JP4288133B2 - ウェーハ吸着ステージ及びウェーハの吸着方法 - Google Patents
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かかるWL−CSP構造の半導体装置の製造は、特許文献1では、図5に示す様に、シリコンウェーハ(以下、単にウェーハと称する)100の一面側に作り込まれた複数個の半導体素子上に、形成された再配線等を封止する樹脂層102を樹脂モールドによって形成した後、吸着ステージ(図示せず)上に吸着したウェーハ100及び樹脂層102をダイサ104によって切断し、個片の半導体装置106,106・・とする。
しかし、最近では、電子機器及び装置の小型化の要請に加えて薄型化も要請され、半導体装置の薄型化も図られている。このため、ウェーハ100も100〜300μm程度に薄型化されている。
この様に、薄型化されたウェーハ100は、その強度も低下しており、その一面側に、樹脂モールドによって樹脂層102を形成した場合、樹脂層102が固化したとき、樹脂層102の収縮に因ってウェーハ100は、その周縁側部が樹脂層102を形成した一面側に大きく反った状態となる。
かかる状態のウェーハ100を、図6に示す様に、吸着ステージ200の真空吸着用の吸着溝202,202が開口する載置面に、樹脂層102を形成した一面側が表面側となるように載置すると、ウェーハ100の周縁側部の他面側と吸着ステージ200の載置面との間に空間ができる。
このため、かかる空間から空気がリークし、ウェーハ100の他面側全面を吸着ステージ200の載置面に密着させることができず、ウェーハ100は周縁側部が反った状態で吸着ステージ200の載置面に載置されている。この状態のウェーハ100では、その一面側に形成した複数個の半導体装置の各々について、光学的装置を用いた正確な位置確認が困難となったり、プローブを用いた電気的な試験の障害となることがある。
図7に示す吸着ステージ200は、回転テーブル204がモータ202で回転可能に設けられている。この回転テーブル204の一面側は、図7(a)のX−X面の断面図である図7(b)及び図7(a)のY−Y面の断面図である図7(c)に示す様に、その周縁部が環状に突出する凹部210に形成されている。
かかる回転テーブル204の一面側の周縁部に形成された環状突出部204aの突出面は、回転テーブル204及びその回転軸206に形成された真空路208に接続された吸着溝209が開口され、吸着面に形成されている。
更に、回転テーブル204に形成された凹部210の底面210aには、回転テーブル204を貫通する貫通孔212が形成されている。
この際に、環状突出部204aの突出面とウェーハ240の周縁側部との間の隙間から真空漏れがあっても、ウェーハ240と吸着ステージ200の凹部210とによって形成された空間内に、貫通孔212を経由して空気が流入し、この空間内が減圧状態とならず、ウェーハ240の矯正状態を保持できる。
更に、中央部近傍にも反りが存在するウェーハ204の場合、ウェーハ204の周縁側部が吸着ステージ200の平坦な環状突出部204aの突出面に吸着されても、支承されていないウェーハ204の中央部近傍の反りは矯正されず、平坦性が要求される検査、例えば光学的検査やプローブ検査等が困難である。
また、再配線、樹脂モールド或いは絶縁フィルムによる被覆等の加工が施されたウェーハ100(図5)の一面側には、感光性レジストよりも厚い樹脂層102が形成されている。このため、ウェーハ100の反りを、回転テーブル204の一面側の周縁部に形成された環状突出部204aの突出面に、ウェーハ100の周縁側部を載置して吸引したのみでは、充分に矯正されないおそれもある。
そこで、本発明の課題は、周縁側部の少なくとも一部が一面側に反った状態のウェーハを、その一面側が表面側となるように吸着して矯正できると共に、吸着したウェーハの中央部近傍に力が加えられる加工や検査を可能にできるウェーハ吸着ステージ及びウェーハの吸着方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、一面側に樹脂モールド等の加工が施され、周縁側部の少なくとも一部が前記一面側に反った状態のウェーハを、前記一面側が表面側となるように吸着するウェーハ吸着ステージにおいて、前記吸着ステージが、前記ウェーハの周縁側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ外周部と、前記ステージ外周部の内周側に設けられ、前記ウェーハの内側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ内周部とを具備し、前記ウェーハの周縁側部の他面側をステージ外周部に吸着する際に、前記ステージ外周部の当接面とステージ内周部の当接面との間に段差を形成して、前記ウェーハの周縁側部の他面側にステージ外周部の当接面が当接でき、且つ前記ステージ外周部の当接面に周縁側部の他面側が当接して吸着されたウェーハの反りを矯正する際に、前記ウェーハの内側部の他面側をステージ内周部の当接面によって、前記反りを矯正する方向に押圧できる吸着ステージであって、前記ステージ外周部とステージ内周部とが複数の分割部に分割されて構成され、前記分割部の各々が、相互に独立して昇降可能に設けられていると共に、前記分割部の各当接面には、吸着溝が開口されており、前記吸着手段が、前記分割部の当接面に当接したウェーハの他面側を、前記当接面の吸着溝から吸引して真空吸着する真空吸着手段であり、前記分割部の各々を昇降して、前記ウェーハの周縁側部の少なくとも一部の他面側に当接する前記分割部の当接面に、前記ウェーハの周縁側部の他面側を前記真空吸着手段によって真空吸着し、前記当接面の吸引溝の真空度が所定値に到達したとき、前記ウェーハの反りが矯正されるように、他の分割部を昇降する制御部が設けられていることを特徴とするウェーハ吸着ステージにある。
次いで、当接面の吸引溝の真空度が所定値に到達したとき、ウェーハの反りが矯正されるように、他の分割部を昇降することによって、ウェーハの反りを矯正できる。
更に、平坦に矯正されたウェーハの内部側の他面側をステージ内周部の吸着手段によって容易に吸着できる。
この様に、吸着ステージに反りが矯正されて吸着されたウェーハは、その周縁側部及び内側部が吸着ステージによって支承されている。
このため、ウェーハの周縁側部及び内側部に力が加えられる検査や加工を容易に施すことができる。
また、ウェーハの平坦性が要求される検査では、例えば光学的検査の場合は、焦点をウェーハの全面で合わせることができ、プローブ検査の場合は、検査プローブのストロークを一定にし、押し込み強さを一定にすることができる結果、所定の検査を容易に行うことができる。
かかる吸着ステージ10は、ステージ外周部12と、ステージ外周部12の内周側に設けられたステージ内周部14とから構成されている。ステージ内周部14は、ステージ外周部12の内周面に外周面が摺接しつつ、シリンダ装置やカム機構等の駆動手段21によって昇降可能に設けられている。
かかるステージ外周部12及びステージ内周部14には、吸着手段として、図1(b)に示す様に、外部に設置された真空ポンプ22に接続されている、ステージ外周部12及びステージ内周部14の各内部に形成された真空路12a,14aと、真空路12a,14aに接続され、ステージ外周部12及びステージ内周部14の一面側に開口されているリング状の吸着溝16,18とが形成されている。この吸着溝16,18が開口されているステージ外周部12及びステージ内周部14の一面側の面が、後述するウェーハの他面側に当接して吸着する当接面である。
かかる制御弁12b、14b、真空ポンプ22及び駆動手段21は、制御部24によって制御されており、制御部24には、制御弁12bと吸着溝16との間に設けられ、この間の真空度を検出する真空度計26からの信号が送られる。
図1に示す吸着ステージ10は、その一面側が、ステージ外周部12及びステージ内周部14の両当接面から成る面が面一に形成されているが、駆動手段21を駆動してステージ内周部14を降下することによって、図2に示す様に、ステージ外周部12の当接面がステージ内周部14の当接面よりも突出し、ステージ外周部12とステージ内周部14のとの当接面間に段差を形成できる。
次いで、制御部24からの信号によって駆動手段21を駆動してステージ内周部14を降下し、図3(b)に示す様に、ステージ外周部12の当接面がステージ内周部14の当接面よりも突出することによって、ステージ外周部12とステージ内周部14のとの当接面間に段差を形成する。かかる段差の形成によって、ウェーハ20の内側部にステージ内周部14の当接面が当接しなくなるため、ウェーハ20の周縁側部の他面側がステージ外周部12の当接面に当接する。
この状態で制御部24からの信号によって真空ポンプ22を起動し、制御弁12bを開いてステージ外周部12の吸着溝16を真空状態として、ステージ外周部12の当接面に当接するウェーハ20の周縁側部の他面側を吸着できる。
つまり、真空度計26で測定された真空度が所定値に到達したとき、制御部24から駆動手段21には、ステージ内周部14を上昇させる方向に駆動する信号が発信される。
この駆動手段21への信号によって、ウェーハ20の周縁側部をステージ外周部12の当接面に吸着した状態で、ステージ内周部14を上昇し、ステージ外周部12とステージ内周部14のとの当接面間に形成された段差を解消する。段差が解消されたステージ外周部12及びステージ内周部14の当接面の各々は、図3(c)に示す様に、面一に形成される。
この際に、ウェーハ20は、その内側部の他面側が、ステージ内周部14の当接面によって押圧され、反りが矯正されて平坦なウェーハ20に形成できる。
この様に、吸着ステージ10では、ウェーハ20の内側部の他面側を、ステージ内周部14の当接面によって押圧して反りを矯正する。このため、樹脂モールド等が施されて感光性レジストによりも厚い樹脂層が一面側に形成されたウェーハ20であっても、その反りを充分に矯正できる。
吸着溝16,18によって吸着されたウェーハ20は、その全面がステージ外周部12及びステージ内周部14の両当接面によって面一に形成された吸着ステージ10の当接面に支承されている。このため、ウェーハ20の中心部近傍に力が加えられる加工や検査を容易に施すことができる。
ところで、ウェーハ20に発生する反りは、ウェーハ20ごとに異なる。このため、本発明に係る吸着ステージでは、ウェーハ20に発生した反りに合わせて、吸着ステージ10の当接面の形状を変更でき、吸着ステージ10の当接面にウェーハ20を確実に当接して吸着できる。
かかる本発明に係る吸着ステージの一例を図4に示す。図4に示す吸着ステージ10では、ステージ外周部12及びステージ内周部14の各々を、図4(a)に示す様に、複数の分割部に分割し、ウェーハ20に発生した反りに合わせて、吸着ステージ10の当接面の形状を変更可能にしている。
図4(a)に示す吸着ステージ10では、ステージ外周部12及びステージ内周部14の各々を4分割している。つまり、ステージ外周部12は、12A〜12Dのステージ外周分割部から構成され、ステージ内周部14は、14A〜14Dのステージ内周分割部から構成されている。かかるステージ外周分割部(12A〜12D)及びステージ内周分割部(14A〜14D)の各々は、互いに独立して昇降可能に設けられている。
更に、ステージ外周分割部(12A〜12D)の各々には、分割吸着溝(16A〜16D)の一つが形成されており、ステージ内周分割部(14A〜14D)の各々には、分割吸着溝(18A〜18D)の一つが形成されている。このため、各分割部の当接面では、載置されるウェーハ20の一部分を吸着できる。
かかる図4に示す吸着ステージ10を用いる場合にも、図1に示す吸着ステージ10と同様に、分割部(12A〜12D),(14A〜14D)の各々に開口する分割吸着溝(16A〜16D),(18A〜18D)から吸引して真空吸着する真空吸着手段を用いる。
また、図4に示す吸着ステージ10では、ステージ外周部12及びステージ内周部14の各々を4分割しているが、2分割或いは3分割であってもよい。
更に、吸着ステージ10のステージ外周部12及びステージ内周部14の各々を、分割部に形成しているが、ステージ外周部12及びステージ内周部14の一方を分割部に形成してもよい。
尚、図1〜図4に示す吸着ステージ10では、ウェーハ20との当接面に連続して開口する吸着溝を形成しているが、当接面に点状に開口する吸着溝としてもよく、ステージ外周部12及びステージ内周部14の各々を多孔質材で形成してもよい。
12 ステージ外周部
14 ステージ内周部
16,18 吸着溝
20 ウェーハ
21 駆動手段
22 真空ポンプ
24 制御部
12a,14a 真空路
12b、14b 制御弁
16,18 吸着溝
12A,12B,12D,12D ステージ外周分割部
14A,14B,14C,14D ステージ内周分割部
Claims (2)
- 一面側に樹脂モールド等の加工が施され、周縁側部の少なくとも一部が前記一面側に反った状態のウェーハを、前記一面側が表面側となるように吸着するウェーハ吸着ステージにおいて、
前記吸着ステージが、前記ウェーハの周縁側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ外周部と、前記ステージ外周部の内周側に設けられ、前記ウェーハの内側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ内周部とを具備し、
前記ウェーハの周縁側部の他面側をステージ外周部に吸着する際に、前記ステージ外周部の当接面とステージ内周部の当接面との間に段差を形成して、前記ウェーハの周縁側部の他面側にステージ外周部の当接面が当接でき、且つ前記ステージ外周部の当接面に周縁側部の他面側が当接して吸着されたウェーハの反りを矯正する際に、前記ウェーハの内側部の他面側をステージ内周部の当接面によって、前記反りを矯正する方向に押圧できる吸着ステージであって、
前記ステージ外周部とステージ内周部とが複数の分割部に分割されて構成され、前記分割部の各々が、相互に独立して昇降可能に設けられていると共に、前記分割部の各当接面には、吸着溝が開口されており、
前記吸着手段が、前記分割部の当接面に当接したウェーハの他面側を、前記当接面の吸着溝から吸引して真空吸着する真空吸着手段であり、
前記分割部の各々を昇降して、前記ウェーハの周縁側部の少なくとも一部の他面側に当接する前記分割部の当接面に、前記ウェーハの周縁側部の他面側を前記真空吸着手段によって真空吸着し、前記当接面の吸引溝の真空度が所定値に到達したとき、前記ウェーハの反りが矯正されるように、他の分割部を昇降する制御部が設けられていることを特徴とするウェーハ吸着ステージ。 - 一面側に樹脂モールド等の加工が施され、周縁側部の少なくとも一部が前記一面側に反った状態のウェーハを、前記一面側が表面側となるようにウェーハ吸着ステージに吸着する際に、
前記吸着ステージとして、前記ウェーハの周縁側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ外周部と、前記ステージ外周部の内周側に設けられ、前記ウェーハの内側部の他面側に当接する当接面に吸着手段が設けられたステージ内周部とが、複数の分割部に分割されて構成され、且つ前記分割部の各々が、相互に独立して昇降可能であって、前記分割部の各当接面に吸着溝が開口されている吸着ステージを用いると共に、
前記吸着手段として、前記分割部の当接面に当接したウェーハの他面側を、前記当接面に開口する吸着溝から吸引して真空吸着する真空吸着手段を用い、
前記分割部の各々を昇降して、前記ウェーハの周縁側部の少なくとも一部の他面側に当接する前記分割部の当接面に、前記ウェーハの周縁側部の他面側を前記真空吸着手段によって真空吸着し、前記当接面の吸引溝の真空度が所定値に到達したとき、前記ウェーハの反りを矯正するように、他の分割部を昇降した後、
反りが矯正された前記ウェーハの内側部の他面側を、前記ステージ内周部の当接面に前記真空吸着手段によって吸着することを特徴とするウェーハの吸着方法。
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