JP4291546B2 - 乾電池収容装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、突状の電極部が形成された乾電池を収容する乾電池収容装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾電池を利用する電子機器には、乾電池を収容する収容部が設けられている。この収容部に、例えば円筒状の乾電池が収容されると、乾電池の長手方向両端に形成された電極部が、収容部に設けられた電極端子に接触した状態になる。
【0003】
このような電子機器では、収容した乾電池の導通抵抗を安定させるために、電子機器に衝撃等の外力が加えられても乾電池が移動せずに良い接触条件が維持されることが望まれている。
【0004】
この接触条件の維持のために、通常、乾電池のハウジングを外側から押圧することにより乾電池を固定しており、更には、上記の電極端子をばね部材で構成することにより乾電池の電極部を挟み込ませる構造にすることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、乾電池の寸法公差を考慮すると、上記の収容部の構造をガタをもたせた構造にせざるを得ない。このため、乾電池のハウジングを外側から押圧することや、収容部の電極端子による挟込み圧力で保持することのみでは、衝撃等の外力が電子機器に加えられた際の乾電池の移動防止が困難であるという問題があった。
【0006】
なお、図8に示すように、特開2001−243934には、収容部82の負極側の電極端子88を傾けることが開示されているが、上記の問題を解決することには至らない。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、乾電池の寸法公差に影響されることなく、電子機器に外部から衝撃等の外力が加えられても乾電池の良好な接触状態を維持できる乾電池収容装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、突部が電極部に形成された乾電池を収容する乾電池収容装置であって、前記乾電池を収容する収容部の電極端子に、前記突部の側壁に当接する当接部を設け、前記突部の側壁が前記当接部に押圧されるように前記乾電池のハウジングを付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
このように、乾電池の電極部に突部が形成されていることを利用し、この突部の側壁を収容部の電極端子に当接させる構造にしているので、収容部との間に従来生じていた乾電池のガタをなくすことができる。従って、乾電池を収容した状態で衝撃等の外力が外部から収容部に加えられても、安定した接触抵抗を維持すること、すなわち、収容部の電極端子と乾電池の電極部との接触状態を良好な状態に維持することができる。また、このことによって、乾電池の寿命を延ばすという効果も奏することができる。
また、付勢手段により、収容部の電極端子と乾電池の電極部との接触をより確実に維持することができる。
【0010】
収容部の電極端子の形状、構造は、乾電池の電極部の側壁に当接して乾電池を支えるのであれば、特に限定しない。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記当接部には、前記突部の側壁に当接して支持するV字型の支持部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
これにより、収容部の電極端子と乾電池の電極部との良好な接触状態を維持し易い。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記支持部のV字型部位から前記収容部の長手方向に延び出す延出し板部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記収容部には、前記乾電池のハウジングを開閉自在に覆う蓋部が設けられ、前記付勢手段が該蓋部の内側に設けられており、該蓋部を閉めることによって前記乾電池のハウジングが押圧されて前記突部の側壁が前記当接部に押圧されることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記収容部には、前記乾電池の長手方向の一方の端部を開閉自在に覆う蓋部が設けられ、前記付勢手段が前記収容部の内壁側に設けられており、前記収容部に収容された前記乾電池のハウジングが前記付勢手段で押圧されて前記突部の側壁が前記当接部に押圧されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、カメラに設けられた乾電池収容装置を例に挙げ、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
[第1形態]
図1〜図3に示すように、第1形態では、円筒状の市販の乾電池(マンガン電池、アルカリ電池等)10を収容する収容部15がカメラ14に設けられており、この収容部15の正極側の電極端子(以下、正極端子という)16は、乾電池10の正極部11に形成されたボタン状の突部12を支える支持部17を有する。支持部17はV字状にカットされた切り欠き形状にされており、上端17Eで最もカット幅Dが広く、収容部15の底部に向けて徐々にカット幅が狭い形状にされている。
【0018】
負極側の電極端子(以下、負極端子という)18は、従来と同様の渦巻き状のばね部材で構成され、乾電池10を正極端子16に向けて付勢する構造にされている。
【0019】
また、カメラ14には、カメラ14のハウジングを構成し収容部15を開閉自在に覆う蓋部22が設けられている。蓋部22の内側には、クッション性を有する弾性部材20が取付けられており、乾電池10を収容した状態で蓋部22を閉めると弾性部材20が乾電池10のハウジング13を押圧するようになっている。
【0020】
カメラ14の収容部15に乾電池10を収容するには、蓋部22を開けた状態で、乾電池10の負極部9を負極端子18に当接させて押圧して乾電池10を収容部15へ入れ込むと共に、乾電池10の突部12の側壁12Wを正極端子16の支持部17に当接させる。
【0021】
この結果、突部12が支持部17に落とし込まれた状態になると共に、乾電池10の頭部壁面10Hが正極端子16の内壁面に当接して、乾電池10が正極端子16と負極端子18とによって挟み込まれた状態で収容部15に保持される。
【0022】
次に、蓋部22を閉めることにより、弾性部材20によって、乾電池10が収容部15の底部に向けて押圧された状態で収容される。この状態では、図3に示すように、乾電池10の突部12の側壁12Wが支持部17の底部17Bに向けて押圧された状態、すなわち、突部12の側壁12Wが支持部17の斜面17Sに充分に押圧された状態になる。
【0023】
これにより、カメラ14に衝撃等の外力が加えられても、突部12と支持部17との接触状態(すなわち乾電池10の正極部11と収容部15の正極端子16との接触状態)、及び、乾電池10の負極部9と収容部15の負極端子18との接触状態が、何れも良好な状態で維持される。従って、乾電池10の寸法公差に影響されることなく、衝撃等の外力が外部から加えられても乾電池10と収容部15との接触抵抗を安定した状態に維持することができる。
【0024】
[第2形態]
次に、第2形態について説明する。第2形態では、第1形態と同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図4、図5に示すように、第2形態では、第1形態に比べ、乾電池10を収容する収容部35の正極端子36の構造がやや異なる。すなわち、正極端子36は、V字状にカットされた支持部37の上端側に、収容部35の長手方向に延び出した延出し板部38を有しており、収容された乾電池10の突部12の側壁12Wが延出し板部38に当接するようになっている。
【0026】
これにより、乾電池10の正極部11と収容部35の正極端子36との接触領域を増大させることができ、正極部11と正極端子36との接触抵抗を第1形態よりも更に安定させることができる。
【0027】
[第3形態]
次に、第3形態について説明する。図6、図7に示すように、第3形態では、乾電池10を収容する収容部45の長手方向(すなわち収容される乾電池10の長手方向)の一方の端部側に、カメラ44のハウジングを構成し収容部45を開閉自在に覆う蓋部52を設けている。蓋部52には、板バネ部材で構成されて乾電池10の負極部9と当接する負極端子58が設けられている。
【0028】
また、収容部45には、第1形態と同様の正極端子16が設けられており、更に、収容された乾電池10の突部12の側壁12Wが支持部17の底部17Bへ向けて押圧されるように、乾電池10のハウジング13を収容部45の底部へ向けて付勢する板バネ60が設けられている。
【0029】
これにより、乾電池10を収容部45に収容させる際、乾電池10を端部から収容部45へ入れ込んで蓋部52で蓋をすることにより、乾電池10を容易に収容させることができる。
【0030】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、乾電池を複数本収容できる装置にすることや、正極端子の形状を変更することなど、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、以下の効果を奏することができる。
【0032】
請求項1に係る発明によれば、乾電池を収容した状態で衝撃等の外力が外部から収容部に加えられても、収容部の電極端子と乾電池の電極部との接触状態を良好な状態に維持することができる。また、このことによって、乾電池の寿命を延ばすという効果も奏することができる。また、付勢手段により、収容部の電極端子と乾電池の電極部の突部との接触をより確実に維持することができる。
【0033】
請求項2に係る発明によれば、収容部の電極端子と乾電池の電極部との良好な接触状態を維持し易い。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されていない状態)。
【図2】 第1形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されている状態)。
【図3】 図2で矢視3−3から見た正面図である。
【図4】 第2形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されていない状態)。
【図5】 第2形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されている状態)。
【図6】 第3形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されていない状態)。
【図7】 第3形態で、乾電池を収容する収容部を示す斜視図である(乾電池が収容されている状態)。
【図8】 図8(A)から(C)は、それぞれ、従来の乾電池収容ボックスに乾電池を収容させる手順を示す側面断面図である(特開2001−243934に開示された例)。
【符号の説明】
10 乾電池
11 正極部(電極部)
12 突部
12W 側壁
15 収容部
16 正極端子(電極端子)
17 支持部
20 弾性部材(付勢手段)
35 収容部
36 正極端子(電極端子)
37 支持部
45 収容部
60 板バネ(付勢手段)
82 収容部
Claims (5)
- 突部が電極部に形成された乾電池を収容する乾電池収容装置であって、
前記乾電池を収容する収容部の電極端子に、前記突部の側壁に当接する当接部を設け、
前記突部の側壁が前記当接部に押圧されるように前記乾電池のハウジングを付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする乾電池収容装置。 - 前記当接部には、前記突部の側壁に当接して支持するV字型の支持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乾電池収容装置。
- 前記支持部のV字型部位から前記収容部の長手方向に延び出す延出し板部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乾電池収容装置。
- 前記収容部には、前記乾電池のハウジングを開閉自在に覆う蓋部が設けられ、
前記付勢手段が該蓋部の内側に設けられており、
該蓋部を閉めることによって前記乾電池のハウジングが押圧されて前記突部の側壁が前記当接部に押圧されることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の乾電池収容装置。 - 前記収容部には、前記乾電池の長手方向の一方の端部を開閉自在に覆う蓋部が設けられ、
前記付勢手段が前記収容部の内壁側に設けられており、
前記収容部に収容された前記乾電池のハウジングが前記付勢手段で押圧されて前記突部の側壁が前記当接部に押圧されることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の電池収容装置。
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