JP2000340867A - ファイバレーザおよび光アンプ - Google Patents

ファイバレーザおよび光アンプ

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JP2000340867A
JP2000340867A JP14781299A JP14781299A JP2000340867A JP 2000340867 A JP2000340867 A JP 2000340867A JP 14781299 A JP14781299 A JP 14781299A JP 14781299 A JP14781299 A JP 14781299A JP 2000340867 A JP2000340867 A JP 2000340867A
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laser
fiber
excitation light
bundle
optical fiber
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JP14781299A
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Katsuhisa Ito
勝久 伊東
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Hoya Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/05Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
    • H01S3/06Construction or shape of active medium
    • H01S3/063Waveguide lasers, i.e. whereby the dimensions of the waveguide are of the order of the light wavelength
    • H01S3/067Fibre lasers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファイバレーザへの励起光導入効率を向上さ
せる。 【解決手段】 非石英系ガラスファイバ、或いはY
3+、Er3+、Ce3+、Tm 3+、Ho3+から選ばれる少
なくとも1種類コアとする石英系ガラスファイバである
1本の連続したレーザファイバ10を複数回折り返して
束ね、その束の隙間をマッチングオイルで満たし、レー
ザファイバ10の束及びマッチングオイルを透明フッ素
樹脂クラッド及び鏡面金メッキ金属治具を有するバンド
ル部20で覆い、そこに励起光導入用ファイバ30を用
いて励起光を導入する。導入された励起光はバンドル部
内で反射しながら、レーザファイバ10の束が有する個
々ドープコアに吸収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファイバレーザ及
び光アンプに関し、特にファイバを使用したファイバレ
ーザ及び光アンプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信または光加工技術分野にお
いて安価な高出力のレーザ光の発生装置が望まれてい
る。
【0003】光ファイバレーザ発振器または光導波路型
レーザ発振器はコア径およびコアとクラッドの屈折率差
を調節して設計、作製することで容易に発振モードを単
一にでき、かつ光を高密度に閉じ込めることでレーザ活
性物質と光との相互作用を高め、かつ長さを長くするこ
とで相互作用長を大きくとれるので高い効率で空間的に
高品質のレーザ光を発生することができることが知られ
ている。
【0004】ここで、レーザ光の高出力化または高効率
化を実現するには、いかに光ファイバまたは光導波路の
レーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心添加領域
(通常はコア部)に効率よく励起光を導入するかが課題
となる。
【0005】しかし、通常単一モードの導波条件にコア
径を設定するとその径はレーザ活性イオンまたは色素そ
の他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の十数μm
以下に限定され、この径に効率よく励起光を導入するの
は一般に困難である。
【0006】そこで、クラッド部の外側にクラッド部よ
りもさらに屈折率が低い透明物質で構成される第2クラ
ッド部を設け、第2クラッド部とクラッド部の屈折率差
に起因する全反射によって端面より導入された励起光を
第一クラッド部およびコア部内に閉じ込め、レーザ活性
イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常は
コア部)を閉じ込められた励起光が通過するにしたがっ
て徐々にレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心
に励起光を吸収させ、高出力のレーザ光を出力する方法
が知られている。これが2重クラッド型ファイバレーザ
である(E.Snitzer,H.Po,FHakimi,R.Tumminelli,and B.
C.McCllum,in Optical Fiber Sensors,Vol.2 of 1988 O
SA Tecnical Digest Series(Optical Society of Ameri
ca,Washington,D.C.,1988),paper PD5.)。
【0007】しかし、2重クラッド型ファイバレーザの
場合、内部のクラッド部の断面形状が円形であるとレー
ザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域
(通常はコア部)付近を選択的に透過する励起光のみが
効率よくレーザ活性物質に吸収され、そうでない部分の
吸収効率が非常に低い。すなわち、モードによる吸収飽
和が起こるといった問題があった(Jie Song, Anping L
iu, Kazunori Okino andKenichi Ueda,電気学会誌, OQD
-97-17(1997)pp. 1-6)。
【0008】そこで、内部のクラッド部の形状を矩形に
するような工夫がおこなわれているが、一般に円形以外
の断面形状のファイバを作製するのは困難であり、かつ
機械的な強度にも不足しがちである。加えてファイバー
の端面方向からの励起では励起光導入の拡張性に乏し
く、高出力化が困難であるという問題点も有した。
【0009】これらの問題を解決するものとして、ファ
イバをディスク状等にまとめ、ファイバにおけるレーザ
活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通
常はコア部)に対し、側面から励起光を導入する光ファ
イバレーザ装置(特開平10−135548)およびレ
ーザ装置(特開平10−190097)が提案されてい
る。
【0010】側面から励起光をレーザ活性イオンまたは
色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)に励
起光を導入する場合は、通常レーザ活性イオンまたは色
素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の直径
(d)に比べて導波路長(L)が非常に長く,L/d>
106以上もとれるので導波路の断面方向から励起光を
導入する方法よりも非常に多くの励起エネルギーをファ
イバまたは導波路内に導入することが可能となる。
【0011】ここで使用するファイバとしては、石英系
ファイバ及び非石英系ファイバ等があるが、非石英系フ
ァイバを用いた場合、石英ファイバでは得ることのでき
ない波長のレーザ光を発生させることができる。そのた
め、非石英系ファイバを用いて発生させたレーザ光は、
加工分野にとどまらず、医療分野、センサ、情報記録、
光情報ネットワーク等の様々な分野で利用することがで
きる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
135548及び特開平10−190097で開示され
ている装置では、ファイバを渦巻き状に巻き付ける等フ
ァイバの配置形成が面倒であるという問題点がある。
【0013】また、上記装置では、励起光がファイバ内
部の活性物質を横切る方向に伝搬していくため、この励
起光がコア−クラッド間で散乱され、励起光の吸収効率
が低下するという問題点もある。特に、非石英系ファイ
バの場合、その結晶化に対する安定性は石英系ファイバ
と比べてかなり低いため、元々、非石英系ファイバ自体
散乱による損失が大きい。そのため、この励起光のコア
−クラッド間での散乱による損失は、より深刻な吸収効
率の低下となって表れる。このような問題を有する非石
英系ファイバとしては、フッ化物、カルコゲナイド、オ
キシカルコゲナイド、オキシフルオライド、テルライ
ト、燐酸塩、アルミネート系ガラス、シリカ−アルミネ
ート系ガラス等が挙げられる。なお、燐酸塩やシリカ−
アルミネート系ガラスは結晶化に対する安定性は十分で
あっても,るつぼからのコンタミネーションにより、C
VDを基本にした石英系ファイバと同等の低損失なファ
イバを作成することが困難である。
【0014】さらに、石英系ファイバを用いる場合、Y
3+、Er3+、Ce3+、Tm3+、Ho3+等の希土類イオ
ンをその発光効率の劣化を伴わずに高濃度でドープする
ことは難しい。これは、高濃度にドープすると希土類イ
オンのクラスター化が促進され、吸収はそのままでも発
光の効率が低くなる為である。そのため、発振しきい値
の低下および増幅効率の向上を図るためには、比較的低
濃度のドープで吸収長の長いファイバを必要とすること
となり、上記装置においても比較的長いファイバを必要
とするという問題点もある。これは、比較的吸収係数が
小さい4準位系のレーザ発信を行うイオンを含んだ石英
系ファイバにおいても同様である。
【0015】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、非石英系ファイバ、或いは3準位系又は4準
位系のレーザ発振を行なうイオン種を含んだ石英系ファ
イバを用い、作成が容易で、励起光の散乱による損失が
低く、吸収効率が高いファイバレーザを提供することを
目的とする。
【0016】また、本発明の他の目的は、非石英系ファ
イバ、或いは3準位系又は4準位系のレーザ発振を行な
うイオン種を含んだ石英系ファイバを用い、作成が容易
で、励起光の拡散損失が低く、吸収効率が高い光アンプ
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、非石英系ファイバを使用してレーザ発振を行うファ
イバレーザにおいて、レーザ活性物質を含み、少なくと
も一つの光路を形成する光ファイバが束状になっている
光ファイバ束と、前記光ファイバ束に前記レーザ活性物
質を励起するための励起光を導入する励起光導入部と、
少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起
光を反射して繰返し前記レーザ活性媒質に吸収されるよ
うに配置された励起光反射部と、前記励起光により励起
されたレーザ活性物質に起因するレーザ光を出力するレ
ーザ出力部とを有することを特徴とするファイバレーザ
が提供される。上記のファイバレーザでは、励起光導入
部から導入された励起光は励起光反射部で反射しなが
ら、光ファイバ束に吸収される。光ファイバ束はその各
光ファイバごとにレーザ活性物質を持つため、損失の大
きい非石英系ファイバであっても励起光の吸収率は非常
に高くなる。また、石英系ファイバを使用してレーザ発
振を行うファイバレーザにおいて、Yb3+、Er3+、C
3+、Tm3+、Ho3+から選ばれる少なくとも1種類の
レーザ活性物質を含み、少なくとも一つの光路を形成す
る光ファイバが束状になっている光ファイバ束と、前記
光ファイバ束に前記レーザ活性物質を励起するための励
起光を導入する励起光導入部と、少なくとも前記光ファ
イバ束の側面の一部を覆い、励起光を反射して繰返し前
記レーザ活性媒質に吸収されるように配置された励起光
反射部と、前記励起光により励起されたレーザ活性物質
に起因するレーザ光を出力するレーザ出力部とを有する
ことを特徴とするファイバレーザが提供される。上記の
ファイバレーザでは、励起光導入部から導入された励起
光は励起光反射部で反射しながら、光ファイバ束に吸収
される。光ファイバ束はその各光ファイバごとにレーザ
活性物質を持つため、希土類イオンを低濃度でドープさ
れた石英ファイバであっても励起光の吸収率は非常に高
くなる。
【0018】さらに、非石英系ファイバを使用して光増
幅を行う光アンプにおいて、活性物質を含む光ファイバ
が束状になっている光ファイバ束と、前記光ファイバ束
に励起光を導入する励起光導入部と、少なくとも前記光
ファイバ束の側面の一部を覆い、前記励起光を反射して
繰返し前記活性媒質に吸収されるように配置された励起
光反射部と、前記励起光により励起された活性物質によ
り増幅された信号光を出力する出力部とを有することを
特徴とする光アンプが提供される。上記の光アンプで
は、励起光導入部から導入された励起光は励起光反射部
で反射しながら、光ファイバ束に吸収される。光ファイ
バ束はその各光ファイバごとにレーザ活性物質を持つた
め、損失の大きい非石英系ファイバであっても励起光の
吸収率は非常に高くなる。
【0019】また、石英系ファイバを使用して光増幅を
行う光アンプにおいて、Yb3+、Er3+、Ce3+、Tm
3+、Ho3+から選ばれる少なくとも1種類のレーザ活性
物質を含み、少なくとも一つの光路を形成する光ファイ
バが束状になっている光ファイバ束と、前記光ファイバ
束に励起光を導入する励起光導入部と、少なくとも前記
光ファイバ束の側面の一部を覆い、前記励起光を反射し
て繰返し前記活性媒質に吸収されるように配置された励
起光反射部と、前記励起光により励起された活性物質に
より増幅された信号光を出力する出力部とを有すること
を特徴とする光アンプが提供される。
【0020】上記の光アンプでは、励起光導入部から導
入された励起光は励起光反射部で反射しながら、光ファ
イバ束に吸収される。光ファイバ束はその各光ファイバ
ごとにレーザ活性物質を持つため、希土類イオンを低濃
度でドープされた石英ファイバであっても励起光の吸収
率は非常に高くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。まず、本発明における第1の実施の
形態について説明する。
【0022】図1は、第1の実施の形態におけるファイ
バレーザ1の構成図である。本形態のファイバレーザ1
は、レーザ活性物質を有する1本のレーザファイバ1
0、レーザファイバ10を束ねるバンドル部20及びレ
ーザファイバ10に励起光を導入する励起光導入用ファ
イバ30により構成されている。
【0023】レーザファイバ10は複数箇所で折り返さ
れ、それらの折り返し部分とその次の折り返し部分の中
間をバンドル部20内に格納して束ねることにより、折
り返したレーザファイバ10の束を形成している。レー
ザファイバ10の折り返し部分10a及び10bはバン
ドル内には格納されず、バンドル部20の外部に配置さ
れる。バンドル部20の外部に配置されるレーザファイ
バ10の折り返し部分10a及び10bは、レーザファ
イバ10を後述する透明樹脂フッ素樹脂クラッドで覆う
構造となっている。この透明樹脂フッ素樹脂クラッドが
第2クラッドの働きをすることとなる。
【0024】励起光導入用ファイバ30は、その先端が
ファイバ収納ボックス4の内部に達するように取り付け
られ、その先端から励起光をバンドル部20内に照射す
る。励起光源としては、一般に市販されている波長1.
5μm、0.98μm、0.9μm、0.8μm、0.
67μmのLD等を用いる。その外にLD励起の固体レ
ーザを励起光源にすることもできる。この場合、1.0
6μm、1.1μm、0.53μm等の波長が使用でき
る。
【0025】図2は、図1のバンドル部20のA−A断
面図である。バンドル部20は、ガラスクラッド12及
びレーザ活性物質であるドープコア11を有するレーザ
ファイバ10、ガラスクラッド12と光の屈折率がほぼ
等しいマッチングオイル23、ガラスクラッド12及び
マッチングオイル23よりも光の屈折率の低い透明フッ
素樹脂クラッド22及び表面を金メッキ加工された鏡面
金メッキ金属治具21により構成されている。
【0026】レーザファイバ10は、ドープコア11を
中心とし、その外部をガラスクラッド12で覆った同軸
構造をとっており、複数回折り返されたレーザファイバ
10は、マッチングオイル23によってその隙間を満た
されている。
【0027】レーザファイバ10としてフッ化物ガラス
やカルコゲナイドガラス、テルライトガラス等を用いた
非石英系ファイバを用いる場合、その低いマルチフォノ
ン吸収によって、石英系ファイバでは実現し得ない主に
中赤外域の波長を含むレーザ発振が可能になる。例え
ば、ドープコア11の材質としてCe3+を用いた場合、
発信されるレーザの波長は5μmであり、Pr3+を用い
た場合には、5μm、1.3μm及び2.3μmの波長
のレーザ光を発信することができる。その他、非石英系
ファイバにおけるドープコア2aの材質と、それらに対
応する発信レーザの波長を羅列すると、Nd3+:5μ
m、2.5μm/Tb3+:5μm/Dy3+:3μm、
1.34μm、1.7μm/Ho3+:5μm、4μm、
3μm、2μm/Er3+:3μm、3.5μm、4μm
/Tm3+:5.5μm、4μm、2μm、1.2μm/
Eu2+:0.4〜0.5μmのようになる。
【0028】また、一般にフッ化物ガラスやカルコゲナ
イドガラス、テルライトガラス等は、ESA(励起準位
からの吸収)による多光子吸収も石英系ガラスに比べて
その強度が大きく、長波長から短波長への振動数上方変
換が可能である。例えばEr 3+による緑色光レーザ、P
3+による赤、緑、青色レーザ、Tm3+による青色レー
ザ等が知られている。
【0029】また光アンプにおいてはPr3+を添加した
フッ化物またはカルコゲナイドガラスファイバで、石英
系ファイバでは増幅困難な1.3μm帯の波長の光信号
を増幅することもできる。また、Er3+を添加した多成
分アルミノシリケートガラスやテルライトガラスではそ
の1.5μm帯域の光信号増幅において増幅利得の波長
依存性が石英系ファイバに比べて少なく、波長多重光通
信において非常に広帯域の増幅が可能になる。
【0030】このようなレーザファイバ10の束及びマ
ッチングオイル23は透明フッ素樹脂クラッド22によ
り覆われ、透明フッ素樹脂クラッド22は、その外部を
鏡面金メッキ金属治具21により覆われている。
【0031】次に、図1におけるB部の詳細構成を図3
に示す。B部には、励起光導入用ファイバ30の先端が
配置され、この励起光導入用ファイバ30の先端から励
起光を照射することにより、レーザファイバ10に励起
光を導入する。励起光導入用ファイバ30には、比較的
太い径のもの及び市販の高出力レーザダイオードと結合
の良い帯状のファイバを使用する。
【0032】図3において、θpは励起光導入用ファイ
バ30の全反射臨界角を示しており、励起光導入用ファ
イバ30から照射される励起光は、2×(90−θp)
の角度で広がりをもった光としてレーザファイバ10内
に導入される。
【0033】θbは、マッチングオイル23と透明フッ
素樹脂クラッド22における全反射臨界角を示してお
り、この全反射臨界角θb以内の角度で透明フッ素樹脂
クラッド22に達した励起光は、透明フッ素樹脂クラッ
ド22で全反射され、透明フッ素樹脂クラッド22内部
に閉じこめられることとなる。
【0034】励起光の導入部であるB部は、励起光の導
入の効率を図るため、レーザファイバ10及び透明フッ
素樹脂クラッド22に広がりをもたせており、図3の場
合、B部におけるレーザファイバ10及び透明フッ素樹
脂クラッド22は、バンドル部20の中心軸に対し、外
部にθtの角度をもった広がりを有している。
【0035】ここで、励起光導入用ファイバ30からレ
ーザファイバ10に導入されるすべての励起光は透明フ
ッ素樹脂クラッド22で全反射されバンドル部20内に
導入されることが望ましいが、その為には励起光導入用
ファイバ30から照射される励起光と透明フッ素樹脂ク
ラッド22表面からなる角度が、全反射臨界角θb以下
である必要がある。この励起光導入用ファイバ30から
照射される励起光と透明フッ素樹脂クラッド22表面か
らなる角度がもっとも大きくなるのは、励起光導入用フ
ァイバ30から照射された励起光が、上記に述べたバン
ドル部20の中心軸に対し外部にθtの角度の広がりを
もった透明フッ素樹脂クラッド22に到達するときであ
り、その時の励起光導入用ファイバ30から照射される
励起光と透明フッ素樹脂クラッド22表面からなる角度
は、(θp+θt)で表される。そのため、B部のレー
ザファイバ10及び透明フッ素樹脂クラッド22の広が
りは、B部の外部への広がり角θtが(θp+θt)<
θbを満たすように構成される。この構造はバンドル端
終端(励起光導入の方向を順方向と見て)において用い
ることも可能であり、この場合バンドル部20で吸収し
きれなかった励起光も効率60%以上で再利用が可能に
なる(この場合、バンドル部20からはみ出したレーザ
ファイバ部10bは、第2クラッドを設けた構造にする
のが望ましい)。
【0036】次に、図1及び図2を用いて、本形態のフ
ァイバレーザ1の動作について説明する。励起光導入用
ファイバ30から励起光がバンドル部のB部から導入さ
れると、その励起光はバンドル部20の内部に束ねられ
たレーザファイバ10を横切り、透明フッ素樹脂クラッ
ド22で全反射を繰り返しながらバンドル部20を進ん
でいく。ここで、透明フッ素樹脂クラッド22で全反射
された励起光は再びレーザファイバ10の束を横切るこ
とになるため、バンドル部20に導入された励起光は、
透明フッ素樹脂クラッド22で全反射を行うたびにレー
ザファイバ10の束を横切ることになる。
【0037】励起光がレーザファイバ10の束を横切る
際、その励起光はそのレーザファイバ10が有するドー
プコア11の束に導入されることとなり、また励起光は
透明フッ素樹脂クラッド22で全反射を繰り返しながら
複数回レーザファイバ10の束を横切ることとなるた
め、導入された励起光は複数回ドープコア11の束に導
入されることとなる。
【0038】ここで、ガラスクラッド12及びマッチン
グオイル23の光の屈折率はほぼ等しいため、光学的に
は透明フッ素樹脂クラッド22内部に多数のドープコア
11のみが存在しているのと等価になり、励起光は透明
フッ素樹脂クラッド22で反射しながら、バンドル部2
0内部のレーザファイバ10の長手方向に進み、ドープ
コア11に吸収されていく。
【0039】このように励起光を導入されたドープコア
11はレーザ光を発生することとなり、そのように発生
したレーザ光はレーザファイバ10の両端部10c及び
10dより取り出されることとなる。
【0040】ここで、レーザファイバ10としてEr3+
イオンをコアにドープしたフッ化物ガラスを用い、励起
光導入部30より波長780nmのLD励起光をパルス
的に導入すると、レーザファイバ10から波長3μm付
近のパルスレーザが発振される。ここで励起光を連続導
入することによってレーザの連続発振も可能である。こ
の波長のレーザは生体内部での水に対する吸収が大きい
ため、主に医療用として用いられる。
【0041】以上のように、本形態では、1本の連続し
たレーザファイバ10を複数回折り返して束ね、その束
の隙間をマッチングオイル23で満たし、レーザファイ
バ10の束及びマッチングオイル23を透明フッ素樹脂
クラッド22及び鏡面金メッキ金属治具21で覆い、そ
こに励起光を導入することとしたため、導入された励起
光は、透明フッ素樹脂クラッド22及び鏡面金メッキ金
属治具21で反射しながら、レーザファイバ10の束が
有する個々ドープコア11に吸収されることとなり、励
起光の吸収率は非常に高くなり、発振効率を向上させる
ことが可能となる。ここで、コアにYb3+、Er3+、C
3+、Tm3+、Ho3+イオンをドープした石英系ファイ
バを用いた場合、紫外から近赤外域までさまざまな波長
のレーザを発生することができる。これらは3準位系の
レーザになるものがほとんどで、そのため励起光波長と
レーザ発振波長を接近させることができる。これによ
り、量子効率を99%近くの非常に高い値まで設定する
ことができる。また、Yb3+をコアにドープした石英系
ファイバを用いた場合、波長0.9μmのLDを光源に
することにより、波長1.0μm〜1.15μmまでの
広い範囲のレーザを発振させることができる。この時、
Yb3+イオンには発振波長において吸収が本質的に存在
するが、実効の発光効率がこの吸収を上回ることにより
レーザ発振しきい値を低下させることができる。これ
は、吸収係数の比較的低い発光種が含まれている4準位
系のレーザ場合についても同様である。なお、本形態で
は、励起光導入用部30を1本のみ用い、バンドル部2
0の一方側からのみ励起光を導入することとしたが、励
起光導入用ファイバ30をさらにもう一本用い、バンド
ル部20の両側から励起光を導入することとしてもよ
い。
【0042】また、本形態では、レーザファイバ10間
をマッチングオイル23で満たすこととしたが、励起波
長において透明かつ屈折率がガラスクラッド12とほぼ
等しい熱可塑性の樹脂、或いは熱硬化性の樹脂等の固体
物質を使用することとしてもよい。
【0043】さらに、無機ガラスによってレーザファイ
バ10間を埋めることとしてもよい。また、本形態で
は、本構成をファイバレーザとして用いることとした
が、光アンプとして用いることとしてもよい。
【0044】以下、本考案に基づいた実施例を列挙す
る。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0045】
【実施例1】第1の実施の形態において、コア径100
μm、クラッド径125μm、開口数0.2のフッ化ア
ルミニウム−フッ化ジルコニウムを主成分とするフッ化
物ガラス(以下AZFガラスとする)ファイバのコア内
部に1wt%のEr3+イオンをドープしたレーザファイ
バを連続でバンドル部分長が200mmになるように折
り返した。バンドルの折り返し数は22回。ファイバ往
復あたり800mmで全長9mのファイバを使用した。
レーザファイバの背景損失は波長2.8μmで50dB
/kmであった。バンドル部からはみ出したファイバ部
には屈折率が1.34の透明弗素系樹脂を塗布し、バン
ドル部分のファイバとファイバの隙間には、屈折率1.
443、波長0.5μm〜1.4μmにわたって透明な
紫外線硬化樹脂を泡が入らないように埋め込んだ。この
時、埋め込み用の樹脂は熱可塑性の樹脂、熱硬化性の樹
脂、また流動性の有機媒体などを利用することができ
る。このバンドル部を屈折率1.34の透明弗素樹脂を
表面に塗布した純金めっき(鏡面)割り型金属治具で囲
い込んだ。この際、バンドル部の端面には断面形状が
1.0×0.3mmの矩形で、開口数が約0.2の励起
光導入用ファイバを差し込んだ。この時励起光導入部分
ではバンドル径の増大に伴うテーパー部の角度が10°
以下になるように調節した。レーザファイバの端面(片
端)には波長2.8μmの光を99%反射する様に反射
コーティングを施し、この端面から出力25dBmのE
DFA(エルビウムドープファイバンプ)からの出力光
(波長は1.53μm)を投入した。もう片端には波長
1.53μmでの無反射コートを行った。励起光導入用
ファイバの片端には発振波長約0.98μm、最大出力
10Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって
結合、導入し、バンドル部分に導入した。その結果、波
長2.8μm帯で出力5Wのレーザ発振を確認できた。
なお、フッ化物ガラスの種類としてはAZFの他にもフ
ッ化アルミニウムを主成分とするフッ化物ガラス、フッ
化ジルコニウムを主成分とするフッ化物ガラスやフッ化
インジウムを主成分とするフッ化物ガラスも使用でき
る。しかし損失、耐レーザ特性、耐候性、屈折率(屈折
率が高いと埋め込み用の樹脂の選択が難しくなる)など
の点からAZFが最も好ましい。
【0046】次に、本発明における第2の実施の形態に
ついて説明する。図4は、第2の実施の形態におけるフ
ァイバレーザ40の構成図である。レーザ光発生装置4
0は、1つながりのレーザファイバ10、レーザファイ
バ10を巻き付ける巻き付けドラム42、励起光導入用
ファイバ30、マッチングオイル導入部44、マッチン
グオイル排出部45、反射ミラー46、バンドル部4
7、O−リング48、隔壁49、内面を金メッキ処理さ
れ、さらにその表面を透明フッ素樹脂加工された金属治
具41によって構成されている。
【0047】レーザファイバ10は、複数箇所で折り返
されバンドル部47に束ねられる。レーザファイバ10
の折り返し部分は、バンドル部47の両端に位置する巻
き付けドラム42に巻き付けられ固定される。レーザフ
ァイバ10の一方の端面には反射ミラー46が設置さ
れ、もう一方の端面は破断面のまま配置される。
【0048】バンドル部47のレーザファイバ10の長
手方向における両端部分には複数の励起光導入用ファイ
バ30の先端が配置され、バンドル部47内への励起光
の導入を行う。
【0049】バンドル部47の長手方向の中央部分に
は、バンドル部47を挟み込むように隔壁49が取り付
けられ、隔壁49の外側にはO―リング48が取り付け
られる。
【0050】そして、このように配置されたレーザファ
イバ10、巻き付けドラム42、励起光導入用ファイバ
30、バンドル部47、隔壁49、O―リング48は、
箱状の金属治具41内部に納められ、さらにその上部
を、内部を金メッキし、さらにその表面を透明フッ素樹
脂で覆った板によりふさがれる。
【0051】この際、レーザファイバ10の両端部分及
び励起光導入用ファイバ30のバンドル部に接続されて
いない側の端面部分は、金属治具41の外部に配置され
る。隔壁49は金属治具41内部を2つの領域に分割
し、O−リング48はその機密性を高める。隔壁49に
よって分割された一方の領域には、マッチングオイル導
入部44が接続され、もう一方の領域にはマッチングオ
イル排出部45が取り付けられる。
【0052】次に、図4を用いてファイバレーザ40の
動作について説明する。マッチングオイル導入部44か
ら導入されたマッチングオイルは、隔壁49により分岐
された一方の領域をみたし、その後バンドル部47内部
を流動して隔壁49により分岐されたもう一方の領域に
達する。その後、マッチングオイルはその領域を満た
し、マッチングオイル排出部45から排出される。
【0053】励起光導入ファイバ10から導入された励
起光は、バンドル部47内で反射を繰り返しながらレー
ザファイバ10に達し、励起光が照射されたレーザファ
イバ10はレーザ光を発生する。発生したレーザ光はレ
ーザファイバ10の両端に伝わり、反射ミラー46が設
置されていない端面に達したレーザ光はそこから取り出
され、反射ミラー46が配置されている側に達したレー
ザ光は、そこで反射され、反射ミラー46が設置されて
いない端面から取り出される。
【0054】このような構成としても、第1の実施の形
態と同様な効果が得られる。また、本形態では、マッチ
ングオイルを循環させることとしたため、マッチングオ
イル及びレーザファイバ10の耐久性を向上させること
ができる。
【0055】なお、本形態では、本構成をファイバレー
ザとして用いることとしたが、反射ミラー46を取り除
き、光アンプとして用いることとしてもよい。
【0056】
【実施例2】第2の実施の形態において、コア径80μ
m、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラ
スファイバでコア内部に0.5at%のNd3+イオンを
ドープしたレーザファイバを連続でバンドル部分長が2
50mmになるように折り返した。バンドルの折り返し
数は174回、ファイバ一往復あたり1000mm、全
長90mのファイバを使用した。バンドル部の両端面に
断面形状10.0×0.4mm矩形の励起光導入用ファ
イバ5本、合計10本を差し込み、屈折率1.34の透
明弗素樹脂を表面に塗布した純金めっき(鏡面)で矩形
断面状かつ図4のように中央に隔壁を取り付けた形状の
金属治具(地金は真鍮)に囲い込んだ。励起光導入部分
より外にはみ出した部分のみレーザファイバには屈折率
1.34の透明弗素樹脂、励起光導入用ファイバには屈
折率1.445の透明紫外線硬化樹脂を塗布してある。
このように構成したレーザ本体を外側の金属筐体中に収
め、オイル循環ポンプに接続して屈折率1.458の透
明マッチングオイルを筐体内部に流し込み、圧力をかけ
てレーザバンドル部分を透過するようにマッチングオイ
ルを循環させた。圧力は3kg/cm2とした。レーザ
ファイバの端面は両方とも筐体内部から取り出し圧力が
もれないようにファイバの取り出し部分にはしっかりと
樹脂で封止した。レーザファイバの片端には波長1.0
3μmの光を99%反射するミラーを押し付け、もう一
方の片端面は破断面そのままとした。
【0057】励起光導入用ファイバのそれぞれの片端
(10個所)には発振波長約0.98μm、最大出力1
00Wの半導体レーザをシリンドリカルレンズによって
結合、励起光をバンドル部分に導入した。その結果、波
長1.03μm帯で出力0.8kWのレーザ発振を確認
できた。マッチングオイルの励起光レーザによるレーザ
損傷は全く観察されなかった。
【0058】次に、本発明における第3の実施の形態に
ついて説明する。図5は第3の実施の形態におけるファ
イバレーザ50の構造図である。第1の実施の形態にお
けるファイバレーザ1がバンドル部20内でレーザファ
イバ10の束をマッチングオイル23で満たしていたの
に対し、第2の実施の形態におけるファイバレーザ50
は、レーザファイバ10の束をバンドル部51内でお互
いに融着させることによって一体化させている。
【0059】図6は、図5のバンドル部51のD−D断
面図である。本形態のファイバレーザ50におけるバン
ドル部51は、ドープコア51c、ガラスクラッド51
b、クラッド層51d及び金メッキ層51aによって構
成されている。ドープコア51c及びガラスクラッド5
1bは、レーザファイバ10を複数箇所で折り返し、そ
の折り返しの束を加熱することにより隣接するガラスク
ラッド51b同士を融着して形成される。このように形
成されたドープコア51cを含んだガラスクラッド51
bは、ガラスクラッド51bよりも屈折率の低いクラッ
ド層51d(具体例としては透明弗素樹脂或いは無機ガ
ラス)により覆われ、さらにクラッド層51dの表面
は、金メッキ層51aで覆われる。
【0060】バンドル部51の励起光導入部Eの構成に
ついては、第1の実施の形態において図3により説明し
たものと同様な構成とする。また、バンドル部51以外
の構成については、第1の実施の形態と同様であるため
説明を省略する。
【0061】このように、折り返された複数のレーザフ
ァイバ10を融着してバンドル部51を構成することと
しても、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。な
お、本形態では、本構成をファイバレーザとして用いる
こととしたが、光アンプとして用いることとしてもよ
い。
【0062】
【実施例3】第3の実施の形態において、コア径80μ
m、クラッド径125μm、開口数0.35のGa−N
a−S系ガラスファイバでコア内部に0.4at%のP
r3+イオンをドープしたレーザファイバを連続でバン
ドル部分長が200mmになるように折り返した。バン
ドルの折り返し数は90回、ファイバ一往復あたり80
0mm、全長40mのファイバを使用した。バンドル部
の端面に断面形状1.0×0.2mm矩形なおかつ中央
部分が細く引き伸ばされたタイプの開口数約0.2の励
起光導入用ファイバ(クラッド用のGa−Na−S系ガ
ラスで作成)を差し込み、全体を厚さ1mm,内径3×
5mmの矩形断面形状の鉛−シリカガラス製チューブで
囲い込んで、バンドル上部を励起光導入用ファイバのピ
ッグテール部分にしっかりと括り付けてカルコゲナイド
用線引き炉内に設置し、硫化水素5%を含むヘリウム雰
囲気下で約550℃に加熱して矩形断面形状の鉛−シリ
カガラス製チューブごとファイババンドル部を徐々に約
1.6倍の長さになるように引き伸ばした。バンドル部
分を部分的に徐々に融着させ、引き延ばし、さらに雰囲
気ガスとして泡の残りにくいヘリウムを使用したので泡
や、異物がほとんど取り込まれず、高品質の融着が可能
であった。また,雰囲気中の硫化水素によってカルコゲ
ナイドガラスファイバーの表面の結晶化が抑えられた.
この引き延ばしによってバンドル内部の平均コア径は5
0μmになる。しかし、励起光の完全導入のためにテー
パー角10°以下の緩やかな外径変化としたので、径の
変動に伴う損失は低い。冷却した後、励起光導入用ファ
イバの未融着部分には屈折率1.445の紫外線硬化樹
脂を塗布して硬化させた後、バンドル部分全体に金−水
銀アマルガムを塗布して減圧容器中で200℃に加熱
し、水銀を除去して金めっきした。鉛−シリカガラス製
チューブは屈折率が1.73であり,カルコゲナイドガ
ラスのクラッドの屈折率は2.14なのでバンドル部分
を覆うクラッド相の役目を果たす.レーザファイバの端
面は無処理(すなわちフレネル反射約4%)とした。励
起光導入用ファイバの片端には発振波長約1480n
m、最大出力0.25WのErドープファイバー増幅器
16台からの光をクラッド径125μmのファイバーで
励起光導入用ファイバーの片端あたり8本並べて入射
し、バンドル部分に導入した。その結果、波長5μm帯
で出力1Wのレーザ発振を確認できた。
【0063】次に、本発明における第4の実施の形態に
ついて説明する。図7は、第4の実施の形態におけるフ
ァイバレーザ60の構成図である。本形態のファイバレ
ーザ60は、第1の実施の形態におけるファイバレーザ
1の応用例であり、金メッキ加工しさらにその表面を透
明フッ素樹脂で覆った金属治具62、励起光導入ファイ
バ30、レーザファイバ10及び反射ミラー61により
構成されている。
【0064】金属治具62には、六角形の辺を形作る溝
が設けられており、その溝に沿ってレーザファイバ10
が配置されている。レーザファイバ10は、この六角形
の辺に沿って複数回巻き付けられ、その両端を金属治具
62の外部に引き出される。ここで、レーザファイバ1
0の金属治具62から引き出された部分には第2クラッ
ドを設けておく。引き出されたファイバレーザ10の一
端は、反射ミラー61に取り付けられる。また、六角形
の辺を形作る溝はマッチングオイルで満たされており、
これにより金属治具62内部に配置されるレーザファイ
バ10の隙間を埋めている。
【0065】さらに、金属治具62は、先に述べた六角
形の辺を形作る溝の角辺の延長線上に1つずつ、金属治
具62の外部に通ずる溝を有しており、この溝はこの六
角形の辺を形作る溝と金属治具62の外部とをつないで
いる。そして、この六角形の辺を形作る溝と金属治具6
2の外部をつなぐ溝に沿って励起光導入用ファイバ30
が1つずつ配置されており、これらの励起光導入用ファ
イバ30により、金属治具62内のレーザファイバ10
に励起光を導入する。
【0066】励起光の導入により生じたレーザ光は、レ
ーザファイバ10の両端に達する。反射ミラー61を有
する側に達したレーザ光はそこで反射され、最終的に反
射ミラー61を有しないレーザファイバ10のもう一方
側から取り出される。これにより、レーザファイバ10
の反射ミラー61を有しない一端から集中してレーザ光
を取り出すことができる。
【0067】このような構成としても、第1の実施の形
態と同様な効果が得られる。なお、本形態では、本構成
をファイバレーザとして用いることとしたが、反射ミラ
ー61を取り除き、光アンプとして用いることとしても
よい。
【0068】
【実施例4】第4の実施の形態において、コア内部に5
000ppmwtのEr3+イオンと5wt%のYb3+
オンをドープしたSiO2−Al23−Y23−MgO
系ガラスから構成されるコア径10μm、クラッド径1
25μm、開口数0.11のレーザファイバを用いた。
金属治具は真鍮をベース素材とし、その内部表面は鏡面
純金メッキ処理され、さらにその表面を屈折率1.34
の透明弗素樹脂で覆っている。金属治具内の直径は38
0mm程度とし、その金属治具内部に構成された6角形
の溝にレーザファイバを巻き付け収納した。金属治具内
部の6角形各辺の接線方向から周長200mm毎に直径
600μmの励起光導入用ファイバ6本を差し込んだ。
レーザファイバ断面方向には90本のコアが存在する。
レーザファイバは全長120mとした。屈折率1.55
の透明マッチングオイルを金属治具内部に流し込み、し
っかりと蓋(これも鏡面の純金めっきに屈折率1.34
の弗素樹脂をコートしたもの)をした。このように構成
したレーザ本体を同じく屈折率1.55のマッチングオ
イルを入れた筐体内部に収め、全体から脱気して泡を抜
いた。励起光導入用ファイバおよびレーザファイバの端
面は全て筐体内部から取り出した。レーザファイバの片
端には波長1.530〜1.560μmまでの波長多重
信号光光源を接続し、もう一方の片端面は10°の斜め
研磨を施した。
【0069】励起光導入用ファイバのそれぞれの片端
(6個所)には発振波長約0.98μm、最大出力0.
25Wの半導体レーザを結合し、励起光をバンドル部分
に導入した。その結果,最大合計30dBmの信号光出
力を得た。また、6本の励起光光源の強度比率を変更す
ることにより多波長増幅の際の増幅出力スペクトル形状
をコントロールすることができた。
【0070】また、以上の説明において使用するレーザ
ファイバ10の断面形状は円形のものを用いたが、矩
形、D型及び樽型等その他の形状のものを用いてもよ
い。
【0071】
【発明の効果】本発明のファイバレーザでは、非石英系
ガラスファイバからなる光ファイバ束を励起光反射部で
覆い、励起光導入部から励起光を導入する構成としたの
で、導入された励起光は、励起光反射部で反射しながら
光ファイバ束とほぼ平行に進み、光ファイバ束の個々の
コアに吸収され、励起光の吸収率は非常に高くなり、発
振効率が向上する。
【0072】また、本発明のファイバレーザでは、Yb
3+、Er3+、Ce3+、Tm3+、Ho 3+から選ばれる少な
くとも1種類コアとする石英系ガラスファイバからなる
光ファイバ束を励起光反射部で覆い、励起光導入部から
励起光を導入する構成としたので、導入された励起光は
励起光反射部で反射しながら光ファイバ束とほぼ平行に
進み、光ファイバ束の個々のコアに吸収され、励起光の
吸収率は非常に高くなり、発振効率が向上する。
【0073】さらに、本発明の光アンプでは、非石英系
ガラスファイバからなる光ファイバ束を励起光反射部で
覆い、励起光導入部から励起光を導入する構成としたの
で、導入された励起光は励起光反射部で反射しながら光
ファイバ束とほぼ平行に進み、光ファイバ束の個々のコ
アに吸収され、励起光の吸収率は非常に高くなり、増幅
率が向上する。
【0074】また、本発明の光アンプでは、Yb3+、E
3+、Ce3+、Tm3+、Ho3+から選ばれる少なくとも
1種類コアとする石英系ガラスファイバからなる光ファ
イバ束を励起光反射部で覆い、励起光導入部から励起光
を導入する構成としたので、導入された励起光は励起光
反射部で反射しながら光ファイバ束とほぼ平行に進み、
光ファイバ束の個々のコアに吸収され、励起光の吸収率
は非常に高くなり、増幅率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるファイバレーザの構
成図である。
【図2】図1のバンドル部のA−A断面図である。
【図3】図1におけるB部の詳細構成図である。
【図4】第2の実施の形態におけるファイバレーザの構
成図である。
【図5】第3の実施の形態におけるファイバレーザの構
造図である。
【図6】図5のバンドル部のD−D断面図である。
【図7】第4の実施の形態におけるファイバレーザの構
成図である。
【符号の説明】
1 ファイバレーザ 10 レーザファイバ 20 バンドル部 30 励起光導入用ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/17 H01S 3/04 L

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非石英系ファイバを使用してレーザ発振
    を行うファイバレーザにおいて、 レーザ活性物質を含み、少なくとも一つの光路を形成す
    る光ファイバが束状になっている光ファイバ束と、 前記光ファイバ束に前記レーザ活性物質を励起するため
    の励起光を導入する励起光導入部と、 少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起
    光を反射して繰返し前記レーザ活性媒質に吸収されるよ
    うに配置された励起光反射部と、 前記励起光により励起されたレーザ活性物質に起因する
    レーザ光を出力するレーザ出力部と、を有することを特
    徴とするファイバレーザ。
  2. 【請求項2】 励起光導入部が光ファイバからなり、前
    記励起光導入部が光ファイバ束とともに束ねられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバ束の空間は前記光ファイ
    バのクラッドとほぼ同一の屈折率を有する媒質で満たさ
    れていることを特徴とする請求項1記載のファイバレー
    ザ。
  4. 【請求項4】 光ファイバ束内部の隙間に励起光を透過
    する冷媒が充填され、前記冷媒を流すことにより前記光
    ファイバ束の冷却を行うことを特徴とする請求項1に記
    載のファイバレーザ。
  5. 【請求項5】 前記レーザ活性物質は、Nd3+、Y
    3+、Er3+、Pr3+、Ce 3+、Tm3+、Ho3+、Tb
    3+、Dy3+、Eu3+、Eu2+から選ばれる少なくとも1
    種類の物質であることを特徴とする請求項1記載のファ
    イバレーザ。
  6. 【請求項6】 石英系ファイバを使用してレーザ発振を
    行うファイバレーザにおいて、 Yb3+、Er3+、Ce3+、Tm3+、Ho3+から選ばれる
    少なくとも1種類のレーザ活性物質を含み、少なくとも
    一つの光路を形成する光ファイバが束状になっている光
    ファイバ束と、 前記光ファイバ束に前記レーザ活性物質を励起するため
    の励起光を導入する励起光導入部と、 少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、励起
    光を反射して繰返し前記レーザ活性媒質に吸収されるよ
    うに配置された励起光反射部と、 前記励起光により励起されたレーザ活性物質に起因する
    レーザ光を出力するレーザ出力部と、 を有することを特徴とするファイバレーザ。
  7. 【請求項7】 励起光導入部が光ファイバからなり、前
    記励起光導入部が光ファイバ束とともに束ねられている
    ことを特徴とする請求項6に記載のファイバレーザ。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバ束の空間は前記光ファイ
    バのクラッドとほぼ同一の屈折率を有する媒質で満たさ
    れていることを特徴とする請求項6記載のファイバレー
    ザ。
  9. 【請求項9】 光ファイバ束内部の隙間に励起光を透過
    する冷媒が充填され、前記冷媒を流すことにより前記光
    ファイバ束の冷却を行うことを特徴とする請求項6に記
    載のファイバレーザ。
  10. 【請求項10】 非石英系ファイバを使用して光増幅を
    行う光アンプにおいて、 活性物質を含む光ファイバが束状になっている光ファイ
    バ束と、 前記光ファイバ束に励起光を導入する励起光導入部と、 少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、前記
    励起光を反射して繰返し前記活性媒質に吸収されるよう
    に配置された励起光反射部と、 前記励起光により励起された活性物質により増幅された
    信号光を出力する出力部と、 を有することを特徴とする光アンプ。
  11. 【請求項11】 石英系ファイバを使用して光増幅を行
    う光アンプにおいて、 Yb3+、Er3+、Ce3+、Tm3+、Ho3+から選ばれる
    少なくとも1種類のレーザ活性物質を含み、少なくとも
    一つの光路を形成する光ファイバが束状になっている光
    ファイバ束と、 前記光ファイバ束に励起光を導入する励起光導入部と、 少なくとも前記光ファイバ束の側面の一部を覆い、前記
    励起光を反射して繰返し前記活性媒質に吸収されるよう
    に配置された励起光反射部と、 前記励起光により励起された活性物質により増幅された
    信号光を出力する出力部と、を有することを特徴とする
    光アンプ。
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JP2007158013A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Hamamatsu Photonics Kk 光ファイバ構造体および光学装置
JP2014517510A (ja) * 2011-05-03 2014-07-17 アイピージー フォトニクス コーポレーション 2μmの範囲で動作する波長の高出力単一モードファイバーレーザーシステム
CN112851127A (zh) * 2021-01-16 2021-05-28 威海长和光导科技有限公司 一种高增益Ho3+/Tm3+/Yb3+共掺石英光纤及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007158013A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Hamamatsu Photonics Kk 光ファイバ構造体および光学装置
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