JP4285831B2 - ファイバレーザおよび光アンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Ndイオンがドープされた石英系ファイバを使用したファイバレーザ及び光アンプに関し、特にファイバを使用したファイバレーザ及び光アンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信または光加工技術分野においては安価な高出力のレーザ光の発生装置が望まれている.
光ファイバレーザ発振器または光導波路型レーザ発振器はコア径およびコアとクラッドの屈折率差を調節して設計、作製することで容易に発振モードを単一にでき、かつ光を高密度に閉じ込めることでレーザ活性物質と光との相互作用を高め、かつ長さを長くすることで相互作用長を大きくとれるので高い効率で空間的に高品質のレーザ光を発生することができることが知られている。
【0003】
ここで、レーザ光の高出力化または高効率化を実現するには、いかに光ファイバまたは光導波路のレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心添加領域(通常はコア部)に効率よく励起光を導入するかが課題となる。
【0004】
しかし、通常単一モードの導波条件にコア径を設定するとその径はレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の十数μm以下に限定され、この径に効率よく励起光を導入するのは一般に困難である。
【0005】
そこで、クラッド部の外側にクラッド部よりもさらに屈折率が低い透明物質で構成される第2クラッド部を設け、第2クラッド部とクラッド部の屈折率差に起因する全反射によって端面より導入された励起光を第一クラッド部およびコア部内に閉じ込め、レーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)を閉じ込められた励起光が通過するにしたがって徐々にレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心に励起光を吸収させ、高出力のレーザ光を出力する方法が知られている。これが2重クラッド型ファイバレーザである(E.Snitzer,H.Po,FHakimi,R.Tumminelli,and B.C.McCllum,in Optical Fiber Sensors,Vol.2 of 1988 OSA Tecnical Digest Series(Optical Society of America,Washington,D.C.,1988),paper PD5.)。
【0006】
しかし、2重クラッド型ファイバレーザの場合、内部のクラッド部の断面形状が円形であるとレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)付近を選択的に透過する励起光のみが効率よくレーザ活性物質に吸収され、そうでない部分の吸収効率が非常に低い。すなわち、モードによる吸収飽和が起こるといった問題があった。
【0007】
そこで、内部のクラッド部の形状を矩形にするような工夫がおこなわれているが、一般に円形以外の断面形状のファイバを作製するのは困難であり、かつ機械的な強度にも不足しがちである。
【0008】
これらの問題を解決するものとして、ファイバにおけるレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)に対し、側面から励起光を導入する光ファイバレーザ装置(特開平10−135548)およびレーザ装置(特開平10−190097)が提案されている。
【0009】
側面から励起光をレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)に励起光を導入する場合は、通常レーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の直径(d)に比べて導波路長(L)が非常に長く,L/d>106以上もとれるので導波路の断面方向から励起光を導入する方法よりも非常に多くの励起エネルギーをファイバまたは導波路内に導入することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の装置の問題点は励起光吸収効率が低いことである。なぜならば、例えば円形断面の2重クラッドファイバレーザでは活性イオンのドープされているコア付近のみを通過するモードの励起光についてだけが選択的に吸収され、それ以外のモードの実質的吸収効率が非常に悪くなった状態でモードが安定してしまうからである。(Jie Song, Anping Liu, Kazunori Okino and Kenichi Ueda,電気学会誌, OQD-97-17(1997)pp. 1-6)。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、より励起光の吸収効率のよいNdイオンがドープされた石英系ガラスファイバを使用したファイバレーザを提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は励起光の吸収効率のよいNdイオンがドープされた石英系ガラスファイバを使用した光アンプを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、石英系ファイバを使用してレーザ発振を行うファイバレーザにおいて、Ndイオンをレーザ活性物質として含む1つながりの光ファイバを複数箇所で折り返して束ねた光ファイバ束と、前記光ファイバ束間の空隙を満たす、前記光ファイバのクラッドとほぼ同一の屈折率を有する媒質と、前記光ファイバ束に前記レーザ活性物質を励起するための励起光を導入する励起光導入部と、少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起光を反射して繰返し前記レーザ活性物質に吸収されるように配置された、端部が外部に広がり角θtをなす筒状の励起光反射部と、前記光ファイバ束の前記励起光反射部で覆われていない部位を覆う、前記光ファイバのクラッドよりも低い屈折率を有する樹脂クラッドと、前記励起光により励起された前記レーザ活性物質に起因するレーザ光を出力するレーザ出力部と、を有し、前記励起光導入部は、前記励起光反射部の開口中央部に全反射臨界角がθpとなるように設けられ、前記媒質と前記励起光反射部の内壁とにおける全反射臨界角がθbであるとき、(θp+θt)<θbを満たすよう構成されていることを特徴とするファイバレーザが提供される。
【0014】
上記のファイバレーザでは、励起光導入部から導入された励起光は励起光反射部で反射しながら、光ファイバ束に吸収される。光ファイバ束はその光ファイバ数に対応したコアがあるので、励起光の吸収率は非常に高くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明における第1の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、第1の実施の形態におけるファイバレーザ1の構成図である。
本形態のファイバレーザ1は、レーザ活性物質を有する1本のレーザファイバ10、レーザファイバ10を束ねるバンドル部20及びレーザファイバ10に励起光を導入する励起光導入用ファイバ30により構成されている。
【0017】
レーザファイバ10は複数箇所で折り返され、それらの折り返し部分とその次の折り返し部分の中間をバンドル部20内に格納して束ねることにより、折り返したレーザファイバ10の束を形成している。レーザファイバ10の折り返し部分10a及び10bはバンドル内には格納されず、バンドル部20の外部に配置される。バンドル部20の外部に配置されるレーザファイバ10の折り返し部分10a及び10bは、レーザファイバ10を後述する透明樹脂フッ素樹脂クラッドで覆う構造となっている。この透明樹脂フッ素樹脂クラッドが第2クラッドの働きをすることとなる。
【0018】
図2は、図1のバンドル部20のA−A断面図である。
バンドル部20は、石英クラッド12及びレーザ活性物質であるドープコア11を有するレーザファイバ10、石英クラッド12と光の屈折率がほぼ等しいマッチングオイル23、石英クラッド12及びマッチングオイル23よりも光の屈折率の低い透明フッ素樹脂クラッド22及び表面を金メッキ加工された鏡面金メッキ金属治具21により構成されている。
【0019】
レーザファイバ10は、ドープコア11を中心とし、その外部を石英クラッド12で覆った同軸構造をとっており、複数回折り返されたレーザファイバ10は、マッチングオイル23によってその隙間を満たされている。
【0020】
このようなレーザファイバ10の束及びマッチングオイル23は透明フッ素樹脂クラッド22により覆われ、透明フッ素樹脂クラッド22は、その外部を鏡面金メッキ金属治具21により覆われている。
【0021】
次に、図1におけるB部の詳細構成を図3に示す。
B部には、励起光導入用ファイバ30の先端が配置され、この励起光導入用ファイバ30の先端から励起光を照射することにより、レーザファイバ10に励起光を導入する。励起光導入用ファイバ30には、比較的太い径のもの及び市販の高出力レーザダイオードと結合の良い帯状のファイバを使用する。
【0022】
図3において、θpは励起光導入用ファイバ30の全反射臨界角を示しており、励起光導入用ファイバ30から照射される励起光は、2×(90−θp)の角度で広がりをもった光としてレーザファイバ10内に導入される。
【0023】
θbは、マッチングオイル23と透明フッ素樹脂クラッド22における全反射臨界角を示しており、この全反射臨界角θb以内の角度で透明フッ素樹脂クラッド22に達した励起光は、透明フッ素樹脂クラッド22で全反射され、透明フッ素樹脂クラッド22内部に閉じこめられることとなる。
【0024】
励起光の導入部であるB部は、励起光の導入の効率を図るため、レーザファイバ10及び透明フッ素樹脂クラッド22に広がりをもたせており、図3の場合、B部におけるレーザファイバ10及び透明フッ素樹脂クラッド22は、バンドル部20の中心軸に対し、外部にθtの角度をもった広がりを有している。
【0025】
ここで、励起光導入用ファイバ30からレーザファイバ10に導入されるすべての励起光は透明フッ素樹脂クラッド22で全反射されバンドル部20内に導入されることが望ましいが、その為には励起光導入用ファイバ30から照射される励起光と透明フッ素樹脂クラッド22表面からなる角度が、全反射臨界角θb以下である必要がある。この励起光導入用ファイバ30から照射される励起光と透明フッ素樹脂クラッド22表面からなる角度がもっとも大きくなるのは、励起光導入用ファイバ30から照射された励起光が、上記に述べたバンドル部20の中心軸に対し外部にθtの角度の広がりをもった透明フッ素樹脂クラッド22に到達するときであり、その時の励起光導入用ファイバ30から照射される励起光と透明フッ素樹脂クラッド22表面からなる角度は、(θp+θt)で表される。そのため、B部のレーザファイバ10及び透明フッ素樹脂クラッド22の広がりは、B部の外部への広がり角θtが(θp+θt)<θbを満たすように構成される。
【0026】
この構造はバンドル端終端(励起光導入の方向を順方向と見て)において用いることも可能であり、この場合バンドル部20で吸収しきれなかった励起光も効率60%以上で再利用が可能になる(この場合、バンドル部20からはみ出したレーザファイバ部10bは、第2クラッドを設けた構造にするのが望ましい)。
【0027】
次に、図1及び図2を用いて、本形態のファイバレーザ1の動作について説明する。
励起光導入用ファイバ30から励起光がバンドル部のB部から導入されると、その励起光はバンドル部20の内部に束ねられたレーザファイバ10を横切り、透明フッ素樹脂クラッド22で全反射を繰り返しながらバンドル部20を進んでいく。ここで、透明フッ素樹脂クラッド22で全反射された励起光は再びレーザファイバ10の束を横切ることになるため、バンドル部20に導入された励起光は、透明フッ素樹脂クラッド22で全反射を行うたびにレーザファイバ10の束を横切ることになる。
【0028】
励起光がレーザファイバ10の束を横切る際、その励起光はそのレーザファイバ10が有するドープコア11の束に導入されることとなり、また励起光は透明フッ素樹脂クラッド22で全反射を繰り返しながら複数回レーザファイバ10の束を横切ることとなるため、導入された励起光は複数回ドープコア11の束に導入されることとなる。
【0029】
ここで、石英クラッド12及びマッチングオイル23の光の屈折率はほぼ等しいため、光学的には透明フッ素樹脂クラッド22内部に多数のドープコア11のみが存在しているのと等価になり、励起光は透明フッ素樹脂クラッド22で反射しながらドープコア11に吸収されていく。
【0030】
このように励起光を導入されたドープコア11はレーザ光を発生することとなり、そのように発生したレーザ光はレーザファイバ10の両端部10c及び10dより取り出されることとなる。
【0031】
以上のように、本形態では、1本の連続したレーザファイバ10を複数回折り返して束ね、その束の隙間をマッチングオイル23で満たし、レーザファイバ10の束及びマッチングオイル23を透明フッ素樹脂クラッド22及び鏡面金メッキ金属治具21で覆い、そこに励起光を導入することとしたため、導入された励起光は、透明フッ素樹脂クラッド22及び鏡面金メッキ金属治具21で反射しながら、レーザファイバ10の束が有する個々ドープコア11に吸収されることとなり、励起光の吸収率は非常に高くなり、発振効率を向上させることが可能となる。
【0032】
なお、本形態では、励起光導入用ファイバ30を1本のみ用い、バンドル部20の一方側からのみ励起光を導入することとしたが、励起光導入用ファイバ30をさらにもう一本用い、バンドル部20の両側から励起光を導入することとしてもよい。
【0033】
【実施例1】
第1の実施の形態において、コア径50μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.2at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が600mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は22回、ファイバ一往復あたり1500mm、全長18mのファイバを使用した。バンドル部からはみ出したファイバ部には屈折率が1.34の透明弗素系樹脂を塗布し、バンドル部分ではファイバとファイバのすき間に屈折率1.458の波長0.5〜1.4μmにわたって透明なマッチングオイルを流し込み、屈折率1.34の透明弗素樹脂熱収縮チューブできつく押さえた。この際、バンドル部の端面には断面形状1.0×0.3mm矩形、開口数約0.2の励起光導入用ファイバを差し込んだ。この時励起光導入部分ではバンドル径の増大に伴うテーパー部の角度が10°以下になるように調節した。この調節によって励起光の全てがバンドル部内に導入されることが保証される。さらに全体を金めっきを施した鏡面表面を持つ直径1mmの割り金属型にバンドル部分をはめ込み、しっかりと固定した。レーザファイバの端面は無処理(すなわちフレネル反射約4%)とした。励起光導入用ファイバの片端には発振波長約0.8μm、最大出力35Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、導入し、バンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力11Wのレーザ発振を確認できた。
【0034】
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。
本形態は、第1の実施の形態からの変形例である。
相違点は、バンドル部20の鏡面金メッキ金属治具21及び透明フッ素樹脂クラッド22の形状に関するものである。
【0035】
図4に第2の形態におけるバンドル部40の断面図を、図5には図4のC−C断面図を示す。この図では、第1の実施の形態と構成が共通するレーザファイバ10及びマッチングオイル23は省略されている。
【0036】
本形態のバンドル部40は、金メッキが施された金メッキ層42、その表面を覆った透明フッ素樹脂クラッド層41を有する4つのブロックが、レーザファイバ10及びマッチングオイル23を囲むことにより構成されている。
【0037】
【実施例2】
第2の実施の形態において、コア径50μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ファイバでコア内部に0.2wt%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が600mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は22回、ファイバ一往復あたり1500mm、全長18mのファイバを使用した。バンドル部からはみ出したファイバ部には屈折率が1.34の透明弗素系樹脂を塗布し、バンドル部分ではファイバとファイバのすき間に屈折率1.4458の波長0.5〜1.4μmにわたって透明なマッチングオイルを流し込み、屈折率1.34の透明弗素樹脂を表面に塗布した純金めっき(鏡面)金属治具(地金は真鍮)で矩形断面状に囲い込みマッチングオイルから泡をぬいた。
【0038】
この際、バンドル部の端面には断面形状1.0×0.3mm矩形、開口数約0.2の励起光導入用ファイバを差し込んだ。この時励起光導入部分ではバンドル径の増大に伴うテーパー部の角度が10°以下になるように調節した。この調節によって励起光の全てがバンドル部内に導入される事が保証される。レーザファイバの端面は無処理(すばわちフレネル反射約4%)とした。励起光導入用ファイバの片端には発振波長約0.8μm、最大出力35Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、導入し、バンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力11Wのレーザ発振を確認できた。
【0039】
次に、本発明における第3の実施の形態について説明する。
図6は第3の実施の形態におけるファイバレーザ50の構造図である。
第1の実施の形態におけるファイバレーザ1がバンドル部20内でレーザファイバ10の束をマッチングオイル23で満たしていたのに対し、第3の実施の形態におけるファイバレーザ50は、レーザファイバ10の束をバンドル部51内でお互いに融着させることによって一体化させている。
【0040】
図7は、図6のバンドル部51のD−D断面図である。
本形態のファイバレーザ50におけるバンドル部51は、ドープコア51c、石英クラッド51b、透明フッ素樹脂クラッド層51d及び金メッキ層51aによって構成されている。
【0041】
ドープコア51c及び石英クラッド51bは、レーザファイバ10を複数箇所で折り返し、その折り返しの束を加熱することにより隣接する石英クラッド51b同士を融着して形成される。このように形成されたドープコア51cを含んだ石英クラッド51bは、透明フッ素樹脂クラッド層51dにより覆われ、さらに透明フッ素樹脂クラッド層51dの表面は、金メッキ層51aで覆われる。ここで、透明フッ素樹脂クラッド層51dの光の屈折率は、第1の実施形態の場合と同様に石英クラッド51bの光の屈折率より小さいものとする。
【0042】
バンドル部51の励起光導入部Eの構成については、第1の実施の形態において図3により説明したものと同様な構成とする。
また、バンドル部51以外の構成については、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0043】
このように、折り返された複数のレーザファイバ10を融着してバンドル部51を構成することとしても、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0044】
【実施例3】
第3の実施の形態において、コア径80μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が200mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は146回、ファイバ一往復あたり800mm、全長60mのファイバを使用した。バンドル部の端面に断面形状10.0×0.2mm矩形なおかつピッグテールタイプのように片端が細く引き伸ばされたタイプの開口数約0.2の励起光導入用ファイバ(ピッグテール部分はクラッド無し)を差し込み、全体をネット状の炭素繊維で束ね、バンドル上部を励起光導入用ファイバのピッグテール部分にしっかりと括り付けて100gの重りを励起光導入用ファイバにぶら下げて石英ファイバ用の線引き炉内に設置し、約1600℃に加熱してファイババンドル部を徐々に約1.6倍の長さになるように引き伸ばした。この際、線引き炉内にはヘリウムガスを流した。部分的に徐々に融着させ、引き延ばし、さらに雰囲気ガスとして泡の残りにくいヘリウムを使用したので泡や、異物がほとんど取り込まれず、高品質の融着が可能であった。この引き延ばしによってバンドル内部の平均コア径は50μmになる。しかし、励起光の完全導入のためにテーパー角10°以下の緩やかな外径変化としたので、径の変動に伴う損失は低い。冷却した後、励起光導入用ファイバの未融着部分には屈折率1.445の紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させた後、全体に屈折率が1.33の透明弗素系樹脂を塗布し、バンドル部分全体に金−水銀アマルガムを塗布して減圧容器中で200℃に加熱し、水銀を除去して金めっきした。レーザファイバの端面は無処理(すなわちフレネル反射約4%)とした。励起光導入用ファイバの片端には発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、導入し、バンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力55Wのレーザ発振を確認できた。
【0045】
【実施例4】
本実施例は上記実施例3とほぼ同じ構成であるが、励起光導入用ファイバが両端に結合されている点が異なる。励起光導入用ファイバは中央部分が細く引き伸ばされた形をしており(このような形態はガラス細工で作成した)レーザファイバとの融着は実施例1に準じた。実施例1と同様に、励起光導入用ファイバの未融着部分には屈折率1.445の紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させた後、全体に弗素樹脂のクラッドを付け、その外側を金コートした。レーザファイバの端面は無処理(すなわちフレネル反射約4%)とした。2つの励起光導入用ファイバの片端にはそれぞれ発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、導入し、バンドル部分に導入した(400W励起)。その結果波長1.06μm帯で出力120W、出射径80μmのレーザ発振を確認できた。
【0046】
【実施例5】
第3の実施の形態において、コア径80μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が250mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は452回、ファイバ一往復あたり1000mm、全長230mのファイバを使用した。バンドル部の端面に断面形状10.0×0.1mm矩形なおかつ中央部分が細く引き伸ばされたタイプのクラッド無しの励起光導入用ファイバ5本を差し込み、全体を炭素繊維で束ね、バンドル上部を励起光導入用ファイバにしっかりと括り付けて500gの重りを励起光導入用ファイバにぶら下げて石英ファイバ用の線引き炉内に設置し、約1600℃に加熱してファイババンドル部を徐々に約1.6倍の長さになるように引き伸ばした。この際、線引き炉内にはヘリウムガスを流した。部分的に徐々に融着させ、引き延ばし、さらに雰囲気ガスとして泡の残りにくいヘリウムを使用したので泡や、異物がほとんど取り込まれず、高品質の融着が可能であった。冷却した後、励起光導入用ファイバの未融着部分には屈折率1.445の紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させた(開口数は約0.2となる)。その後、成形体全体に屈折率が1.33の透明弗素系樹脂を塗布し、バンドル部分全体に金−水銀アマルガムを塗布して減圧容器中で200℃に加熱し、水銀を除去して金めっきした。レーザファイバの端面は片端のみ99%の反射コートを施した。励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(10個所)には発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力1.2kWのレーザ発振を確認できた。
【0047】
【実施例6】
第3の実施の形態において、コア径80μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が250mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は452回、ファイバ一往復あたり1000mm、全長230mのファイバを使用した。バンドル部の端面に断面形状10.0×0.1mm矩形なおかつ中央部分が細く引き伸ばされたタイプのクラッド無しの励起光導入用ファイバ5本を差し込み、全体を炭素繊維で束ね、バンドル上部を励起光導入用ファイバにしっかりと括り付けて500gの重りを励起光導入用ファイバにぶら下げて石英ファイバ用の線引き炉内に設置し、約1600℃に加熱してファイババンドル部を徐々に約1.6倍の長さになるように引き伸ばした。この際、線引き炉内にはヘリウムガスを流した。冷却した後、励起光導入用ファイバの未融着部分には屈折率1.445の紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させた(開口数は約0.2となる)。クラス10のクリーンルーム内で両端の融着開始部分のおよそ10mmに環状にただし破線状に屈折率1.34の透明弗素樹脂を厚み0.3mmに塗布した。その後、内径2.7mmφの鏡面仕上げの金めっきした割り型金属治具で融着部分を挟み込んだ。この際、融着部分には50g程度の引っ張り張力が加わるようにした。これらの工程もクラス10のクリーンルーム内で行い、融着部分の表面にはちりや埃、汚れが一切付かないように注意して作業した。このように組み立てたものを金属治具ごと筐体に入れ、冷却用のHeガスを循環できるようにした。この時Heガスは99.9%、0.3μm以下のパーティクルを除去するガスインラインフィルターを通した。この構成によってレーザファイバの融着部分の開口数は1以上となり、バンドル内部での臨界反射角度も47°とほぼ最大になるので励起光の閉じ込めが非常によくなる。レーザファイバの端面は片端のみ99%の反射コートを施した。励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(10個所)には発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力1.3kWのレーザ発振を確認できた。なお、本実施例で作成したレーザ本体のガラスファイバ融着体と金属治具の隙間を真空ポンプで脱気してもレーザ特性に大きな変動はなかった。
【0048】
次に、本発明における第4の実施の形態について説明する。
図8は、第4の実施の形態におけるファイバレーザ60の構成図である。
本形態のファイバレーザ60は、第1の実施の形態におけるファイバレーザ1の応用例である。本形態のファイバレーザ60は、マッチングオイルを循環させることが可能であり、それによりレーザファイバ10の冷却も行うことが可能となる。
【0049】
ファイバレーザ60は、レーザファイバ10、励起光導入用ファイバ30、レーザファイバ10の一端に取り付けられる反射ミラー61、バンドル部62及びファイバレーザ60本体内部を2つの領域に分割する隔壁63を有している。
【0050】
第1の実施の形態と同様に、ファイバレーザ10は複数回折り返され、折り返されたファイバレーザ10の束をバンドル部62内部に格納し、マッチングオイルで満たす。また、バンドル部62に格納されないファイバレーザ10の折り返し部分は、第1の実施の形態の場合と同様に第2クラッドを設けた構造とする。マッチングオイルは、ポンプ等により圧力を与えられることによりバンドル部62内を流動する。励起光をバンドル部62に導入する励起光導入用ファイバ30は、バンドル部の両端に複数本ずつ配置され、それぞれの励起光導入用ファイバ30からバンドル部62へ励起光を導入する。
【0051】
励起光が導入されることにより生じたレーザ光は、レーザファイバ10の両端部分まで伝わることとなるが、レーザファイバ10の一端には反射ミラー61が取り付けられており、反射ミラー61に達したレーザ光は反射ミラーで反射されることとなるため、レーザファイバ10で生じたレーザ光は、レーザファイバ10の一端のみから集中して取り出すこととなる。
【0052】
図9は、バンドル部62のF−F断面図である。
第1の実施の形態の場合と同じように、ドープコア68及び石英クラッド67を有するレーザファイバ10の束が配置され、その隙間を石英クラッド67と光の屈折率がほぼ等しいマッチングオイル66で満たしている。レーザファイバ10及びマッチングオイル66は、石英クラッド67及びマッチングオイル66よりも光の屈折率の小さい透明フッ素樹脂クラッド65により覆われ、透明フッ素樹脂クラッド65は、その内面を金メッキ処理した鏡面金メッキ金属治具64によって覆われている。
【0053】
以上のように、本形態ではマッチングオイル66をバンドル部62内に循環させることとしたため、レーザ光照射及び加熱によるマッチングオイル66の劣化を防ぐことが可能となる。
【0054】
【実施例7】
第4の実施の形態において、コア径80μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が250mmになるように折り返した。バンドルの折り返し数は452回、ファイバ一往復あたり1000mm、全長230mのファイバを使用した。バンドル部の両端面に断面形状10.0×0.1mm矩形の励起光導入用ファイバ5本、合計10本を差し込み、屈折率1.34の透明弗素樹脂を表面に塗布した純金めっき(鏡面)で矩形断面状かつ図8のように中央に隔壁を取り付けた形状の金属治具(地金は真鍮)に囲い込んだ。励起光導入部分より外にはみ出した部分のみレーザファイバには屈折率1.34の透明弗素樹脂、励起光導入用ファイバには屈折率1.445の透明紫外線硬化樹脂を塗布してある。このように構成したレーザ本体を外側の金属筐体中に収め、オイル循環ポンプに接続して屈折率1.458の透明マッチングオイルを筐体内部に流し込み、圧力をかけてレーザバンドル部分を透過するようにマッチングオイルを循環させた。圧力は3kg/cm2とした。レーザファイバの端面は両方とも筐体内部から取り出し圧力がもれないようにファイバの取り出し部分にはしっかりと樹脂で封止した。レーザファイバの片端には波長1.06μmの光を99%反射するミラーを押し付け、もう一方の片端面は破断面そのままとした。
【0055】
励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(10個所)には発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力1.2kWのレーザ発振を確認できた。マッチングオイルの励起光レーザによるレーザ損傷は全く観察されなかった。
【0056】
次に、本発明における第5の実施の形態について説明する。
図10は、第5の実施の形態におけるファイバレーザ70の構成図である。
本形態のファイバレーザ70は、第4の実施の形態におけるファイバレーザ60の応用例であり、金メッキ加工しさらにその表面を透明フッ素樹脂で覆った金属基盤72、レーザファイバ10、励起光導入用ファイバ30、反射ミラー71及びファイバ束ガイド溝73により構成されている。
【0057】
ファイバ束ガイド溝73は、金属基盤72の内部に渦巻き状に配置された1本の溝として形成され、その溝の両端はそれぞれ金属基盤72の外部に接続されている。レーザファイバ10は、複数箇所で折り返されることにより束にされ、その折り返しの束をファイバ束ガイド溝73に沿って渦巻き状に配置する。ファイバ束ガイド溝73に沿って配置されたレーザファイバ10は、その折り返し部及びその両端を上述したファイバ束ガイド溝73の両端から金属基盤72の外部に引き出され、この金属基盤72の外部に引き出された部分には第2クラッドを設ける。金属基盤72の外部に引き出されたレーザファイバ10の両端のうち一端には反射ミラー71が設置される。また、ファイバ束ガイド溝73にはマッチングオイルを流動させ、それによりレーザファイバ10の隙間を満たしている。ファイバ束ガイド溝73の両端部分には励起光導入用ファイバ30が配置され、レーザファイバ10に励起光を導入する。
【0058】
励起光の導入により生じたレーザ光は、レーザファイバ10の両端に達する。反射ミラー71を有する側に達したレーザ光はそこで反射され、最終的に反射ミラー71を有しないレーザファイバ10もう一方側から取り出される。これにより、レーザファイバ10の反射ミラー71を有しない一端から集中してレーザ光を取り出すことができる。
【0059】
【実施例8】
第5の実施の形態において、コア径7μm、クラッド径60μm、開口数0.11の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が2.0mになるように折り返した。バンドルの折り返し数は452回、ファイバ一往復あたり2.5m、全長570mのファイバを使用した。バンドル部の両端面に断面形状10.0×0.2mm矩形の励起光導入用ファイバ2本づつ、合計4本を差し込み、屈折率1.34の透明弗素樹脂を表面に塗布した純金めっき(鏡面)で1x1mmの矩形断面状かつ終端が中心に無い渦巻状形状に溝の掘ってある金属治具(地金は真鍮)に囲い込み、屈折率1.458のマッチングオイルを流速0.1リットル/分で流した。励起光導入部分より外にはみ出した部分のみレーザファイバには屈折率1.34の透明弗素樹脂、励起光導入用ファイバには屈折率1.445の透明紫外線硬化樹脂を塗布してある。レーザファイバの片端に波長1.064μmの信号光源を結合させ、その端面から−10dBmの信号光を入射させた。この際、レーザファイバには反射ミラーが取り付けられていない。
【0060】
励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(4個所)には発振波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果波長1.064μmで出力55dBmの増幅した信号光を確認できた。この光ファイバ増幅器は宇宙空間にて人工衛星間の光通信を行なう目的で使用される。
【0061】
次に、本発明における第6の実施の形態について説明する。
図11は、第6の実施の形態におけるファイバレーザ80の構成図である。
本形態のファイバレーザ80は、第1の実施の形態におけるファイバレーザ1の応用例であり、金メッキ加工しさらにその表面を透明フッ素樹脂で覆った金属治具82、励起光導入ファイバ30、レーザファイバ10及び反射ミラー81により構成されている。
【0062】
金属治具82には、六角形の辺を形作る溝が設けられており、その溝に沿ってレーザファイバ10が配置されている。レーザファイバ10は、この六角形の辺に沿って複数回巻き付けられ、その両端を金属治具82の外部に引き出される。ここで、レーザファイバ10の金属治具82から引き出された部分には第2クラッドを設けておく。引き出されたファイバレーザ10の一端は、反射ミラー81に取り付けられる。また、六角形の辺を形作る溝はマッチングオイルで満たされており、これにより金属治具82内部に配置されるレーザファイバ10の隙間を埋めている。
【0063】
さらに、金属治具82は、先に述べた六角形の辺を形作る溝の角辺の延長線上に1つずつ、金属治具82の外部に通ずる溝を有しており、この溝はこの六角形の辺を形作る溝と金属治具82の外部とをつないでいる。そして、この六角形の辺を形作る溝と金属治具82の外部をつなぐ溝に沿って励起光導入用ファイバ30が1つずつ配置されており、これらの励起光導入用ファイバ30により、金属治具82内のレーザファイバ10に励起光を導入する。
【0064】
励起光の導入により生じたレーザ光は、レーザファイバ10の両端に達する。反射ミラー81を有する側に達したレーザ光はそこで反射され、最終的に反射ミラー81を有しないレーザファイバ10のもう一方側から取り出される。これにより、レーザファイバ10の反射ミラー81を有しない一端から集中してレーザ光を取り出すことができる。
【0065】
【実施例9】
第6の実施の形態において、コア径50μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバを一本連続で屈折率1.34の透明弗素樹脂を表面に塗布した純金めっき(鏡面)で矩形断面状かつ図10のように直径約380mmの周回した形状の金属治具(地金は真鍮)に囲い込み、接線方向から6個所周長200mm毎に断面形状10.0×0.2mm矩形の励起光導入用ファイバ6本を差し込んだ。断面方向には146本のコアが存在するレーザファイバは全長85mを使用した。屈折率1.458の透明マッチングオイルを金属治具内部に流し込み、しっかりと蓋(これも鏡面の純金めっきに屈折率1.34の弗素樹脂をコートしたもの)をした。このように構成したレーザ本体を同じく屈折率1.458のマッチングオイルを入れた筐体内部に収め、全体から脱気して泡を抜いた。励起光導入用ファイバおよびレーザファイバの端面は全て筐体内部から取り出した。レーザファイバの片端には波長1.06μmの光を99%反射するミラーを押し付け、もう一方の片端面は破断面そのままとした。
【0066】
励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(6個所)には発振波長約0.8μm、最大出力35Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果波長1.06μm帯で出力100Wのレーザ発振を確認できた。
【0067】
【実施例10】
実施例9のレーザ装置の周回している金属部分(もちろんファイバが収められている)を15台作成し、マッチングオイルが循環する構造になっている深い金属筐体に収めた。この時、レーザファイバ端を15台分直列に融着した。励起光導入用ファイバ90本とレーザファイバ端2本を外へだし、ファイバ励起光導入用ファイバのそれぞれの片端(90個所)には発振波長約0.8μm、最大出力35Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって結合、励起光をレーザ装置に導入した。レーザファイバ端の片端には反射率99.9%のミラーを押し付けた。その結果波長1.06μm帯で出力1.3kWのレーザ発振を確認できた。
【0068】
次に、本発明における第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態では、これまでに説明してきた形態とは異なり励起光の導入をファイバではなく取り付けられた励起LDにより直接行う。本形態では、第3の実施の形態における変形例として励起LDを用いた場合を説明する。
【0069】
図12は、第7の実施の形態におけるファイバレーザ90の構成図である。
ファイバレーザ90は、1つながりのレーザファイバ10、反射ミラー91、励起LD93a、93b及び励起光導入用光部品94a、94bによって構成されており、第3の実施の形態と同じように折り返されたレーザファイバ10が融着されバンドル部92に束ねられている。そして、バンドル部92及びバンドル部92の外部に位置するレーザファイバ10は、透明フッ素樹脂でコーテリングされ、さらにその表面を金メッキ処理されている。
【0070】
バンドル部92の両端部分には、励起光導入用光部品94a、94bが取り付けられ、励起光導入用光部品94a、94bには励起LD93a、93bが取り付けられている。励起光は励起LD93a、93bから発光され、励起光導入用光部品94a、94bを介してバンドル部92内に照射されることになる。
【0071】
その他の動作については第3の実施の形態と同等であるため説明を省略する。
【0072】
【実施例11】
第7の実施の形態において、コア径80μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバのコア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープしたレーザファイバをバンドル部の長さが200mmになるように折り返した。全長60mのファイバを使用し、バンドルの折り返し数は146回とし、ファイバ1往復あたりの長さを800mmとした。バンドル部の両端面に断面形状10.0×0.2mm、長さ60mmのデーパ部分を有する励起光導入用光部品を差し込んだ。そして、全体を炭素製の型にはめ込み、真空熱融着炉内部に設置して1600℃で30分加熱した後、その温度を保ったままHeガスを導入し、炉内の圧力を0.2Mpa間で上昇させて、ファイバとファイバ間の空隙を除去した。冷却後全体に屈折率が1.33の透明フッ素系樹脂を塗布し、バンドル部全体に金―水銀アマルガムを塗布し、減圧容器中で200℃に加熱することにより水銀を除去して金メッキを行った。レーザファイバの端面は無処理(すなわちフレネル反射約4%)とした。励起光導入用部品にはそれぞれ励起光源となる発波長約0.8μm、最大出力200Wの半導体レーザを光学接着剤を用いて結合した。その結果、波長1.06μm帯で出力120Wのレーザ発を確認できた。
【0073】
なお、以上の説明では、各実施の形態をレーザ発生装置であるファイバレーザとして用いたが、同様な構成を光の増幅器である光アンプとして用いてもよい
この際、レーザファイバに取り付けられる反射ミラーは取り除かれる。
【0074】
また、以上の説明において使用するレーザファイバ10の断面形状は円形もしくは四角形のものを用いたが、矩形、D型及び樽型等その他の形状のものを用いてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明のファイバレーザでは、石英系ガラスファイバからなる光ファイバ束を励起光反射部で覆い、励起光導入部から励起光を導入する構成としたので、導入された励起光は励起光反射部で反射しながら、光ファイバ束の個々のコアに吸収され、励起光の吸収率は非常に高くなり、発振効率が向上する。
【0076】
また、本発明の光アンプでは、石英系ガラスファイバからなる光ファイバ束を励起光反射部で覆い、励起光導入部から励起光を導入する構成としたので、導入された励起光は励起光反射部で反射しながら、光ファイバ束の個々のコアに吸収され、励起光の吸収率は非常に高くなり、増幅率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるファイバレーザの構成図である。
【図2】図1のバンドル部のA−A断面図である。
【図3】図1におけるB部の詳細構成図である。
【図4】第2の形態におけるバンドル部の断面図である。
【図5】図4のC−C断面図である。
【図6】第3の実施の形態におけるファイバレーザの構造図である。
【図7】図6のバンドル部のD−D断面図である。
【図8】第4の実施の形態におけるファイバレーザの構成図である。
【図9】バンドル部のF−F断面図である。
【図10】第5の実施の形態におけるファイバレーザの構成図である。
【図11】第6の実施の形態におけるファイバレーザの構成図である。
【図12】第7の実施の形態におけるファイバレーザの構成図である。
【符号の説明】
1 ファイバレーザ
10 レーザファイバ
20 バンドル部
30 励起光導入用ファイバ

Claims (4)

  1. 石英系ファイバを使用してレーザ発振を行うファイバレーザにおいて、
    Ndイオンをレーザ活性物質として含む1つながりの光ファイバを複数箇所で折り返して束ねた光ファイバ束と、
    前記光ファイバ束間の空隙を満たす、前記光ファイバのクラッドとほぼ同一の屈折率を有する媒質と、
    前記光ファイバ束に前記レーザ活性物質を励起するための励起光を導入する励起光導入部と、
    少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起光を反射して繰返し前記レーザ活性物質に吸収されるように配置された、端部が外部に広がり角θtをなす筒状の励起光反射部と、
    前記光ファイバ束の前記励起光反射部で覆われていない部位を覆う、前記光ファイバのクラッドよりも低い屈折率を有する樹脂クラッドと、
    前記励起光により励起された前記レーザ活性物質に起因するレーザ光を出力するレーザ出力部と、
    を有し、
    前記励起光導入部は、前記励起光反射部の開口中央部に全反射臨界角がθpとなるように設けられ、
    前記媒質と前記励起光反射部の内壁とにおける全反射臨界角がθbであるとき、(θp+θt)<θbを満たすよう構成されていることを特徴とするファイバレーザ。
  2. 前記光ファイバ束内部の隙間に励起光を透過する冷媒が充填され、前記冷媒を流すことにより前記光ファイバ束の冷却を行うことを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ。
  3. 石英系ファイバを使用して光増幅を行う光アンプにおいて、
    Ndイオンを活性物質として含む1つながりの光ファイバを複数箇所で折り返して束ねた光ファイバ束と、
    前記光ファイバ束間の空隙を満たす、前記光ファイバのクラッドとほぼ同一の屈折率を有する媒質と、
    前記光ファイバ束に励起光を導入する励起光導入部と、
    少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起光を反射して繰返し前記活性物質に吸収されるように配置された、端部が外部に広がり角θtをなす筒状の励起光反射部と、
    前記光ファイバ束の前記励起光反射部で覆われていない部位を覆う、前記光ファイバのクラッドよりも低い屈折率を有する樹脂クラッドと、
    前記励起光により励起された前記活性物質により増幅された信号光を出力する出力部と、
    を有し、
    前記励起光導入部は、前記励起光反射部の開口中央部に全反射臨界角がθpとなるように設けられ、
    前記媒質と前記励起光反射部の内壁とにおける全反射臨界角がθbであるとき、(θp+θt)<θbを満たすよう構成されていることを特徴とする光アンプ。
  4. 基盤の内部に渦巻き状に配置された1本の溝として形成され、前記光ファイバ束を前記溝に沿って渦巻き状に支持し、前記溝の両端から前記光ファイバ束の折り返し部を前記基盤の外部にそれぞれ引き出し、前記媒質が流動可能なガイド溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載のファイバレーザ。
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