以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る根菜作物収穫機の側面図、図2は前記根菜作物収穫機の平面図、図3は前記根菜作物収穫機の正面図であるが、この根菜作物収穫機(以下、収穫機という)は、機台2aの下側にクローラ形の走行装置1を有して自走機能を有するものとなされた自走車体(機体)2を備えている。ニンニクなどの根菜作物3は、畝4に条植されているが、この収穫機は、まず、根菜作物3の葉茎部3aを掴んで根菜部3bごと引き抜き、次いで、これを後上方に搬送して葉茎部3aを切断し、根菜部3bのみを収穫するものであり、このような収穫処理は機体2が畝4に沿う方向に走行する過程で行われる。
さらに詳細には、垂直面内の後上がり傾斜状に配列されたタイン5を後方回動させる分葉装置6によって、条植された根菜作物3の葉茎部3aを、収穫されるべきものとそうでないものとに分け、次に後上がり傾斜の水平面内で相互の軌跡内に入り込んで共に後方回動するタイン7からなる掻込装置8によって、収穫されるべき葉茎部3aのみを後方に掻き込む。掻込装置8で掻き込まれた葉茎部3aは、その後方に設けられ後上がり傾斜の水平面内で対向面によって葉茎部3aを挟持しながら共に後方回動する一対のベルト9、9からなる挟持搬送装置10の前部に挟持されて後上方へ搬送され、この搬送中にその葉茎部3aに係る根菜部3bが地中から引き抜かれる。即ち、挟持搬送装置10の前部が作物引抜き部10aとして機能するものである。そして、挟持搬送装置10の始端下部には振動刃11が配設されており、該振動刃11が正面視L字形の土中に差し込まれて根菜部3bの周りの土を緩め、根菜部3bの引抜きを容易となす。
引き抜かれた根菜部3bは、葉茎部3aと共に挟持搬送装置10で後上方へと搬送されて行くが、このときの根菜作物3は、挟持搬送装置10によってほぼ垂直状の正立姿勢に吊持された状態となる。なお、葉茎部3aの挟持位置は、挟持搬送装置10の始端高さにより決定されることになり、この高さは変更できる必要がある。そこで、この挟持搬送装置10や、後述する高さ揃え搬送装置13、葉茎部排出装置14及び葉茎部保持搬送装置15などを前後方向へ長い一体状構成体16に形成し、該構成体16を、動力伸縮シリンダ装置12により、機体2の特定位置での回転自在に支承された左右向き支点軸17回りへ回動させて挟持搬送装置10の前部(作物引抜き部10a)の地上高さを調整するようにしている。
図4は一体状構成体16の一部を示す側面図、図5は図4のx1−x1部を示す図、図6は前記一体状構成体16の一部を示す平面図、図7は前記一体状構成体16の一部を示す後面図、図8は葉茎部排出装置14の後部を示す平面図であるが、本例の一体状構成体16は、前記挟持搬送装置10、高さ揃え搬送装置13、葉茎部排出装置14及び葉茎部保持搬送装置15のほか、根切断装置180、葉茎部切断装置18及び付加葉茎部切断装置19を有するものとなしてある。
このうち、高さ揃え搬送装置13は、挟持搬送装置10の装置フレーム10Aに取付材21を介して挟持搬送装置10の後部下方に吊支されるもので、水平面上にて対向面によって葉茎部3aを挟持しながら共に後方回動するように水平方向へ張設された図5に示す一対の無端状ベルト13a、13bで構成されている。
葉茎部排出装置14は下側の水平搬送部22と上側の水平搬送部23からなっており、下側の水平搬送部22は、その後部を装置フレーム10Aから延出された支え管部材24により、そしてその前部を同じく装置フレーム10Aに取り付けられた板ステ−25により支持され、且つ、高さ揃え搬送装置13の上方でしかも挟持搬送装置10の下方に位置されると共に、始端部が高さ揃え搬送装置13の終端部と一部重合するように位置され、且つ、水平面上の対向面によって葉茎部3aを挟持しながら共に後方回動するように水平方向へ張設された図5に示す一対の無端状ベルト22a、22bを有するものとなされている。
そして、上側の水平搬送部23は、前記支え管部材24a、24bによって下側の水平搬送部22の上方位置で支持されるもので、図6に示すように、水平面上にて後方回動する無端状の突起付きチェン23aと、この突起付チェン23aを左方向から弾性押圧する前後方向へ長い押板26とを有し、これら突起付きチェン23aと押板26とで葉茎部3aを挟扼して後方へ搬送するものである。
葉茎部保持搬送装置15は、その後部を前記支え管部材24a、24bで、そして前部を前記板ステ−25と同体状の図示しない支持部材で支持されたもので、高さ揃え搬送装置13の上方に位置され且つ、下側の水平搬送部22の下側近傍に位置され且つ、葉茎部切断装置18の上側近傍に位置されていて、始端部が高さ揃え搬送装置13の終端部と一部重合して設けられており、水平面上にて対向面によって葉茎部3aを挟持しながら共に後方回動するように水平方向に張設された図5に示す一対の無端状ベルト15a、15bで構成されている。
根切断装置180は、装置フレーム181の後部を前記支え管部材24a、24bで高さ調整可能に支持されると共に高さ揃え搬送装置13の後部下側に位置されたもので、装置フレーム181の前部に左右配置され回転自在となされた一対の縦向き回転軸182を設け、各縦向き回転軸182に案内円板183を固定してこれら左右の案内円板183を一部重合させ、且つ、装置フレーム181の後部に左右配置された一対の縦向き回転中心軸184を回転駆動可能に設け、これら回転中心軸184に左右一対の円板刃185を一部重合させるように固定し、且つ、左右の円板刃185のそれぞれをその重合部が後方へ向かう方向へ回転させ、一対の円板刃185がその重合部で根菜部3bの底面の根3cを挟み込んで切断するものとなしてある。
葉茎部切断装置18は、その下面部を前記支え管部材24a、24bで支持されると共に高さ揃え搬送装置13の後方に位置され且つ、下側の水平搬送部22の下側近傍に位置されたもので、図5に示すように、縦向き回転中心軸27a、27b回りへ該軸27a、27bと同体状に回動する左右一対の円板刃28、28を一部重合させると共に装置フレーム18aに対する高さ変更調整可能に設け、且つ、各円板刃28をその重合部が後方へ向かう方向へ回転させ、一対の円板刃28、28がその重合部で葉茎部3aを挟み込んで切断するものとなしてある。
付加葉茎部切断装置19は、前記支え管部材24a、24bに支持されると共に上側の水平搬送部23の上側後端部に位置されたもので、縦向き回転中心軸29a回りへ該軸29aと同体状に回動する一枚の円板刃30を支え管部材24に対する高さ変更調整可能に設け、この円板刃30を図6に示すように平面視で葉茎部排出装置14の葉茎部搬送経路(突起付チェン23aの右張り部mに略合致しているもの)と交叉させて、円板刃30の重合部を後方へ向けて移動させるように回転させ、一方ではこの円板刃30の右側にこの円板刃30の外周縁と平面視で部分的に重ね合わせるように配設された固定状の葉茎部逃げ規制体31を設け、また円板刃30の上側には図7に示すように円板刃30と同心に固定された葉茎部掻込み用のスターホイール32を設け、このスターホイール32の右側下方で葉茎部逃げ規制体31の上側にバネ棒部材を屈曲させた弾性案内部材33を設け、葉茎部排出装置14によりこれの葉茎部搬送経路上で後方へ搬送される葉茎部3aを円板刃30で切断するものとなしてある。
この際、葉茎部逃げ規制体31は前記支え管部材24aと同体状部位に左右方向の位置調整変更可能に固定されたもので、平面視において、図6及び図8に示すように円板刃30の最右端部のやや前寄り部位と重なるように且つ前後向きの左側縁部nと円板刃30の外周縁部分とをこれらの間の左右方向距離L1が漸次に狭まるように対向させると共に、左側縁部nの最前部の傾斜部n1を斜め後左側へ向かわせ、続いて前後向き部n2を形成し、続いて前後向き部n2の最後部を円板刃30の回転中心に向けて突出させた葉茎係止部n3を形成し、また側面視及び後面視において、図7に示すように、円板刃30の上側に位置された上側規制部31aと、円板刃30の下側に位置された下側規制部31bとを備えると共に、下側規制部31bを上側規制部31aよりも円板刃30に近接させ、上下側の規制部31a、31bを平面視同一形状となし、また後面視において、下側規制部31bと上側規制部31aとを平行状に配置してこれらの右端部を結合させ且つ支持板部材を介して支え管部材24と同体状に固定させている。
そしてスターホイール32は、筒形スペーサ35及びこれに挿通された長ボルト36を介して円板刃30の上面側に固定されて円板刃30よりも凡そ5cmから10cm程度高く支持したもので、円板刃30の直径よりも大きな直径となすと共に、外周囲には図8に示すように円板刃30の外周よりも内側位置から半径外方向へ延出された多数の掻込み爪部32aを特定ピッチで形成し、円板刃30と葉茎部逃げ規制体31との間に到達した葉茎部3aを円板刃30の外周縁の刃部に向けて掻き込むようになしたものである。
さらに弾性案内部材33は固定部37と案内部38からなっていて一本のバネ棒部材を屈曲させて形成したもので、固定部37を前後向きU字形に形成すると共に案内部38を、葉茎部逃げ規制体31の前端よりも前側から斜め後右側へ向かう前傾斜部38aと、これに続く前後向き部38bと、これに続いて斜め後右側へ向かう後傾斜部38cとで形成し、また前傾斜部38aを葉茎部逃げ規制体31の傾斜部n1よりも平面視で前側に位置させると共に、前後向き部38bを葉茎部逃げ規制体31の前後向き部n2に概ね合致させ且つ円板刃30の凡そ前半分範囲上に位置させ、さらに後傾斜部38cの後端を掻込み爪部32aの移動軌跡の外側に位置させ、円板刃30の右前部に到達した葉茎部3aを前傾斜部38aで支持してスターホイール32の掻込み爪部32a間へ案内し、続いて案内部38の最前部が弾性変形されて任意量の葉茎部3aを円滑にスターホイール32の掻込み爪部32a間へ移動させ、続いて前傾斜部38a及び前後向き部38b及び後傾斜部38cがこれらの葉茎部3aをスターホイール32の掻込み爪部32a間に弾圧すると同時に円板刃30に対しても葉茎部逃げ規制体31を補助するように弾圧するようになしたものである。
そして図7に示すように、各縦向き回転中心軸29a、29bは支え管部材24a、24bに回転自在に支持されており、左側の縦向き回転中心軸29には、下側から順に、葉茎部保持搬送装置15のベルト15aを掛けまわされて該ベルト15aを回転駆動するプーリ39、下側の水平搬送部22のベルト22aを掛けまわされて該ベルト22aを回転駆動するプーリ40、上側の水平搬送部23の突起付チェン23aを掛け回されて該突起付チェン23aを回転駆動するスプロケット41、及び、左側の円板刃30を固定されており、また右側の縦向き回転中心軸29bには、下側から順に、葉茎部保持搬送装置15のベルト15bを掛けまわされて該ベルト15bを回転駆動するプーリ39、及び、下側の水平搬送部22のベルト22bを掛けまわされて該ベルト22bを回転駆動するプーリ40を同心状に固定されている。
一体状構成体16の各装置はそれぞれ強制的に駆動されるが、その駆動機構は、次のようになされている。
先ず、前記した支点軸17に伝動プーり42を取り付け、エンジン43からこれに伝動された動力をチェン又はベルト機構44によって葉茎部切断装置18の入カプーリ45に伝えている。入カプーリ45に伝えられた動力は図4に示す装置本体部18a内のベベルギア機構及び図6に示す縦向き回転中心軸27a、27bを介して各々の円板刃28、28を駆動するようになっている。
葉茎部切断装置18の入カプーリ45に伝えられた動力は、図4及び図7に示すように、チェン186を介して根切断装置180の入力プーリ187に伝達されて左右一対の縦向き回転中心軸184を駆動し、一方では該プーリ45と同心のプーリ45aからさらにチェン又はベルト機構46によって葉茎部排出装置14の左右各側の入カプーり47、47に伝えられ、各々の入カプーリ47に伝えられた動力は、ベベルギア機構48、48、縦向き回転中心軸29a、29b及びプーリ40、40を介して下側の水平搬送部22の左右各側のベルト22a、22bを駆動するようになっている。
そして左側の入カプーリ47に伝えられた動力は、左側の縦向き回転中心軸29a及びスプロケット41を介して上側の水平搬送部23の突起付きチェン23aのほか一枚の円板刃30及びスターホイール32をも駆動するようになっている。さらに入カプーり45a、45aと挟持搬送装置10の入カプーリ20とはチェン又はベルト機構46によって連結されており、これによって挟持搬送装置10のベルト9、9を駆動するようになっている。
一方、高さ揃え搬送装置13への動力伝達は、これの終端プーリ49、49と葉茎部排出装置14の始端プーリ50、50とを左右の縦向き連結軸51を介して結合することにより行われるようになしている。この際の縦向き連結軸51は、取付材21と同体状に固定された図示しない軸受部材を介して回転自在に支持され、スプライン嵌合などを用いてその長さを調整できるものとなし、フレーム10Aに対する取付材21の取付位置を変えるなどして高さ揃え搬送装置13の全体を上下変位させて葉茎部切断装置18との間隔を変更し、切断する葉茎部3aの長さを調整できるようにしておくのが好ましい。
次に上記一体状構成体16の後部周りの作動について説明する。
挟持搬送装置10で葉茎部3aを挟持された根菜作物3が高さ揃え搬送装置13に到達すると、高さ揃え搬送装置13にも挟持されて後方へ搬送される。このとき、高さ揃え搬送装置13の後方に行くほど、高さ揃え搬送装置13と挟持搬送装置10との上下間隔が開くものとなるから、葉茎部3aは徐々に強く引っ張られるようになる。また高さ揃え搬送装置13のベルト13a、13aの挟持力を挟持搬送装置10のベルト9、9のそれよりも弱くしておき、葉茎部3aが一対のベルト13a、13a間を上方へ滑り移動できるようにし、根菜部3bはベルト13a、13a間を通過できないようにしてある。したがってベルト13a、13aの搬送終端では、根菜部3bの肩(首部)がベルト13a、13aの下端に擦り付けられるまで上昇する。これにより、根菜作物3が高さ揃え搬送装置13から後方へ外れるときには、根菜部3bの肩の高さが揃うようになる。
葉茎部3aが高さ揃え搬送装置13の終端付近にかかると、今度は、葉茎部排出装置14の下側の水平搬送部22でも挟持されて後方搬送される。そして葉茎部3aは、挟持搬送装置10、高さ揃え搬送装置13及び下側の水平搬送部22の三者で挟持される状態となるが、下側の水平搬送部22のベルト22a、22bの挟持力をこれら三者のうちで最大にしてあるため、挟持搬送装置10で挟持された葉茎部3aは、そのベルト9、9間で滑り移動して下降し、根菜部3bの高さは、下側の水平搬送部22で挟持された高さを保たれる。このような処理の下で、根菜部3bは左右一対の案内円板183上に底面を支持されつつ高さ揃え搬送装置13の搬送力で後方移動され左右一対の円板刃185に達したときに底面の根3cを切断され、こうして切り離された根3cは落下する。根3cを切断された後の根菜作物3の葉茎部3aは挟持搬送装置10のベルト9、9の挟持搬送から解放され、続いて根菜部近傍個所を葉茎部保持搬送装置15に挟持されるようになり、さらに上側の水平搬送部23の突起付きチェン23aにも挟持されるようになる。
葉茎部3aが下側の水平搬送部22と上側の水平搬送部23とで搬送され始めると(根菜部3bも一緒に付いて来る)、高さ揃え搬送装置13から外れ、以後、葉茎部保持搬送装置15より下方はフリーな状態となって葉茎部切断装置18に到達し、左右一対の円板刃28、28はその重合部で葉茎部3aを切断し根菜部3b側をその上側の葉茎部3aから切り離すのであり、切り離れた根菜部3bは円板刃28、28の直下へ落下する。
葉茎部切断装置18で切断された葉茎部3aは、上側の水平搬送部23と下側の水平搬送部22とによって機体2の後方へ挟持搬送される。この搬送により葉茎部3aが円板刃30の近傍に到達すると、弾性案内部材33の前傾斜部38aが葉茎部3a上部に係合し、このときの反作用でその葉茎部3aに押されてその量に応じた量だけ右側へ屈曲変形されると共に後方へ搬送される葉茎部3a上部をこれの後方移動に伴って漸次にスターホイール31へ近接させ、この葉茎部3aがさらに後方へ搬送されたとき、弾性案内部材33の前後向き部38bが弾性案内部材33の弾力でその葉茎部3a上部をスターホイール32の掻込み爪部32a間に押し付けた状態となるのであり、この状態の下で、スターホイール32が円板刃30と同体状に回転してこの円板刃30の上側に位置した葉茎部3a部分を確実に後方へ送り移動させる。
この一方では葉茎部逃げ規制体31がこれの傾斜部n1に到達した葉茎部3aをこれの後方移動に伴って漸次に円板刃30へ近接させるのであり、この後、葉茎部3aが葉茎部排出装置14の搬送作用やスターホイール32の掻込み作用などでさらに後方へ搬送されたとき、葉茎部逃げ規制体31の上側規制部31aと下側規制部31bとの前後向き部n2が円板刃30の外周縁の刃部内側まで押し変位させ、円板刃30が葉茎部3aを切断するものとなる。この切断処理において、葉茎部3aの一部は円板刃30で切断されることなく円板刃30の外周縁で送り移動されるものが生じることがあるが、このような葉茎部3aは最後部の葉茎係止部n3に受け止められて送り移動を規制されるため円板刃30により確実に切断されるものとなる。
こうして葉茎部3aが円板刃30で切断された後にも、弾性案内部材33は切断された葉茎部3aの切断位置よりも上側部位をスターホイール32との間に挟み付けた状態となるため、その上側部位はスターホイール32の回転と共に後方へ送り移動され円板刃30の切断位置から僅かに後方へ送り出されて落下する。また円板刃30で切断された葉茎部3aの切断位置よりも下側部位は葉茎部排出装置14により継続的に搬送されてその後端から落下する。
次に根菜部を収容するための構成について説明する。
図1、図2、図9及び図10に示すように、葉茎部切断装置18の円板刃28、28の前側近傍から葉茎部排出装置14の後側近傍に至る前後方向範囲で且つ、左側の円板刃28の外側近傍個所から凡そ一尋弱程度の左右方向範囲で且つ、走行装置1の最上個所と略同じ高さ位置にコンテナ支持部52が形成してある。
該コンテナ支持部52は、機体2の一部を形成していて片持ち状に後方へ張り出されている前後向き部材53、53の上面の前後方向上の三個所に左右向き帯板54を固着すると共にこれら左右向き帯板54の左右方向上の二個所に前後向き帯板55を固着して形成された格子状の底面を備え、左右向き帯板54及び前後向き帯板55の各端部を上方へ折り曲げて15cm〜30cm程度高さの垂直部を形成し、該垂直部の上端に管材で形成された四角枠部材56を固着した構成となされている。
該コンテナ支持部52の四角枠部材56の内方には、一点鎖線で示すように2つの横長いコンテナc1、c2が前後配置状に位置されて左右向き帯板54及び前後向き帯板55で支持されている。
また葉茎部切断装置18の一対の円板刃28、28の中央位置と関連した位置には、根菜部傾斜案内樋57が装置フレーム10Aや支え管部材24aなどを介して装設されている。該根菜部傾斜案内樋57は、図11に示すように、断面がU字形となされた案内始端側部分58と、これと同様な断面を有する案内終端側部分59とからなるもので、案内始端側部分58に案内終端側部分59を延長状且つ直状に配置してこれら案内始端側部分58と案内終端側部分59を左右一対の左右向き支点軸60、61を介して凡そ90度程度の折れ曲がり可能に枢着したものとなされている。この際、左右向き支点軸61は案内始端側部分58に対しては回動自在であるが、案内終端側部分59とは一体状に結合されている。
案内始端側部分58は、対向した一対の側面のそれぞれを起立状の板部材62、62で形成されると共に、一対の板部材62、62の上手側下端縁間を平板部63で結合したものとなされており、また案内終端側部分59は、対向した一対の側面のそれぞれを起立状の板部材64、64で形成されると共に、図12に示すように、一対の板部材64、64の下端縁間にこれの長手方向へ向かう複数(図示例では5本)の直状棒部材65を特定ピッチで横方向へ並列させ、且つ、これら直状棒部材65群を一対の板部材64、64と同体状に固定させるため、一対の板部材64、64の下端縁間を横向き結合帯部材66で結合して該横向き結合帯部材66に各直状棒部材65を固着させ、また各直状棒部材65を板部材64、64の上手側の側端縁から前記平板部63に到達し得るように延出させた延長部65aを形成するほか、それぞれの直状棒部材65の各端部を円弧状に屈曲したものとなされている。
根菜部傾斜案内樋57は、案内始端側部分58の平板部63の中央個所が葉茎部切断装置18の一対の円板刃28、28の中央位置の直下よりも数cmから数十cm程度後方に位置するように配置されるのであり、また円板刃28、28と平板部63の上下方向距離は円板刃28、28で切り離された根菜部3bが根菜部傾斜案内樋57の底面上に案内されて落下するのに支障のない大きさとなされる。
このように配置される根菜部傾斜案内樋57はこれの案内始端p1近傍を装置フレーム10Aと同体状部位に支持されるのであり、その支持構造は、図12及び図13に示すように、装置フレーム10Aと同体状部位67にヘ字形に屈曲された支持板68を固着して、該支持板68の傾斜面部68a上に断面溝形の中間支持板台69を特定縦軸70回りの前後揺動可能に装着し、また該中間支持板台69の対向した側面部間に根菜部傾斜案内樋57の案内始端側部分58の上手側端部を位置させ横向き軸71を介してこれの回りの上下揺動可能に枢着すると共に、中間支持板台69の中央面部69aに、案内始端側部分58の平板部63の下面を支持して根菜部傾斜案内樋57の設定傾斜角度θを任意な特定大きさに保持させるためのボルト72を螺着した構成としている。
この際、根菜部傾斜案内樋57の設定傾斜角度θは円板刃28、28により切り離された根菜部3bが重力作用により根菜部傾斜案内樋57に案内されて円滑に落下する大きさに設定される。また根菜部傾斜案内樋57の案内終端側部分59が案内始端側部分58に対し図12及び図14などに示すように直状に延長された状態となされているときの第一案内終端P20の位置はここから放出される根菜部3bがコンテナ支持部52に載置された前側のコンテナc1内の右端寄り個所に落下するように設定されるのであり、また根菜部傾斜案内樋57の案内終端側部分59が案内始端側部分58に対し図9及び図11に示すように左右向き支点軸60、61回りへ折れ曲げられた状態となされているときの第二案内終端p21の位置はここから放出される根菜部3bがコンテナ支持部52に載置された前側のコンテナc1内の左端寄り個所に落下するように設定される。
また図11及び図13に示すように、中間支持板台69と、支持板68側の特定個所p3との間には樋端部用スプリング73が張設されている。該特定個所p3は支持板68の下方へ突出された特定支点軸74を介して揺動自在となされたレバー部材75の一端上に存在するものであって位置切換促進機構76を介して根菜部傾斜案内樋57と連動連結されている。該位置切換促進機構76は、レバー部材75の他端にその長さ方向へ長くなされた直状長孔75aを形成し、一方では支持板台部材69の下面個所から下方へ向けてピン部材77を突出させると共に該ピン部材77を支持板68に形成され前記直状孔75aと交叉する方向へ長いものとなされた長孔68bに挿通させ、該ピン部材77の先端部を前記直状長孔75aに嵌挿し、根菜部傾斜案内樋57の図15に示す前後揺動範囲h1の中間位置である中立位置p4から根菜部傾斜案内樋57が前後何れかの側へ移動されると、該移動が中間台板部材69、ピン部材77及びレバー部材75を介して特定個所p3に伝達されて該特定個所p3を根菜部傾斜案内樋57の移動と同じ側へ移動させる構成としている。
したがって、根菜部傾斜案内樋57が中立位置p4から前後何れかの側へ揺動されると、樋端部用スプリング73は根菜部傾斜案内樋57が揺動されることによるその一端p5の変位に加えて、位置切換促進機構76が作動することによりその他端p6が根菜部傾斜案内樋57の移動と同じ側へ変位されるため、樋端部用スプリング73と根菜部傾斜案内樋57の揺動中心である特定縦軸70の中心70aとの距離は、根菜部傾斜案内樋57が揺動されることによるその一端p5の変位のみによる場合よりも大きくなって、樋端部用スプリング73の弾力は根菜部傾斜案内樋57をその揺動側へ一層強い力で揺動させようとし、この際の揺動力により根菜部傾斜案内樋57は迅速にその揺動範囲h1の前後各側の限界位置p7又はp8まで揺動されてその位置を保持される。
また図14に示すように、一方の左右向き支点軸61は外方へ延長されており、該左右向き支点軸61の外方端個所である入力部61aから前後向き操作軸78を前上がり状に前方へ延出させて運転席79の横側位置まで到達させると共に、該入力部61aと前後向き操作軸78とをトルク伝達可能な自在継手79で結合させている。該前後向き操作軸78はこれの長さ途中個所を装置フレーム10Aに装設された位置決め機構80を介して前後移動可能でしかも回転変位可能なように支持されている。そして、該前後向き操作軸78が前側へ移動操作されたとき、根菜部傾斜案内樋57が特定縦軸70回りの前側へ揺動されて前側特定位置(前側の限界位置)p7(図15参照)に移動され、ここで前記位置決め機構80により位置保持され、一方、前後向き操作軸78が後側へ移動操作されたとき、根菜部傾斜案内樋57が特定縦軸70回りの後側へ揺動されて後側特定位置(後側の揺動限界位置)p8(図15参照)に移動され、ここで前記位置決め機構80により位置保持される構成としている。
上記位置決め機構80は、図16に示すように、装置フレーム10Aに支持された特定縦向き支点軸81回りの前後側へ揺動可能となされ特定半径個所82aに前記前後向き操作軸78の長さ途中個所を係着されたアーム部材82と、該アーム部材82の自由端側個所82bと装置フレーム10A個所との間に張設されたアーム用スプリング83とを備え、該アーム部材82が前後揺動されたとき、前記アーム用スプリング83が該アーム部材82の前側揺動位置p9と後側揺動位置p10との間で前記縦向き支点軸81の中心を前後何れかの側から他側へ超えるように作動するものとなされている。この際、アーム部材82の自由端側個所82bにはリング部材84を固着し、該リング部材84に前後向き操作軸78を遊挿させると共に、前後向き操作軸78上でリング部材84を挟む二個所に係止部材85a、85bを固設し、前後向き操作軸78が前後移動されたとき、係止部材85a、85bがリング部材84内での前後向き操作軸78の摺動変位を規制してアーム部材82を連動変位させるようになされている。
また図11に示すように案内始端側部分58と案内終端側部分59との間にも樋中間部用スプリング86が張設されており、案内終端側部分59が左右向き支点軸60、61回りの上下揺動範囲の中間位置である中立位置p11から上下何れかの側に揺動されたとき、樋中間部用スプリング86が左右向き支点軸60の中心位置を通過してその弾力が案内終端側部分59をその揺動方向側へ引張し、案内終端側部分59を上下揺動範囲の各限界位置p13、p12に位置保持させる構成としている。したがって、前後向き操作軸78の把手部78aを回転変位させて、案内終端側部分59をこれの中立位置p11を超えて左右向き支点軸60、61回りへ回転させると、案内終端側部分59はこれの揺動側の何れかの限界位置p12、p13まで樋中間部用スプリング86の弾力で揺動されて安定的に位置保持される。
図12に示すように、葉茎部切断装置18の一対の円板刃28、28の中央位置の真下から根菜部傾斜案内樋57の案内始端p1に至る前後方向個所には固定案内樋87が形成されており、該固定案内樋87は前後向き直状の複数(図示例では4本)の棒部材88を断面U形配置で後下がり状になるように位置させて装置フレーム10Aと同体状に固定したものとなされている。棒部材88群の左右両側には装置フレーム10Aに固定された起立板88a、88aが棒部材88群の上面から上方へ突出するように設けられている。
また図2に示すように運転席79とコンテナ支持部52との間には6つ程度の空コンテナを載置できるコンテナ置き場89が設けてあり、また機体2の右側部には根菜部3bの満たされた6つ程度のコンテナを載置できるコンテナ置き場が設けてある。コンテナ置き場89には機体2と同体状に横向き棒部材93が固定してあり、該横向き棒部材93は空コンテナが機体後側へ落下するのを規制するように作用する。そしてコンテナ置き場90は細長くなされており、コンテナを前後各側に3つ積層させるものとなしてある。
次に上記根菜部3bをコンテナに収容する際の使用例及び各部の作動などについて説明する。
収穫作業に先だって、コンテナ置き場89に6つの空のコンテナを載置すると共にコンテナ支持部52の底面上に2つの空のコンテナc1、c2を前後配置状に載置する。
また収穫開始時において前後向き操作軸78は前側へ移動した状態とする。この状態では、アーム部材82がその揺動範囲の中立位置を超えて前側へ揺動した状態となるため、アーム用スプリング83の弾力がアーム部材82を前側へ引張し、アーム部材82は前側の限界位置p9にある図示しないストッパに圧接されてその位置を保持され、前後向き操作軸78を前側位置に移動させた状態となる。このときの前後向き操作軸78の移動は根菜部傾斜案内樋57を特定縦軸70回りの前側へ揺動させるのであり、該根菜部傾斜案内樋57の揺動が位置切換促進機構76を連動させることにより、樋端部用スプリング73は比較的少ない根菜部傾斜案内樋57の揺動変位によって特定縦軸70の中心位置70a(図15参照)を後側から前側へ超えるようになって、根菜部傾斜案内樋57を前側へ引張し、前後向き操作軸78の前方変位やアーム部材82の前側への揺動を補助するものとなる。この後の根菜部傾斜案内樋57は樋端部用スプリング73の弾力などによりアーム部材82と連動変位され、アーム部材82の前側の限界位置p9に位置したとき、アーム部材82が図示しないストッパに圧接して、その揺動変位を規制され、その規制された位置を安定的に保持される。
また案内終端側部分59は一端部である案内終端p20を左右向き支点軸60、61回りの上下何れの側に揺動させておいてもよいのであるが、ここでは案内終端p20を下方へ揺動変位させた状態となすべく案内始端側部分58に対し図14に示すように直状に延長された状態に位置させるものとする。該状態では、樋中間部用スプリング86の弾力が案内終端側部分59の案内終端p20を下げるように引張し、該引張により案内終端側部分59は図示しないストッパに圧接される。
この後、運転者は機体2を前進させつつ各部を作動状態とするのであり、これにより、ニンニクなどの根菜作物3は既述した作用により連続的に、地中から引き抜かれて切断装置18に送られ、ここでその根菜部3bを切り離されるのであり、このように切り離された根菜部3bは次々と落下して固定案内樋87上に落下する。この際、固定案内樋87は略前後向きとなされているため、切断装置18で切り離された根菜部3bが円板刃28、28の回転で幾分後方へ流れるように落下しても、その根菜部3bを的確に受け止めて根菜部傾斜案内樋57の案内始端p1に落下させる。
根菜部傾斜案内樋57は案内始端p1に達した根菜部3bを支持して重力作用により案内始端側部分58及び案内終端側部分59の底面上にて滑り移動させ案内終端側部分59の案内終端p20から放出させる。このように放出された根菜部3bは前側のコンテナc1内の右端寄り個所に落下し時間の経過により山積み状となされる。
運転者は該山積み状の量を時々運転席79上から確認し、それが適当大きさとなった時点で、前後向き操作軸78の把手部78aを持ってこれを特定向きへ回転させる。該回転は自在継手79を介して左右向き支点軸61を連動回転させ、左右向き支点軸61はこれと同体状の案内終端側部分59をその他端部である案内終端p21が上方へ移動するように回転させる。そして案内終端側部分59がその中立位置p11を超えて回転されたとき、樋中間部用スプリング86が左右向き支点軸61の中心位置を下側から上側へ超えるため、案内終端側部分59は樋中間部用スプリング86の弾力でその案内終端p20が上方へ向かう側へ引張されるようになり、案内終端側部分59の全回転量が凡そ90度程度に及んで上下揺動範囲の限界位置p13に到達したとき図示しないストッパに圧接されて図11に示す姿勢となる。
根菜部傾斜案内樋57が限界位置p13に到達した状態では、根菜部傾斜案内樋57の案内始端p1に落下した根菜部3bは案内終端側部分58で先と同様に案内されて右下方へ移動するが、案内始端側部分59の左右向き支点軸60、61近傍の底面上に到達した後には逆向きへ案内されて直状棒部材65群の延長部65a上を左下方へ移動し、案内始端側部分58の案内終端p21から放出される。このように放出された根菜部3bは前側のコンテナc1内の左端寄り個所に落下し時間の経過により山積み状となされる。
該山積み状の量についても運転者は時々運転席79上から確認する。そして、それが適当大きさとなったときは前側のコンテナc1は根菜部3bで満杯の状態となるため、前後向き操作軸78の把手部78aを持ってこれを先とは逆向きへ回転させる。該回転は先と同様に左右向き支点軸61を連動回転させ、案内終端側部分59はその案内終端p20が下方へ移動するように回転され当初状態に復帰する。この際、案内終端側部分59がその中立位置p11を超えて回転されたとき、樋中間部用スプリング86が左右向き支点軸60、61の中心位置を上側から下側へ超えるため、以後、案内終端側部分59は樋中間部用スプリング86の弾力でその案内終端p20が下方へ向かって変位する側へ引張されるようになる。
こうして案内終端側部59が当初状態に戻った後は直ちに前後向き操作軸78を後方へ押し移動させる。該押し移動による前後向き操作軸78の変位に連動して、アーム部材82がその揺動支点軸81回りへ揺動され、アーム用スプリング83がその中立位置を超えたとき、該アーム用スプリング83の弾力がアーム部材82を後側へ引張し、その揺動範囲の限界位置p10にある図示しないストッパに圧接させる。また一方では前後向き操作軸78の変位が根菜部3b傾斜揺動案内樋57を特定縦軸70回りの後側へ揺動変位させるのであり、該揺動変位により樋端部用スプリング73が特定縦軸70の中心70aを前側から後側へ超えた後は該樋端部用スプリング73の弾力が根菜部傾斜案内樋57を後側へ引張する状態となる。これにより、根菜部傾斜案内樋57はアーム部材82や前後向き操作軸78の位置に関連して定まる後側の限界位置p8に安定的に保持される。
こうして根菜部傾斜案内樋57が後側の限界位置p8に位置されると、これの案内終端p20から放出される根菜部3bは前側のコンテナc1内には落下されずに後側のコンテナc2の略中央個所に落下されるものとなる。該状態を維持させたまま、補助作業者は前側のコンテナc1を機体2右側方から引き出してコンテナ置き場90へ移動させ、先の前側のコンテナc1の位置に次の空のコンテナを位置させる。この後、運転席79に座した運転者は前後向き操作軸78を前方へ引き移動させることにより、根菜部傾斜案内樋57をこれの揺動範囲の中立位置p4よりも前側に揺動させるのであり、これにより根菜部傾斜案内樋57は前後向き操作軸78やアーム部材82などと共に当初状態に復帰する。以後は、これまでと同様にしてコンテナ支持部52の前側のコンテナc1に根菜部3bを満たすことを繰り返すのである。このように作業すると、やがては、コンテナ支持部52の後側のコンテナc2が根菜部3bで満たされるが、このときは根菜部傾斜案内樋57が前側の限界位置p7に位置されている状態の下で後側のコンテナc2をコンテナ置き場90へ移動させ、代わりに先の後側のコンテナc2の位置に空のコンテナを置くようにする。
この収穫作業中、円板刃28、28や円板刃30で切断された後の葉茎部3a片は葉茎部排出装置14の後端部まで搬送された後に落下されるのであり、次に排葉シュータ92の案内始端である前端部p14(図14)に受け止められて、重力作用により後下方へ案内されつつ降下し、その後、後端開放個所ら吐き出されてコンテナ支持部52の後側となる地上に落下する。
次に排葉シュータ92及びこれに関連した構成について詳細に図14及び図17を参照して説明する。
排葉シュータ92は断面形状を溝形となされていて、平坦な後下がり状の底面部92aとこれの左右側縁に起立状に形成された側面部92b、92cとを有するものとなされ、平面視において前端部p14が機体2左寄りに位置され後端部p15が機体2右寄りに位置するように横傾斜されて配置されている。この際、排葉シュータ92の全巾はコンテナの取扱いが不便なく行えるように機体巾の半分以下となし、また葉茎部排出装置14の後端部p15から排出された葉茎部3a片が飛散して排葉シュータ92から漏れ出て地上に落下しないように左側の側面部92bは比較的高くなされており、また右側の側面部92cは成る可く軽量となすため比較的低くなされる。そして、左右の支え管部材24a、24bには左右向き部材94が固着されており、該左右向き部材94と排葉シュータ92の前端縁とを左右一対のヒンジ継ぎ手95、95を介して結合させて左右向き部材94及びヒンジ継ぎ手95、95に排葉シュータ92の前端縁を横向き軸95a回りの揺動可能なように支持させている。
前記コンテナ支持部52の四角枠部材56の左右向きの後辺部に、左右向きの水平支持部96aを形成された支持管部材96が固着されており、この際、水平支持部96aは前記ヒンジ継ぎ手95、95の地上高さに関連した特定支持高さとなされるのであり、具体的には、該特定支持高さは次のように設定されるのであって、即ち、前記一体状構成体16の前部(作物引抜き部10a)が作物引抜き作動状態の高さに保持された状態の下で、排葉シュータ92の底面部92aの水平面に対する傾斜角度θ1が該底面部92a上の葉茎部3a片の重力作用による滑落を生じさせることのできる大きさとなり、一方、前記一体状構成体16の前部が機体2の路上走行を可能となす程度の高さに上昇された状態の下で、排葉シュータ92の底面部92aの水平面に対する傾斜角度θ1が該底面部92a上の葉茎部3a片の重力作用による滑落を生じさせない程度の大きさとなり、しかも出来るだけ排葉シュータ92の後端部p15の地上高さを高く保持できるようなものとなす。そして、水平支持部96aには排葉シュータ92の底面部92aの下面を載置して上方への離反変位自在且つ前後左右への摺動変位自在に支持させる。
根菜作物3の収穫中には、挟持搬送装置10の前部の地上高さは比較的小さい状態に保持されるのであり、したがって一体状構成体16の支え管部材24a、24bは図17中に実線で示すように比較的高く保持された状態となって、排葉シュータ92はその傾斜角度θ1を比較的大きい状態となされる。該状態の下で、葉茎部排出装置14の後端部から連続的に排出される葉茎部3a片は排葉シュータ92の底面部92a上の案内始端p14に落下した後、重力作用により、底面部92a上を滑ったり転げたりしながら滞りなく後端開口からコンテナ支持部52の後側右寄りの地上に落下される。この際、挟持搬送装置10の右側には根菜作物3の未収穫地側が位置し、その左側にはその既収穫地側が位置するため、排葉シュータ92の後端開口から放出される葉茎部3a片は未収穫地側から適当に離れて落下し、次工程の根菜作物3の引抜き処理にとって何ら障害をなさないものとなる。
特定方向への進行による一条列の根菜作物3の収穫が終了すると、機体2は枕地上で方向転換されて前とは逆方向へ向かう進行による根菜作物3の収穫が行われるが、この方向転換のときには、挟持搬送装置10の前部を地面から十分に高く保持して接地させないようにすることが必要であるが、このときは動力伸縮シリンダ装置12を伸長作動させて一体状構成体16を図1中で左右向き支点軸17回りの右回りへ揺動させるのであり、該揺動が開始されると、これに連動して排葉シュータ92の前端が降下されつつヒンジ継ぎ手95、95の横向き軸95a回りへ回動変位され、一体状構成体16が必要量だけ左右向き支点軸17回りへ回動されたとき、排葉シュータ92は図17中に仮想線s1で示すようになってその傾斜角度θ1を比較的小さい状態となされる。該状態となっても、収穫作動部の作動が停止されない限り、既に挟持搬送装置10が搬送している根菜作物3は次々と根切断装置180、葉部部切断装置18や付加切断装置19によりその根3cや根菜部3bや葉茎部3aを切り離され、この切断後の葉茎部3a片は順次に排葉シュータ92の底面部92aの案内始端p14上に落下される。しかし、排葉シュータ92の傾斜角度θ1が小さいため、このように落下した葉茎部3a片は底面部92a上を後方へ降下するものとならず、排葉シュータ92内の案内始端p14に順次に滞留し蓄積される。
そして、機体2が枕地上で方向転換を終了して挟持搬送装置10の前部が収穫可能状態へ向けて降下されると、これに連動して排葉シュータ92の前端部p14が上昇されつつヒンジ継ぎ手95、95の横向き軸95a回りへ回動変位され、一体状構成体16が収穫可能状態に到達したとき、排葉シュータ92は図17中に実線s2で示すようにその傾斜角度θ1を比較的大きい状態となされるのであり、該状態になされた後は、それまで排葉シュータ92の案内始端p14上に滞留して蓄積されていた葉茎部3a片は重力作用により底面部92a上を後方へ滑り移動して地上に落下される。そして、前とは逆方向の進行による根菜作物3の収穫作業が開始されると、前記特定方向の進行による収穫のときと同様に、葉茎部3a片は葉茎部排出装置14の後端部から排出され排葉シュータ92に案内されて地上に落下する。
したがって、収穫作動部の作動を停止させることなく、枕地で機体の方向転換を実施しても、葉茎部3a片は枕地に落下するものとならず、枕地上での旋回時に葉茎部3a片が走行装置1の回転部品などに巻き付くような事態は防止される。
次に挟持搬送装置10の挟持搬送経路Hの下側に沿わせて形成された根菜作物3の泥落とし機構について図18〜図20を参照して説明する。
挟持搬送装置10の下側に沿わせて、前下側から順に、案内棒手段97、非回転ブラシ手段98、肩揃えベルト装置99、前後2つの左右向き回転ブラシ100、100、根菜部叩き装置101、前後2つの前後向き回転ブラシ102、102からなる泥落とし機構が前記装置フレーム10Aを介して装設されている。
案内棒手段97は挟持搬送経路Hを挟む左右個所に前後向きの前拡後狭状配置となされて後上がり傾斜状に固定された一対の案内棒97a、97aからなり、圃場から引き抜かれて挟持搬送装置10で搬送されている根菜作物3の根菜部3bを適正位置及び適正姿勢に安定化させるように後上方へ案内するものであり、また非回転ブラシ手段98は挟持搬送経路Hを挟む左右個所に前端部を回動中心にして図19中の矢印で示すように前後方向の傾斜角度を調整変更できるように装設されていて基準姿勢を略水平状に保持され且つブラシ毛98bが挟持搬送経路Hへ向かう左右向きに植設された左右一対のブラシ体98a、98aからなり、案内棒手段97に案内されて後上方へ移送される根菜部3bの肩部に左右方向で対向したブラシ毛98bが摺接することで該肩部に付着した泥を摺り落とすものである。
肩揃えベルト装置99は、従動プーリ103、案内プーリ104及び駆動プーリ105に無端状のベルト106を巻き掛けた左右一対のベルト機構部を挟持搬送経路Hを挟むように配置すると共にこれらベルト機構部のそれぞれを挟持搬送装置10の後上がり傾斜よりも緩やかな後上がり傾斜状となるように固定させ、また各ベルト9、9に圧接されて連動回転される原動プーリ107と、該原動プーリ107にベルト9を押し付けるための押圧プーリ108とを設けて、原動プーリ107と駆動プーリ105とを自在継ぎ手109a付伝動軸109で連結したものとなしてあり、またベルト106、106の挟持力を挟持搬送装置10のベルト9、9のそれよりも強くしておき、葉茎部3aが一対のベルト9、9間を下方へ滑り移動できるようにし、根菜部3bはベルト106、106間を通過できないようにしてある。そして、ベルト106、106が根菜部3bを後方へ搬送する際、左右一対のベルト106、106の比較的軟らかい材料で形成された外面部で根菜作物3の肩部左右個所を徐々に下方へ押し下げるようにしかも後方斜め上方へ向けて、対地水平速度が挟持搬送装置10のそれと同一となるように移送し、根菜作物3がベルト106、106の後端部に達したとき、その肩部を挟持搬送装置10よりも特定距離L2だけ下方に位置させるように作用するものとなされている。
左右向き回転ブラシ100は挟持搬送経路Hの真下に図19中で左右向き線回りの右回りへ回転駆動される円筒部材100aの外周面に放射方向のブラシ毛100bを植設したものとなされており、ベルト106、106で特定高さとなされた根菜作物3の根菜部3bの底面や根3cに付着した泥を摺り落とすものである。
根菜部叩き装置101及び前後向き回転ブラシ102は左右一対の前後向き回転駆動軸110を挟持搬送経路Hを挟むように位置させて、これら前後向き回転駆動軸110のそれぞれの前部に根菜部叩き装置101を形成し、後部に前後2つの前後向き回転ブラシ102、102を形成したものとなされている。根菜部叩き装置101は前後向き回転駆動軸110の周方向の適当間隔位置にゴム材又は比較的軟らかい合成樹脂材からなる叩き腕部101aを固定させ、前後向き回転駆動軸110が回転駆動されたとき、左右の前後向き回転駆動軸110の前記叩き腕部101aが左右方向で対向して根菜部3bの根3cを叩くように挟み付けて上から下へ掻き降ろすものとなしている。前後向き回転ブラシ102は前後向き回転駆動軸100の周面に放射方向のブラシ毛102aを植設し、左右の前後向き回転駆動軸100が回転駆動されたとき、左右の前後向き回転駆動軸100のブラシ毛102aが根3cを左右から挟み付けて上から下へ摺り降ろして上下向きに整列させて小径状に集中させるものとなしている。
したがって、挟持搬送装置10に引き抜かれて後上方へ搬送される根菜作物3の根菜部3bに付着した泥は効果的に除去されるのであり、また根3cは根菜部3bが上方に搬送されたとき泥の付着してない整姿された状態の下で、根切断装置180により的確に切断されるものとなる。