JP3544173B2 - 油圧シリンダの再生切換弁 - Google Patents

油圧シリンダの再生切換弁 Download PDF

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    • F15BSYSTEMS ACTING BY MEANS OF FLUIDS IN GENERAL; FLUID-PRESSURE ACTUATORS, e.g. SERVOMOTORS; DETAILS OF FLUID-PRESSURE SYSTEMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F15B13/00Details of servomotor systems ; Valves for servomotor systems
    • F15B13/02Fluid distribution or supply devices characterised by their adaptation to the control of servomotors
    • F15B13/021Valves for interconnecting the fluid chambers of an actuator

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、油圧シリンダのロッド伸長時に、ロッド側油室の油をヘッド側油室へ再生してロッドの作動速度を速める再生切換弁に関し、詳しくは、再生と再生カットとを切換える圧力に所定の圧力差を設けた再生切換弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、油圧シリンダのピストン伸長時にロッド側の油をヘッド側へ再生してロッドの作動速度を速めようとする技術がある。この例として、油圧ショベルのアームに設けられた再生回路がある。
【0003】
この再生回路は、アーム引き作業のように負荷が自重のみの空中作動時には、ロッド側油室から排出する油をヘッド側油室へ供給する油に合流させて再生し、油圧ポンプからの油量が少なくても再生油量で補ってピストンのスピードを上げるように構成されている。そして、負荷が大きい地上作業時には、ロッド側油室からの油は再生カット(停止)され、油圧ポンプからの圧油のみによってシリンダが駆動されるように構成されている。
【0004】
この種の従来技術として、特公平4−57881号公報記載の発明がある。図4はこの発明に示された油圧ショベルのアームシリンダ作動システムを示す図であり、油圧シリンダによるアーム作動は、シリンダ51のヘッド側油室52に圧油を供給する掘削時等と、ロッド側油室53に圧油を供給するアーム上昇時等とがコントロール弁54によってコントロールされている。
【0005】
そして、このコントロール弁として、図5の油圧シリンダ作動システムの一例を示す油圧回路図のような油圧回路が記載されている。この油圧回路に設けられたコントロール弁54のロッド伸長側(左側)には、図のように油圧ポンプ55でヘッド側油室52へ圧油を供給するライン56と、ロッド側油室53からタンク57への戻りライン58と、チェック弁59を有してこれらのライン56,58を連通させるライン60とが設けられ、戻りライン58には、パイロットポンプ61の圧油を所定圧に減圧する減圧弁62からのパイロット圧で制御される絞り63が設けられている。
【0006】
このような再生切換弁による再生原理を、図6に示す油圧回路図を用いて以下に説明する。まず、アーム引きの無負荷時(空で作動している状態)には、油圧ポンプ55からヘッド側油室52へ▲1▼の流れで圧油が供給されるが、この圧油は低圧であるため、コントロール弁の再生カットスプール64は図示する状態(中立)にあり、ロッド側油室53の油は▲2▼の流れで再生される。この状態が再生状態である。
【0007】
次に、アーム引きの有負荷時(掘削状態)になると、掘削による抵抗でヘッド側油室52の圧力PHが上昇する。このPH圧が再生カット設定圧(例えば、120kg/cm)よりも低い時は、再生カットスプール64は中立のままであり、▲2▼の流れで再生状態が維持される。この時のアームシリンダの有効面積はΔA=AH−ARであり、掘削力はF1=PH×(AH−AR)である。
【0008】
そして、掘削を続けてヘッド側油室圧力PHが更に上昇して再生カット設定圧(120kg/cm)を越えると、再生カットスプール64が切替わる。この再生カットスプール64が切替わった状態が再生カット状態であり、ロッド側油室53の戻り油は▲3▼の流れでタンク57へ戻るため、ロッド側油室53の圧力PRが低下する。このロッド側油室53の圧力PRはタンク57と連通されてほぼゼロとなるため、アームシリンダ51が受ける有効面積はヘッド側油室52のAHとなり、再生カットスプール64が切替わる前よりも低い圧力PH(この例の場合、120kg/cm以下)で掘削が可能となる。この時の掘削力はF2=PH×AHである。
【0009】
その後、ヘッド側油室圧力PHが低下して再生カット設定圧(120kg/cm)よりも低くなると、再生カットスプール64が中立へ復帰し、ロッド側油室53の油が▲2▼の流れでヘッド側油室52へ流れて再生される。この状態が前記無負荷時の再生状態である。その後、ヘッド側油室52の圧力PHによって再生状態と再生カット状態とが繰り返される。
【0010】
図7は、このような再生流量とヘッド圧力との関係を示す線図であり、縦軸に再生流量、横軸にヘッド側油室圧力を示している。この図にように、前記シリンダの再生回路によれば、シリンダのヘッド側油室圧力PHが設定圧力「a点」に達するまではロッド側油室53の油はヘッド側油室52へ再生され、ヘッド側圧力PHが「a点」に達すると再生カットが始まって再生流量が減少し(この再生量が減少する量は、前記図5の絞り63の開口面積変化量による)、「b点」に達すると再生カットされて再生流量ゼロの通常のシリンダとして機能することとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記再生切換弁では、「a点」と「b点」の所定設定圧で再生又は再生カットを切換える構成であるため、この切換えの設定圧に近い圧力での作業を行う場合、再生状態から再生カット状態又は再生カット状態から再生状態への切換わりが頻繁に繰り返される。
【0012】
このように再生状態と再生カット状態とが頻繁に切換えられると、シリンダの受圧面積が大きくなったり小さくなったり変化しながら作業することとなるため、アームの動作が不安定になってスムーズに操作できないようなハンチング現象を生じてしまう。
【0013】
そのため、このような切換え設定圧に近い圧力で作業を行う場合には、アームをスムーズに操作することが困難となり、細かな制御を行うことができない場合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側油室とに供給する圧油の油路を有する本体スプールと、この本体スプール内でスプリングに抗して軸方向に移動可能なサブスプールとを有し、ロッド側油室からの戻り油をヘッド側油室へ再生油として供給できるようにした油圧シリンダの再生切換弁において、前記サブスプールの一方にスプリングの付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧作用部を設け、このサブスプールのもう一方にシリンダのヘッド側油室の圧力によってサブスプールをスプリング側に移動させる押圧ピストンを設け、前記サブスプールのパイロット圧作用部に、前記押圧ピストンで移動させるサブスプールで該パイロット圧作用部へ作用させたパイロット圧を閉止するとともに、このパイロット圧作用部の油圧を排出する切換機構を具備させている。
【0015】
これにより、シリンダのヘッド側油室の圧力でサブスプールを移動させる押圧ピストンを、パイロット圧とスプリングの力によって押圧ピストン側へ付勢する状態と、スプリングの力のみによって付勢する状態とに切換機構で切換えることができるので、再生状態から再生カット状態への切換え圧力と、再生カット状態から再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差(ヒステリシス)を設けることができ、この圧力差によって、同一作業時等に再生から再生カット又は再生カットから再生への切換えを頻繁に繰り返すことをなくし、再生切換え設定圧に近い圧力でもスムーズな作業を行うことができるようにしている。
【0016】
前記パイロット圧作用部を、サブスプールの一端が開放して外周側がスプール内を摺動する筒状に形成し、このパイロット圧作用部に、サブスプールの再生状態ではスプリング付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧導入部を設けるとともに、サブスプールの再生カット状態ではこのパイロット圧導入部を閉止してパイロット圧作用部の内圧を開放する排出部を設けて切換機構を構成すれば、サブスプールの構造によってパイロット圧を作用させる状態と、パイロット圧を閉止する状態とを切換えるようにできる。
【0017】
また、パイロット圧導入部を、スプール側導入孔とサブスプール側導入孔とで構成し、排出部を、スプール側排出孔とサブスプール側排出孔とで構成し、これら導入孔と排出孔とを、再生状態ではスプール側導入孔とサブスプール側導入孔とが連通し、再生カット状態ではスプール側排出孔とサブスプール側排出孔とが連通するように配設すれば、複数の孔を適切な位置に設けることにより、構造的に、サブスプールの移動によって再生状態と再生カット状態とを切換えて所定の圧力差を有する再生切換弁を構成することができる。
【0018】
さらに、筒状のパイロット圧作用部をバネ室に形成し、このバネ室内にスプリングを配設すれば、パイロット圧とスプリング力とを同一の箇所からサブスプールへ作用させることができ、サブスプールを付勢する構成を簡単な構造とすることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本願発明の一実施形態を示す再生切換弁の再生状態を示す断面図であり、図2は同再生切換弁の再生カット状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、便宜上図示する状態の上下左右に基づいて説明するが、切換弁の向きはこの実施形態に限定されるものではない。
【0021】
図1に示すように、本体スプール1の油路2がシリンダSのロッド側油室Rと連通され、油路3がヘッド側油室Hと連通されており、これらの油路2,3から油圧シリンダSのロッド側油室Rとヘッド側油室Hへ供給される圧油によってピストンPの伸縮が制御されている。なお、これらの油路2,3へ供給される油は、本体スプール1の切換えによって図示しないポンプから油路2又は油路3へ供給されている。
【0022】
この本体スプール1内には、一端にスプリング4が設けられるとともに、このスプリング4に抗した状態で軸方向(図の左右方向)に移動可能なサブスプール5が設けられている。このサブスプール5の移動量は、図の右端に設けられたスプリング4側から付勢されて左端に位置する図1の状態と、このスプリング4側の付勢に抗して右端に位置する図2の状態との間で可能となっている。また、本体スプール1の外周に接するように設けられた油路6はパイロット用ポンプ7と連通するパイロット圧供給路であり、油路8,9はタンク10に通じるドレンである。
【0023】
そして、サブスプール5のスプリング側には、スプリング4の付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧作用部Fが設けられている。この実施形態では、このパイロット圧作用部Fが、端部が開放して外周が本体スプール1内を摺動する筒状に形成されている。この筒状のパイロット圧作用部Fには、サブスプール5の再生状態ではスプリング付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧導入部Faが設けられるとともに、サブスプール5の再生カット状態ではパイロット圧導入部Faを閉止してパイロット圧作用部F内をタンク10(ドレン)へ開放する排出部Fbが設けられている。
【0024】
また、この実施形態では、パイロット圧導入部Faが、スプール側導入孔11とサブスプール側導入孔12とで構成され、排出部Fbが、スプール側排出孔13とサブスプール側排出孔14とで構成されている。これら導入孔11,12と排出孔13,14は、サブスプール5が左側に位置する図1の再生状態ではスプール側導入孔11とサブスプール側導入孔12とが連通し、サブスプール5が右側に位置する図2の再生カット状態ではスプール側排出孔13とサブスプール側排出孔14とが連通するように配設されている。
【0025】
このように複数の孔11〜14を適切な位置に設けることにより、構造的に、パイロット圧を作用させる状態と、パイロット圧を閉止する状態とに油の導通を切換えることができるようにしている。このサブスプール5の移動によってパイロット圧作用部Fへのパイロット圧を閉止、又はパイロット圧作用部Fの圧油を開放する構成が切換機構Gであり、この切換機構Gによって、再生状態と再生カット状態とを切換える圧力に、後述するような所定の圧力差(ヒステリシス)を設けている。
【0026】
さらに、この実施形態では、パイロット圧作用部Fを筒状のバネ室に形成し、このバネ室内の軸心にスプリング4が配設されている。この筒状のパイロット圧作用部Fからパイロット圧とスプリング力とをサブスプール5の軸心へ作用させている。
【0027】
一方、サブスプール5のもう一端には、シリンダSのヘッド側油室Hに作用する油圧によってサブスプール5をスプリング4側へ移動させる押圧ピストン15が設けられている。この押圧ピストン15は、本体スプール1内に固定された保持部材16の案内孔16aに沿って軸方向(図の左右方向)に移動可能なように構成されている。保持部材16には、前記ヘッド側油室Hの圧油の一部を本体スプール1の導入孔17から案内孔16aへ導入するための導入孔16bが設けられており、押圧ピストン15の左側に形成された油室18へ圧油を導入するように構成されている。
【0028】
この圧油が導入される油室18側の押圧ピストン15の端部には段部15aが形成されており、油室18に導入される少ない油量で押圧ピストン15をサブスプール5側へ移動させるように構成している。この導入孔16bから常に油が導入されているので、図示するように押圧ピストン15の右端は常にサブスプール5に当接している。
【0029】
さらに、サブスプール5の中間部には縮径部19が形成されており、この縮径部19と本体スプール1との間隙が、本体スプール1に形成された油路2に連通する通孔20と、油路3に連通する油路21に通じる通孔22とを連通させている。21aはチェック弁である。
【0030】
このように構成された再生切換弁Vは、図1に示す状態では、前記パイロット圧作用部Fのエッジ部が油路8に通じる絞り23を閉止して再生し、図2に示す状態では、サブスプール5が右側に移動してパイロット圧作用部Fのエッジ部が油路8に通じる絞り23を開放して再生カットする。
【0031】
以上のように構成された再生切換弁Vによる再生状態と再生カット状態との切換えを、前記図1,図2と、図3に示す再生切換弁における再生流量とヘッド側油室圧力との関係を示す線図に基づいて以下に説明する。
【0032】
すなわち、油圧シリンダSのピストンPを伸長させる時に、ヘッド側油室Hの油圧が設定圧力(図3に示す「a点」)よりも低い場合、図1に示す押圧ピストン15に作用する油室18の圧力が低いため、サブスプール5はスプリング4とパイロット圧作用部F内の圧力によって図の左方へ付勢された状態となる。この状態では、タンク10へ通じる油路8と連通する絞り23がサブスプール5のパイロット圧作用部Fによって閉止されているため、シリンダSのロッド側油室Rからの戻り油は通孔20からサブスプール5の縮径部19と本体スプール1の間隙を通って通孔22,油路21を介してヘッド側油室Hへ通じる油路3へと流れて再生油として利用される。この状態が再生状態であり、ヘッド側油室Hの圧力、すなわち押圧ピストン15の油室18内圧力が設定圧(図3に示す「a点」の圧力であり、例えば、120kg/cm) に達するまではこの状態が維持される。この再生時にサブスプール5に作用する力のバランスは、「PH×AP=Pi×As+kx 」である(PH:ヘッド側油室圧力、AP:押圧スプリング受圧面積、Pi:パイロット圧、AS:パイロット圧作用部受圧面積、k:スプリングバネ常数、x :スプリング取付時のタワミ量)。
【0033】
そして、シリンダSのピストンPに外力が作用してその反力でヘッド側油室Hの圧力が上昇し、押圧ピストン15の油室18内圧力が設定圧「a点」を越えると、この押圧ピストン15がスプリング4とパイロット圧で付勢されているサブスプール5を図の右側へ移動させ始める。この時の圧力は、押圧ピストン15の受圧面積APに作用する油圧が、スプリング4の力とパイロット圧作用部Fの受圧面積ASに作用するパイロット圧よりも大きくなり、サブスプール5をスプリング4とパイロット圧とに抗して移動させることとなる。サブスプール5が全ストローク移動させられた状態が図2に示す状態(図3の「b点」以上)であり、このようにサブスプール5を移動させると、タンク10へ通じる油路8に連通した絞り23を閉止しているパイロット圧作用部Fの基部が右方へ移動して絞り23の縮径部19側を開放しながら連通することとなる。この絞り23が縮径部19の間隙と連通すると、ロッド側油室Rの戻り油が油路2から通孔20,絞り23,油路8を介してタンク10へ戻って再生油量が減少し、サブスプール5が最右方まで移動させられた図2の状態では、ロッド側油室Rの戻り油は全量が油路8からタンク10へと戻される。この状態が図3に示す「b点」以上の再生カット状態であり、ロッド側油室Rの戻り油はタンクへ戻り、ヘッド側油室Hへは図示しないメインのタンクから所定圧の油が供給される。
【0034】
このように、サブスプール5が右方に移動させられる前の図1の状態では、スプール側導入孔11とサブスプール側導入孔12とが連通してパイロット圧作用部F内にパイロット圧を作用させ、サブスプール5が右方に移動させられた図2の状態では、スプール側導入孔11がパイロット圧作用部Fの周囲で塞がれてパイロット圧を閉止するとともに、パイロット圧作用部Fのサブスプール側排出孔14とスプール側排出孔13とが連通してパイロット圧作用部F内のパイロット油が油路9からタンク10(ドレン)へと抜けるようにしている。このようにパイロット圧作用部Fからパイロット圧が抜けると、スプリング4の力のみによってサブスプール5を左方へ付勢した状態となる。この状態が再生カットしている状態である。この再生カット時にサブスプール5に作用する力のバランスは、「PH×AP=PDr×AS+k(x +x)」となる(PDr:ドレン圧力、x:サブスプールストローク量)。この例では、ドレン圧力PDrがほぼゼロとなるため、「PH×AP=k(x +x)」となる。
【0035】
一方、このように再生カットしている状態からヘッド側油室Hの圧力が低下すると、サブスプール5を押圧している押圧ピストン15の油室18内圧力も低下する。この時の押圧ピストン15によるサブスプール5の押圧力は、前記したようにパイロット圧作用部F内からパイロット油が抜けた状態であるため、スプリング4の力のみに抗する力となっており、図3に示す「c点」のように、前記サブスプール5を右に移動させて再生カット状態に切換えた圧力「b点」よりも低い圧力「c点」となる。
【0036】
そのため、ヘッド側油室Hの圧力が低下して前記再生カット状態に切換わった圧力「b点」に達してもサブスプール5は左方へ戻らず、スプリング4による付勢力よりも低くなる図3の「c点」に達してから戻り始めることとなる。つまり、再生カット状態からの切換力を再生状態への切換力よりも小さくしている。
【0037】
そして、ヘッド側油室Hの圧力低下に伴って押圧ピストン15が左方に移動するとともにサブスプール5も移動し、タンク10へ通じる油路8、すなわち絞り23がパイロット圧作用部Fのエッジ部によって閉められ、所定の圧力「d点」で完全に閉止される。この状態が図1の状態であり、前記した再生状態に切換わった状態である。
【0038】
このようにロッド側油室Rの戻り油をヘッド側油室Hへ再生油として供給する再生状態への切換えと、前記したようにタンク10へ戻す再生カット状態への切換え圧力に所定の圧力差e(ヒステリシス)を設けることにより、この切換え設定圧付近の圧力で油圧シリンダSを使用する場合でも、再生又は再生カット状態との間で頻繁に切換わらないようにすることができる。この圧力差としては、例えば、再生状態から再生カット状態への切換え圧力「a点」を120kg/cm に設定し、再生カット状態から再生状態へ戻る切換え圧力「d点」を80kg/cm に設定すれば、40kg/cm の圧力差、つまりヒステリシスを有する切換え回路を形成することができる。
【0039】
その後、作業によってヘッド側油室Hの圧力が所定の圧力「a点」に達すると、前記再生状態から再生カット状態へと切換わり、その状態でヘッド側油室Hが低下して所定の圧力「c点」に達すると、前記再生カット状態から再生状態へと切換わるが、この切換わりの設定圧に所定の差を設けているので、ヘッド側油室の圧力の変動を受け難くなり、頻繁に切換わることなくスムーズな作業をすることが可能となる。つまり、ハンチングを防止した作業を行うことができる。
【0040】
なお、再生状態から再生カット状態へ切換わる圧力「a点」、および再生カット状態から再生状態へ切換わる圧力「d点」の圧力差は、パイロット圧作用部Fへ供給しているパイロット圧を調節することにより容易に変更することができる。これらの圧力は、産業機械の種類や作業内容等に応じて適宜設定すればよい。
【0041】
また、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0043】
再生又は再生カットするサブスプールを、パイロット圧とスプリングの力によって付勢する状態と、スプリングの力のみによって付勢する状態とに切換ることにより、再生状態から再生カット状態への切換え圧力と、再生カット状態から再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差を設けることができ、この圧力差によって再生状態と再生カット状態との切換えを頻繁に繰り返すことをなくしてスムーズな作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示す再生切換弁の再生状態を示す断面図である。
【図2】図1に示す再生切換弁の再生カット状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す再生切換弁における再生流量とヘッド圧力との関係を示す線図である。
【図4】従来の技術に示された油圧ショベルのアームシリンダ作動システムを示す図である。
【図5】従来の技術に示された油圧シリンダ作動システムの一例を示す油圧回路図である。
【図6】従来の再生切換弁による再生原理を説明するための油圧回路図である。
【図7】従来の再生切換弁による再生流量とヘッド圧力との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…本体スプール
2,3…油路
4…スプリング
5…サブスプール
6…油路
7…パイロット用ポンプ
8,9…油路
10…タンク
11…スプール側導入孔
12…サブスプール側導入孔
13…スプール側排出孔
14…サブスプール側排出孔
15…押圧ピストン
15a…段部
16…保持部材
16a…案内孔
16b…導入孔
17…導入孔
18…油室
19…縮径部
20,22…通孔
21…油路
S…油圧シリンダ
R…ロッド側油室
H…ヘッド側油室
P…ピストン
F…パイロット圧作用部
Fa…導入部
Fb…排出部
G…切換機構
AP…押圧スプリング受圧面積
AS…パイロット圧作用部受圧面積
PDr…ドレン圧力
PH…ヘッド側油室圧力
PR…パイロット圧力
V…再生切換弁

Claims (4)

  1. 油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側油室とに供給する圧油の油路を有する本体スプールと、該本体スプール内でスプリングに抗して軸方向に移動可能なサブスプールとを有し、ロッド側油室からの戻り油をヘッド側油室へ再生油として供給できるようにした油圧シリンダの再生切換弁において、
    前記サブスプールの一方にスプリングの付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧作用部を設け、該サブスプールのもう一方にシリンダのヘッド側油室の圧力によってサブスプールをスプリング側に移動させる押圧ピストンを設け、前記サブスプールのパイロット圧作用部に、前記押圧ピストンで移動させるサブスプールで該パイロット圧作用部へ作用させたパイロット圧を閉止するとともに、該パイロット圧作用部の油圧を排出する切換機構を具備させたことを特徴とする油圧シリンダの再生切換弁。
  2. パイロット圧作用部を、サブスプールの一端が開放して外周側がスプール内を摺動する筒状に形成し、該パイロット圧作用部に、サブスプールの再生状態ではスプリング付勢方向にパイロット圧を作用させるパイロット圧導入部を設けるとともに、サブスプールの再生カット状態では該パイロット圧導入部を閉止してパイロット圧作用部の内圧を開放する排出部を設けて切換機構を構成したことを特徴とする請求項1記載の油圧シリンダの再生切換弁。
  3. パイロット圧導入部を、スプール側導入孔とサブスプール側導入孔とで構成し、排出部を、スプール側排出孔とサブスプール側排出孔とで構成し、これら導入孔と排出孔とを、再生状態ではスプール側導入孔とサブスプール側導入孔とが連通し、再生カット状態ではスプール側排出孔とサブスプール側排出孔とが連通するように配設したことを特徴とする請求項2記載の油圧シリンダの再生切換弁。
  4. 筒状のパイロット圧作用部をバネ室に形成し、該バネ室内にスプリングを配設したことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の油圧シリンダの再生切換弁。
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