JP2000131070A - 角速度検出装置およびその駆動方法 - Google Patents

角速度検出装置およびその駆動方法

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JP2000131070A
JP2000131070A JP10300608A JP30060898A JP2000131070A JP 2000131070 A JP2000131070 A JP 2000131070A JP 10300608 A JP10300608 A JP 10300608A JP 30060898 A JP30060898 A JP 30060898A JP 2000131070 A JP2000131070 A JP 2000131070A
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Akio Nakajima
章夫 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度の検出精度を高める。 【解決手段】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
電極を有する駆動用枝と駆動用枝の同期して面内(面
外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面外
(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝とを
有する振動子1と、振動子1の駆動用枝の駆動電極に接
続し、駆動用枝が自励振動するための電流増幅回路と反
転回路と加減算回路とを有する発振回路2と、振動子1
の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換する検出
回路3と、検出回路3出力を発振回路2出力で検波する
検波回路4と、検波回路4の交流出力をカットするロー
パスフィルタ5と、非回転時のローパスフィルタ5の出
力に応じて発振回路2の加減算回路の入力を制御して振
動子の面外(面内)振動を抑制する制御回路6とを備え
る角速度検出装置およびその駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶水晶からなる
角速度検出素子を用いた角速度検出装置およびその駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から機械式の回転ジャイロスコープ
が、飛行機や船舶の慣性航法装置として使われている。
この機械式回転ジャイロスコープは、高安定かつ高性能
を有しているが、その反面、装置が大きく価格も高く、
小型機器に組み込むことは困難である。
【0003】近年、振動子を励振さるための圧電素子を
振動体に接着し、回転の角速度にともなうコリオリ力で
起きる振動により発生する電圧を検出するための圧電素
子を振動子に接着した構造の角速度検出素子を用いた中
程度の精度を有する小型の振動式角速度検出装置の実用
化が進んでいる。さらに、水晶を用いた角速度検出素子
も、たとえば特開平4−504617号公報に開示され
ている。
【0004】以下に従来技術の角速度検出素子を図面を
用いて説明する。図19、図20に示す音叉型の角速度
検出素子は、水晶で形成された二つの枝110と111
と基部112とからなる。121、122、123、1
24は左側の枝に設けられた検出電極、125、12
6、127、128は右側に設けられた検出電極、11
3、114、115、116は左側の枝に設けられた駆
動電極、117、118、119、120は右側の枝に
設けられた駆動電極である。図17における+と−と矢
印の記号は、ある瞬間における電圧の極性と電界とを示
している。
【0005】図19において、駆動電極によって枝11
0と111とが音叉平面に平行な実線矢印(X軸)方向
に振動しているとき、音叉の枝(Y軸)方向を軸とし
て、角速度ωで回転させると、前述の振動と直角方向に
角速度ωに比例したコリオリ力Fが働く。Fは以下のよ
うに表せる。 F=2・M・ω・V Mは枝の質量、Vは振動の速さである。このコリオリ力
により点線矢印(Z軸)方向に新たな振動が励振され
る。この振動により発生する電圧を検出電極で検出する
ことにより、角速度を知ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
角速度検出素子は、各枝の上部、下部に駆動電極、検出
電極を設けた構造のため、駆動電極の接続線が検出電極
のすぐ近くを通り、接続線に流れる駆動電流による電界
の影響を受けて、検出電極にも駆動電圧と同相の検出電
圧より大きな電圧が発生する。この発生電圧が検出回路
の出力電圧となるため、検出精度が低下するという課題
がある。
【0007】さらに、角速度検出素子が駆動電極により
振動しているときには、機械的結合あるいは蒸着により
形成される各電極のわずかな寸法誤差により、非回転時
でも微少な面外振動が起こり、これによってわずかな漏
れ出力電圧が発生する。この漏れ出力電圧は角速度の検
出電圧と同相であるため、検出回路の出力電圧にはこの
漏れ出力電圧と角速度の検出電圧とが重畳してしまう。
これによって、さらに検出精度が著しく低下するという
課題がある。
【0008】〔発明の目的〕本発明の目的は、上記課題
を解決して、検出精度の高い角速度検出装置およびその
駆動方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の角速度検出装置およびその駆動方法は、下
記記載の手段を採用する。
【0010】本発明の角速度検出装置は、面内(面外)
方向に自励振動する3対の駆動電極を有する駆動用枝と
駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回転にともな
うコリオリ力によって面外(面内)振動する2対の検出
電極を有する検出用枝とを有する振動子と、振動子の駆
動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励振動するた
めの電流増幅回路と反転回路と加減算回路とを有する発
振回路と、振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電
圧に変換する検出回路と、検出電圧出力を発振回路出力
で検波する検波回路と、検波回路の交流出力をカットす
るローパスフィルタと、非回転時のローパスフィルタの
出力に応じて発振回路の加減算回路の入力を制御して振
動子の面外(面内)振動を抑制する制御回路と、を備え
たことを特徴とする。
【0011】本発明の角速度検出装置は、面内(面外)
方向に自励振動する3対の駆動電極を有する駆動用枝と
駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回転にともな
うコリオリ力によって面外(面内)振動する2対の検出
電極を有する検出用枝とを有する振動子と、振動子の駆
動用枝が自励振動するための電流増幅回路と反転回路と
加減算回路とを有し、電流増幅回路の入力と振動子の駆
動用枝の第1の駆動電極の対ととを接続し、反転回路の
出力と第2の駆動電極の対とを接続し、加減算回路の出
力と第3の駆動電極の対とを接続する発振回路と、振動
子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換する検
出回路と、検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波
回路と、検波回路の交流出力をカットするローパスフィ
ルタと、非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発
振回路の加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面
内)振動を抑制するための制御回路と、を備えたことを
特徴とする。
【0012】本発明の角速度検出装置は、面内(面外)
方向に自励振動する3対の駆動電極を有する駆動用枝と
駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回転にともな
うコリオリ力によって面外(面内)振動する2対の検出
電極を有する検出用枝とを有する振動子と、振動子の駆
動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励振動するた
めの電流増幅回路と反転回路と加減算回路とを有する発
振回路と、振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電
圧に変換する検出回路と、検出電圧出力を発振回路出力
で検波する検波回路と、検波回路の交流出力をカットす
るローパスフィルタと、非回転時のローパスフィルタの
出力に応じて発振回路の加減算回路の入力を制御して振
動子の面外(面内)振動を抑制するためのスイッチと電
圧検出回路と積分回路とサンプルホールド回路と変調回
路とを有する制御回路と、を備えたことを特徴とする。
【0013】本発明の角速度演出装置の駆動方法は、面
内(面外)方向に自励振動する3対の駆動電極を有する
駆動用枝と駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回
転にともなうコリオリ力によって面外(面内)振動する
2対の検出電極を有する検出用枝とを有する振動子と、
振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
を有する発振回路と、振動子の検出用枝の検出電極の検
出電流を電圧に変換する検出回路と、検出電圧出力を発
振回路出力で検波する検波回路と、検波回路の交流出力
をカットするローパスフィルタと、非回転時のローパス
フィルタ出力に応じて発振回路の加減算回路の入力を制
御して振動子の面外(面内)振動を抑制するための制御
回路と、を備え、非回転時のローパスフィルタ出力をつ
ねに一定値に保つことを特徴とする。
【0014】本発明の角速度検出装置の駆動方法は、面
内(面外)方向に自励振動する3対の駆動電極を有する
駆動用枝と駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回
転にともなうコリオリ力によって面外(面内)振動する
2対の検出電極を有する検出用枝とを有する振動子と、
振動子の駆動用枝が自励振動するための電流増幅回路と
反転回路と加減算回路とを有し、電流増幅回路の入力と
振動子の駆動用枝の第1の駆動電極の対とを接続し、反
転回路の出力と第2の駆動電極の対とを接続し、加減算
回路の出力と第3の駆動電極の対とを接続する発振回路
と、振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変
換する検出回路と、検出電圧出力を発振回路出力で検波
する検波回路と、検波回路の交流出力をカットするロー
パスフィルタと、非回転時のローパスフィルタの出力に
応じて発振回路の加減算回路の入力を制御して振動子の
面外(面内)振動を抑制するための制御回路と、を備
え、非回転時のローパスフィルタの出力をつねに一定値
に保つことを特徴とする。
【0015】本発明の角速度検出装置の駆動方法は、面
内(面外)方向に自励振動する3対の駆動電極を有する
駆動用枝と駆動用枝に同期して面内(面外)振動し、回
転にともなうコリオリ力によって面外(面内)振動する
2対の検出電極を有する検出用枝とを有する振動子と、
振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
を有する発振回路と、振動子の検出用枝の検出電極の検
出電流を電圧に変換する検出回路と、検出電圧出力を発
振回路出力で検波する検波回路と、検波回路の交流出力
をカットするローパスフィルタと、非回転時のローパス
フィルタの出力に応じて発振回路の加減算回路の入力を
制御して振動子の面外(面内)振動を抑制するためのス
イッチと電圧検出回路と積分回路とサンプルホールド回
路と変調回路とを有する制御回路と、を備え、非回転時
のローパスフィルタの出力をつねに一定値に保つことを
特徴とする。
【0016】〔作用〕本発明においては、駆動用の枝に
駆動電極を、検出用の枝に検出用電極を各々分離して設
けた構造としている。これにより駆動電極の接続線と検
出電極とは離れた配置となり、駆動電極の接続線に流れ
る駆動電流の影響を受けることがないため、検出電極に
駆動電圧と同相の電圧が発生することはなく、検出回路
の出力にもこれによる出力電圧は発生しない。
【0017】さらに、非回転時に検出回路が検出した振
動子の面外振動を制御回路が抑制して漏れ出力電圧をゼ
ロにすることにより、非回転時の検出回路の出力電圧を
つねに一定値に保つことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を実施す
るための最良の形態における角速度検出装置の構成を説
明する。図1は本発明の実施形態における角速度検出装
置の全体の構成を示すブロック図であり、図2は本発明
の実施形態における角速度検出装置の振動子の前面斜視
図であり、図3は後面斜視図である。図4は本発明の実
施形態における発振回路、図5は検出回路、図6は検波
回路、図7はローパスフィルタの回路図である。図8は
本発明の実施形態における制御回路の構成を示すブロッ
ク図である。図9は電圧検出回路、図10は積分回路、
図11はサンプルホールド回路、図12は変調回路であ
り、図8のスイッチ58とともに制御回路を構成する。
図13は本発明の実施形態における制御回路の第1の動
作説明図、図14は制御回路の第2の動作説明図であ
る。図15は本発明の実施形態における振動子の面外振
動とその抑制を示す第1の説明図、図16は振動子の面
外振動とその抑制を示す第2の説明図である。図17は
本発明の第2の実施形態における振動子の電極構造を示
す断面図であり、図18は本発明の第3の実施形態にお
ける振動子の電極構造を示す断面図である。以下、適時
各図を参照しながら説明する。
【0019】〔角速度検出装置の全体構成説明:図1〕
図1に示すように、角速度検出装置の全体の構成は、振
動子1と発振回路2と検出回路3と検波回路4とローパ
スフィルタ5と制御回路6と角速度出力20とを備え
る。また、制御回路6は図8に示すように、スイッチ5
8と電圧検出回路59と積分回路60とサンプルホール
ド回路61と変調回路62とを備える。
【0020】〔振動子説明:図2および図3〕振動子1
は図2と図3とに示すように、単結晶水晶から一体形成
した駆動用枝7と検出用枝8とを備える。駆動用枝7に
は、駆動電極9、10、11、12、13、14を備え
る。
【0021】駆動用枝7の上部で駆動電極11と14が
接続して対となり、下部で駆動電極9と10が接続して
対となり、また、駆動電極12と13が接続して対とな
る。さらに、駆動電極11と14の対は接続線28を介
して出力端子25に接続し、駆動電極9と10の対は接
続線29を介して出力端子26に、駆動電極12と13
の対は接続線30を介して出力端子27に接続する。こ
れらの電極は真空蒸着法やスパッタリング法により形成
する。
【0022】また、駆動電極12の接続線と駆動電極1
0の接続線との短絡防止のため、駆動電極12の接続線
上に同様の方法によって予め斜線で示した絶縁部19を
形成する。さらに、出力端子25と出力端子27を発振
回路2の出力端子に、出力端子26を発振回路2の入力
端子に接続する。
【0023】検出用枝8の上部で検出電極16と17が
接続して対となり、下部で検出電極15と18が接続し
て対となる。さらに、検出電極15と18の対は接続線
23を介して出力端子21に接続し、検出電極16と1
7の対は接続線24を介して出力端子22に接続する。
さらに、出力端子21は図5のように、検出回路3の−
入力端子に接続し、出力端子22は検出回路3の+入力
端子に接続する。
【0024】〔発振回路説明:図4〕発振回路2は、図
4に示すように、オペアンプ31と、抵抗32からなる
電流増幅回路と、直流カット容量33と、オペアンプ3
4とトランジスタ35と抵抗36、37と容量37から
なる反転回路と、オペアンプ39と抵抗40、41、4
2、43からなる加減算回路を備える。なお、オペアン
プ34とトランジスタ35との代わりにオープンコレク
タタイプのオペアンプとしてもよい。また、電流増幅回
路の出力が直流分を含まなければ、直流カット容量33
は省略できる。
【0025】発振回路2の電流増幅回路のオペアンプ3
1の−入力端子と振動子1の駆動用枝7の駆動電極の対
の出力端子26を接続し、さらに−入力端子と出力端子
とを電流電圧変換用の抵抗32で接続する。オペアンプ
31の+入力端子は接地する。
【0026】反転回路のオペアンプ34の−入力端子と
電流増幅回路のオペアンプ31の出力端子を直流カット
容量33で接続する。オペアンプ34の出力に接続した
トランジスタ35のコレクタと電源の高電位側との間に
は負荷として抵抗38を接続する。トランジスタ35の
コレクタと振動子1の駆動用枝7の駆動電極の対の出力
端子27を接続する。オペアンプ34の+入力端子は容
量37を介して接地するとともに、抵抗36によってト
ランジスタ35のコレクタに帰還をする。トランジスタ
35のエミッタは通常接地するが、利得を制御するため
の負帰還用(AGC)としても使用できる。
【0027】加減算回路のオペアンプ39の+入力端子
と反転回路のトランジスタ35のコレクタを抵抗41で
接続し、+入力端子は抵抗42で接地する。オペアンプ
39の−入力端子と出力端子を抵抗43で接続する。後
述する制御回路6の変調回路62の出力端子とオペアン
プ39の−入力端子を抵抗40で接続する。さらに、加
減算回路のオペアンプ39の出力端子と振動子1の駆動
用枝7の駆動電極の対の出力端子25を接続する。加減
算回路の抵抗40と43の抵抗値と抵抗41、42の抵
抗値とを等しくする。これによって、反転回路の出力電
圧をV1、制御回路の出力電圧を△V2とすると加減算
回路の出力電圧VoはVo=V1−△V2に設定でき
る。
【0028】〔検出回路説明:図5〕検出回路3は図5
に示すように、オペアンプ44と容量45を備える。オ
ペアンプ44の−入力端子と出力端子を容量45で接続
し、オペアンプの+入力端子は接地する。オペアンプ4
4の出力端子を検波回路4に接続する。
【0029】検出回路3はフィードバック・クーロンメ
ータを構成する一種のトランスインピーダンス回路であ
り、振動子1の検出電極の発生電荷を検出電流として電
圧に変換する。この容量45は高抵抗におきかえること
も可能である。
【0030】〔検波回路説明:図6〕検波回路4は図6
に示すように、抵抗46、47とオペアンプ48とトラ
ンスミッション・ゲート49、50とインバータ51と
を備える。抵抗46、47とオペアンプ48はゲイン1
の反転アンプを形成する。検出回路3の出力端子はトラ
ンスミッション・ゲート49の入力端子と反転アンプを
介してトランスミッション・ゲート50の入力端子に接
続する。トランスミッション・ゲート49の出力端子は
トランスミッション・ゲート50の出力端子に接続す
る。発振回路2の出力電圧とインバータ51を介した反
転出力電圧をトランスミッション・ゲート49と50の
各々の制御端子に参照信号として供給する。
【0031】〔ローパスフィルタ説明:図7〕ローパス
フィルタ5は図7に示すように、抵抗52、53、54
と容量55、56とオペアンプ57とを備える。検波回
路4の出力端子はローパスフィルタ5の入力端子である
抵抗52の一端に接続する。抵抗52の他端は抵抗54
を介してオペアンプ57の一方の入力端子に接続する。
また、抵抗52の他端は抵抗53を介してオペアンプ5
7の出力端子に接続するとともに、容量55を介して接
地する。また、オペアンプ57の一方の入力端子は容量
56を介してオペアンプ57の出力端子に接続する。さ
らに、オペアンプ57の他方の入力端子は接地する。
【0032】〔制御回路説明:図8〕制御回路6は図8
に示すように、スイッチ58と電圧検出回路59と積分
回路60とサンプルホールド回路61と変調回路62と
を備える。以下、制御回路6の具体的な回路構成につい
て説明する。スイッチ58は図8に示すようにMOSト
ランジスタからなる。
【0033】〔電圧検出回路説明:図9〕電圧検出回路
59は、図9に示すように、抵抗63とオペアンプ64
とインバータ65とデータ・フリップフロップ(以下D
−FFと略記する)66、67とANDゲート68、6
9とORゲート70とセットリセット・フリップフロッ
プ(以下SR−FFと略記する)71とを備える。
【0034】ローパスフィルタ5の出力端子はスイッチ
58を介して電圧検出回路59の入力端子である抵抗6
3を介してオペアンプ64の一方の入力端子に接続す
る。オペアンプ64の他方の入力端子は接地する。な
お、ここで説明する接地部分の電圧は回路全体を両電源
(+V電源と−V電源)動作とするときは0ボルト、片
電源(+V電源)動作とするときは、+V/2ボルトに
あらかじめ設定する。
【0035】オペアンプ64の出力端子はD−FF66
のデータ端子D1に接続し、インバータ65を介してD
−FF67のデータ端子D2に接続する。各D−FFの
クロック端子にはCKクロック信号として発振回路2の
出力電圧を供給する。ANDゲート68の一方の入力端
子はD−FF66のデータ端子D1に、他方の入力端子
はD−FF66の反転出力端子−Q1に接続する。AN
Dゲート69の一方の入力端子はD−FF67のデータ
端子D2に、他方の入力端子はD−FF67の反転出力
端子−Q2に接続する。
【0036】ANDゲート68、69の各出力端子はO
Rゲート70の各入力端子に接続する。ORゲート70
の出力端子はSR−FF71のリセット端子に接続す
る。SR−FF71のセット端子は、ここには具体的な
回路図を示していないが、電源投入時、あるいは、角速
度出力の修正時にパルスが発生する回路の出力端子に接
続してあり、SR−FF71の出力端子Q3は「hig
h」状態となる。
【0037】〔積分回路説明:図10〕積分回路60は
図10に示すように、抵抗72と容量74とMOSトラ
ンジスタスイッチ75とオペアンプ73とを備える。ス
イッチ75の出力端子は積分回路60の入力端子である
抵抗72の一端に接続する。抵抗72の他端はオペアン
プ73の−の入力端子に接続する。また、オペアンプ7
3の−の入力端子は容量74およびMOSトランジスタ
スイッチ75を介してオペアンプ73の出力端子に接続
する。オペアンプ73の+の入力端子は接地する。
【0038】〔サンプル・ホールド回路説明:図11〕
サンプル・ホールド回路61は図11に示すように、A
NDゲート76とオペアンプ77、81と抵抗78とM
OSトランジスタスイッチ79と容量80を備える。積
分回路60の出力端子はサンプル・ホールド回路61の
入力端子であるオペアンプ77の一方の入力端子に接続
する。オペアンプ77の出力端子は抵抗78の一端に接
続する。抵抗78の他の一端はオペアンプ77の他方の
入力端子とMOSトタンジスタスイッチ79の入力端子
に接続する。
【0039】ANDゲート76の一方の入力端子は電圧
検出回路59の出力端子に接続し、他方の入力端子には
サンプル信号として発振回路2の出力電圧を供給する。
ANDゲート76の出力端子はMOSトランジスタスイ
ッチ79の制御端子に接続する。MOSトランジスタス
イッチ79の出力端子は電圧ホールド用の容量80を介
して接地するとともに、オペアンプ81の一方の入力端
子に接続する。オペアンプ81の他方の入力端子は出力
端子に接続する。
【0040】〔変調回路説明:図12〕変調回路62は
図12に示すように、抵抗82、83、88、89とオ
ペアンプ84、90とトランスミッション・ゲート8
5、86とインバータ87とを備える。抵抗82、83
とオペアンプ84はゲイン1の反転アンプを形成する。
サンプル・ホールド回路61の出力端子はトランスミッ
ション・ゲート85の入力端子と反転アンプを介してト
ランスミッション・ゲート86の入力端子に接続する。
発振回路2の出力電圧とインバータ87を介した反転出
力電圧をトランスミッション・ゲート85と86の各々
の制御端子に変調信号として供給する。
【0041】トランスミッション・ゲート85の出力端
子と、トランスミッション・ゲート86の出力端子と
は、抵抗88を介してオペアンプ90の一方の入力端子
に接続する。オペアンプ90の一方の入力端子は抵抗8
9を介してオペアンプ90の出力端子と接続する。オペ
アンプ90の他方の入力端子は接地する。この抵抗8
8、89とオペランプ90は反転増幅器を構成する。こ
の増幅器の増幅率は抵抗88の抵抗値と抵抗89の抵抗
値の比によって決定する。変調回路62の出力端子は発
振回路2の加減算回路のオペアンプ39の抵抗40の一
端に接続する。
【0042】〔角速度検出装置の動作説明〕つぎに以上
の構造による角速度検出装置の動作を説明する。まえに
述べたように、振動子1の駆動用枝7の駆動電極11と
14の対は接続線28を介して出力端子25と、駆動電
極9と10の対は接続線29を介して出力端子26と、
駆動電極12と13の対は接続線30を介して出力端子
27といづれも駆動用枝7の下部延長線より外側に配置
された接続線で接続されている。
【0043】また、検出用枝8の検出電極16と検出電
極17の対は接続線22を介して出力端子22と、検出
電極15と検出電極18の対は接続線21を介して出力
端子21と、ともに検出用枝8の下部延長線より外側に
配置された接続線で接続されている。
【0044】駆動用枝と検出用枝とを完全に分離した構
造として、駆動電極の接続線を検出電極の接続線とかな
り離して配置したことにより、実用上、駆動電極の接続
線に流れる駆動電流による電界の影響を受けることがな
い。
【0045】また、図には示していないが、振動子1の
基部のX面に直交する一部導電性の支持部材で振動子を
支持し、支持部材の導電性の部分を接地すれば、電界の
影響をより完全に防ぐことも可能である。
【0046】まえにも述べたように、振動子1の駆動用
枝7の駆動電極9と駆動電極10の対は発振回路2の電
流増幅回路のオペアンプ31の入力端子に、駆動電極1
2と駆動電極13の対は反転回路の出力側に、駆動電極
11と駆動電極14の対は加減算回路のオペアンプ39
の出力側に接続している。制御回路の出力電圧△V2は
発振回路2の起動時は0であり、反転回路の出力電圧V
1はそのまま加減算回路の出力電圧Vo=V1となり、
駆動電極12と駆動電極13の対と駆動電極11と駆動
電極14の対には同じ大きさの電圧V1が加わる。これ
によって、電流増幅回路と反転回路と加減算回路と振動
子1の駆動用枝7とは正帰還ループを形成し、この帰還
が最大になるところで安定に発振を持続する。抵抗36
と容量37は発振開始のための時定数であり、振動子1
の発振周波数より高く設定する。このオペアンプ34は
コンパレータを用いると高い利得が得られるため振動子
1への負荷が小さくなり、安定度の高い発振回路にな
る。
【0047】振動子1の駆動用枝7は共振周波数f0で
振動し、また検出用枝8も同じ周波数f0で共振する。
水晶単結晶板としてZ板を用いると、振動方向は図2の
X方向(面内振動)となる。Z板を90度回転したX板
を用いると振動方向はZ方向(面外振動)となる。Z板
を90度回転した板の場合は、Z板の面内振動を面外振
動に面外振動を面内振動に置き換えればよいので、以下
の説明はZ板について行う。
【0048】角速度検出装置が起動したときに振動子1
の微少な面外振動によって、検出用枝8の二つの検出電
極対の間にわずかな漏れ出力電圧が発生する。この漏れ
出力電圧による検出回路3の検出電圧を制御回路6が抑
制する動作を図13、図14と図15、図16とを用い
て説明する。
【0049】制御回路の第1の動作説明図である図13
において、時刻t=t1で角速度検出装置が起動し、発
振回路2が共振周波数f0で振動状態になると、振動子
1のわずかな面外振動にもとづく漏れ出力電圧により検
出回路3の検出電圧の波形は(a)のような正弦波とな
る。発振回路2の出力電圧の波形は(e)である。この
検出電圧が検波回路4の入力端子に加わると、時間t=
t1からt2では、トランスミッション・ゲートの制御
端子に加わる発振回路2の出力電圧によって、トランス
ミッション・ゲート49のみが導通し、検出電圧はその
まま検波回路4の出力電圧となる。
【0050】つぎに、時間t=t2からt3では、発振
回路2の出力電圧は反転するため、検波回路4のトラン
スミッション・ゲート50のみが導通する。抵抗46、
47とオペアンプ48による反転回路により反転した検
出電圧が検波回路4の出力電圧となる。このため、検波
回路の出力電圧の波形は(b)となる。以下はこのくり
返しとなり、検出電圧の負の部分が正方向に折り返した
検波波形となる。
【0051】検波回路4の出力電圧は直流分と共振周波
数f0の2倍の周波数成分とを含む波形となる。この検
波回路4の出力電圧がローパスフィルタ5の入力端子に
加わる。このローパスフィルタ5は多重帰還型二次低域
通過アクティブフィルタであり、周波数2・f0を含む
交流周波数成分をカットし、直流成分のみとする。この
結果、ローパスフィルタ5の出力電圧の波形は(c)と
なり、時間t=t1からt3までの間は、ほぼ一定値を
示す。
【0052】制御回路6の電圧検出回路59の出力電圧
はあらかじめ「high」に設定されているため、スイ
ッチ58は導通状態である。したがって、ローパスフィ
ルタ5の出力電圧はスイッチを通して積分回路60の入
力端子に加わる。
【0053】積分回路60は図10に示すように抵抗7
2と容量74を時定数として、ローパスフィルタ5の出
力電圧を積分する。容量74はあらかじめMOSトラン
ジスタスイッチ75を導通して積分回路60の出力電圧
を「0」としておく。ローパスフィルタ5の直流の出力
電圧により、積分回路60の出力電圧は時間t=t1か
らt3までは「0」から直線状に増加して、その波形は
(d)となる。積分回路60の出力電圧はサンプル・ホ
ールド回路61の入力端子に加わる。
【0054】サンプル・ホールド回路61は図11に示
すように、ANDゲート76の一方の入力端子は電圧検
出回路のあらかじめ「high」に設定されている出力
電圧が加えられる。ANDゲート76の他方の入力端子
は図面には示していないが、簡単な回路により、発振回
路2の出力電圧の波形(e)の立ち上がりの矢印波形を
含む短いパルス幅のサンプル信号に変換して加えられ
る。ANDゲート76の一方の入力端子は「high」
であるので、ANDゲート76の出力端子には出力電圧
としてサンプル信号が表れる。
【0055】このサンプル信号によりMOSトランジス
タスイッチ79が導通して、その時点での積分回路60
の出力電圧を容量80がホールドする。すなわち、時刻
t=t1、t3、t5、t7時の積分回路60の出力電
圧をサンプルしてホールド電圧とするため、波形(f)
のような階段状の波形になる。このホールド電圧は、高
入力インピーダンスであるオペアンプ81を介して、サ
ンプルホールド回路61の出力端子に出力電圧として表
れる。
【0056】サンプルホールド回路61の出力電圧は変
調回路62の入力端子に加わる。ホールド電圧は発振回
路2の出力電圧によって変調され、変調回路62の電圧
波形は(g)のように段階的に増加する。変調回路62
の利得はオペアンプ90の抵抗88と抵抗89の抵抗比
によって最適化する。この変調回路62の出力電圧は発
振回路2の加減算回路の抵抗40に加わる。
【0057】時刻t=t3からt4のとき、振動子1は
図15の点線で示すように、駆動用枝7が左方向、検出
用枝8が右方向にごくわずか面外方向に振動している。
この状態で発振回路2の加減算回路の出力電圧Voは反
転回路の正の出力電圧V1から制御回路6の変調回路6
2の電圧波形(g)で示される正の出力電圧△V2を減
算してV1より小さい電圧となるため、この加減算回路
の出力電圧Voが加わる駆動電極11と14の電位は駆
動電極12と13より低くなり、実質的に実線の矢印方
向に電界が発生する。この発生電界により駆動用枝7は
面外振動を阻止するように実線矢印の右方向の力、駆動
用枝7に同期した検出用枝8は左方向の力を受ける。
【0058】また、時刻t=t4からt5までは図13
の逆方向に面外振動するが、発振回路2の反転回路の出
力電圧V1と制御回路6の変調回路62の出力電圧△V
2はともに負になり、加減算回路の出力電圧Voは絶対
値がt=t3からt4までと絶対値が同じ負の電圧とな
るため、発生電界が逆になり、このときも駆動用枝7に
同期した検出用枝8はt=t3からt4までと同じ面外
振動を阻止する力を受ける。
【0059】時刻t=t5からt6になると、変調回路
62の出力電圧△V2がさらに大きくなり、加減算回路
の出力電圧はさらに減少して実質的な発生電界はより大
きくなる。これにともなって、面外振動を阻止する力も
大きくなる。
【0060】時刻t=t6からt7までは、加減算回路
の出力電圧はt=t5からt6までと絶対値が同じ負の
電圧となるため、発生電界が逆になり、t=t5からt
6までと同じ面外指導を阻止する力を受ける。
【0061】時刻t=t7になると、さらに変調回路6
2の電圧波形(f)のように、出力電圧△V2が大きく
なり、面外振動を阻止する力も大きくなって、面外振動
の振幅とつりあった状態になり、面外振動はゼロにな
る。これによって、検出回路の出力電圧はゼロとなり、
検波回路4とローパスフィルタ5の出力電圧もともにゼ
ロになる。
【0062】このとき、図9の電圧検出回路59のオペ
アンプ64はローパスフィルタ5の出力電圧が正からゼ
ロになるゼロクロス検出をして、オペアンプ64の出力
電圧は「low」から「high」になる。D−FF6
6とANDゲート68とによって、波形(h)のリセッ
ト信号が発生し、ORゲート70を介してSR−FF7
1のリセット端子に加わる。
【0063】このSR−FF71の出力である電圧検出
回路59の出力端子の出力電圧は、波形(i)のように
「high」から「low」となり、サンプルホールド
回路61の一方の入力は「low」になり、サンプル信
号はANDゲート76で阻止され、MOSトランジスタ
スイッチ79は非導通し、容量80は波形(f)のよう
に、積分回路60の出力電圧をホールドする。また、電
圧検出回路59の出力電圧により、同様に制御回路6の
スイッチ58も非導通になる。
【0064】以後、振動子1の面外振動の振幅をゼロに
する一定の変調回路34の出力電圧が発振回路2の加減
算回路に常時加減算される。
【0065】ここで、制御回路6の第2の動作説明図で
ある図14では、図13の動作説明図と180度位相の
異なる面外振動における波形を示している。振動子2は
図16のように、図15と逆方向に面外振動するため、
検出回路3の出力波形(a)は180度ずれ、検波回路
4の出力波形は(b)のように0より下側となり、ロー
パスフィルタ5の出力波形も(c)のように負となる。
積分回路60の出力波形も(d)のように負側に増加
し、サンプルホールド回路61の出力波形は負側に階段
状になる。これによって、変調回路62の出力波形は
(g)のように図10に比較して180度位相の異なる
波形となる。
【0066】この変調回路62の出力電圧は図16の点
線の矢印方向の面外振動の力を阻止する実線の矢印方向
の力となる。動作の詳細は制御回路6の第1の動作説明
図である図13と同じであるため省略する。ただし、電
圧検出回路59のオペアンプ64ははローパスフィルタ
5の出力電圧が負からゼロになるゼロクロス電圧を検出
してオペアンプ64の出力電圧は「high」から「l
ow」になる。この出力電圧はインバータ65により反
転し、D−FF67とANDゲート69とにより、同様
にリセット信号(h)を発生するところが異なるのみで
ある。
【0067】このような制御回路6の動作によって、検
出回路3と検波回路4とローパスフィルタ5の出力電圧
はすべてゼロに、かつ制御回路6のスイッチ58は非導
通の状態に保たれる。
【0068】この状態で振動子1を図2のY軸方向を中
心軸に回転すると、角速度出力端子20に回転に比例し
た角速度出力が得られる。
【0069】〔別の実施形態における振動子の電極構造
説明:図17〕図17は本発明の第2の実施形態におけ
る振動子の電極構造を示す断面図である。振動子の電極
構造以外の全体の構成は図1と同じである。駆動用枝7
のX方向振動面に分割された駆動電極93、94と駆動
電極95、96とをZ方向振動面全体に駆動電極91、
92とを設ける。駆動電極93と駆動電極96を対とし
て出力端子27に、駆動電極94と駆動電極95を対と
して出力端子25に、駆動電極91と駆動電極92を対
として出力端子26に接続する。
【0070】さらに、検出用枝8のX方向振動面に分割
された検出電極97、98と検出電極99、100とを
設ける。検出電極97と検出電極100とを対として出
力端子21に接続し、検出電極98と検出電極99を接
続して出力端子22に接続する。
【0071】この電極構造とすると、振動子のX方向の
振動面に分割電極を形成すればよいので、比較的製作が
容易になり低価格な角速度検出装置が実現できる。
【0072】〔別の実施形態における振動子の電極構造
説明:図18〕図18は本発明の第3の実施形態におけ
る振動子の電極構造を示す断面図である。振動子の電極
構造以外の全体の構成は図1と同じである。また振動子
の駆動用枝7の駆動電極の構造は本発明の第2の実施形
態における振動子と同じである。
【0073】検出用枝8の検出電極は、X方向振動面と
Z方向振動面ともに中心部を除いた4つの検出電極10
1、102、103、104の電極構造とする。検出電
極101と検出電極104を対として出力端子21に接
続し、検出電極102と検出電極103を対として出力
端子22に接続する。
【0074】この電極構造とすると、検出電極の面積が
大きくなって、検出用枝の検出感度が向上するので、よ
り高感度の角速度検出装置が実現できる。
【0075】上述した説明では、両電源(+V電源と−
V電源)を用いたため、制御回路6の動作によって、検
出回路3と検波回路4とローパスフルタ5の出力電圧は
すべてゼロに保たれるとしたが、片電源(+V電源)の
みを用いた場合は、電源電圧+Vの半分である+V/2
に保ってもよく、また、任意の一定値に設定してもよ
い。
【0076】以上説明した実施形態では振動子の自励振
動方向をX方向である面内方向としたが、自励方向振動
をZ方向である面外振動として用いてもよく、検出用枝
はコリオリ力によって面内振動する。
【0077】以上説明した実施形態では、振動子の基板
の材料が水晶の励を示したが、タンタル酸リチウム単結
晶、ニオブ酸リチウム単結晶、ホウ酸リチウム単結晶当
圧電性を示す材料でもよい。
【0078】また、圧電セラミックスのチタン酸ジルコ
ン酸鉛(PZT)当を用いて振動子とすることも可能で
ある。さらに、シリコン基板にZnO等の圧電材料を用
いて高周波スパッタリング法で圧電膜を形成して振動子
とすることも可能である。
【0079】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
角速度検出装置においては、面内方向に自励振動する3
対の駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面
内振動し、回転にともなうコリオリ力によって面外振動
する2対の検出電極を有する検出用枝とを有する振動子
として、駆動電極の接続線が検出電極から離れた構造と
したため、駆動電極の接続線に流れる電流による電界の
影響を受けることなく、検出電極に駆動電圧と同相の検
出電圧が発生することがない。これによって、検出精度
を高めることができる。
【0080】さらに、機械的結合あるいは各電極のわず
かな蒸着誤差により、非回転時にわずかな面外振動によ
る漏れ出力電圧を、ローパスフィルタの出力に応じて振
動子の面外振動を抑制する制御回路によって検出出力を
ゼロとすることにより、さらに検出精度を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における角速度検出装置の全
体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における角速度検出装置の振
動子の前面斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における角速度検出装置の振
動子の後面斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における角速度検出装置の発
振回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態における角速度検出装置の検
出回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態における角速度検出装置の検
波回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態における角速度検出装置のロ
ーパスフィルタの構成を示す回路図である。
【図8】本発明の実施形態における角速度検出装置の制
御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態における角速度検出装置の電
圧検出回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の実施形態における角速度検出装置の
積分回路の構成を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態における角速度検出装置の
サンプルホールド回路の構成を示す回路図である。
【図12】本発明の実施形態における角速度検出装置の
変調回路の構成を示す回路図である。
【図13】本発明の実施形態における角速度検出装置の
制御回路の第1の動作説明図である。
【図14】本発明の実施形態における角速度検出装置の
制御回路の第2の動作説明図である。
【図15】本発明の実施形態における角速度検出装置の
振動子の面外振動とその抑制を示す第1の説明図であ
る。
【図16】本発明の実施形態における角速度検出装置の
振動子の面外振動とその抑制を示す第2の説明図であ
る。
【図17】本発明の第2の実施形態における振動子の電
極構造を示す断面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態における振動子の電
極構造を示す断面図である。
【図19】従来技術における角速度検出素子を示す外観
斜視図である。
【図20】従来技術における角速度検出素子を示す断面
図である。
【符号の説明】
1:振動子 2:発振回路 3:検出回路 4:検波回路 5:ローパスフィルタ
6:制御回路 58:スイッチ 59:電圧検出回路 6
0:積分回路 61:サンプルホールド回路 62:変調回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
    振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
    を有する発振回路と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発振回路の
    加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動
    を抑制する制御回路とを備えることを特徴とする角速度
    検出装置。
  2. 【請求項2】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝が自励振動するための電流増幅回路と
    反転回路と加減算回路とを有し、電流増幅回路の入力と
    振動子の駆動用枝の第1の駆動電極の対とを接続し、反
    転回路の出力と第2の駆動電極の対とを接続し、加減算
    回路の出力と第3の駆動電極の対とを接続する発振回路
    と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発振回路の
    加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動
    を抑制する制御回路とを備えることを特徴とする角速度
    検出装置。
  3. 【請求項3】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
    振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
    を有する発振回路と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発振回路の
    加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動
    を抑制するためのスイッチと電圧検出回路と積分回路と
    サンプルホールド回路とを有する制御回路とを備えるこ
    とを特徴とする角速度検出装置。
  4. 【請求項4】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
    振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
    を有する発振回路と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタ出力に応じて発振回路の加
    減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動を
    抑制するための制御回路と、 を備える角速度検出装置の駆動方法であって、 非回転時の角速度出力をつねに一定値に保つことを特徴
    とする角速度検出装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
    振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
    を有し、電流増幅回路の入力と振動子の駆動用枝の第1
    の駆動電極の対とを接続し、反転回路の出力と第2の駆
    動電極の対とを接続し、加減算回路の出力と第3の駆動
    電極の対とを接続する発振回路と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発振回路の
    加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動
    を抑制する制御回路と、 を備える角速度検出装置の駆動方法であって、 非回転時の角速度出力をつねに一定値に保つことを特徴
    とする角速度検出装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 面内(面外)方向に自励振動する3対の
    駆動電極を有する駆動用枝と駆動用枝に同期して面内
    (面外)振動し、回転にともなうコリオリ力によって面
    外(面内)振動する2対の検出電極を有する検出用枝と
    を有する振動子と、 振動子の駆動用枝の駆動電極に接続し、駆動用枝が自励
    振動するための電流増幅回路と反転回路と加減算回路と
    を有する発振回路と、 振動子の検出用枝の検出電極の検出電流を電圧に変換す
    る検出回路と、 検出電圧出力を発振回路出力で検波する検波回路と、 検波回路の交流出力をカットするローパスフィルタと、 非回転時のローパスフィルタの出力に応じて発振回路の
    加減算回路の入力を制御して振動子の面外(面内)振動
    を抑制するためのスイッチと電圧検出回路と積分回路と
    サンプルホールド回路とを有する制御回路と、 を備える角速度検出装置の駆動方法であって、 非回転時の角速度をつねに一定値に保つことを特徴とす
    る角速度検出装置の駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101973A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Seiko Epson Corp 検出装置、ジャイロセンサ、電子機器及び検出装置の調整方法
JP2012189610A (ja) * 2012-06-04 2012-10-04 Seiko Epson Corp 検出装置、ジャイロセンサ、電子機器及び検出装置の調整方法
WO2019187624A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 株式会社デンソー 振動型ジャイロスコープ

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