数が得られる優れた温度特性を有する圧電振動片である。
このような電極や端子あるいは配線などの電極パターンは、水晶ウェハをエッチングして水晶振動片10の外形および凹部18を形成した後で、蒸着またはスパッタリングにより、例えばニッケル(Ni)またはクロム(Cr)を下地層として、その上に例えば金(Au)による金属膜を成膜し、その後フォトリソグラフィーを用いてパターニングすることにより形成できる。
次に、水晶発振器20にかかる中間基板2について説明する。
図3(a)は、本発明の圧電発振器にかかる中間基板の一実施形態を上側からみた概略平面図、(b)は、(a)のC−C線概略断面図、(c)は、下側からみた概略平面図である。
中間基板2は、図3に示すように、基部3と、基部3から延びるインダクタ形成領域(インダクタ回路パターン5aが形成される領域)とが、絶縁性の同一材料により例えば平面内に並んだ状態で一体形成されたものである。基部3は、上記の水晶振動片10の支持部12と接合される部分であるとともに、水晶振動片10と中間基板2とが重ねられた積層体1をパッケージ30に接合する際の固定部分となる部分であり(図1および図4を参照)、水晶振動片10およびパッケージ30との電気的な接続に供する接続端子7a,7bが設けられている。
次に、本実施形態の水晶振動片10と中間基板2とを積層させて接合した積層体について図面に沿って説明する。
図4は、水晶振動片と中間基板とが接合された積層体の一例を示す概略断面図である。
図4に示すように、積層体1は、中間基板2上に水晶振動片10が搭載されたものである。中間基板2の基部3の一方の主面に設けられた接続端子7a(または、その他の端子や電極)と、水晶振動片10の対応する外部接続端子16a,16b(または、その他の端子や電極)とが位置合わせされ、図示しない接合部材を介して接合されている。接合部材は、例えば導電性接着剤や半田などの導電性の接合部材を用いることにより、電気的な接続を図るとともに機械的な接合を行うことができる。また、中間基板2の基部3と水晶振動片10の支持部12との接合部の反対側の端部どうしの接合部分(中間基板2と水晶振動片10との図中右側の接合部分)には、電気的な接続は必要でないため、樹脂系の接着剤など非導電性の接合部材を用いることができる。
積層体1において、水晶振動片10の振動部14は、振動部14に設けられた凹部18により、中間基板2のインダクタ回路パターン5aが形成された一方の主面との間に隙間を設けて配置される。
次に、図1に戻り、上記水晶振動片10および中間基板2の積層体1を用いた水晶発振器について説明する。
図1に示すように、水晶発振器20は、パッケージ30と、水晶振動片10および中間基板2が積層された積層体1と、水晶振動片10を駆動させる駆動回路を含む半導体回路素子としてのICチップ50と、を有している。本実施形態の水晶発振器20は、水晶振動片10と発振回路を含むICチップ50とがパッケージ30の凹部内に接合されて封止された、表面実装が可能な所謂SMD(Surface Mount Device)タイプの1チップの水晶発振器である。このようなSMDタイプの水晶発振器20は、小型、薄型化を図るのに有利である。また、表面実装部品として規格化されているSMDタイプの水晶発振器20は、例えば、基板に接合した水晶振動片を筒状のキャップで覆うことにより封止するタイプの水晶振動子のように、外部接続用のリード線を外部基板の接続端子形状に合わせて切断したり成形したりする必要がなく、外部基板への搭載の自動化も図りやすいので、実装工程の簡略化や低コスト化に有利である。
また、第2層基板32によりICチップ50載置領域を平面視で囲むように形成される段差上には、中間基板2と水晶振動片10との積層体1が接続される振動片接続端子36が設けられている。
これらの振動片接続端子36やIC接続端子35、あるいは外部実装端子などの各端子は、第1層基板31〜第3層基板33に形成された図示しない引き回し配線またはスルーホールなどの層内配線により、それぞれ対応する端子どうしが接続されて回路配線を形成している。
なお、パッケージ30へのICチップ50の接合はフェースダウン接合に限らず、ワイヤーボンディングなどの他のIC実装技術を用いて行うことができる。
これにより、水晶振動片10を発振させる発振回路を含むICチップ50と、水晶振動片10とは、間に中間基板2のインダクタ回路パターン5aを介して直列接続させることができる。図5は、圧電発振器における水晶振動片10とICチップ50とのインダクタ回路パターン5aを介した回路の一例を示す回路図である。図5に示すように、圧電発振器において、ICチップ50は端子50a,50bを備えており、これら二つの端子間に水晶振動片10とインダクタ回路パターン5aとの直列回路が接続された構成を有することができる。なお、水晶振動片10とインダクタ回路パターン5aとの直列回路は、端子50aに水晶振動片10が接続され、端子50bにインダクタ回路パターン5aが接続されるように構成してもよい。
なお、積層体1とパッケージ30との接合に用いる接合部材95および接合部材96のうち、導電性の接合部材95は、例えば、ポリイミド、シリコン系、またはエポキシ系などの樹脂に、銀(Ag)フィラメント、またはニッケル(Ni)粉を混入した導電性接着剤などを用いることができる。また、積層体1を接合する導電性の接合部材95は、導電性接着剤に限らず、半田などの他の接合部材を用いることもできる。
なお、封止材の材料としては、完成した水晶発振器20を外部実装基板に実装する際のリフロー温度よりも高い温度を融点として有したものが望ましく、例えば、金と錫(Sn)との合金、あるいは、金とゲルマニウム(Ge)との合金などを用いることができる。
特に、上記実施形態の水晶発振器20では、インダクタ回路パターン5aが水晶振動片10に直列接続されているので、水晶発振器20の発振ループ中にインダクタンスを挿入することによる周波数可変幅を大きくする効果をより顕著に奏することができる。
また、ICチップ50と水晶振動片10との間にインダクタ回路パターン5aが形成された中間基板2を配置しているので、中間基板2がシールド効果を奏して、ICチップ50と水晶振動片10との電極間の浮遊容量による発振特性への悪影響を抑えることができる。
上記実施形態では、中間基板2の一方の主面にのみインダクタ回路パターン5aを形成した構成を説明した。これに限らず、中間基板の両主面にインダクタ回路パターンを設ける構成とすることにより、周波数可変感度をさらに高くするなどの効果を得ることができる。
図6は、中間基板の変形例を説明するものであり、(a)は上側からみた概略平面図、(b)は(a)のD−D線断面図、(c)は下側からみた概略平面図である。なお、図6に示す中間基板の変形例において、上記実施形態の中間基板2と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
また、図6(c)に示すように、中間基板72の他方の主面において、基部3の接続端子7aの反対側の端部に設けられた接続端子7bから配線74bが引き出され、その配線74bがインダクタ形成領域に引き回されてインダクタ回路パターン5bが形成されている。
中間基板72の両主面に形成されたインダクタ回路パターン5aとインダクタ回路パターン5bとは、インダクタ形成領域の中央部で、スルーホールなどの内層配線79により電気的に接続されている。これにより、一方の主面に設けられた接続端子7aから、他方の主面に設けられた接続端子7bまでの間に、2つのインダクタ回路パターン5a,5bが直列接続された中間基板72を提供することができる。
このように、インダクタ回路パターンを水晶振動片に並列接続することにより、水晶発振器における各電極間の浮遊容量などの不要な容量の悪影響を回避することができる。
また、この他の振動片として、例えば、基部と、基部から平行に延出された一対の振動腕とを有する音叉型の振動片や、平行に配置された一対の振動腕の両端部が2つの基部にそれぞれ接続された双音叉型の振動片などの、屈曲振動モードの振動片を用いてもよい。このような音叉型振動片や双音叉型振動片を用いることにより、フォトリソグラフィー技術とエッチング手法を用いた従来の製造ラインが適用できるので、振動片の低コスト化が図られるという利点がある。また、屈曲振動は気体の粘性の影響を受けやすいので、CI値の変化がおおきく、力の検出感度が良くなるという効果がある。
Claims (6)
- 振動部を有する振動片と、
前記振動部に設けられている励振電極と、
前記振動片を発振させる発振回路を含む回路素子と、
前記振動部との間に隙間が設けられ、平面視において前記振動部の少なくとも一部と重なるように配置されている中間基板と、
前記中間基板の少なくとも一方の主面に設けられているインダクタ回路パターンと、
前記振動片と前記中間基板および前記回路素子が搭載されているパッケージと、を含み、
前記インダクタ回路パターンは、前記励振電極および前記回路素子と電気的に接続されていることを特徴とする発振器。 - 前記中間基板の平面視において、前記インダクタ回路パターンは、前記振動部の少なくとも一部と重なっていることを特徴とする請求項1に記載の発振器。
- 前記インダクタ回路パターンと前記励振電極は、直列接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発振器。
- 前記インダクタ回路パターンと前記励振電極は、並列接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発振器。
- 前記インダクタ回路パターンは、前記中間基板の両主面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発振器。
- 前記両主面に設けられている前記インダクタ回路パターン同士が直列接続されていることを特徴とする請求項5に記載の発振器。
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