JP2002061604A - 油圧シリンダの再生切換弁 - Google Patents

油圧シリンダの再生切換弁

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JP2002061604A
JP2002061604A JP2000247192A JP2000247192A JP2002061604A JP 2002061604 A JP2002061604 A JP 2002061604A JP 2000247192 A JP2000247192 A JP 2000247192A JP 2000247192 A JP2000247192 A JP 2000247192A JP 2002061604 A JP2002061604 A JP 2002061604A
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    • F15FLUID-PRESSURE ACTUATORS; HYDRAULICS OR PNEUMATICS IN GENERAL
    • F15BSYSTEMS ACTING BY MEANS OF FLUIDS IN GENERAL; FLUID-PRESSURE ACTUATORS, e.g. SERVOMOTORS; DETAILS OF FLUID-PRESSURE SYSTEMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F15B13/00Details of servomotor systems ; Valves for servomotor systems
    • F15B13/02Fluid distribution or supply devices characterised by their adaptation to the control of servomotors
    • F15B13/021Valves for interconnecting the fluid chambers of an actuator

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生又は再生カットを切換える設定圧に近い
圧力で作業を行うと、再生状態と再生カット状態との間
で頻繁に切換わり、アームの動作が不安定になってスム
ーズに操作できないようなハンチング現象を生じる。 【解決手段】 シリンダSのヘッド側油室Hの圧力でサ
ブスプール5を移動させる押圧ピストン15を、パイロ
ット圧とスプリング4の力によって押圧ピストン側へ付
勢する状態と、スプリング4の力のみによって付勢する
状態とに切換機構Gで切換えることにより、再生状態か
ら再生カット状態への切換え圧力と、再生カット状態か
ら再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差を設け、こ
の圧力差によって、再生状態と再生カット状態との間で
頻繁に切換わらないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、油圧シリンダの
ロッド伸長時に、ロッド側油室の油をヘッド側油室へ再
生してロッドの作動速度を速める再生切換弁に関し、詳
しくは、再生と再生カットとを切換える圧力に所定の圧
力差を設けた再生切換弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、油圧シリンダのピス
トン伸長時にロッド側の油をヘッド側へ再生してロッド
の作動速度を速めようとする技術がある。この例とし
て、油圧ショベルのアームに設けられた再生回路があ
る。
【0003】この再生回路は、アーム引き作業のように
負荷が自重のみの空中作動時には、ロッド側油室から排
出する油をヘッド側油室へ供給する油に合流させて再生
し、油圧ポンプからの油量が少なくても再生油量で補っ
てピストンのスピードを上げるように構成されている。
そして、負荷が大きい地上作業時には、ロッド側油室か
らの油は再生カット(停止)され、油圧ポンプからの圧
油のみによってシリンダが駆動されるように構成されて
いる。
【0004】この種の従来技術として、特公平4−57
881号公報記載の発明がある。図4はこの発明に示さ
れた油圧ショベルのアームシリンダ作動システムを示す
図であり、油圧シリンダによるアーム作動は、シリンダ
51のヘッド側油室52に圧油を供給する掘削時等と、
ロッド側油室53に圧油を供給するアーム上昇時等とが
コントロール弁54によってコントロールされている。
【0005】そして、このコントロール弁として、図5
の油圧シリンダ作動システムの一例を示す油圧回路図の
ような油圧回路が記載されている。この油圧回路に設け
られたコントロール弁54のロッド伸長側(左側)に
は、図のように油圧ポンプ55でヘッド側油室52へ圧
油を供給するライン56と、ロッド側油室53からタン
ク57への戻りライン58と、チェック弁59を有して
これらのライン56,58を連通させるライン60とが
設けられ、戻りライン58には、パイロットポンプ61
の圧油を所定圧に減圧する減圧弁62からのパイロット
圧で制御される絞り63が設けられている。
【0006】このような再生切換弁による再生原理を、
図6に示す油圧回路図を用いて以下に説明する。まず、
アーム引きの無負荷時(空で作動している状態)には、
油圧ポンプ55からヘッド側油室52への流れで圧油
が供給されるが、この圧油は低圧であるため、コントロ
ール弁の再生カットスプール64は図示する状態(中
立)にあり、ロッド側油室53の油はの流れで再生さ
れる。この状態が再生状態である。
【0007】次に、アーム引きの有負荷時(掘削状態)
になると、掘削による抵抗でヘッド側油室52の圧力P
Hが上昇する。このPH圧が再生カット設定圧(例え
ば、120kg/cm2)よりも低い時は、再生カットスプー
ル64は中立のままであり、の流れで再生状態が維持
される。この時のアームシリンダの有効面積はΔA=A
H−ARであり、掘削力はF1=PH×(AH−AR)
である。
【0008】そして、掘削を続けてヘッド側油室圧力P
Hが更に上昇して再生カット設定圧(120kg/cm2)を
越えると、再生カットスプール64が切替わる。この再
生カットスプール64が切替わった状態が再生カット状
態であり、ロッド側油室53の戻り油はの流れでタン
ク57へ戻るため、ロッド側油室53の圧力PRが低下
する。このロッド側油室53の圧力PRはタンク57と
連通されてほぼゼロとなるため、アームシリンダ51が
受ける有効面積はヘッド側油室52のAHとなり、再生
カットスプール64が切替わる前よりも低い圧力PH
(この例の場合、120kg/cm2以下)で掘削が可能とな
る。この時の掘削力はF2=PH×AHである。
【0009】その後、ヘッド側油室圧力PHが低下して
再生カット設定圧(120kg/cm2)よりも低くなると、
再生カットスプール64が中立へ復帰し、ロッド側油室
53の油がの流れでヘッド側油室52へ流れて再生さ
れる。この状態が前記無負荷時の再生状態である。その
後、ヘッド側油室52の圧力PHによって再生状態と再
生カット状態とが繰り返される。
【0010】図7は、このような再生流量とヘッド圧力
との関係を示す線図であり、縦軸に再生流量、横軸にヘ
ッド側油室圧力を示している。この図にように、前記シ
リンダの再生回路によれば、シリンダのヘッド側油室圧
力PHが設定圧力「a点」に達するまではロッド側油室
53の油はヘッド側油室52へ再生され、ヘッド側圧力
PHが「a点」に達すると再生カットが始まって再生流
量が減少し(この再生量が減少する量は、前記図5の絞
り63の開口面積変化量による)、「b点」に達すると
再生カットされて再生流量ゼロの通常のシリンダとして
機能することとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記再
生切換弁では、「a点」と「b点」の所定設定圧で再生
又は再生カットを切換える構成であるため、この切換え
の設定圧に近い圧力での作業を行う場合、再生状態から
再生カット状態又は再生カット状態から再生状態への切
換わりが頻繁に繰り返される。
【0012】このように再生状態と再生カット状態とが
頻繁に切換えられると、シリンダの受圧面積が大きくな
ったり小さくなったり変化しながら作業することとなる
ため、アームの動作が不安定になってスムーズに操作で
きないようなハンチング現象を生じてしまう。
【0013】そのため、このような切換え設定圧に近い
圧力で作業を行う場合には、アームをスムーズに操作す
ることが困難となり、細かな制御を行うことができない
場合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、本願発明は、油圧シリンダのロッド側油室
とヘッド側油室とに供給する圧油の油路を有する本体ス
プールと、この本体スプール内でスプリングに抗して軸
方向に移動可能なサブスプールとを有し、ロッド側油室
からの戻り油をヘッド側油室へ再生油として供給できる
ようにした油圧シリンダの再生切換弁において、前記サ
ブスプールの一方にスプリングの付勢方向にパイロット
圧を作用させるパイロット圧作用部を設け、このサブス
プールのもう一方にシリンダのヘッド側油室の圧力によ
ってサブスプールをスプリング側に移動させる押圧ピス
トンを設け、前記サブスプールのパイロット圧作用部
に、前記押圧ピストンで移動させるサブスプールで該パ
イロット圧作用部へ作用させたパイロット圧を閉止する
とともに、このパイロット圧作用部の油圧を排出する切
換機構を具備させている。
【0015】これにより、シリンダのヘッド側油室の圧
力でサブスプールを移動させる押圧ピストンを、パイロ
ット圧とスプリングの力によって押圧ピストン側へ付勢
する状態と、スプリングの力のみによって付勢する状態
とに切換機構で切換えることができるので、再生状態か
ら再生カット状態への切換え圧力と、再生カット状態か
ら再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差(ヒステリ
シス)を設けることができ、この圧力差によって、同一
作業時等に再生から再生カット又は再生カットから再生
への切換えを頻繁に繰り返すことをなくし、再生切換え
設定圧に近い圧力でもスムーズな作業を行うことができ
るようにしている。
【0016】前記パイロット圧作用部を、サブスプール
の一端が開放して外周側がスプール内を摺動する筒状に
形成し、このパイロット圧作用部に、サブスプールの再
生状態ではスプリング付勢方向にパイロット圧を作用さ
せるパイロット圧導入部を設けるとともに、サブスプー
ルの再生カット状態ではこのパイロット圧導入部を閉止
してパイロット圧作用部の内圧を開放する排出部を設け
て切換機構を構成すれば、サブスプールの構造によって
パイロット圧を作用させる状態と、パイロット圧を閉止
する状態とを切換えるようにできる。
【0017】また、パイロット圧導入部を、スプール側
導入孔とサブスプール側導入孔とで構成し、排出部を、
スプール側排出孔とサブスプール側排出孔とで構成し、
これら導入孔と排出孔とを、再生状態ではスプール側導
入孔とサブスプール側導入孔とが連通し、再生カット状
態ではスプール側排出孔とサブスプール側排出孔とが連
通するように配設すれば、複数の孔を適切な位置に設け
ることにより、構造的に、サブスプールの移動によって
再生状態と再生カット状態とを切換えて所定の圧力差を
有する再生切換弁を構成することができる。
【0018】さらに、筒状のパイロット圧作用部をバネ
室に形成し、このバネ室内にスプリングを配設すれば、
パイロット圧とスプリング力とを同一の箇所からサブス
プールへ作用させることができ、サブスプールを付勢す
る構成を簡単な構造とすることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。
【0020】図1は本願発明の一実施形態を示す再生切
換弁の再生状態を示す断面図であり、図2は同再生切換
弁の再生カット状態を示す断面図である。なお、以下の
説明では、便宜上図示する状態の上下左右に基づいて説
明するが、切換弁の向きはこの実施形態に限定されるも
のではない。
【0021】図1に示すように、本体スプール1の油路
2がシリンダSのロッド側油室Rと連通され、油路3が
ヘッド側油室Hと連通されており、これらの油路2,3
から油圧シリンダSのロッド側油室Rとヘッド側油室H
へ供給される圧油によってピストンPの伸縮が制御され
ている。なお、これらの油路2,3へ供給される油は、
本体スプール1の切換えによって図示しないポンプから
油路2又は油路3へ供給されている。
【0022】この本体スプール1内には、一端にスプリ
ング4が設けられるとともに、このスプリング4に抗し
た状態で軸方向(図の左右方向)に移動可能なサブスプ
ール5が設けられている。このサブスプール5の移動量
は、図の右端に設けられたスプリング4側から付勢され
て左端に位置する図1の状態と、このスプリング4側の
付勢に抗して右端に位置する図2の状態との間で可能と
なっている。また、本体スプール1の外周に接するよう
に設けられた油路6はパイロット用ポンプ7と連通する
パイロット圧供給路であり、油路8,9はタンク10に
通じるドレンである。
【0023】そして、サブスプール5のスプリング側に
は、スプリング4の付勢方向にパイロット圧を作用させ
るパイロット圧作用部Fが設けられている。この実施形
態では、このパイロット圧作用部Fが、端部が開放して
外周が本体スプール1内を摺動する筒状に形成されてい
る。この筒状のパイロット圧作用部Fには、サブスプー
ル5の再生状態ではスプリング付勢方向にパイロット圧
を作用させるパイロット圧導入部Faが設けられるとと
もに、サブスプール5の再生カット状態ではパイロット
圧導入部Faを閉止してパイロット圧作用部F内をタン
ク10(ドレン)へ開放する排出部Fbが設けられてい
る。
【0024】また、この実施形態では、パイロット圧導
入部Faが、スプール側導入孔11とサブスプール側導
入孔12とで構成され、排出部Fbが、スプール側排出
孔13とサブスプール側排出孔14とで構成されてい
る。これら導入孔11,12と排出孔13,14は、サ
ブスプール5が左側に位置する図1の再生状態ではスプ
ール側導入孔11とサブスプール側導入孔12とが連通
し、サブスプール5が右側に位置する図2の再生カット
状態ではスプール側排出孔13とサブスプール側排出孔
14とが連通するように配設されている。
【0025】このように複数の孔11〜14を適切な位
置に設けることにより、構造的に、パイロット圧を作用
させる状態と、パイロット圧を閉止する状態とに油の導
通を切換えることができるようにしている。このサブス
プール5の移動によってパイロット圧作用部Fへのパイ
ロット圧を閉止、又はパイロット圧作用部Fの圧油を開
放する構成が切換機構Gであり、この切換機構Gによっ
て、再生状態と再生カット状態とを切換える圧力に、後
述するような所定の圧力差(ヒステリシス)を設けてい
る。
【0026】さらに、この実施形態では、パイロット圧
作用部Fを筒状のバネ室に形成し、このバネ室内の軸心
にスプリング4が配設されている。この筒状のパイロッ
ト圧作用部Fからパイロット圧とスプリング力とをサブ
スプール5の軸心へ作用させている。
【0027】一方、サブスプール5のもう一端には、シ
リンダSのヘッド側油室Hに作用する油圧によってサブ
スプール5をスプリング4側へ移動させる押圧ピストン
15が設けられている。この押圧ピストン15は、本体
スプール1内に固定された保持部材16の案内孔16a
に沿って軸方向(図の左右方向)に移動可能なように構
成されている。保持部材16には、前記ヘッド側油室H
の圧油の一部を本体スプール1の導入孔17から案内孔
16aへ導入するための導入孔16bが設けられてお
り、押圧ピストン15の左側に形成された油室18へ圧
油を導入するように構成されている。
【0028】この圧油が導入される油室18側の押圧ピ
ストン15の端部には段部15aが形成されており、油
室18に導入される少ない油量で押圧ピストン15をサ
ブスプール5側へ移動させるように構成している。この
導入孔16bから常に油が導入されているので、図示す
るように押圧ピストン15の右端は常にサブスプール5
に当接している。
【0029】さらに、サブスプール5の中間部には縮径
部19が形成されており、この縮径部19と本体スプー
ル1との間隙が、本体スプール1に形成された油路2に
連通する通孔20と、油路3に連通する油路21に通じ
る通孔22とを連通させている。21aはチェック弁で
ある。
【0030】このように構成された再生切換弁Vは、図
1に示す状態では、前記パイロット圧作用部Fのエッジ
部が油路8に通じる絞り23を閉止して再生し、図2に
示す状態では、サブスプール5が右側に移動してパイロ
ット圧作用部Fのエッジ部が油路8に通じる絞り23を
開放して再生カットする。
【0031】以上のように構成された再生切換弁Vによ
る再生状態と再生カット状態との切換えを、前記図1,
図2と、図3に示す再生切換弁における再生流量とヘッ
ド側油室圧力との関係を示す線図に基づいて以下に説明
する。
【0032】すなわち、油圧シリンダSのピストンPを
伸長させる時に、ヘッド側油室Hの油圧が設定圧力(図
3に示す「a点」)よりも低い場合、図1に示す押圧ピ
ストン15に作用する油室18の圧力が低いため、サブ
スプール5はスプリング4とパイロット圧作用部F内の
圧力によって図の左方へ付勢された状態となる。この状
態では、タンク10へ通じる油路8と連通する絞り23
がサブスプール5のパイロット圧作用部Fによって閉止
されているため、シリンダSのロッド側油室Rからの戻
り油は通孔20からサブスプール5の縮径部19と本体
スプール1の間隙を通って通孔22,油路21を介して
ヘッド側油室Hへ通じる油路3へと流れて再生油として
利用される。この状態が再生状態であり、ヘッド側油室
Hの圧力、すなわち押圧ピストン15の油室18内圧力
が設定圧(図3に示す「a点」の圧力であり、例えば、
120kg/cm2) に達するまではこの状態が維持され
る。この再生時にサブスプール5に作用する力のバラン
スは、「PH×AP=Pi×As+kx0 」である(P
H:ヘッド側油室圧力、AP:押圧スプリング受圧面
積、Pi:パイロット圧、AS:パイロット圧作用部受
圧面積、k:スプリングバネ常数、x0 :スプリング取
付時のタワミ量)。
【0033】そして、シリンダSのピストンPに外力が
作用してその反力でヘッド側油室Hの圧力が上昇し、押
圧ピストン15の油室18内圧力が設定圧「a点」を越
えると、この押圧ピストン15がスプリング4とパイロ
ット圧で付勢されているサブスプール5を図の右側へ移
動させ始める。この時の圧力は、押圧ピストン15の受
圧面積APに作用する油圧が、スプリング4の力とパイ
ロット圧作用部Fの受圧面積ASに作用するパイロット
圧よりも大きくなり、サブスプール5をスプリング4と
パイロット圧とに抗して移動させることとなる。サブス
プール5が全ストローク移動させられた状態が図2に示
す状態(図3の「b点」以上)であり、このようにサブ
スプール5を移動させると、タンク10へ通じる油路8
に連通した絞り23を閉止しているパイロット圧作用部
Fの基部が右方へ移動して絞り23の縮径部19側を開
放しながら連通することとなる。この絞り23が縮径部
19の間隙と連通すると、ロッド側油室Rの戻り油が油
路2から通孔20,絞り23,油路8を介してタンク1
0へ戻って再生油量が減少し、サブスプール5が最右方
まで移動させられた図2の状態では、ロッド側油室Rの
戻り油は全量が油路8からタンク10へと戻される。こ
の状態が図3に示す「b点」以上の再生カット状態であ
り、ロッド側油室Rの戻り油はタンクへ戻り、ヘッド側
油室Hへは図示しないメインのタンクから所定圧の油が
供給される。
【0034】このように、サブスプール5が右方に移動
させられる前の図1の状態では、スプール側導入孔11
とサブスプール側導入孔12とが連通してパイロット圧
作用部F内にパイロット圧を作用させ、サブスプール5
が右方に移動させられた図2の状態では、スプール側導
入孔11がパイロット圧作用部Fの周囲で塞がれてパイ
ロット圧を閉止するとともに、パイロット圧作用部Fの
サブスプール側排出孔14とスプール側排出孔13とが
連通してパイロット圧作用部F内のパイロット油が油路
9からタンク10(ドレン)へと抜けるようにしてい
る。このようにパイロット圧作用部Fからパイロット圧
が抜けると、スプリング4の力のみによってサブスプー
ル5を左方へ付勢した状態となる。この状態が再生カッ
トしている状態である。この再生カット時にサブスプー
ル5に作用する力のバランスは、「PH×AP=PDr
×AS+k(x0 +x)」となる(PDr:ドレン圧
力、x:サブスプールストローク量)。この例では、ド
レン圧力PDrがほぼゼロとなるため、「PH×AP=
k(x0 +x)」となる。
【0035】一方、このように再生カットしている状態
からヘッド側油室Hの圧力が低下すると、サブスプール
5を押圧している押圧ピストン15の油室18内圧力も
低下する。この時の押圧ピストン15によるサブスプー
ル5の押圧力は、前記したようにパイロット圧作用部F
内からパイロット油が抜けた状態であるため、スプリン
グ4の力のみに抗する力となっており、図3に示す「c
点」のように、前記サブスプール5を右に移動させて再
生カット状態に切換えた圧力「b点」よりも低い圧力
「c点」となる。
【0036】そのため、ヘッド側油室Hの圧力が低下し
て前記再生カット状態に切換わった圧力「b点」に達し
てもサブスプール5は左方へ戻らず、スプリング4によ
る付勢力よりも低くなる図3の「c点」に達してから戻
り始めることとなる。つまり、再生カット状態からの切
換力を再生状態への切換力よりも小さくしている。
【0037】そして、ヘッド側油室Hの圧力低下に伴っ
て押圧ピストン15が左方に移動するとともにサブスプ
ール5も移動し、タンク10へ通じる油路8、すなわち
絞り23がパイロット圧作用部Fのエッジ部によって閉
められ、所定の圧力「d点」で完全に閉止される。この
状態が図1の状態であり、前記した再生状態に切換わっ
た状態である。
【0038】このようにロッド側油室Rの戻り油をヘッ
ド側油室Hへ再生油として供給する再生状態への切換え
と、前記したようにタンク10へ戻す再生カット状態へ
の切換え圧力に所定の圧力差e(ヒステリシス)を設け
ることにより、この切換え設定圧付近の圧力で油圧シリ
ンダSを使用する場合でも、再生又は再生カット状態と
の間で頻繁に切換わらないようにすることができる。こ
の圧力差としては、例えば、再生状態から再生カット状
態への切換え圧力「a点」を120kg/cm2 に設定し、
再生カット状態から再生状態へ戻る切換え圧力「d点」
を80kg/cm2に設定すれば、40kg/cm2 の圧力差、つ
まりヒステリシスを有する切換え回路を形成することが
できる。
【0039】その後、作業によってヘッド側油室Hの圧
力が所定の圧力「a点」に達すると、前記再生状態から
再生カット状態へと切換わり、その状態でヘッド側油室
Hが低下して所定の圧力「c点」に達すると、前記再生
カット状態から再生状態へと切換わるが、この切換わり
の設定圧に所定の差を設けているので、ヘッド側油室の
圧力の変動を受け難くなり、頻繁に切換わることなくス
ムーズな作業をすることが可能となる。つまり、ハンチ
ングを防止した作業を行うことができる。
【0040】なお、再生状態から再生カット状態へ切換
わる圧力「a点」、および再生カット状態から再生状態
へ切換わる圧力「d点」の圧力差は、パイロット圧作用
部Fへ供給しているパイロット圧を調節することにより
容易に変更することができる。これらの圧力は、産業機
械の種類や作業内容等に応じて適宜設定すればよい。
【0041】また、上述した実施形態は一実施形態であ
り、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は
可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定される
ものではない。
【0042】
【発明の効果】本願発明は、以上説明したような形態で
実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0043】再生又は再生カットするサブスプールを、
パイロット圧とスプリングの力によって付勢する状態
と、スプリングの力のみによって付勢する状態とに切換
ることにより、再生状態から再生カット状態への切換え
圧力と、再生カット状態から再生状態への切換え圧力と
に所定の圧力差を設けることができ、この圧力差によっ
て再生状態と再生カット状態との切換えを頻繁に繰り返
すことをなくしてスムーズな作業を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示す再生切換弁の再生
状態を示す断面図である。
【図2】図1に示す再生切換弁の再生カット状態を示す
断面図である。
【図3】図1に示す再生切換弁における再生流量とヘッ
ド圧力との関係を示す線図である。
【図4】従来の技術に示された油圧ショベルのアームシ
リンダ作動システムを示す図である。
【図5】従来の技術に示された油圧シリンダ作動システ
ムの一例を示す油圧回路図である。
【図6】従来の再生切換弁による再生原理を説明するた
めの油圧回路図である。
【図7】従来の再生切換弁による再生流量とヘッド圧力
との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…本体スプール 2,3…油路 4…スプリング 5…サブスプール 6…油路 7…パイロット用ポンプ 8,9…油路 10…タンク 11…スプール側導入孔 12…サブスプール側導入孔 13…スプール側排出孔 14…サブスプール側排出孔 15…押圧ピストン 15a…段部 16…保持部材 16a…案内孔 16b…導入孔 17…導入孔 18…油室 19…縮径部 20,22…通孔 21…油路 S…油圧シリンダ R…ロッド側油室 H…ヘッド側油室 P…ピストン F…パイロット圧作用部 Fa…導入部 Fb…排出部 G…切換機構 AP…押圧スプリング受圧面積 AS…パイロット圧作用部受圧面積 PDr…ドレン圧力 PH…ヘッド側油室圧力 PR…パイロット圧力 V…再生切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D003 AA01 AB03 BA01 DA03 3H053 AA35 BA13 BC03 DA11 3H056 AA09 BB02 BB08 BB12 CA02 CB03 CB07 CD02 DD02 DD03 EE06 EE08 GG04 GG12 3H089 AA34 AA42 BB10 CC01 DA02 DB47 DB63 DB65 DB75 GG02 JJ02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側
    油室とに供給する圧油の油路を有する本体スプールと、
    該本体スプール内でスプリングに抗して軸方向に移動可
    能なサブスプールとを有し、ロッド側油室からの戻り油
    をヘッド側油室へ再生油として供給できるようにした油
    圧シリンダの再生切換弁において、 前記サブスプールの一方にスプリングの付勢方向にパイ
    ロット圧を作用させるパイロット圧作用部を設け、該サ
    ブスプールのもう一方にシリンダのヘッド側油室の圧力
    によってサブスプールをスプリング側に移動させる押圧
    ピストンを設け、前記サブスプールのパイロット圧作用
    部に、前記押圧ピストンで移動させるサブスプールで該
    パイロット圧作用部へ作用させたパイロット圧を閉止す
    るとともに、該パイロット圧作用部の油圧を排出する切
    換機構を具備させたことを特徴とする油圧シリンダの再
    生切換弁。
  2. 【請求項2】 パイロット圧作用部を、サブスプールの
    一端が開放して外周側がスプール内を摺動する筒状に形
    成し、該パイロット圧作用部に、サブスプールの再生状
    態ではスプリング付勢方向にパイロット圧を作用させる
    パイロット圧導入部を設けるとともに、サブスプールの
    再生カット状態では該パイロット圧導入部を閉止してパ
    イロット圧作用部の内圧を開放する排出部を設けて切換
    機構を構成したことを特徴とする請求項1記載の油圧シ
    リンダの再生切換弁。
  3. 【請求項3】 パイロット圧導入部を、スプール側導入
    孔とサブスプール側導入孔とで構成し、排出部を、スプ
    ール側排出孔とサブスプール側排出孔とで構成し、これ
    ら導入孔と排出孔とを、再生状態ではスプール側導入孔
    とサブスプール側導入孔とが連通し、再生カット状態で
    はスプール側排出孔とサブスプール側排出孔とが連通す
    るように配設したことを特徴とする請求項2記載の油圧
    シリンダの再生切換弁。
  4. 【請求項4】 筒状のパイロット圧作用部をバネ室に形
    成し、該バネ室内にスプリングを配設したことを特徴と
    する請求項2又は請求項3記載の油圧シリンダの再生切
    換弁。
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