JP4287720B2 - 電子カメラ - Google Patents

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Description

本発明は、CCDなどの撮像素子で撮像した画像を内蔵メモリや外部記憶装置に記憶できるようにした電子カメラに関し、特に操作部と撮像部をヒンジで結合し、撮像部を回動できるようにした電子カメラに関するものである。
CCDなどの撮像素子を備え、画像をデジタル的に記録できるようにした電子カメラは、従来のフィルムを用いたカメラのように現像、焼き付けなどが不用で撮った画像をすぐ見ることができ、しかもCCDなどの撮像素子は、1素子当たりの画素数が年々増大しているにもかかわらず従来のフィルムよりも小さく、それによってカメラ自体を小型に構成できるという利点がある。
そのため例えば、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容できる薄さと強度を持ち、そういったところやハンドバックなどに収容しても違和感をおこさせない軽さで、しかも高倍率のズーム機構を備えた電子カメラの出現が望まれている。
しかしながらズームレンズは、通常複数のレンズ群で構成され、しかも、そのうちのいくつかのレンズ群を進退させさせることで所望の焦点距離を得るようにしている。そのため、旧来のフィルムを使用したカメラのようにカメラ本体から撮影レンズを突出させるようにした方式では、撮影時以外はレンズを本体内に収納する沈胴式にしたとしても、レンズ枚数の多さとレンズ群を前後させる機構の存在で、カメラ本体を一定以下の厚さにするのは困難である。
そのため、突出したレンズを電源オフ時にカメラ本体に収納する際、中間群のレンズを光軸外に移動させ、それによって薄型化を達成するようにしたカメラも出現しているが、このように中間レンズ群を移動させる方式では光学系の精度が悪化し、また中間レンズ群やレンズ鏡筒を電源オフによってカメラ本体に沈める方式そのものが、電源をオンしたときに撮影ができるようになるまで一定の時間を必要とするから、起動するまでの時間が長くなってシャッターチャンスを逃すという欠点がある。
そのため特許文献1に示されているように、撮像レンズと撮像素子とを内蔵した撮像部と、液晶等の表示部を備えたカメラ本体とを回転可能に構成し、撮影時には撮像部をカメラ本体に対して撮影したい方向へ回転し、非撮影時には、撮像部をカメラ本体に対して回転してカメラ本体内に収納する用にしたカメラが提案されている。このように撮像部をカメラ本体に対して回転することで、撮像部をカメラ本体に対して表示部と平行方向に収納することができ、カメラ本体の表示部に対して垂直方向の厚みを薄くすることができる。
特許第2931907号公報(図1)
しかしながら、近年要求されているカメラの薄型化、高倍率化に対応するためには、更なる改良が必要である。
また、表示装置を有した操作部にヒンジ機構などの回転機構で回転可能に接続した撮像部に、撮影レンズとファインダと発光装置などを配して撮影レンズを被写体方向に向けられるようにし、しかも、表示装置は撮影者の方に向けるようにしたカメラが提案されている。こういったヒンジ機構を用いたカメラでは、結合部の機械的強度を増すためヒンジシャフトは太い方が有利である。さらにこういったヒンジ機構では、図8に示したように、ヒンジシャフト600の加工上の誤差などを吸収するため、例えば撮像部に取り付けた第1のヒンジプレート502とヒンジシャフト600のフランジとの間にフリクション機構601を設け、ガタの防止と、撮像部と操作部が一定角度回動したとき、その状態で停止したままとなるようフリクションを掛けることが行われている。しかしながらこの場合、ヒンジシャフト600に同軸に円形バネなどを用いたフリクション機構601を設けると、その分ヒンジ機構全体の径φが増加し、ヒンジシャフト600の内径φに比較してヒンジ機構全体の径φが大きくなり、その分カメラ自体の厚みHが増えてしまう。逆にカメラ自体の厚みHを押さえようとすると、フリクション機構601の分だけヒンジシャフト600の内径φが小さくなり、今度は機械的強度が劣ることになる。
そのため本発明においては、撮像部が表示装置を有した操作部にヒンジ機構によって回動可能に接続され、前記表示装置に撮影した映像を表示できるようにした電子カメラにおいて、簡単、安価な構成で、かつ、ヒンジ機構の厚みを増すことなくフリクションを掛ける機構を備えた電子カメラを提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明における電子カメラは、
撮像装置を有した撮像部と、
前記撮像装置で撮像した映像を表示する表示装置を有する操作部と、
前記撮像部又は前記操作部の一方の筐体に固定された第1のヒンジプレートと、前記撮像部又は前記操作部の他方の筐体に固定された第2のヒンジプレートと、前記第1のヒンジプレートと一体的に回動し、且つ、前記第2のヒンジプレートに対して回動自在に配置される端部にギアを備えたヒンジシャフトと、を有すると共に、前記撮像部と前記操作部とを回動可能に連結するヒンジ機構と、
前記他方の筐体に収容されたフリクションギアと、を備え、
前記ギアが前記フリクションギアと噛み合うことにより前記ヒンジ機構による回動にフリクションを与えることを特徴とする。
また、前記第1のヒンジプレートに設けた係止部と、前記ヒンジシャフトに設けた該係止部に係止する被係止部と、前記ヒンジシャフトの他端部に嵌入する抜け止め部材と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止することにより前記第1のヒンジプレートと前記ヒンジシャフトとが一体的に回動すると共に、前記抜け止め部材により前記第1のヒンジプレートから前記ヒンジシャフトの脱落を規制することを特徴とする。
さらに、前記ヒンジシャフトの前記端部に設けたギアの径を、前記第2のヒンジレンズプレートに設けた前記ヒンジシャフトを挿通する挿通孔の径より大に構成することにより、前記第2のヒンジプレートから前記ヒンジシャフトの脱落を規制することを特徴とする。
そして、前記フリクションギアの径を、前記ヒンジシャフトの最大径を最大とし、かつ、前記フリクション効果が得られる径としたことを特徴とする。
また、前記フリクションギアは回動角度検出用パターンを有し、カメラ筐体に設けられたポストにフリクション用弾性部材を介して回動自在にネジ止めされ、前記回動角度検出用パターンによって前記撮像部と操作部との相対的な回動角度を検出できるようにしたことを特徴とする。
さらに、前記ヒンジシャフトは前記第1のヒンジプレートに設けた凸部に対応した凹部を有して回転止めされ、ヒンジシャフトの周囲に設けた凹部に挿入したCリングで抜け止めすることを特徴とする。
さらに、前記ヒンジシャフトは中空とし、該中空部に前記撮像部と操作部を結ぶ信号線を通せるようにしたことを特徴とする。
このように本発明における電子カメラのヒンジ機構は、ヒンジシャフトの回動にフリクションを与えるフリクションギアによって前記ヒンジシャフトにフリクションを与えるようにしたから、フリクション機構によってヒンジシャフトの厚みが増すということが無く、その分、電子カメラを薄型に構成できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は電子カメラの一実施形態の全体図、図2は電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した図、図3は電子カメラのレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した図、図4は電子カメラのレンズを被写体方向に向けて撮影するときのカメラのホールド状態を示した図である。
図中100は電子カメラ、101は撮像部、102は操作部、103は撮影レンズ窓、104はストロボなどの発光装置窓、105は液晶などを用いた表示装置、106はシャッター釦、107は電源釦、108は十字キーと決定キーで構成され、表示装置105に表示された機能や項目を選択するための選択決定キー、109は光学系ズーミングを指示するズームキー、110はカメラモードメニューのオン、オフを切り替えるメニュー釦、111は表示装置105の表示内容と照明のオン、オフを切り替えるディスプレイ釦、112は表示装置105の表示内容をシーンセレクト選択画面に切り替えるシーン釦、113は絞り優先モードやシャッター優先モード、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択するモードセレクト釦、114はスピーカである。
電子カメラ100は、図1乃至3に示したように、操作部102側に表示装置105と一般的な撮影用操作釦類106乃至113を配し、この操作部102にヒンジ機構で回動可能に接続された撮像部101の一端側には、撮影レンズ窓103、その操作部102側に発光装置窓104を配してある。そしてこの撮像部101の内部には、撮影レンズ窓103の背後に撮影用ズームレンズが、そしてその隣に、ズームレンズを構成するレンズ群を進退させるためのカム機構が配され、これらズームレンズとカム機構の奥側、すなわち撮影レンズ窓103と逆側に発光装置用コンデンサなどの電装部品が配されている。そして操作部102における撮影用操作釦類106乃至113は、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合でも引っかかりや違和感を感じさせないよう、操作部102の外カバーの平面から突出しないように設けられ、さらに、シャッター釦106はカメラ100を右手で保持したときに人差し指で操作可能とし、ズームキー109、選択決定キー108、メニュー釦110、モードセレクト釦113などは、同じく右手でカメラ100を保持したとき、親指の届く範囲に配置して操作性を高めてある。
そして電子カメラ100は、表示装置105を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、図2に示したように撮像部101を被写体の方に向けたり、図3に示したように逆に回動させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。また電子カメラ100は、撮像部101の撮影レンズ窓103側の端から発光装置用の窓104側の端までの長さL(図3)を、例えば左手人差し指の先端から第2関節近辺までの長さとし、かつ、撮像部101における撮影レンズ窓103とは逆側の長さをL(図3)としたとき、発光装置窓104部分の(L−L)に相当する部位の光軸方向厚さL(図3)を、略人差し指の厚さとしてRを付けて操作部102側に張り出して構成してある。このようにすることで、操作部102における表示装置105の右側に操作釦類を配置するためのスペースを作ることができ、小型でありながら、操作性の良い電子カメラを構成することができる。また撮影レンズ窓103からヒンジ機構の回動中心までの距離は、ヒンジ機構の回動中心から撮影レンズ窓103とは逆側の端までの距離より大きくとってある。
そしてこの電子カメラ100を使うときは、電源釦107を押下することで電源がオンとなるから、前記したように親指で各操作釦を操作し、モードセレクト釦113によって絞り優先モードやシャッター優先モードなどの撮影条件、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択する。そして必要に応じ、メニュー釦110を押下して表示装置105に例えば画像のサイズ、撮影感度、測光方式などの各種メニューを表示させ、十字キーと決定キーで構成された選択決定キー108の十字キーで項目を選択し、中央の決定釦で決定する。
そして、図2に示したように被写体の方に撮影レンズ窓103を向けて撮影するときは、図4に示したように右手で操作部102側をホールドし、例えば左手の人差し指と中指で撮像部101のL(図3)の長さを有するL(図3)の部分を挟んで撮影レンズ窓103を被写体に向ける。そして、表示装置105に映し出された被写体を見ながら右手親指で撮像部101のズームキー109を操作し、所定の倍率を選択して構図を決定した後、右手人差し指でシャッター釦106を押下することで自動的にピントと露出が決定され、内蔵されたCCDなどの撮像素子によって撮影された画像が内蔵されたメモリに記録するようになっている。このようにして撮影をおこなうことにより、前記したように撮像部101における撮影レンズ窓103からヒンジ機構の回動中心までの距離は、ヒンジ機構の回動中心から撮影レンズ窓103とは逆側の端までの距離より大きくとってあるから、レンズ部が大きく回り、撮像部101を素早く被写体に向けられると共に、カメラ100をしっかりホールドすることができる。
こうして撮影が済んだら、モードセレクト釦113を操作して再生モードにすると、メモリに蓄えられた画像が表示装置105に表示され、選択決定キー108における十字キーを操作することで順次撮影した画像を表示させることができる。なお、動画撮影モードの場合は、全く同様にして動画をメモリに記録し、シーン釦112によって必要なシーンを選択し、スピーカ114によって音声も同時に再生させることができる。
このように構成した電子カメラ100の撮像部101と操作部102は、図5乃至図7に示したようなヒンジ機構で結合されている。図5はヒンジ機構を分解した斜視図、図6はヒンジを構成するヒンジシャフト500とフリクションギアの配置状況を示した模式図、図7はヒンジ機構における図6のA−A線の断面図である。
図中307、308は操作部102の上カバーと下カバー、401、402は撮像部101の上カバーと下カバー、500は撮像部101側を操作部102に対して回動させるヒンジシャフト、501は撮像部101側に固定され、ヒンジシャフト500をキー溝531にて回転止めするヒンジレンズプレート、502は操作部102側に固定され、レンズシャフト500を回動可能とする軸受けとしてのヒンジボディプレート、503はヒンジシャフト500を円形バネ504、ヒンジボディプレート502、ヒンジレンズプレート501を通してヒンジレンズプレート501側で抜け止めするためのCEリング、504はヒンジシャフト500のフランジ505とヒンジボディプレート502との間に挟む弾性部材としての円形バネ、508はフリクション用のギア、509はフリクションギア508を、フリクション用スプリング510を通して操作部102のカバー307に取り付けられたポスト514で固定するネジ、511、512はヒンジレンズプレート501とヒンジボディプレート502をそれぞれ撮像部101、操作部102にビスで固定するためのビス孔、513は撮像部101の下カバー402に設けたヒンジレンズプレート501の固定部、514は操作部102のカバー307に取り付けられたポスト、515、516は回動角度検出用パターン、517は回動角度検出用パターン516が導電性パターンで構成されている場合、それを検出するための接点、518は信号線、531はヒンジシャフト500をヒンジレンズプレート501に回り止めするためのキー溝、534、535はヒンジレンズプレート501におけるレンズシャフト500に設けたキー溝531と噛み合うキー凸、537はCEリング503を填め込む溝である。
電子カメラ100のヒンジ機構は、図5に示したように、一端側のフランジ部505がギア状に形成され、他端側にCEリング503を填め込む溝537、ヒンジレンズプレート501に設けられたキー凸534、535に対応したキー溝531が設けられているヒンジシャフト500、撮像部101側の下カバー402の固定部513に固定され、ヒンジシャフト500に設けられたキー溝531を填め込んで回転止めするためのキー凸534、535を有したレンズヒンジプレート501、同じく図示していない操作部102の固定部に固定されるヒンジボディプレート502、このヒンジボディプレート502とヒンジシャフト500のフランジ505の間に挟んでガタを取るための円形バネ504、ヒンジレンズプレート501を通したヒンジシャフト500の溝537に填め込むCEリング503、図示していない撮像部101の筐体に固定されるポスト514にネジ509で固定され、ヒンジシャフト500のフランジ505に形成されたギアと噛み合ってフリクションを与えるフリクション用ギア508で構成される。
このうちヒンジレンズプレート501は、ネジ孔511にビスを通して撮像部101の下カバー401、上カバー402に設けられた固定部513に固定し、ヒンジボディプレート502は、同様にしてネジ孔512にビスを通し、図示していない操作部102の上カバー307、下カバー308の固定部に固定する。そして、ヒンジシャフト500を、ヒンジボディプレート502を通してヒンジレンズプレート501のキー凸534、535に溝531が合うように挿入し、ヒンジレンズプレート501のレンズ系側で、ヒンジシャフト500に設けられた溝537にCEリング503を填め込んで抜け止めする。
一方フリクション用ギア508は、回動角度検出用パターン515、516が設けられ、図6に示したように、ネジ509によってヒンジシャフト500の横の操作部102の図示していない筐体に固定されたポスト514に、ヒンジシャフト500のフランジ505に形成されたギアと噛み合うようフリクション用スプリング510を介して止められる。そして回動角度検出用パターン515、516が導電パターンで構成されている場合、それを検出するための接点517が設けられる。なお、この回動角度検出用パターン515、516の検出は、接点を用いずに、発光素子と受光素子で構成されたフォトリフレクタなどを用いて非接触で検出するようにしても良い。
このように構成した本発明の実施の形態におけるヒンジ機構は、撮像部101と操作部102を相対的に回動させたとき、フリクションギア508によってヒンジシャフト500にフリクションが与えられているから、その回動は適度な抵抗感を与えながらスムーズに回動させることができ、しかも、回動を停止させるとその位置で撮像部101と操作部102が停止し、多少の力が加わっても簡単に回動することがない。また、図6に示したように、このフリクション用ギア508をヒンジシャフト500の最大径を最大とし、かつ、前記フリクション効果が得られる径とすることにより、小径ギアとしたときよりしっかりフリクションを掛けることができ、撮像部101と操作部102を相対的に一定角度回動させたとろで停止させたい、という要求にしっかりと応えることができる電子カメラ100を提供することができる。
また、このフリクションギア508に回動角度検出用パターン515、516を設けて撮像部101と操作部102との相対的な回動角度を検出できるようにしたから、例えば撮像部101と操作部102における表示装置105を共に自分の方に向け、自分を撮りたい(自分撮り)というような場合でも、電子カメラ100自体がそれを検出でき、この場合は表示装置105に表示される画像の上下が逆になるから、自動的に表示画像の上下を逆にして操作性を向上させた電子カメラ100とすることができる。
また、フリクションギア508は図6に示したようにヒンジシャフト500の横に置かれるから、図7に示したように、ヒンジシャフト500の外径φを電子カメラ100の筐体の内側寸法ぎりぎりにでき、電子カメラ100の筐体の厚さHをそれだけ薄く構成できると共に、ヒンジシャフト500の内径φを大きくとることができ、図8に示した従来のフリクション機構のように、ヒンジシャフト500の径φを増す必要が生じて電子カメラ100の筐体の厚さHが厚くなったり、または電子カメラ100の筐体の厚さHに合わせて径φを決定することで、フリクション機構601の分だけヒンジシャフト600の内径φが小さくなり、機械的強度が劣るといったことが防止できる。
また、撮像部101側の情報を操作部102側に伝える信号線や、操作部102側からの駆動信号を撮像部101に伝える信号線などは通常50〜60本必要であるが、このヒンジシャフト500の内径φを大きくとることができることにより、例えば図5に一例として518で示した信号線のように、信号線全てをヒンジシャフト500内に通すことが可能となる。
このように本発明の実施の形態においては、ヒンジシャフト505の回動にフリクションを与えるフリクションギア508によって前記ヒンジシャフト500にフリクションを与えるようにしたから、フリクション機構によってヒンジシャフト500の厚みが増すということが無く、その分、電子カメラ100を薄型に構成できる。しかもフリクション機構は、ヒンジシャフト500のフランジ505に設けたギアと噛み合うフリクションギア508だけという簡単な構成であるから、複雑な機構は必要とせず、その分、電子カメラを安価に提供できる。
そしてフリクションギア508は、ヒンジシャフト500の最大径を最大とし、かつ、前記フリクション効果が得られる径としたから、小径ギアとしたときよりしっかりフリクションを掛けることができ、撮像部101と操作部102を相対的に一定角度回動させたとろで停止させたい、という要求にしっかりと応えることができる電子カメラ100を提供することができる。特に、ヒンジシャフト500の径にて電子カメラ100の筐体の厚みを決めている場合、その厚みを厚くすることなく、フリクションギア508によってフリクションを与えることができる。
また、このフリクションギア508に回動角度検出用パターン515、516を設けると共に、カメラ筐体に設けられたポストにフリクション用弾性部材を介して回動自在にネジ止めし、前記回動角度検出用パターンによって撮像部101と操作部102との相対的な回動角度を検出できるようにしたことにより、例えば撮像部101と操作部102における表示装置105を共に自分の方に向け、自分を撮りたい(自分撮り)というような場合でも、電子カメラ100自体がそれを検出できるから、この場合は表示装置105に表示される画像の上下が逆になる、といったことを防止できる電子カメラ100を提供できる。
そして、前記ヒンジシャフトは前記第1のヒンジプレートに設けた凸部に対応した凹部を有して回転止めされ、ヒンジシャフトの周囲に設けた凹部に挿入したCリングで抜け止めすることにより、簡単な構成で回転止めと抜け止めをおこなうことができる。
さらに、前記ヒンジシャフト500は中空とすることで、この中空部に撮像部101と操作部102を結ぶ信号線を通せるようにすることができ、機械的な接点などを用いることなく結線することができる。
簡単、安価な構成でヒンジ機構を薄型に構成できると共に、撮像部と操作部の回動時に適度なフリクションを与えることができ、電子カメラ、携帯電話など、回動と適度な角度での回動停止をおこなう機器に用いることができる。
電子カメラの一実施形態の全体図である。 電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した図である。 電子カメラのレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した図である。 電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影するときのカメラのホールド状態を示した図である。 ヒンジ機構を分解した斜視図である。 ヒンジを構成するヒンジシャフト500とフリクションギアの配置状況を示した模式図である。 ヒンジ機構における図6のA−A線の断面図である。 従来のヒンジ機構におけるフリクション機構を説明するための図である。
符号の説明
401、402 撮像部の上カバーと下カバー
500 ヒンジシャフト
501 ヒンジレンズプレート
502 ヒンジボディプレート
503 CEリング
504 円形バネ
505 フランジ
508 フリクション用ギア
509 ネジ
510 フリクション用スプリング
511、512 ビス孔
513 ヒンジレンズプレートの固定部
514 ポスト
515、516 回動角度検出用パターン
517 接点
531 キー溝
534、535 キー凸
537 溝

Claims (7)

  1. 撮像装置を有した撮像部と、
    前記撮像装置で撮像した映像を表示する表示装置を有する操作部と、
    前記撮像部又は前記操作部の一方の筐体に固定された第1のヒンジプレートと、前記撮像部又は前記操作部の他方の筐体に固定された第2のヒンジプレートと、前記第1のヒンジプレートと一体的に回動し、且つ、前記第2のヒンジプレートに対して回動自在に配置される端部にギアを備えたヒンジシャフトと、を有すると共に、前記撮像部と前記操作部とを回動可能に連結するヒンジ機構と、
    前記他方の筐体に収容されたフリクションギアと、を備え、
    前記ギアが前記フリクションギアと噛み合うことにより前記ヒンジ機構による回動にフリクションを与えることを特徴とする電子カメラ。
  2. 前記第1のヒンジプレートに設けた係止部と、前記ヒンジシャフトに設けた該係止部に係止する被係止部と、前記ヒンジシャフトの他端部に嵌入する抜け止め部材と、を備え、
    前記係止部が前記被係止部に係止することにより前記第1のヒンジプレートと前記ヒンジシャフトとが一体的に回動すると共に、前記抜け止め部材により前記第1のヒンジプレートから前記ヒンジシャフトの脱落を規制することを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
  3. 前記ヒンジシャフトの前記端部に設けたギアの径を、前記第2のヒンジレンズプレートに設けた前記ヒンジシャフトを挿通する挿通孔の径より大に構成することにより、前記第2のヒンジプレートから前記ヒンジシャフトの脱落を規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子カメラ。
  4. 前記フリクションギアの径を、前記ヒンジシャフトの最大径を最大とし、かつ、前記フリクション効果が得られる径としたことを特徴とする請求項1に記載した電子カメラ。
  5. 前記フリクションギアは回動角度検出用パターンを有し、カメラ筐体に設けられたポストにフリクション用弾性部材を介して回動自在にネジ止めされ、前記回動角度検出用パターンによって前記撮像部と操作部との相対的な回動角度を検出できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載した電子カメラ。
  6. 前記ヒンジシャフトは前記第1のヒンジプレートに設けた凸部に対応した凹部を有して回転止めされ、ヒンジシャフトの周囲に設けた凹部に挿入したCリングで抜け止めすることを特徴とする請求項1に記載した電子カメラ。
  7. 前記ヒンジシャフトは中空とし、該中空部に前記撮像部と操作部を結ぶ信号線を通せるようにしたことを特徴とする請求項1に記載した電子カメラ。
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