JP4288547B2 - 圧電素子用発振回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電素子用発振回路に関するもので、さらに詳しく言えば、溶媒に被検知物質が溶解した溶液中の被検知物質の濃度または該溶液の粘度を、圧電素子の固有振動数の変化によって検知するのに使用することができ、超音波トランスデューサや重合反応検出センサーにも使用することができ、前記溶液が特に高粘度または高濃度のものや電導性のものに適用できる圧電素子用発振回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶媒に被検知物質としての溶質が溶解した溶液は、溶質の溶解量に応じて粘度が変化するため、この粘度の変化を圧電素子の固有振動数の変化によって検知して溶液の粘度を検知したり、溶解している被検知物質の濃度を検知することは公知である。
【0003】
上記した溶液の粘度や溶解している被検知物質の濃度の検知には水晶振動子などの圧電素子が用いられ、通常は、板状にした圧電素子の2つの面に第1の電極と第2の電極を取り付け、第2の電極を溶液に接触させた状態で、両方の電極を発振回路に接続し、該発振回路を高周波発振させた際の固有振動数の変化によって検知している。
【0004】
上記した圧電素子の第2の電極を溶液に接触させる方法としては、内壁に前記第2の電極を露出させた測定容器内に溶液を採取する方法と、溶液に接触させない第1の電極を濡れないようにして第2の電極を溶液に浸漬する方法とがあるが、溶液の粘度や溶解している被検知物質の濃度の検知を連続的に行ったり、該検知を自動化する目的には、後者の方法が有効である。
【0005】
第2の電極を溶液に浸漬すると、該溶液が電導性であれば、前記電極と溶液との間のインピーダンスはゼロになるので、前記電極が接地されてはならない、通常のインバータICを用いた発振回路は用いることができず、従来は前記電極を交流的に接地し得る図2に示したような、トランジスタを用いたコルピッツ形の発振回路を用いていた。
【0006】
図2に示した発振回路は、圧電素子20に第1の電極22と第2の電極23を設け、第1の電極22がトランジスタ21のベースに接続され、第2の電極23がコンデンサ24を介して交流的に接地されるようにし、第2の電極23が溶液に接触するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の発振回路は、圧電素子20の第2の電極23を溶液に接触させて溶液の粘度や溶解している被検知物質の濃度が高いものを検知対象にしようとすると、圧電素子20に対する負荷が増大し、共振抵抗が高くなって発振が停止することがあり、安定した検知が行えないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、演算増幅器と圧電素子を用い、該演算増幅器は、出力端子と反転入力端子との間が直接または負帰還用抵抗を介して接続されるとともに反転入力端子がコンデンサを介して接地され、反転入力端子と非反転入力端子との間がコンデンサを介して接続されるとともに非反転入力端子が直流電位を与える電源に、または接地に抵抗を介して接続され、該圧電素子は、第1の電極が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続され、第2の電極が直接接地に、またはコンデンサを介して接地に接続されていることを特徴とするものであり、これにより、該回路を、粘度が高い溶液の粘度検知や溶解している被検知物質の濃度が高い溶液の濃度検知などの、圧電素子の共振抵抗が高くなるような用途に用いても、演算増幅器の大きな利得帯域幅積を利用することができるので、安定した検知を行うことができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧電素子用発振回路において、圧電素子は水晶振動子であることを特徴とするものであり、これにより、共振抵抗が高くなるような、高粘度の、電導性の溶液を検知対象にしても高精度で安定した検知を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態に係る圧電素子用発振回路の回路図である。
【0012】
図1に示した圧電素子用発振回路の特徴は、演算増幅器1と圧電素子5を用い、該演算増幅器1は、出力端子7と反転入力端子8との間が負帰還用抵抗2を介して接続されるとともに反転入力端子8がコンデンサ3を介して接地され、反転入力端子8と非反転入力端子9との間がコンデンサ4を介して接続されるとともに非反転入力端子9が接地に抵抗12を介して接続され、該圧電素子5は、第1の電極10が前記演算増幅器1の非反転入力端子9に接続され、第2の電極11がコンデンサ6を介して接地に接続されていることである。
【0013】
前記圧電素子5としては、高精度で安定した発振周波数が得られる水晶振動子がよい。
【0014】
前記演算増幅器1の、出力端子7と反転入力端子8との間は負帰還用抵抗2を介して接続しているが、これは該演算増幅器1として電流帰還形のものを使用する場合であり、負帰還用抵抗2を数百Ωから2kΩの範囲の適切な値で選択することにより、安定した発振動作をさせることができる。これに対し、該演算増幅器1として電圧帰還形のものを使用する場合には、出力端子7と反転入力端子8との間を直接接続することにより、安定した発振動作をさせることができる。
【0015】
また、前記演算増幅器1の、非反転入力端子9は接地に抵抗12を介して接続しているが、これは該演算増幅器1を正負の2電源で動作させる場合である。これに対し、該演算増幅器1を正または負の片電源で動作させる場合は、非反転入力端子9を直流電位、たとえば該電源電圧の2分の1の電圧を与える電源に接続すればよい。
【0016】
さらに、前記圧電素子5の、第2の電極11はコンデンサを介して接地に接続しているが、これは電導性の溶液を検知対象にし、交流的に接地する必要がある場合であり、非電導性の溶液を検知対象にする場合や溶液の濃度や粘度検知以外で、第2の電極11が直接接地されても支障のない用途の場合は直接接地すればよい。
【0017】
上記した構成の圧電素子用発振回路は、演算増幅器1に動作用の直流電源を与えると、圧電素子5によって固有に定められる発振周波数で発振を開始するが、該回路を溶液中の被検知物質の濃度検知や該溶液の粘度検知に用いる場合には、第2の電極11を被検知物質が溶解した溶液中に浸漬し、該溶液中の被検知物質の濃度または該溶液の粘度に応じて変化する、前記発振周波数を検知することによって該溶液中の被検知物質の濃度または該溶液の粘度を検知することができる。
【0018】
上記した構成の圧電素子用発振回路では、圧電素子5の第1の電極10と演算増幅器1の非反転入力端子9との間の配線や圧電素子5の第2の電極11とコンデンサ6との間の配線が断線しても、寄生発振を生じることなく発振が停止するので、前述した断線の検出も容易に行うことができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
10MHz、ATカットの水晶振動子を圧電素子5とし、エチレングリコール水溶液を検知対象溶液とし、その濃度を種々変化させて、図1に示した本発明の発振回路と図2に示した従来の発振回路とによって発振周波数の変化を調査したところ、図1に示した本発明の発振回路では、25℃、100%の溶液でも安定した発振周波数が得られたのに対し、図2に示した従来の発振回路では、25℃、65%の溶液で発振が停止することがわかった。
【0020】
(実施例2)
10MHz、ATカットの水晶振動子を圧電素子5とし、25℃で比重が1.28の鉛蓄電池用電解液を検知対象溶液とし、その温度を種々変化させて、図1に示した本発明の発振回路と図2に示した従来の発振回路とによって発振周波数の変化を調査したところ、図1に示した本発明の発振回路では、−30℃の溶液でも安定した発振周波数発振がが得られたのに対し、図2に示した従来の発振回路では、0℃の溶液で発振が停止することがわかった。
【0021】
上記した実施例1によれば、溶液の粘度や溶解している被検知物質の濃度が高いものを検知対象にしても安定した検知を行うことができ、上記した実施例2によれば、前述した溶液が電導性であっても安定した検知を行うことができ、本発明の発振回路は多様な溶液に適用して、その粘度や濃度の検知を行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
上記した如く、本発明の圧電素子用発振回路は、溶媒に被検知物質が溶解した溶液中の被検知物質の濃度または該溶液の粘度を、圧電素子の固有振動数の変化によって検知するのに適し、特に発振回路を改良し、前記溶液が高濃度または高粘度のものであっても、電導性のものであっても安定した検知を行うことができるようにしたので、多様な溶液の濃度検知や粘度検知に適用することができるとともに、その検知を連続的に行ったり、自動化するのに寄与できるだけでなく、超音波トランスデューサや重合反応検出センサーなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電素子用発振回路の回路図である。
【図2】従来の圧電素子用発振回路の回路図である。
【符号の説明】
1 演算増幅器
5,20 圧電素子
10,22 第1の電極
11,23 第2の電極
Claims (2)
- 演算増幅器と圧電素子を用い、該演算増幅器は、出力端子と反転入力端子との間が直接または負帰還用抵抗を介して接続されるとともに反転入力端子がコンデンサを介して接地され、反転入力端子と非反転入力端子との間がコンデンサを介して接続されるとともに非反転入力端子が直流電位を与える電源に、または接地に抵抗を介して接続され、該圧電素子は、第1の電極が前記演算増幅器の非反転入力端子に接続され、第2の電極が直接接地に、またはコンデンサを介して接地に接続されていることを特徴とする圧電素子用発振回路。
- 請求項1記載の圧電素子用発振回路において、圧電素子は水晶振動子であることを特徴とする圧電素子用発振回路。
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