JP4170522B2 - レーザ光発生装置の製造方法、及び光アンプの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光発生装置の製造方法及び光アンプの製造方法に関し、特に光ファイバ内のレーザ活性物質に励起光を導入することによってレーザ光の発生、或いは光の増幅を行うレーザ光発生装置の製造方法及び光アンプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信または光加工技術分野において、安価で高出力のレーザ光発生装置の実用化が望まれている。
【0003】
そのような中、光ファイバレーザ発振器または光導波路型レーザ発振器は、コア径及びコアとクラッドの屈折率差を調節して設計、作製することで容易に発振モードを単一にでき、かつ光を高密度に閉じ込めることでレーザ活性物質と光との相互作用を高め、かつ長さを長くすることで相互作用長を大きくとれるので高い効率で空間的に高品質のレーザ光を発生することができることが知られている。
【0004】
ここで、レーザ光の高出力化または高効率化を実現するには、いかに光ファイバまたは光導波路のレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心添加領域(通常はコア部)に効率よく励起光を導入するかが課題となる。
【0005】
しかし、通常単一モードの導波条件にコア径を設定するとその径はレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)の十数μm以下に限定され、この径に効率よく励起光を導入するのは一般に困難である。
【0006】
そこで、クラッド部の外側にクラッド部よりもさらに屈折率が低い透明物質で構成される第2クラッド部を設け、第2クラッド部とクラッド部の屈折率差に起因する全反射によって端面より導入された励起光を第一クラッド部及びコア部内に閉じ込め、レーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)を閉じ込められた励起光が通過するにしたがって徐々にレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心に励起光を吸収させ、高出力のレーザ光を出力する方法が知られている。これが2重クラッド型ファイバレーザである。(E.Snitzer、H.Po、FHakimi、R.Tumminelli、and B.C.McCllum、in Optical Fiber Sensors、Vol.2 of 1988 OSA Tecnical Digest Series(Optical Society of America、Washington、D.C.、1988)、paper PD5.)。
【0007】
しかし、2重クラッド型ファイバレーザの場合、内部のクラッド部の断面形状が円形であるとレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)付近を選択的に透過する励起光のみが効率よくレーザ活性物質に吸収され、そうでない部分の吸収効率が非常に低い。すなわち、モードによる吸収飽和が起こるといった問題があった。
【0008】
そこで、内部のクラッド部の形状を矩形にするような工夫がおこなわれているが、一般に円形以外の断面形状の光ファイバを作製するのは困難であり、かつ機械的な強度にも不足しがちである。
【0009】
これらの問題を解決するものとして、光ファイバにおけるレーザ活性イオンまたは色素その他の発光中心の添加領域(通常はコア部)に対し、側面から励起光を導入する光ファイバレーザ装置(特開平10−135548)及びレーザ装置(特開平10−190097)が提案されている。
【0010】
特に、特開平10−135548で開示されている光ファイバレーザ装置、及び特開平10−190097で開示されているレーザ装置のうち、光ファイバを渦巻き状に巻き付けることにより光ファイバをディスク状に配置し、ディスク状に配置された光ファイバの側面から励起光を導入する形態の場合、光ファイバの束を薄く形成できるため、光ファイバ束の型くずれをおこすことなく均一に光ファイバ束を融着することが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、石英系の光ファイバを用いる場合、石英系の光ファイバはヤング率が高いため曲げに対する復元力が大きく、光ファイバを渦巻き状に巻き付けてディスク状に配置するためには光ファイバをリールで抑え込む必要がある。ここで、光ファイバは加熱によって融着されるため、光ファイバを樹脂等で被覆することができず、この光ファイバを抑えるリールと光ファイバは直接接することとなる。そのため、このリールと光ファイバとの接触部において光ファイバ表面が傷ついてしまうという問題点がある。
【0012】
また、光ファイバをディスク状に配置する場合、光ファイバには大きな曲げ応力が加わることとなるため、この曲げ応力によって光ファイバが破断してしまうという問題点もある。
【0013】
さらに、光ファイバを渦巻き状に配置する場合、光ファイバの一端面は渦巻きの中心部に配置されることとなるため、渦巻きの中心部に配置される光ファイバ端面の処理が施しにくいという問題点もある。
【0014】
また、光ファイバを渦巻き状に配置する方法では、励起光を光ファイバの側面方向から入射させることとしていたため、励起光の光ファイバでの散乱が大きく、励起光導入効率が低いという問題点がある。
【0015】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、光ファイバを破損することなく薄型の光ファイバ束を形成でき、光ファイバの端面処理が容易で、励起光導入効率の高いレーザ光発生装置の製造方法及び光アンプの製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、レーザ活性物質を構成する光ファイバのコアに励起光を供給することによってレーザ光を発生させるレーザ光発生装置の製造方法において、前記光ファイバを周回させながら筒状に配置する筒状配置工程と、筒状に配置された前記光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込む押さえ込み工程と、束状に押さえ込まれた前記光ファイバの少なくとも一部の配置を固定する配置固定工程と、平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する励起光導入部配置工程とを有することを特徴とするレーザ光発生装置の製造方法が提供される。
【0017】
ここで、筒状配置工程は、光ファイバを周回させながら筒状に配置し、押さえ込み工程は、筒状に配置された光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込み、配置固定工程は、束状に押さえ込まれた光ファイバの少なくとも一部の配置を固定し、励起光導入部配置工程は、平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する。
【0018】
また、レーザ活性物質を構成する光ファイバのコアに励起光を供給することによって光の増幅を行う光アンプの製造方法において、前記光ファイバを周回させながら筒状に配置する筒状配置工程と、筒状に配置された前記光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込む押さえ込み工程と、束状に押さえ込まれた前記光ファイバの少なくとも一部の配置を固定する配置固定工程と、平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する励起光導入部配置工程とを有することを特徴とする光アンプの製造方法が提供される。
【0019】
ここで、筒状配置工程は、光ファイバを周回させながら筒状に配置し、押さえ込み工程は、筒状に配置された光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込み、配置固定工程は、束状に押さえ込まれた光ファイバの少なくとも一部の配置を固定し、励起光導入部配置工程は、平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、第1の実施の形態におけるレーザ光発生装置1の平面図である。
レーザ光発生装置1は、レーザ活性物質を含む一つながりの光ファイバ2、レーザ光の反射を行う反射ミラー3、光ファイバ2に励起光7を導入するプリズム4a、4b、及び光ファイバ2を平面状に挟み込むガラス平板5によって構成されている。
【0022】
光ファイバ2は複数箇所で折り返され、両端に折り返し部分を有する光ファイバ2の束を構成する。光ファイバ2の束の折り返し部分に挟まれた部分において、各光ファイバ2は直線状に配置され、直線状に配置された各光ファイバ2を互いに略平行に配列することにより、平面状の光ファイバ2の束を構成する。ここで、光ファイバ2を平面状に整列させるには、まず、光ファイバ巻き取り機を用いて光ファイバ2を適当な大きさの巻き取りドラムに重なることなく密に巻き付ける。この巻き取りドラムは巻かれた光ファイバ2がその列を乱すことなく引き抜けるような工夫が施してある。巻かれた光ファイバ2にはその列を保つための剥離可能な粘着テープが数箇所貼られ、巻かれた光ファイバ2はその列を保ったまま巻き取りドラムから引き抜かれる。ここで引き抜かれた光ファイバ2は、その列を保ったまま側面方向に押さえ込まれ、向かい合う一組の側面が重なり合うように配置される。押さえ込まれた側面部における光ファイバ2は直線状に配置され、この直線状に配置された光ファイバ2が互いに略平行に配列されることにより平面状の束を形成する。この平面状の束を構成する光ファイバ2の直線部分は、あらかじめ溝の掘ってある薄い石英板で形状を保持する。この工程において、光ファイバ2の破断を防ぐため光ファイバ2には機械的強度を保てる程度の樹脂コーティングがなされていることが望ましく、コーティングに用いられるコーティング樹脂は有機溶剤で容易に除去できる方が望ましい。また、このコーティング樹脂を除去するほかの手段としてプラズマ処理による乾式の除去も可能である。コーティング樹脂の除去は全体にわたってのみならず、一部であってもよい。例えば、励起光吸収部分のみを除去し、ループ部分はそのまま樹脂のついたままということも可能である。この場合、コーティング樹脂にクラッドよりも屈折率の低い透明樹脂を用いると、後述する励起光が光ファイバ2の内部を周回しながらコアに吸収される形態を簡単に構成することができるため、より望ましい。また、光ファイバ2の折り返し部分も平面状に配置され、この際、折り返し部分の光ファイバ2の重なりは3層以下とすることが望ましい。
【0023】
光ファイバ2としては、石英系或いは非石英系のどちらのファイバを使用してもよいが、フッ化物ガラス、カルコゲナイトガラス、テルライトガラス等の非石英系ファイバを用いた場合、そのマルチフェノン吸収によって、石英系ファイバでは実現できない波長を含む中赤外域のレーザ発振が可能となる。例えば、非石英系ファイバにおいてCe3+をコアとして用いた場合、波長5μmのレーザ光を発振することができる。非石英系ファイバにおいてその他の材質をコアとして用いた場合のレーザ波長を羅列すると、Pr3+:5μm、1.3μm、2.3μm/Nd3+:5μm、2.5μm/Tb3+:5μm/Dy3+:3μm、1.34μm、1.7μm/Ho3+:5μm、4μm、3μm、2μm/Er3+:3μm、3.5μm、4μm/Tm3+:5.5μm、4μm、2μm、1.2μmのようになる。また、一般にフッ化物ガラス、カルコゲナイトガラス、テルライトガラス等は、ESA(励起準位からの吸収)による多光子吸収の強度も石英系ファイバに比べて大きく、長波長から短波長への振動周波数上方変換が可能である。この例としては、コアとしてEr3+を用いた場合の緑色レーザ、Pr3+を用いた場合の赤、緑、青色レーザ、Tm3+を用いた場合の青色レーザ等がある。また、フッ化物ガラス或いはカルコゲナイトガラスを用い、Pr3+をコアとして光アンプを構成する場合、石英系ファイバでは増幅困難な波長1.3μm帯の光信号を増幅することが可能となる。さらに、多成分アルミノシリケートガラスやテルライトガラスを用い、Er3+をコアとして光アンプを構成した場合、1.5μm帯域での光信号増幅における増幅利得の波長依存性が石英系ファイバに比べてより平坦で、多重波長光通信において非常に広帯域の増幅が可能となる。
【0024】
また、光ファイバ2の断面形状は、円形、矩形等どのようなものでもよいが、光ファイバ2の断面形状が円形である場合、光ファイバ2の束の直線部分と折り返し部分の接点部分における励起光7の受け渡し効率は70〜90%程度と低い。また、光ファイバ2の断面形状が円形である場合、折り返し部分の光ファイバ2の内部を進む励起光7はほとんどコアに吸収されない。そのため、光ファイバ2の断面形状は、矩形等、円形形状以外のものが望ましい。
【0025】
このように構成された光ファイバ2の束は、その上下を光ファイバ2のクラッドと光の屈折率のほぼ等しいガラス平板5によって挟み込まれ、光ファイバ2の束を平面状に配置する。この際、光ファイバ2の両端面は、ガラス平板5の外部に配置する。ガラス平板5の外部に配置された光ファイバ2の両端面のうち一端面には、反射ミラー3が取り付けられる。
【0026】
次に、ガラス平板5によって挟み込まれた光ファイバ2の束を熱融着することにより一体化する。ここで、光ファイバ2の束の折り返し部分については、熱融着をすることとしてもよいし、しないこととしてもよいが、熱融着された折り返し部分は強度が低下する可能性が大きいため、熱融着しないことが望ましい。
【0027】
熱融着後、励起光の吸収効率を上げるため、ガラス平板5の表面を光学的精度で研磨する。ここで、研磨後のガラス平板5の表面における研磨精度が十分でない場合には、研磨後のガラス平板5の表面に透明フッ素樹脂を塗布するか、クラッドよりも屈折率の低い透明オイルをガラス平板5の表面に塗布、或いは流動させることとしてもよい。なお、研磨のみで十分な精度が保てる場合には、研磨後の表面状態のままとしてもよい。
【0028】
表面研磨及び透明フッ素樹脂塗布等の表面処理が終了したガラス平板5の上面には、プリズム4a、4bが配置される。ここで、プリズム4a、4bは、光ファイバ2が形成する平面状の束が有する直線部分の上部に構成される。なお、プリズム4a、4bの光の屈折率はクラッドの光の屈折率よりも大きいことが望ましい。
【0029】
図2は、図1のA−A断面図である。
光ファイバ2は、レーザ活性物質であるコア2aを中心とし、その周りをクラッド2bが取り囲む同軸構造を取るが、本形態のレーザ光発生装置1のA−A断面部分は、各光ファイバ2のクラッド2bを熱融着しているため、熱融着されたクラッド2bの中に複数のコア2aが点在する構成となる。熱融着されたクラッド2bは、上下からガラス平板5で挟み込まれ、ガラス平板5の上下を透明フッ素樹脂層6が覆っている。以上、光ファイバの束が平面状の場合について説明したが、励起光の閉じこめが可能であり、励起光導入部を設けることができる形状ならば、光ファイバの束を曲面状にしてもよい。
【0030】
次に、本形態におけるレーザ光発生装置1の全体の動作について説明する。
図示していない励起光源により出射された励起光7は、図示していないシリンドリカルレンズ等によって平行光に変換され、平行光に変換された励起光7は、石英ガラス等により構成されたプリズム4a、4bを介して光ファイバ2の束の直線部分に導入される。ここで励起光源としては、波長1.5μm、0.98μm、0.9μm、0.8μm、0.67μm等のLD(レーザダイオード)を使用することができる。また、LD励起の個体レーザを励起光源とすることもできる。この場合、波長選択幅が広がり、1.06μm、1.1μm、0.53μm等の波長の励起光も選択することが可能となる。
【0031】
このような励起光7を後述する条件で導入することで、導入された励起光7はガラス平板5の内側で全反射を繰り返しながらコア2aに達する。ここで、導入される励起光7の70%以上がこの直線部分における光ファイバ2のコア2aで吸収されるようにすることが好ましい。なお、直線部分で吸収しきれなかった励起光7が光ファイバ2の折り返し部分を介し、再び直線部分に達するように周回しながらコア2aに吸収されることとしてもよい。
【0032】
励起光7が導入されたコア2aはレーザ光を発生し、レーザ光はコア2aとクラッド2bの境界部分で全反射しながらコア2a内部を進み、光ファイバ2の両端部に達する。この際、光ファイバ2の両端部のうち反射ミラー3が取り付けられている側に達したレーザ光は、反射ミラー3により反射され、光ファイバ2のコア2a内部を進み、反射ミラー3が取り付けられていない光ファイバ2の一端(フレネル反射のみ存在)へ達する。反射ミラー3が取り付けられていない光ファイバ2の一端に達したレーザ光はその断面部から取り出される。
【0033】
図3は、励起光7がコア2aに導入される様子を示した構成図である。
プリズム4aの光の屈折率がクラッド2bの光の屈折率よりも大きい場合、プリズム4aに入射した励起光7は、励起光7の進行方向とコア2aの長手方向とでなす角度がより小さくなるようにプリズム4aとクラッド2bとの境界部で屈折する。一般に、励起光7がコア2aに照射される際における励起光7の散乱量は、励起光7の進行方向とコア2aの長手方向とでなす角度が90°の際に最大となり、その角度が小さくなるほど散乱量も小さくなる。そのため、励起光7がこのように屈折してコア2aに導入されることにより、励起光7のコア2aでの散乱を小さく抑えることが可能となる。また、励起光7の進行方向とコア2aとでなす角度が小さくなることにより、一回あたりに励起光7がコア2aを横切る距離が長くなり、これによって、より効率よく励起光7をコア2aに導入することが可能となる。
【0034】
図4は、励起光7の入射条件を示した図である。
この図で、dはガラス平板5に挟まれた光ファイバ2の束の厚みを、n1はプリズム4aの光の屈折率を、n2はクラッド2bの光の屈折率を、n3はガラス平板5の屈折率を示している。また、θ0はプリズム4a、4bに入射する励起光7が光ファイバ2の束となす角度を、θ1は屈折後の励起光7が光ファイバ2の束となす角度を、Δx1はクラッド2b内部で反射する励起光7が1つの反射から次ぎの反射までに進む距離の光ファイバ2の長手方向成分を、Δx0は励起光7のクラッド2bへの入射点からプリズム4aのエッジ部分までの距離を示している。
【0035】
以下にθ0、θ1、n1、n2、n3、d、及びガラス平板5での全反射角θmaxについての関係式を表す。
【0036】
【数1】
θ1=cos-1(n2・(cosθ0)/n1)
【0037】
【数2】
Δx1=d/tanθ1
【0038】
【数3】
θmax=90°−sin-1(n3/n2)
ここで、励起光7がガラス平板5の内部を全反射しながら進んで行くためには、θ1<θmaxの条件を満たさなければならない。また、プリズム4aから導入された励起光7がガラス平板5で反射し、再びプリズム4aから外部に漏れ出すことのないよう、2Δx1>Δx0の条件を満たさなければならない。具体例として、d=0.125mm、n1=n2=1.458、n3=1.33、θ0=5°の場合、θ1=5°、θmax=24.2°、2Δx0≒2.9mmとなり、Δx0<2.9mmとすることで条件を満たす。
【0039】
このように、本形態では、光ファイバ2をドラムに巻き付け、巻き付けられた形状を維持したまま光ファイバ2を取り出し、取り出された光ファイバ2を側面方向に押さえ込んで直線部分を有する平面状に配置することとしたため、光ファイバ2を破損することなく薄型の光ファイバ束を形成することが可能となる。
【0040】
また、光ファイバ2の端面は光ファイバ束の外部に配置されることとなるため、光ファイバ2の端面処理が容易になる。
さらに、光ファイバ2により構成された平面部分の上面から光ファイバ2と略平行に励起光7を導入する構成としたため、励起光7を効率よく光ファイバ2に導入することが可能となる。
【0041】
なお、本形態では光ファイバ2の束を熱融着することとしたが、無機或いは有機の透明な接着剤を塗布して光ファイバ2同士を接着することとしてもよい。
また、本形態では平面状の光ファイバ2の束を一枚のみ構成することとしたが、複数枚の光ファイバ2の平面束を構成し、そのうち少なくとも2枚以上の平面束を直列に結合することとしてもよい。
【0042】
さらに、本形態では本構成をレーザ光発生装置1として用いたが、反射ミラー3を取り外し、光アンプとして用いることとしてもよい。
【0043】
【実施例1】
第1の実施の形態において、光ファイバとして、一つながりのコア径50μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバのコア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープしたものを用いた。光ファイバは複数回折り返され、折り返し部分に挟まれた中央部分が200×15mmの平板状になるように厚さ0.15mmの石英薄板上に密に並べた。光ファイバは2枚の石英薄板で挟み込み、減圧下(10-4Pa以下)で1550℃、30分の加熱処理を行なった。ここで、石英薄板のサイドには光ファイバのばらけを防止するため、厚さ0.10mmの石英の帯状治具を設置し、石英薄板のサイドを保持した。
【0044】
その結果、全ガラスタイプの平板型レーザ構造体が作成された。この平板型構造体を30wt%のHF水溶液でエッチングして、厚みを0.12mmまで薄くした。その後、酸水素バーナーにて構造体の表面をファイヤーポリッシュして鏡面に整えた。この平板型構造体に石英製のプリズムを耐熱性の光学接着剤で取り付け、プリズム以外の部分には屈折率1.33の透明フッ素樹脂をコーティングした。さらにプリズム部分を残して金膜を蒸着した。
【0045】
プリズムからは平行光に成形された発振波長0.8μmの励起光を合計で40W投入した。光ファイバの片端面は反射率99%の反射ミラーを押し付け、もう一端面は破断面のままとした。結果、8Wの波長1.06μm帯のレーザ発振を確認できた。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は、本形態におけるレーザ光発生装置10の構成を示した平面図である。
レーザ光発生装置10は、光ファイバ12、ガラス平板13、プリズム15によって構成されている。
【0047】
光ファイバ12は、第1の実施の形態で述べた光ファイバ巻き取り機を用い、適当な大きさの巻き取りドラムに重なることなく密に巻き付けられ、その形状を維持したまま取り出される。取り出された光ファイバ12は円筒形状を形成しており、その円筒の中心軸がその円筒の底面上に配置されるように、光ファイバ12の円筒を斜めに押し倒すことにより光ファイバ12を平面状に配置する。
【0048】
このように平面状に配置された光ファイバ12は、ガラス平板13によって挟み込まれ、そのまま熱融着される。この際、光ファイバ12の両端はガラス平板13の外部に引き出された状態で配置される。
【0049】
光ファイバ12を挟み込んだガラス平板13の上面には励起光14を導入するプリズム15が配置される。プリズム15は、その長手方向の中心軸がすべての光ファイバ12と垂直に交わる位置に配置され、その直下に位置する光ファイバ12と略平行に励起光14を導入する。
【0050】
励起光14が導入された光ファイバ12は第1の実施の形態と同様にレーザ光を発生し、発生したレーザ光は光ファイバ12のコア内部を進み、光ファイバ12の両断面から取り出される。
【0051】
このように、本形態のように光ファイバ12を構成することとしても第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
なお、本形態では本構成をレーザ光発生装置10として用いたが、同一の構成を光アンプとして用いることとしてもよい。
【0052】
【実施例2】
第2の実施の形態において、コア径50μm、クラッド径125μm、開口数0.2の石英系ガラスファイバのコア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープした一つながりの光ファイバを用いた。前述の図5に示したように光ファイバを配置した後、直径250mmφ、厚さ0.5mmのほう珪酸塩系ガラス板(屈折率1.47)2枚で光ファイバを挟みこんだ。これを減圧下(10-4Pa以下)、900℃で30分加熱し、泡の入らない一体型の構成を作成した。これを両面から研削、研磨し、厚みを130μmに整えた(以下平面構造体)。
【0053】
平板円形構造体の中央部には長さ240mmの石英プリズムを設置した。このプリズムは両側に励起光投入面(斜めの面)を持つ。その後、プリズム部分を除いて屈折率1.33の透明フッ素樹脂をコーティングし、さらに金を蒸着した。
【0054】
そして設置された中心に設置されたプリズムの両側から発振波長0.8μmのレーザダイオードからの励起光を合計で100W投入した。レーザファイバの両端面は破断面のままとした。結果、合計で40Wの波長1.06μm帯のレーザ発振を確認できた。
【0055】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図6は本形態におけるレーザ光発生装置20の構成を示した平面図である。
レーザ光発生装置20は、光ファイバ21、反射ミラー22、ガラス平板23a、23b、及び光ファイバ21に励起光を導入するテープ状ガラス板24によって構成される。
【0056】
光ファイバ21は、第1の実施の形態で述べた光ファイバ巻き取り機を用い、適当な大きさの巻き取りドラムに重なることなく密に巻き付けられ、その形状を維持したまま取り出される。取り出された光ファイバ21は円筒形状を形成しており、その円筒側面での光ファイバ21束の配列を維持したまま、円筒側面方向から押さえ込んで配置される。この際、押さえ込む方向に位置する円筒の向かい合う側面は、互いに重ならないように配置され、これらの部分に位置する光ファイバ21が直線状に配置されることにより平面状の束を形成する。このように配置された光ファイバ21の直線部分は、ガラス平板23a、23bによってはさみこまれ、そのまま熱融着される。この際、光ファイバ21において、ガラス平板23a、23bにはさみ込まれていない部分には第2クラッドを設ける。また、光ファイバ21の直線部分の一端には、励起光25導入のためのテープ状ガラス板24が取り付けられる。テープ状ガラス板24はその外部にクラッド層を有しており、励起光25は、このクラッド層の内部で全反射しながらテープ状ガラス平板24の内部を進み、光ファイバ21の直線部分に導入される。また、光ファイバ21の両端部はガラス平板23a、23bの外部に配置され、外部に配置された光ファイバ21の両端部の一端には反射ミラー22が取り付けられる。なお、ガラス平板23a、23bは、同一平面上にあってもよいし、同一平面上になくてもよい。
【0057】
図7は、光ファイバ21に導入される励起光25の入射条件を示した断面図である。
ここで、Lはテープ状ガラス板24の厚みを、dは直線状に配置される光ファイバ21の厚みを、θ0はテープ状ガラス板と直線状に配置された光ファイバ21とでなす角度を、θ1は光ファイバ21の直線部分へ導入される励起光25の導入最大角度を、x0はテープ状ガラス板24と光ファイバ21との接触部の長さを、x1は光ファイバ21に導入された励起光25の光ファイバ21への入射位置から2回目の反射位置までの距離を示しており、n1、n2、n3はそれぞれ、テープ状ガラス板24のクラッド層の屈折率、光ファイバ21のクラッドの屈折率、ガラス平板23a、23bの屈折率を示している。また、θmaxfはテープ状ガラス板24内部での励起光臨界反射角を示している。以下に、L、d、θ0、θ1、x0、x1、n1、n2、n3、θmaxf、及びガラス平板23aに挟まれた光ファイバ21の直線部分における励起光臨界反射角であるθmaxsの関係式を示す。
【0058】
【数4】
θ1=θmaxf+θ0
【0059】
【数5】
x0=L/sinθ0
【0060】
【数6】
x1=2d/tanθ1
【0061】
【数7】
θmaxf=cos-1(n1/n2)
【0062】
【数8】
θmaxs=cos-1(n3/n2)
ここで、テープ状ガラス板24から導入された励起光25が、ガラス平板23aに挟まれた光ファイバ21の直線部分を全反射しながら進んでいくためには、θ1<θmaxsの条件を満たさなければならない。また、一旦テープ状ガラス板24から光ファイバ21に導入された励起光25がガラス平板23aで反射し、テープ状ガラス板24と光ファイバ21との接点部分から漏れ出すことのないよう、x1>x0の条件を満たさなければならない。具体例として、L=152μm、d=125μm、θ0=15.9°、n1=1.4428、n2=1.458、n3=1.33の場合、θmaxf=8.3°、θ1=24.18°、θmaxs=24.19°、x0=555μm、x1=557μmとなり、θ1<θmaxs及びx1>x0の条件を満たす。
【0063】
このように導入された励起光25は、光ファイバ21内部のコアに達し、励起光25が達した光ファイバ21はレーザ光を発生する。発生したレーザ光は光ファイバ21の両端部に達し、反射ミラー22が取り付けられている側の一端に達したレーザ光は、反射ミラー22で反射される。これにより、発生したレーザ光は反射ミラー22が取り付けられていない一端側から集中して取り出される。
【0064】
このように、本形態のようにレーザ光発生装置20を構成することとしても第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
なお、本形態では本構成をレーザ光発生装置20として用いたが、反射ミラー22を取り外し、光アンプとして用いることとしてもよい。
【0065】
【実施例3】
第3の実施の形態において、光ファイバとして、コア径40μm、クラッド径125×125μmの正方形断面形状を持つ開口数0.2の石英系ガラスファイバを用い、コア内部に0.4at%のNd3+イオンをドープした。また、光ファイバの表面を屈折率1.38の紫外線硬化樹脂でコーティングした。光ファイバが直線状に配置される部分を2箇所形成し、それぞれの直線部分が形成する平面の大きさが100×12mmの平板状になるように0.1mmのほう珪酸塩系ガラス板2枚でその直線部分を挟み込んだ。
【0066】
両端のループ部分をコーティングごと耐熱性接着剤で固め、直線部分を有機溶媒に浸して被覆を除去し、ほう珪酸塩系ガラス板の上で再配列させることにより形成した。そして全体を減圧容器に入れ、平板状のヒータを使用して直線部分だけを900℃に加熱し、上下よりヒータでプレスして石英ファイバをほう珪酸塩系ガラス板中に挟み込んだ。この際、ほう珪酸塩系ガラスからはみ出している光ファイバのコーティングまたは接着剤の付いていない部分に改めて接着剤を塗布した。その後、この平板型構造体を30wt%のHF水溶液でエッチングして厚みを0.12mmまで薄くし、さらにガラス部分の表面に薄く屈折率1.47の光学用透明接着剤を塗布して表面の凹凸を無くした。
【0067】
この平板型構造体に厚さ0.12mm、長さ150mm、幅12mmのほう珪酸塩系ガラスのテープ状ガラス板を接着した。この際、テープ状ガラス板の接着部分に角度10°の斜め研磨を施した。また、テープ状ガラス板の側面には屈折率1.46の励起光波長で透明な紫外線硬化樹脂を塗布した。
【0068】
その後、励起光導入用ガラス板以外の構造体の部分に屈折率1.33の透明フッ素樹脂をコーティングし、さらに金膜を蒸着した。2枚の励起光導入用テープ状ガラス板の端面から発振波長0.8μmの励起光を合計で20W投入した。励起光は直線部分だけでは吸収しきれなかったが、吸収しきれなかった励起光の90%は、ループ部分を介してもう一方の直線部分に投入されていることが観測された。
【0069】
光ファイバの片端面は反射率99%の反射ミラーを押し付け、もう一端面は破断面のままとした。結果、4Wの波長1.06μm帯のレーザ発振を確認できた。
【0070】
【実施例4】
第3の実施の形態において、光ファイバとして、コア径40μm、クラッド径125×125μmの正方形断面形状を持つ開口数0.2の石英系ガラスファイバを用い、コア内部に0.4at%のYb3+イオンをドープした。また、光ファイバの表面を屈折率1.38の紫外線硬化樹脂でコーティングした。光ファイバが直線状に配置される部分を2箇所形成し、それぞれの直線部分が形成する平面の大きさが100x12mmの平板状になるように0.1mmのほう珪酸塩系ガラス板2枚でその直線部分を挟み込んだ。
【0071】
両端のループ部分をコーティングごと耐熱性接着剤で固め、直線部分を有機溶媒に浸して被覆を除去し、ほう珪酸塩系ガラス板の上で再配列させることにより形成した。そして全体を減圧用気に入れ、平板状のヒータを使用して直線部分だけを900℃に加熱し、上下よりヒータでプレスして石英ファイバをほう珪酸塩系ガラス板中に挟み込んだ。この際、ほう珪酸塩系ガラスからはみ出している光ファイバのコーティングまたは接着剤の付いていない部分に改めて接着剤を塗布した。その後、この平板型構造体を30wt%のHF水溶液でエッチングして厚みを0.12mmまで薄くし、さらにガラス部分の表面に薄く屈折率1.47の光学用透明接着剤を塗布して表面の凹凸を無くした。
【0072】
この平板型構造体に厚さ0.12mm、長さ150mm、幅12mmのパイレックス製のテープ状ガラス板を接着した。この際、テープ状ガラス板の接着部分に角度10°の斜め研磨を施した。また、テープ状ガラス板の側面には屈折率1.46の励起光波長で透明な紫外線硬化樹脂を塗布した。
【0073】
その後、励起光導入用ガラス板以外の構造体の部分に屈折率1.33の透明フッ素樹脂をコーティングし、さらに金膜を蒸着した。励起光導入用テープ状ガラス板の端面から発振波長0.9μmの励起光を合計で20W投入した。励起光は直線部分だけでは吸収しきれなかったが、吸収しきれなかった励起光の90%は、ループ部分を介してもう一方の直線部分に投入されていることが観測された。
【0074】
光ファイバの片端面は反射率99%のミラーを押し付け、もう一端面は破断面のままとした。結果、10Wの波長1.03μm帯のレーザ発振を確認できた。
【0075】
【実施例5】
第3の実施の形態において、光ファイバとして、コア径450μm、クラッド径500×500μmの正方形断面形状を持つ開口数0.2のAlF3−ZrF4系ガラスファイバを用い、コア内部に15at%のEr3+イオンをドープした。また、光ファイバの表面を屈折率1.38の紫外線硬化樹脂でコーティングした。光ファイバが直線状に配置される部分を2箇所形成し、それぞれの直線部分が形成する平面の大きさが50×12mmの平板状になるように配置した。
【0076】
コーティングしたファイバの両端のループ部分をコーティングごと耐熱性接着剤で固め、直線部分を有機溶剤に浸して被覆を除去して再配列した。その後、全体を雰囲気制御可能な容器(グローブボックス)に入れ、光ファイバの直線部分のみを400℃の平面状のヒータによりプレスし、フッ化物ファイバ同士を融着した。この際、融着部分からはみ出した光ファイバのうちコーティング或いは接着剤の付いていない部分に改めて樹脂を塗布した。その後、この平板型構造体の表面を20wt%の硝酸アルミニウム、及び5wt%の硼酸を含む5Nの硝酸を用いて5μm程度エッチングし、表面に発生した結晶粒を除去した。その後、平板型構造体のガラス部分に屈折率1.44の光学用透明樹脂を薄く塗布して表面の凹凸を無くした。そして、その表面に、光ファイバのクラッドと同じ組成で、厚さ0.12mm、長さ150mm、幅12mmのAlF3−ZrF4製テープ状板を接着した。ここで、テープ状板の側面には励起光波長で透明で、屈折率1.43の紫外線硬化樹脂を塗布しておく。また、テープ状板の接着部分に角度10°の斜め研磨を施した。その後、平板型構造体におけるテープ状板以外の部分を屈折率1.33の透明フッ素樹脂でコーティングした。
【0077】
このように構成されたレーザ発生装置のテープ状板の端面から、レーザダイオードから発振された励起光をパルス的に合計1W導入した(10pps、パルス幅500μs)。光ファイバの片端面には波長2.8μmの光に対する反射率が99%のミラーを取り付け、もう一端面は破断面のままとした。結果、0.1W(10mJ/puls、10pps)の波長2.8μm帯のパルスレーザを確認できた。
【0078】
【実施例6】
本件実施例では、光ファイバとして、コア径8μm、クラッド径125μm、開口数0.1の石英系ガラスファイバを用い、コア内部に0.5at%のNd3+イオンをドープした。また、光ファイバの表面を屈折率1.38の紫外線硬化樹脂でコーティングした。光ファイバが直線状に配置される部分を2箇所形成し、それぞれの直線部分が形成する平面の大きさが1000×12mmの平板状になるように0.1mmのほう珪酸塩系ガラス板(商品名 パイレックス)2枚でその直線部分を挟み込んだ。その後の作成工程は実施例3と同様である。
【0079】
励起光導入用ガラス板の端面から発振波長0.8μmの励起光を合計で10W投入した。光ファイバの片端面から波長1.06μmの信号光(0dBm)を投入した。そしてもう一端面からの出力信号をパワーメータで測定したところ、信号光は30dBmに増幅していた。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のレーザ光発生装置の製造方法では、光ファイバを筒状に巻き付け、筒状に配置された光ファイバを、平坦部を有する束状に押さえ込むこととしたため、光ファイバを破損することなく薄型の光ファイバ束を形成することが可能となる。
【0081】
また、光ファイバの端面は光ファイバ束の外部に配置されることとなるため、光ファイバの端面処理が容易になる。
さらに、光ファイバにより構成された平坦部を有する束上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する構成としたため、励起光を効率よく光ファイバに導入することが可能となる。
【0082】
また、本発明の光アンプの製造方法では、光ファイバを筒状に巻き付け、筒状に配置された光ファイバを、平坦部を有する束状に押さえ込むこととしたため、光ファイバを破損することなく薄型の光ファイバ束を形成することが可能となる。
【0083】
また、光ファイバの端面は光ファイバ束の外部に配置されることとなるため、光ファイバの端面処理が容易になる。
さらに、光ファイバにより構成された平坦部を有する束上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する構成としたため、励起光を効率よく光ファイバに導入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるレーザ光発生装置の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】励起光がコアに導入される様子を示した構成図である。
【図4】励起光の入射条件を示した図である。
【図5】第2の実施の形態におけるレーザ光発生装置の構成を示した平面図である。
【図6】第3の実施の形態におけるレーザ光発生装置の構成を示した平面図である。
【図7】光ファイバに導入される励起光の入射条件を示した断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光発生装置
2 光ファイバ
3 反射ミラー
4a プリズム
4b プリズム
5 ガラス平板
7 励起光
Claims (10)
- レーザ活性物質を構成する光ファイバのコアに励起光を供給することによってレーザ光を発生させるレーザ光発生装置の製造方法において、
前記光ファイバを周回させながら筒状に配置する筒状配置工程と、
筒状に配置された前記光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込む押さえ込み工程と、
束状に押さえ込まれた前記光ファイバの少なくとも一部の配置を固定する配置固定工程と、
平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する励起光導入部配置工程と、
を有することを特徴とするレーザ光発生装置の製造方法。 - 励起光導入部配置工程は、前記励起光が前記光ファイバと略平行に導入されるように前記励起光導入部を配置することを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置の製造方法。
- 前記筒状配置工程は、前記光ファイバを隙間なく筒状に配置し、
前記押さえ込み工程は、前記筒状配置工程により配置された前記光ファイバの筒形状における向かい合う一組の側面が重なるように前記光ファイバを押さえ込み、押さえ込まれた側面部における少なくとも一部の前記光ファイバを直線上に配置し、直線上に配置された前記光ファイバによって略平面状の束を形成し、
前記配置固定工程は、前記光ファイバにより構成される前記略平面状の束を融着して固定することを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置の製造方法。 - 前記押さえ込み工程は、前記筒状配置工程により配置された前記光ファイバの筒形状の中心軸が前記光ファイバの筒形状の底面上に配置されるように前記光ファイバを押さえ込んで前記光ファイバを略平面状に配置し、
前記配置固定工程は、前記略平面状に配置された前記光ファイバを融着することにより、前記略平面状に配置された前記光ファイバの配置を固定することを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置の製造方法。 - 前記筒状配置工程は、前記光ファイバを隙間なく筒状に配置し、
前記押さえ込み工程は、前記光ファイバが形成する筒形状における2箇所以上の側面がそれぞれ略平面を形成し、前記略平面を形成する前記光ファイバの少なくとも一部が直線状に配置されるように前記光ファイバを押さえ込み、
前記配置固定工程は、略平面状に押さえ込まれた前記光ファイバを融着して固定することを特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置の製造方法。 - レーザ活性物質を構成する光ファイバのコアに励起光を供給することによって光の増幅を行う光アンプの製造方法において、
前記光ファイバを周回させながら筒状に配置する筒状配置工程と、
筒状に配置された前記光ファイバの少なくとも一部を、平坦部を有する束状に押さえ込む押さえ込み工程と、
束状に押さえ込まれた前記光ファイバの少なくとも一部の配置を固定する配置固定工程と、
平坦部を有する束状に形成された前記光ファイバの上面或いは下面の少なくとも一方から励起光を導入する励起光導入部を配置する励起光導入部配置工程と、
を有することを特徴とする光アンプの製造方法。 - 励起光導入部配置工程は、前記励起光が前記光ファイバと略平行に導入されるように前記励起光導入部を配置することを特徴とする請求項6記載の光アンプの製造方法。
- 前記筒状配置工程は、前記光ファイバを隙間なく筒状に配置し、
前記押さえ込み工程は、前記筒状配置工程により配置された前記光ファイバの筒形状における向かい合う一組の側面が重なるように前記光ファイバを押さえ込み、押さえ込まれた側面部における少なくとも一部の前記光ファイバを直線上に配置し、直線上に配置された前記光ファイバによって略平面状の束を形成し、
前記配置固定工程は、前記光ファイバにより構成される前記略平面状の束を融着して固定することを特徴とする請求項6記載の光アンプの製造方法。 - 前記押さえ込み工程は、前記筒状配置工程により配置された前記光ファイバの筒形状の中心軸が前記光ファイバの筒形状の底面上に配置されるように前記光ファイバを押さえ込んで前記光ファイバを略平面状に配置し、
前記配置固定工程は、前記略平面状に配置された前記光ファイバを融着することにより、前記略平面状に配置された前記光ファイバの配置を固定することを特徴とする請求項6記載の光アンプの製造方法。 - 前記筒状配置工程は、前記光ファイバを隙間なく筒状に配置し、
前記押さえ込み工程は、前記光ファイバが形成する筒形状における2箇所以上の側面がそれぞれ略平面を形成し、前記略平面を形成する前記光ファイバの少なくとも一部が直線状に配置されるように前記光ファイバを押さえ込み、
前記配置固定工程は、略平面状に押さえ込まれた前記光ファイバを融着して固定することを特徴とする請求項6記載の光アンプの製造方法。
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