JP2005201076A - 可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置 - Google Patents

可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置 Download PDF

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隆志 新留
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Abstract

【課題】 容量可変部を正,逆方向に傾転して圧油の吐出方向を両方向に切換えると共に、カットオフバルブ等を不要にして回路構造を簡略化し小型化を図る。
【解決手段】 油圧ポンプ1の容量を原動機の馬力特性の範囲内に制限する容量制御弁31の油圧パイロット部34には、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1を受圧する第1の受圧部34Bと、油圧ポンプ1と一緒に原動機により駆動される他のポンプ51の吐出圧力Px2を受圧する第2の受圧部34Cとを設ける。容量制御弁26,31の制御スリーブ27,32と斜板21との間に設けるフィードバック機構36は、斜板21の傾転動作を軸方向変位に変換して取出す変換部37と、変換部37で取出した軸方向変位により回転軸13の軸方向に平行移動する並進バー39等とにより構成する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えばホイールローダ、ホイール式の油圧ショベル、油圧クレーンまたはクローラ式の油圧ショベル、油圧クレーン等の作業車両に好適に用いられる可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置に関する。
一般に、建設機械等の作業車両に用いられる油圧動力伝達機構(以下、HSTという)には、例えば油圧源となる可変容量型油圧ポンプと油圧モータ等の油圧アクチュエータとの間を油圧閉回路により接続する構成とした閉回路方式のHSTと、油圧ポンプと油圧アクチュエータとの間を油圧開回路により接続する構成とした開回路方式のものとがある。
そして、閉回路方式のHSTに用いられる可変容量型油圧ポンプには、例えば斜板等の容量可変部を傾転制御するための傾転制御装置が設けられ、この傾転制御装置は、油圧ポンプの容量可変部(斜板)を傾転駆動する斜板制御シリンダ等の傾転アクチュエータを備えている(例えば、特許文献1参照)。
また、この場合の傾転制御装置には、傾転制御圧を発生するチャージポンプ等の制御ポンプと前記傾転アクチュエータとの間に、電磁弁からなる切換弁と所謂カットオフバルブと呼ばれるパイロット操作切換弁等とが設けられている。
そして、前記電磁弁からなる切換弁は、例えば車両の走行方向を切換える前後進切換弁等の方向切換弁により構成され、前記傾転アクチュエータに給排する傾転制御圧の方向を正,逆に切換えることにより、油圧ポンプの容量可変部を傾転角零の中立位置から正,逆の両方向に傾転させるものである。
また、前記パイロット操作切換弁(カットオフバルブ)は、前記油圧ポンプと一緒に原動機によって駆動される他のポンプの吐出圧力を、前記油圧ポンプの吐出圧力と共に受圧し合計の圧力が設定圧力を越えたときに、前記容量可変部の傾転角を小さくするように前記傾転制御圧を切換制御し、前記油圧ポンプの容量を減少させることによって前記原動機の負荷を軽減するものである。
そして、このようなカットオフバルブを用いることにより、例えば作業車両を走行駆動しながら掘削作業等を行うときに、走行駆動力と掘削作業に伴うリフト力(持上げ力)とをマッチングさせ、走行駆動力の方がリフト力よりも過大となってタイヤ(車輪)が早期に摩耗される等の不具合を解消するものである。
一方、油圧ショベル等の建設機械には、開回路方式の油圧回路等に一般的に採用され、容量可変部を一方向のみに傾転させることを前提とした可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置も多く用いられている。そして、この場合の可変容量型油圧ポンプは、ディーゼルエンジン等の原動機で回転軸が一方向に回転駆動されることにより、タンクから吸込んだ作動油を高圧の圧油として一方向に吐出し、この圧油を作業用油圧シリンダ、走行用または旋回用油圧モータ等の各油圧アクチュエータに向けて供給するものである(例えば、特許文献2,3参照)。
そして、この従来技術による可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置は、傾転制御圧が給排されることにより油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと、制御スリーブ内にスプールが設けられ該傾転アクチュエータに給排する傾転制御圧を外部からの指令信号に従って制御する第1の容量制御弁と、前記油圧ポンプの容量を前記原動機の馬力特性の範囲内に制限するため馬力制御スプールが制御スリーブ内に設けられ前記油圧ポンプの吐出圧力に従って前記傾転制御圧を制御する第2の容量制御弁と、前記第1,第2の容量制御弁の制御スリーブを前記容量可変部の傾転動作に追従してフィードバック制御するフィードバック機構等とから構成されている。
この場合、外部からの指令信号に従って第1の容量制御弁のスプールが摺動変位すると、傾転制御圧が切換制御されることにより傾転アクチュエータが作動して容量可変部が傾転駆動され、例えば油圧ポンプの容量が傾転角に応じて増減される。また、第2の容量制御弁は、油圧ポンプの吐出圧力が上昇するに従ってポンプ容量を減少させるように傾転制御圧を制御し、原動機の限られた馬力特性の範囲内で油圧ポンプの容量制御(傾転制御)を行わしめるものである。
そして、このときには容量可変部の傾転動作に伴ってフィードバック機構が作動することにより、例えばフィードバックリンク等の回動変位が前記第1,第2の容量制御弁の制御スリーブに伝達され、これらの制御スリーブを前記スプールと同方向に摺動変位させるようにレギュレータがフィードバック制御されるものである。
特開昭63−259182号公報 WO95/15441 特開2003−269324号公報
ところで、上述した従来技術(特許文献1)による可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置は、油圧モータ等の油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間を、例えば油圧閉回路で接続し、容量可変部を中立位置から正,逆の両方向に傾転させて油圧ポンプによる圧油の吐出方向を両方向に切換えることを前提としたものである。
しかし、この場合の傾転制御装置は、油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと制御ポンプとの間に、例えば車両の走行方向を切換える前後進切換弁等の切換弁を設けている上に、所謂カットオフバルブと呼ばれるパイロット操作切換弁等も設ける構成であるために、油圧回路の構造が複雑化し、組立時の作業性を向上させることが難しいという問題がある。
また、例えば作業車両を走行駆動しながら掘削作業等を行うときに、走行駆動力と掘削作業時のリフト力(持上げ力)とのマッチングを図るパイロット操作切換弁(カットオフバルブ)等は、油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動するときにフィードバック制御されるものではないため、油圧ポンプの容量制御を行う上で原動機の限られた馬力特性を有効に活用することが難しいという問題がある。
また、このようなカットオフバルブは、油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと前後進切換弁との間に設けられるため、これによっても油圧回路の構造が複雑化し、傾転制御装置全体を小型化してコンパクトに構成する上で障害になるという問題がある。
一方、他の従来技術(特許文献2,3)による可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置は、所謂油圧開回路等に一般的に採用されるように、容量可変部を一方向のみに傾転させることを前提としたもので、油圧モータ等の油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間を、例えば油圧閉回路で接続し、容量可変部を両方向に傾転させて油圧ポンプによる圧油の吐出方向を両方向に切換えて用いる場合には、下記のような問題が生じるものである。
即ち、この場合の可変容量型油圧ポンプは、斜板等の容量可変部を例えば傾転角零の中立位置を基準として一方向(例えば、正方向)にのみ傾転駆動する構成としたもので、前記中立位置を基準として正,逆の両方向に傾転する場合を想定して設計したものではない。
このため、このような可変容量型油圧ポンプは、油圧モータ等の油圧アクチュエータに対し、例えば油圧閉回路を用いて接続しようとすると、前記中立位置を基準として正方向と逆方向とに容量可変部が傾転駆動されるように大幅な設計変更を行う必要が生じる。
しかも、このような可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置は、例えば容量可変部を正方向に傾転する場合と逆方向に傾転する場合とで、第1,第2の容量制御弁の制御スリーブが逆向きにフィードバック(摺動変位)されることになり、制御スリーブのフィードバック制御等を円滑に行うことができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、容量可変部を正方向と逆方向に傾転して圧油の吐出方向を両方向に切換えることができると共に、第1,第2の容量制御弁のフィードバック制御を円滑に行うことができ、全体の構造も簡素化して小型化を図ることができるようにした可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、原動機の限られた馬力特性を有効に活用してポンプ容量を安定して制御できると共に、カットオフバルブ等を不要にして回路構造を簡略化することができ、生産性の向上、コストの低減化等を図ることができるようにした可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、例えば走行用油圧回路に適用した場合にも、モータ停止時に回路内に発生するブレーキ圧によってポンプ容量が変化するのを抑えることができ、モータ停止時のフィーリングを向上できるようにした可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、容量可変部を有し回転軸が原動機によって回転駆動される可変容量型の油圧ポンプと、傾転制御圧が給排されることにより該油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと、制御スリーブ内にスプールが設けられ該傾転アクチュエータに給排する前記傾転制御圧を外部からの指令信号に従って制御する第1の容量制御弁と、前記油圧ポンプの容量を前記原動機の馬力特性の範囲内に制限するため馬力制御スプールが制御スリーブ内に設けられ少なくとも前記油圧ポンプの吐出圧力に従って前記傾転制御圧を制御する第2の容量制御弁と、前記第1,第2の容量制御弁の制御スリーブを前記容量可変部の傾転動作に追従してフィードバック制御するフィードバック機構とからなる可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記油圧ポンプは、前記傾転アクチュエータにより容量可変部を傾転角零の中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動する構成とし、前記フィードバック機構は、前記容量可変部が中立位置にあるときに前記油圧ポンプの回転軸に沿った軸方向一側の初期位置となり、前記容量可変部が正,逆方向に傾転駆動されるときには前記初期位置から軸方向他側に向けて変位するように前記容量可変部の傾転動作を軸方向変位に変換して取出す変換部と、該変換部を前記第1の容量制御弁の制御スリーブと第2の容量制御弁の制御スリーブとに接続して設けられ該変換部で取出した軸方向変位を前記各制御スリーブに伝える変位伝達部とにより構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記フィードバック機構の変位伝達部は、前記容量可変部が傾転するときに前記各制御スリーブと一緒に前記回転軸の軸方向に沿って並進運動する並進部材により構成している。
また、請求項3の発明によると、前記第2の容量制御弁は油圧パイロット部を有した油圧サーボ弁によって構成し、該油圧パイロット部は、前記油圧ポンプの吐出圧力を受圧する第1の受圧部と、該油圧ポンプと一緒に前記原動機により駆動される他のポンプの吐出圧力を受圧する第2の受圧部とを備えてなる構成としている。
また、請求項4の発明によると、前記第2の容量制御弁は、前記油圧ポンプによる吐出圧力と前記他のポンプによる吐出圧力との合計の圧力が予め決められた設定圧力を越えたときに前記油圧ポンプの容量が減少する方向に前記馬力制御スプールを変位させ、前記油圧ポンプの容量を前記原動機の馬力特性の範囲内に制限する構成としている。
一方、請求項5の発明によると、前記第1,第2の容量制御弁と前記傾転アクチュエータとの間には、前記容量可変部を中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動するために、前記傾転制御圧の給排方向を切換える方向切換弁を設けてなる構成としている。
また、請求項6の発明によると、前記油圧ポンプは、作業車両の油圧モータに圧油を給排するため該油圧モータとの間を一対の主管路を介して接続する構成とし、該一対の主管路の間には、前記油圧ポンプの吐出圧力を前記第2の容量制御弁に供給するため前記方向切換弁に連動して切換操作される圧力選択弁を設け、該圧力選択弁は、中立位置のときに前記各主管路を互いに連通させ中立位置から切換わったときには前記各主管路のうち油圧ポンプの吐出側となる主管路の圧力を前記前記第2の容量制御弁に向けて選択的に流通させる構成としている。
さらに、請求項7の発明によると、前記油圧ポンプは、前記回転軸が回転可能に設けられる筒状のケーシングと、前記回転軸と一体に回転するように該ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが摺動する摺動面を有し前記容量可変部となってケーシング内に傾転可能に設けられた斜板とを備え、前記傾転アクチュエータは、前記回転軸の径方向に離間して前記ケーシング内に設けられ前記斜板を中立位置から正,逆方向に傾転駆動する傾転ピストンによって構成し、前記第1,第2の容量制御弁は、該傾転ピストンから離間して前記ケーシングに設けられ前記各制御スリーブをフィードバック機構を介して前記斜板に連結する構成とし、前記フィードバック機構の変位伝達部は、その途中部位を前記ケーシングに対し前記回転軸の軸方向に沿って移動可能または揺動可能に取付ける構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明は、油圧ポンプの容量可変部を傾転アクチュエータで傾転角零の中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動する構成としているので、例えば容量可変部を正方向に傾転している状態では油圧ポンプから油圧アクチュエータに対し、例えば油圧閉回路を通じて一方向に圧油を給排することができ、容量可変部を逆方向に傾転したときには油圧ポンプから油圧アクチュエータに対して他方向(逆方向)に圧油を給排することができる。また、フィードバック機構を変換部と変位伝達部とにより構成しているので、容量可変部が中立位置にあるときにはフィードバック機構が油圧ポンプの回転軸に沿った軸方向一側の初期位置となり、前記容量可変部が正,逆方向に傾転駆動されるときには前記初期位置から軸方向他側に向けて変位するように、変換部によって容量可変部の傾転動作を軸方向変位に変換して取出すことができる。そして、変位伝達部は、このような軸方向変位を第1の容量制御弁の制御スリーブと第2の容量制御弁の制御スリーブとに伝えることができ、これらの制御スリーブをスプールと同方向に摺動変位させるように第1、第2の容量制御弁をフィードバック制御することができる。
従って、当該油圧ポンプを油圧アクチュエータに対し例えば油圧閉回路を用いて接続した場合にも、容量可変部を中立位置から正方向と逆方向とにそれぞれ傾転して圧油の吐出量を両方向で制御できると共に、容量可変部が正,逆いずれの方向に傾転されるときにも第1、第2の容量制御弁のフィードバック制御を円滑に行うことができる。そして、制御スリーブ内にスプールを有したサーボ弁により第1、第2の容量制御弁を構成できるので、傾転制御装置全体の構造を簡素化することができる。また、当該油圧ポンプは、所謂油圧開回路に適用しても油圧アクチュエータに圧油を給排することができるので、油圧閉回路と開回路との双方に適用でき、汎用性を高めて生産性の向上、コストの低減化等を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明は、フィードバック機構の変位伝達部を、容量可変部が傾転するときに第1の容量制御弁の制御スリーブ、第2の容量制御弁の制御スリーブと一緒に回転軸の軸方向に沿って並進運動する並進部材により構成しているので、容量可変部が傾転するときに変換部により変換して取出される軸方向変位を、回転軸の軸方向に沿った並進部材の並進運動として第1、第2の容量制御弁の制御スリーブに伝えることができ、これらの制御スリーブを円滑にフィードバック制御することができる。
また、請求項3に記載の発明によると、第2の容量制御弁は、油圧ポンプの吐出圧力を受圧する第1の受圧部と、該油圧ポンプと一緒に前記原動機により駆動される他のポンプの吐出圧力を受圧する第2の受圧部とからなる油圧パイロット部を有する構成としているので、前記油圧ポンプと他のポンプとの吐出圧力に従って第2の容量制御弁の馬力制御スプールを変位させることができ、傾転アクチュエータに給排する傾転制御圧を容量可変部の傾転角が減少する方向に制御できると共に、従来技術のようにカットオフバルブ等を設ける必要がなくなり、油圧回路の構造を簡素化して組立時の作業性を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、油圧ポンプによる吐出圧力と他のポンプによる吐出圧力との合計の圧力が予め決められた設定圧力を越えたときに前記油圧ポンプの容量が減少する方向に第2の容量制御弁の馬力制御スプールを変位させ、前記油圧ポンプの容量を原動機の馬力特性の範囲内に制限する構成としているので、原動機の限られた馬力特性を有効に活用して油圧ポンプの容量を安定して制御でき、カットオフバルブ等を不要にし油圧回路の構造を簡略化できると共に、組立時の作業性を向上させ、生産性の向上、コストの低減化等を図ることができる。
一方、請求項5に記載の発明は、第1,第2の容量制御弁と傾転アクチュエータとの間に設けた方向切換弁を切換制御することにより、前記傾転アクチュエータに対する傾転制御圧の給排方向を切換えることができ、この傾転制御圧に従って容量可変部を中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動することができる。また、これによって第1、第2の容量制御弁を含めた傾転制御装置全体の構造を簡素化でき、生産性の向上、コストの削減化等を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明は、油圧ポンプから吐出される圧油を作業車両の油圧モータに給排する一対の主管路の間に、方向切換弁に連動して切換操作される圧力選択弁を設ける構成としているので、該圧力選択弁が中立位置にあるときには、前記一対の主管路間を連通状態に保つことができ、中立位置から切換わったときには前記各主管路のうち油圧ポンプの吐出側となる主管路の圧力を油圧ポンプの吐出圧力として第2の容量制御弁に選択的に供給することができる。
そして、傾転アクチュエータに対する傾転制御圧の給排方向を切換える方向切換弁に連動して圧力選択弁は切換操作されるので、例えば走行途中の作業車両を停止させるために方向切換弁を中立位置に戻したときには、これに連動して圧力選択弁も中立位置に戻すことができ、この中立位置では前記一対の主管路間を連通状態に保つことによって、例えば走行用の油圧モータを慣性回転させることができる。このため、作業車両の停止操作時に慣性走行が可能となり、走行用の油圧モータの停止時に回路内に発生するブレーキ圧によって、油圧ポンプの容量が変化するのを抑えることができると共に、モータ停止時のフィーリングを向上でき、自然な停止フィーリングを実現することができる。
さらに、請求項7に記載の発明は、制御対象の油圧ポンプとして斜板式の可変容量型油圧ポンプを用い、第1、第2の容量制御弁は、それぞれの制御スリーブをフィードバック機構を介して斜板に連結する構成とし、フィードバック機構の変位伝達部は、その途中部位を油圧ポンプのケーシングに対し回転軸の軸方向に沿って移動可能または揺動可能に取付ける構成としているので、斜板式の可変容量型油圧ポンプを油圧アクチュエータに対し油圧閉回路を用いて接続した場合でも、斜板を傾転角零の中立位置から正方向と逆方向とにそれぞれ傾転でき、圧油の吐出量を両方向で制御できると共に、斜板が正,逆いずれの方向に傾転されるときにも第1、第2の容量制御弁のフィードバック制御を円滑に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態による可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置を、例えばホイールローダ等のホイール式作業車両における走行用油圧回路に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図12は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は可変容量型油圧ポンプとしての斜板式可変容量型油圧ポンプで、該油圧ポンプ1は、後述のケーシング11、回転軸13、シリンダブロック14、弁板19および斜板21等によって構成されるものである。
また、油圧ポンプ1は、例えばディーゼルエンジン等の原動機2により回転軸13が回転駆動され、図1に示す如く一対の主管路3A,3B内に圧油を流通させるものである。そして、油圧ポンプ1は、主管路3A,3Bを介して後述の油圧モータ5に接続され、所謂油圧閉回路4を構成しているものである。また、原動機2は、油圧ポンプ1と一緒に後述のパイロットポンプ41および他のポンプ51等を回転駆動する共通の駆動源となっている。
5は油圧アクチュエータとしての走行用油圧モータで、該油圧モータ5は、例えば減速機6を介してホイール式作業車両の車輪7,7に連結されている。そして、油圧モータ5は、油圧ポンプ1からの圧油が主管路3A,3Bを介して給排されることにより、車輪7を回転駆動して作業車両を走行駆動するものである。また、主管路3A,3B間には、後述のシャトル弁49等が設けられている。
11は油圧ポンプ1の外殻となるケーシングで、該ケーシング11は、図2、図3に示すように筒状のケーシング本体11Aと、該ケーシング本体11Aの両端側を閉塞したフロントケーシング11B、リヤケーシング11Cとから構成されている。そして、リヤケーシング11Cには、一対の給排通路12A,12Bが設けられ、該給排通路12A,12Bは、図1、図3に示す主管路3A,3Bに接続されるものである。
また、ケーシング本体11Aの外周側には、図3に示す如く後述するレギュレータ24の弁ハウジング25内と連通する開口部11Dとドレン通路11Eとが形成されている。そして、ケーシング本体11Aの開口部11D内には、後述の並進バー39がガイド部材40等を介してスライド可能に取付けられている。また、ケーシング11内はドレン室となって後述のタンク42に接続されるものである。
13はケーシング11内に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸13は、フロントケーシング11Bとリヤケーシング11Cとにそれぞれ軸受を介して回転可能に支持され、フロントケーシング11Bから軸方向に突出する突出端13A側が、図1に示す原動機2により回転駆動されるものである。
14は回転軸13と一体的に回転するようにケーシング11内に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック14には、その周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダ15,15,…が設けられている。
16,16,…はシリンダブロック14の各シリンダ15内にそれぞれ摺動可能に挿嵌されたピストンで、該各ピストン16は、後述の斜板21が正,逆方向に傾転されたときに、シリンダブロック14の回転に伴ってシリンダ15内を往復動し、吸入行程と吐出行程とを繰返すものである。
また、ピストン16の一端側は、図2ないし図6に示すようにシリンダブロック14のシリンダ15から回転軸13の軸方向に突出し、該ピストン16の突出端側には、シュー17,17,…がそれぞれ揺動可能に取付けられている。
18は各シュー17を斜板21に対して保持する環状のシュー押えで、該シュー押え18は、図3ないし図6に示す如く後述する斜板21の摺動面21Aに向けてシュー17をそれぞれ押圧し、斜板21の摺動面21A上で各シュー17が環状軌跡を描くように摺動変位するのを補償するものである。
19はケーシング11内に位置してリヤケーシング11Cとシリンダブロック14との間に設けられた弁板で、該弁板19は、シリンダブロック14の端面に摺接し、シリンダブロック14を回転軸13と一緒に回転可能に支持している。また、弁板19には、図3に示す如く眉形状をなす一対の給排ポート19A,19Bが形成され、これらの給排ポート19A,19Bは、リヤケーシング11Cの給排通路12A,12Bと連通しているものである。
そして、弁板19の給排ポート19A,19Bは、シリンダブロック14の回転時に各シリンダ15と間欠的に連通し、一方の給排通路12A(または12B)側から各シリンダ15内に吸込まれた作動油をピストン16により加圧させると共に、各シリンダ15内で高圧状態となった圧油を他方の給排通路12B(または12A)から吐出させる機能を有している。
20は回転軸13の周囲に位置してフロントケーシング11Bに設けられた斜板支持体で、該斜板支持体20は、斜板21の裏面側に位置し、斜板21を傾転可能に支持するための傾転支持面20Aを有している。そして、該傾転支持面20Aは、図5に示すように凹湾曲面形状をなし、斜板21を矢示A,B方向に傾転中心Cの回りで摺動可能に案内するものである。
21はケーシング11内に斜板支持体20を介して傾転可能に設けられた容量可変部としての斜板で、該斜板21は、表面側が各シュー17に対する摺動面21Aとなり、裏面側は斜板支持体20の傾転支持面20Aに嵌合される凸湾曲状の傾転案内面21Bとなっている。
ここで、斜板21の傾転案内面21Bは、図5ないし図7に示すように傾転中心Cから半径Rの円弧面として形成され、傾転中心Cは、回転軸13の軸線O−O上に配置されるものである。そして、斜板21は、図5、図8に示す傾転角零の中立位置から正方向(矢示A方向)と逆方向(矢示B方向)とに後述の傾転アクチュエータ22,23を用いて傾転駆動され、このときの傾転角θに応じて油圧ポンプ1の容量(圧油の吐出量Q)が可変に制御されるものである。
22,23は斜板21を傾転駆動する一対の傾転アクチュエータで、該傾転アクチュエータ22,23は、図2ないし図6に示すようにシリンダブロック14の径方向外側に位置してケーシング本体11Aに形成されたシリンダ穴22A,23Aと、該シリンダ穴22A,23A内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダ穴22A,23Aとの間に液圧室22B,23Bを画成した傾転ピストン22C,23Cと、液圧室22B,23B内に配設され、該傾転ピストン22C,23Cを斜板21側に向けて常時付勢したスプリング22D,23Dとにより構成されている。
ここで、傾転アクチュエータ22,23は、ケーシング本体11Aに対しシリンダブロック14の径方向で互いに対向する位置に配設され、傾転ピストン22C,23Cによって斜板21を矢示A,B方向に傾転駆動する。即ち、傾転アクチュエータ22,23の液圧室22B,23Bは、図3、図7に示すように後述の制御管路45B,45Aに接続され、傾転制御圧が給排される。
そして、この傾転制御圧で傾転ピストン23Cが図6に示す如くシリンダ穴23A内から伸長し、傾転ピストン22Cがシリンダ穴22A内に縮小するときには、斜板21が傾転ピストン23Cによって矢示A方向(正方向)に傾転駆動される。また、傾転ピストン22Cがシリンダ穴22A内から伸長し、傾転ピストン23Cがシリンダ穴23A内へと縮小するときには、斜板21が傾転ピストン22Cによって矢示B方向(逆方向)に傾転駆動されるものである。
24は傾転アクチュエータ22,23に対し傾転制御圧を給排するレギュレータで、該レギュレータ24は、図3、図4に示す如く後述する第1,第2の容量制御弁26,31からなり、これらの容量制御弁26,31に共通の弁ハウジング25を有している。そして、レギュレータ24の弁ハウジング25は、ケーシング11の外側面に液密に固定して設けられ、後述の制御スリーブ27,32およびスプール28,33等は、回転軸13(図4、図7に示す軸線O−O)と平行に延びるように配設されている。
また、弁ハウジング25には、回転軸13の径方向に離間して軸線O−Oと平行に延びる2つのスリーブ摺動穴25A,25Bと、該スリーブ摺動穴25A,25Bの軸方向に離間した傾転制御圧の給排ポート25C,25D等とが設けられている。そして、弁ハウジング25の給排ポート25Cは、後述の制御管路43Aを介してパイロットポンプ41の吐出側に接続され、給排ポート25Dは後述の制御管路43Bに接続されている。
26はレギュレータ24の一部を構成する第1の容量制御弁で、該第1の容量制御弁26は、後述する走行操作弁47の操作(外部からの指令信号)に従って傾転制御圧を可変に制御する外部指令式の油圧サーボ弁からなり、後述の制御スリーブ27、スプール28、油圧パイロット部29および弁ばね30等によって構成されるものである。
27は弁ハウジング25のスリーブ摺動穴25A内に挿嵌された筒状の制御スリーブで、該制御スリーブ27は、その軸方向一側の外周に後述の並進バー39が複数の固定ねじ等を用いて一体的に連結され、並進バー39の動き(回転軸13の軸方向に沿った並進運動)に追従して弁ハウジング25のスリーブ摺動穴25A内を軸方向(図4中の矢示D,E方向)に摺動変位するものである。
28は制御スリーブ27内に摺動可能に挿嵌して設けられたスプールで、該スプール28は、制御スリーブ27の内周側で弁ハウジング25の軸方向に摺動変位することにより、給排ポート25Dを給排ポート25Cまたはドレン通路11Eに第2の容量制御弁31を介して選択的に連通,遮断するものである。
29はスプール28の軸方向一側に位置して弁ハウジング25に設けられた油圧パイロット部で、該油圧パイロット部29は、後述の弁ばね30に抗してスプール28を軸方向に駆動するためのプランジャ29Aを有し、後述の指令圧管路48を介して指令圧が供給される。
そして、油圧パイロット部29のプランジャ29Aは、指令圧管路48からの指令圧をパイロット圧として受圧することにより、このときのパイロット圧に応じてスプール28を弁ハウジング25内で軸方向に摺動変位させ、図7に示す第1の容量制御弁26を中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えるものである。
30はスプール28の軸方向他側と弁ハウジング25との間に配設された弁ばねを示し、該弁ばね30は、スプール28を油圧パイロット部29側に向けて常時付勢し、例えば図7に示すレギュレータ24を中立位置(イ)に復帰させるものである。
31はレギュレータ24の一部を構成する第2の容量制御弁で、該第2の容量制御弁31は、後述の図11に示す特性線54に沿って所謂定馬力制御を行うため傾転制御圧を可変に制御する馬力制御式の油圧サーボ弁により構成され、油圧ポンプ1による吐出圧力Px1と後述する他のポンプ51による吐出圧力Px2(具体的には両者の合計の圧力Pt)に従って、斜板21の傾転角θを減少させるように後述の制御スリーブ32内で馬力制御スプール33を軸方向に摺動変位させるものである。
32は弁ハウジング25のスリーブ摺動穴25B内に挿嵌された筒状の制御スリーブで、該制御スリーブ32も第1の容量制御弁26の制御スリーブ27と同様に、その軸方向一側の外周に後述の並進バー39が複数の固定ねじ等を用いて一体的に連結され、並進バー39の並進運動に追従して弁ハウジング25のスリーブ摺動穴25B内を軸方向(図4中の矢示D,E方向)に摺動変位するものである。
33は制御スリーブ32内に摺動可能に挿嵌して設けられた馬力制御スプールで、該馬力制御スプール33は、制御スリーブ32の内周側で弁ハウジング25の軸方向に摺動変位することにより、給排ポート25Dを給排ポート25Cまたはドレン通路11Eに制御スリーブ32を介して選択的に連通,遮断するものである。
34は馬力制御スプール33の軸方向他側に位置して弁ハウジング25に設けられた油圧パイロット部で、該油圧パイロット部34は、後述の弁ばね35に抗して馬力制御スプール33を軸方向に駆動する段付ロッド状のプランジャ34Aを有している。
ここで、油圧パイロット部34のプランジャ34Aには、後述の選択管路50を介して油圧ポンプ1の吐出圧力Px1(負荷圧)を受圧する第1の受圧部34Bと、後述の分岐管路53を介して他のポンプ51の吐出圧力Px2(負荷圧)を受圧する第2の受圧部34Cとが設けられている。
そして、油圧パイロット部34のプランジャ34Aは、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1と他のポンプ51からの吐出圧力Px2とを受圧部34B,34Cを介して受圧することにより、両者の合計の圧力Pt(Pt=Px1+Px2)に応じて馬力制御スプール33を弁ハウジング25内で軸方向に摺動変位させ、図7に示す第2の容量制御弁31を中立位置(ニ)から切換位置(ホ),(ヘ)に切換えるものである。
35はスプール33の軸方向一側と弁ハウジング25との間に配設された弁ばねで、該弁ばね35は、スプール33を油圧パイロット部34側に向けて常時付勢している。そして、第2の容量制御弁31は、油圧パイロット部34に供給される合計の圧力Ptが予め決められた弁ばね35の設定圧力を越えたときに、例えば図7に示す中立位置(ニ)から切換位置(ホ)に切換わり、合計の圧力Ptが低下したときには弁ばね35により中立位置(ニ)に戻されるものである。
36は斜板21の傾転動作に追従させてレギュレータ24の容量制御弁26,31をフィードバック制御するフィードバック機構で、該フィードバック機構36は、図3、図4、図7に示すように斜板21の側面とレギュレータ24の制御スリーブ27,32との間に設けられた後述の変換部37および並進バー39により構成されている。
37は斜板21の傾転動作を回転軸13の軸線O−Oに沿った軸方向変位に変換して取出すための変換部で、該変換部37は、斜板21に固定して設けられ斜板21の側面から突出した係合部としての突起部38と、後述の並進バー39に凹形状をなして設けられた被係合部としてのスライダ部39Aとにより構成されている。
ここで、変換部37の突起部38は、斜板21の側面に植設されたボルトまたはピン等により円柱状に形成され、斜板21が図7、図8に示す如く傾転角零の中立位置となったときに回転軸13の軸線O−O上に位置するように配設されている。また、突起部38は、図8に示す斜板21の傾転中心Cから半径Raだけ離間した位置に配置され、この半径Raは、傾転案内面21Bの半径Rよりも小さい半径(Ra<R)となっている。
そして、並進バー39のスライダ部39Aは、斜板21側の突起部38と摺動可能に係合することにより、斜板21の傾転動作を後述の如く軸方向変位に変換するものである。また、斜板21側の突起部38と並進バー39のスライダ部39Aとは、並進バー39が斜板21(突起部38)に対して回転軸13の軸方向に相対移動するのを規制し、回転軸13の軸方向と直交する方向に関しては斜板21(突起部38)と並進バー39とが相対移動するのを許すように両者を相対移動可能に連結している。
39はフィードバック機構36の変位伝達部を構成する並進部材としての並進バーで、該並進バー39は、図3に示す如く後述のガイド部材40を介してケーシング本体11Aの開口部11D内にスライド可能に取付けられ、回転軸13の軸方向(図7に示す軸線O−O)に沿った並進運動を行うものである。そして、並進バー39は、図3、図4に示すようにケーシング11内を回転軸13の径方向に延び、斜板21の側面と制御スリーブ32,27との間に接続して設けられている。
ここで、並進バー39は、長さ方向の一側が断面コ字形状をなす凹形状のスライダ部39Aとなり、斜板21側の突起部38と共に変換部37を構成するものである。そして、該スライダ部39Aは、図7に示す如く回転軸13の軸線O−Oに対して直交する方向に延び、スライダ部39A内には斜板21側の突起部38が摺動可能に係合している。
そして、並進バー39のスライダ部39Aは、斜板21が中立位置にあるときに斜板21の突起部38と共に図8に示す初期位置に配置され、回転軸13の軸線O−Oと直交する線F−F上に位置する。このとき、並進バー39は、回転軸13の軸線O−Oに沿って最も後退(図7中の矢示E方向に後退)した位置に配置されるものである。
また、斜板21が中立位置から図6、図9に示すように矢示A方向(正方向)に傾転され、その傾転角θが角度α(θ=α)となったときには、斜板21の突起部38が軸線O−Oに対して角度αの位置まで回動される。これにより、並進バー39のスライダ部39Aは、突起部38の動きに追従して図9に示す線G−Gの位置まで平行移動(並進運動)され、初期位置の線F−Fに対して寸法aだけ回転軸13の軸方向に変位される。
一方、斜板21が中立位置から図10に示すように矢示B方向(逆方向)に傾転され、その傾転角θが角度β(θ=β)となったときには、斜板21の突起部38が軸線O−Oに対して角度βの位置まで回動される。これにより、並進バー39のスライダ部39Aは、突起部38の動きに追従して図10に示す線H−Hの位置まで平行移動され、初期位置の線F−Fに対して寸法bだけ回転軸13の軸方向に変位される。
なお、斜板21が正,逆方向に同一の傾転角θ(例えば、角度α,β)をもって傾転されるときには、斜板21の傾転角θに相当する角度α,βが互いに逆向きの等しい角度(α=β)となり、このときの軸方向変位に相当する前記寸法a,bは同一の値(a=b)に設定されるものである。
また、並進バー39は、図3、図4に示す如く長さ方向の他側が制御スリーブ32,27を径方向外側から挟むように二又状をなして細長く延びる固定部39Bとなり、この固定部39Bは、複数の固定ねじまたはリベット等の固定手段により制御スリーブ32,27の外周側に固定されている。そして、並進バー39は、制御スリーブ32,27に対して一定の角度(例えば、垂直となる90度)で固定された状態に保持され、制御スリーブ27,32の径方向に延びると共に、回転軸13の軸線O−Oに沿って制御スリーブ27,32を図4中の矢示D,E方向に変位させるものである。
このように、斜板21側の突起部38と並進バー39のスライダ部39Aとからなる変換部37は、斜板21が突起部38と一緒に正,逆方向に傾転するときに、斜板21の傾転動作を回転軸13の軸線O−Oに沿ったスライダ部39Aの軸方向変位(例えば、寸法a,b分の変位)に変換して取出す。そして、変位伝達部となる並進バー39は、スライダ部39Aの軸方向変位を固定部39Bにより制御スリーブ27,32に対し同様の軸方向変位として伝えるものである。
40は図3、図4に示すケーシング11の開口部11Dを覆うように設けられたガイド部材で、該ガイド部材40は、並進バー39の途中部位を移動(摺動)可能に支持し、並進バー39が上,下方向(例えば、シリンダブロック14の周方向)等に揺動したり、ガタ等で振動したりするのを抑え、これによって、並進バー39が回転軸13の軸方向に滑らかに平行移動(並進運動)するのを補償するものである。
かくして、斜板21が図2中の矢示A,B方向に傾転されるときには、斜板21の傾転動作に従って図3、図4に示す並進バー39が回転軸13の軸方向に平行移動するようになる。そして、並進バー39の平行移動は、固定部39B側でレギュレータ24の制御スリーブ32,27にそのまま伝えられ、これによりレギュレータ24(容量制御弁26,31)のフィードバック制御が行われるものである。
41は傾転制御圧を発生させるパイロットポンプで、該パイロットポンプ41は、図1に示す原動機2で油圧ポンプ1と一緒に回転駆動されることにより、例えば図3に示すタンク42内から作動油を吸込みつつ、制御管路43A内に傾転制御用の圧油を吐出させるものである。
この場合、パイロットポンプ41から吐出される圧油の圧力は、低圧リリーフ弁44により油圧ポンプ1の吐出圧力Px1よりも十分に低い圧力に保たれるものである。また、制御管路43Bは、レギュレータ24の給排ポート25Dと後述の前後進切換弁46との間に設けられている。
45A,45Bは傾転アクチュエータ23,22の液圧室23B,22Bに傾転制御圧を給排する他の制御管路で、該制御管路45A,45Bは、図3、図7に示すように後述の前後進切換弁46を通じて制御管路43A,43Bに切換え接続されるものである。
46は制御管路43A,43Bと制御管路45A,45Bとの間に設けられた方向切換弁としての前後進切換弁で、この前後進切換弁46は、図3、図7に示すように左,右のソレノイド部46A,46Bを有し、例えば運転室内の切換レバー(図示せず)をオペレータが手動操作することによって、車両の停止位置(a)から前進位置(b)または後進位置(c)に切換えられるものである。
そして、前後進切換弁46を停止位置(a)から前進位置(b)に切換えた状態では、オペレータが後述の走行ペダル47Aを踏込み操作するに応じてパイロットポンプ41からの傾転制御圧が制御管路43A,45Aを通じて傾転アクチュエータ23の液圧室23Bに供給される。
また、このときには傾転アクチュエータ22の液圧室22Bから傾転制御圧が制御管路45B,43B、レギュレータ24等を介してタンク42側に排出される。これにより、傾転アクチュエータ23の傾転ピストン23Cは、斜板21を図7中の矢示A方向に傾転駆動するものである。
一方、前後進切換弁46を停止位置(a)から後進位置(c)に切換えたときには、走行ペダル47Aの踏込み操作に応じてパイロットポンプ41からの傾転制御圧が制御管路43A,45Bを通じて傾転アクチュエータ22の液圧室22Bに供給される。また、傾転アクチュエータ23の液圧室23Bからは、制御管路45A,43B、レギュレータ24等を介して傾転制御圧がタンク42側に排出されることにより、傾転アクチュエータ22の傾転ピストン22Cが斜板21を図7中の矢示B方向に傾転駆動するものである。
このように、前後進切換弁46は、レギュレータ24と傾転アクチュエータ22,23との間に設けられ、車両の停止位置(a)から前進位置(b)または後進位置(c)に切換えられることにより、傾転アクチュエータ22,23に対する傾転制御圧の給排方向を切換えると共に、この傾転制御圧に従って斜板21を中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動させるものである。
47はホイール式車両の運転室側に設けられる指令手段としての走行操作弁を示し、該走行操作弁47には、車両のアクセルペダルに相当する走行ペダル47Aが付設されている。そして、車両のオペレータが走行ペダル47Aを踏込み操作したときには、指令圧管路48を通じてレギュレータ24の油圧パイロット部29に指令信号としてのパイロット圧が供給され、後述の如く車両の走行速度が可変に調整されるものである。
49は高圧選択弁としてのシャトル弁で、該シャトル弁49は、図1、図3、図7に示す如く主管路3A,3B間に位置して高圧側となる主管路3Aまたは3B内の圧力(油圧ポンプ1の吐出圧力Px1)を選択し、このときの吐出圧力Px1を選択管路50内に導くものである。
そして、該選択管路50は、その先端側が第2の容量制御弁31の油圧パイロット部34(受圧部34B側)に接続され、この油圧パイロット部34の受圧部34B側に油圧ポンプ1の吐出圧力Px1に対応した圧力をパイロット圧として供給するものである。
51は原動機2によって油圧ポンプ1と一緒に回転駆動される他のポンプで、この他のポンプ51は、例えば作業車両に搭載された掘削用作業装置の油圧シリンダ(いずれも図示せず)等に圧油を供給する作業用の油圧源を構成するものである。そして、ポンプ51の吐出側は、図3、図4および図7に示す吐出管路52を介して前記油圧シリンダ等に接続されるものである。
53は吐出管路52の途中部位から分岐した分岐管路を示し、該分岐管路53の先端側は、容量制御弁31の油圧パイロット部34(受圧部34C側)に接続され、この油圧パイロット部34の受圧部34C側に他のポンプ51の吐出圧力Px2に対応した圧力をパイロット圧として供給するものである。
そして、第2の容量制御弁31は、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1と他のポンプ51からの吐出圧力Px2とをプランジャ34Aの受圧部34B,34Cで受圧することにより、両者の合計の圧力Pt(Px1+Px2)に従って馬力制御スプール33を弁ばね35に抗して図4中の矢示E方向に摺動変位させ、合計の圧力Ptに対応したストローク量で図7に示す中立位置(ニ)から切換位置(ホ)に切換えられるものである。
本実施の形態による斜板式可変容量型油圧ポンプ1を備えたホイール式作業車両の走行用油圧回路は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、図7に示す前後進切換弁46を停止位置(a)に配置した状態では、制御管路45A,45Bが共に制御管路43Aに接続され、傾転アクチュエータ22,23の液圧室22B,23Bは、等しい圧力状態に保たれるため、斜板21は傾転角零の中立位置に保持される。
このため、原動機2により回転軸13を回転駆動してシリンダブロック14を回転させても、各ピストン16がシリンダブロック14の各シリンダ15内で往復動することはなく、油圧ポンプ1の給排通路12A,12Bは互いに同圧状態となって、油圧モータ5への主管路3A,3Bを通じた圧油の給排は停止されたままとなる。
次に、車両のオペレータが前後進切換弁46を停止位置(a)から前進位置(b)に切換えたときには、オペレータが走行ペダル47Aを踏込み操作するに応じてパイロットポンプ41からの傾転制御圧が制御管路43A,45Aを通じて傾転アクチュエータ23の液圧室23Bに供給される。
そして、このときには走行ペダル47Aの踏込み操作により、指令圧管路48からレギュレータ24(第1の容量制御弁26)の油圧パイロット部29に向けてパイロット圧が供給されるので、弁ハウジング25のスリーブ摺動穴25A内では、スプール28がパイロット圧に応じて制御スリーブ27内を軸方向に摺動変位され、第1の容量制御弁26は図7に示す中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換えられる。
このため、制御管路43Bはレギュレータ24、ケーシング11内のドレン室等を介してタンク42に接続されるようになり、傾転アクチュエータ22の液圧室22B内から傾転制御圧が制御管路45B,43B、レギュレータ24等を介してタンク42側に排出される。これにより、傾転アクチュエータ23の傾転ピストン23Cは、斜板21を図7中の矢示A方向に傾転駆動する。
そして、斜板21が矢示A方向に傾転された状態では、シリンダブロック14が回転軸13と一体に回転することにより、各ピストン16は傾転角θに対応したストローク量(押しのけ容積)をもってシリンダブロック14の各シリンダ15内で往復動を繰返すようになる。このため油圧ポンプ1は、例えば主管路3A、給排通路12A側から各シリンダ15内に油液を吸込みつつ、給排通路12B側から圧油を主管路3B側に吐出する。
これにより、図1に示す走行用の油圧閉回路4内では、主管路3A,3B内を矢示A1 方向に沿って圧油が流通し、走行用の油圧モータ5を圧油の給排によって回転駆動することができる。そして、油圧モータ5の回転出力は、減速機6を介してホイール式作業車両の車輪7,7に伝達され、各車輪7を回転駆動することにより、例えば前進方向に作業車両を斜板21の傾転角θに応じた速度で走行駆動できる。
また、このときに油圧ポンプ1から主管路3B側に吐出された吐出圧力Px1(負荷圧)は、シャトル弁49から選択管路50を介して第2の容量制御弁31の油圧パイロット部34(受圧部34B側)に供給される。また、他のポンプ51による吐出圧力Px2(負荷圧)も、分岐管路53を介して第2の容量制御弁31の油圧パイロット部34(受圧部34C側)に供給される。
そして、第2の容量制御弁31は、油圧パイロット部34の受圧部34B,34Cで両者の吐出圧力Px1,Px2を受圧することにより、合計の圧力Pt(Px1+Px2)が弁ばね35の設定圧力を越えたときに馬力制御スプール33を弁ハウジング25内で軸方向に摺動変位させ、図7に示す第2の容量制御弁31を中立位置(ニ)から切換位置(ホ)に切換える。
これにより、制御管路43Bも制御管路43Aと同様にパイロットポンプ41に切換え接続され、傾転アクチュエータ22,23は液圧室22B,23B間の圧力差が漸次小さくなって、斜板21を傾転角θが減少する方向に傾転させる。そして、斜板21の傾転角θが減少すると、油圧ポンプ1の容量(吐出量Q)も減少するため、これによって油圧ポンプ1の吐出圧力Px1は漸次低下する。
そして、第2の容量制御弁31は吐出圧力Px1(合計の圧力Pt)が低下してくると、弁ばね35により今度は中立位置(ニ)または切換位置(ヘ)に切換わるようになり、これによって斜板21は傾転角θが漸次増大するように傾転制御され、油圧ポンプ1の吐出量Qを合計の圧力Pt(Px1+Px2)に応じて増減させるようにポンプ容量を制御することができる。
この結果、油圧ポンプ1による圧油の吐出量Qと合計の圧力Ptとの関係は、図11中に特性線54で示す範囲内に抑えられるようになり、油圧ポンプ1の回転軸13を駆動する原動機2(図1参照)に過負荷が作用するのを防止でき、エンジンストール(エンスト)等の発生を防ぐことができる。そして、第2の容量制御弁31をレギュレータ24に設けることにより、原動機2の限られた馬力特性を有効に活用して油圧ポンプ1の容量制御を行うことができる。
一方、前後進切換弁46を停止位置(a)から後進位置(c)に切換えたときには、走行ペダル47Aの踏込み操作に応じてパイロットポンプ41からの傾転制御圧が制御管路43A,45Bを通じて傾転アクチュエータ22の液圧室22Bに供給される。また、傾転アクチュエータ23の液圧室23Bからは、制御管路45A,43B、レギュレータ24等を介して傾転制御圧がタンク42側に排出され、傾転アクチュエータ22の傾転ピストン22Cにより斜板21を図7中の矢示B方向に傾転駆動することができる。
そして、この場合には図1に示す走行用の油圧閉回路4内で矢示B1 方向に沿って圧油を流通することができ、走行用の油圧モータ5を同方向に回転駆動することにより、油圧モータ5の回転出力を減速機6を介してホイール式作業車両の車輪7,7に伝達しつつ、例えば後進方向に作業車両を斜板21の傾転角θに応じた速度で走行駆動できる。
また、この場合にもレギュレータ24に設けた第2の容量制御弁31により、原動機2の限られた馬力特性の範囲内(図11中に示す特性線54の範囲内)で油圧ポンプ1の容量制御を行うことができ、油圧ポンプ1から原動機2に過負荷が作用するのを抑えつつ、エンジンストール等の発生を防ぐことができる。
次に、前後進切換弁46を例えば前進位置(b)に切換えて車両を前進走行させている途中で、車両を停止させるために停止位置(a)に戻す方向に操作したときには、前述の如く制御管路45A,45Bが制御管路43Aに接続される傾向となり、傾転アクチュエータ22,23の液圧室22B,23Bは互いに等しい圧力状態に近付いてゆく。このため、斜板21の傾転角θは漸次小さくなり、油圧ポンプ1の容量も漸次低下する。
また、図1に示す走行用油圧モータ5は、前後進切換弁46を停止位置(a)に戻す方向に操作したときに慣性回転することになるので、該油圧モータ5を油圧ポンプ1に接続した一対の主管路3A,3Bのうち、例えば主管路3A内には回路ブレーキとしてのブレーキ圧が発生する。
そして、このブレーキ圧と油圧ポンプ1の容量との関係は、図12中に実線で示す特性線55として表されるものである。また、走行途中の車両が停止するまでの減速比は、ブレーキ圧との関係で図12中に破線で示す特性線56により表され、この間のブレーキ圧とブレーキトルクとの関係は、図12中に一点鎖線で示す特性線57により表されるものである。
ところで、車両が前進または後進するときの走行速度は、油圧ポンプ1による圧油の吐出量Q(流量)によって決められ、この吐出量Qは斜板21の傾転角θに応じて増減される。そして、レギュレータ24の容量制御弁26,31を斜板21の傾転角θに応じてフィードバック制御しない限りは、斜板21の傾転角θ(即ち、車両の走行速度)を走行ペダル47Aの踏込み操作だけで安定して制御することは難しい。
そこで、本実施の形態では、容量制御弁26,31の制御スリーブ27,32と斜板21の側面との間にフィードバック機構36を設け、斜板21が傾転角零の中立位置から正,逆方向のいずれの方向に傾転駆動されるときにも、斜板21の傾転動作に追従させてフィードバック機構36によりレギュレータ24の容量制御弁26,31をフィードバック制御する構成としている。
そして、このフィードバック機構36は、斜板21の傾転動作を軸方向変位に変換して取出す変換部37と、該変換部37で取出した軸方向変位により傾転動作に追従して回転軸13の軸方向に平行移動する並進バー39とからなり、該並進バー39は、変換部37による軸方向変位を先端側の固定部39Bによって制御スリーブ27,32に伝えるものである。
この場合、変換部37は、斜板21の側面に固定して設けられたピン等からなる円形の突起部38と、該突起部38に摺動可能に凹凸嵌合するように並進バー39の長さ方向一側に設けられ回転軸13の軸線O−Oと直交する方向に延びた凹形状のスライダ部39Aとにより構成し、斜板21の傾転動作を軸線O−Oに沿った軸方向変位に変換して並進バー39に伝えるものである。
このため、斜板21が中立位置から図9に示すように矢示A方向(正方向)に傾転され、その傾転角θが角度α(θ=α)のときには、斜板21の突起部38が軸線O−Oに対して角度αの位置まで回動され、並進バー39のスライダ部39Aを、突起部38の動きに追従して図9に示す線G−Gの位置まで平行移動(並進運動)することができる。
そして、斜板21の傾転中心Cから半径Raの位置にある突起部38が角度αだけ回動するときには、並進バー39が初期位置の線F−Fから線G−Gの位置まで回転軸13の軸方向に変位するので、この軸方向変位量を下記の数1式による寸法aとして求めることができる。
Figure 2005201076
一方、斜板21が中立位置から図10に示すように矢示B方向(逆方向)に傾転され、その傾転角θが角度β(θ=β)となるときには、斜板21の突起部38が軸線O−Oに対して角度βの位置まで回動され、並進バー39のスライダ部39Aを、突起部38の動きに追従して図10に示す線H−Hの位置まで平行移動することができる。
そして、このときには並進バー39が初期位置の線F−Fから線H−Hの位置まで回転軸13の軸方向に変位するので、この軸方向変位量も下記の数2式による寸法bとして求めることができる。
Figure 2005201076
このように、斜板21側の突起部38と並進バー39のスライダ部39Aとからなる変換部37により、斜板21の傾転動作を回転軸13の軸線O−Oに沿った軸方向変位(例えば、寸法a,b分の変位)に変換して取出すことができ、これを並進バー39により制御スリーブ27,32に対し固定部39B側で同様の軸方向変位として伝達することができる。
そして、このときの軸方向変位は、斜板21が矢示A方向(正方向)に傾転するときにも、矢示B方向(逆方向)に傾転するときにも、同一方向(図4、図7に示す矢示D方向)の変位として取出すことができ、斜板21が中立位置から正方向と逆方向のいずれに傾転される場合でも、容量制御弁26,31の制御スリーブ27,32をスプール28等と同方向に摺動変位させ、制御スリーブ27,32を円滑にフィードバック制御することができる。
また、レギュレータ24には第1,第2の容量制御弁26,32を設けているので、走行操作弁47の操作(外部からの指令信号)に従って斜板21の傾転角θを可変に制御できる上に、第2の容量制御弁31により原動機2の限られた馬力特性を有効に活かして油圧ポンプ1の容量制御を行うことができ、原動機2に過負荷が作用するのを抑えてエンジンストール等の発生を防ぐことができる。
しかも、第2の容量制御弁31は、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1(即ち、走行用油圧モータ5による負荷圧)と、他のポンプ51による吐出圧力Px2(即ち、掘削作業等に伴う負荷圧)との合計の圧力Pt(Px1+Px2)に従って、図11中に示す特性線54の如く油圧ポンプ1の容量である吐出量Qを可変に制御している。
このため、従来技術で用いているカットオフバルブとほぼ同様に、例えば作業車両を走行駆動しながら掘削作業等を行うときに、油圧ポンプ1から吐出される圧油による油圧モータ5の走行駆動力と、他のポンプ51から吐出される圧油による掘削作業に伴うリフト力(持上げ力)とをマッチングさせることができ、走行駆動力の方がリフト力よりも過大となってタイヤ(車輪)が早期に摩耗される等の不具合を解消することができる。
そして、本実施の形態で採用した第2の容量制御弁31は、油圧パイロット部34の受圧部34B,34Cで前述した吐出圧力Px1,Px2を受圧する構成とするだけでよいので、従来技術で述べたカットオフバルブ等のようにレギュレータ(容量制御弁)の外部に設ける必要がなくなり、これによって油圧回路の構成を簡略化できると共に、傾転制御装置全体の構造を簡素化して小型化を図ることができる。
従って、本実施の形態によれば、斜板式可変容量型油圧ポンプ1を走行用油圧モータ5に対し、図1に例示した油圧閉回路4を用いて接続した場合にも、容量可変部となる斜板21を中立位置から正方向と逆方向とにそれぞれ傾転して圧油の吐出量(流量)を両方向で制御でき、車両の前進走行時または後進走行時にも斜板21の傾転角θに応じた速度制御を円滑に行うことができる。
しかも、レギュレータ24の容量制御弁26,31については、制御スリーブ27,32内にスプール28,33を有した簡単な構造の油圧サーボ弁により構成できるので、傾転アクチュエータ22,23、レギュレータ24およびフィードバック機構36を含めた傾転制御装置全体の構造も簡素化することができ、部品点数を減らして組立時の作業性等も向上することができる。
そして、第2の容量制御弁31には、油圧パイロット部34に第1、第2の受圧部34B,34Cを設け、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1と他のポンプ51の吐出圧力Px2とを受圧する構成としているので、車両を走行駆動しながら掘削作業等を行うときに走行駆動力と掘削作業力とのマッチングを図ることができ、原動機2の限られた馬力特性を有効に活用できると共に、油圧ポンプ1の容量を安定して制御することができる。
そして、従来技術のようにカットオフバルブ等を用いる必要がなくなるので、斜板21の傾転制御装置を小型化でき、油圧回路の構造を簡略化できると共に、組立時の作業性を向上することができ、生産性の向上、コストの低減化等を図ることができる。
また、車両の走行方向を切換える前後進切換弁46を、レギュレータ24(容量制御弁26,31)と傾転アクチュエータ22,23との間に設ける構成としているので、これによってもレギュレータ24を含めた傾転制御装置全体の構造を従来技術に比較して簡素化することができ、生産性の向上、コストの低減化等を図ることができる。
また、当該油圧ポンプ1の傾転制御装置は、図1に例示した油圧閉回路4に限らず、所謂油圧開回路に適用しても油圧モータ等の油圧アクチュエータに圧油を給排することができるので、油圧閉回路と開回路との双方に適用でき、汎用性を高めて生産性の向上、コストの低減化等を図ることができる。
次に、図13ないし図16は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、一対の主管路間に設ける圧力選択弁を前後進切換弁(方向切換弁)に連動して切換操作する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、61は一対の主管路3A,3B間に設けられた圧力選択弁で、該圧力選択弁61は、第1の実施の形態で述べたシャトル弁49に替えて主管路3A,3B間に設けられるものである。そして、圧力選択弁61は、中立位置(d)から切換位置(e),(f)に切換えられたときに主管路3A,3Bのうち、油圧ポンプ1の吐出側となる主管路を後述の選択管路63に連通させ、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1を選択管路63内に流通させるものである。
しかし、圧力選択弁61は、図13に示す如く中立位置(d)にあるときに主管路3A,3B間を互いに連通させ、選択管路63は、主管路3A,3Bのいずれに対しても遮断される。そして、この状態では走行用油圧モータ5が慣性回転してポンプ作用を行うことになり、主管路3A,3B間は中立位置(d)にある圧力選択弁61を介して短絡されることになる。
62は圧力選択弁61に設けた連動手段としての連結具で、該連結具62は、例えばリンク機構またはプッシュ・プルワイヤ等の索具を用いて構成され、例えば図14、図15に示すように前後進切換弁46と圧力選択弁61との間を作動的に連結しているものである。
そして、前後進切換弁46が停止位置(a)から前進位置(b)に切換えられるときには、連結具62により圧力選択弁61が前後進切換弁46に連動して切換操作され、圧力選択弁61は中立位置(d)から切換位置(e)に切換えられる。また、前後進切換弁46を停止位置(a)から後進位置(c)に切換えるときには、圧力選択弁61が中立位置(d)から切換位置(f)に切換えられる。
一方、前後進切換弁46を前進位置(b)または後進位置(c)から停止位置(a)に戻したときには、これに連動して圧力選択弁61が切換位置(e)または(f)から中立位置(d)に戻される。これにより、主管路3A,3Bは、中立位置(d)にある圧力選択弁61を介して互いに連通されるものである。
63は圧力選択弁61と第2の容量制御弁31との間を接続する選択管路で、該選択管路63は、第1の実施の形態で述べた選択管路50とほぼ同様に構成され、その先端側は容量制御弁31の油圧パイロット部34に接続されている。そして、圧力選択弁61が切換位置(e),(f)に切換えられているときに、選択管路63は、主管路3B,3Aから油圧ポンプ1の吐出圧力Px1を容量制御弁31の油圧パイロット部34に導き、この圧力Px1をプランジャ34Aの受圧部34Bに受圧させるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前後進切換弁46を停止位置(a)から前進位置(b)または後進位置(c)に切換えたときに、これに連動して圧力選択弁61を中立位置(d)から切換位置(e)または(f)に切換えることができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
しかし、本実施の形態にあっては、車両の走行途中で前後進切換弁46を停止位置(a)に戻したときには、これに連動して圧力選択弁61を即座に中立位置(d)に戻すことができるので、図13に示すように主管路3A,3B間を圧力選択弁61を介して短絡させることができる。
このため、前後進切換弁46を停止位置(a)に戻すことにより走行用油圧モータ5が慣性回転するときには、油圧ポンプ1の容量を図16中に実線で示す特性線64のようにほぼ一定に保ちながらも、圧力選択弁61を介して短絡した状態にある主管路3A,3B間にブレーキ圧を発生させることができる。
そして、このときには車両の減速比が、油圧ポンプ1の容量と同様に、図16中に破線で示す特性線65の如くほぼ一定に保たれるので、走行用油圧モータ5に発生するブレーキトルクは、図16中に一点鎖線で示す特性線66の如くブレーキ圧にほぼ比例して上昇するようになる。
このように前後進切換弁46を停止位置(a)に戻して図15に示す制御管路45A,45Bが共に制御管路43Aに接続され、傾転アクチュエータ22,23の液圧室22B,23Bが互いに等しい圧力状態に近付き、斜板21の傾転角が小さくなって油圧ポンプ1の容量が低下する前の段階でも、走行用油圧モータ5には、図16中の特性線66の如くブレーキ圧にほぼ比例して上昇するブレーキトルクを発生できる。
これにより、車両の走行停止時には、前後進切換弁46を停止位置(a)に戻すことによって図16中の特性線66の如く自然なブレーキトルク特性を得ることができ、従来技術による傾転制御装置、または第1の実施の形態による傾転制御装置(図12に示す特性線57)のようにブレーキトルクが急に立上がることがなくなり、自然な停止フィーリングとすることができる。
従って、本実施の形態では、作業車両の停止操作時に慣性走行が可能となり、走行用油圧モータ5の停止時に回路内(主管路3A,3B等)に発生するブレーキ圧によって、油圧ポンプ1の容量が変化するのを抑えることができると共に、油圧モータ5が停止するときのフィーリングを向上でき、自然な停止フィーリングを実現することができる。
また、本実施の形態では、前後進切換弁46に連動して圧力選択弁61の弁位置が切換位置(e)または(f)に切換わる構成としているため、車両の前進時には主管路3B内の圧力が圧力選択弁61、選択管路63を介して油圧ポンプ1の吐出圧力Px1として、馬力制御用となる第2の容量制御弁31(油圧パイロット部34の受圧部34B)に導かれ、車両の後進時には主管路3A内の圧力が油圧ポンプ1の吐出圧力Px1として導かれる。このため、例えば車両がほぼ一定の速度で前進走行している途中において走行ペダル47Aの踏込み操作量を減じ、指令圧管路48から容量制御弁26の油圧パイロット部29に作用するパイロット圧(指令圧)が低下した場合に、第2の容量制御弁31側では油圧パイロット部34の受圧部34Bに高圧が作用することはない。従って、油圧ポンプ1の容量が急激に減少することはなく、走行速度が急変するのを抑えることができると共に、車両の良好な走行フィーリングを確保できるものである。
一方、例えば第1の実施の形態で述べた制御装置の場合(図7参照)には、走行中に走行ペダル47Aの踏込み操作量を減じ、指令圧管路48から容量制御弁26の油圧パイロット部29に作用するパイロット圧(指令圧)が低下した場合に、油圧モータ5が慣性力によって駆動され、油圧ポンプ1は油圧モータ5から吐き出される圧油の圧力によって駆動されることがある。そして、このときに油圧ポンプ1が発生したトルクは、原動機2によって吸収され、車両には所謂エンジンブレーキが作用することになる。この場合、例えば第1の実施の形態による制御装置では、主管路3A,3Bの高圧側をシャトル弁49により選択しているため、エンジンブレーキの作用時に油圧回路に発生するブレーキ圧(油圧モータ5の吐出圧)が、容量制御弁31側で油圧パイロット部34の受圧部34Bに作用し、このブレーキ圧の上昇に応じて油圧ポンプ1の容量が減少すると、車両は急速に減速されることになり、車両の乗り心地は極めて悪いものになる。
これに対し、本実施の形態にあっては、例えば前後進切換弁46を前進位置(b)として車両が前進走行している間は、圧力選択弁61も前後進切換弁46に連動して切換位置(e)に保持されるので、エンジンブレーキの作用時に生じたブレーキ圧(油圧モータ5の吐出圧)が、主管路3Aまたは3Bから圧力選択弁61、選択管路63を介して油圧パイロット部34の受圧部34Bに作用することはない。このため、ブレーキ圧の変化等で油圧ポンプ1の容量が変わることがなく、車両の急速な減速等も生じることはなく、車両の良好な走行フィーリングを確保することができる。
次に、図17および図18は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、第2の容量制御弁による傾転制御圧の制御を、油圧ポンプからの吐出圧力のみによって行う構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、71は本実施の形態で採用した第2の容量制御弁で、該第2の容量制御弁71は、第1の実施の形態で述べた容量制御弁31とほぼ同様に構成され、制御スリーブ72、馬力制御スプール73、油圧パイロット部74および弁ばね75等を有している。そして、容量制御弁71の油圧パイロット部74はプランジャ74Aを有している。
しかし、この場合の油圧パイロット部74は、プランジャ74Aが単一の受圧部を有する構成であり、圧力選択弁61から選択管路63を介して導かれる油圧ポンプ1の吐出圧力Px1のみをパイロット圧として受圧するものである。これにより、第2の容量制御弁71は、油圧パイロット部74のプランジャ74Aが受圧する油圧ポンプ1の吐出圧力Px1に応じて馬力制御スプール73を軸方向に摺動変位させ、図17に示す中立位置(ニ)から切換位置(ホ),(ヘ)に切換えられるものである。
この結果、油圧ポンプ1の吐出圧力Px1と圧油の吐出量Qとの関係は、図18中に特性線76で示す範囲内に抑えられるようになり、油圧ポンプ1の回転軸13を駆動する原動機2に過負荷が作用するのを防止でき、エンジンストール(エンスト)等の発生を防ぐことができる。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第2の容量制御弁71をレギュレータ24に設けることにより、原動機2の限られた馬力特性を有効に活かして油圧ポンプ1の容量制御を行うことができ、第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、この場合でも、エンジンブレーキの作用時に生じたブレーキ圧(油圧モータ5の吐出圧)が、主管路3Aまたは3Bから圧力選択弁61、選択管路63を介して容量制御弁71の油圧パイロット部74に作用することはないため、ブレーキ圧の変化等で油圧ポンプ1の容量が変わることがなく、車両の急速な減速等も生じることはなく、車両の良好な走行フィーリングを確保することができる。
なお、前記各実施の形態では、外部の指令手段として走行操作弁47を用い、走行ペダル47Aの踏込み操作量に対応したパイロット圧を指令信号として第1の容量制御弁26に供給する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば容量制御弁26の油圧パイロット部29を電磁比例ソレノイド等により構成し、外部の指令手段からは走行ペダル47Aの踏込み操作量に対応した電気信号を指令信号として出力する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、フィードバック機構36の変換部37側で取出した軸方向変位をレギュレータ24の制御スリーブ27,32(72)に伝える変位伝達部を並進部材としての並進バー39により構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば途中部位がケーシングに揺動可能に支持(連結)された揺動リンクを用いて変位伝達部を構成し、変換部37側で取出した軸方向変位をこの揺動リンクによりレギュレータ24の制御スリーブ27,32(72)に伝える構成としてもよい。
また、第2,第3の実施の形態では、前後進切換弁46と圧力選択弁61との間を連結具62により連結する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前後進切換弁46の切換操作を検出することにより、例えば油圧アクチュエータまたは電気的アクチュエータ等の連動手段を用いて、圧力選択弁61を前後進切換弁46に連動して切換操作する構成としてもよい。
一方、前記各実施の形態では、斜板式可変容量型油圧ポンプ1の傾転制御装置を、例えばホイールローダ等のホイール式作業車両における走行用油圧回路に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、走行用の油圧回路に限るものではなく、例えば旋回用の油圧回路等、種々の用途の油圧閉回路にも適用できるものである。
また、前記各実施の形態では、斜板式可変容量型油圧ポンプ1の傾転制御装置を例に挙げて説明した。しかし、本発明の適用対象は、斜板式可変容量型油圧ポンプに限らず、例えば斜軸式の可変容量型油圧ポンプであってもよく、この場合には、例えば弁板等が容量可変部を構成するものである。
さらに、本発明が適用される作業車両としてはホイールローダに限らず、例えばホイール式油圧ショベル、ホイール式油圧クレーン、ブルドーザ、リフトトラックと呼ばれる作業車両、またはクローラ式の油圧ショベル、油圧クレーン等の作業車両等にも適用できるものである。
本発明の第1の実施の形態による可変容量型油圧ポンプが設けられた油圧閉回路を示す回路図である。 図1に示す油圧ポンプの縦断面図である。 油圧ポンプを図2中の矢示 III−III 方向からみた縦断面図である。 図3中のレギュレータおよびフィードバック機構等を拡大して示す拡大断面図である。 斜板が中立位置にある状態を図4中の矢示V−V方向からみた断面図である。 斜板が正方向に傾転した状態を示す図5と同様位置での断面図である。 第1の実施の形態による斜板の傾転制御装置を示す回路構成図である。 図7中の斜板を傾転ピストンと共に示す正面図である。 図8中の斜板を正方向に傾転した状態を示す正面図である。 図8中の斜板を逆方向に傾転した状態を示す正面図である。 油圧ポンプおよび他のポンプの合計の圧力と吐出量との関係で原動機の馬力特性を示す特性線図である。 車両を停止させるときに発生するブレーキ圧と油圧ポンプの容量、減速比、ブレーキトルクとの関係を示す特性線図である。 第2の実施の形態による可変容量型油圧ポンプが設けられた油圧閉回路を示す回路図である。 第2の実施の形態による油圧ポンプを示す縦断面図である。 第2の実施の形態による斜板の傾転制御装置を示す回路構成図である。 車両を停止させるときに発生するブレーキ圧と油圧ポンプの容量、減速比、ブレーキトルクとの関係を示す特性線図である。 第3の実施の形態による斜板の傾転制御装置を示す回路構成図である。 油圧ポンプの吐出圧力と吐出量との関係で原動機の馬力特性を示す特性線図である。
符号の説明
1 油圧ポンプ
2 原動機
3A,3B 主管路
4 油圧閉回路
5 走行用油圧モータ(油圧アクチュエータ)
11 ケーシング
13 回転軸
14 シリンダブロック
15 シリンダ
16 ピストン
17 シュー
19 弁板
20 斜板支持体
21 斜板(容量可変部)
21A 摺動面
22,23 傾転アクチュエータ
22B,23B 液圧室
22C,23C 傾転ピストン
24 レギュレータ
25 弁ハウジング
26 第1の容量制御弁
27 制御スリーブ
28 スプール
29 油圧パイロット部
30 弁ばね
31,71 第2の容量制御弁
32,72 制御スリーブ
33,73 馬力制御スプール
34,74 油圧パイロット部
34B 第1の受圧部
34C 第2の受圧部
35,75 弁ばね
36 フィードバック機構
37 変換部
38 突起部(係合部)
39 並進バー(変位伝達部、並進部材)
39A スライダ部(被係合部)
39B 固定部
40 ガイド部材
41 パイロットポンプ
42 タンク
46 前後進切換弁(方向切換弁)
47 走行操作弁(指令手段)
47A 走行ペダル
48 指令圧管路
49 シャトル弁(高圧選択弁)
50,63 選択管路
51 他のポンプ
53 分岐管路
61 圧力選択弁
62 連結具(連動手段)

Claims (7)

  1. 容量可変部を有し回転軸が原動機によって回転駆動される可変容量型の油圧ポンプと、傾転制御圧が給排されることにより該油圧ポンプの容量可変部を傾転駆動する傾転アクチュエータと、制御スリーブ内にスプールが設けられ該傾転アクチュエータに給排する前記傾転制御圧を外部からの指令信号に従って制御する第1の容量制御弁と、前記油圧ポンプの容量を前記原動機の馬力特性の範囲内に制限するため馬力制御スプールが制御スリーブ内に設けられ少なくとも前記油圧ポンプの吐出圧力に従って前記傾転制御圧を制御する第2の容量制御弁と、前記第1,第2の容量制御弁の制御スリーブを前記容量可変部の傾転動作に追従してフィードバック制御するフィードバック機構とからなる可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置において、
    前記油圧ポンプは、前記傾転アクチュエータにより容量可変部を傾転角零の中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動する構成とし、
    前記フィードバック機構は、前記容量可変部が中立位置にあるときに前記油圧ポンプの回転軸に沿った軸方向一側の初期位置となり、前記容量可変部が正,逆方向に傾転駆動されるときには前記初期位置から軸方向他側に向けて変位するように前記容量可変部の傾転動作を軸方向変位に変換して取出す変換部と、該変換部を前記第1の容量制御弁の制御スリーブと第2の容量制御弁の制御スリーブとに接続して設けられ該変換部で取出した軸方向変位を前記各制御スリーブに伝える変位伝達部とにより構成したことを特徴とする可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  2. 前記フィードバック機構の変位伝達部は、前記容量可変部が傾転するときに前記各制御スリーブと一緒に前記回転軸の軸方向に沿って並進運動する並進部材により構成してなる請求項1に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  3. 前記第2の容量制御弁は油圧パイロット部を有した油圧サーボ弁によって構成し、該油圧パイロット部は、前記油圧ポンプの吐出圧力を受圧する第1の受圧部と、該油圧ポンプと一緒に前記原動機により駆動される他のポンプの吐出圧力を受圧する第2の受圧部とを備える構成としてなる請求項1または2に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  4. 前記第2の容量制御弁は、前記油圧ポンプによる吐出圧力と前記他のポンプによる吐出圧力との合計の圧力が予め決められた設定圧力を越えたときに前記油圧ポンプの容量が減少する方向に前記馬力制御スプールを変位させ、前記油圧ポンプの容量を前記原動機の馬力特性の範囲内に制限する構成としてなる請求項3に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  5. 前記第1,第2の容量制御弁と前記傾転アクチュエータとの間には、前記容量可変部を中立位置から正方向と逆方向とに傾転駆動するために、前記傾転制御圧の給排方向を切換える方向切換弁を設けてなる請求項1,2,3または4に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  6. 前記油圧ポンプは、作業車両の油圧モータに圧油を給排するため該油圧モータとの間を一対の主管路を介して接続する構成とし、該一対の主管路の間には、前記油圧ポンプの吐出圧力を前記第2の容量制御弁に供給するため前記方向切換弁に連動して切換操作される圧力選択弁を設け、該圧力選択弁は、中立位置のときに前記各主管路を互いに連通させ中立位置から切換わったときには前記各主管路のうち油圧ポンプの吐出側となる主管路の圧力を前記第2の容量制御弁に向けて選択的に流通させる構成としてなる請求項5に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
  7. 前記油圧ポンプは、前記回転軸が回転可能に設けられる筒状のケーシングと、前記回転軸と一体に回転するように該ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが摺動する摺動面を有し前記容量可変部となってケーシング内に傾転可能に設けられた斜板とを備え、
    前記傾転アクチュエータは、前記回転軸の径方向に離間して前記ケーシング内に設けられ前記斜板を中立位置から正,逆方向に傾転駆動する傾転ピストンによって構成し、
    前記第1,第2の容量制御弁は、該傾転ピストンから離間して前記ケーシングに設けられ前記各制御スリーブをフィードバック機構を介して前記斜板に連結する構成とし、
    前記フィードバック機構の変位伝達部は、その途中部位を前記ケーシングに対し前記回転軸の軸方向に沿って移動可能または揺動可能に取付ける構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の可変容量型油圧ポンプの傾転制御装置。
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