JPH09304259A - 水晶式濃度センサー - Google Patents

水晶式濃度センサー

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JPH09304259A
JPH09304259A JP11451896A JP11451896A JPH09304259A JP H09304259 A JPH09304259 A JP H09304259A JP 11451896 A JP11451896 A JP 11451896A JP 11451896 A JP11451896 A JP 11451896A JP H09304259 A JPH09304259 A JP H09304259A
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JP
Japan
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crystal
detected
concentration sensor
quartz
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JP11451896A
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English (en)
Inventor
Shigeru Sano
茂 佐野
Aya Nishino
綾 西野
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Yuasa Corp
Original Assignee
Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水晶式濃度センサーの感度と精度の向上を図
る。 【解決手段】 被検知物質に接触させてその物理的性質
の変化を検知する水晶振動子を備えた水晶式濃度センサ
ーの、水晶振動板10の両面に電極12,13を設け、
その被検知物質に接触する側の電極13に高分子化合物
17からなる薄膜を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医学、工業化学等の
分野において液体の濃度、気体の濃度等を検出するのに
用いられる水晶式濃度センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水晶式濃度センサーとしては特開
平6ー18394号公報に記載されたようなものがあ
る。
【0003】この従来の水晶式濃度センサーを図7に示
す。
【0004】図7に示した従来の水晶式濃度センサー
は、ATカット等によって厚みすべり振動する水晶振動
板10の両面に、それぞれ一個の導電性薄膜電極12、
13を設けて水晶振動子を構成し、水晶振動子の片面を
被検知物質に接触させた状態で増幅・帰還回路により水
晶振動子を発振させ、負荷としての被検知物質によって
変化した水晶振動子の固有振動数を検出して被検知物質
の濃度等を求めるものであった。
【0005】なお、図7において、11は液口栓5の蓋
部51から鉛直に延びた保持管であり、水晶振動板10
はこの保持管11の下端開口を塞ぐように、紫外線硬化
樹脂のような接着剤によって取り付けられ、保持管11
の内部に被検知物質が浸入しないようにしている。
【0006】ちなみに、被検知物質が液体である場合に
は、その粘度と密度に応じて水晶振動子に負荷がかかる
ようにし、気体である場合には水晶振動子の片面にあら
かじめ設けた吸着膜に被検知物質が吸着されて水晶振動
子に負荷がかかるようにしている。すなわち、各種濃度
の液体、たとえば硫酸水溶液の場合には、この水晶式濃
度センサーを硫酸水溶液中に浸漬させて固有振動数を測
定すると、固有振動数は濃度に対してほぼ直線的に変化
するので、固有振動数を測定することによって硫酸の濃
度を測定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の水晶式
濃度センサーでは、被検知物質の濃度の変化が小さい場
合、固有振動数の変化も小さくなるが、被測定物の振動
やセンサーの設置状況などによって誤差が発生する場合
には感度や精度が不十分であるという問題があった。
【0008】また、被検知物質の濃度が低い場合も、周
囲環境の影響を受けやすいため、感度や精度が不十分に
なるという問題があった。
【0009】さらに、被検知物質以外の共存物が存在
し、それによる影響が大きい場合も被検知物質を選択的
に測定することができないという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、被検知物質の物理的性質の
変化に伴って一価関数的に固有振動数が変化する水晶振
動子と、水晶振動子を発振させる発振回路とを備え、被
検知物質に接触させた状態で水晶振動子を発振させてそ
の固有振動数を求めることによって、被検知物質の物理
的特性を検知する水晶式濃度センサーにおいて、水晶振
動子は水晶振動板の両面にそれぞれ電極が設けられて構
成されており、各電極は発振回路に電気的に接続されて
おり、水晶振動板は片面のみが被検知物質に接触するよ
うに設けられており、水晶振動子の、被検知物質に接触
する側の面には、被検知物質と反応する性質を有する高
分子化合物の薄膜が形成されていることを特徴とするも
のであり、これにより、被検知物質の濃度に対応する水
晶振動子の固有振動数に、高分子化合物と被検知物質と
の反応よる重量変化に伴う固有振動数の変化分が重畳さ
れて固有振動数の変化量が大きくなり、被検知物質の濃
度変化に対する固有振動数の変化を大きくすることがで
き、感度や精度を向上させることができる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の水晶式濃度センサーにおいて、高分子化合物が、芳
香族アミン化合物またはこれを酸化して得られる化合物
または重合物であることを特徴とするものであり、これ
により、被検知物質が酸である場合に、芳香族アミン化
合物中に存在する窒素原子が酸と付加反応し、重量が増
加して固有振動数の変化量が大きくなる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の水晶式濃度センサーにおいて、高分子化合物が、硫
黄原子、窒素原子または酸素原子を有する化合物または
これらを酸化して得られる化合物または重合物であるこ
とを特徴とするものであり、これにより、被検知物質が
酸である場合に、硫黄原子、窒素原子または酸素原子が
酸と付加体を形成し、重量が増加して固有振動数の変化
量が大きくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて説明する。
【0014】図1は本発明の実施の形態に係る水晶式濃
度センサーに係る断面図、図2は図1の要部拡大図であ
り、図7と同じ部分には同じ符号を付してその説明は省
略する。
【0015】また、図3は前記水晶式濃度センサーに用
いられる発振回路20の回路図、図4は同インターフェ
イス回路30の回路図である。
【0016】前記発振回路20中の21は演算増幅器で
ある。この発振回路20は電極13が接地状態であって
も発振動作をさせることができるという特徴がある。
【0017】前記インターフェイス回路30は、上記発
振回路20で得られた周波数を分周し、または加減算
し、または周波数・電圧変換し、または周波数・電流変
換することにより、遠隔地に伝送することを容易にし、
または測定値の温度係数を改善し、または伝送先での受
信方式に適合させるためのものであり、具体的には図4
に示した如く、異なる2つの発振回路20の出力周波数
をデータラッチ31,32からなる減算計数回路を通す
ことにより、水晶振動子の固有振動数の温度係数を相殺
し、同時に電解液の濃度変化分だけを抽出し、振動数の
数値そのものを小さくするようになっている。なお、デ
ータラッチ32の出力は、伝送に際しての耐ノイズ性を
高めるためにラインドライバー33を通して送信される
ようになっている。
【0018】本実施の形態に係る水晶式濃度センサーで
は、11mm以下の円板からなる水晶振動板10を保持
管11の下端開口に備え、一つの集積回路に組み込まれ
た発振回路20およびインターフェイス回路30を液口
栓5の蓋部51に内蔵し、被検知物質が硫酸のような液
体である場合にそれが内部に浸入しないようにしてい
る。
【0019】前記水晶振動板10の両面には硫酸のよう
な被検知物質に接触しても変化することのない、金のよ
うな材質の導電性薄膜からなる電極12,13が設けら
れて固有の振動形態を有する電気・機械振動子として作
動する水晶振動子が構成されている。
【0020】前記保持管11は硫酸のような被検知物質
に対して耐性のある、ガラス、セラミックス、プラスチ
ック等の絶縁物であって、線膨張係数が水晶振動板10
にできるだけ近い値を有する材質のものでできており、
その下端開口に紫外線硬化樹脂のような接着剤16によ
って前記水晶振動板10が取り付けられている。これは
保持管11の膨張が水晶振動板10の固有振動数に影響
を与えないようにしたためである。
【0021】前記電極12は水晶振動板10の内面(上
面)に設けられ、前記電極13は外面(下面)から内面
(上面)にかけて設けられ、各電極12,13にはリー
ド線14,15の一端が導電性接着剤14a,15aに
より接続されるとともに前記リード線14,15の他端
は発振回路20に接続されている。そして、前記水晶振
動板10の電極13側の面には高分子化合物17からな
る薄膜が形成され、この面のみが被検知物質に接触する
ようにしている。
【0022】
【実施例】実施例として、水晶振動板10の電極13側
の面に、
【化1】 で示される芳香族アミン化合物としてのアニリンを酸化
することによって得られるポリアニリンからなる薄膜を
高分子化合物17として用い、被検知物質として硫酸を
用いた例で説明する。
【0023】前記ポリアニリンは分子中に酸と付加体を
形成する窒素原子を有し、なかでも
【化2】 で示されるエメラルディン塩基型構造体が硫酸のような
酸と付加反応すると、
【化3】 で示されるエメラルディン酸型構造体となる特性がある
ので、被検知物質が硫酸のような酸である場合には、ポ
リアニリンと酸とが付加反応して重量が増加することに
なる。
【0024】前記ポリアニリンは、高分子学会予稿集第
38巻;2139ページ;1989にある方法でN−メ
チルピロリドンに可溶なものとして合成した。すなわ
ち、アニリンを、硫酸および塩酸を含む水溶液中でペル
オキソ二硫酸アンモニウムを用いて酸化重合させて粉末
状高分子とし、これをアンモニア水で処理してエメラル
ディン塩基型のポリアニリンとした。次に、このポリア
ニリンをN−メチルピロリドンに溶解し、得られた溶液
を電極13側の面上に展開し、溶媒を真空下で気化させ
て除去し、黒色から濃紫色のポリアニリンの薄膜を形成
した。
【0025】次に上記した水晶式濃度センサーの動作に
ついて説明する。
【0026】水晶振動板10、電極12,13および高
分子化合物17としてのポリアニリンの薄膜からなる水
晶振動子を、被検知物質としての硫酸中に浸漬した状態
で、発振回路20により発振させると、水晶振動子は硫
酸中にその粘度に応じた横波を励起し、その反作用とし
て硫酸は水晶振動子の負荷となり、水晶振動子の固有振
動数を低下させる。このときの固有振動数の変化分は理
論的には硫酸の比重と粘性計数との積の平方根に比例
し、その固有振動数の変化分は、温度変化に基づく硫酸
の比重と粘性係数との変化の影響を受けるが、水晶振動
板10すなわち水晶振動子自身に上記温度変化に基づく
影響を相殺する温度係数を積極的に持たせることによ
り、硫酸の濃度の測定における温度変化に基づく誤差を
減少させることができるとともに、ポリアニリンの薄膜
が硫酸と付加反応し、薄膜自身の重量が増加して固有振
動数の低下を大きくするので、感度や精度を向上させる
ことができる。
【0027】図5は上記した水晶式濃度センサーと電極
13側の面にポリアニリンの薄膜を形成していない従来
の水晶式濃度センサーとを用い、40wt%の硫酸水溶
液の固有振動数を基準として異なる濃度の複数の硫酸水
溶液を測定した結果を示したものである。
【0028】図5から、ポリアニリンの薄膜を形成して
いない従来の水晶式濃度センサーでは水晶振動子の固有
振動数の変化割合は硫酸濃度の変化に対してほぼ一定で
あるが、本発明の水晶式濃度センサーでは水晶振動子の
固有振動数の変化割合は硫酸濃度が低くなると大きくな
ることがわかる。このことから、本発明の水晶式濃度セ
ンサーはその感度や精度が向上できることがわかる。
【0029】図6は図5の硫酸濃度が2wt%以下の拡
大図である。図6から、硫酸濃度が2wt%以下、特に
0.5wt%以下の固有振動数の変化割合は大きくな
り、本発明の水晶式濃度センサーはその感度や精度が飛
躍的に向上できることがわかる。
【0030】上記した実施例では高分子化合物17とし
ての芳香族アミン化合物にポリアニリンを用いたが、
【化4】 で示されるジフェニルアミンや
【化5】 で示される他の芳香族アミン化合物、たとえば、芳香環
にアルキル基、アルコキシ基、アミド基、カルボキシル
基等を有するものであってもよい。
【0031】また、高分子化合物17としては、硫黄原
子を有する、
【化6】 で示されるチオフェンやその化合物またはその重合物と
してのポリ(チオフェン−2,5−ジイル)や、窒素原
子を有する、
【化7】 で示されるピリジンやその化合物または重合物としての
ポリ(ピロール−2,5−ジイル)、架橋ポリエチレン
イミンや、酸素原子を有する、
【化8】 で示されるフランやその化合物または重合物であっても
よい。
【0032】上記した種々の高分子化合物において、芳
香環や置換基の種類を適宜選択すれば、その高分子化合
物の塩基性が変化するので、被検知物質の酸濃度の測定
範囲や測定感度をコントロールすることができる。たと
えば、ポリアニリンのように、高分子化合物と被検知物
質とが可逆的に反応し、被検知物質の濃度により反応量
が変化する場合には被検知物質の濃度変化を連続的に検
出することができ、被検知物質の濃度変化の検出が非連
続的でよい場合には、高分子化合物と被検知物質とが不
可逆的に反応するものであってもよいが、高分子化合物
は水晶振動子の電極面に容易に形成でき、容易に除去で
きるものがよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、被検知物質の濃度に依
存した水晶式濃度センサーの固有振動数の変化に、高分
子化合物からなる薄膜と被検知物質との反応による重量
変化に基づく固有振動数の変化が重畳されるので、その
精度や感度が向上でき、高分子化合物からなる薄膜の種
類を適宜選択することによって被検知物質の濃度を選択
的に測定したり、種々の被検知物質の濃度を測定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶式濃度センサーの断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明の水晶式濃度センサーの発振回路図であ
る。
【図4】本発明の水晶式濃度センサーのインターフェー
ス回路図である。
【図5】本発明の水晶式濃度センサーによって硫酸水溶
液の濃度を測定した結果を示す図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】従来の水晶式濃度センサーの断面図である。
【符号の説明】
1 水晶式濃度センサー 10 水晶振動板 11 保持管 12,13 電極 14,15 リード線 14a,15a 導電性接着剤 16 接着剤 17 高分子化合物 20 発振回路 30 インターフェース回路 5 液口栓 51 蓋部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検知物質の物理的性質の変化に伴って
    一価関数的に固有振動数が変化する水晶振動子と、水晶
    振動子を発振させる発振回路とを備え、被検知物質に接
    触させた状態で水晶振動子を発振させてその固有振動数
    を求めることによって、被検知物質の物理的特性を検知
    する水晶式濃度センサーにおいて、水晶振動子は水晶振
    動板の両面にそれぞれ電極が設けられて構成されてお
    り、各電極は発振回路に電気的に接続されており、水晶
    振動板は片面のみが被検知物質に接触するように設けら
    れており、水晶振動子の、被検知物質に接触する側の面
    には、被検知物質と反応する性質を有する高分子化合物
    の薄膜が形成されていることを特徴とする水晶式濃度セ
    ンサー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水晶式濃度センサーにお
    いて、高分子化合物が、芳香族アミン化合物またはこれ
    を酸化して得られる化合物または重合物であることを特
    徴とする水晶式濃度センサー。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水晶式濃度センサーにお
    いて、高分子化合物が、硫黄原子、窒素原子または酸素
    原子を有する化合物またはこれらを酸化して得られる化
    合物または重合物であることを特徴とする水晶式濃度セ
    ンサー。
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