JP2003065924A - 水晶振動子用発振回路およびこれを用いた水晶振動子式センサー - Google Patents

水晶振動子用発振回路およびこれを用いた水晶振動子式センサー

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JP2003065924A
JP2003065924A JP2001250422A JP2001250422A JP2003065924A JP 2003065924 A JP2003065924 A JP 2003065924A JP 2001250422 A JP2001250422 A JP 2001250422A JP 2001250422 A JP2001250422 A JP 2001250422A JP 2003065924 A JP2003065924 A JP 2003065924A
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transistors
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Tadamasa Akutagawa
忠正 芥川
Shigeru Sano
茂 佐野
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に厚み捩れ振動モードが実現できる水晶
振動子用発振回路、およびこれを用いた測定精度の向上
に寄与できる水晶振動子式センサーを得る。 【解決手段】 第1、第2のトランジスタ21,22を
用いた第1、第2の発振回路19,20と、一方の面に
第1、第2の電極5,6を設けた水晶振動子板1とを備
え、直流バイアス回路を有する第1、第2のトランジス
タ21,22のコレクタをコモンモードチョーク18の
第1、第2の巻線33,34を介して電源に接続し、ベ
ースを水晶振動子板1の第1、第2の電極5,6に接続
し、エミッタを接地し、第1、第2の発振回路19,2
0を互いに逆の位相で発振させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水晶振動子用発振回
路およびこれを用いた水晶振動子式センサーに関するも
ので、さらに詳しく言えば、厚み捩れ振動モードで水晶
振動子を振動させることができる発振回路、およびこれ
を用いた、特に電解液のような導電性溶液中の溶質の濃
度や該溶液の粘度を、厚み捩れ振動モードの固有振動数
の変化によって検知するのに適した水晶振動子式センサ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶媒中に溶質が溶解した溶液は、溶質の
溶解量に応じて粘度や密度が変化するため、溶液の粘度
や密度が、溶液に接触させた圧電振動子の固有振動数の
変化によって検知できるということ、該溶液中に溶解し
ている溶質の濃度が、同様に検知できるということは公
知である。
【0003】このような検知方法は、国際公開番号WO
93/06452に記載されたようなものがある。前記
公報には、溶液の粘度や密度、該溶液中に溶解している
溶質の濃度の検知に、圧電振動子の一種である水晶振動
子を用いることが開示されている。この水晶振動子は板
状にしたATカット水晶振動子板の2つの面に第1の電
極と第2の電極をそれぞれ取り付けた構成であり、溶液
の粘度や密度、該溶液中に溶解している溶質の濃度の検
知は前記第2の電極を発振回路に接続し、該発振回路を
水晶振動子の固有振動数で発振させた際の固有振動数の
変化によって行っている。
【0004】上記した水晶振動子を液体に接触させる方
法においては、一方の電極を溶液に接触させることが必
須であり、水晶振動子の両面に電極の加工を施したうえ
で、さらに両方の電極からそれぞれリード線を引き出す
必要がある。
【0005】また、特開平9−89740号公報に記載
された方法もある。この方法は、電解液のような導電性
の溶液を測定対象とする場合に限って適用できるもの
で、ATカット水晶振動子板の一方の面にのみ、Z軸方
向に一対の電極を並列に設けたものであり、厚み捩れ振
動モードで発振するものである。このような厚み捩れ振
動モードで発振する水晶振動子式センサーにおいては、
ATカット水晶振動子板の一方の面にのみ、Z軸方向に
一対の電極を並列に設け、電極を設けていない他方の面
を溶液に接触させることができるため、溶液に接触する
電極からリード線を取り出すという困難さや電極そのも
のが溶液によって腐蝕されるといった問題を回避できる
などの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した如く、厚み捩
れ振動モードで発振する水晶振動子式センサーにおいて
は、いくつかの利点を生じるが、一対の電極に位相が逆
で、等しい大きさの電流を流して水晶振動子板を平衡な
状態で発振させないと、測定結果が測定環境の変化や外
乱に敏感に影響されるという問題がある。
【0007】すなわち、図4に示したように、入力端子
81および出力端子82を有する反転増幅器8と、一方
の面に第1、第2の電極5,6を設け、他方の面を被測
定物2に接触するようにして絶縁容器3に取り付けられ
た水晶振動子板1とを備え、前記反転増幅器8の入力端
子81を水晶振動子板1に設けた第1の電極5に接続
し、前記反転増幅器8の出力端子82を、抵抗11を介
して水晶振動子板1に設けた第2の電極6に接続して発
振させ、前記水晶振動子板1の固有振動数が前記被測定
物2の物理的特性の変化に一対一に対応して変化するよ
うにしても、反転増幅器8の出力端子82から抵抗1
1、水晶振動子板1の第2の電極6および水晶振動子板
1を通って被測定物2に流入する駆動電流の一部は導電
性容器4と浮遊インピーダンス7を通って接地に流れ、
残りの電流が水晶振動子板1、水晶振動子板1の第1の
電極5を通って反転増幅器8の入力端子81に還流する
こととなるため、結果として水晶振動子板1の第1の電
極5に流れる電流と第2の電極6に流れる電流とが等し
くならず、平衡な状態の発振ができないことになる。
【0008】また、図5に示した水晶振動子用発振回路
は、NPN形トランジスタ12のベースとエミッタとの
間にコンデンサ13を、エミッタと接地との間にコンデ
ンサ14を、ベースとコレクタとの間に抵抗16を、ベ
ースと接地との間に抵抗17を、エミッタと接地との間
に抵抗15を接続するとともに、ベースを水晶振動子板
1の第1の電極5に接続し、水晶振動子板1の第2の電
極6に接地し、コレクタと接地との間に電源を接続した
コルピッツ形発振回路であり、構成上、第1の電極また
は第2の電極を接地しなければならない濃度センサーの
発振回路として多用されているが、厚み捩れ振動モード
で発振する水晶振動子式用発振回路として使用する場合
には、水晶振動子板1の第1の電極5から第2の電極6
を通って接地に流れる電流の一部が導電性容器4と浮遊
インピーダンス7を通って接地に流れるため、水晶振動
子板1の第1の電極5を流れる電流と第2の電極6を流
れる電流とが等しくならず、平衡な状態での発振ができ
ないことになる。
【0009】従って、特開平9−89740号公報に記
載された、厚み捩れ振動モードで発振する水晶振動子式
センサーやそのための発振回路では、水晶振動子板の2
つの電極の一方から駆動電流を流入させ、他方から帰還
電流を流出させることによって発振させるものであるか
ら、駆動電流と帰還電流の大きさには、浮遊インピーダ
ンスから漏出する電流分だけ差が生じ、結果として水晶
振動子板の2つの電極を位相が逆で、大きさが等しい電
流で駆動し、平衡な状態で発振させることができず、厚
み捩れ振動モードで発振する水晶振動子式センサーを実
用化することが困難であるという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、第1巻線および第2巻線を
有するコモンモードチョークと、コレクタ、エミッタお
よびベースを有する第1、第2のトランジスタと、一方
の面に第1、第2の電極を設けた水晶振動子板とを備
え、前記第1、第2のトランジスタには、コンデンサが
ベース、エミッタ間とエミッタ、接地間とに接続される
とともに、直流バイアス回路が前記トランジスタに直流
バイアスを与えるように接続され、前記コモンモードチ
ョークは第1巻線の一端が前記第1のトランジスタのベ
ースと水晶振動子板の第1の電極に接続されるととも
に、他端が前記第1のトランジスタのコレクタに接続さ
れ、第2巻線の一端が前記第2のトランジスタのベース
と水晶振動子板の第2の電極に接続されるとともに、他
端が前記第2のトランジスタのコレクタに接続されてな
り、電源を前記コモンモードチョークの第1巻線および
第2巻線の一端と接地との間に接続して第1、第2のコ
ルピッツ形発振回路を形成し、前記水晶振動子板の他方
の面を導電性物質に接触させて第1、第2のコルピッツ
形発振回路を互いに逆の位相で発振させるようにしたこ
とを特徴とする水晶振動子用発振回路であり、これによ
り、これにより、水晶振動子板に設けた2つの電極が平
衡な状態で駆動されながらも、厚みすべり発振モードの
発振に陥ることなく、安定に厚み捩れ振動モードの発振
を維持することができることとなり、前述した2つの電
極を位相が逆で大きさの等しい電流により駆動し、平衡
な状態で発振させることができないという問題を解決で
きる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、第1巻線お
よび第2巻線を有するコモンモードチョークと、コレク
タ、エミッタおよびベースを有する第1、第2のトラン
ジスタと、一方の面に第1、第2の電極を設け、他方の
面が被測定物に接触するようにした水晶振動子板とを備
え、前記第1、第2のトランジスタには、コンデンサが
ベース、エミッタ間とエミッタ、接地間とに接続される
とともに、直流バイアス回路が前記トランジスタに直流
バイアスを与えるように接続され、前記コモンモードチ
ョークは第1巻線の一端が前記第1のトランジスタのベ
ースと水晶振動子板の第1の電極に接続されるととも
に、他端が前記第1のトランジスタのコレクタに接続さ
れ、第2巻線の一端が前記第2のトランジスタのベース
と水晶振動子板の第2の電極に接続されるとともに、他
端が前記第2のトランジスタのコレクタに接続されてな
り、電源を前記コモンモードチョークの第1巻線および
第2巻線の一端と接地との間に接続して第1、第2のコ
ルピッツ形発振回路を形成し、前記被測定物の物理的特
性の変化に一対一に対応した振動数で、互いに逆の位相
で第1、第2のコルピッツ形発振回路を発振させるよう
にしたことを特徴とする水晶振動子式センサーであり、
これにより、水晶振動子板に設けた2つの電極が平衡な
状態で駆動されながらも、厚みすべり発振モードの発振
に陥ることなく、安定に厚み捩れ振動モードの発振を維
持することとなり、前述した2つの電極を位相が逆で大
きさの等しい電流により駆動し、平衡な状態で発振させ
ることができないという問題を解決できる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、インダクタ
と、コレクタ、エミッタおよびベースを有する第1、第
2のトランジスタと、一方の面に第1、第2の電極を設
けた水晶振動子板とを備え、前記第1、第2のトランジ
スタには、コンデンサがベース、エミッタ間とエミッ
タ、接地間とに接続されるとともに、直流バイアス回路
が前記トランジスタに直流バイアスを与えるように接続
され、前記インダクタは一端が前記第1、第2のトラン
ジスタのベースに接続されるとともに第1のトランジス
タのベースが水晶振動子板の第1の電極に、第2のトラ
ンジスタのベースが水晶振動子板の第2の電極に接続さ
れ、他端が前記第1、第2のトランジスタのコレクタに
接続されてなり、電源を前記インダクタの一端と接地と
の間に接続して第1、第2のコルピッツ形発振回路を形
成し、前記水晶振動子板の他方の面を導電性物質に接触
させて第1、第2のコルピッツ形発振回路を互いに逆の
位相で発振させるようにしたことを特徴とする水晶振動
子用発振回路であり、これにより、水晶振動子板に設け
た2つの電極が平衡な状態で駆動されながらも、厚みす
べり発振モードの発振に陥ることなく、安定に厚み捩れ
振動モードの発振を維持することとなり、前述した2つ
の電極を位相が逆で大きさの等しい電流により駆動し、
平衡な状態で発振させることができないという問題を解
決できる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、インダクタ
と、コレクタ、エミッタおよびベースを有する第1、第
2のトランジスタと、一方の面に第1、第2の電極を設
け、他方の面が被測定物に接触するようにした水晶振動
子板とを備え、前記第1、第2のトランジスタには、コ
ンデンサがベース、エミッタ間とエミッタ、接地間とに
接続されるとともに、直流バイアス回路が前記トランジ
スタに直流バイアスを与えるように接続され、前記イン
ダクタは一端が前記第1、第2のトランジスタのベース
に接続されるとともに第1のトランジスタのベースが水
晶振動子板の第1の電極に、第2のトランジスタのベー
スが水晶振動子板の第2の電極に接続され、他端が前記
第1、第2のトランジスタのコレクタに接続されてな
り、電源を前記インダクタの一端と接地との間に接続し
て第1、第2のコルピッツ形発振回路を形成し、前記被
測定物の物理的特性の変化に一対一に対応した振動数
で、互いに逆の位相で第1、第2のコルピッツ形発振回
路を発振させるようにしたことを特徴とする水晶振動子
式センサーであり、これにより、水晶振動子板に設けた
2つの電極が平衡な状態で駆動されながらも、厚みすべ
り発振モードの発振に陥ることなく、安定に厚み捩れ振
動モードの発振を維持することとなり、前述した2つの
電極を位相が逆で大きさの等しい電流により駆動し、平
衡な状態で発振させることができないという問題を解決
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その実施の形態
に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態に係る、厚み捩
れ振動モードで発振する水晶振動子用発振回路およびこ
れを用いた水晶振動子式センサーを示す図である。
【0016】図1は、図5に示したコルピッツ形発振回
路からなる第1、第2の発振回路19,20を、第1巻
線33および第2巻線34を有するコモンモードチョー
ク18によって互いに逆の位相で発振させるように結合
し、一方の面に第1、第2の電極5,6を設け、他方の
面を被測定物2に接触するようにし、絶縁容器3に取り
付けられた水晶振動子板1を有している。第1の発振回
路19は、電源がコモンモードチョーク18の第1巻線
33の一端と接地との間に接続され、コンデンサ23が
NPN形トランジスタ21のベース、エミッタ間に、コ
ンデンサ25がエミッタ、接地間に接続されるととも
に、前記トランジスタ21に直流バイアスを与える抵抗
27がエミッタ、接地間に、抵抗31がベース、接地間
に、抵抗29がベース、電源間に接続され、前記水晶振
動子板1の第1の電極5がベースに接続されて構成さ
れ、第2の発振回路20は、電源がコモンモードチョー
ク18の第2巻線34の一端と接地との間に接続され、
コンデンサ24がNPN形トランジスタ22のベース、
エミッタ間に、コンデンサ26がエミッタ、接地間に接
続されるとともに、前記トランジスタ22に直流バイア
スを与える抵抗28がエミッタ、接地間に、抵抗32が
ベース、接地間に、抵抗30がベース、電源間に接続さ
れ、前記水晶振動子板1の第2の電極6がベースに接続
されて構成されている。これによって第1の発振回路1
9、第2の発振回路20を、水晶振動子板1の他方の面
に接触している被測定物2の物理的特性の変化に一対一
に対応して変化する同一周波数で逆位相で発振させるよ
うにしている。なお、図1においては、NPN形トラン
ジスタ21,22に直流バイアスを与える直流バイアス
回路として抵抗27,29,31,28,30,32を
用いたが、抵抗31,32を省略したり、抵抗27,2
8を定電流回路に置き換えるなど、他の構成にすること
もできる。
【0017】ここで、比較のため、図3のように、コモ
ンモードチョーク18を取り去ってトランジスタ21,
22のコレクタを電源に直接接続することによって構成
した水晶振動子用発振回路およびこれを用いた水晶振動
子式センサーを説明する。
【0018】図3の回路で、トランジスタ21,22の
コレクタと接地との間に電源を供給すると、第1の発振
回路19と第2の発振回路20とは、コルピッツ形発振
回路の特性により、水晶振動子板1側から見ると、負性
抵抗と容量(キャパシタンス)とを直列に接続したもの
と等価なものとして働き、負性抵抗の絶対値が水晶振動
子板1のクリスタルインピーダンスの値より大であれば
発振を開始するが、2つのコルピッツ形発振回路を独立
した水晶振動子板1と組み合わせて発振させる場合と異
なり、同一の水晶振動子板1上に電極5,6を電気的か
つ弾性力学的に結合させているので、発振周波数は完全
に一致し、位相のみが同位相になる場合と逆位相になる
場合とがある。同位相で発振するということは水晶振動
子板1が厚みすべり振動モードで発振することであり、
逆位相で発振するということは水晶振動子板1が厚み捩
れ振動モードで発振することであり、これら2つの発振
モードは発振条件が有利な方が優先されて実現するが、
一般的には厚みすべり振動モードの方が厚み捩れ振動モ
ードより固有振動数とクリスタルインピーダンスが僅か
に低いため、浮遊インピーダンス7が十分小であれば厚
みすべり振動モード、すなわち同位相での発振が実現す
る。ただし、浮遊インピーダンス7が大であれば電極
5,6から接地に流れる電流が同位相にならないため、
厚みすべり振動モードの発振は実現せず、電極5,6か
ら接地に流れる電流が逆位相で互いに相殺されて、浮遊
インピーダンス7を流れる電流が実質的にゼロになる厚
み捩れ振動モードの発振が実現する。そして、いずれの
発振モードであっても、一旦発振が開始されると、振幅
は急速に増大し、それに伴って回路の等価な負性抵抗の
絶対値は減少し、水晶振動子板1のクリスタルインピー
ダンスの値に一致した振幅で発振は安定する。このよう
に、図3の回路では、厚みすべり振動モードと厚み捩れ
振動モードのどちらの発振モードが実現するかは、予測
できない外的条件である浮遊インピーダンスの値に依存
し、しかも、これらの2つの発振モードは固有振動数が
異なるため、測定上、重大な誤差の原因となる。
【0019】これに対し、図1のように、コモンモード
チョーク18が存在すれば、同位相の発振電流に対して
は、コモンモードチョーク18内に磁束が生じ、それが
相応のインダクタンスの作用をして該電流が流れるのを
妨げ、逆位相の発振電流に対しては、コモンモードチョ
ーク18内の磁束は相殺され、該電流が流れるのを妨げ
ないので、浮遊インピーダンスの値に関わりなく、常に
厚み捩れ振動モードによる固有振動数の測定値が得られ
ることとなる。
【0020】なお、測定条件で定まる浮遊インピーダン
ス7が十分に大きい値である場合は、上述のように、コ
モンモードチョーク18が存在しなくても、第1の電極
5、第2の電極6を通って接地に流れる電流は浮遊イン
ピーダンス7によって妨げられるので、厚みすべり振動
モードによる発振は実現せず、第1の発振回路19と第
2の発振回路20とは同じ位相では発振することはない
が、浮遊インピーダンス7の値は測定条件によって変化
するものであるから、浮遊インピーダンス7の値が小さ
くとも、常に互いに逆の位相で発振させる必要性から、
コモンモードチョーク18のような手段を設けるのがよ
い。ただし、測定条件によって被測定物2の接地に対す
る浮遊インピーダンス7の値がある程度以上大きいこと
が、あらかじめわかっていれば、図1におけるコモンモ
ードチョーク18に代えて、図2のようにインダクタ3
5を用いた回路にしても厚みすべり振動モードによる発
振が避けられる。
【0021】
【実施例】(実施例1)10MHz、ATカットの水晶
振動子板の一方の面に、Z軸方向に並べて2つの電極を
設けて厚み捩れ振動モードで発振できるようにし、これ
を水密性の絶縁容器3で保持するとともに、被測定物2
を導電性容器4に入れたものを作製し、図4のように構
成した従来の水晶振動子式センサーと、図1のように構
成した本発明に係る水晶振動子式センサーとを準備し
た。これらを、空気を絶縁物として、空気中で保持する
ことによって浮遊インピーダンス7が極めて高い条件下
に置いてそれぞれ発振させて比較したところ、図4のも
のでは人の手を近づけると、発振周波数が数キロヘルツ
の単位で変動したが、図1のものではそれが数ヘルツで
あった。 (実施例2)10MHz、ATカットの水晶振動子板の
一方の面に、Z軸方向に並べて2つの電極を設けて厚み
捩れ振動モードで発振できるようにし、これを水密性の
絶縁容器3で保持するとともに、被測定物2を導電性容
器4に入れたものを作製し、図1のように構成した本発
明に係る水晶振動子式センサーと、図3のように、コモ
ンモードチョークを省略して構成した水晶振動子式セン
サーとを準備した。これらを、導電性容器4を接地する
ことによって浮遊インピーダンス7がゼロに近い条件下
置いてそれぞれ発振させて比較したところ、図3のもの
は厚みすべり振動モードで発振したが、図1のものは厚
み捩れ振動モードで発振した。次に、導電性容器4の接
地を開放して実施例1と同じ条件下に変えたところ、い
ずれも厚み捩れ振動モードで発振した。
【0022】上記した実施例では、トランジスタ21,
22を用いて発振回路19,20を構成したが、トラン
ジスタ21,22に代えて電界効果トランジスタを用
い、ベースをゲートに、エミッタをソースに、コレクタ
をドレインにしても同様の効果を得ることができるの
で、このように変更したものも本発明の技術的範囲に属
するものである。
【0023】
【発明の効果】上記した如く、本発明の水晶振動子用発
振回路によれば、製造の容易さや接液する電極のないこ
とによる耐久性の向上などの特徴を有しながらも、実装
条件や運転条件により発振周波数や発振モードが変動す
るという問題のために実用化が阻まれてきた厚み捩れ振
動モードで振動する水晶振動子式センサーの実用化に寄
与するところが大きく、この水晶振動子式センサーは、
その測定精度の向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る水晶振動子用発振回路お
よびこれを用いた水晶振動子式センサーの構成を示す図
である。
【図2】本発明の他の実施例に係る水晶振動子用発振回
路およびこれを用いた水晶振動子式センサーの構成を示
す図である。
【図3】図1の水晶振動子用発振回路およびこれを用い
た水晶振動子式センサーの性能を比較するために作製し
た水晶振動子用発振回路およびこれを用いた水晶振動子
式センサーの構成を示す図である。
【図4】従来の、反転増幅器を用いた水晶振動子用発振
回路およびこれを用いた水晶振動子式センサーの構成を
示す図である。
【図5】従来の、コルピッツ形発振回路を用いた水晶振
動子用発振回路およびこれを用いた水晶振動子式センサ
ーの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 水晶振動子板 2 被測定物 3 絶縁容器 4 導電性容器 5、6 第1、第2の電極 7 浮遊インピーダンス 8 反転増幅器 9、10 コンデンサ 11、15、16、17 抵抗 12 トランジスタ 13、14 コンデンサ 18 コモンモードチョーク 19、20 第1、第2の発振回路 21、22 トランジスタ 23、24、25、26 コンデンサ 27、28、29、30、31、32 抵抗 33、34 コモンモードチョーク18の第1、第2巻
線 35 インダクタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1巻線および第2巻線を有するコモン
    モードチョークと、コレクタ、エミッタおよびベースを
    有する第1、第2のトランジスタと、一方の面に第1、
    第2の電極を設けた水晶振動子板とを備え、前記第1、
    第2のトランジスタには、コンデンサがベース、エミッ
    タ間とエミッタ、接地間とに接続されるとともに、直流
    バイアス回路が前記トランジスタに直流バイアスを与え
    るように接続され、前記コモンモードチョークは第1巻
    線の一端が前記第1のトランジスタのベースと水晶振動
    子板の第1の電極に接続されるとともに、他端が前記第
    1のトランジスタのコレクタに接続され、第2巻線の一
    端が前記第2のトランジスタのベースと水晶振動子板の
    第2の電極に接続されるとともに、他端が前記第2のト
    ランジスタのコレクタに接続されてなり、電源を前記コ
    モンモードチョークの第1巻線および第2巻線の一端と
    接地との間に接続して第1、第2のコルピッツ形発振回
    路を形成し、前記水晶振動子板の他方の面を導電性物質
    に接触させて第1、第2のコルピッツ形発振回路を互い
    に逆の位相で発振させるようにしたことを特徴とする水
    晶振動子用発振回路。
  2. 【請求項2】 第1巻線および第2巻線を有するコモン
    モードチョークと、コレクタ、エミッタおよびベースを
    有する第1、第2のトランジスタと、一方の面に第1、
    第2の電極を設け、他方の面が被測定物に接触するよう
    にした水晶振動子板とを備え、前記第1、第2のトラン
    ジスタには、コンデンサがベース、エミッタ間とエミッ
    タ、接地間とに接続されるとともに、直流バイアス回路
    が前記トランジスタに直流バイアスを与えるように接続
    され、前記コモンモードチョークは第1巻線の一端が前
    記第1のトランジスタのベースと水晶振動子板の第1の
    電極に接続されるとともに、他端が前記第1のトランジ
    スタのコレクタに接続され、第2巻線の一端が前記第2
    のトランジスタのベースと水晶振動子板の第2の電極に
    接続されるとともに、他端が前記第2のトランジスタの
    コレクタに接続されてなり、電源を前記コモンモードチ
    ョークの第1巻線および第2巻線の一端と接地との間に
    接続して第1、第2のコルピッツ形発振回路を形成し、
    前記被測定物の物理的特性の変化に一対一に対応した振
    動数で、互いに逆の位相で第1、第2のコルピッツ形発
    振回路を発振させるようにしたことを特徴とする水晶振
    動子式センサー。
  3. 【請求項3】 インダクタと、コレクタ、エミッタおよ
    びベースを有する第1、第2のトランジスタと、一方の
    面に第1、第2の電極を設けた水晶振動子板とを備え、
    前記第1、第2のトランジスタには、コンデンサがベー
    ス、エミッタ間とエミッタ、接地間とに接続されるとと
    もに、直流バイアス回路が前記トランジスタに直流バイ
    アスを与えるように接続され、前記インダクタは一端が
    前記第1、第2のトランジスタのベースに接続されると
    ともに第1のトランジスタのベースが水晶振動子板の第
    1の電極に、第2のトランジスタのベースが水晶振動子
    板の第2の電極に接続され、他端が前記第1、第2のト
    ランジスタのコレクタに接続されてなり、電源を前記イ
    ンダクタの一端と接地との間に接続して第1、第2のコ
    ルピッツ形発振回路を形成し、前記水晶振動子板の他方
    の面を導電性物質に接触させて第1、第2のコルピッツ
    形発振回路を互いに逆の位相で発振させるようにしたこ
    とを特徴とする水晶振動子用発振回路。
  4. 【請求項4】 インダクタと、コレクタ、エミッタおよ
    びベースを有する第1、第2のトランジスタと、一方の
    面に第1、第2の電極を設け、他方の面が被測定物に接
    触するようにした水晶振動子板とを備え、前記第1、第
    2のトランジスタには、コンデンサがベース、エミッタ
    間とエミッタ、接地間とに接続されるとともに、直流バ
    イアス回路が前記トランジスタに直流バイアスを与える
    ように接続され、前記インダクタは一端が前記第1、第
    2のトランジスタのベースに接続されるとともに第1の
    トランジスタのベースが水晶振動子板の第1の電極に、
    第2のトランジスタのベースが水晶振動子板の第2の電
    極に接続され、他端が前記第1、第2のトランジスタの
    コレクタに接続されてなり、電源を前記インダクタの一
    端と接地との間に接続して第1、第2のコルピッツ形発
    振回路を形成し、前記被測定物の物理的特性の変化に一
    対一に対応した振動数で、互いに逆の位相で第1、第2
    のコルピッツ形発振回路を発振させるようにしたことを
    特徴とする水晶振動子式センサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008035409A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 感知装置
US7511590B1 (en) * 2002-08-21 2009-03-31 Cypress Semiconductor Corporation Differential crystal oscillator
JP2021514065A (ja) * 2018-02-23 2021-06-03 マイクロ モーション インコーポレイテッド 溶解を監視する方法及び装置

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