JP2000104842A - 圧力制御弁 - Google Patents

圧力制御弁

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JP2000104842A
JP2000104842A JP10273655A JP27365598A JP2000104842A JP 2000104842 A JP2000104842 A JP 2000104842A JP 10273655 A JP10273655 A JP 10273655A JP 27365598 A JP27365598 A JP 27365598A JP 2000104842 A JP2000104842 A JP 2000104842A
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valve
pressure
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JP10273655A
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Nobuhiko Ichiki
伸彦 市来
Yoshizumi Nishimura
良純 西村
Yusaku Nozawa
勇作 野沢
Kinya Takahashi
欣也 高橋
Mitsuhisa Tougasaki
光久 東ケ崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F15FLUID-PRESSURE ACTUATORS; HYDRAULICS OR PNEUMATICS IN GENERAL
    • F15BSYSTEMS ACTING BY MEANS OF FLUIDS IN GENERAL; FLUID-PRESSURE ACTUATORS, e.g. SERVOMOTORS; DETAILS OF FLUID-PRESSURE SYSTEMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F15B21/00Common features of fluid actuator systems; Fluid-pressure actuator systems or details thereof, not covered by any other group of this subclass
    • F15B21/04Special measures taken in connection with the properties of the fluid
    • F15B21/047Preventing foaming, churning or cavitation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fluid-Driven Valves (AREA)
  • Safety Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リリーフ機能とアンチキャビテーション機能
(メイクアップ機能)を同時に有した圧力制御弁におい
て、構造が簡素で、加工精度の厳密性を低減できるよう
にする。 【解決手段】パイロット弁体11に一体に設けられたパ
イロット延長スプール40の中心部に、底部側に位置す
る小径穴部分21a及び先端側に位置する大径穴部分2
1bとからなる有底穴21を形成し、その小径穴部分2
1aの底部近傍に背圧室7に連通する径方向の連通穴2
3を形成し、小径穴部分21aの段付き部21c近傍に
主通路3に連通する小さい絞り穴28を形成し、大径穴
部分21bの段付き部21c近傍に大きい絞り穴22を
形成し、大径穴部分21bの先端開口部を連通穴24a
付きのプラグ24で塞ぎ、段付き部21cとプラグ24
との間で移動可能な、大径穴部分21bとほぼ同一径の
ボール25を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に用いられるオーバロードリリーフ弁に
係わり、特にオーバロードリリーフ弁としての機能とア
ンチキャビテーション機能(メイクアップ機能)を同時
に有したコンビネーション弁として用いられる圧力制御
弁に係わる。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等
の建設機械は、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アク
チュエータによって駆動される。これらの油圧シリンダ
や油圧モータは作業中や走行中に過大な負荷を受ける
と、油圧回路内に過剰圧が発生し、油圧機器を早期に破
損させてしまう。このため、油圧ショベル等の建設機械
の油圧駆動回路には圧力制御弁としてオーバロードリリ
ーフ弁が用いられる。このオーバロードリリーフ弁は、
一般に、アンチキャビテーション機能(メイクアップ機
能)を同時に有したコンビネーション弁とし用いられる
場合が多い。この様なコンビネーション弁(圧力制御
弁)の一般的な構造を図9に示す。
【0003】図9において、100は弁ブロック、10
1はこの弁ブロック100に取り付けられ、弁ガイドを
兼ねる弁ケーシング、102は弁ケーシング101の開
口端を閉じる弁プラグであり、弁ブロック100には負
荷につながる主通路103とタンクにつながるタンク通
路104とが形成されている。弁ケーシング101内に
は、主通路103とタンク通路104を連通、遮断する
メイクアップポペットの役割を有するメイクアップスリ
ーブ105が摺動可能に挿嵌され、メイクアップスリー
ブ105内には更に主通路103とタンク通路104を
連通、遮断するようリリーフポペット106が摺動可能
に挿嵌されている。メイクアップスリーブ105内でリ
リーフポペット106の背面側には弁プラグ102の端
部が位置する背圧室107が設けられ、弁プラグ102
の端部には背圧室107を弁プラグ102内のバネ室1
08に連通、遮断するようパイロット弁体111が設け
られ、バネ室108は弁プラグ102の横穴109、メ
イクアップスリーブ105の弁座170に対する同軸性
確保のために設けられた弁ケーシング101とメイクア
ップスリーブ105との間の環状隙間110a,110
bを介してタンク通路104に連通している。
【0004】メイクアップスリーブ105はバネ112
によって通常は図示の遮断位置に保持され、リリーフポ
ペット106も通常はバネ113(後述)によって図示
の遮断位置に保持されている。また、パイロット弁体1
11もバネ114によって通常は図示の遮断位置に保持
されている。
【0005】一方、リリーフポペット106内には制御
ピストン120が軸方向に摺動可能に挿嵌され、制御ピ
ストン120の先端は主通路103に臨み、後端は背圧
室107に臨んでいる。また、制御ピストン120内に
は主通路103を背圧室107に連通させる通路121
が形成され、通路121のピストン先端側(主通路10
3側)の開口部には絞り穴122が形成され、ピストン
後端側(背圧室側)の開口部にはパイロット弁体111
と一体に設けられた円錐上の弁部124が離着座する弁
座125が形成されている。制御ピストン120の背圧
室107側の端部は拡径されて上記のバネ113のバネ
受け部126となっており、制御ピストン120はバネ
113により、通常は弁座125が弁部124から離れ
る図示の開位置に保持されている。また、制御ピストン
120には絞り穴122より小径の径方向のオリフィス
穴128が形成され、制御ピストン120内の通路12
1はこのオリフィス穴128、制御ピストン120の外
周に形成された軸方向の連通スリット129a,129
bを介しても背圧室107に連通する構成となってい
る。
【0006】メイクアップスリーブ105は主通路10
3及びタンク通路104側に位置する部分よりも背圧室
107及び弁プラグ102側に位置する部分の方が大径
となる形状を有し、弁座170に離着座する部分の有効
バルブ径をD1とし、弁プラグ102の端部が位置する
部分の内径をD2とすると、D1<D2の関係にある。
【0007】通常時は、パイロット弁体111及び制御
ピストン120は図示の位置にあり、メイクアップスリ
ーブ105及びリリーフポペット106も図示の遮断位
置にある。この状態では背圧室107はバネ室108と
の連通が遮断され、制御ピストン120の通路121、
絞り穴122を介して主通路103に連通し、背圧室1
07の圧力は主通路103と同じ圧力になっている。
【0008】図示しないアクチュエータに過大な負荷が
作用し、主通路103の圧力がバネ114の設定圧P1
を越えるとパイロット弁体111及びリリーフポペット
106が下記のように作動(開弁)し、設定圧P1以上
の過剰圧を主通路103からタンク通路104側にリリ
ーフさせる。
【0009】即ち、主通路103の圧力がバネ114の
設定圧P1を越えると、主通路103と同じ圧力となっ
ている背圧室107の圧力でパイロット弁体111が開
弁し、背圧室107はバネ室108、環状隙間110
a,110bを介してタンク通路104に連通し、主通
路103から絞り穴122及び通路121を経て背圧室
107、更にはバネ室108からタンク通路104へと
至る圧油の流れ(パイロット流れ)が生じ、この圧油の
流れにより絞り穴122に前後差圧が生じ、背圧室10
7の圧力が低下する。この背圧室107の圧力の低下に
より制御ピストン120の弁座125がパイロット弁体
111の弁部124に着座して通路121の背圧室側の
開口部が閉じられ、主通路103の圧油は通路121か
ら径方向のオリフィス穴128、連通スリット129
a,129bを介して背圧室107へと流れるようにな
る。その結果、オリフィス穴128の前後に大きな差圧
が発生し、背圧室107の圧力が更に低下し、リリーフ
ポペット106はバネ113に抗して図示左方に移動
し、リリーフポペット106は開弁(クラッキング)
し、設定圧P1以上の過剰圧を主通路103からタンク
通路104側にリリーフさせる。
【0010】ここで、制御ピストン120の絞り穴12
2の穴径はメイクアップスリーブ105の補給動作に支
障のないよう比較的大きく設定されている(後述)。こ
のため、上記のように制御ピストン120の弁座125
がパイロット弁体111の弁部124に着座して通路1
21の背圧室側の開口部が閉じられることにより、パイ
ロット弁体111を通過する圧油の流量(上記のパイロ
ット流量)は制御ピストン120の絞り穴122の穴径
で決まる比較的多めの流量からオリフィス穴128で決
まる極小流量へと瞬時に変化し、フローフォース等の影
響によるオーバライド特性の悪化が防止される。
【0011】一方、図示しないアクチュエータに慣性負
荷が作用するなどして主通路103の圧力が負圧傾向に
なると、絞り穴122を介して主通路103に連通する
背圧室107も負圧傾向となり、背圧室107の圧力よ
りタンク通路104の圧力の方が高くなる。この場合、
メイクアップスリーブ105の有効バルブ径D1と弁プ
ラグ102の端部が位置する部分の内径D2とが上記の
ようにD1<D2の関係にあることから、メイクアップ
スリーブ105の外周部分に作用するタンク通路104
の圧力はD2−D1の面積部分に図示左方の開弁方向に
作用し、背圧室107の圧力はD2−D1の面積部分に
図示右方の閉弁方向に作用し、タンク通路104と背圧
室107の圧力差によりメイクアップスリーブ105は
バネ112に抗して図示左方に移動して開弁し、タンク
通路104から主通路103に圧油を補給させ、これに
よって主通路103側にキャピテーションが発生するの
を未然に防止する。
【0012】また、メイクアップスリーブ105が上記
のように図示左方に移動して開弁するとき、背圧室10
7の容積が減少するため、その背圧室107の容積減少
分の圧油は制御ピストン120の通路121、絞り穴1
22を介して主通路103側へ排出される。このとき、
絞り穴122は背圧室107から主通路103へ圧油が
速やかに流出できるよう大きめの穴径に設定されている
ため、メイクアップスリーブ105が速やかに開弁し、
補給に遅れが生じることはない。
【0013】従来のコンビネーション弁(圧力制御弁)
の他の例を図10に示す。この例は特開平8−7502
0号公報に記載のものである。図中、図9に示す部材と
同等のものには同じ符号を付している。
【0014】図11において、パイロット弁体111A
にはパイロット延長スプール140が一体的に設けら
れ、この延長スプール140は先端が主通路103に臨
むようリリーフポペット106Aに摺動可能に挿嵌され
ている。このパイロット延長スプール140にはそのス
プール先端で開口する軸方向の有底穴121Aが形成さ
れ、かつこの有底穴121Aを背圧室107に連通する
連通穴として、有底穴121Aの底部近傍に径方向の大
きい絞り穴122Aと径方向の小さい絞り穴(オリフィ
ス穴)128Aとが形成されている。
【0015】背圧室107内に位置する弁プラグ102
Aの端部は筒状突出部102aとなっており、この筒状
突出部102aの外周部にストッパ筒141が嵌合固定
されている。ストッパ筒141は小径先端部を有する段
付きの筒状に形成され、その小径先端部の外周段部とリ
リーフポペット106Aの後端に設けられた外周段部と
の間にリリーフポペット106Aを遮断位置に保持する
バネ113が装備されている。
【0016】また、パイロット延長スプール140は筒
状突出部102a及びストッパ筒141内の室を経てリ
リーフポペット106Aを貫通して伸び、このパイロッ
ト延長スプール140の外周上であって、リリーフポペ
ット106Aの後端部分に設けられたピストン摺動穴1
06a内及びストッパ筒141の小径先端部の内側には
軸方向に摺動可能なスリーブピストン142が設けられ
ている。スリーブピストン142の一端側はリリーフポ
ペット106Aのピストン摺動穴106a内に圧力室1
43を画成し、この圧力室143はパイロット延長スプ
ール140に設けられた径方向の連通穴144を介して
有底穴121Aに連通している。スリーブピストン14
2の他端側は筒状突出部102a及びストッパ筒141
内の室に臨む鍔部となっており、スリーブピストン14
2はその鍔部がストッパ筒141の小径先端部の内周段
部に当接する位置と筒状突出部102aの先端に当接す
る位置との間で軸方向に摺動可能である。スリーブピス
トン142は通常はバネ145により当該鍔部がストッ
パ筒141の小径先端部の内周段部に当接する位置に保
持されている。
【0017】有底穴121Aの底部近傍に設けられた2
つの絞り穴122A,128Aは筒状突出部102a及
びストッパ筒140内の室に開口する位置に設けられ、
この室は筒状突出部102aに設けられた径方向の穴1
46を介して背圧室107に連通し、背圧室107の一
部を構成している。
【0018】スリーブピストン142の鍔部がストッパ
筒141の小径先端部の内周段部に当接する位置にある
ときは、2つの絞り穴122A,128Aは両方ともス
リーブピストン142により閉じられることはなく、筒
状突出部102a及びストッパ筒140内の室(背圧
室)に開口したままであり、鍔部が筒状突出部102a
の先端に当接する位置では絞り穴122Aのみがスリー
ブピストン142により閉じられる。
【0019】以上のように構成した圧力制御弁の基本動
作は、図10に示した圧力制御弁と同じである。即ち、
主通路103の圧力がバネ114の設定圧P1を越える
とパイロット弁体111Aが開弁し、これに伴ってリリ
ーフポペット106Aも開弁して、設定圧P1以上の過
剰圧を主通路103からタンク通路104側にリリーフ
させる。また、主通路103の圧力が負圧傾向になる
と、背圧室107の圧力(負圧傾向の圧力)とメイクア
ップスリーブ105の外周に作用するタンク通路104
の圧力差によりメイクアップスリーブ105は開弁し、
タンク通路104から主通路103に圧油を補給させ
る。
【0020】ただし、パイロット弁体111Aはその延
長部である延長スプール140と一体に移動し、主通路
103と背圧室107との連通は2つの絞り穴122
A,128Aを介してか、1つの小さい絞り穴128A
を介してかのいずれかで行われ、その連通路の切り換え
は、スリーブピストン142により行われる。
【0021】即ち、通常時は、パイロット弁体111A
及びその延長スプール140とスリーブピストン142
は図示の位置にあり、背圧室107は2つの絞り穴12
2A,128Aを介して主通路103に連通している。
【0022】リリーフ動作の初期時、パイロット弁体1
11Aが延長スプール140に押されて開弁し、背圧室
107の圧力が低下すると、スリーブピストン142が
図示の位置から絞り穴122Aを閉じる位置に移動し、
背圧室107は1つの小さい絞り穴128Aを介して主
通路103に連通するようになる。これにより図10に
示す圧力制御弁で、弁部124により通路121の背圧
室側開口部が閉じられて、背圧室107がオリフィス穴
128のみを介して連通するのと同様、絞り穴128A
の前後に大きな差圧が発生し、背圧室107の圧力が更
に低下し、リリーフポペット106Aは開弁する。ま
た、パイロット流量が極少量となり、フローフォース等
の影響が小さくなることでオバーライド特性の悪化が防
止される。
【0023】また、補給動作時は、スリーブピストン1
42が図示の位置にあり、背圧室107が2つの絞り穴
122A,128Aを介して主通路103に連通してい
るため、メイクアップスリーブ105は遅れなく上昇
し、速やかな補給が可能となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来の圧
力制御弁は、パイロット弁体111と制御ピストン12
0とが別体であるため、次のような問題点を有してい
る。
【0025】1.リリーフ動作初期時、パイロット弁体
111の開弁動作(パイロット弁体クラッキング)から
リリーフポペット106の開弁動作(リリーフポペット
クラッキング)に移行する過程の途中で、パイロット弁
体111を開弁方向に押圧する作用圧力は、パイロット
弁体111の開弁直後の背圧室107の瞬間的に低下し
た圧力から主通路103の圧力へと不連続に切り替わ
る。
【0026】2.パイロット弁体クラッキングからリリ
ーフポペットクラッキングへ移行する過程の途中で、主
通路103と背圧室107とを連通する絞り穴が、大
(絞り穴122)から小(オリフィス穴128)へと不
連続に切り替わる。
【0027】3.パイロット弁体クラッキングからリリ
ーフポペットクラッキングへ移行する過程の途中で、力
自体は小さいが、制御ピストン120がパイロット弁体
111の弁部124に当たり、制御ピストン120の移
動に伴う慣性力をパイロット弁体111で受け止める。
【0028】4.上記1,2,3の動作は制御ピストン
120の動きを介してほぼ同時に行われる。
【0029】以上の1〜4により、パイロット弁体11
1の開弁動作が不安定となり、リリーフ動作初期時にバ
ネ114の設定圧P1以上の過剰圧の発生や、その反作
用としての一次的な圧力の落ち込みが大きく発生し易
く、リリーフ弁としてのリリーフ圧力を安定させること
ができないという問題がある。
【0030】図10に示した特開平8−75020号公
報に記載の圧力制御弁は、制御ピストン120をパイロ
ット延長スプール140としてパイロット弁体111A
と一体にすることにより、上記1〜4の問題点を解決し
ている。しかし、この従来技術は、背圧室107を主通
路103に連通させる絞り穴の大から小への切り換えを
スリーブピストン142の移動で行うため、次のような
問題を有している。
【0031】1.絞り穴を切り換えるためのスリーブピ
ストン142は、部品点数の増加となる。
【0032】2.スリーブピストン142を、パイロッ
ト延長スプール140の外周とリリーフポペット106
Aの後端部分のピストン摺動穴106a及びストッパ筒
141の小径先端部との間の狭い部分に摺動可能に配置
しなければならず、構造が複雑となる。
【0033】3.メイクアップスリーブ105内に、パ
イロット延長スプール140、スリーブピストン142
及びリリーフポペット106Aの三部品が軸方向に移動
可能に重なって配置されているため、これら三部品の同
軸性を出す必要があり、厳密な加工精度が要求され、加
工が大変である。
【0034】本発明の目的は、リリーフ機能とアンチキ
ャビテーション機能(メイクアップ機能)を同時に有
し、かつ構造が簡素で、加工精度の厳密性を低減できる
圧力制御弁を提供することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、負荷側の主通路とタンク側の通路
とが形成された弁ブロックに取り付けられる弁ケーシン
グと、前記主通路とタンク側の通路を連通、遮断するよ
う前記弁ケーシング内に設けられたメイクアップスリー
ブと、前記主通路とタンク側の通路を連通、遮断するよ
う前記メイクアップスリーブ内に摺動可能に挿嵌された
リリーフポペットと、前記メイクアップスリーブ内で前
記リリーフポペットの背面側に設けられた背圧室と、こ
の背圧室を前記タンク側の通路に対して連通、遮断する
よう前記弁ケーシング内に設けられたパイロット弁体
と、このパイロット弁体に一体的に設けられ、前記背圧
室を経て前記リリーフポペットを貫通して伸び、先端が
前記主通路に臨むよう前記リリーフポペットに摺動可能
に挿嵌されたパイロット延長スプールと、このパイロッ
ト延長スプールにそのスプール先端で開口するよう設け
られた軸方向の有底穴及びこの有底穴を前記背圧室に連
通するよう設けられた連通穴とを備え、前記主通路の圧
力が予め設定された圧力に達したとき、この主通路の圧
力により前記パイロット弁体を前記パイロット延長スプ
ールを介して押圧して開弁し、前記背圧室を減圧させる
ことで前記リリーフポペットを開弁し、前記主通路が負
圧傾向になると、この主通路に前記有底穴及び連通穴を
介して連通する前記背圧室と前記タンク側の通路との圧
力差により前記メイクアップスリーブを開弁する圧力制
御弁において、前記パイロット延長スプールの軸方向の
有底穴内に環状のシート部を形成し、このシート部を挟
んで前記有底穴を前記主通路に連通させる可変絞り穴を
設けるとともに、前記有底穴のスプール先端での開口部
を、前記有底穴を前記主通路に連通させる連通穴を有し
たプラグで塞ぎ、前記有底穴内に前記シート部と前記プ
ラグの間で移動可能な、有底穴とほぼ同一径の弁体を挿
入し、前記弁体がプラグに接している状態では、前記可
変絞り穴の開口面積を大きくし、前記弁体がシート部に
接している状態では、前記可変絞り穴の開口面積を小さ
くする。
【0036】このように構成した圧力制御弁において
は、主通路の圧力が予め設定された圧力に達すると、主
通路の圧力によりパイロット弁体をパイロット延長スプ
ールを介して押圧して開弁し、これにより主通路からパ
イロット延長スプールの有底穴及び連通穴を介して背圧
室へと至り、更にパイロット弁体を通ってタンクへと至
る圧油の流れ(パイロット流れ)が生じ、この圧油の流
れにより可変絞り穴に前後差圧が生じ、背圧室が減圧さ
れる。このとき、主通路と背圧室との圧力差により有底
穴に挿入された弁体はシート部に向けて移動してシート
部に接した状態となり、可変絞り穴の開口面積を小さく
する。このため可変絞り穴の前後の差圧は大きくなり、
背圧室の圧力が更に低下し、リリーフポペットが開弁
(クラッキング)し、設定圧以上の過剰圧がタンク側の
通路にリリーフする(リリーフ機能)。そして、このと
き、可変絞り穴の開口面積は小さいため、上記のパイロ
ット流れの流量は小流量となり、オーバライド特性の悪
化が防止される。また、パイロット弁と一体にパイロッ
ト延長スプールを設けているため、リリーフ圧を安定さ
せて開弁時の特性を大幅に向上できる。
【0037】一方、主通路が負圧傾向になると、この主
通路に連通する背圧室の圧力とタンク側の通路の圧力と
の差圧によりメイクアップスリーブが開弁し、タンク側
の通路から主通路に圧油を補給する(メイクアップ機
能)。このとき、メイクアップスリーブの開弁(移動)
による背圧室の容積の減少で、背圧室の圧油がパイロッ
ト延長スプールの連通穴、有底穴、可変絞り穴を通って
主通路へ排出され、可変絞り穴の絞り効果により背圧室
及び有底穴の圧力が主通路の圧力より上昇し、この圧力
差により有底穴内の弁体はプラグに接した状態となり、
可変絞り穴の開口面積を大きくする。このため、メイク
アップスリーブは速やかに開弁し、補給に遅れが生じる
ことはない。
【0038】また、有底穴を背圧室に連通させる連通穴
を切り換えるのではなく、有底穴を主通路に連通させる
可変絞り穴を設け、この可変絞り穴を有底穴内に設けた
弁体で切り換える構成とし、上記のようにリリーフ機能
をメイクアップ機能を得るようにしたので、従来、連通
穴の切換のために設けていたスリーブピストンが不要と
なり、構造が簡素化される。また、メイクアップスリー
ブ内に同軸配置される部品は、パイロット延長スプール
とリリーフポペットの二部品となり、同軸性を出し易く
なり、加工精度の厳密性を低減できる。
【0039】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記パイロット延長スプールの軸方向の有底穴を、底部
側の穴径より先端開口部側の穴径の方が大きくなった段
突きの穴形状とし、この段突の穴形状の段突き部で前記
環状のシート部を構成する。
【0040】これにより有底穴を段付きの穴形状に加工
するだけでシート部が得られる。
【0041】(3)また、上記(1)において、好まし
くは、前記可変絞り穴は、前記有底穴の前記シート部を
挟んで位置する2つの絞り穴を有し、前記弁体がプラグ
に接している状態では、前記2つの絞り穴が両方とも前
記有底穴のシート部後方部分に連通し、前記弁体がシー
ト部に接している状態では、前記2つの絞り穴のうち前
記先端開口部側に位置する絞り穴と前記有底穴のシート
部後方部分との連通を遮断する。
【0042】このように2つの絞り穴の一方を選択的に
連通、遮断することにより、弁体がプラグに接している
状態では、絞り穴の開口面積が大きくなり、弁体がシー
ト部に接している状態では、絞り穴の開口面積が小さく
なる。
【0043】(4)更に、上記(1)において、好まし
くは、前記2つの絞り穴のうち前記先端開口部側に位置
する絞り穴より前記シート部を挟んで反対側に位置する
絞り穴の方が開口面積が小さい。
【0044】これにより弁体がシート部に接している状
態での可変絞り穴の開口面積を特に小さくし、リリーフ
動作時のパイロット流量が極小流量となり、オーバライ
ド特性の改善効果が大となる。
【0045】(5)また、上記(1)において、好まし
くは、前記有底穴内に挿入された弁体は前記シート部と
前記プラグの間で移動可能なボールである。
【0046】このようにボールを移動させることによ
り、プラグに接する状態とシート部に接する状態との間
をスムーズに移行できる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0048】本発明の第1の実施形態を図1〜図5によ
り説明する。
【0049】図1において、50は本実施形態の圧力制
御弁であり、圧力制御弁50は、方向切換弁等の他の弁
が組み込まれた弁ブロック60と、この弁ブロック60
のネジ穴60aに固定され、弁ガイドを兼ねる弁ケーシ
ング1と、弁ケーシング1の摺動穴1aの開口端を閉じ
る弁プラグ2とを有し、弁ブロック60にはアクチュエ
ータ(負荷)につながる主通路3とタンクにつながるタ
ンク通路4とが形成されている。
【0050】弁ケーシング1の弁ガイドとしての摺動穴
1aには、主通路3とタンク通路4との間に形成された
弁座70に離着座し、主通路3とタンク通路4を連通、
遮断するメイクアップポペットの役割を有するメイクア
ップスリーブ5が摺動可能に挿嵌され、メイクアップス
リーブ5には摺動穴5a、摺動穴5aを主通路3に連通
する軸方向穴5b、摺動穴5aをタンク通路4に連通す
る横穴5c、軸方向穴5bと横穴5cの間に位置する弁
座5dとが形成され、メイクアップスリーブ5の摺動穴
5aには弁座5dに離着座し、主通路3とタンク通路4
を連通、遮断するようリリーフポペット6が摺動可能に
挿嵌されている。
【0051】メイクアップスリーブ5の摺動穴5a内で
リリーフポペット6の背面側には弁プラグ2の端部が位
置する背圧室7が設けられ、弁プラグ2の端部には背圧
室7を弁プラグ2内のバネ室8に連通、遮断するようポ
ペット状のパイロット弁体11が設けられ、バネ室8は
弁プラグ2の横穴9、メイクアップスリーブ5の弁座7
0に対する同軸性確保のために設けられた弁ケーシング
1とメイクアップスリーブ5との間の環状隙間10a,
10bを介してタンク通路4に連通している。
【0052】メイクアップスリーブ5はバネ12によっ
て通常は図示の遮断位置に保持され、リリーフポペット
6も通常はバネ13(後述)によって図示の遮断位置に
保持されている。また、パイロット弁体11もバネ14
によって通常は図示の遮断位置に保持されている。
【0053】また、パイロット弁体11にはパイロット
延長スプール40が一体的に設けられ、この延長スプー
ル40は先端が主通路3に臨むようリリーフポペット6
の中心部に形成された軸方向の摺動穴6aに摺動可能に
挿嵌されている。このパイロット延長スプール40には
その中心部に、スプール先端で開口する軸方向の有底穴
21が形成され、この有底穴21は、底部側に位置する
穴部分21aと、この穴部分21aより先端側に位置す
る穴部分21bとを有し、穴部分21aの穴径の方が穴
部分21bの穴径より小さい段付きの穴となっており、
穴部分21aと穴部分21bとの境界に段付き部21c
が形成されている。
【0054】また、パイロット延長スプール40の小径
穴部分21aの底部近傍に有底穴21を背圧室7に連通
させる径方向の連通穴23が形成され、小径穴部分21
aの段付き部21c近傍に有底穴21を主通路3に連通
させる穴径(開口面積)の小さい絞り穴28が形成さ
れ、大径穴部分21bの段付き部21c近傍に絞り穴2
8より穴径(開口面積)の大きい絞り穴22が形成さ
れ、この2つの絞り穴22,28は段付き部21cを挟
んで位置している。連通穴23の穴径(開口面積)は、
有底穴21から背圧室7への圧油の流れで圧損が生じな
いように、大小の絞り穴22,28に比べ十分に大きく
設定してある。また、大小の絞り穴22,28のうち大
きい方の絞り穴22の穴径(開口面積)はメイクアップ
スリーブ5の補給動作に支障のないよう比較的大きく設
定されている(後述)。
【0055】更に、図2に拡大して示すように、有底穴
21の大径穴部分21bの先端開口部には、主通路3と
有底穴21を連通する軸方向の連通穴24aを有したプ
ラグ24がネジ部24bにより締結、固定されている。
プラグ24の連通穴24aの先端側は六角穴24cにな
っており、この六角穴24cにレンチを挿入し、プラグ
24を有底穴21に締結、固定する。また、有底穴21
の大径穴部分21bには段付き部21cとプラグ24と
の間で移動可能な、大径穴部分21bとほぼ同一径のボ
ール25が挿入され、ボール25とプラグ24の間に圧
力室26が形成されている。ボール25は段付き部21
cをシート部として作動する弁体であり、ボール25が
プラグ24に接している状態では、2つの絞り穴22,
28が両方とも有底穴21の小径穴部分21aに連通
し、ボール25が段付き部(シート部)21cに接して
いる状態では、2つの絞り穴22,28のうち先端開口
部側に位置する絞り穴22と有底穴21の小径穴部分2
1aとの連通を遮断する。
【0056】メイクアップスリーブ5は主通路3及びタ
ンク通路4側に位置する部分よりも背圧室7及び弁プラ
グ2側に位置する部分の方が大径となる形状を有し、弁
座70に離着座する部分の有効バルブ径をD1とし、弁
プラグ2の端部が位置する部分の内径をD2とすると、
D1<D2の関係にある。
【0057】図3に圧力制御弁50の使用例を示す。図
3において、81はアクチュエータを構成する油圧シリ
ンダを示し、油圧シリンダ81は、例えば油圧ショベル
のブームシリンダ、アームシリンダ又はバケットシリン
ダ等であり、内部のボトム側油室81a及びロッド側油
室81bは一対の主管路82a,82bと、この主管路
82a,82bに接続された方向切換弁85を介して油
圧源となる油圧ポンプ83及びタンク84に接続されて
いる。
【0058】方向切換弁85を図示のa位置からb位置
に切り換えると、油圧ポンプ83からの圧油がボトム側
油室81aに供給され、ロッド側油室81bの圧油はタ
ンク84に排出され、ロッド81cは伸長し負荷Wを図
示右方に駆動する。方向切換弁85をc位置に切り換え
ると、油圧ポンプ83からの圧油がロッド側油室81b
に供給され、ボトム側油室81aの圧油はタンク84に
排出され、ロッド81cは収縮し負荷Wを図示左方に駆
動する。
【0059】主管路82a,82bには圧力制御弁50
−1,50−2が接続され、圧力制御弁50−1,50
−2はオーバロードリリーフ弁6−1,6−2及びメイ
クアップ用のチェック弁5−1,5−2を有するコンビ
ネーション弁として構成され、主管路82a,82b内
の圧力がバネ14−1,14−2の設定圧P1を越える
過剰圧となったときには、この過剰圧をオーバロードリ
リーフ弁6−1,6−2を介してタンク通路4−1,4
−2からタンク84へとリリーフさせる。また、主管路
82,82b内が負圧傾向となったときには、タンク8
4内の作動油をタンク通路4−1,4−2からチェック
弁5−1,5−2を介して主管路82a,82b内に補
給させ、キャビテーションが発生するのを防止する。
【0060】本発明の圧力制御弁50は図3の圧力制御
弁50−1,50−2として用いられるものであり、図
3において、オーバロードリリーフ弁6−1,6−2が
主としてリリーフポペット6に対応し、メイクアップ用
のチェック弁5−1,5−2が主としてメイクアップス
リーブ5に対応し、バネ14−1,14−2がバネ14
に対応する。
【0061】次に、以上のように構成した圧力制御弁5
0の動作を説明する。
【0062】1.主通路3の圧力がバネ14の設定圧P
1よりも低い通常時(図1) アクチュエータ81の負荷Wが軽く、主通路3の圧力が
バネ14の設定圧P1よりも低いときは、パイロット弁
体11は図1に示すように閉弁しており、メイクアップ
スリーブ5及びリリーフポペット6も図示の遮断位置に
ある。この状態では背圧室7はバネ室8との連通が遮断
され、パイロット延長スプール40の連通穴23、有底
穴21、絞り穴28(又は絞り穴22と28)を介して
主通路3に連通し、背圧室7の圧力は主通路3と同じ圧
力になっている。また、ボール25の前後の圧力は同じ
であるため、ボール25の位置はフリーになっている。
【0063】2.主通路3の圧力がバネ14の設定圧P
1を越える時(図4:リリーフ動作) アクチュエータ81にの負荷Wが過大となり、主通路3
の圧力がバネ14の設定圧P1を越えると、パイロット
弁体11及びリリーフポペット6が下記のように作動
(開弁)し、設定圧P1以上の過剰圧を主通路3からタ
ンク通路4側にリリーフさせる。
【0064】即ち、主通路3の圧力がバネ14の設定圧
P1を越えると、その圧力がパイロット延長スプール4
0を押すことでパイロット弁体11が開弁し、背圧室7
はバネ室8に連通し、更に横穴12、環状隙間10a,
10bを介してタンク通路4に連通する。このため、主
通路3から絞り穴28(又は絞り穴22と28)、有底
穴21、連通穴23を経て背圧室7、更にはバネ室8か
らタンク通路4へと至る圧油の流れ(パイロット流れ)
が生じ、この圧油の流れにより絞り穴28(又は絞り穴
22と28)に前後差圧が生じ、背圧室7の圧力が低下
する。このとき、連通穴23の穴径は前述したように大
小の絞り穴22,28に比べ十分に大きく設定してある
ため、有底穴21内のボール25の背部(段付き部21
c側)の有底穴21内の圧力は背圧室7の圧力とほぼ同
一であり、ボール25の手前(プラグ24側)の圧力室
26の圧力は主通路3の圧力と同一であり、ボール25
は主通路3と背圧室7の圧力差により有底穴21の底部
側に移動し、段付き部21cでシートされた状態とな
る。このため、段付き部21cを挟んで位置する2つの
絞り穴22,28のうち穴径(開口面積)の大きい絞り
穴22と有底穴21の小径穴部分21aとの連通が遮断
され、主通路3と有底穴21の小径側穴部分21aは穴
径(開口面積)の小さい絞り穴28のみを介して連通す
ることになる。このため絞り穴28の前後の差圧は大き
くなり、背圧室26の圧力は更に低下し、この背圧室2
6の圧力の低下によりリリーフポペット6はバネ13に
抗して図示左方に移動し、リリーフポペット6は開弁
(クラッキング)し、設定圧P1以上の過剰圧を主通路
3からタンク通路4側にリリーフさせる。
【0065】また、パイロット弁体11を通過する圧油
の流量(上記のパイロット流量)は2つの絞り穴22,
28で決まる比較的多めの流量から穴径(開口面積)の
小さい絞り穴28で決まる極小流量へと瞬時に変化し、
パイロット弁体11に作用するフローフォースは無視で
きるほど小さくなり、オーバライド特性の悪化が防止さ
れる。
【0066】更に、パイロット弁11と一体にパイロッ
ト延長スプール40を設けているため、図10に示した
特開平8−75020号公報に記載の圧力制御弁と同様
に図9に示した圧力制御弁にあった問題、即ち、パイロ
ット弁体の開弁動作が不安定となり、リリーフ動作初期
時にバネの設定圧以上の過剰圧の発生や、その反作用と
しての一次的な圧力の落ち込みが大きく発生し易く、リ
リーフ弁としてのリリーフ圧力を安定させることができ
ないという問題を解決し、リリーフ圧を安定させて開弁
時の特性を大幅に向上できる。
【0067】3.主通路3の圧力が負圧傾向になった時
(図5:メイクアップ動作) アクチュエータ81の負荷Wが慣性負荷として作用する
時のように主通路3の圧力が負圧傾向になると、主通路
3に連通する背圧室7も負圧傾向となり、背圧室7の圧
力よりタンク通路4の圧力の方が高くなる。この場合、
メイクアップスリーブ5の有効バルブ径D1と弁プラグ
2の端部が位置する部分の内径D2とが上記のようにD
1<D2の関係にあることから、メイクアップスリーブ
5の外周部分に作用するタンク通路4の圧力はD2−D
1の面積部分に図示左方の開弁方向に作用し、背圧室7
の圧力はD2−D1の面積部分に図示右方の閉弁方向に
作用し、タンク通路4と背圧室7の圧力差によりメイク
アップスリーブ5はバネ12に抗して図示左方に移動し
て開弁し、タンク通路4から主通路1に圧油を補給さ
せ、これによって主通路3側にキャピテーションが発生
するのを未然に防止する。
【0068】また、メイクアップスリーブ5が上記のよ
うに図示左方に移動して開弁するため、ボール25がシ
ート部21cに接する状態にあったとしても、背圧室7
内の圧油はパイロット延長スプール40の連通穴23、
有底穴21、絞り穴28を介して主通路3へ排出され、
絞り穴28の絞り効果により有底穴21の圧力が主通路
3の圧力より上昇し、この圧力差によりボール25は図
示右方に移動してプラグ24に押圧された状態となり、
穴径(開口面積)の大きい絞り穴22を開口させ、有底
穴21は2つの絞り穴22,28を介して主通路3に連
通する。このため、メイクアップスリーブ5が速やかに
開弁し、補給に遅れが生じることはない。
【0069】以上のように本実施形態によれば、図11
に記載した従来の圧力制御弁と同様に、オーバロードリ
リーフ弁としての機能とアンチキャビテーション機能
(メイクアップ機能)を果たせ、しかもリリーフ動作に
際しては良好なオーバライド特性と安定したリリーフ作
用が得られる。また、図11の従来の圧力制御弁にあっ
た制御ピストン142を廃止できるので、部品点数の減
少、構造の簡素化、加工精度のシビアさの減少が図れ
る。
【0070】本発明の他の実施形態を図6〜図8により
説明する。図中、図1及び図2に示した部材と同等のも
のには同じ符号を付している。
【0071】図6は、有底穴21の大径穴部分21b内
で大きい方の絞り穴22と有底穴21の小径穴部分21
aとの連通、遮断の切り換えを行う弁体として、図1の
ボール25の代わりにポペット25Aを段付き部21c
とプラグ24との間で摺動可能に配置したものである。
この場合も、ポペット25Aの移動で絞り穴22と有底
穴21の小径穴部分21aとの連通、遮断を切り換える
ことができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】図7は、パイロット延長スプール40の中
心部に開けられる有底穴として、底部から先端まで穴径
が一様な単一径の有底穴21Aを設け、この有底穴21
Aにリング30を嵌合固定し、図1の段付き部1cの代
わりにこのリング30でボール25のシート部を形成し
たものである。この場合も、リング30を挟む位置に2
つの絞り穴22,28を設けておくことによりボール2
5の移動で絞り穴22の連通、遮断を切り換えることが
でき、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】図8は、パイロット延長スプール40の有
底穴21を主通路3に連通させる可変絞り穴として、図
1の大小2つの絞り穴22,28の代わりに単一の長穴
32を設けたものである。この場合も、長穴32の開口
面積の大きさとシート部21cとの位置関係を適切に設
定することにより、ボール25の移動で図1の絞り穴2
2,28の開口面積の和に相当する大きな開口面積と、
絞り穴28の開口面積に相当する小さな開口面積の間で
切り換えることができ、第1の実施形態と同様の効果が
得られる。
【0074】また、図示はしないが、図1及び図2に示
す第1の実施形態において、絞り穴28でリリーフ動作
初期時に背圧室7を減圧でき、2つの絞り穴22,28
で補給時に背圧室7内の圧油を速やかに排出できるので
あれば、2つの絞り穴22,28は同一の穴径(開口面
積)であってもよい。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、従来の圧力制御弁と同
様に、オーバロードリリーフ弁としての機能とアンチキ
ャビテーション機能(メイクアップ機能)を果たせ、し
かもリリーフ動作に際しては良好なオーバライド特性と
安定したリリーフ作用が得られると共に、従来の圧力制
御弁にあった制御ピストンを廃止できるので、部品点数
の減少、構造の簡素化、加工精度のシビアさの減少が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による圧力制御弁の断
面図である。
【図2】図1に示す圧力制御弁の要部の拡大図である。
【図3】圧力制御弁の使用例を示す図である。
【図4】図1に示す圧力制御弁のリリーフ動作時の状態
を示す断面図である。
【図5】図1に示す圧力制御弁の補給動作時の状態を示
す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態による圧力制御弁の要部
を示す図2と同様な断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態による圧力制御弁の
要部を示す図2と同様な断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態による圧力制御弁の
要部を示す図2と同様な断面図である。
【図9】従来の圧力制御弁を示す断面図である。
【図10】従来の他の圧力制御弁を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁ケーシング 2 弁プラグ 3 主通路 4 タンク通路 5 メイクアップスリーブ 5a 摺動穴 5b 軸方向穴 5c 横穴 5d 弁座 6 リリーフポペット 6a 摺動穴 7 背圧室 8 バネ室 9 横穴 10a,10b 連通スリット 11 パイロット弁体 12 バネ 13 バネ 14 バネ 21 有底穴 21a 小径穴部分 21b 大径穴部分 21A 有底穴 22 絞り穴(大)(可変絞り穴) 23 連通穴 24 プラグ 24a 連通穴 25 ボール(弁体) 25A ポペット(弁体) 26 圧力室 28 絞り穴(小)(可変絞り穴) 30 リング 32 長穴(可変絞り穴) 40 パイロット延長スプール 50 圧力制御弁 60 弁ブロック(弁ケーシング) 70 弁座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 勇作 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 高橋 欣也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 東ケ崎 光久 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H056 AA02 AA03 BB32 BB33 CB02 CD06 DD02 EE10 GG01 GG11 3H059 AA06 AA17 BB03 BB13 BB22 BB30 CA12 CA15 CC02 CD05 DD17 EE01 EE13 FF03 FF14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷側の主通路とタンク側の通路とが形成
    された弁ブロックに取り付けられる弁ケーシングと、前
    記主通路とタンク側の通路を連通、遮断するよう前記弁
    ケーシング内に設けられたメイクアップスリーブと、前
    記主通路とタンク側の通路を連通、遮断するよう前記メ
    イクアップスリーブ内に摺動可能に挿嵌されたリリーフ
    ポペットと、前記メイクアップスリーブ内で前記リリー
    フポペットの背面側に設けられた背圧室と、この背圧室
    を前記タンク側の通路に対して連通、遮断するよう前記
    弁ケーシング内に設けられたパイロット弁体と、このパ
    イロット弁体に一体的に設けられ、前記背圧室を経て前
    記リリーフポペットを貫通して伸び、先端が前記主通路
    に臨むよう前記リリーフポペットに摺動可能に挿嵌され
    たパイロット延長スプールと、このパイロット延長スプ
    ールにそのスプール先端で開口するよう設けられた軸方
    向の有底穴及びこの有底穴を前記背圧室に連通するよう
    設けられた連通穴とを備え、前記主通路の圧力が予め設
    定された圧力に達したとき、この主通路の圧力により前
    記パイロット弁体を前記パイロット延長スプールを介し
    て押圧して開弁し、前記背圧室を減圧させることで前記
    リリーフポペットを開弁し、前記主通路が負圧傾向にな
    ると、この主通路に前記有底穴及び連通穴を介して連通
    する前記背圧室と前記タンク側の通路との圧力差により
    前記メイクアップスリーブを開弁する圧力制御弁におい
    て、 前記パイロット延長スプールの軸方向の有底穴内に環状
    のシート部を形成し、このシート部を挟んで前記有底穴
    を前記主通路に連通させる可変絞り穴を設けるととも
    に、前記有底穴のスプール先端での開口部を、前記有底
    穴を前記主通路に連通させる連通穴を有したプラグで塞
    ぎ、 前記有底穴内に前記シート部と前記プラグの間で移動可
    能な、有底穴とほぼ同一径の弁体を挿入し、前記弁体が
    プラグに接している状態では、前記可変絞り穴の開口面
    積を大きくし、前記弁体がシート部に接している状態で
    は、前記可変絞り穴の開口面積を小さくすることを特徴
    とする圧力制御弁。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧力制御弁において、前記
    パイロット延長スプールの軸方向の有底穴を、底部側の
    穴径より先端開口部側の穴径の方が大きくなった段突き
    の穴形状とし、この段突の穴形状の段突き部で前記環状
    のシート部を構成したことを特徴とする圧力制御弁。
  3. 【請求項3】請求項1記載の圧力制御弁において、前記
    可変絞り穴は、前記有底穴の前記シート部を挟んで位置
    する2つの絞り穴を有し、前記弁体がプラグに接してい
    る状態では、前記2つの絞り穴が両方とも前記有底穴の
    シート部後方部分に連通し、前記弁体がシート部に接し
    ている状態では、前記2つの絞り穴のうち前記先端開口
    部側に位置する絞り穴と前記有底穴のシート部後方部分
    との連通を遮断することを特徴とする圧力制御弁。
  4. 【請求項4】請求項3記載の圧力制御弁において、前記
    2つの絞り穴のうち前記先端開口部側に位置する絞り穴
    より前記シート部を挟んで反対側に位置する絞り穴の方
    が開口面積が小さいことを特徴とする圧力制御弁。
  5. 【請求項5】請求項1記載の圧力制御弁において、前記
    有底穴内に挿入された弁体は前記シート部と前記プラグ
    の間で移動可能なボールであることを特徴とする圧力制
    御弁。
JP10273655A 1998-09-28 1998-09-28 圧力制御弁 Pending JP2000104842A (ja)

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