JP2002206504A - 油圧モータ駆動装置 - Google Patents

油圧モータ駆動装置

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JP2002206504A
JP2002206504A JP2001002596A JP2001002596A JP2002206504A JP 2002206504 A JP2002206504 A JP 2002206504A JP 2001002596 A JP2001002596 A JP 2001002596A JP 2001002596 A JP2001002596 A JP 2001002596A JP 2002206504 A JP2002206504 A JP 2002206504A
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pressure
valve
hydraulic motor
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setting spring
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JP2001002596A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kobayashi
剛 小林
Hitoshi Kagiwada
均 鍵和田
Takashi Niitome
隆志 新留
Kazuro Yokoyama
和朗 横山
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧モータに対する急激なブレーキ圧力の発
生及び高圧のサージ圧力の発生を防止できると共に、部
品点数を低減できる油圧モータ駆動装置の提供。 【解決手段】 油圧ポンプ2と油圧モータ1とを連絡す
る主管路4A,4Bと、油圧モータ1を制御する方向切
換弁5と、油圧モータ1を制動するブレーキ弁を形成す
るリリーフ弁7とを備えると共に、方向切換弁5と油圧
モータ1との間に高圧選択弁を兼ねるカウンタバランス
弁6を備え、上記リリーフ弁7が、主弁9と、受圧部8
A,8Bと、開弁圧力値を設定する圧力設定ばね9と、
圧力設定ばね室12と、昇圧ピストン10と、昇圧ばね
11とを含み、方向切換弁5の中立時には低圧を圧力設
定ばね室12に導き、方向切換弁5の中立位置からの切
り換え時には、カウンタバランス弁6に含まれる高圧選
択弁で選択された高圧を圧力設定ばね室12に導く信号
通路14と、この信号通路14に設けた絞り15とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルを含
む建設機械等の作業機械に備えられ、旋回モータ、走行
モータ等の油圧駆動装置である油圧モータ駆動装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の油圧モータ駆動装置を示す
油圧回路図である。この従来技術は、油圧ポンプ2と、
この油圧ポンプ2から吐出される圧油によって駆動する
油圧モータ1と、この油圧モータ1と油圧ポンプ2とを
連絡する一対の主管路4A,4Bと、これらの主管路4
A,4Bに設けられ、油圧ポンプ2から油圧モータ1に
供給される圧油の流れを制御する方向切換弁5と、この
方向切換弁5と油圧モータ1との間に設けられたカウン
タバランス弁6と、このカウンタバランス弁6と油圧モ
ータ1との間に設けられ、主管路4Bの圧力が所定圧力
以上の高圧になったときに、この主管路4Bの圧力を低
圧側の主管路4Aに逃がすリリーフ弁7A、主管路4A
の圧力が所定圧力以上の高圧になったときにこの主管路
4Aの圧力を低圧側の主管路4Bに逃がすリリーフ弁7
Bとを備えている。
【0003】上述した2つのリリーフ弁7A,7Bは、
油圧モータ1の駆動状態からの停止時に、この油圧モー
タ1を制動させるブレーキ圧力を発生させるブレーキ弁
を構成している。
【0004】また、油圧モータ1を制動するネガティブ
式ブレーキ装置17と、このネガティブ式ブレーキ装置
17による油圧モータ1の制動を解除する圧油を導くブ
レーキ解除通路18とを備え、カウンタバランス弁6の
切り換え操作に応じて油圧ポンプ2から吐出される圧油
が選択的にブレーキ解除通路18に供給されるようにな
っている。すなわち上述したカウンタバランス弁6は、
高圧を選択的にブレーキ解除通路18に導く高圧選択弁
を兼ねている。
【0005】このように構成される従来技術では、方向
切換弁5の中立時には、ネガティブ式ブレーキ装置17
はブレーキ解除通路18を介してタンク3に連通し、内
蔵するばねの力により油圧モータ1を制動する。このよ
うな中立状態から、例えば方向切換弁5を同図9の右方
向に移動させ、位置Aに切り換えるように操作すると、
油圧ポンプ2から吐出される圧油が、方向切換弁5を介
してカウンタバランス弁6の図示右側の制御ポートに与
えられ、これによりカウンタバランス弁6は位置Aに切
り換えられる。これに伴い油圧ポンプ2の圧油が主管路
4A、及びブレーキ解除通路18に供給され、主管路4
Bはタンク3に連通する。ブレーキ解除通路18に供給
された圧油によりネガティブ式ブレーキ装置17が作動
し、油圧モータ1に対する制動が解除される。主管路4
Aに供給された圧油は油圧モータ1に導かれ、その戻り
油は主管路4Bを経てタンク3に戻される。これにより
油圧モータ1は駆動し、この油圧モータ1の駆動により
旋回体等の慣性体が所望の動作をおこなう。
【0006】上述のような油圧モータ1の駆動状態か
ら、方向切換弁5を中立位置に戻すと、カウンタバラン
ス弁6の両制御ポートがタンク3に連通するので、内蔵
されるばねの力によりこのカウンタバランス弁6は中立
位置に復帰する。これによりブレーキ解除通路18がタ
ンク3に連通すると共に、主管路4A,4Bと、油圧ポ
ンプ2及びタンク3との間が遮断される。したがって、
主管路4Aを介しての油圧モータ1への圧油の供給は停
止するが、油圧モータ1は自身が駆動する上述の旋回体
等の慣性体の慣性力を受けて回転を続けようとする。こ
れにより油圧モータ1の流出側を形成する主管路4B側
の圧力が高圧となり、主管路4A側が低圧となる。主管
路4B側の圧力が油圧モータ1の回転を制動する所定圧
力以上となるとリリーフ弁7Aが作動し、その過剰に高
圧となった主管路4B側の圧力が低圧側である主管路4
Aに逃がされる。また、このような動作と共に、上述の
ようにブレーキ解除通路18がタンク3に連通したこと
によりネガティブ式ブレーキ装置17が作動し、油圧モ
ータ1が制動される。
【0007】なお、上述したようなブレーキ弁を形成す
るリリーフ弁7A,7Bを有する公知技術としては、例
えば実開昭50−131022号公報に示されるものが
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように構成され
る従来技術では、油圧モータ1の駆動状態から停止させ
るために、方向切換弁5を中立位置まで戻したときに、
油圧モータ1の流出側である主管路4Bの圧力が瞬間的
にリリーフ弁7Aの設定圧力まで上昇し、急激なブレー
キ圧力が発生する。このため油圧モータ1が急停止する
ようになり、この油圧モータ駆動装置が備えられる作業
機械に搭乗している運転者に衝撃を与え、乗り心地の劣
化を招きやすい。
【0009】また、上述のように方向切換弁5を中立位
置まで戻し、主管路4Bの圧力が昇圧したときに、高圧
のサージ圧力が発生しやすい。この高圧のサージ圧力の
ために、この油圧モータ駆動装置に備えられる各種の油
圧機器の寿命が低下しやすい。
【0010】さらに、上述した図9に示す従来技術では
主管路4A,4B間に2つのリリーフ弁7A,7Bを備
える必要があることから部品点数が多く、このため製作
費が高くなると共に、装置が大型になりやすい。
【0011】本発明は、上述した従来技術における実状
からなされたもので、その目的は、油圧モータに対する
急激なブレーキ圧力の発生、及び高圧のサージ圧力の発
生を防止できると共に、部品点数を低減できる油圧モー
タ駆動装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項1に係る発明は、油圧ポンプと、この
油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動する油圧モ
ータと、この油圧モータと上記油圧ポンプとを連絡する
一対の主管路と、これらの主管路に設けられ、上記油圧
ポンプから上記油圧モータに供給される圧油の流れを制
御する方向切換弁と、この方向切換弁と上記油圧モータ
との間に設けられ、上記一対の主管路のうちの高圧側の
主管路の圧力を低圧側の主管路に逃がすブレーキ弁を形
成するリリーフ弁とを備えた油圧モータ駆動装置におい
て、高圧選択弁を備えるとともに、上記リリーフ弁が、
主弁と、上記主管路の圧力を受けて上記主弁を開弁方向
に動作させる受圧部と、上記リリーフ弁の開弁圧力値を
設定し、上記主弁を閉弁方向に付勢する圧力設定ばね
と、この圧力設定ばねが収納される圧力設定ばね室と、
上記圧力設定ばねに連設される昇圧ピストンと、上記圧
力設定ばねのばね力よりも大きいばね力を有し上記昇圧
ピストンを上記圧力設定ばね室方向に付勢する昇圧ばね
とを含み、上記方向切換弁の中立時には低圧を上記圧力
設定ばね室に導き、上記方向切換弁の中立位置からの切
り換え時には、上記高圧選択弁で選択された高圧を上記
圧力設定ばね室に導く信号通路と、この信号通路に設け
られ、上記圧力設定ばね室から流出する油の流速を規制
する流速規制手段とを備えた構成にしてある。
【0013】このように構成した請求項1に係る発明で
は、方向切換弁の中立位置からの切り換え時には、油圧
ポンプから吐出される圧油が方向切換弁、一方の主管路
を介して油圧モータに供給され、油圧モータからの戻り
油が他方の主管路を介してタンクに戻され、これにより
油圧モータは駆動する。このとき高圧側を形成する上述
した一方の管路の圧力が高圧選択弁で選択され、信号通
路を介してリリーフ弁の圧力設定ばね室に供給される。
圧力設定ばね室が高圧になることにより、昇圧ピストン
は昇圧ばねの力に抗して主弁から離れる方向に移動し、
圧力設定ばねは伸ばされ、リリーフ設定圧力が低くなる
状態に保持される。
【0014】このような状態から方向切換弁を中立に戻
すと、方向切換弁を介しての油圧モータへの圧油の供給
は停止し、油圧モータの出口側を形成する上述した他方
の主管路の圧力が次第に高くなり、上述した一方の主管
路の圧力が低くなる。高くなってきた他方の主管路の圧
力が上述したリリーフ設定圧力に至ると、リリーフ弁の
主弁が開きはじめ、上述した他方の主管路の過剰な高圧
が上述した一方の主管路に流れはじめる。この間、リリ
ーフ設定圧力で規定される他方の主管路の圧力すなわち
ブレーキ圧力により、油圧モータに制動力が与えられは
じめる。
【0015】また、方向切換弁の中立復帰に伴って、リ
リーフ弁の圧力設定ばね室の圧力は信号通路を介してそ
れまでの高圧から低圧に向かいはじめる。すなわち、圧
力設定ばね室内の圧油は、流量規制手段で規制される流
速で比較的ゆっくりと流出しはじめる。圧力設定ばね室
内の圧力が次第に下がり、昇圧ピストンを移動させる昇
圧ばねの力が打ち勝つと、昇圧ピストンは次第に主弁に
近づく方向に移動し、圧力設定ばねは縮められ、リリー
フ圧力を本来の所定の設定圧力に至るまで高くする。
【0016】すなわち、方向切換弁を切換位置から中立
位置に戻してそれまで駆動していた油圧モータを停止さ
せようとする際には、リリーフ設定圧力が比較的低い値
から所定の高い設定値まで徐々に上昇する。これによ
り、油圧モータには、はじめは比較的小さく、徐々に大
きくなるブレーキ圧力が与えられる。つまり、油圧モー
タの停止時における急激なブレーキ圧力の発生を防止で
きる。
【0017】また、上述の作用により、高圧のサージ圧
力の発生も防止できる。
【0018】この請求項1に係る発明では、リリーフ弁
が1つで済むことから部品点数を低減できる。
【0019】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、上記リリーフ弁が、上記一対の主管路の圧
力を受ける受圧部を有する両方向リリーフ弁であること
を特徴としている。
【0020】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明において、上記両方向リリーフ弁が、上記一対の主管
路のそれぞれの圧力を受ける2つの受圧部を有し、これ
らの2つの受圧部の受圧面積をほぼ等しく設定したこと
を特徴としている。
【0021】請求項4に係る発明は、請求項2に係る発
明において、上記一対の主管路のうちの高圧側の主管路
の圧力を取り出す選択手段を備えると共に、上記両方向
リリーフ弁が、上記選択手段から取り出された圧力を受
ける受圧部を有することを特徴としている。
【0022】請求項5に係る発明は、請求項1に係る発
明において、上記圧力設定ばね室に上記一対の主管路の
うちの高圧側の主管路の圧力が導かれた際に上記主弁を
閉弁状態に保つ手段を備えたことを特徴としている。
【0023】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに係る発明において、上記リリーフ弁の主弁が、
ポペット弁から成ることを特徴としている。
【0024】請求項7に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに係る発明において、上記リリーフ弁の主弁が、
スプール弁から成ることを特徴としている。
【0025】請求項8に係る発明は、請求項1に係る発
明において、上記方向切換弁と上記油圧モータとの間に
カウンタバランス弁を備えると共に、このカウンタバラ
ンス弁と上記油圧モータとの間に上記高圧選択弁を設け
たことを特徴としている。
【0026】請求項9に係る発明は、請求項8に係る発
明において、上記カウンタバランス弁が上記高圧選択弁
を兼ねることを特徴としている。
【0027】請求項10に係る発明は、請求項9に係る
発明において、上記カウンタバランス弁が、中立時には
上記圧力設定ばね室をタンクに連通させる通路を有し、
中立位置からの切り換え時には上記圧力設定ばね室を上
記主管路のうちの高圧側の主管路に連通させる通路を有
することを特徴としている。
【0028】請求項11に係る発明は、請求項1に係る
発明において、上記流速規制手段が絞りから成ることを
特徴としている。
【0029】請求項12に係る発明は、請求項1に係る
発明において、上記方向切換弁が上記高圧選択弁を兼ね
ることを特徴としている。
【0030】請求項13に係る発明は、請求項1に係る
発明において、上記方向切換弁が、パイロット式操作弁
から成り、このパイロット式操作弁を操作するパイロッ
ト式操作装置と、このパイロット式操作装置にパイロッ
ト圧力を供給するパイロット油圧源と、上記パイロット
式操作装置と上記パイロット式操作弁の両制御ポートと
を連絡する一対のパイロット管路とを備えると共に、上
記高圧選択弁が、上記一対のパイロット管路の圧力のう
ちの高圧側の圧力を取り出すシャトル弁から成ることを
特徴としている。
【0031】請求項14に係る発明は、請求項1〜13
のいずれかに係る発明において、上記油圧モータを制動
するネガティブ式ブレーキ装置と、このネガティブ式ブ
レーキ装置の制動を解除する圧油を導くブレーキ解除通
路とを備えると共に、上記ブレーキ解除通路を上記信号
通路に接続したことを特徴としている。
【0032】請求項15に係る発明は、請求項1〜14
に係る発明において、上記油圧モータが旋回モータから
成ることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下,本発明の油圧モータ駆動装
置の実施形態を図に基づいて説明する。
【0034】図1は本発明の油圧モータ駆動装置の第1
実施形態を示す油圧回路図、図2は図1に示す第1実施
形態に備えられるリリーフ弁及びこのリリーフ弁近傍の
構造を示す縦断面図、図3は図1に示す第1実施形態で
得られるリリーフ圧力特性を従来のリリーフ圧力特性と
比較して示した図である。
【0035】これらの図1に示す第1実施形態は例えば
建設機械に備えられるもので、前述した図9に示すもの
と同様に、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2から吐出
される圧油によって駆動する油圧モータ1と、この油圧
モータ1と油圧ポンプ2とを連絡する一対の主管路4
A,4Bと、これらの主管路4A,4Bに設けられ、油
圧ポンプ2から油圧モータ1に供給される圧油の流れを
制御する方向切換弁5と、この方向切換弁5と油圧モー
タ1との間に設けられたカウンタバランス弁6とを備
え、このカウンタバランス弁6は高圧選択弁を兼ねてい
る。
【0036】また、一対の主管路4A,4Bのうちの高
圧側の主管路の圧力を低圧側の主管路に逃がすブレーキ
弁を形成するリリーフ弁7を備えている。このリリーフ
弁7は、両方向リリーフ弁から成り、図2にも示すよう
に例えばポペット弁から成る主弁19と、主管路の圧力
を受けて主弁19を開弁方向に動作させる受圧部、例え
ば図1に示すように主管路4A,4Bのそれぞれの圧力
を受け、受圧面積をほぼ等しく設定した2つの受圧部8
A,8Bと、このリリーフ弁7の開弁圧力値を設定し、
主弁19を閉弁方向に付勢する圧力設定ばね9と、この
圧力設定ばね9が収納される圧力設定ばね室12と、圧
力設定ばね9に連設される昇圧ピストン10と、圧力設
定ばね9のばね力よりも大きいばね力を有し、昇圧ピス
トン10を圧力設定ばね室12方向に付勢する昇圧ばね
11とを含んでいる。13は昇圧ばね室である。
【0037】また、方向切換弁5の中立時には低圧を圧
力設定ばね室12に導き、すなわち圧力設定ばね室12
をタンク3に接続し、方向切換弁5の中立位置からの切
り換え時には、高圧選択弁すなわちカウンタバランス弁
6で選択された高圧を圧力設定ばね室12に導く信号通
路14と、この信号通路14に設けられ、圧力設定ばね
室12から流出する油の流速を規制する流速規制手段、
例えば絞り15とを備えている。
【0038】なお、前述したカウンタバランス弁6は、
中立時には圧力設定ばね室12をタンク3に連通させる
通路を有し、中立位置からの切り換え時には圧力設定ば
ね室12を主管路4A,4Bのうちの高圧側の主管路に
連通させる通路を有している。
【0039】さらに、油圧モータ1を制動するネガティ
ブ式ブレーキ装置17と、このネガティブ式ブレーキ装
置17による油圧モータ1の制動を解除する圧油を導く
ブレーキ解除通路18とを備えると共に、ブレーキ解除
通路18を信号通路14に接続させてある。
【0040】このように構成した第1実施形態における
動作は、以下のとおりである。
【0041】すなわち、方向切換弁5の中立時には、ネ
ガティブ式ブレーキ装置17はブレーキ解除通路18を
介してタンク3に連通し、内蔵するばねの力により油圧
モータ1を制動する。このとき、リリーフ弁7の圧力設
定ばね室12が信号通路14を介してタンク3に連通
し、昇圧ばね11の力により昇圧ピストン10は図2に
示す状態よりも上部に位置し、この昇圧ピストン10を
介して圧力設定ばね9の力により主弁19は、閉弁状態
に保持される。
【0042】このような中立状態から、例えば方向切換
弁5を図1の右方向に移動させ、位置Aに切り換えるよ
うに操作すると、油圧ポンプ2から吐出される圧油が、
方向切換弁5を介してカウンタバランス弁6の図示右側
の制御ポートに与えられ、これによりカウンタバランス
弁6は位置Aに切り換えられる。これに伴い油圧ポンプ
2の圧油が主管路4A,ブレーキ解除通路18、及び信
号通路14に供給され、主管路4Bはタンク3に連通す
る。ブレーキ解除通路18に供給された圧油によりネガ
ティブ式ブレーキ装置17が作動し、油圧モータ1に対
する制動が解除され、上述のように油圧モータ1に圧油
が供給され、油圧モータ1から流出した油が主管路4
B、カウンタバランス弁6を経てタンク3に戻されるこ
とにより油圧モータ1は駆動する。この油圧モータ1の
駆動により所定の慣性体が所望の動作をおこなう。
【0043】また、このような動作の間、信号通路14
を経て油圧ポンプ2の圧油が圧力設定ばね室12に導か
れ、リリーフ弁7は閉弁状態に保たれ、主管路4A,4
B間は遮断される。また、圧力設定ばね室12に油圧ポ
ンプ2の圧油が供給されると、昇圧ピストン10が昇圧
ばね11の力に打ち勝って下方に押し下げられて図2に
示す状態となる。これにより昇圧ピストン10に連設さ
れる圧力設定ばね9は伸ばされて低い荷重f1となる。
このf1は主弁19の開弁設定値を決めるものである。
【0044】なお、上述したリリーフ弁7の主弁19に
おける各部の受圧面積S1,S2,S3を例えば、S1
<S2<S3の関係に設定したこと、及び圧力設定ばね
9により、圧力設定ばね室12に高圧側の主管路の圧
力、すなわち油圧ポンプ2から吐出された圧油の圧力が
導かれた際に、主弁19を閉弁状態に保つ手段が構成さ
れている。
【0045】上述のような油圧モータ1の駆動状態から
方向切換弁5を中立位置に戻すと、カウンタバランス弁
6の両制御ポートがタンク3に連通するので、内蔵され
るばねの力によりこのカウンタバランス弁6は中立位置
に復帰する。これによりブレーキ解除通路18がタンク
3に連通すると共に、主管路4A,4Bと、油圧ポンプ
2、タンク3との間が遮断され、信号通路14がタンク
3に連通する。したがって、主管路4Aを介しての油圧
モータ1への圧油の供給は停止するが、油圧モータ1は
自身が駆動する慣性体の慣性力を受けて回転を続けよう
とする。これにより油圧モータ1の流出側を形成する主
管路4B側が昇圧する。このとき主管路4Bの圧力はリ
リーフ弁7の受圧部8Bに与えられ、一方、圧力設定ば
ね室12の圧油が絞り15、信号通路14を経てタンク
3に逃がされるので、図2に示す受圧部8Bの受圧面積
(S3−S2)と当該圧力との積が圧力設定ばね9の力
より大きくなってくると主弁19が開弁する。
【0046】上述のように、油圧モータ1の駆動時に
は、圧力設定ばね9は伸ばされた状態にあることから、
この開弁直後にあっては、所定の設定圧力P2よりも低
圧のP1で開弁する。すなわちリリーフする。このとき
の圧力P1と圧力設定ばね9の荷重f1と、受圧部8B
の受圧面積(S3−S2)との関係は、油圧ポンプ2か
ら吐出され圧力設定ばね室12に導かれる圧油の圧力を
Pとすると、 P1={f1+P(S3−S1)}/(S3−S2) となる。
【0047】絞り15によって規制される流速で圧力設
定ばね12内の圧油が徐々に逃がされることに伴って、
昇圧ばね11の力が圧力設定ばね9の力よりも大きいこ
とから昇圧ピストン10が図2の上方に移動する。これ
により圧力設定ばね9が伸びた状態から次第に収縮し、
低圧から高圧の設定圧力まで徐々にリリーフ圧力が昇圧
される。その後、昇圧ピストン10が所定の位置まで移
動して停止すると、主弁19は予め設定された高圧の設
定圧力 P2={f2+PO(S3−S1)}/(S3−S2) となる。ここでPOはタンク圧を示している。
【0048】図3のPEは、このときに得られる第1実
施形態のリリーフ圧特性を示している。なお、PFは、
従来技術におけるリリーフ圧特性である。
【0049】上述では方向切換弁5を位置Aに切り換え
た場合について説明したが、方向切換弁5を位置Bに切
り換えた状態から中立に戻して油圧モータ1を停止させ
る場合も同様であり、リリーフ弁7の図2に示す受圧部
8Aの受圧面積(S2−S1)を受圧部8Bの受圧面積
(S3−S2)とほぼ同等に設定してあるので、前述と
同様に図3に示すように徐々に昇圧する設定圧力でリリ
ーフ弁7を作動させることができる。
【0050】ただし、上述の動作は、リリーフ流出側の
主管路4B、あるいは主管路4Aの圧力が0の場合であ
り、流出側の主管路に背圧がある場合は、リリーフ設定
圧力は背圧分だけ低くなる。例えば、リリーフ弁7の受
圧面積(S2−S1)の受圧部8Aに高圧の圧力が作用
した場合の設定圧力P2は、受圧面積(S3−S2)の
受圧部8Bに背圧PBが作用するものとすると、 P2={f2+PO(S3−S1)−(S3−S2)・
PB}/(S2−S1) となる。
【0051】このように構成した第1実施形態によれ
ば、油圧モータ1の駆動状態から停止させるために、方
向切換弁5を中立位置まで戻したときに、低圧から高圧
の設定圧力まで徐々にリリーフ圧力を昇圧させることが
でき、これに伴い、油圧モータ1を制動するブレーキ圧
を徐々に高めることができる。したがって、油圧モータ
1の停止時の衝撃の発生を防止でき、この第1実施形態
が備えられる作業機械に搭乗している運転者の乗り心地
を向上させることができる。
【0052】また、上述のように低圧から高圧の設定圧
力まで徐々にリリーフ圧力を昇圧させるので、高圧のサ
ージ圧力の発生を防止でき、これにより第1実施形態に
含まれる各種の油圧機器の寿命を延ばすことができる。
【0053】さらに、リリーフ弁7は1つ設けるだけで
よいので全体の部品点数を低減でき、これにより製作費
を安くすることができると共に、全体をコンパクトにす
ることができる。
【0054】また、信号通路14の一部をブレーキ解除
通路18と共用させたことにより、特別な通路や切換弁
などを設けずに製作することができる。
【0055】また、油圧モータ1の駆動時には、油圧ポ
ンプ2の圧油を圧力設定ばね室12に供給することによ
り、リリーフ弁7を非作動状態に保持できるので、油圧
モータ1の駆動力を変化させることなしに、リリーフ弁
7の設定圧力を変えることによって、すなわち圧力設定
ばね9のばね力を適宜選択することによって、油圧モー
タ1に対する制動力を所望の値に変更することができ
る。
【0056】図4は本発明の第2実施形態を示す油圧回
路図、図5は図4に示す第2実施形態に備えられるリリ
ーフ弁及びこのリリーフ弁近傍の構造を示す縦断面図で
ある。
【0057】この第2実施形態は、一対の主管路4A,
4Bのうちの高圧側の主管路の圧力を取り出す選択手
段、例えばシャトル弁20を備えると共に、両方向リリ
ーフ弁を形成するリリーフ弁7が、シャトル弁20から
取り出された圧力を受ける1つの受圧部8を有する構成
にしてある。このリリーフ弁7のシート部の受圧面積S
2と、シート部の上方部分の摺接部の受圧面積S1と、
シート部の下方部分の摺接部の受圧面積S3とは、S1
=S2=S3の関係に設定してある。
【0058】このように構成した第2実施形態にあって
も、油圧モータ1の駆動時には、圧力設定ばね室12に
油圧ポンプ2の圧油が供給されることにより昇圧ピスト
ン10が昇圧ばね11の力に打ち勝って下方に押し下げ
られて図5に示す状態となり、昇圧ピストン10に連設
される圧力設定ばね9は伸ばされて低い荷重f1とな
る。この駆動状態から方向切換弁5を中立位置に戻す
と、油圧モータ1が駆動する慣性体の慣性力を受けて主
管路4B側が昇圧し、主管路4Bの圧力がシャトル弁2
0で取り出されてリリーフ弁7の受圧部8に与えられ、
一方、圧力設定ばね室12の圧油が絞り15、信号通路
14を経てタンク3に逃がされるので、図5に示す受圧
部8の受圧面積S4と当該圧力との積が圧力設定ばね9
の力より大きくなると主弁19が開弁する。
【0059】油圧モータ1の駆動時には、圧力設定ばね
9は上述のように伸ばされた状態にあることから、この
開弁直後にあっては、設定圧力P2よりも低圧のP1で
開弁する。このときの圧力P1と圧力設定ばね9の荷重
f1と、受圧部8の受圧面積S4との関係は、 P1=f1/S4 となる。
【0060】また、絞り15によって規制される流速で
圧力設定ばね12内の圧油が徐々に逃がされることに伴
って、昇圧ピストン10が図5の上方に移動し、圧力設
定ばね9が伸びた状態から次第に収縮し、低圧から高圧
の設定圧力まで徐々にリリーフ圧力が昇圧される。その
後、昇圧ピストン10が所定の位置まで移動して停止す
ると、主弁19は予め設定された高圧の設定圧力 P2=f2/S4 となる。
【0061】したがって、この第2実施形態でも前述し
た図3のリリーフ圧特性PEとほぼ同じ特性が得られ、
油圧モータ1を制動するブレーキ圧を徐々に高めること
ができ、前述した第1実施形態と同等の作用効果が得ら
れる。また特に、この第2実施形態では、リリーフ弁7
の作動時に、当該リリーフ弁7の出口側の圧力の影響を
全く受けずに、このリリーフ弁7のリリーフ動作をさせ
ることができるので、精度の高いリリーフ動作を実現さ
せることができる。
【0062】図6は本発明の第3実施形態の要部を形成
するリリーフ弁及びこのリリーフ弁近傍の構造を示す縦
断面図である。
【0063】この第3実施形態は、両方向リリーフ弁を
形成するリリーフ弁7が、主弁19の3つの摺接部の断
面積S1,S2,S3を等しく設定したスプール弁から
成っている。その他の構成は、前述した図4,5に示す
第2実施形態と同等である。
【0064】このように構成した第3実施形態も、前述
した第2実施形態と同等の作用効果が得られる他、リリ
ーフ弁7をスプール弁によって構成してあるので、この
リリーフ弁7の製作が容易である。
【0065】図7は本発明の第4実施形態を示す油圧回
路図である。この第4実施形態は、前述した図1に示す
第1実施形態の構成からカウンタバランス弁6を除き、
油圧モータを例えば旋回体を駆動させる油圧アクチュエ
ータである旋回モータ1Aによって構成してあると共
に、方向切換弁5Aが高圧選択弁を兼ねる構成にしてあ
る。
【0066】方向切換弁5Aは、中立時には圧力設定ば
ね室12及びブレーキ解除通路18をタンク3に連通さ
せる通路を有し、中立位置からの切り換え時には圧力設
定ばね室12を主管路4A,4Bのうちの高圧側の主管
路に連通させる通路を有している。
【0067】このように構成した第4実施形態にあって
も、前述した第1実施形態におけるのと同様に、方向切
換弁5Aの中立時には、ネガティブ式ブレーキ装置17
はブレーキ解除通路18を介してタンク3に連通し、油
圧モータ1を制動する。このとき、リリーフ弁7の圧力
設定ばね室12が信号通路14を介してタンク3に連通
し、昇圧ばね11の力により昇圧ピストン10は圧力設
定ばね室12側に移動し、昇圧ピストン10を介して圧
力設定ばね9の力により主弁19は、閉弁状態に保持さ
れる。
【0068】このような中立状態から、例えば方向切換
弁5Aを位置Aに切り換えると、油圧ポンプ2から出力
される圧油が、この方向切換弁5Aを介して主管路4
A、ブレーキ解除通路18、及び信号通路14に供給さ
れ、主管路4Bはタンク3に連通する。
【0069】ブレーキ解除通路18に供給された圧油に
よりネガティブ式ブレーキ装置17が作動し、旋回モー
タ1Aに対する制動が解除される。また、主管路4Aを
介して旋回モータ1Aに圧油が供給され、旋回モータ1
Aから流出した油が主管路4B、方向切換弁5Aを経て
タンク3に戻される。これにより旋回モータ1Aは駆動
し、図示しない旋回体が旋回する。
【0070】また、このような動作の間、信号通路14
を経て油圧ポンプ2の圧油が圧力設定ばね室12に導か
れ、リリーフ弁9は閉弁状態に保たれ、主管路4A,4
B間は遮断される。また、このとき、昇圧ピストン10
が圧力設定ばね室12から離れる方向に移動し、圧力設
定ばね9は伸ばされて低い荷重f1となる。
【0071】このような旋回モータ1Aの駆動状態から
方向切換弁5Aを中立位置に戻すと、方向切換弁5Aを
介してブレーキ解除通路18、信号通路14がタンク3
に連通すると共に、主管路4A,4Bと、油圧ポンプ
2、タンク3との間が遮断される。したがって、主管路
4Aを介しての旋回モータ1Aへの圧油の供給は停止す
るが、旋回モータ1Aは図示しない旋回体の慣性力を受
けて回転を続けようとし、旋回モータ1Aの流出側を形
成する主管路4B側が昇圧する。
【0072】主管路4Bの圧力はリリーフ弁7の受圧部
8Bに与えられ、圧力設定ばね室12の圧油が絞り1
5、信号通路14を経てタンク3に逃がされるので、受
圧部8Bの受圧面積と当該圧力との積が圧力設定ばね9
の力より大きくなってくると主弁が開弁する。この開弁
直後にあっては前述したように、圧力設定ばね9が伸ば
された状態にあることから低圧P1で開弁する。
【0073】そして、絞り15によって規制される流速
で圧力設定ばね室12内の圧油が徐々に逃がされること
に伴って、昇圧ピストン10が圧力設定ばね室12方向
に移動し、圧力設定ばね9が次第に収縮する。これによ
り低圧から高圧の設定圧力まで徐々にリリーフ圧力が昇
圧される。昇圧ピストン10が所定の位置まで移動して
停止すると、このリリーフ弁7は予め設定された高圧の
設定圧力P2となる。
【0074】このように構成した第4実施形態にあって
も、前述した図3のリリーフ圧特性PEと同じ特性が得
られ、旋回モータ1Aを制動するブレーキ圧を徐々に高
めることができ、前述した第1実施形態と同等の作用効
果が得られる。また特に、カウンタバランス弁を設けな
いことから、部品点数をより低減でき、製作費をさらに
安くすることができ、全体のコンパクト化に貢献する。
【0075】図8は本発明の第5実施形態を示す油圧回
路図である。
【0076】この第5実施形態は、前述した図1に示す
第1実施形態の構成からカウンタバランス弁6を除き、
油圧モータを旋回モータ1Aによって構成してあると共
に、方向切換弁5Bをパイロット式操作弁によって構成
してある。この方向切換弁5Bは、中立時には旋回モー
タ1Aと、油圧ポンプ2及びタンク3との間を遮断し、
中立位置からの切り換え時には、旋回モータ1Aと、油
圧ポンプ2及びタンク3との間を主管路4A,4Bを介
して連通させる構成となっている。
【0077】また、方向切換弁5Bを操作するパイロッ
ト式操作装置21と、このパイロット式操作装置21に
パイロット圧を供給するパイロット油圧源22と、上述
したパイロット式操作装置21と方向切換弁5Bの両制
御ポートとを連絡する一対のパイロット管路23A,2
3Bとを備えると共に、これらのパイロット管路23
A,23Bの圧力のうちの高圧側の圧力を取り出す高圧
選択弁、例えばシャトル弁20Aを備えている。ブレー
キ解除通路18Aと、圧力設定ばね室12に連通する信
号通路14Aとをシャトル弁20Aに接続させてある。
図中16はタンク通路である。
【0078】なお、リリーフ弁7の構造は、例えば図2
に示すものと同じである。したがって以下にあっては、
適宜図2に示した符号を用いて説明をおこなう。
【0079】このように構成した第5実施形態にあって
は、パイロット式操作装置21が操作されず方向切換弁
5Bが中立に保たれている状態では、ネガティブ式ブレ
ーキ装置17はブレーキ解除通路18A、シャトル弁2
0A、パイロット式操作装置21を介してタンク3に連
通し、旋回モータ1Aを制動する。このとき、リリーフ
弁7の圧力設定ばね室12も信号通路14A、シャトル
弁20A、パイロット式操作装置21を介してタンク3
に連通し、昇圧ばね11の力により昇圧ピストン10は
圧力設定ばね室12側に移動し、昇圧ピストン10を介
して圧力設定ばね9の力により主弁19は閉弁状態に保
持される。
【0080】このような中立状態から、パイロット式操
作装置21を操作すると、例えばパイロット管路23A
にパイロット圧が供給され、方向切換弁5Bが位置Aに
切り換えられ、油圧ポンプ2から出力される圧油が、こ
の方向切換弁5Bを介してブレーキ解除通路18A、及
び信号通路14Aに供給される。ブレーキ解除通路18
Aに供給された圧油によりネガティブ式ブレーキ装置1
7が作動し、旋回モータ1Aに対する制動が解除され
る。したがって、このような状態において、主管路4A
から油圧モータ1に圧油が供給され、油圧モータ1から
流出した油が主管路4B、方向切換弁5Bを経てタンク
3に戻されることにより旋回モータ1Aが駆動し、図示
しない旋回体が旋回する。
【0081】また、このような動作の間、信号通路14
Aを経てパイロット管路23Aのパイロット圧が圧力設
定ばね室12に導かれ、リリーフ弁9は閉弁状態に保た
れ、主管路4A,4B間は遮断される。このとき昇圧ピ
ストン10が圧力設定ばね室12から離れる方向に移動
し、圧力設定ばね9は伸ばされて低い荷重f1となる。
【0082】このような旋回モータ1Aの駆動状態から
パイロット式操作装置21を中立に戻すと、方向切換弁
5Bが中立位置に復帰し、主管路4A,4Bと、油圧ポ
ンプ2、タンク3との間が遮断されると共に、ブレーキ
解除通路18A及び信号通路14Aがシャトル弁20
A、パイロット式操作装置21を介してタンク3に連通
する。
【0083】したがって、主管路4Aを介しての旋回モ
ータ1Aへの圧油の供給は停止するが、旋回モータ1A
は図示しない旋回体の慣性力を受けて回転を続けようと
し、旋回モータ1Aの流出側を形成する主管路4B側が
昇圧する。
【0084】主管路4Bの圧力はリリーフ弁7の受圧部
8Bに与えられ、圧力設定ばね室12の圧油が絞り1
5、信号通路14Aを経てタンク3に逃がされるので、
受圧部8Bの受圧面積(S3−S2)と当該圧力との積
が圧力設定ばね9の力より大きくなってくると主弁19
が開弁する。この開弁直後にあっては前述したように、
圧力設定ばね9が伸ばされた状態にあることから低圧P
1Aで開弁する。このときの低圧、すなわち主弁19の
切換設定値P1Aは、パイロット式操作装置21の操作
によってパイロット管路23Aに発生するパイロット圧
をPiとすると、 P1A={f1+Pi(S3−S1)}/(S3−S
2) となる。
【0085】そして、絞り15によって規制される流速
で圧力設定ばね室12内の圧油が徐々に逃がされること
に伴って、昇圧ピストン10が圧力設定ばね室12方向
に移動し、圧力設定ばね9が次第に収縮する。これによ
り低圧から高圧の設定圧力まで徐々にリリーフ圧力が昇
圧される。昇圧ピストン10が所定の位置まで移動して
停止すると、このリリーフ弁7は予め設定された高圧の
設定圧力P2となる。
【0086】P2={f2+PO(S3−S1)}/
(S3−S2) このように構成した第5実施形態にあっても、旋回モー
タ1Aを制動するブレーキ圧力を徐々に高めることがで
き、前述した第1実施形態とほぼ同等の作用効果が得ら
れる。また特に、パイロット圧Piに応じて旋回モータ
1Aの停止時のリリーフ圧力(P1A)を可変にできる
ので、パイロット式操作装置21の操作に追従する良好
な操作性を確保できる。
【0087】
【発明の効果】本願の各請求項に係る発明によれば、油
圧モータを制動するブレーキ圧力を徐々に高めることが
できるので、油圧モータの停止時の衝撃の発生を防止で
き、当該油圧モータ駆動装置が装備される作業機械に搭
乗している運転者の乗り心地を向上させることができ
る。また、高圧のサージ圧力の発生を防止でき、当該油
圧駆動装置に含まれる各種の油圧機器の寿命を延ばすこ
とができる。さらに、リリーフ弁は1つ設けるだけでよ
いので全体の部品点数を低減でき、これにより製作費を
安くすることができると共に、全体をコンパクトにする
ことができる。
【0088】特に請求項4に係る発明によれば、リリー
フ弁の出口側の圧力の影響を全く受けずに、このリリー
フ弁のリリーフ動作をさせることができ、精度の高いリ
リーフ動作を実現させることができる。
【0089】特に請求項5に係る発明によれば、油圧モ
ータの駆動時にリリーフ弁を非作動状態にできるので、
油圧モータの駆動力を変化させることなしに、リリーフ
弁の設定圧力を変えることによって油圧モータに対する
制動力を所定の値に変更することができる。
【0090】特に請求項7に係る発明によれば、リリー
フ弁の製作を容易におこなうことができる。
【0091】特に請求項12に係る発明によれば、カウ
ンタバランス弁を設けずに済むことから部品点数をより
低減でき、製作費をさらに安くすることができ、全体の
コンパクト化に貢献する。
【0092】特に請求項13に係る発明によれば、パイ
ロット圧力に応じて旋回モータの停止時のリリーフ圧力
を可変にでき、パイロット式操作装置の操作に追従した
良好な操作性を確保できる。
【0093】特に請求項14に係る発明によれば、ブレ
ーキ解除通路を、リリーフ弁の圧力設定ばね室に連通す
る信号通路に接続したことから特別な通路や切換弁を設
けずに製作することができ、構造を簡単にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧モータ駆動装置の第1実施形態を
示す油圧回路図である。
【図2】図1に示す第1実施形態に備えられるリリーフ
弁及びこのリリーフ弁近傍の構造を示す縦断面図であ
る。
【図3】図1に示す第1実施形態で得られるリリーフ圧
力特性を従来のリリーフ圧力特性と比較して示した図で
ある。
【図4】本発明の第2実施形態を示す油圧回路図であ
る。
【図5】図4に示す第2実施形態に備えられるリリーフ
弁及びこのリリーフ弁近傍の構造を示す縦断面図であ
る。
【図6】本発明の第3実施形態の要部を形成するリリー
フ弁及びこのリリーフ弁近傍の構造を示す縦断面図であ
る。
【図7】本発明の第4実施形態を示す油圧回路図であ
る。
【図8】本発明の第5実施形態を示す油圧回路図であ
る。
【図9】従来の油圧モータ駆動装置を示す油圧回路図で
ある。
【符号の説明】
1 油圧モータ 1A 旋回モータ 2 油圧ポンプ 3 タンク 4A 主管路 4B 主管路 5 方向切換弁 5A 方向切換弁(高圧選択弁) 5B 方向切換弁(高圧選択弁) 6 カウンタバランス弁(高圧選択弁) 7 リリーフ弁 8 受圧部 8A 受圧部 8B 受圧部 9 圧力設定ばね 10 昇圧ピストン 11 昇圧ばね 12 圧力設定ばね室 13 昇圧ばね室 14 信号通路 14A 信号通路 15 絞り(流速規制手段) 16 タンク通路 17 ネガティブ式ブレーキ装置 18 ブレーキ解除通路 18A ブレーキ解除通路 19 主弁 20 シャトル弁(選択手段) 20A シャトル弁(高圧選択弁) 21 パイロット式操作装置 22 パイロット油圧源 23A パイロット管路 23B パイロット管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新留 隆志 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 横山 和朗 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AB01 AB02 BA01 BB03 CA02 DA02 3H089 AA43 AA65 BB06 BB08 BB27 CC08 DA02 DB03 DB08 DB47 DB49 DB55 DB75 EE15 GG02 JJ01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出
    される圧油によって駆動する油圧モータと、この油圧モ
    ータと上記油圧ポンプとを連絡する一対の主管路と、こ
    れらの主管路に設けられ、上記油圧ポンプから上記油圧
    モータに供給される圧油の流れを制御する方向切換弁
    と、この方向切換弁と上記油圧モータとの間に設けら
    れ、上記一対の主管路のうちの高圧側の主管路の圧力を
    低圧側の主管路に逃がすブレーキ弁を形成するリリーフ
    弁とを備えた油圧モータ駆動装置において、 高圧選択弁を備えるとともに、 上記リリーフ弁が、主弁と、上記主管路の圧力を受けて
    上記主弁を開弁方向に動作させる受圧部と、上記リリー
    フ弁の開弁圧力値を設定し、上記主弁を閉弁方向に付勢
    する圧力設定ばねと、この圧力設定ばねが収納される圧
    力設定ばね室と、上記圧力設定ばねに連設される昇圧ピ
    ストンと、上記圧力設定ばねのばね力よりも大きいばね
    力を有し上記昇圧ピストンを上記圧力設定ばね室方向に
    付勢する昇圧ばねとを含み、 上記方向切換弁の中立時には低圧を上記圧力設定ばね室
    に導き、上記方向切換弁の中立位置からの切り換え時に
    は、上記高圧選択弁で選択された高圧を上記圧力設定ば
    ね室に導く信号通路と、 この信号通路に設けられ、上記圧力設定ばね室から流出
    する油の流速を規制する流速規制手段とを備えたことを
    特徴とする油圧モータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記リリーフ弁が、上記一対の主管路の
    圧力を受ける受圧部を有する両方向リリーフ弁であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記両方向リリーフ弁が、上記一対の主
    管路のそれぞれの圧力を受ける2つの受圧部を有し、こ
    れらの2つの受圧部の受圧面積をほぼ等しく設定したこ
    とを特徴とする請求項2記載の油圧モータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記一対の主管路のうちの高圧側の主管
    路の圧力を取り出す選択手段を備えると共に、上記両方
    向リリーフ弁が、上記選択手段から取り出された圧力を
    受ける受圧部を有することを特徴とする請求項2記載の
    油圧モータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 上記圧力設定ばね室に上記一対の主管路
    のうちの高圧側の主管路の圧力が導かれた際に上記主弁
    を閉弁状態に保つ手段を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の油圧モータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 上記リリーフ弁の主弁が、ポペット弁か
    ら成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の油圧モータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 上記リリーフ弁の主弁が、スプール弁か
    ら成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の油圧モータ駆動装置。
  8. 【請求項8】 上記方向切換弁と上記油圧モータとの間
    にカウンタバランス弁を備えると共に、このカウンタバ
    ランス弁と上記油圧モータとの間に上記高圧選択弁を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装
    置。
  9. 【請求項9】 上記カウンタバランス弁が上記高圧選択
    弁を兼ねることを特徴とする請求項8記載の油圧モータ
    駆動装置。
  10. 【請求項10】 上記カウンタバランス弁が、中立時に
    は上記圧力設定ばね室をタンクに連通させる通路を有
    し、中立位置からの切り換え時には上記圧力設定ばね室
    を上記主管路のうちの高圧側の主管路に連通させる通路
    を有することを特徴とする請求項9記載の油圧モータ駆
    動装置。
  11. 【請求項11】 上記流速規制手段が絞りから成ること
    を特徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装置。
  12. 【請求項12】 上記方向切換弁が上記高圧選択弁を兼
    ねることを特徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装
    置。
  13. 【請求項13】 上記方向切換弁が、パイロット式操作
    弁から成り、このパイロット式操作弁を操作するパイロ
    ット式操作装置と、このパイロット式操作装置にパイロ
    ット圧を供給するパイロット油圧源と、上記パイロット
    式操作装置と上記パイロット式操作弁の両制御ポートと
    を連絡する一対のパイロット管路とを備えると共に、上
    記高圧選択弁が、上記一対のパイロット管路の圧力のう
    ちの高圧側の圧を取り出すシャトル弁から成ることを特
    徴とする請求項1記載の油圧モータ駆動装置。
  14. 【請求項14】 上記油圧モータを制動するネガティブ
    式ブレーキ装置と、このネガティブ式ブレーキ装置の制
    動を解除する圧油を導くブレーキ解除通路とを備えると
    共に、上記ブレーキ解除通路を上記信号通路に接続した
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の油
    圧モータ駆動装置。
  15. 【請求項15】 上記油圧モータが旋回モータから成る
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の油
    圧モータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316998A (ja) * 2005-05-09 2006-11-24 Eaton Corp アンチジャークバルブ
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CN110043526A (zh) * 2019-04-26 2019-07-23 燕山大学 一种直动式溢流马达及其液压源回路
CN115263843A (zh) * 2022-07-21 2022-11-01 燕山大学 一种提升回转系统稳定性的回转缓冲阀及其工作方法

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