JP4287029B2 - 減圧弁型パイロット弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルなどの建設機械に備えられレバーやペダルなどの操作部材によって各種油圧アクチュエータを遠隔操作する油圧操作弁であり、パイロットポンプから供給されるパイロット圧を減圧して出力する減圧弁型パイロット弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械、例えば油圧ショベルは、複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプから油圧アクチュエータのそれぞれに供給される油圧の流れを制御する複数の方向切換弁と、これらの複数の方向切換弁のそれぞれを切換え操作するパイロット圧を出力するパイロット操作装置とを備えるものがある。
【0003】
このパイロット操作装置は、ペダルやレバーなどの操作部材を有するとともに、その操作部材の操作に応じて、パイロットポンプから供給されるパイロット圧を減圧し、この減圧したパイロット圧を、上述の複数の方向切換弁のうちの該当する方向切換弁のパイロット室に出力する減圧弁型パイロット弁を備えている。
【0004】
以下、従来の減圧弁型パイロット弁を図に基づいて説明する。
【0005】
図5は従来の減圧弁型パイロット弁が備えられる建設機械を示す側面図、図6は図5に示す建設機械の平面図、図7は従来の減圧弁型パイロット弁を示す断面図、図8は図7に示す従来の減圧弁型パイロット弁におけるレバー変位、パイロット圧、方向切換弁変位、モータ有効圧力を示すタイムチャートである。
【0006】
従来の減圧弁型パイロット弁は、建設機械、例えば図5,6に示す油圧ショベルに備えられている。この油圧ショベルは、作動体、すなわち旋回体1、走行体2、ブーム8、アーム9、およびバケット10を備え、これらを駆動する複数の油圧アクチュエータ、すなわち旋回モータ3、左右の走行モータ5,7、ブームシリンダ11、アームシリンダ12、およびバケットシリンダ13を備えている。また、これらの油圧アクチュエータ3,5,7,11,12,13のそれぞれに供給される圧油の流れを制御する複数の方向切換弁を備えている。
【0007】
従来の減圧弁型パイロット弁14は、例えば図7に示すように、走行モータ5に供給される圧油の流れを制御する方向切換弁27に接続されている。この方向切換弁27は、パイロット室27a,27bを備え、パイロット管路26a,26bを介して減圧弁型パイロット弁14の出力ポート25a,25bに接続されている。また、走行モータ5へ圧油を供給する油圧ポンプ31、および作動油タンク32に接続されるとともに、主管路28a,28bを介して走行モータ5に接続されている。なお、主管路28a,28b間には、クロスオーバリリーフ弁30が設けられている。
【0008】
この減圧弁型パイロット弁14は、同図7に示すように、リリーフ弁34に接続され最高吐出圧力が規定されたパイロットポンプ33に接続されるポンプポート24と、上述の方向切換弁27のパイロット室27a,27bへパイロット圧を減圧して出力する上述の出力ポート25a,25bと、パイロット室27a,27bからの圧油を作動油タンク32へ戻すタンクポート23a,23bと、ケーシング35上部に回動可能に設けられた操作レバー15の操作に応じて、上下方向に摺動するロッド16a,16bと、これらのロッド16a,16bの移動に応じて上下方向に摺動し、出力ポート25a,25bをタンクポート23a,23bまたはポンプポート24に連通させる油通路20a,20bを有するスプール17a,17bと、ロッド16a,16bの移動に応じてスプール17a,17bに押下力を与える減圧用ばね18a,18bと、ロッド16a,16bに常に押上力を与える復帰用ばね19a,19bと、これらの復帰用ばね19a,19bおよび減圧用ばね18a,18bが配置されるばね室60a,60bとを備えている。
【0009】
特に、従来の減圧弁型パイロット弁14では、同図7の(A),(B)に示すように、上述の油通路20a,20bが、下端側で出力ポート25a,25bに開口する縦穴と、この縦穴の上端側で、この縦穴をポンプポート24またはタンクポート23a,23bに連通する横穴から成り、この横穴の開口部付近には、ノッチ21a,22a,21b,22bが設けられている。
【0010】
このように構成された従来の減圧弁型パイロット弁14は、走行モータ5を操作するに際し、次のように動作する。
【0011】
操作レバー15が中立位置のときには、スプール17a,17bは中立位置にある。このとき、出力ポート25a,25bと作動油タンク32の圧力は同じ状態、すなわち、方向切換弁27は、パイロット室27a,27bがパイロット管路26a,26b、出力ポート25a,25b、油通路20a,20b、ノッチ21a,21b、およびタンクポート23a,23bを介して作動油タンク32に連通しているので、中立状態にある。
【0012】
次に、図8(a)に示すように、時刻t1から時刻t4で操作レバー15を例えばロッド16a側に傾倒させると、このロッド16aは下方に移動し、減圧用ばね18aを介してスプール17aを押し下げる。
【0013】
これに伴なって、ノッチ21aは、タンクポート23aと出力ポート25aの連通を緩やかに断つ。これにより、操作レバー15が変位し始めてからパイロット圧が立上るまでに時間(t2−t1)の余裕を設け、誤操作したときにはこの時間(t2−t1)で対処するようにしている。
【0014】
一方、ノッチ22aは、スプール17aが下方へ移動すると、ポンプポート24と出力ポート25aを緩やかに連通し始める。これにより、油通路20aに圧力が発生し、スプール17aの下端面に圧力が作用する、すなわちスプール17aに押上力が作用する。このとき、ポンプポート24のポンプ圧力がノッチ21a,22aと油通路20aとによって減圧されて、出力ポート25aの圧力が設定される。そして、最終的には上述の押上力、すなわち出力ポート25aの圧力とばね力が釣り合う位置でスプール17aが停止する。すなわち、同図8(b)に示すように、時刻t2で減圧作用が始まってパイロット圧が立ち上がり、スプール17aが停止する時刻t4で操作レバー15の操作位置に応じたパイロット圧が出力されるようになる。
【0015】
このようにしてパイロット圧が出力されると、方向切換弁27は、同図8(c)に示すように、パイロット圧が所定の圧力値に達した時刻t3で切り換わり始め、時刻t5で切り換わりが完了する。なお、方向切換弁27が切り換わり始めるまでの応答の遅れ、すなわち時間(t3−t2)の遅れは、パイロットポンプ33からパイロット室27aに達するまでの圧損や、作動油の圧縮性、また作動油ホースなどの伸縮性によって定まる。
【0016】
そして、モータ有効圧力は、同図8(d)に示すように、方向切換弁27が切り換わり始めた時刻t3で立ち上がり始め、方向切換弁27が切り換わりを完了する時刻t5で安定する。これにより、走行モータ5は、操作レバー15の操作位置に応じて回転する。
【0017】
次に、同図8(a)に示すように時刻t6で操作レバー15を中立位置に戻すと、ロッド16aが復帰用ばね19aに押し上げられる。これにより、減圧用ばね18aがスプール17aを押し下げる力よりも圧油がスプール17aを押し上げる力の方が大きくなり、スプール17aは上方へ押し上げられる。そして、ノッチ21aが出力ポート25aとタンクポート23aを連通し、同図8(b)に示すように、時刻t6でパイロット圧が低下し始め、時刻t8で作動油タンク32と出力ポート25aの圧力が同じになる、すなわちスプール17aは中立位置に戻る。
【0018】
このようにしてパイロット圧が低下すると、方向切換弁27のパイロット室27aの圧油は、パイロット管路26a、出力ポート25a、油通路20a、ノッチ21a、およびタンクポート23aを通って作動油タンク32へ急速に戻り、これによりばね力で中立位置へと極めて速く切り換わる。つまり、同図8(c)に示すように、方向切換弁27は、パイロット圧が所定の圧力値まで下がった時刻t7で切り換わり始め、操作レバー15が中立位置に戻る時刻t11とほぼ同時刻t9に中立位置に戻り、油圧ポンプ31から主管路28aへの圧油の流れを断つ。
【0019】
このようにして方向切換弁17aが切り換わり始めると、走行モータ5の両端の圧力差、すなわちモータ有効圧力が減少する。そして、走行モータ5は走行体2に働く慣性によって回転し、主管路28aの圧油を吸込んで主管路28bに吐出するようになる。この間、方向切換弁27が極めて速く切り換わり、油圧ポンプ31から主管路28aに供給される圧力が急激に低下し、同図8(d)に示すように、主管路28a内の圧力は主管路28b内の圧力よりも小さくなり負圧に低下する。これにより、走行モータ5にはクロスオーバリリーフ弁30で設定されたブレーキ圧が発生し、走行モータ5が停止する。そして、クロスオーバリリーフ弁30が主管路28b内の圧力を主管路28aに送り、時刻t10でモータ有効圧力がほぼゼロに戻る。
【0020】
なお、以上の動作は、操作レバー15をロッド16b側に傾倒するときも同様となる。また、減圧弁型パイロット弁14を他のアクチュエータに接続した場合も同様に動作する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の減圧弁型パイロット弁14では、ノッチ21aの開口面積が大きすぎ、パイロット室27aから作動油タンク32への圧油の戻りが速すぎる。このため、方向切換弁27が中立位置へ極めて速く戻り、これに伴って走行モータ5には大きなブレーキ圧が急激に作用する。すなわち、同図8(d)に示すように、方向切換弁27が中立位置に完全に戻る時刻t9とほぼ同時に、つまり操作レバー15が中立位置に完全に戻る時刻t11とほぼ同時に、走行モータ5には最大値に近い値ブレーキ圧が発生する。これにより、走行モータ5によって駆動される走行体2を含め、この油圧ショベルに大きな衝撃が生じやすくなるという問題があった。
【0022】
なお、このような問題は、油圧ショベルに限らず、その他の作業機械でも同様であり、特に慣性の大きな作動体を駆動する油圧アクチュエータにおいて生じやすい。
【0023】
そして、このような問題が生じた場合には、油圧ショベルなどの作業機械の操作性を低下させ、これによりオペレータの疲労を増大させ、また機械の接合部分などの耐久性を損なう恐れがある。
【0024】
そこで、上述の問題を解決したものとして、実公平3−2722号公報には、パイロット管路26a,26bのそれぞれに圧力補償付流量制御弁を設けたのもが示されている。しかし、この公報に示されるものでは、構造が複雑でコストが増大するという別の問題がある。
【0025】
本発明の目的は、上述の問題を考慮してなされたもので、簡単な構造でアクチュエータの急激な停止を防止できる減圧弁型パイロット弁を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、本体を形成するケーシングと、パイロットポンプからパイロット圧を供給されるポンプポートと、油圧アクチュエータへ供給される圧油の流れを制御する方向切換弁のパイロット室に、減圧した前記パイロット圧を出力する出力ポートと、前記パイロット室からの圧油を作動油タンクへ戻すタンクポートと、前記ケーシング上部に回動可能に設けられた操作部材の操作に応じて上下方向に摺動するロッドと、このロッドの移動に応じて上下方向に摺動し、前記出力ポートを前記タンクポートまたは前記ポンプポートに連通させる油通路を有するスプールと、前記ロッドの移動に応じて前記スプールに押下力を与える減圧用ばねと、前記ロッドに常に押上力を与える復帰用ばねと、この復帰用ばねおよび前記減圧用ばねが配置されるばね室とを備える減圧弁型パイロット弁において、
前記油通路が、下端側で前記出力ポートに開口する縦穴と、この縦穴を前記タンクポートまたは前記ポンプポートに連通する横穴から成り、
前記スプールが、前記ケーシングに摺接可能な小径部と、この小径部の下端に設けられ、前記ケーシングに摺接しないステム部と、このステム部の下端で前記横穴を含む部分に設けられ、前記ケーシングに摺接しない中径部と、この中径部の下端に設けられ、前記ケーシングに摺接する大径部とを備え、
前記中径部の上端面に設けられ、前記出力ポートから前記タンクポートへの圧油の絞り操作が可能な絞り部を備える構成にしている。
【0027】
このように構成した請求項1に係る発明では、アクチュエータを停止させる際に、次のように動作する。
【0028】
操作部材を操作位置から中立位置に戻すと、ロッドが復帰用ばねに押し上げられる。これにより、減圧用ばねがスプールを押し下げる力よりも圧油がスプールを押し上げる力のほうが大きくなり、スプールは押し上げられ、出力ポートとポンプポートの連通が断たれる。
【0029】
一方、出力ポートとタンクポートが連通する。スプールがさらに押し上げられると、このスプールの中径部の上端面がケーシングに当接する。
【0030】
このとき、ステム部とケーシングの間、絞り部とケーシングの間、および中径部とケーシングの間とによって、ばね室と油通路を連通する油道が形成され、絞り部によって圧油の流れが絞られる。これにより、出力ポートの圧力が緩やかに低下する。すなわち、パイロット室に与えられるパイロット圧が緩やかに低下し、方向切換弁がゆっくりと中立位置に切り換わる。したがって、アクチュエータを緩やかに停止させることができる。
【0031】
また、請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記アクチュエータが、慣性の大きい作動体を駆動するアクチュエータであることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の減圧弁型パイロット弁の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態を示す断面図、図2は図1に示す実施形態の要部拡大図、図3は図2に示すスプールのA断面図、図4は図1に示す実施形態におけるレバー変位、パイロット圧、方向切換弁変位、モータ有効圧力の関係を示すタイムチャートである。なお、図1〜図3に付した符号のうち、前述の図5〜8に示した構成要素と同等のものには同じ符号を付してある。
【0034】
本実施形態は、前述の従来技術と同様に、例えば前述の図5,6に示す油圧ショベルに備えられるものである。すなわち、この油圧ショベルは、作動体、すなわち旋回体1、走行体2、ブーム8、アーム9、およびバケット10を備え、これらを駆動する油圧アクチュエータ、すなわち旋回モータ3、左右の走行モータ5,7、ブームシリンダ11、アームシリンダ12、およびバケットシリンダ13を備えている。また、アクチュエータ3,5,7,11,12,13のそれぞれへ圧油を供給する油圧ポンプ31と、この油圧ポンプ31からアクチュエータ3,5,7,11,12,13へ供給される圧油の流れを制御する複数の方向切換弁を備えている。
【0035】
本実施形態の減圧弁型パイロット弁53は、例えば前述の図5に示すものと同様の方向切換弁27に接続されている。すなわち、方向切換弁27は、図1に示すように、パイロット室27a,27bを備え、パイロット管路26a,26bを介して減圧弁型パイロット弁53の出力ポート25a,25bに接続されている。また、走行モータ5へ圧油を供給する油圧ポンプ31、作動油タンク32に接続され、主管路28a,28bを介して走行モータ5に接続されている。なお、主管路28a,28b間には、クロスオーバリリーフ弁30が設けられている。
【0036】
そして、減圧弁型パイロット弁53は、同図1に示すように、リリーフ弁34によって最高吐出圧力が規定されるパイロットポンプ33に接続されるポンプポート24と、上述の方向切換弁27のパイロット室27a,27bに減圧されたパイロット圧を出力する出力ポート25a,25bと、パイロット室27a,27bからの圧油を作動油タンク32へ戻すタンクポート23a,23bとを備えている。また、ケーシング52上部に回動可能に設けられる操作レバー15と、この操作レバー15の操作に応じて上下方向に摺動するロッド16a,16bと、これらのロッド16a,16bに押圧されて伸縮する減圧ばね18a,18bと、これらの減圧ばね18a,18bの伸縮に応じて押下力が与えられ、上下方向に摺動するスプール40a,40bとを備えている。また、ロッド16a,16bに常に押上力を与えている復帰用ばね19a,19bを備え、これらの復帰用ばね19a,19bと、上述の減圧用ばね18a,18bとが配置されるばね室60a,60bを備えている。
【0037】
上述のスプール40a,40bには、このスプール40a,40bの移動に応じて出力ポート25a,25bを、タンクポート23a,23bまたはポンプポート24に連通する油通路49a,49bを設けている。この油通路49a,49bは、下端側で出力ポート25a,25bに開口する縦穴と、この縦穴の上端側で、この縦穴をポンプポート24またはタンクポート23a,23bに連通する横穴から成る。
【0038】
特に、本実施形態では、図2,3に示すスプール40a,40bを備えている。すなわち、これらのスプール40a,40bのそれぞれは、ケーシング52に摺接可能な小径部41a,41bと、これらの小径部41a,41bのそれぞれの下端に設けられ、ケーシング52に摺接しないステム部42a,42bと、これらのステム部42a,42bのそれぞれの下端で上述の横穴を含む部分に設けられ、ケーシング52に摺接しない中径部43a,43bと、これらの中径部43a,43bのそれぞれの下端に設けられ、ケーシング52に摺接する大径部44a,44bとを備えている。さらに、上述の中径部43a,43bのそれぞれは、上端面に第1絞り部45a,46a,45b,46bを備えている。また、上述の大径部44a,44bのそれぞれは、上端面に第2絞り部47a,48a,47b,48bを備えている。
【0039】
つまり、これらのスプール40a,40bでは、図2に示すように、スプール40a,40bの中径部43a,43bの上端面がケーシング52に当接したときに、第1絞り部45a,46a,45b,46bとケーシング52の間、ステム部42a,42bとケーシング52の間、および中径部43a,43bとケーシング52の間とによって、油通路49a,49bとタンクポート23a,23bとを連通する油道50a,50bを形成するようにしている。また、小径部41a,41bの下端面、大径部44a,44bの上端面、ケーシング52に囲まれる部分によって差圧室を形成するようにしている。
【0040】
このように構成した本実施形態の減圧弁型パイロット弁53は、走行モータ5を停止から駆動させる際に、また駆動状態から停止させる際に、次のように動作する。
【0041】
まず、走行モータ5を操作するに際し、例えば操作レバー15を中立位置からロッド16a側に傾倒させた場合には、第2絞り部47a,48a、差圧室などの働きによって、レバー変位、パイロット圧、方向切換弁変位、およびモータ有効圧力の関係は、前述の図8(a)〜(d)と同様となる。すなわち、図4(a)に示すように時刻t1から時刻t4で操作レバー15を中立位置から所望の位置に操作すると、パイロット圧は同図4(b)に示すように時刻t2で立ち上がり始め、時刻t4で操作レバー15の操作位置に応じた圧力で安定する。そして、同図4(c)に示すように、時刻t3で方向切換弁27が切り換わり始め、時刻t5で切り換わりが完了する。また、同図4(d)に示すように、モータ有効圧力は時刻t3で立ち上がり始め、時刻t5で方向切換弁27の移動量に応じた圧力に安定する。
【0042】
次に、同図4(a)に示すように時刻t6で操作レバー15を操作位置から中立位置に戻すと、ロッド16aが復帰用ばね19aに押し上げられる。これにより、減圧ばね18aがスプール40aを押し下げる力よりも、出力ポート25aの圧油がスプール40aを押し上げる力の方が大きくなり、スプール40aは上方へ押し上げられていく。
【0043】
これに伴なって、大径部44aの上端面とケーシング52の間が徐々に閉じ、大径部44aの第2絞り部47a,48aが最終的にケーシング52で面シールされて、出力ポート25aとポンプポート24の連通が断たれる。
【0044】
一方、スプール40aの小径部41aの下端面とケーシング52の間が開く。そして、スプール40aがさらに押し上げられると、中径部43aの上端面がケーシング52に当接する。
【0045】
このとき、油通路49aとばね室60aの間には、中径部43aとケーシング52の間、第1絞り部45a,46aとケーシングの間、およびステム部42aとケーシング52の間によって、油道50aが形成される。これにより、出力ポート25aとタンクポート23aが連通し、方向切換弁27のパイロット室27aの圧油が、パイロット管路26a、出力ポート25a、油道50a、ばね室60a、タンクポート23aを介して作動油タンク32に戻るようになる。
【0046】
この間、油道50aでは、第1絞り部45a,46aが圧油の流れを絞るので、同図4(b)に示すように、パイロット圧は、時刻t6から時刻t8にかけて前述の図8に示した従来技術よりも緩やかに低下する。これにより、方向切換弁27のパイロット室27aに作用する圧力が緩やかに低下し、方向切換弁27は、同図4(c)に示すように、時刻t7から時刻t9にかけて従来技術よりもゆっくりと切り換わる。
【0047】
これに伴なって、走行モータ5に供給されるモータ有効圧力が減少する、すなわち走行モータ5の両端の圧力差は減少する。すると、走行モータ5は、走行体2の慣性の働きによって回転し、主管路28aの圧油を吸い込んで主管路28bに吐出すようになり、これにより主管路28a内の圧力が主管路28b内の圧力よりも小さくなり負圧に低下する。すなわち、走行モータ5に供給されるモータ有効圧力は、同図4(d)に示すように、方向切換弁27の切り換わり始めの時刻t7とほぼ同時刻に低下し始める。
【0048】
この間、方向切換弁27はゆっくり切り換わるので、油圧ポンプ31から主管路28aを介して走行モータ5へ供給される圧力が徐々に減少するとともに、主管路28bからタンク32への圧油の排出も徐々に減少する。これにより、主管路28a内の圧力が急激に減少することを防止でき、モータ有効圧力を緩やで小さな負圧に低下させることができるとともに、従来よりも緩やかなブレーキ圧を走行モータ5に発生させることができる。なお、本実施形態では、操作レバー15が中立位置に完全に戻る時刻t11付近で、ブレーキ圧が走行モータ5に発生するように設定している。
【0049】
そして、クロスオーバリリーフ弁30が作動し、主管路28b内の圧力が主管路28aに送られて、時刻t10でモータ有効圧力がほぼゼロに戻る。
【0050】
なお、上述のように出力ポート25aのパイロット圧が低下すると、このパイロット圧がスプール40aを押し上げる力と、減圧用ばね18aがスプール40aを押し下げる力とが釣り合い、スプール40aは中立位置となる。このとき、スプール40aの中径部43aの上端面とケーシング52の間が開くので、第1絞り部45a,46aが絞りとして機能しなくなり、パイロット室27aの圧力は急激に低下する。しかし、このとき既に方向切換弁27はばね力により中立位置への切り換わりをほぼ完了しているので、モータ有効圧力の低下にはほとんど影響しない。
【0051】
また、以上の動作は、操作レバー15をロッド27b側から中立位置へ戻すときも同様である。
【0052】
このように本実施形態では、スプール40a,40bを小径部41a,41b、ステム部42a,42b、中径部43a,43b、および大径部44a,44bで構成し、中径部43a,43bの上端面に第1絞り部45a,46a,45b,46bを設けた簡単な構造で、走行モータ5に大きなブレーキ圧が急激に作用するのを防止でき、走行体2を含む油圧ショベルに大きな衝撃が生じるのを防止することができる。したがって、油圧ショベルの操作性を向上させることができ、オペレータが疲労を軽減でき、また機械の接合部分などの耐久性の損失を低減することができるとともに、比較的安いコストで作製することができる。
【0053】
また、本実施形態では、走行モータ5に接続した減圧弁型パイロット弁53を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他のアクチュエータに接続してもよい。また、特に慣性の大きな作動体を駆動するアクチュエータに接続するのが効果的である。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明では、スプールを小径部、ステム部、中径部、および大径部で構成し、中径部の上端面に絞り部を設けた簡単な構造で、アクチュエータの停止時に大きなブレーキ圧が急激に作用するのを防止でき、この減圧弁型パイロット弁が備えられる建設機械に大きな衝撃が生じるのを防止することができる。したがって、建設機械の操作性を向上させることができ、オペレータの疲労を軽減でき、また機械の接合部分などの耐久性の損失を低減することができるとともに、比較的安いコストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧弁型パイロット弁の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す実施形態の要部拡大図である。
【図3】図2に示すスプールのA断面図である。
【図4】本実施形態におけるレバー変位、パイロット圧、方向切換弁変位、モータ有効圧力の関係を示すタイムチャートである。
【図5】従来の減圧弁型パイロット弁が備えられる建設機械を示す側面図である。
【図6】図5に示す建設機械の平面図である。
【図7】図5に示す建設機械に備えられる従来の減圧弁型パイロット弁を示す断面図である。
【図8】図7に示す従来の減圧弁型パイロット弁におけるレバー変位、パイロット圧、方向切換弁変位、モータ有効圧力の関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 走行体(作動体)
5 走行モータ(油圧アクチュエータ)
15 操作レバー(操作部材)
16a ロッド
18a 減圧用ばね
19a 復帰用ばね
23a ばね室(タンクポート)
24 ポンプポート
25a 出力ポート
27 方向切換弁
27a パイロット室
40a スプール
41a 小径部
42a ステム部
43a 中径部
44a 大径部
45a 第1絞り部(絞り部)
46a 第1絞り部(絞り部)
49a 油通路
52 ケーシング
53 減圧弁型パイロット弁

Claims (2)

  1. 本体を形成するケーシングと、パイロットポンプからパイロット圧を供給されるポンプポートと、油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁のパイロット室に、前記パイロット圧を減圧して出力する出力ポートと、前記パイロット室からの圧油を作動油タンクへ戻すタンクポートと、前記ケーシング上部に回動可能に設けられた操作部材の操作に応じて上下方向に摺動するロッドと、このロッドの移動に応じて上下方向に摺動し、前記出力ポートを前記タンクポートまたは前記ポンプポートに連通させる油通路を有するスプールと、前記ロッドの移動に応じて前記スプールに押下力を与える減圧用ばねと、前記ロッドに常に押上力を与える復帰用ばねと、この復帰用ばねおよび前記減圧用ばねが配置されるばね室とを備える減圧弁型パイロット弁において、
    前記油通路が、下端側で前記出力ポートに開口する縦穴と、この縦穴を前記タンクポートまたは前記ポンプポートに連通する横穴から成り、
    前記スプールが、前記ケーシングに摺接可能な小径部と、この小径部の下端に設けられ、前記ケーシングに摺接しないステム部と、このステム部の下端で前記横穴を含む部分に設けられ、前記ケーシングに摺接しない中径部と、この中径部の下端に設けられ、前記ケーシングに摺接する大径部とを備え、
    前記中径部の上端面に設けられ、前記出力ポートから前記タンクポートへの圧油の絞り操作が可能な絞り部を備えることを特徴とする減圧弁型パイロット弁。
  2. 前記アクチュエータが、慣性の大きい作動体を駆動するアクチュエータであることを特徴とする請求項1記載の減圧弁型パイロット弁。
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