JP2002061601A - 油圧シリンダの再生切換弁 - Google Patents

油圧シリンダの再生切換弁

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JP2002061601A
JP2002061601A JP2000247513A JP2000247513A JP2002061601A JP 2002061601 A JP2002061601 A JP 2002061601A JP 2000247513 A JP2000247513 A JP 2000247513A JP 2000247513 A JP2000247513 A JP 2000247513A JP 2002061601 A JP2002061601 A JP 2002061601A
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oil
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sub
pressure
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Yoshikazu Urimoto
義和 瓜本
Kazuo Hida
一雄 肥田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生又は再生カットを切換える設定圧に近い
圧力で作業を行うと、再生状態と再生カット状態との間
で頻繁に切換わり、アームの動作が不安定になってスム
ーズに操作できないようなハンチング現象を生じる。 【解決手段】 サブスプール5のスプリング側に、再生
油の油圧でこのサブスプール5をスプリング4の付勢方
向に押圧するピストン14を設けることにより、再生状
態から再生カット状態への切換え圧力と、再生カット状
態から再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差を設
け、この圧力差によって、再生状態と再生カット状態と
の間で頻繁に切換わらないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、油圧
シリンダのロッド伸長時に、ロッド側油室の油をヘッド
側油室へ再生してロッドの作動速度を速める再生切換弁
に関し、詳しくは、再生と再生カットとを切換える圧力
に所定の圧力差を設けた再生切換弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、油圧シリンダのピス
トン伸長時にロッド側の油をヘッド側へ再生してロッド
の作動速度を速めようとする技術がある。この例とし
て、油圧ショベルのアームに設けられた再生回路があ
る。
【0003】この再生回路は、アーム引き作業のように
負荷が自重のみの空中作動時には、ロッド側油室から排
出する油をヘッド側油室へ供給する油に合流させて再生
し、油圧ポンプからの油量が少なくても再生油量で補っ
てピストンのスピードを上げるように構成されている。
そして、負荷が大きい地上作業時には、ロッド側油室か
らの油は再生カット(停止)され、油圧ポンプからの圧
油のみによってシリンダが駆動されるように構成されて
いる。
【0004】この種の従来技術として、特公平4−57
881号公報記載の発明がある。図4はこの発明に示さ
れた油圧ショベルのアームシリンダ作動システムを示す
図であり、油圧シリンダによるアーム作動は、シリンダ
51のヘッド側油室52に圧油を供給する掘削時等と、
ロッド側油室53に圧油を供給するアーム上昇時等とが
コントロール弁54によってコントロールされている。
【0005】そして、このコントロール弁として、図5
の油圧シリンダ作動システムの一例を示す油圧回路図の
ような油圧回路が記載されている。この油圧回路に設け
られたコントロール弁54のロッド伸長側(左側)に
は、図のように油圧ポンプ55でヘッド側油室52へ圧
油を供給するライン56と、ロッド側油室53からタン
ク57への戻りライン58と、チェック弁59を有して
これらのライン56,58を連通させるライン60とが
設けられ、戻りライン58には、パイロットポンプ61
の圧油を所定圧に減圧する減圧弁62からのパイロット
圧で制御される絞り63が設けられている。
【0006】このような再生切換弁による再生原理を、
図6に示す油圧回路図を用いて以下に説明する。まず、
アーム引きの無負荷時(空で作動している状態)には、
油圧ポンプ55からヘッド側油室52への流れで圧油
が供給されるが、この圧油は低圧であるため、コントロ
ール弁の再生カットスプール64は図示する状態(中
立)にあり、ロッド側油室53の油はの流れで再生さ
れる。この状態が再生状態である。
【0007】次に、アーム引きの有負荷時(掘削状態)
になると、掘削による抵抗でヘッド側油室52の圧力P
Hが上昇する。このPH圧が再生カット設定圧(例え
ば、120kg/cm2)よりも低い時は、再生カットスプー
ル64は中立のままであり、の流れで再生状態が維持
される。この時のアームシリンダの有効面積はΔA=A
H−ARであり、掘削力はF1=PH×(AH−AR)
である。
【0008】そして、掘削を続けてヘッド側油室圧力P
Hが更に上昇して再生カット設定圧(120kg/cm2)を
越えると、再生カットスプール64が切替わる。この再
生カットスプール64が切替わった状態が再生カット状
態であり、ロッド側油室53の戻り油はの流れでタン
ク57へ戻るため、ロッド側油室53の圧力PRが低下
する。このロッド側油室53の圧力PRはタンク57と
連通されてほぼゼロとなるため、アームシリンダ51が
受ける有効面積はヘッド側油室52のAHとなり、再生
カットスプール64が切替わる前よりも低い圧力PH
(この例の場合、120kg/cm2以下)で掘削が可能とな
る。この時の掘削力はF2=PH×AHである。
【0009】その後、ヘッド側油室圧力PHが低下して
再生カット設定圧(120kg/cm2)よりも低くなると、
再生カットスプール64が中立へ復帰し、ロッド側油室
53の油がの流れでヘッド側油室52へ流れて再生さ
れる。この状態が前記無負荷時の再生状態である。その
後、ヘッド側油室52の圧力PHによって再生状態と再
生カット状態とが繰り返される。
【0010】図7は、このような再生流量とヘッド圧力
との関係を示す線図であり、縦軸に再生流量、横軸にヘ
ッド側油室圧力を示している。この図にように、前記シ
リンダの再生回路によれば、シリンダのヘッド側油室圧
力PHが設定圧力「a点」に達するまではロッド側油室
53の油はヘッド側油室52へ再生され、ヘッド側圧力
PHが「a点」に達すると再生カットが始まって再生流
量が減少し(この再生量が減少する量は、前記図5の絞
り63の開口面積変化量による)、「b点」に達すると
再生カットされて再生流量ゼロの通常のシリンダとして
機能することとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記再
生切換弁では、「a点」と「b点」の所定設定圧で再生
又は再生カットを切換える構成であるため、この切換え
の設定圧に近い圧力での作業を行う場合、再生状態から
再生カット状態、又は再生カット状態から再生状態への
切換わりが頻繁に繰り返される。
【0012】このように再生状態と再生カット状態とが
頻繁に切換えられると、シリンダの受圧面積が大きくな
ったり小さくなったり変化しながら作業することとなる
ため、アームの動作が不安定になってスムーズに操作で
きない、いわゆるハンチング現象を生じてしまう。
【0013】そのため、このような切換え設定圧に近い
圧力で作業を行う場合には、アームをスムーズに操作す
ることが困難となり、細かな制御を行うことができない
場合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、この出願に係る発明は、油圧シリンダのロ
ッド側油室とヘッド側油室とに供給する圧油の油路を有
する本体スプールと、該本体スプール内でスプリングに
抗して軸方向に移動するサブスプールとを有し、ロッド
側油室からの戻り油をヘッド側油室へ再生油として供給
する油圧シリンダの再生切換弁において、前記サブスプ
ールの一方に、シリンダのヘッド側油室の圧力によって
該サブスプールをスプリング側に移動させる押圧ピスト
ンを設け、該押圧ピストンでサブスプールをスプリング
側に移動させると再生油を逃す絞り機構を該サブスプー
ルと前記本体スプールとの間に設けるとともに、該サブ
スプールと本体スプールとの間に、該絞り機構が再生油
を逃すまで再生油の油圧でサブスプールをスプリングの
付勢方向に付勢する付勢力付加手段を設けている。
【0015】これにより、シリンダのヘッド側油室の圧
力でサブスプールを移動させる押圧ピストンを、スプリ
ングの力と再生油圧とによって押圧ピストン側へ付勢す
る状態と、絞り機構が再生油圧を逃してスプリングの力
のみによって付勢する状態とに切換えて付勢することが
できるので、再生状態から再生カット状態への切換え圧
力と、再生カット状態から再生状態への切換え圧力とに
所定の圧力差(ヒステリシス)を設けることができ、こ
の圧力差によって、同一作業時等に再生から再生カット
又は再生カットから再生への切換えを頻繁に繰り返すこ
とをなくし、再生切換え設定圧に近い圧力でもスムーズ
な作業を行うことができる。
【0016】前記付勢力付加手段を、本体スプールとサ
ブスプールとの間に形成した再生油導入油室と、該再生
油導入油室に再生油を導入する油通路とで構成すれば、
本体スプールとサブスプールとの間に、再生油を利用す
る付勢力付加手段を容易に設けることができる。
【0017】また、サブスプールのスプリング側軸心位
置にピストン挿入孔を形成し、該ピストン挿入孔に挿入
するピストンを本体スプールに設け、該ピストンのサブ
スプール側端面とサブスプールとの間のピストン挿入孔
内に再生油を導入する油通路を設ければ、サブスプール
のスプリング側への加工のみによって付勢力付加手段を
容易に設けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この出願に係る発明の一実
施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1はこの出願に係る発明の一実施形態を
示す再生切換弁の再生状態を示す断面図であり、図2は
同再生切換弁の再生カット状態を示す断面図である。な
お、以下の説明では、便宜上、図示する状態の上下左右
に基づいて説明するが、切換弁の向きはこの実施形態に
限定されるものではない。
【0020】図1に示すように、本体スプール1の油路
2がシリンダSのロッド側油室Rと連通され、油路3が
ヘッド側油室Hと連通されており、これらの油路2,3
から油圧シリンダSのロッド側油室Rとヘッド側油室H
へ供給される圧油によってピストンPの伸縮が制御され
ている。なお、これらの油路2,3へ供給される油は、
本体スプール1の切換えによって図示しないポンプから
油路2又は油路3へ供給される。
【0021】この本体スプール1内には、一端にスプリ
ング4が設けられるとともに、このスプリング4に抗し
て軸方向(図の左右方向)に移動可能なサブスプール5
が設けられている。このサブスプール5は、図の右端に
設けられたスプリング4側から付勢されて左端に位置す
る図1の状態と、このスプリング4側の付勢に抗して右
端に位置する図2の状態との間で移動可能となってい
る。
【0022】また、サブスプール5の中間部には小径部
6が形成されており、この小径部6の外周と本体スプー
ル1の内周との間隙7が、本体スプール1の油路2に連
通する通孔8と、油路3に連通する油路9に通じる通孔
10とを連通させている。9aはチェック弁である。
【0023】さらに、本体スプール1の所定位置には絞
り11が設けられており、この絞り11は、図1に示す
再生状態ではサブスプール5の絞り部5aによって間隙
7と連通しない位置にあり、図2に示す再生カット状態
では間隙7と連通する位置となるように形成されてい
る。この絞り11は油路12と連通しており、この油路
12はタンク13と連通するドレンとなっている。この
絞り11と絞り部5aとによって絞り機構が構成されて
いる。
【0024】そして、サブスプール5のスプリング側に
は、スプリング4の付勢方向に再生油の油圧を作用させ
る所定径のピストン14が設けられている。このピスト
ン14は、反サブスプール側が、本体スプール1に取付
けられたプラグ17に固定されて本体スプール1と一体
的に構成されている。この実施形態では、このピストン
14をスライドさせるピストン挿入孔15がサブスプー
ル5のスプリング側軸心位置に形成されており、このピ
ストン挿入孔15をスプリング4が設けられたバネ室1
6側のサブスプール端部に形成することにより、サブス
プール5を常に図の左方向へ付勢する手段をサブスプー
ル5の一端側への加工のみとしている。
【0025】また、ピストン14の端面14a(押圧ピ
ストン側)側とピストン挿入孔15との間には再生油導
入油室18が形成されており、この油室18は、油通路
19によってサブスプール5と本体スプール1との間の
間隙7と連通されている。この油通路19によって再生
油の油圧をピストン端面14aと油室18との間へ導く
ことができる。
【0026】このように間隙7から油室18へ再生油を
導くことにより、本体スプール1に固定されたピストン
14の端面14aに作用する再生油圧の反力をサブスプ
ール5に作用させている。これが付勢力付加手段であ
る。なお、このピストン端面14aに作用させる再生油
圧による付加的付勢力の大きさは、ピストン14の径を
変更することにより変更することができる。
【0027】この付勢力付加手段を設けることにより、
スプリング4による付勢力とピストン14に作用する再
生油圧による付勢力との合力によってサブスプール5を
付勢する状態と、スプリング4のみの付勢力によるサブ
スプール5を付勢する状態とを具備させて、サブスプー
ル5が再生状態から再生カット状態へ切換わる圧力と、
再生カット状態から再生状態へ切換わる圧力とに所定の
圧力差(ヒステリシス)を持たせている。
【0028】一方、サブスプール5のもう一端(図の左
側)には、シリンダSのヘッド側油室Hに作用する油圧
によってサブスプール5をスプリング4側へ移動させる
押圧ピストン20が設けられている。この押圧ピストン
20は、本体スプール1内に固定された保持部材21の
案内孔21aに沿って軸方向(図の左右方向)に移動可
能なように構成されている。保持部材21には、前記ヘ
ッド側油室Hの圧油を本体スプール1の導入孔22から
案内孔21aへ導入するための導入孔21bが設けられ
ており、押圧ピストン20の左側に形成された油室23
へ圧油を導入するように構成されている。この油室23
には、導入孔21bからヘッド側の油が導入されている
ので、図示するように押圧ピストン20の右端はサブス
プール5に当接している。
【0029】このように構成された再生切換弁Vによれ
ば、図1に示す状態では、前記サブスプール5の絞り部
5aが油路12に通じる絞り11を閉止して再生し、図
2に示す状態では、サブスプール5が右側に移動して絞
り部5aが間隙7と絞り11とを連通させて再生油をタ
ンク13へ戻して再生カットする。
【0030】以上のように構成された再生切換弁Vによ
る再生状態と再生カット状態との切換えを、前記図1,
2と、図3に示す再生切換弁における再生流量とヘッド
側油室圧力との関係を示す線図に基づいて以下に説明す
る。
【0031】まず、油圧シリンダSのピストンPを伸長
させる時に、ヘッド側油室Hの油圧が設定圧力(図3に
示す「a点」)よりも低い場合、図1に示す押圧ピスト
ン20の油室23の圧力が低いため、サブスプール5は
スプリング4とピストン14の端面14aに作用してい
る再生油の圧力によって図の左方へ付勢された状態とな
る。この状態では、タンク13へ通じる油路12と連通
する絞り11がサブスプール5の絞り部5aによって閉
止されているため、シリンダSのロッド側油室Rからの
戻り油は通孔8からサブスプール5と本体スプール1と
の間隙7を通って通孔10,油路9を介してヘッド側油
室Hへ通じる油路3へと流れて再生油として利用され
る。この状態が再生状態であり、ヘッド側油室Hの圧
力、すなわち押圧ピストン20の油室23内の圧力が設
定圧(図3に示す「a点」の圧力であり、例えば、12
0kg/cm2)に達するまではこの状態が維持される。この
再生時にサブスプール5に作用する力のバランスは、
「PH×SA=PR×SB+f」である(PH:ヘッド
側油室圧力、SA:押圧ピストン受圧面積、PR:ロッ
ド側油室圧力(再生油圧)、SB:ピストン受圧面積、
f:スプリング力)。
【0032】そして、シリンダSのピストンPに外力が
作用してその反力でヘッド側油室Hの圧力が上昇し、押
圧ピストン20の油室23内圧力が設定圧「a点」を越
えると、この押圧ピストン20がスプリング4とピスト
ン端面14aの再生油圧で付勢されているサブスプール
5を、これらの付勢力に抗して図の右側へ移動させ始め
る。この時の圧力は、押圧ピストン20の受圧面積SA
に作用する油圧が、スプリング4の力とピストン端面1
4aに作用する再生油圧よりも大きくなり、サブスプー
ル5をスプリング力と再生油圧とに抗して移動させるこ
ととなる。サブスプール5が全ストローク移動させられ
た状態が図2に示す状態(図3の「b点」以上)であ
り、このようにサブスプール5が右方へ移動すると、タ
ンク13へ通じる油路12に連通した絞り11を閉止し
ているサブスプール5の絞り部5aが、間隙7と絞り1
1とを連通させながら開放することとなる。
【0033】この絞り11が間隙7と連通すると、ロッ
ド側油室Rの戻り油が油路2から通孔8,間隙7,絞り
11,油路12を介してタンク13へ戻って再生油量が
減少し、サブスプール5が最右方まで移動させられた図
2の状態では、ロッド側油室Rの戻り油は全量が油路1
2からタンク13へと戻される。この状態が図3に示す
「b点」より右側の再生カット状態であり、ロッド側油
室Rの戻り油はタンクへ戻り、ヘッド側油室Hへは図示
しないメインのタンクから所定圧の油が供給される。
【0034】このようにサブスプール5が右方に移動さ
せられた図2の状態では、再生油を絞り11からタンク
13(ドレン)へ抜いて油圧がピストン端面14aに作
用しないようにしているので、この状態では、スプリン
グ4の力のみによってサブスプール5を左方へ付勢した
状態となる。この状態が再生カットしている状態であ
る。この再生カット時にサブスプール5に作用する力の
バランスは、「PH×SA=PDr×SB+f」となる
(PDr:ドレン圧力)。この例では、ドレン圧力PD
rがほぼゼロとなるため、「PH×SA=f」となる。
【0035】一方、このように再生カットしている状態
からヘッド側油室Hの圧力が低下すると、サブスプール
5を右側へ押圧している押圧ピストン20の油室23内
の圧力も低下する。この時の押圧ピストン20によるサ
ブスプール5の押圧力は、前記したようにピストン端面
14aに再生油圧を作用させる油室18から再生油が抜
けた状態であるため、スプリング4の力のみに抗する力
となっており、図3に示す「c点」であり、前記サブス
プール5を右に移動させて再生カット状態に切換えた圧
力「b点」よりも低い圧力となる。
【0036】そのため、ヘッド側油室Hの圧力が低下し
て前記再生カット状態に切換わった圧力「b点」に達し
てもサブスプール5は左方へ戻らず、スプリング4によ
る付勢力よりも低くなる図3の「c点」に達してから戻
り始めることとなる。つまり、再生カット状態から再生
状態へ切換わる切換力を、再生状態から再生カット情態
へ切換わる切換力よりも小さくしている。
【0037】そして、ヘッド側油室Hの圧力低下に伴っ
て押圧ピストン20が左方に移動するとともにサブスプ
ール5も移動し、タンク13へ通じる油路12、すなわ
ち絞り11がサブスプール5の絞り部5aによって閉め
られ、所定の圧力「d点」で完全に閉止される。この状
態が図1の状態であり、前記した再生状態に切換わった
状態である。
【0038】このようにロッド側油室Rの戻り油をヘッ
ド側油室Hへ再生油として供給する再生状態への切換え
と、前記したようにタンク13へ戻す再生カット状態へ
の切換え圧力に所定の圧力差e(ヒステリシス)を設け
ることにより、この切換え設定圧付近の圧力で油圧シリ
ンダSを使用する場合でも、再生又は再生カット状態と
の間で頻繁に切換わらないようにすることができる。こ
の圧力差としては、例えば、再生状態から再生カット状
態への切換え圧力「a点」を120kg/cm2 に設定し、
再生カット状態から再生状態へ戻る切換え圧力「d点」
を80kg/cm2に設定すれば、40kg/cm2 の圧力差、つ
まりヒステリシスを有する切換え回路を構成することが
できる。
【0039】その後、作業によってヘッド側油室Hの圧
力が所定の圧力「a点」に達すると、前記再生状態から
再生カット状態へと切換わり、その状態でヘッド側油室
Hが低下して所定の圧力「c点」に達すると、前記再生
カット状態から再生状態へと切換わるが、この切換わり
の設定圧に所定の差を設けているので、ヘッド側油室の
圧力の変動を受け難くなり、頻繁に切換わることなくス
ムーズな作業をすることが可能となる。つまり、ハンチ
ングを防止した作業を行うことができる。
【0040】なお、再生状態から再生カット状態へ切換
わる圧力「a点」、および再生カット状態から再生状態
へ切換わる圧力「d点」の圧力差は、ピストン14の受
圧面積SB(端面14aの径)を変更することにより容
易に変更することができる。これらの圧力は、産業機械
の種類や作業内容等に応じて適宜設定すればよい。
【0041】また、上述した実施形態は一実施形態であ
り、この出願に係る発明の要旨を損なわない範囲での種
々の変更は可能であり、この出願に係る発明は上述した
実施形態に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0043】再生又は再生カットするサブスプールの再
生状態から再生カット状態への切換え圧力と、再生カッ
ト状態から再生状態への切換え圧力とに所定の圧力差を
設けることができるので、この圧力差によって再生状態
と再生カット状態との切換えを頻繁に繰り返すことをな
くしてスムーズな作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明の一実施形態を示す再生切
換弁の再生状態を示す断面図である。
【図2】図1に示す再生切換弁の再生カット状態を示す
断面図である。
【図3】図1に示す再生切換弁における再生流量とヘッ
ド圧力との関係を示す線図である。
【図4】従来の技術に示された油圧ショベルのアームシ
リンダ作動システムを示す図である。
【図5】従来の技術に示された油圧シリンダ作動システ
ムの一例を示す油圧回路図である。
【図6】従来の再生切換弁による再生原理を説明するた
めの油圧回路図である。
【図7】従来の再生切換弁による再生流量とヘッド圧力
との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…本体スプール 2,3…油路 4…スプリング 5…サブスプール 5a…絞り部 6…小径部 7…間隙 8…通孔 9…油路 10…通孔 11…絞り 12…油路 13…タンク 14…ピストン 14a…ピストン端面 15…ピストン挿入孔 16…バネ室 17…プラグ 18…再生油導入油室 19…油通路 20…押圧ピストン 21…保持部材 21a…案内孔 21b…導入孔 22…導入孔 23…油室 S…油圧シリンダ P…ピストン H…ヘッド側油室 R…ロッド側油室 SA…押圧ピストン受圧面積 SB…ピストン受圧面積 e…圧力差 V…再生切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H089 AA61 BB04 BB10 CC01 DA02 DB13 DB33 DB44 DB48 DB78 GG02 JJ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側
    油室とに供給する圧油の油路を有する本体スプールと、
    該本体スプール内でスプリングに抗して軸方向に移動す
    るサブスプールとを有し、ロッド側油室からの戻り油を
    ヘッド側油室へ再生油として供給する油圧シリンダの再
    生切換弁において、 前記サブスプールの一方に、シリンダのヘッド側油室の
    圧力によって該サブスプールをスプリング側に移動させ
    る押圧ピストンを設け、該押圧ピストンでサブスプール
    をスプリング側に移動させると再生油を逃す絞り機構を
    該サブスプールと前記本体スプールとの間に設けるとと
    もに、該サブスプールと本体スプールとの間に、該絞り
    機構が再生油を逃すまで再生油の油圧でサブスプールを
    スプリングの付勢方向に付勢する付勢力付加手段を設け
    たことを特徴とする油圧シリンダの再生切換弁。
  2. 【請求項2】 付勢力付加手段を、本体スプールとサブ
    スプールとの間に形成した再生油導入油室と、該再生油
    導入油室に再生油を導入する油通路とで構成したことを
    特徴とする請求項1記載の油圧シリンダの再生切換弁。
  3. 【請求項3】 サブスプールのスプリング側軸心位置に
    ピストン挿入孔を形成し、該ピストン挿入孔に挿入する
    ピストンを本体スプールに設け、該ピストンのサブスプ
    ール側端面とサブスプールとの間のピストン挿入孔内に
    再生油導入油室を形成し、該再生油導入油室に油圧シリ
    ンダのロッド側油室から再生油を導入する油通路を設け
    たことを特徴とする請求項2記載の油圧シリンダの再生
    切換弁。
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