JP2005051451A - 電子カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置に上下を逆転させた画像を写すために撮影レンズと表示装置が自分の方を向いたことを検出するのみならず、撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を設定できる。
【解決手段】電子カメラの撮像部と操作部間の相対的角度変位とともに、撮像部と操作部それぞれの絶対角度位置を検知可能に構成し、それぞれの検知信号に基づいて表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置それぞれの少なくとも1の制御動作を行うために、前記撮像部が操作部に対し、レンズ光軸を通る回転周面と平行な面内で回転可能に構成するとともに、前記撮像部と操作部それぞれに前記平行な面内の傾き角を検知する傾きセンサを配置し、少なくとも前記センサ信号により撮像部と操作部間の相対的角度変位を演算する信号処理手段を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】電子カメラの撮像部と操作部間の相対的角度変位とともに、撮像部と操作部それぞれの絶対角度位置を検知可能に構成し、それぞれの検知信号に基づいて表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置それぞれの少なくとも1の制御動作を行うために、前記撮像部が操作部に対し、レンズ光軸を通る回転周面と平行な面内で回転可能に構成するとともに、前記撮像部と操作部それぞれに前記平行な面内の傾き角を検知する傾きセンサを配置し、少なくとも前記センサ信号により撮像部と操作部間の相対的角度変位を演算する信号処理手段を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラに関し、特に操作部と撮像部をヒンジ等の連結部材で連結し、撮像部を回動できるようにした電子カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどの撮像素子を備え、画像をデジタル的に記録できるようにした電子カメラは、従来のフィルムを用いたカメラのように現像、焼き付けなどが不用で撮った画像をすぐ見ることができ、しかもCCDなどの撮像素子は、1素子当たりの画素数が年々増大しているにもかかわらず従来のフィルムよりも小さく、それによってカメラ自体を小型に構成できるという利点がある。
【0003】
そのため例えば、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容できる薄さと強度を持ち、そういったところやハンドバックなどに収容しても違和感をおこさせない軽さで、しかも高倍率のズーム機構を備えた電子カメラの出現が望まれている。
【0004】
しかしながらズームレンズは、通常複数のレンズ群で構成され、しかも、そのうちのいくつかのレンズ群を進退させることで所望の焦点距離を得るようにしている。そのため、旧来のフィルムを使用したカメラのようにカメラ本体から撮影レンズを突出させるようにした方式では、撮影時以外はレンズを本体内に収納する沈胴式にしたとしても、レンズ枚数の多さとレンズ群を前後させる機構の存在で、カメラ本体を一定以下の厚さにするのは困難である。
【0005】
そのため、突出したレンズを電源オフ時にカメラ本体に収納する際、中間群のレンズを光軸外に移動させ、それによって薄型化を達成するようにしたカメラも出現しているが、このように中間レンズ群を移動させる方式は光学系の精度が悪化し、また中間レンズ群やレンズ鏡筒を電源オフによってカメラ本体に沈める方式そのものが、電源をオンしたときに撮影ができるようになるまで一定の時間を必要とするから、起動するまでの時間が長くなってシャッターチャンスを逃すという欠点がある。
【0006】
そのため特許文献1、2に示されているように、表示装置を有した操作部にヒンジ機構などの回転機構で回転可能に接続した撮像部に、撮影レンズとファインダと発光装置などを配して撮影レンズを被写体方向に向けられるようにし、しかも、表示装置は撮影者の方に向けるようにしたカメラが提案されている。このように電子カメラを構成すると、例えば撮影者(自分)を撮影したいという場合や、地面近傍の被写体を撮影する場合でも、撮像部を被写体に向けながら表示装置を常時確認することが可能となる。
【0007】
又この特許文献1、2に示された電子カメラにおいて、撮影された映像を常時同じ状態で表示装置に表示していると、表示装置で撮影状態を確認しながら撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置には上下が逆転した像が写されてしまう。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−261859号公報(図1)
【特許文献2】
特開2002−320120公報(図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1、2に示されたカメラは、操作部における電池収納部が他の部分より厚く構成されてグリップ部となっており、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合は違和感を感じさせてしまう。
そのため本発明においては、表示装置を有した操作部に回転可能に連結し、前記表示装置に撮影した映像を表示できるようにした電子カメラにおいて、撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置に上下を逆転させた画像を写すために撮影レンズと表示装置が自分の方を向いたことを検出するのみならず、撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を好ましい制御状態で設定でき、しかも簡単、安価で、複雑な機構を要しない電子カメラを提供することが課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明になる電子カメラ100は、図7に示すように、表示装置を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、撮像部101を被写体の方に向けたり(被写体撮像)、逆に回転させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分撮像)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。
このため電子カメラにおける画像の確認、記録を行うために必須となる表示装置を有する操作部側は、必ずしも鉛直面に沿って垂直に位置しているのではなく、上向き傾斜させたり下向き傾斜させたり、又はカメラを顔の上方に位置させて撮像部を下向きにして撮像したり、若しくはカメラを足下側に配置し、撮像部を上方に向けて撮像したり、種々撮影態様で撮像がおこなわれる。
【0011】
そしてこのような種々の撮像態様に基づいて画像を表示部に表示する際に反転させたり若しくは正転のまま表示させたり制御若しくは露光やズーム位置の制御を行う必要があるが、先願の特願2003−183625に示すように、これを操作部と撮像部を回転可能に連結するヒンジ機構に設けた撮像部の回動角検出素子により表示部の正反転制御を行っている。
しかしながら、カメラを顔の上方に位置させ若しくはカメラを足下側に配置しカメラの操作部を逆に向けている場合はたとえ自分撮りでも画像の反転の必要がなくこのような場合は正転表示が必要であり、前記先願技術ではこれに対応できない。
【0012】
そこで本発明は、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、撮像部と操作部間の相対的角度変位を検知する相対角度検知手段と、撮像部又は前記操作部の少なくとも一方の傾き角を検知する傾き角検知手段と、前記相対角度検知手段 相対的角度変位と前記傾き角検知手段の傾き角に応じて前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作、例えば表示部に表示する画像の反転動作を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで相対的角度変位や絶対角度や傾き角は連続的な角度のみを指すのではなく、正向きと逆向き若しくは自分向きか被写体向きかが判定できる程度の180°若しくは90°単位で測定できる判定信号が得られる程度の角度信号であってもよい。
【0013】
かかる発明によれば、種々の撮像態様を撮像部と操作部間の相対的角度変位とともに、撮像部と操作部の少なくとも一方の傾き角が検出できるため、撮像部と操作部それぞれの絶対角度を求めることができ、撮像部の絶対角度と操作部の絶対角度に応じて画像を表示部に表示する際に反転させたり若しくは正転のまま表示させたりする制御若しくは露光、発光やズーム位置の制御を行うことができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、かかる発明を具体的に達成するための装置構成で、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段とにより、前記撮像部と前記操作部間の相対的角度変位を演算する信号処理手段を設けたことを特徴とする。そして好ましくは、前記操作部と前記撮像部とを回動可能に連結するヒンジ機構を備え、前記傾き角検知手段は、前記ヒンジ機構より離間した前記撮像部と前記操作部のそれぞれの筐体の底部近傍に配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、別の発明として、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段の検知する2つの傾き角に応じて、前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作を行う第2の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
このように、傾きセンサは撮像部と操作部それぞれに、例えばレンズ光軸を通る回転周面と平行な面内の傾き角を検知するものであるから、両者を回動させるヒンジ機構の近傍に配置する必要はなく、ある程度離れた場所に設置できるため、機械的な接点や配線の引き回しが不用となって組み込み性が改善でき、また回動動作による信号線の断線等が回避できる。また、ヒンジ部にスイッチを搭載する必要がないため、ヒンジ機構を小型化することが可能となって、電子カメラのコンパクト化が可能となる。
もちろん前記発明は、前記先願技術のように撮像部と操作部間の相対的角度変位のセンサ信号に基づいて表示部に表示する画像の反転動作を行うことのみに動作させることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は、本発明になる電子カメラの一実施形態の全体斜視図、図2は図1の電子カメラのスケルトン枠体構成を示し、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの位置関係を示し、図7は、本発明になる電子カメラのレンズを被写体方向に向けて撮影するときのカメラのホールド状態を示す。
図中100は本発明になる電子カメラ、101は撮像部、102は操作部、103は撮影レンズ窓、104はストロボなどの発光装置、105は液晶などを用いた表示装置、106はシャッター釦、107は電源釦、108は十字キーと決定キーで構成され、表示装置105に表示された機能や項目を選択するための選択決定キー、109は光学系ズーミングを指示するズームキー、110はカメラモードメニューのオン、オフを切り替えるメニュー釦、111は表示装置105の表示内容と照明のオン、オフを切り替えるディスプレイ釦、112は表示装置105の表示内容をシーンセレクト選択画面に切り替えるシーン釦、113は絞り優先モードやシャッター優先モード、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択するモードセレクト釦、114はスピーカである。
【0019】
本発明になる電子カメラ100は、図1、図2、図7に示したように、操作部102側に表示装置105と一般的な撮影用操作釦類106乃至113を配し、この操作部102にヒンジ機構405で回動可能に接続された撮像部101の一端側には、撮影レンズ窓103、その操作部102側に発光装置104用の窓を配してある。そしてこの撮像部101の内部には、撮影レンズ窓103の背後に撮影用ズームレンズが、そしてその隣に、ズームレンズを構成するレンズ群を進退させるためのカム機構が配され、これらズームレンズとカム機構の奥側、すなわち撮影レンズ窓103と逆側に発光装置用コンデンサなどの電装部品が配されている。そして操作部102における撮影用操作釦類106乃至113は、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合でも引っかかりや違和感を感じさせないよう、操作部102の外カバーの平面から突出しないように設けられ、さらに、シャッター釦106は図7に示すように、カメラ100を右手で保持したときに人差し指で操作可能とし、ズームキー109、選択決定キー108、メニュー釦110、モードセレクト釦113などは、同じく右手でカメラ100を保持したとき、親指の届く範囲に配置して操作性を高めてある。
【0020】
そして本発明になる電子カメラ100は、表示装置105を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、図4及び図7に示したように撮像部101を被写体の方に向けたり、図5に示したように逆に回動させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。
【0021】
そしてこの電子カメラ100を使うときは、電源釦107を押下することで電源がオンとなるから、前記したように親指で各操作釦を操作し、モードセレクト釦113によって絞り優先モードやシャッター優先モードなどの撮影条件、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択する。そして必要に応じ、メニュー釦110を押下して表示装置105に例えば画像のサイズ、撮影感度、測光方式などの各種メニューを表示させ、十字キーと決定キーで構成された選択決定キー108の十字キーで項目を選択し、中央の決定釦で決定する。
【0022】
そして、図4に示したように被写体の方に撮影レンズ窓103を向けて撮影するときは、図7に示したように右手で操作部102側をホールドし、例えば左手の人差し指と中指で撮像部101の部分を挟んで撮影レンズ窓103を被写体に向ける。そして、表示装置105に映し出された被写体を見ながら右手親指で撮像部101のズームキー109を操作し、所定の倍率を選択して構図を決定した後、右手人差し指でシャッター釦106を押下することで自動的にピントと露出が決定され、内蔵されたCCDなどの撮像素子によって撮影された画像が内蔵されたメモリに記録するようになっている。
【0023】
こうして撮影が済んだら、モードセレクト釦113を操作して再生モードにすると、メモリに蓄えられた画像が表示装置105に表示され、選択決定キー108における十字キーを操作することで順次撮影した画像を表示させることができる。なお、動画撮影モードの場合は、全く同様にして動画をメモリに記録し、シーン釦112によって必要なシーンを選択し、スピーカ114によって音声も同時に再生させることができる。
【0024】
このように構成した本発明になる電子カメラ100の撮像部101と操作部102は、図2で示したようなヒンジ機構405で結合されている。図2は、本発明になる電子カメラ100の撮像部101と操作部102を結合するヒンジ機構405を撮像部101に組み込み、操作部102における上カバーと内部構成部品を取り去って結合部を示した斜視図である。
【0025】
図中303は操作部102側に設けられたサブ基板、308は操作部102の下カバー、500は撮像部101側を操作部102に対して回動させるヒンジシャフト、501は撮像部101側に固定され、ヒンジシャフト500をキー溝にて回転止めするヒンジレンズプレート、505はヒンジシャフト500のフランジでヒンジボディプレート502に対して回り止めするための突起511と512とが設けてある。
このヒンジ機構405におけるヒンジシャフト500とフランジ505により、を構成することにより、撮像部101と操作部102とをどのように回動させても、違和感無く撮影を行うことができる。
また、ヒンジシャフト500は中空に作られているから、撮像部101と操作部102を結ぶ信号線をこの中に通すことができ、機械的な接点などを用いることなく結線することができる。
【0026】
このように本発明によれば、電子カメラにおける撮像部の回動を、ヒンジ機構を構成するヒンジシャフトのフランジに設けた回動角検出用パターンと光電素子という簡単安価な構成で検出できるようにしたことにより、撮影レンズと表示装置が共に自分の方に向けられた場合、それを容易に検出でき、しかも光電素子はある程度離れた場所に設置できるから、従来装置のように機械的な接点や配線の引き回しが不用となって組み込み性が改善でき、また回動動作による信号線の断線等が回避できる。また、ヒンジ部にスイッチを搭載する必要がないため、ヒンジ機構を小型化することが可能となって、電子カメラのコンパクト化が可能となる。
【0027】
そして、前記ヒンジ機構405における前記ヒンジシャフト500に設けたフランジ505に所定角度毎にクリック用凹部を設けると共に、前記円形スプリングにクリック用突起を設け、該突起と前記ヒンジシャフトのフランジに設けた凹部によって前記撮像部を所定角度毎に係止できるよう構成したことにより、操作部に対して撮像部を所定角度毎に係止でき、より撮影のし易い電子カメラを提供することができる。
【0028】
さらに、前記ヒンジシャフトは中空とし、該中空部に前記撮像部と操作部を結ぶ信号線を通せるようにすることで、機械的な接点などを用いることなく結線することができる。
【0029】
次に本発明の要部構成を説明する。
本発明に用いる傾きセンサは図3の符号11、12で示すように例えば絶縁性のリング円ガラス130内に水銀131を封入し、外周側に90°単位で4つの接点A〜Dを上下左右に設け、一方内周側に信号印加電極132を設けることにより操作部及び撮像部の正向き、逆向き及び左右それぞれの水平位置の検知が可能な水銀センサ13を用いている。又球を使った接点構造で縦横検知可能な4方向の動きを検知可能なセンサとして周知である感震・傾斜センサを用いてもよい。
【0030】
そして本実施例では、前記傾きセンサ11、12を撮像部101では撮影レンズ窓の反対側の底部匡体の底部角隅部のデッドスペース位置に、又操作部102では電源釦の反対側の底部匡体のヒンジ機構405側角隅部のデッドスペース位置にそれぞれ配置している。
【0031】
図6は本発明になる電子カメラの制御ブロック図で撮像部101側には、CCD15とレンズ駆動系(不図示)とストロボ用の駆動系(不図示)及び傾きセンサ12の電装品が格納されている。
操作部102側にはCCDの画素信号をデジタル変換するアナログF/16E、操作キー17、角度検出回路18、それぞれの信号を処理する信号処理ユニット19、撮像した画像データを格納する画像格納メモリ20、該画像を正転、反転及び横向きで表示する表示ユニット21及び傾きセンサ11の電装品が格納されている。
次に、前記傾きセンサ11、12、角度検出回路15及び信号処理ユニット19との関係を図8の要部ブロック図に基づいて具体的に説明する。
【0032】
図3に示すように、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&A2の場合は、操作部102側と撮像部101が同一平面状態にあるために、撮像不可の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電を行わない。又この状態で再生ボタンを押した場合は表示部の画像は正転で表示する。
ここで、ユーザが撮影を続行する場合は、例えばシャッター釦106を押下することにより、撮影動作に移行することができる。また、この場合の露光は、明るい環境下であれば、通常ユーザは表示装置を見ながら撮影していると判断し、上向き撮像と推測し、ストロボ等の発光を弱く制御する。
操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がB1&B2若しくはD1&D2の場合も、操作部102側と撮像部101が同一平面状態にあるために、撮像不可の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電を行わない。例えばこの状態で再生ボタンを押した場合は表示部105の画像は対応する方向に90°変位させて右横若しくは左横向きで表示する。
また上記状態で、撮像部101側と操作部102側の一方を上側に、他方を下側にして、再生ボタンを押した場合に、同様に90°変位させて右横若しくは左横向きで表示してもよい。
傾きセンサ11、12の角度位置がC1&C2の場合で再生ボタンを押した場合は表示部の画像は逆転で表示する。
【0033】
図4において、撮像部101のレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサ11、12の角度位置を示す場合において、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&D2(自分撮り)若しくはB1&A2の場合(上向き撮像)及びD1&C2の場合(下向き撮像)は、撮像可能の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電若しくは駆動オンを行うとともに、この状態で撮像ボタンを押した場合は表示部の画像は正転で表示するが、B1&A2の場合(上向き撮像)は背景が空であるために露光を強め、D1&C2の場合(下向き撮像)は背景が地面であるために露光を弱めとする。
又傾きセンサ11、12の角度位置がC1&B2(逆転撮影)の場合は表示部の画像は反転で表示する。
【0034】
図5において、撮像部101のレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサ11、12の角度位置を示す場合において、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&B2(通常撮影)若しくはB1&C2の場合(下向き撮像)及びD1&A2の場合(上向き撮像)は、自分撮影の状態にあると判断し、ストロボの発光は弱めに設定するとともに、この状態で撮像ボタンを押した場合は表示部の画像は逆転で表示するが、D1&A2の場合(上向き撮像)は自分より後ろの背景が空であるために露光を強め、B1&C2の場合(下向き撮像)は自分より後ろの背景が地面であるために露光を弱めとする。
又傾きセンサ11、12の角度位置がC1&D2(逆転撮影)の場合は表示部の画像は正転で表示する。
尚本実施例で示す制御動作は1例であって撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を任意に設定できる。
また、図8に示すごとく、B1&B2、D1&D2の場合に撮像部101を非駆動としているが、B1&B2の場合、ユーザが上から表示装置の表示をみていると判断し、撮影可としてもよいし、D1&D2の場合、ハイアングルは撮影と判断し、撮影可としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置に上下を逆転させた画像を写すために撮影レンズと表示装置が自分の方を向いたことを検出するのみならず、撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を設定でき、しかも簡単、安価で、複雑な機構を要しない電子カメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電子カメラの一実施形態の全体斜視図である。
【図2】図1の電子カメラのスケルトン枠体構成を示し、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの位置関係を示す。
【図3】図2の応答図で、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの角度位置を示す。
【図4】撮像部のレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサの角度位置を示す図3応答図である。
【図5】図2の撮像部のレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサの角度位置を示す図3応答図である。
【図6】本発明になる電子カメラの制御ブロック図である。
【図7】本発明になる電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影するときのカメラのホールド状態を示した図である。
【図8】操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの制御動作を示すブロック図である。
【符号の説明】
11、12 傾きセンサ
18 傾き角度検出回路
19 信号処理ユニット
100 電子カメラ
101 撮像部
102 操作部
405 ヒンジ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラに関し、特に操作部と撮像部をヒンジ等の連結部材で連結し、撮像部を回動できるようにした電子カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどの撮像素子を備え、画像をデジタル的に記録できるようにした電子カメラは、従来のフィルムを用いたカメラのように現像、焼き付けなどが不用で撮った画像をすぐ見ることができ、しかもCCDなどの撮像素子は、1素子当たりの画素数が年々増大しているにもかかわらず従来のフィルムよりも小さく、それによってカメラ自体を小型に構成できるという利点がある。
【0003】
そのため例えば、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容できる薄さと強度を持ち、そういったところやハンドバックなどに収容しても違和感をおこさせない軽さで、しかも高倍率のズーム機構を備えた電子カメラの出現が望まれている。
【0004】
しかしながらズームレンズは、通常複数のレンズ群で構成され、しかも、そのうちのいくつかのレンズ群を進退させることで所望の焦点距離を得るようにしている。そのため、旧来のフィルムを使用したカメラのようにカメラ本体から撮影レンズを突出させるようにした方式では、撮影時以外はレンズを本体内に収納する沈胴式にしたとしても、レンズ枚数の多さとレンズ群を前後させる機構の存在で、カメラ本体を一定以下の厚さにするのは困難である。
【0005】
そのため、突出したレンズを電源オフ時にカメラ本体に収納する際、中間群のレンズを光軸外に移動させ、それによって薄型化を達成するようにしたカメラも出現しているが、このように中間レンズ群を移動させる方式は光学系の精度が悪化し、また中間レンズ群やレンズ鏡筒を電源オフによってカメラ本体に沈める方式そのものが、電源をオンしたときに撮影ができるようになるまで一定の時間を必要とするから、起動するまでの時間が長くなってシャッターチャンスを逃すという欠点がある。
【0006】
そのため特許文献1、2に示されているように、表示装置を有した操作部にヒンジ機構などの回転機構で回転可能に接続した撮像部に、撮影レンズとファインダと発光装置などを配して撮影レンズを被写体方向に向けられるようにし、しかも、表示装置は撮影者の方に向けるようにしたカメラが提案されている。このように電子カメラを構成すると、例えば撮影者(自分)を撮影したいという場合や、地面近傍の被写体を撮影する場合でも、撮像部を被写体に向けながら表示装置を常時確認することが可能となる。
【0007】
又この特許文献1、2に示された電子カメラにおいて、撮影された映像を常時同じ状態で表示装置に表示していると、表示装置で撮影状態を確認しながら撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置には上下が逆転した像が写されてしまう。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−261859号公報(図1)
【特許文献2】
特開2002−320120公報(図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1、2に示されたカメラは、操作部における電池収納部が他の部分より厚く構成されてグリップ部となっており、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合は違和感を感じさせてしまう。
そのため本発明においては、表示装置を有した操作部に回転可能に連結し、前記表示装置に撮影した映像を表示できるようにした電子カメラにおいて、撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置に上下を逆転させた画像を写すために撮影レンズと表示装置が自分の方を向いたことを検出するのみならず、撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を好ましい制御状態で設定でき、しかも簡単、安価で、複雑な機構を要しない電子カメラを提供することが課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明になる電子カメラ100は、図7に示すように、表示装置を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、撮像部101を被写体の方に向けたり(被写体撮像)、逆に回転させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分撮像)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。
このため電子カメラにおける画像の確認、記録を行うために必須となる表示装置を有する操作部側は、必ずしも鉛直面に沿って垂直に位置しているのではなく、上向き傾斜させたり下向き傾斜させたり、又はカメラを顔の上方に位置させて撮像部を下向きにして撮像したり、若しくはカメラを足下側に配置し、撮像部を上方に向けて撮像したり、種々撮影態様で撮像がおこなわれる。
【0011】
そしてこのような種々の撮像態様に基づいて画像を表示部に表示する際に反転させたり若しくは正転のまま表示させたり制御若しくは露光やズーム位置の制御を行う必要があるが、先願の特願2003−183625に示すように、これを操作部と撮像部を回転可能に連結するヒンジ機構に設けた撮像部の回動角検出素子により表示部の正反転制御を行っている。
しかしながら、カメラを顔の上方に位置させ若しくはカメラを足下側に配置しカメラの操作部を逆に向けている場合はたとえ自分撮りでも画像の反転の必要がなくこのような場合は正転表示が必要であり、前記先願技術ではこれに対応できない。
【0012】
そこで本発明は、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、撮像部と操作部間の相対的角度変位を検知する相対角度検知手段と、撮像部又は前記操作部の少なくとも一方の傾き角を検知する傾き角検知手段と、前記相対角度検知手段 相対的角度変位と前記傾き角検知手段の傾き角に応じて前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作、例えば表示部に表示する画像の反転動作を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで相対的角度変位や絶対角度や傾き角は連続的な角度のみを指すのではなく、正向きと逆向き若しくは自分向きか被写体向きかが判定できる程度の180°若しくは90°単位で測定できる判定信号が得られる程度の角度信号であってもよい。
【0013】
かかる発明によれば、種々の撮像態様を撮像部と操作部間の相対的角度変位とともに、撮像部と操作部の少なくとも一方の傾き角が検出できるため、撮像部と操作部それぞれの絶対角度を求めることができ、撮像部の絶対角度と操作部の絶対角度に応じて画像を表示部に表示する際に反転させたり若しくは正転のまま表示させたりする制御若しくは露光、発光やズーム位置の制御を行うことができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、かかる発明を具体的に達成するための装置構成で、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段とにより、前記撮像部と前記操作部間の相対的角度変位を演算する信号処理手段を設けたことを特徴とする。そして好ましくは、前記操作部と前記撮像部とを回動可能に連結するヒンジ機構を備え、前記傾き角検知手段は、前記ヒンジ機構より離間した前記撮像部と前記操作部のそれぞれの筐体の底部近傍に配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、別の発明として、表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段の検知する2つの傾き角に応じて、前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作を行う第2の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
このように、傾きセンサは撮像部と操作部それぞれに、例えばレンズ光軸を通る回転周面と平行な面内の傾き角を検知するものであるから、両者を回動させるヒンジ機構の近傍に配置する必要はなく、ある程度離れた場所に設置できるため、機械的な接点や配線の引き回しが不用となって組み込み性が改善でき、また回動動作による信号線の断線等が回避できる。また、ヒンジ部にスイッチを搭載する必要がないため、ヒンジ機構を小型化することが可能となって、電子カメラのコンパクト化が可能となる。
もちろん前記発明は、前記先願技術のように撮像部と操作部間の相対的角度変位のセンサ信号に基づいて表示部に表示する画像の反転動作を行うことのみに動作させることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は、本発明になる電子カメラの一実施形態の全体斜視図、図2は図1の電子カメラのスケルトン枠体構成を示し、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの位置関係を示し、図7は、本発明になる電子カメラのレンズを被写体方向に向けて撮影するときのカメラのホールド状態を示す。
図中100は本発明になる電子カメラ、101は撮像部、102は操作部、103は撮影レンズ窓、104はストロボなどの発光装置、105は液晶などを用いた表示装置、106はシャッター釦、107は電源釦、108は十字キーと決定キーで構成され、表示装置105に表示された機能や項目を選択するための選択決定キー、109は光学系ズーミングを指示するズームキー、110はカメラモードメニューのオン、オフを切り替えるメニュー釦、111は表示装置105の表示内容と照明のオン、オフを切り替えるディスプレイ釦、112は表示装置105の表示内容をシーンセレクト選択画面に切り替えるシーン釦、113は絞り優先モードやシャッター優先モード、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択するモードセレクト釦、114はスピーカである。
【0019】
本発明になる電子カメラ100は、図1、図2、図7に示したように、操作部102側に表示装置105と一般的な撮影用操作釦類106乃至113を配し、この操作部102にヒンジ機構405で回動可能に接続された撮像部101の一端側には、撮影レンズ窓103、その操作部102側に発光装置104用の窓を配してある。そしてこの撮像部101の内部には、撮影レンズ窓103の背後に撮影用ズームレンズが、そしてその隣に、ズームレンズを構成するレンズ群を進退させるためのカム機構が配され、これらズームレンズとカム機構の奥側、すなわち撮影レンズ窓103と逆側に発光装置用コンデンサなどの電装部品が配されている。そして操作部102における撮影用操作釦類106乃至113は、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合でも引っかかりや違和感を感じさせないよう、操作部102の外カバーの平面から突出しないように設けられ、さらに、シャッター釦106は図7に示すように、カメラ100を右手で保持したときに人差し指で操作可能とし、ズームキー109、選択決定キー108、メニュー釦110、モードセレクト釦113などは、同じく右手でカメラ100を保持したとき、親指の届く範囲に配置して操作性を高めてある。
【0020】
そして本発明になる電子カメラ100は、表示装置105を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、図4及び図7に示したように撮像部101を被写体の方に向けたり、図5に示したように逆に回動させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。
【0021】
そしてこの電子カメラ100を使うときは、電源釦107を押下することで電源がオンとなるから、前記したように親指で各操作釦を操作し、モードセレクト釦113によって絞り優先モードやシャッター優先モードなどの撮影条件、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択する。そして必要に応じ、メニュー釦110を押下して表示装置105に例えば画像のサイズ、撮影感度、測光方式などの各種メニューを表示させ、十字キーと決定キーで構成された選択決定キー108の十字キーで項目を選択し、中央の決定釦で決定する。
【0022】
そして、図4に示したように被写体の方に撮影レンズ窓103を向けて撮影するときは、図7に示したように右手で操作部102側をホールドし、例えば左手の人差し指と中指で撮像部101の部分を挟んで撮影レンズ窓103を被写体に向ける。そして、表示装置105に映し出された被写体を見ながら右手親指で撮像部101のズームキー109を操作し、所定の倍率を選択して構図を決定した後、右手人差し指でシャッター釦106を押下することで自動的にピントと露出が決定され、内蔵されたCCDなどの撮像素子によって撮影された画像が内蔵されたメモリに記録するようになっている。
【0023】
こうして撮影が済んだら、モードセレクト釦113を操作して再生モードにすると、メモリに蓄えられた画像が表示装置105に表示され、選択決定キー108における十字キーを操作することで順次撮影した画像を表示させることができる。なお、動画撮影モードの場合は、全く同様にして動画をメモリに記録し、シーン釦112によって必要なシーンを選択し、スピーカ114によって音声も同時に再生させることができる。
【0024】
このように構成した本発明になる電子カメラ100の撮像部101と操作部102は、図2で示したようなヒンジ機構405で結合されている。図2は、本発明になる電子カメラ100の撮像部101と操作部102を結合するヒンジ機構405を撮像部101に組み込み、操作部102における上カバーと内部構成部品を取り去って結合部を示した斜視図である。
【0025】
図中303は操作部102側に設けられたサブ基板、308は操作部102の下カバー、500は撮像部101側を操作部102に対して回動させるヒンジシャフト、501は撮像部101側に固定され、ヒンジシャフト500をキー溝にて回転止めするヒンジレンズプレート、505はヒンジシャフト500のフランジでヒンジボディプレート502に対して回り止めするための突起511と512とが設けてある。
このヒンジ機構405におけるヒンジシャフト500とフランジ505により、を構成することにより、撮像部101と操作部102とをどのように回動させても、違和感無く撮影を行うことができる。
また、ヒンジシャフト500は中空に作られているから、撮像部101と操作部102を結ぶ信号線をこの中に通すことができ、機械的な接点などを用いることなく結線することができる。
【0026】
このように本発明によれば、電子カメラにおける撮像部の回動を、ヒンジ機構を構成するヒンジシャフトのフランジに設けた回動角検出用パターンと光電素子という簡単安価な構成で検出できるようにしたことにより、撮影レンズと表示装置が共に自分の方に向けられた場合、それを容易に検出でき、しかも光電素子はある程度離れた場所に設置できるから、従来装置のように機械的な接点や配線の引き回しが不用となって組み込み性が改善でき、また回動動作による信号線の断線等が回避できる。また、ヒンジ部にスイッチを搭載する必要がないため、ヒンジ機構を小型化することが可能となって、電子カメラのコンパクト化が可能となる。
【0027】
そして、前記ヒンジ機構405における前記ヒンジシャフト500に設けたフランジ505に所定角度毎にクリック用凹部を設けると共に、前記円形スプリングにクリック用突起を設け、該突起と前記ヒンジシャフトのフランジに設けた凹部によって前記撮像部を所定角度毎に係止できるよう構成したことにより、操作部に対して撮像部を所定角度毎に係止でき、より撮影のし易い電子カメラを提供することができる。
【0028】
さらに、前記ヒンジシャフトは中空とし、該中空部に前記撮像部と操作部を結ぶ信号線を通せるようにすることで、機械的な接点などを用いることなく結線することができる。
【0029】
次に本発明の要部構成を説明する。
本発明に用いる傾きセンサは図3の符号11、12で示すように例えば絶縁性のリング円ガラス130内に水銀131を封入し、外周側に90°単位で4つの接点A〜Dを上下左右に設け、一方内周側に信号印加電極132を設けることにより操作部及び撮像部の正向き、逆向き及び左右それぞれの水平位置の検知が可能な水銀センサ13を用いている。又球を使った接点構造で縦横検知可能な4方向の動きを検知可能なセンサとして周知である感震・傾斜センサを用いてもよい。
【0030】
そして本実施例では、前記傾きセンサ11、12を撮像部101では撮影レンズ窓の反対側の底部匡体の底部角隅部のデッドスペース位置に、又操作部102では電源釦の反対側の底部匡体のヒンジ機構405側角隅部のデッドスペース位置にそれぞれ配置している。
【0031】
図6は本発明になる電子カメラの制御ブロック図で撮像部101側には、CCD15とレンズ駆動系(不図示)とストロボ用の駆動系(不図示)及び傾きセンサ12の電装品が格納されている。
操作部102側にはCCDの画素信号をデジタル変換するアナログF/16E、操作キー17、角度検出回路18、それぞれの信号を処理する信号処理ユニット19、撮像した画像データを格納する画像格納メモリ20、該画像を正転、反転及び横向きで表示する表示ユニット21及び傾きセンサ11の電装品が格納されている。
次に、前記傾きセンサ11、12、角度検出回路15及び信号処理ユニット19との関係を図8の要部ブロック図に基づいて具体的に説明する。
【0032】
図3に示すように、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&A2の場合は、操作部102側と撮像部101が同一平面状態にあるために、撮像不可の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電を行わない。又この状態で再生ボタンを押した場合は表示部の画像は正転で表示する。
ここで、ユーザが撮影を続行する場合は、例えばシャッター釦106を押下することにより、撮影動作に移行することができる。また、この場合の露光は、明るい環境下であれば、通常ユーザは表示装置を見ながら撮影していると判断し、上向き撮像と推測し、ストロボ等の発光を弱く制御する。
操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がB1&B2若しくはD1&D2の場合も、操作部102側と撮像部101が同一平面状態にあるために、撮像不可の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電を行わない。例えばこの状態で再生ボタンを押した場合は表示部105の画像は対応する方向に90°変位させて右横若しくは左横向きで表示する。
また上記状態で、撮像部101側と操作部102側の一方を上側に、他方を下側にして、再生ボタンを押した場合に、同様に90°変位させて右横若しくは左横向きで表示してもよい。
傾きセンサ11、12の角度位置がC1&C2の場合で再生ボタンを押した場合は表示部の画像は逆転で表示する。
【0033】
図4において、撮像部101のレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサ11、12の角度位置を示す場合において、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&D2(自分撮り)若しくはB1&A2の場合(上向き撮像)及びD1&C2の場合(下向き撮像)は、撮像可能の状態にあると判断し、ストロボ等の撮像系の充電若しくは駆動オンを行うとともに、この状態で撮像ボタンを押した場合は表示部の画像は正転で表示するが、B1&A2の場合(上向き撮像)は背景が空であるために露光を強め、D1&C2の場合(下向き撮像)は背景が地面であるために露光を弱めとする。
又傾きセンサ11、12の角度位置がC1&B2(逆転撮影)の場合は表示部の画像は反転で表示する。
【0034】
図5において、撮像部101のレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサ11、12の角度位置を示す場合において、操作部102側と、撮像部101側それぞれに配置した傾きセンサ11、12の角度位置がA1&B2(通常撮影)若しくはB1&C2の場合(下向き撮像)及びD1&A2の場合(上向き撮像)は、自分撮影の状態にあると判断し、ストロボの発光は弱めに設定するとともに、この状態で撮像ボタンを押した場合は表示部の画像は逆転で表示するが、D1&A2の場合(上向き撮像)は自分より後ろの背景が空であるために露光を強め、B1&C2の場合(下向き撮像)は自分より後ろの背景が地面であるために露光を弱めとする。
又傾きセンサ11、12の角度位置がC1&D2(逆転撮影)の場合は表示部の画像は正転で表示する。
尚本実施例で示す制御動作は1例であって撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を任意に設定できる。
また、図8に示すごとく、B1&B2、D1&D2の場合に撮像部101を非駆動としているが、B1&B2の場合、ユーザが上から表示装置の表示をみていると判断し、撮影可としてもよいし、D1&D2の場合、ハイアングルは撮影と判断し、撮影可としてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、撮影者(自分)を撮影するために撮影レンズと表示装置を自分の方に向けた場合、表示装置に上下を逆転させた画像を写すために撮影レンズと表示装置が自分の方を向いたことを検出するのみならず、撮像若しくは再生状態にあわせて好ましい露光、フラッシュ等の発光強度若しくは表示部のバックライト強度を設定でき、しかも簡単、安価で、複雑な機構を要しない電子カメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電子カメラの一実施形態の全体斜視図である。
【図2】図1の電子カメラのスケルトン枠体構成を示し、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの位置関係を示す。
【図3】図2の応答図で、特に操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの角度位置を示す。
【図4】撮像部のレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサの角度位置を示す図3応答図である。
【図5】図2の撮像部のレンズをカメラ操作者(自分)方向に向けた撮影状態を示した傾きセンサの角度位置を示す図3応答図である。
【図6】本発明になる電子カメラの制御ブロック図である。
【図7】本発明になる電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影するときのカメラのホールド状態を示した図である。
【図8】操作部側と、撮像部側それぞれに配置した傾きセンサの制御動作を示すブロック図である。
【符号の説明】
11、12 傾きセンサ
18 傾き角度検出回路
19 信号処理ユニット
100 電子カメラ
101 撮像部
102 操作部
405 ヒンジ機構
Claims (4)
- 表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、撮像部と操作部間の相対的角度変位を検知する相対角度検知手段と、前記撮像部又は前記操作部の少なくとも一方の傾き角を検知する傾き角検知手段と、前記相対角度検知手段の相対的角度変位と前記傾き角検知手段の傾き角に応じて前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作を行う制御手段とを備えたことを特徴とする電子カメラ。
- 表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段とにより、前記撮像部と前記操作部間の相対的角度変位を演算する信号処理手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。
- 表示装置を有した操作部と、該操作部に回動可能に連結され、撮影用レンズ機構で受光した画素信号を操作部側回路に送り前記表示装置に画像表示可能な撮像部と、前記撮像部に配置した傾き角を検知する第1の傾き角検知手段と、前記操作部に配置した傾き角を検知する第2の傾き角検知手段と、前記第1の傾き角検知手段と前記第2の傾き角検知手段の検知する2つの傾き角に応じて、前記表示部に表示する画像の制御、露光、発光及びズーム位置の少なくとも1の制御動作を行う第2の制御手段とを備えたことを特徴とする電子カメラ。
- 前記操作部と前記撮像部とを回動可能に連結するヒンジ機構を備え、前記傾き角検知手段は、前記ヒンジ機構より離間した前記撮像部と前記操作部のそれぞれの筐体の底部近傍に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子カメラ。
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Cited By (1)
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KR20110054314A (ko) * | 2009-11-17 | 2011-05-25 | 삼성전자주식회사 | 디지털 영상 처리 장치 및 디지털 영상 처리 장치에서 촬영자를 인식하는 정도를 개선하는 방법 |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003205177A patent/JP2005051451A/ja active Pending
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KR20110054314A (ko) * | 2009-11-17 | 2011-05-25 | 삼성전자주식회사 | 디지털 영상 처리 장치 및 디지털 영상 처리 장치에서 촬영자를 인식하는 정도를 개선하는 방법 |
KR101630284B1 (ko) * | 2009-11-17 | 2016-06-14 | 삼성전자주식회사 | 디지털 영상 처리 장치 및 디지털 영상 처리 장치에서 촬영자를 인식하는 정도를 개선하는 방법 |
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