JP2019060474A - 油圧式作業機械用の操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作フィーリングを良好にできると共に、操作レバーの振動を抑制できる油圧式作業機械用の操作装置を提供する。【解決手段】油圧ショベル1の運転席10の左,右両側には、油圧ショベル1に搭載されたブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータを作動させるための油圧式作業機械用の操作装置21が設けられている。油圧式作業機械用の操作装置21のケーシング23とプッシャ39との間には、プッシャ39のストローク長が中立位置から予め設定された微小な操作位置までの範囲にある場合にばね室28とダンピング室29との間で作動油が流れるのを阻止する閉塞部44と、プッシャ39のストローク長が微小な操作位置よりも大きくなった場合にばね室28とダンピング室29との間で作動油が流れるのを許容するプッシャ側凹部43とが設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の作業機械に設けられ、パイロット圧により方向制御弁の切換操作を行うのに用いて好適な油圧式作業機械用の操作装置に関する。
一般に、例えば油圧ショベル、ホイールローダ等の作業機械には、運転席の左,右両側に旋回作動、掘削作業を行うための油圧式作業機械用の操作装置がそれぞれ設けられている。これら油圧式作業機械用の操作装置は、操作レバーと、操作レバーの傾転操作に従ってパイロット圧を出力する減圧弁型のパイロット弁装置とを含んで構成されている。パイロット弁装置は、パイロット管路等を介して旋回用、ブーム用、アーム用、バケット用の方向制御弁に接続され、各方向制御弁は、パイロット弁装置からのパイロット圧により切換制御される。
パイロット弁装置は、パイロット油圧源から圧油が供給されるポンプポート、作動油タンクに接続されるタンクポート、および方向制御弁に接続される出力ポートを有するケーシングと、前記ケーシング内に摺動可能に設けられ前記出力ポートを前記ポンプポートと前記タンクポートとのいずれかに連通させる連通孔を有したスプールと、前記操作レバーからの押圧操作によって圧力設定用ばねを介して前記スプールを摺動変位させるプッシャと、前記プッシャを中立位置に向けて常時付勢する戻しばねとを備えている。
そして、プッシャを押圧操作することにより、スプールが下方に摺動変位して出力ポートとポンプポートとが連通する。これにより、パイロットポンプからの圧油(パイロット圧)が出力ポートから各方向制御弁に吐出され、油圧ショベルの旋回、ブーム等の駆動を行う構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−135840号公報
ところで、従来技術による油圧式作業機械用の操作装置は、油圧ショベルの揺れおよび振動によるパイロット弁装置の操作量の変動を少なくするためにダンピングを効かせている。即ち、油圧ショベル、ホイールローダ等の作業機械は、悪路を走行したり、掘削作業を行ったりすることによる車体の振動で、操作レバーが中立状態から操作領域に揺動する虞がある。そこで、操作レバーの中立状態では、ダンピングを効かせて車体の振動による操作レバーの揺動を抑制させたい。しかし、従来技術では、操作レバーのすべての操作範囲でダンピングを効かせているので、ダンピングを効かせたい操作レバーの中立状態以外の操作領域において操作レバーの操作が重くなり、操作フィーリングを損なう虞がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、操作領域ではダンピングを作用させないで操作力を軽くできると共に、操作レバーの中立状態ではダンピングを効かせて操作レバーの振動を抑制できる油圧式作業機械用の操作装置を提供することにある。
本発明による油圧式作業機械用の操作装置は、車体の運転席の周囲に設けられ前記車体に搭載された油圧アクチュエータに供給する圧油の流量と方向とを制御する方向制御弁に向けてパイロット圧を供給することにより前記方向制御弁の弁位置を切換えるパイロット弁装置と、前記パイロット弁装置を作動させる操作レバーとを備え、前記パイロット弁装置は、パイロット油圧源から圧油が供給される圧油ポート、前記車体に搭載された作動油タンクに接続されるタンクポート、および前記方向制御弁に接続される出力ポートを有するケーシングと、前記ケーシング内に摺動可能に設けられ前記出力ポートを前記圧油ポートと前記タンクポートとのいずれかに連通させる連通孔を有したスプールと、前記操作レバーからの押圧操作によって前記スプールを摺動変位させるプッシャと、前記プッシャを中立位置に向けて常時付勢する戻しばねとが備えられ、前記ケーシングには、前記タンクポートに常時連通して作動油が収容され前記戻しばねが配設されたばね室と、前記プッシャにより前記ばね室の上側に形成され作動油が収容されたダンピング室とが設けられ、前記プッシャには、前記ばね室と前記ダンピング室とを連通させる絞り孔が設けられている。
そして、前記ケーシングと前記プッシャとの間には、前記プッシャのストローク長が前記中立位置から予め設定された微小な操作位置までの範囲にある場合に前記ばね室と前記ダンピング室との間で作動油が流れるのを阻止する閉塞部と、前記プッシャのストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合に前記ばね室と前記ダンピング室との間で作動油が流れるのを許容する溝部とが設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、操作領域ではダンピングを作用させないで操作力を軽くできると共に、操作レバーの中立状態ではダンピングを効かせて操作レバーの振動を抑制できる。
本発明の第1の実施形態による油圧式作業機械用の操作装置が搭載された油圧ショベルを示す正面図である。 図1中のキャブの内部を示す一部破断の斜視図である。 ブームシリンダ、油圧式作業機械用の操作装置、および方向制御弁等を示すブームシリンダ駆動用の油圧回路図である。 図2中の油圧式作業機械用の操作装置を単体で示す正面図である。 図4中の油圧式作業機械用の操作装置を矢示V−V方向からみた断面図である。 図5中のプッシャ、ばね室、ダンピング室等を拡大した状態で示す断面図である。 図5中のプッシャを中立位置から操作位置に移動させたときの状態を示す断面図である。 プッシャを単体で示す斜視図である。 プッシャストロークと、ダンパ力、出力圧、および操作力との関係を示す特性線図である。 油圧式作業機械用の操作装置の出力圧と方向制御弁(C/V)スプールストロークとの関係を示す特性線図である。 本発明の第2の実施形態による油圧式作業機械用の操作装置を示す図5と同様の断面図である。 図11中のプッシャ、ばね室、ダンピング室等を拡大した状態で示す断面図である。
以下、本発明に係る油圧式作業機械用の操作装置の実施形態について、図1ないし図12を参照して説明する。
図1ないし図10は、本発明の第1の実施形態を示している。図1において、油圧ショベル1は、油圧を用いて駆動する油圧式作業機械である。油圧ショベル1の車体は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行うフロント装置4とを含んで構成されている。
フロント装置4は、ブーム4A、アーム4B、バケット4Cによって構成され、ブーム4A、アーム4B、バケット4Cには、ブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fがそれぞれ取付けられている。これらのシリンダ4D,4E,4Fは、上部旋回体3を旋回させる旋回油圧モータ5と共に、後述の油圧ポンプ15から供給される圧油により駆動する油圧アクチュエータを構成するものである。
旋回フレーム6は、上部旋回体3の支持構造体を形成する支持フレームであり、下部走行体2上に旋回可能に搭載されている。旋回フレーム6の左前側には、後述のキャブ9が設けられている。一方、旋回フレーム6の後側には、フロント装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト7が設けられている。また、キャブ9とカウンタウエイト7との間は、図示しないエンジン、方向制御弁12、油圧ポンプ15、パイロットポンプ18、およびその他機器等が配設される機械室8となっている。
キャブ9は、旋回フレーム6の左前側に設けられている。キャブ9内には、オペレータ(操作者)が着座する運転席10が設けられている。キャブ9は、運転席10の周囲を取囲むボックス状に形成されている。キャブ9の左側面には、オペレータがキャブ9内に乗降するための開閉可能なドア9Aが設けられている。そして、運転席10の前側には、下部走行体2を走行させるための走行用操作レバー・ペダル11が設けられている。また、運転席10の左,右両側には、後述する油圧式作業機械用の操作装置21がそれぞれ設けられている。
ここで、油圧アクチュエータ駆動用の油圧回路について、油圧アクチュエータの代表例であるブームシリンダ4Dを例に挙げて図3を参照して説明する。なお、ブームシリンダ4D以外の油圧アクチュエータ駆動用の油圧回路についても、その回路構成は同様である。
方向制御弁12(コントロールバルブ)は、旋回フレーム6上に搭載された作動油タンク13とブームシリンダ4Dとの間に設けられている。この方向制御弁12は、ブームシリンダ4Dに供給する圧油の流量と方向とを制御する。方向制御弁12は、ポンプ管路14A、タンク管路14Bにより油圧ポンプ15と作動油タンク13とに接続されている。方向制御弁12が中立位置(I)にあるときには、ポンプ管路14Aとタンク管路14Bとがバイパス管路14Cで接続されている。また、方向制御弁12は、主管路16A,16Bによりブームシリンダ4Dと接続されている。ポンプ管路14A、タンク管路14B、バイパス管路14C、および主管路16A,16Bは、例えば金属配管、可撓性ホース等を含んだ油圧管路により構成されている。
ポンプ管路14Aの途中部位には、油圧ポンプ15が設けられている。この油圧ポンプ15は、エンジンによって駆動されることにより、作動油タンク13に貯えられた作動油を方向制御弁12を介してブームシリンダ4Dに向けて圧油として供給する。タンク管路14Bは、方向制御弁12から流出した作動油を作動油タンク13へと導く。バイパス管路14Cは、方向制御弁12が中立位置にあるときに、作動油をポンプ管路14Aからタンク管路14Bに導く。
主管路16Aは、ブームシリンダ4Dの油室4D1に接続され、主管路16Bは、ブームシリンダ4Dの油室4D2に接続されている。そして、油圧ポンプ15からの圧油は、方向制御弁12を介して主管路16A,16Bからブームシリンダ4Dに給排される。これにより、ブームシリンダ4Dのロッド4D3は、チューブ4D4から伸縮動作する。
パイロット吐出管路17Aと戻し管路17Bとは、作動油タンク13と後述のパイロット弁装置22との間を接続している。パイロット吐出管路17Aには、パイロット油圧源としてのパイロットポンプ18が設けられている。パイロットポンプ18は、油圧ポンプ15と共にエンジンによって駆動され、作動油タンク13に貯えられた作動油をパイロット弁装置22に向けて圧油として供給する。
方向制御弁12と後述のパイロット弁装置22とは、パイロット管路19A,19Bにより接続されている。パイロット管路19Aは、方向制御弁12の一方のパイロット部12Aに接続され、パイロット管路19Bは、方向制御弁12の他方のパイロット部12Bに接続されている。そして、オペレータが後述の操作レバー46を傾転操作したときには、その操作量に対応したパイロット圧の供給油量がパイロット管路19A,19Bを介して方向制御弁12のパイロット部12A,12Bへと給排される。これにより、方向制御弁12は、弁位置が中立位置(I)から作動位置(II)または(III)に切換わる。
次に、本実施形態による油圧式作業機械用の操作装置21について説明する。
油圧式作業機械用の操作装置21は、キャブ9内の運転席10の左,右両側にそれぞれ設けられている。これら油圧式作業機械用の操作装置21は、例えば運転席10に着席したオペレータによって後述の操作レバー46が前,後方向および左,右方向に傾転操作される。この場合、運転席10の左側に設けられた油圧式作業機械用の操作装置21は、例えば上部旋回体3を旋回動作させるための旋回油圧モータ5およびフロント装置4のアーム4Bを回動動作させるためのアームシリンダ4Eを制御(操縦)する。一方、運転席10の右側に設けられた油圧式作業機械用の操作装置21は、例えばフロント装置4のブーム4Aを回動動作させるためのブームシリンダ4Dおよびバケット4Cを回動動作させるためのバケットシリンダ4Fを制御(操縦)する。
そして、油圧式作業機械用の操作装置21は、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータに供給する圧油の流量と方向とを制御する各方向制御弁12に向けてパイロット圧を供給することにより、各方向制御弁12の弁位置を切換えるパイロット弁装置22と、パイロット弁装置22を作動させる操作レバー46とを備えている。
パイロット弁装置22は、後述の出力ポート26からパイロット圧を発生することにより方向制御弁12の切換操作を行うものである。パイロット弁装置22は、その外殻を構成するケーシング23と、ケーシング23内に収容された4個のパイロット弁34とを含んで構成されている。
図5に示すように、ケーシング23の下端部側には、パイロット油圧源としてのパイロットポンプ18から圧油が供給される圧油ポート24、作動油タンク13に接続されるタンクポート25、および方向制御弁12のパイロット部12A,12Bにそれぞれ接続される出力ポート26が4個(2個のみ図示)設けられている。例えば、運転席10の右側に設けられた油圧式作業機械用の操作装置21は、前,後方向に離間した2個の出力ポート26がブームシリンダ4D用の方向制御弁12のパイロット部12A,12Bにそれぞれ接続され、左,右方向に離間した2個の出力ポート26がバケットシリンダ4F用の方向制御弁のパイロット部にそれぞれ接続されている。
また、ケーシング23内には、各出力ポート26に連通する後述のスプール摺動孔27と、スプール摺動孔27の上端側に連通するばね室28と、ばね室28の上方に位置するダンピング室29と、ばね室28とタンクポート25との間を連通する連通路32とが設けられている。
各スプール摺動孔27は、それぞれケーシング23内に上,下方向に伸長して設けられ、これらスプール摺動孔27には、後述のスプール35が摺動可能に挿嵌される。各スプール摺動孔27は、その下端側がそれぞれ出力ポート26と連通し、上端側は後述のばね室28にそれぞれ開口している。また、各スプール摺動孔27の途中部位は、圧油ポート24に連通している。
ばね室28は、各スプール摺動孔27の上側に形成されている。これらばね室28は、スプール摺動孔27よりも大径な横断面円形状に形成され、ケーシング23内を上,下方向に延びている。各ばね室28内には、油液(作動油)が充満した状態で収容され下端側が連通路32に接続している。これにより、各ばね室28は、連通路32を介してタンクポート25に常時連通している。ばね室28内には、後述の圧力設定用ばね37と戻しばね38とが配設されている。
そして、各ばね室28の壁面28Aには、後述するプッシャ39の筒部42が摺接する。これにより、プッシャ39のピストン部40は、ばね室28内を上,下方向に移動可能に配設される。また、各ばね室28には、後述のスプール35、圧力設定用ばね37、および戻しばね38が上,下方向に延在して配設されている。
各ダンピング室29は、後述のプッシャ39のピストン部40を挟んで各ばね室28の上側にそれぞれ形成されている。これらダンピング室29は、後述するプッシャ39のピストン部40を介してばね室28と連通している。そして、各ダンピング室29内には、プッシャ39の軸部41が上,下方向に延びるように配設されている。各ダンピング室29内もばね室28と同様に、油液(作動油)が充満した状態で収容されている。
ブッシング30は、各ダンピング室29を上側から覆うようにケーシング23に嵌合して設けられている。各ブッシング30は、ケーシング23内にダンピング室29を形成するための蓋部材を構成するものである。これらブッシング30の内周側には、後述するプッシャ39の軸部41が上,下方向に移動可能に挿嵌されている。
シール部材31は、ブッシング30の内周側に装着された状態で、ブッシング30とプッシャ39の軸部41との間に配設されている。シール部材31は、ダンピング室29内に外部から異物等が侵入するのを防止すると共に、ダンピング室29内の油液が外部に漏洩するのを防止している。
連通路32は、ケーシング23内を横方向(ほぼ水平方向)に延びている。連通路32は、タンクポート25と各ばね室28との間を接続している。後述のスプール35が初期位置(中立位置)にあるときには、連通路32を介してタンクポート25と出力ポート26とが連通する。一方、スプール35が操作位置(押圧位置)にあるときには、連通路32と出力ポート26との間が遮断される。
上蓋33は、ケーシング23の上端側を施蓋している。この上蓋33は、ダンピング室29を上側から覆うブッシング30を抜止め状態に保持している。また、上蓋33の中央部には、後述の操作レバー46をパイロット弁装置22に取付けるための取付部材50が上方に向けて突出している。
各パイロット弁34は、後述のスプール35、圧力設定用ばね37、戻しばね38、およびプッシャ39をそれぞれ含んで構成されている。なお、各パイロット弁34は、同一の構造を有しているので、以下、1つのパイロット弁34の構成についてのみ説明する。
スプール35は、出力ポート26を圧油ポート24とタンクポート25とのいずれかに連通させる。このスプール35は、スプール摺動孔27内に摺動可能に挿嵌された大径部35Aと、大径部35Aの先端(上端)に設けられ、ばね室28内に延在した小径部35Bとからなっている。
ここで、大径部35Aには、その径方向および軸方向に連通孔35Cが設けられている。連通孔35Cは、スプール35の位置に応じて出力ポート26を圧油ポート24とタンクポート25とのいずれかに連通させる構成となっている。また、大径部35Aと小径部35Bとの境界は、段差面となっており、この段差面には後述する圧力設定用ばね37が設けられている。小径部35Bの先端側(上端側)の頭部35B1は、後述のばね受36の貫通孔36Aから突出して後述するプッシャ39の軸部41に設けられたスプール挿入穴41A内に上,下方向に移動可能に挿入されている。
ばね受36は、ばね室28内に位置して後述するプッシャ39の筒部42内に設けられている。このばね受36は、段付きの円板状に形成され、外周側から中央部に向けてU字状に延び、かつ厚さ方向(上,下方向)に貫通する貫通孔36Aが形成されている。この貫通孔36Aには、スプール35の小径部35Bが貫通している。ばね受36は、下面中央部に後述の圧力設定用ばね37の上端側が保持され、下面両端部に後述の戻しばね38の上端側が保持されている。これにより、ばね受36は、後述のプッシャ39が押圧されると、戻しばね38を撓ませると共に、圧力設定用ばね37を介してスプール35を下方向に向けて移動させる。
圧力設定用ばね37は、スプール35の小径部35Bの外周側に位置してばね室28内に配設されている。この圧力設定用ばね37は、ばね受36とスプール35の大径部35Aと小径部35Bとの段差面との間に設けられている。圧力設定用ばね37は、後述のプッシャ39の押圧操作に応じて出力ポート26から吐出されるパイロット圧の圧力設定を行う。
戻しばね38は、圧力設定用ばね37の外周側に位置してばね室28内に配設されている。この戻しばね38は、ばね受36とばね室28の底部との間に設けられている。戻しばね38は、後述のプッシャ39を操作位置から中立位置(初期位置)に復帰させるべく、ばね受36を介してプッシャ39を軸方向上向きに常時付勢している。
プッシャ39は、ばね室28内に摺動可能に設けられている。このプッシャ39は、後述の操作レバー46からの押圧操作によって戻しばね38に抗してスプール35を摺動変位させる。これにより、プッシャ39は、スプール35を出力ポート26と圧油ポート24とに連通させることができる。
図5、図6に示すように、プッシャ39は、後述の操作レバー46からの押圧操作がない状態のときに中立位置となり、図7に示すように後述の操作レバー46からの押圧操作により押圧された状態のときに操作位置となる。この場合、プッシャ39のストローク長が大きくなるにつれて出力ポート26から方向制御弁12に向けて供給されるパイロット圧の供給油量が大きくなり、方向制御弁12の弁位置を切換えることができる。
そして、図8に示すように、プッシャ39は、ばね室28とダンピング室29との間を画成し後述の絞り孔40Aが設けられたピストン部40と、ピストン部40からダンピング室29内を介してケーシング23外に突出した軸部41と、ピストン部40の外周側から下方に向けて延びばね室28の壁面28Aに摺接する筒部42とを有している。
ピストン部40は、ばね室28内を上,下方向に移動可能な環状体として形成されている。ピストン部40には、ばね室28とダンピング室29とを連通する1個の絞り孔40Aが設けられている。この絞り孔40Aは、ばね室28とダンピング室29との間を流れる油液(作動油)の流量を制限している。これにより、プッシャ39(ピストン部40)にダンピング圧が作用するので、プッシャ39の移動速度が遅くなり後述の操作レバー46の振動(揺れ)を抑制させることができる。
軸部41は、ピストン部40の中央部からダンピング室29内を上方に向けて延びる有底円筒状に形成され、シール部材31の内周側に摺動可能に挿嵌されている。軸部41の上端側は、ケーシング23から突出して後述のカム48の下面に当接している。そして、軸部41は、後述の操作レバー46を傾転操作したときに、カム48により下向きに押動される。これにより、スプール35が下向きに変位する構成となっている。
図6に示すように、軸部41の内周側は、下端側から上方に向けて延びるスプール挿入穴41Aとなっている。このスプール挿入穴41Aには、スプール35の頭部35B1が相対移動可能に挿入されている。スプール挿入穴41Aは、ばね受36により施蓋され、ばね受36の貫通孔36Aによりばね室28に常時連通している。
筒部42は、ピストン部40の外周側から下方に向けて延びる円筒体として形成されている。この筒部42は、外周面42Aがばね室28の壁面28Aに摺接し、ばね室28内を上,下方向に摺動可能になっている。筒部42の上端側は、ピストン部40により施蓋され、ピストン部40の下面側にばね受36が設けられている。筒部42の内周面42B側は、ばね室28内となりピストン部40の絞り孔40Aによりダンピング室29と連通している。また、筒部42の内周面42B側には、中央部に上,下方向に延びるスプール35の小径部35Bが配設され、小径部35Bの外周側には圧力設定用ばね37と戻しばね38とが配設されている。
次に、ケーシング23のばね室28の壁面28Aとプッシャ39の筒部42との間に設けられた溝部としてのプッシャ側凹部43と、閉塞部44とについて説明する。
プッシャ側凹部43は、プッシャ39の筒部42の外周面42Aから径方向内側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延びている。このプッシャ側凹部43は、上端側がダンピング室29に常時連通して下方に向けて筒部42の外周面42Aを途中部位まで延びている。プッシャ側凹部43は、プッシャ39のストローク長が中立位置から予め設定された微小な操作位置(ストローク長L)よりも大きくなった場合に、ばね室28とダンピング室29とを連通させて、ばね室28とダンピング室29との間で油液(作動油)が流れるのを許容する。
閉塞部44は、筒部42の外周面42Aのうちプッシャ側凹部43の下端側に設けられている。この閉塞部44は、プッシャ39のストローク長が中立位置から微小な操作位置までの場合にはばね室28の壁面28Aに当接することによりばね室28とプッシャ側凹部43(ダンピング室29)との間を閉塞している。一方、プッシャ39のストローク長が微小な操作位置よりも大きくなった場合には、閉塞部44とばね室28の壁面28Aとが非当接状態となり、ばね室28とプッシャ側凹部43(ダンピング室29)との間を連通させる。
即ち、プッシャ39のストローク長が中立位置から微小な操作位置までの範囲では、ピストン部40に設けられた絞り孔40Aのみにより、ばね室28とダンピング室29との間で油液が流通するので、プッシャ39にダンピングが効くことになる。一方、プッシャ39のストローク長が微小な操作位置よりも大きくなった場合には、絞り孔40Aに加えてプッシャ側凹部43によりばね室28とダンピング室29との間で油液が流通するので、ダンピング効果が低減する。
ここで、図6に示すように、中立位置から微小な操作位置までのプッシャ39のストローク長Lは、方向制御弁12に供給されるパイロット圧の供給油量が方向制御弁12の弁位置を、図3に示す中立位置(I)から作動位置(II)または(III)に切換えるのに必要な供給油量となるストローク長よりも短く設定されている。また、プッシャ39のストローク長がストローク長Lよりも大きくなると、ばね室28とプッシャ側凹部43とが連通する。
即ち、後述の操作レバー46が傾動してもプッシャ39にダンピングが効いている範囲では、方向制御弁12の弁位置が切換わらないので、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータは作動しない。一方、プッシャ39のストローク長が微小な操作位置よりも大きくなった場合には、パイロット圧により方向制御弁12の弁位置が切換わり、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータが作動する。この場合、ダンピング効果が低減するので、後述の操作レバー46の操作フィーリングを良好にすることができる。
ケーシング23の上端側中央部には、後述の操作レバー46が取付けられる有底な雌ねじ部45が設けられている。この雌ねじ部45の周囲には、各ばね室28にそれぞれ連通する4個のダンピング室29が設けられている。
操作レバー46は、パイロット弁装置22のケーシング23に付設され、オペレータにより傾転操作される。この操作レバー46は、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータを駆動するために、パイロット弁装置22を作動させるものである。そして、操作レバー46は、棒状のレバー本体47と、レバー本体47に一体的に固定されたカム48と、十字継手等からなる連結部49と、連結部49に傾転可能に取付けられた取付部材50とを含んで構成されている。
ここで、カム48は、レバー本体47の基端側から径方向外向きに突出し、その下面側がプッシャ39の上端(突出端)側に当接している。そして、カム48は、操作レバー46に対する傾転操作に応じて傾転し、これによってプッシャ39を中立位置と操作位置との間で押圧操作する。
本実施形態による油圧式作業機械用の操作装置21は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、操作レバー46が非操作状態であり、プッシャ39が中立位置(初期位置)にあるときには、スプール35が圧油ポート24と出力ポート26とを遮断し、スプール35の連通孔35Cがタンクポート25と出力ポート26とを連通させるので、出力ポート26は低圧状態におかれる。この結果、方向制御弁12にパイロット圧が供給されず、方向制御弁12は中立位置(I)に保持される。
次に、オペレータが操作レバー46を傾転操作すると、カム48は連結部49を支点として傾転することによりプッシャ39を中立位置から操作位置に向けて軸方向下向きに押圧する。スプール35は、このときの押圧操作量に応じて圧力設定用ばね37を介して軸方向下向きに摺動変位する。これにより、スプール35は、連通孔35Cが圧油ポート24と出力ポート26とを連通させ、タンクポート25と出力ポート26とを遮断する。
この結果、出力ポート26内が高圧状態におかれ、出力ポート26内の圧力はフィードバック圧力としてスプール35に作用するので、スプール35は圧力設定用ばね37のばね荷重に抗して軸方向上向きに摺動変位し、このとき圧力設定用ばね37がプリセット状態から圧縮されて撓む。
そして、スプール35は、再び圧油ポート24と出力ポート26とを遮断し、連通孔35Cがタンクポート25と出力ポート26とを連通させると、出力ポート26内の圧力が低下する。これにより、圧力設定用ばね37は、圧縮された状態から伸長するようになり、圧力設定用ばね37のばね荷重によって、スプール35は再び軸方向下向きに摺動変位する。この結果、スプール35は、連通孔35Cにより圧油ポート24と出力ポート26とが連通され、タンクポート25と出力ポート26とを遮断するので、出力ポート26内の圧力が上昇する。
即ち、プッシャ39に対する押圧操作量に対応したばね荷重が圧力設定用ばね37に発生し、このばね荷重に対応して出力ポート26内の圧力が制御される。これにより、方向制御弁12のパイロット部12A,12Bに対して操作レバー46の操作量に応じたパイロット圧が供給される。そして、方向制御弁12は、出力ポート26内の圧力(パイロット圧)に応じたストローク量をもって中立位置(I)から作動位置(II)または(III)に切換えられる。
この結果、ブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4F、旋回油圧モータ5等の油圧アクチュエータを、操作レバー46の操作量に応じた作動速度もって駆動させることができ、油圧ショベル1のブーム4A、アーム4B、およびバケット4Cを回動(俯仰動)させたり、上部旋回体3を旋回させたりすることができる。
ところで、油圧ショベル、ホイールローダ等の作業機械は、悪路を走行したり、掘削作業を行ったりすることによる車体の振動で、操作レバーが中立位置(中立状態)から操作領域(操作位置)に揺動する虞がある。そこで、操作レバーの中立状態では、ダンピングを効かせて車体の振動による操作レバーの揺動を抑制させたい。上述した従来技術では、逆止弁を用いることにより、ダンピングを効かせて操作レバーの振動を抑制している。しかし、操作レバーのすべての操作範囲でダンピングを効かせているので、ダンピングを効かせたい操作レバーの中立状態以外の操作領域において操作レバーの操作が重くなり、操作フィーリングを損なう虞がある。
そこで、本実施形態では、操作レバー46が非操作状態にあるとき、即ちプッシャ39が中立位置付近にあるときにのみダンピングを効かせている。具体的には、図6に示すように、プッシャ39の中立位置からのストローク長Lまでの間では、プッシャ39の閉塞部44がばね室28の壁面28Aに当接しているので、プッシャ側凹部43とばね室28とが閉塞される。その結果、ばね室28とダンピング室29との間の油液の流路は、絞り孔40Aのみとなりプッシャ39にダンピングを効かせることができる。
一方、図7に示すように、プッシャ39のストローク長Lを越えた場合には、プッシャ39の閉塞部44とばね室28の壁面28Aとの当接状態が解除されるので、プッシャ側凹部43とばね室28とが連通する。その結果、ばね室28とダンピング室29との間の油液の流路は、絞り孔40Aとプッシャ側凹部43となるので、プッシャ39に作用していたダンピング効果を低減させることができる。
ここで、プッシャ39のストローク長と操作レバー46の操作力(抵抗力、反力)との関係について、図9を参照して説明する。この場合、図9に示す特性線51は、ストローク長と操作レバー46の操作力との関係を示し、点線52は、ストローク長と戻しばね38のばね力との関係を示し、特性線53は、ストローク長と出力圧(パイロット圧)との関係を示し、特性線54は、ストローク長とダンパ力(ダンピング効果)との関係を示している。
まず、操作レバー46を傾転操作してプッシャ39をストローク長σ1まで押込むと、スプール35の連通孔35Cが圧油ポート24と出力ポート26との間を連通させて、出力ポート26から方向制御弁12の一方のパイロット部12Aに向けて出力圧P1の油量を供給する(特性線53参照)。この場合、ストローク長σ1までの操作レバー46の操作力は、「特性線54に示す絞り孔40Aに伴うダンパ力」と「点線52に示すばね力」との合力となり、操作力T1に向けて上昇する(特性線51参照)。そして、ストローク長σ1に到達したときの操作力は、「特性線53に示す出力圧P1に伴う抵抗力(反力)」がさらに加わり、操作力T1から操作力T3に上昇する(特性線51参照)。
次に、プッシャ39が微小な操作位置となるストローク長Lまで押込むと、プッシャ39の閉塞部44とばね室28の壁面28Aとの当接状態が解除されて、ばね室28とダンピング室29とがプッシャ側凹部43を介して連通する。この場合、ストローク長Lまでの操作レバー46の操作力は、「特性線54に示す絞り孔40Aに伴うダンパ力」と「点線52に示すばね力」と「特性線53に示す出力圧に伴う抵抗力」との合力となり、操作力T3から操作力T4に向けて上昇する(特性線51参照)。そして、ストローク長Lに到達したときの操作力は、プッシャ側凹部43によりダンパ力(ダンピング効果)が低減するので、「点線52に示すばね力」と「特性線53に示す出力圧に伴う抵抗力」との合力となり、操作力T4から操作力T2に下降する(特性線51参照)。
次に、プッシャ39をストローク長σ2まで押込むと、出力圧Pcの油量が方向制御弁12の一方のパイロット部12Aに向けて供給される。ここで、図10に示す特性線55は、出力ポート26から出力される出力圧(パイロット圧)と方向制御弁12のスプール(図示せず)のストローク長の関係を示している。方向制御弁12の一方のパイロット部12Aに出力圧Pcの油量が供給されると、方向制御弁12のスプールがストローク長σcとなる。方向制御弁12のスプールがストローク長σcとなると、油圧ポンプ15から方向制御弁12を介してブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータに作動油が供給される。これにより、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータは作動(駆動)を開始する。
その後、プッシャ39を最大ストローク長σ3まで押込むと、最大出力圧Pfの油量が方向制御弁12の一方のパイロット部12Aに向けて供給される(特性線53参照)。この場合、図10の特性線55に示すように、方向制御弁12のスプールが最大ストローク長σfとなり、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータの動作速度を最大にすることができる。
プッシャ39のストローク長Lからストローク長σ3までの操作力は、「点線52に示すばね力」と「特性線53に示す出力圧に伴う抵抗力」との合力となる(特性線51参照)。即ち、ブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータを作動させる範囲であるプッシャ39のストローク長σ2からストローク長σ3の範囲では、プッシャ側凹部43がばね室28とダンピング室29との間を連結しているので、ダンピング効果が低減する。これにより、操作レバー46の操作力が軽くなるので、操作フィーリングを良好にすることができる。
一方、スプール35が中立位置(初期位置)から微小な操作位置となるストローク長Lまでの範囲では、プッシャ39のピストン部40に設けられた絞り孔40Aによりダンピングが効いている。従って、例えば油圧ショベル1が悪路を走行している場合に、その振動が操作レバー46に伝わってプッシャ39をストローク長σ2以上に押圧するのを抑制することができる。また、オペレータが操作レバー46を操作位置から離して操作レバー46が戻しばね38の付勢力により中立位置に復帰するときに、操作レバー46の揺れ戻しを抑制することができる。
かくして、第1の実施形態による油圧式作業機械用の操作装置21は、車体(上部旋回体3)の運転席10の周囲に設けられ前記車体に搭載された油圧アクチュエータに供給する圧油の流量と方向とを制御する方向制御弁12に向けてパイロット圧を供給することにより前記方向制御弁12の弁位置を切換えるパイロット弁装置22と、前記パイロット弁装置22を作動させる操作レバー46とを備えている。
この場合、前記パイロット弁装置22は、パイロット油圧源(パイロットポンプ18)から圧油が供給される圧油ポート24、前記車体に搭載された作動油タンク13に接続されるタンクポート25、および前記方向制御弁12に接続される出力ポート26を有するケーシング23と、前記ケーシング23内に摺動可能に設けられ前記出力ポート26を前記圧油ポート24と前記タンクポート25とのいずれかに連通させる連通孔35Cを有したスプール35と、前記操作レバー46からの押圧操作によって前記スプール35を摺動変位させるプッシャ39と、前記プッシャ39を中立位置に向けて常時付勢する戻しばね38とが備えられ、前記ケーシング23には、前記タンクポート25に常時連通して作動油が収容され前記戻しばね38が配設されたばね室28と、前記プッシャ39により前記ばね室28の上側に形成され作動油が収容されたダンピング室29とが設けられ、前記プッシャ39には、前記ばね室28と前記ダンピング室29とを連通させる絞り孔40Aが設けられている。
そして、前記ケーシング23と前記プッシャ39との間には、前記プッシャ39のストローク長が前記中立位置から予め設定された微小な操作位置までの範囲にある場合に前記ばね室28と前記ダンピング室29との間で作動油が流れるのを阻止する閉塞部44と、前記プッシャ39のストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合に前記ばね室28と前記ダンピング室29との間で作動油が流れるのを許容する溝部(プッシャ側凹部43)とが設けられている。
また、前記中立位置から前記微小な操作位置までの前記プッシャ39のストローク長Lは、前記パイロット圧の供給油量が前記方向制御弁12の弁位置を切換えるのに必要な供給油量となるストローク長σ2よりも短く設定されている。
また、前記車体は、自走可能な下部走行体2と、前記下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、前記上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられたフロント装置4とからなり、前記車体に搭載された油圧アクチュエータは、前記上部旋回体3を旋回させるための旋回油圧モータ5と、前記フロント装置4に設けられたブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、およびバケットシリンダ4Fとからなり、前記パイロット弁装置22は、前記旋回油圧モータ5、前記ブームシリンダ4D、前記アームシリンダ4E、および前記バケットシリンダ4Fを作動させるものである。
また、前記プッシャ39は、前記ばね室28と前記ダンピング室29との間を画成し前記絞り孔40Aが設けられたピストン部40と、前記ピストン部40から前記ダンピング室29内を介して前記ケーシング23外に突出した軸部41と、前記ピストン部40の外周側から下方に向けて延び前記ばね室28の壁面28Aに摺接する筒部42とを有し、前記閉塞部44と前記溝部(プッシャ側凹部43)とは、前記ばね室28と前記ダンピング室29との間で、かつ前記プッシャ39の前記筒部42と前記ばね室28の前記壁面28Aとの間に設けられている。
また、前記溝部は、前記プッシャ39の前記筒部42の外周面42Aから径方向内側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延び前記ダンピング室29に連通するプッシャ側凹部43として形成され、前記閉塞部44は、前記プッシャ側凹部43の下端側に設けられ前記プッシャ39のストローク長が前記中立位置から前記微小な操作位置までの場合には前記ばね室28の前記壁面28Aに当接することにより前記ばね室28と前記プッシャ側凹部43との間を閉塞し、前記プッシャ39のストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合には前記ばね室28と前記プッシャ側凹部43との間を連通させる。
これにより、プッシャ39が中立位置から微小な操作位置であるストローク長Lまでの範囲では、ダンピングを効かせて操作レバー46の振動(揺れ)を抑制することができる。そして、プッシャ39がストローク長Lを越えたときには、プッシャ側凹部43がばね室28とダンピング室29との間を連通させることによりダンピング効果が低減する。従って、油圧ショベル1の上部旋回体3の旋回停止時の慣性力、油圧ショベル1のピボットターンでの方向変更時、作業機械(油圧ショベル1、ホイールローダ等)の悪路走行時、作業機械の掘削作業による掘削反力等における車体の振動が操作レバー46に伝わっても、操作レバー46の中立位置(状態)では絞り孔40Aによりダンピングが効いているので、操作レバー46の揺動を抑制できる。一方、操作レバー46を操作してプッシャ39がストローク長L(微小な操作位置)を越えた油圧アクチュエータ(ブームシリンダ4D等)の操作領域では、操作レバー46の操作力を軽くできる。
次に、図11、図12は、本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態の特徴は、第1の実施形態のプッシャ側凹部43と閉塞部44とに代えて、ケーシング23のばね室28に溝部としてのケーシング側凹部61と、閉塞部62とを設けたことにある。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する。
ケーシング側凹部61は、ばね室28の壁面28Aから径方向外側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延びている。このケーシング側凹部61は、下端側がばね室28に常時連通して上方に向けてばね室28の壁面28Aを途中部位まで延びている。ケーシング側凹部61は、プッシャ39のストローク長が中立位置から予め設定された微小な操作位置(ストローク長L)よりも大きくなった場合に、ばね室28とダンピング室29とを連通させて、ばね室28とダンピング室29との間で油液(作動油)が流れるのを許容する。
閉塞部62は、ばね室28の壁面28Aのうちケーシング側凹部61の上端側に設けられている。この閉塞部62は、プッシャ39のストローク長が中立位置から微小な操作位置までの場合にはプッシャ39の筒部42の外周面42Aに当接することによりばね室28とプッシャ側凹部43(ダンピング室29)との間を閉塞している。一方、プッシャ39のストローク長が微小な操作位置よりも大きくなった場合には、閉塞部44とばね室28の壁面28Aとが非当接状態となり、ばね室28とプッシャ側凹部43(ダンピング室29)との間を連通させる。
かくして、このように構成された第2の実施形態による油圧式作業機械用の操作装置21では、前記溝部は、前記ばね室28の前記壁面28Aから径方向外側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延び前記ばね室28に連通するケーシング側凹部61として形成され、前記閉塞部62は、前記ケーシング側凹部61の上端側に設けられ前記プッシャ39のストローク長が前記中立位置から前記微小な操作位置までの場合には前記プッシャ39の前記筒部42に当接することにより前記ばね室28と前記ケーシング側凹部61との間を閉塞し、前記プッシャ39のストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合には前記ばね室28と前記ケーシング側凹部61との間を連通させる。
これにより、プッシャ39が中立位置から微小な操作位置であるストローク長Lまでの範囲では、ダンピングを効かせて操作レバー46の振動(揺れ)を抑制することができる。そして、プッシャ39がストローク長Lを越えたときには、ケーシング側凹部61がばね室28とダンピング室29との間を連通させることによりダンピング効果が低減する。従って、上述の第1の実施形態と同様に、操作レバー46の中立位置(状態)では絞り孔40Aによりダンピングが効いているので、操作レバー46の揺動を抑制することができる。一方、操作レバー46を操作してプッシャ39がストローク長L(微小な操作位置)を越えた油圧アクチュエータ(ブームシリンダ4D等)の操作領域では、操作レバー46の操作力を軽くできる。
なお、上述した第1の実施形態では、4個のパイロット弁34を有する油圧式作業機械用の操作装置21を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば走行用操作レバー・ペダル11のような2個のパイロット弁を有する油圧式作業機械用の操作装置に用いてもよい。このことは、第2の実施形態についても同様である。
また、上述した第1の実施形態では、絞り孔40Aとプッシャ側凹部43とをそれぞれ1個設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば絞り孔40Aとプッシャ側凹部43とをそれぞれ2個以上設けてもよい。このことは、第2の実施形態のケーシング側凹部61についても同様である。
また、上述した各実施形態では、油圧ショベル1に搭載された油圧式作業機械用の操作装置21を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイールローダ、油圧クレーン等の他の作業機械に適用してもよく、さらには作業機械以外の油圧式作業機械に搭載された油圧アクチュエータを操作する油圧式作業機械用の操作装置に適用してもよい。
1 油圧ショベル(油圧式作業機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 フロント装置(車体)
4D ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4E アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4F バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
5 旋回油圧モータ
10 運転席
12 方向制御弁
13 作動油タンク
21 油圧式作業機械用の操作装置
22 パイロット弁装置
23 ケーシング
24 圧油ポート
25 タンクポート
26 出力ポート
28 ばね室
28A 壁面
29 ダンピング室
35 スプール
35C 連通孔
38 戻しばね
39 プッシャ
40 ピストン部
40A 絞り孔
41 軸部
42 筒部
43 プッシャ側凹部(溝部)
44,62 閉塞部
46 操作レバー
61 ケーシング側凹部(溝部)

Claims (6)

  1. 車体の運転席の周囲に設けられ前記車体に搭載された油圧アクチュエータに供給する圧油の流量と方向とを制御する方向制御弁に向けてパイロット圧を供給することにより前記方向制御弁の弁位置を切換えるパイロット弁装置と、前記パイロット弁装置を作動させる操作レバーとを備え、
    前記パイロット弁装置は、パイロット油圧源から圧油が供給される圧油ポート、前記車体に搭載された貯油タンクに接続されるタンクポート、および前記方向制御弁に接続される出力ポートを有するケーシングと、前記ケーシング内に摺動可能に設けられ前記出力ポートを前記圧油ポートと前記タンクポートとのいずれかに連通させる連通孔を有したスプールと、前記操作レバーからの押圧操作によって前記スプールを摺動変位させるプッシャと、前記プッシャを中立位置に向けて常時付勢する戻しばねとが備えられ、
    前記ケーシングには、前記タンクポートに常時連通して作動油が収容され前記戻しばねが配設されたばね室と、前記プッシャにより前記ばね室の上側に形成され作動油が収容されたダンピング室とが設けられ、
    前記プッシャには、前記ばね室と前記ダンピング室とを連通させる絞り孔が設けられている油圧式作業機械用の操作装置において、
    前記ケーシングと前記プッシャとの間には、前記プッシャのストローク長が前記中立位置から予め設定された微小な操作位置までの範囲にある場合に前記ばね室と前記ダンピング室との間で作動油が流れるのを阻止する閉塞部と、前記プッシャのストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合に前記ばね室と前記ダンピング室との間で作動油が流れるのを許容する溝部とが設けられていることを特徴とする油圧式作業機械用の操作装置。
  2. 前記中立位置から前記微小な操作位置までの前記プッシャのストローク長は、前記パイロット圧の供給油量が前記方向制御弁の弁位置を切換えるのに必要な供給油量となるストローク長よりも短く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧式作業機械用の操作装置。
  3. 前記車体は、自走可能な下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられたフロント装置とからなり、
    前記車体に搭載された油圧アクチュエータは、前記上部旋回体を旋回させるための旋回油圧モータと、前記フロント装置に設けられたブームシリンダ、アームシリンダ、およびバケットシリンダとからなり、
    前記パイロット弁装置は、前記旋回油圧モータ、前記ブームシリンダ、前記アームシリンダ、および前記バケットシリンダを作動させることを特徴とする請求項1に記載の油圧式作業機械用の操作装置。
  4. 前記プッシャは、前記ばね室と前記ダンピング室との間を画成し前記絞り孔が設けられたピストン部と、前記ピストン部から前記ダンピング室内を介して前記ケーシング外に突出した軸部と、前記ピストン部の外周側から下方に向けて延び前記ばね室の壁面に摺接する筒部とを有し、
    前記閉塞部と前記溝部とは、前記ばね室と前記ダンピング室との間で、かつ前記プッシャの前記筒部と前記ばね室の前記壁面との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧式作業機械用の操作装置。
  5. 前記溝部は、前記プッシャの前記筒部の外周面から径方向内側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延び前記ダンピング室に連通するプッシャ側凹部として形成され、
    前記閉塞部は、前記プッシャ側凹部の下端側に設けられ前記プッシャのストローク長が前記中立位置から前記微小な操作位置までの場合には前記ばね室の前記壁面に当接することにより前記ばね室と前記プッシャ側凹部との間を閉塞し、前記プッシャのストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合には前記ばね室と前記プッシャ側凹部との間を連通させることを特徴とする請求項4に記載の油圧式作業機械用の操作装置。
  6. 前記溝部は、前記ばね室の前記壁面から径方向外側に向けて凹状に窪んで上,下方向に延び前記ばね室に連通するケーシング側凹部として形成され、
    前記閉塞部は、前記ケーシング側凹部の上端側に設けられ前記プッシャのストローク長が前記中立位置から前記微小な操作位置までの場合には前記プッシャの前記筒部に当接することにより前記ばね室と前記ケーシング側凹部との間を閉塞し、前記プッシャのストローク長が前記微小な操作位置よりも大きくなった場合には前記ばね室と前記ケーシング側凹部との間を連通させることを特徴とする請求項4に記載の油圧式作業機械用の操作装置。
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