JP4285005B2 - 三次元構造体およびその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

三次元構造体およびその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems;微小電気機械システム)分野に用いられる三次元構造体およびその製造方法、並びにこれを用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
MEMSを利用した三次元構造体の例として、例えばレーザスキャナ,バーコードリーダー等の電子機器において、レーザビームを偏向させるマイクロミラー(走査ミラー)がある。マイクロミラーは、シリコン(Si)基板のマイクロマシニング(micromachining)により作製されたものであり、例えば、シリコン基板の平面部分を利用したマイクロミラーと、このマイクロミラーを支持する捩れヒンジ部(トーションバー)とが、異方性エッチングにより形成されている。
【0003】
このようなマイクロミラーを駆動するための電極構造として、2枚の櫛歯状の電極を、櫛歯の延伸方向に対して垂直方向の間隙をへだてて配置したいわゆる垂直櫛歯アクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。図13は、従来の垂直櫛歯アクチュエータの一例を表すものである。このアクチュエータは、対をなす櫛歯形状の電極112,113により構成されており、これら電極112,113には直流電源114が接続される。一方の電極112はシリコン基板111側に固定され、他方の電極113は図示しないマイクロミラーなどの可動体に連結されている。電極112,113は、シリコン基板111の表面に対して垂直な方向の間隙115を隔てて設けられている。直流電源114により電極112,113の間に所定の電圧が印加されると、電極112,113の間に働く静電気力により電極113の支持軸113Aに回転トルクが掛かり、電極113が矢印116方向(時計廻り方向)に変位するのに伴ってマイクロミラーが同方向に回転する。
【0004】
図14は、上記垂直櫛歯アクチュエータの他の構成を表すもので、電極113を斜めに配設したものである。このような構成例では、電極112,113の間に電圧を印加すると、電極113が矢印117方向に変位し、電極112,113を平行に設けた図13の構成に比べて回転角を大きくとることができる。
【0005】
このように櫛歯に角度を付ける方法として、従来では、例えば図15に示したように、レジストの表面張力を利用する方法が知られている(例えば、非特許文献1,非特許文献2および非特許文献3参照。)。すなわち、図14の例で説明すると、電極113の櫛歯部分113Bをシリコン基板111から切り離し、その切り離した部分にレジスト118を塗布してパターニングする。そののち、温度を上げてレジスト118を液状にすると、レジスト118の表面張力によって櫛歯部分113Bが引っ張られて櫛歯部分113Bに角度を付けることができる。櫛歯部分113Bの傾き角度は、構造パターンにストッパを設け、このストッパに当たったところで一義的に決まるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−147419号公報
【非特許文献1】
R.R.A.シムズ(R.R.A. Syms )、外2名,Improving yield, accuracy and complexity in surface tension self-assembled MOEMS,“Sensors and Actuators A ”,(オランダ),Elsevier Science,2001年1月,第88巻,第3,5号,p273−283
【非特許文献2】
R.R.A.シムズ(R.R.A. Syms ),Self-assembled 3-D silicon microscanners with self-assembled electrostatic drives ,“IEEE Photonics Technology Letters ”,(米国),2000年11月,第12巻,第11号,p1519−1521
【非特許文献3】
パメラ R.パターソン(Pamela R. Patterson )、外5名,A scanning micromirror with angular comb drive actuation,“The Fifteenth IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems, 2002 ”,(米国),2002年,p544−547
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の垂直櫛歯アクチュエータでは、いずれも電圧の印加によりマイクロミラー等を駆動させることが可能ではあるが、次のような問題があった。すなわち、図13に示した電極112,113を互いに平行に設けた構成のアクチュエータでは、例えば二枚の基板に電極112,113をそれぞれ形成し、張り合わせることによって電極112,113の間に間隙115を設けるようにしており、作製プロセスが複雑であった。
【0008】
また、図15に示したレジスト118の表面張力を利用して櫛歯部分113Bに角度を付ける構造のアクチュエータでは、櫛歯部分113Bが基板111から完全に切り離され、レジスト118のみによって支えられているので、櫛歯部分113Bの強度に問題があった。したがって、レジスト118に過大なトルクが掛かると櫛歯部分113Bが壊れてしまう虞があり、トルクの必要な大きめのマイクロミラーには適用することができなかった。また、レジスト118は150℃程度で流動性を有するので、高温での使用ができないという問題があった。
【0009】
更に、製造プロセスにおいては、切り離された櫛歯部分113Bと基板111との間の隙間にレジスト118が入り込むことがあるが、このように隙間に入り込んだレジスト118は完全に取り除くことが困難であった。この問題を解決するため、例えば、櫛歯部分113Bと基板111との間の隙間に酸化膜を埋め込むことも提案されているが、これでは製造プロセスは更に複雑になるという問題がある(例えば、非特許文献3参照)。
【0010】
加えて、高度な構造であるにも関わらず櫛歯部分113Bの傾き角度の精度は0.5度程度である。更にまた、マスク設計時点で櫛歯部分113Bの傾き角度が決まってしまい、後から変更することができない。加えてまた、櫛歯部分113Bは電極を兼ねるので、レジスト118の上に導電材料のスパッタリングなどにより配線パターンを形成する必要があるが、レジスト118の上の配線パターンは、電気的に信頼性が低いという問題がある。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、構成が簡単で容易に製造でき、機械的強度に優れると共に電気的信頼性の高い櫛歯アクチュエータとして利用可能な三次元構造体およびその製造方法、並びにこれを用いた電子機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による三次元構造体は、平坦部を有する基板を用いたものであって、基板の平坦部に形成された変位可能な、反射膜を有するミラーと、基板の平坦部にミラーに連結して形成されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極と、基板に形成された完全には切り離されていない直線状の折曲げ部と、折曲げ部にそって基板の一部を折曲げることにより基板の平坦部に対して下方に折り曲げられた傾斜部と、傾斜部に形成されると共に第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、第1の電極と共に駆動部を構成する第2の電極とを備え、第2の電極の櫛歯部分は、折曲げ部を介さずに傾斜部から直接延伸されていると共に基板の平坦部よりも上方に突出し、第2の電極と第1の電極との間に、基板の表面に対して垂直方向の間隔が設けられているものである。
【0013】
本発明による第1の三次元構造体の製造方法は、平坦部を有する基板を用いた三次元構造体を製造するものであって、基板の平坦部に、変位可能なミラーおよびミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつミラーと連結されない第2の電極を形成する工程と、基板を選択的に除去し、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部を形成する工程と、基板を、角度の付いた二つの平面を有するジグに沿わせて、折曲げ部にそって基板の一部を下方に折曲げて傾斜部を形成することにより、第2の電極の櫛歯部分を、折曲げ部を介さずに傾斜部から直接延伸させると共に基板の平坦部よりも上方に突出させ、第2の電極と第1の電極との間に、基板の表面に対して垂直方向の間隔を設け、第1の電極と第2の電極とからなる駆動部を形成する工程とを含むものである。
本発明による第2の三次元構造体の製造方法は、平坦部を有する基板を用いた三次元構造体を製造するものであって、基板の平坦部の表面に、変位可能なミラーおよびミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつミラーと連結されない第2の電極を形成する工程と、基板の裏面に凹部を設けることにより、第2の電極が形成された部分の厚みを薄くする工程と、基板を選択的に除去し、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部を形成する工程と、基板を平坦な支持台に載置し、基板の厚みを薄くした部分の折曲げ部に対向する端部が支持台に接するまで、基板の厚みを薄くした部分を下方に折曲げて傾斜部を形成することにより、第2の電極の櫛歯部分を、折曲げ部を介さずに傾斜部から直接延伸させると共に基板の平坦部よりも上方に突出させ、第2の電極と第1の電極との間に、基板の表面に対して垂直方向の間隔を設け、第1の電極と第2の電極とからなる駆動部を形成する工程とを含むものである。
【0014】
本発明による電子機器は、平坦部を有する基板を用いた三次元構造体を備えたものであって、三次元構造体は、上記本発明の三次元構造体により構成されたものである。
【0015】
本発明による三次元構造体または本発明による電子機器では、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加すると、両電極間の静電気力により第1の電極が変位する。この第1の電極の変位に伴って、反射膜を有するミラーが変位し、入射光に対する相対的な角度が変化して、入射光が偏向される。
【0016】
本発明による第1の三次元構造体の製造方法では、基板の平坦部に、変位可能なミラーおよびミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつミラーと連結されない第2の電極が形成される。次に、基板が選択的に除去され、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部が形成される。そののち、基板が、角度の付いた二つの平面を有するジグに沿わせられて、折曲げ部にそって基板の一部が下方に折曲げられて傾斜部が形成されることにより、第2の電極の櫛歯部分が、折曲げ部を介さずに傾斜部から直接延伸されると共に基板の平坦部よりも上方に突出し、第2の電極と第1の電極との間に、基板の表面に対して垂直方向の間隔が設けられる。これにより、第1の電極と第2の電極とからなる駆動部が形成される。
本発明による第2の三次元構造体の製造方法では、基板の平坦部の表面に、変位可能なミラーおよびミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつミラーと連結されない第2の電極が形成される。また、基板の裏面に凹部が設けられることにより、第2の電極が形成された部分の厚みが薄くされる。基板が選択的に除去され、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部が形成される。そののち、基板が平坦な支持台に載置され、基板の厚みを薄くした部分の折曲げ部に対向する端部が支持台に接するまで、基板の厚みを薄くした部分が下方に折曲げられて傾斜部が形成される。これにより、第2の電極の櫛歯部分が、折曲げ部を介さずに傾斜部から直接延伸されると共に基板の平坦部よりも上方に突出し、第2の電極と第1の電極との間に、基板の表面に対して垂直方向の間隔が設けられる。このようにして、第1の電極と第2の電極とからなる駆動部が形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明の第1の実施の形態に係る三次元構造体の構成を表すものである。この三次元構造体は、例えばレーザスキャナあるいはバーコードリーダー等の電子機器において図示しないレーザダイオードから射出されたレーザ光を偏向させるために用いられるものであり、基板10に、本体部としてのミラー20と、このミラー20を揺動運動させるための駆動部(アクチュエータ)30A,30B,30C,30Dとを作製したものである。
【0019】
基板10としては、例えば、シリコン基板などの平坦面を有する半導体基板が用いられる。シリコン基板は一般に内部応力がないので、その表面を利用してミラー20を形成しても、ミラー20に反りが発生することがないからである。特に、シリコンなどの半導体よりなる保持基板の表面に二酸化ケイ素(SiO2 )などの酸化膜およびシリコンなどの半導体薄膜をこの順に積層した構造を有する、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)基板は、バルク基板のマイクロマシニングにより三次元構造体を形成するよりも製造プロセスが格段に簡素化されることから、より好ましい。
【0020】
ミラー20は、基板10の表面の平坦面を利用して形成され、表面には、例えばアルミニウム(Al)膜などの反射膜21が形成されている。また、ミラー20は、例えば異方性エッチングにより周囲の基板10からくりぬかれるように分離され、ミラー20の対向する2辺と基板10との間に設けられた2本の捩れヒンジ部22A,22Bのみによって基板10に支持されている。
【0021】
駆動部30A,30B,30C,30Dは、ミラー20を捩れヒンジ部22A,22Bを中心として図1において右上(以下、「向こう側」という)へ揺動させる第1の駆動部30A,30Bと、ミラー20を逆方向である左下(以下、「手前側」という)へ揺動させる第2の駆動部30C,30Dとからなっている。駆動部30Aと駆動部30Cとは、ミラー20の捩れヒンジ部22Aと同じ側に、捩れヒンジ部22Aを挟んで隣り合うように設けられている。駆動部30Bと駆動部30Dとは、ミラー20の捩れヒンジ部22Bと同じ側に、捩れヒンジ部22Bを隔てて隣り合うように設けられている。
【0022】
駆動部30A,30B,30C,30Dは、それぞれ、互いに噛み合う櫛歯状の第1の電極31および第2の電極32を有している。第1の電極31は、基板10の平坦部に形成され、ミラー20に連結されている。第2の電極32は、基板10の後述する傾斜部に形成されている。
【0023】
本実施の形態では、基板10に、後述するように完全には切り離されていない直線状の折曲げ部11が形成され、この折曲げ部11で折り曲げられて一部分が傾斜した傾斜部12A,12Bとなっている。傾斜部12Aには、第1の駆動部30A,30Bの第2の電極32が形成され、傾斜部12Bには、第2の駆動部30C,30Dの第2の電極32が形成されている。傾斜部12A,12Bは、基板10の平坦部に対して下方へ折り曲げられており、これにより、第2の電極32の先端の櫛歯部分は、基板10の平坦部よりも上方に突出した状態となり、第2の電極32と第1の電極31との間に、基板10の表面に対して垂直方向の間隔33が設けられている。なお、傾斜部12A,12Bは、基板10の平坦部に対して下方へ、且つ互いに逆方向に傾斜している。本実施の形態では、傾斜部12A,12Bの傾斜角度は例えば1.2度、間隔33は例えば15μmとなっている。
【0024】
図2は、駆動部30Aを拡大して表すものである。ここでは、基板10を、シリコンなどの半導体よりなる保持基板13の表面に二酸化ケイ素(SiO2 )などの酸化膜14およびシリコンなどの半導体薄膜15をこの順に積層した構造を有するSOI基板としている。ミラー20および第1の電極31、並びに第2の電極32は、半導体薄膜15を利用して形成されている。なお、第1の電極31および第2の電極32は、半導体薄膜15に、リン(P)あるいはホウ素(B)などの不純物を選択的に添加して導電性を付与することにより形成したものでもよく、あるいは半導体薄膜15の上にアルミニウムなどの配線パターンを形成したものでもよい。この場合、不純物は、第1の電極31および第2の電極32の少なくとも櫛歯状の部分に添加されていればよく、例えば、第1の電極31および第2の電極32の全体に添加してもよく、あるいは櫛歯状の部分を含む一部のみに添加してもよい。
【0025】
第1の電極31と第2の電極32との間には、両者間に電位差を付与する電圧印加部34が設けられている。電圧印加部34は、第1の電極31と第2の電極32との間に働く静電気力により第1の電極31と共にミラー20を駆動させるものである。
【0026】
折曲げ部11は、保持基板13を異方性エッチングにより選択的に除去して逆V字状の溝11Aを形成することにより、酸化膜14および半導体薄膜15を残存させた構成を有している。溝11Aには、所望の折曲げ角度を保持するためにレジスト16が注入され、固定されている。
【0027】
更に、折曲げ部11は、半導体薄膜15に溝11Bを形成して膜厚を薄くすると共に、半導体薄膜15および酸化膜14を貫通する貫通孔11Cを設けることによって、基板10を折り曲げやすくすることが好ましい。溝11Bの深さ、貫通孔11Cの寸法および個数などは、半導体薄膜15の膜厚に応じて決めることができる。
【0028】
この三次元構造体は、例えば、次のようにして製造することができる。なお、以下の図3ないし図6は、図1におけるIII−III線に沿った断面を表している。
【0029】
まず、図3(A)に示したように、基板10として、シリコンよりなる厚さが例えば300μmの保持基板13の表面に、二酸化ケイ素よりなる厚さが例えば0.5μmないし1μm程度の酸化膜14およびシリコンよりなる厚さが例えば10μmの半導体薄膜15がこの順で積層された構造を有するSOI基板を用意する。
【0030】
次に、図3(B)に示したように、予め作製した図示しないマスクを用いて、例えばICP(誘導結合プラズマ;Inductively Coupled Plasma)を用いたRIE(反応性イオンエッチング;Reactive Ion Etching)により、半導体薄膜15に、ミラー20および第1の電極31(図1参照)、並びに第2の電極32(図1参照)のパターンを形成する。このとき、半導体薄膜15に、折曲げ部11の貫通孔11Cも同時に形成する。貫通孔11Cは、酸化膜14の表面に達するように形成される。
【0031】
第1の電極31および第2の電極32は、半導体薄膜15に、リンあるいはホウ素などの不純物を選択的に添加して導電性を付与することにより形成してもよく、あるいは後続の工程においてミラー20に反射膜21を形成するのと同時に半導体薄膜15の上にアルミニウムなどの配線パターンを形成してもよい。
【0032】
続いて、図3(C)に示したように、予め作製した別のマスクを用いて、例えばICPを用いたRIEにより、半導体薄膜15に、折曲げ部11の溝11Bを形成し、折曲げ部11における半導体薄膜15の膜厚を薄くする。
【0033】
次に、図4(A)に示したように、基板10の両面に厚さが例えば400nmの熱酸化膜41を形成する。
【0034】
続いて、図4(B)に示したように、基板10の保持基板13側に形成された熱酸化膜41を、例えばフォトリソグラフィと緩衝化したフッ化水素(Buffered Hydrogen Fluoride ;BHF)を用いたエッチングとによりパターニングする。こうして、保持基板13のウエット異方性エッチングのための熱酸化膜マスク42を形成する。
【0035】
次に、図4(C)に示したように、この熱酸化膜マスク42を用いて、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)によるウエット異方性エッチングを行う。これにより、逆V字状の溝11Aが形成され、溝11A,11Bおよび貫通孔11Cを有する折曲げ部11が形成される。また、保持基板13のミラー20に対応する領域も除去される。
【0036】
続いて、図5(A)に示したように、溝11Aにレジスト16を注入し、例えば150℃で焼成する。
【0037】
次に、図5(B)に示したように、例えば濃度49%のフッ化水素(HF)溶液を用いたエッチングにより熱酸化膜41および熱酸化膜マスク42を除去する。このとき、保持基板13と半導体薄膜15とで挟まれた酸化膜14(埋込み酸化膜)は残存するが、露出した酸化膜14(表面酸化膜)は、熱酸化膜41および熱酸化膜マスク42と共に除去される。これにより、ミラー20は、捩れヒンジ部22を除いて基板10から分離される。また、貫通孔11Cの内部の酸化膜14も除去されるので、貫通孔11Cは、半導体薄膜15および酸化膜14を貫通して保持基板13の表面に達する。よって、折曲げ部11は完全には切り離されず、半導体薄膜15および酸化膜14によって部分的につながった状態となる。エッチング終了後、洗浄によりフッ酸を除去し、例えば二酸化炭素(CO2 )雰囲気中において加圧することにより臨界乾燥を行う。
【0038】
続いて、図6(A)に示したように、角度の付いた二つの平面43A,43Bを有する折曲げジグ43を予め作製しておき、この折曲げジグ43の上に基板10を載置し、例えば150℃に昇温してレジスト16を再び軟化させる。
【0039】
次に、図6(B)に示したように、基板10を折曲げジグ43の平面43A,43Bに沿って折曲げ部11で折り曲げて傾斜部12A,12Bを形成する。そののち、基板10全体を例えば常温に戻すことにより冷却し、固定する。基板10の折り曲げられる角度は、折曲げジグ43の平面43A,43Bのなす角度を変えることによって任意に調整することができる。
【0040】
続いて、例えばシャドウマスクを用いてアルミニウム膜を蒸着することにより反射膜21を形成する。このとき、必要に応じて第1の電極31および第2の電極32の上に、配線パターンあるいは電極パッド等を同時に形成してもよい。なお、反射膜21および電極パッド等は、プロセス途中において、すなわち、例えばミラー20が捩れヒンジ部22を除いて基板10から分離される前の段階で、金(Au)またはアルミニウムなどを成膜してパターニングすることにより形成してもよい。以上により、図1に示した三次元構造体が完成する。
【0041】
この三次元構造体では、例えば駆動部30A,30Bにおいて、電圧印加部34により第1の電極31と第2の電極32との間に所定の電圧が印加されると、第1の電極31が第2の電極32に引きつけられて手前側(図2の矢印A参照)に回転することにより変位し、第1の電極31の変位に伴ってミラー20が手前側に回転する。また、例えば駆動部30C,30Dにおいて、電圧印加部34により第1の電極31と第2の電極32との間に所定の電圧が印加されると、第1の電極31が第2の電極32に引きつけられて向こう側に回転することにより変位し、第1の電極31の変位に伴ってミラー20が向こう側に回転する。これにより、ミラー20の入射光に対する相対的な角度が変化し、入射光が偏向される。この三次元構造体では、完全には切り離されていない折曲げ部11で基板10を折り曲げて傾斜部12A,12Bを形成し、この傾斜部12A,12Bに第2の電極32を形成することにより第1の電極31と第2の電極32との間に間隔33を設けたので、従来のような櫛歯部分をレジストで基板に接合した構成に比べて、折曲げ部11の引張り強度が向上する。また、折曲げ部11は完全に切り離されていないので、折曲げ部11またはその上に形成した配線パターンを介して電極31,32に電圧を印加することができ、従来のようなレジストの上に配線パターンを形成する構成よりも電気的な信頼性が高くなる。
【0042】
図7は、第1の電極31と第2の電極32の間に印加される電圧と、第1の電極31およびミラー20の回転角との関係を表す特性曲線である。本実施の形態の構成によるミラー20の回転角は最大3.2度となっている。なお、回転角の特性曲線は非線形性を示しており、ミラー20が電極間の静電気力で駆動されていることが分かる。
【0043】
このように本実施の形態では、完全には切り離されていない折曲げ部11で基板10を折り曲げて傾斜部12A,12Bを形成し、この傾斜部12A,12Bに第2の電極32を形成することにより第1の電極31と第2の電極32との間に間隔33を設けたので、基板の貼り合わせなどの複雑な構造が不要となり、機械的強度に優れ電気的信頼性の高い三次元構造体を、簡単な構成および製造プロセスで実現できる。また、基板10の折り曲げられる角度の精度を0.2度程度と従来よりも高くすることができ、歩留り向上が可能となる。
【0044】
加えて、特にバーコードリーダ用途などにおいては、例えば80mm程度離れたところでレーザビームを200μm程度に絞り込む際に、回折限界の関係で発光部およびミラーには0.63mm以上の大きさが必要であり、ビームを更に絞り込む場合にはミラーは更に大きなものが必要となる。よって、アライメントおよび角度が付いた場合のミラー面の範囲を考慮すると、ミラーの大きさは1mmレベルが要求されるが、本実施の形態ではそのような大きなミラー20を駆動できる十分な機械的強度を有する三次元構造体を実現することが可能となる。
【0045】
特に、基板10として保持基板13の表面に酸化膜14および半導体薄膜15がこの順に積層された構造を有するものを用いたので、バルク基板のマイクロマシニングにより三次元構造体を形成するよりも製造プロセスを格段に簡素化することができる。
【0046】
また、特に、半導体薄膜15に溝11Bおよび貫通孔11Cを設けるようにしたので、折曲げ部11を更に折り曲げやすくすることができる。
【0047】
更に、基板10を折曲げ部11で折り曲げる際に、角度の付いた二つの平面43A,43Bを有する折曲げジグ43に沿わせるようにしたので、基板10の折り曲げられる角度を、折曲げジグ43の平面43A,43Bのなす角度を変えることによって任意に調整することができる。
【0048】
〔第2の実施の形態〕
図8は本発明の第2の実施の形態に係る三次元構造体の製造方法を表すものである。本実施の形態は、基板10の裏面に凹部を設けることにより傾斜部12A,12Bの厚みを薄くして、基板10を平坦な支持台の上で折り曲げることができるようにしたものであり、折曲げジグ43を用いて基板10を折り曲げる必要をなくしたものである。
【0049】
まず、図8(A)に示したように、保持基板13の裏面に凹部13Aを形成することにより傾斜部12A,12Bとなる部分の厚みを薄くすることを除いては、第1の実施の形態の図5(B)と同様に基板10にミラー20および第1の電極31(図1参照)、第2の電極32(図1参照)並びに折曲げ部11を形成する。保持基板13の凹部13Aは、例えば異方性エッチングにより形成することができる。また、工程の順序としては、保持基板13の凹部13Aを最初に形成したのちに、第1の実施の形態と同様に図3ないし図5の工程を行うようにしてもよい。あるいは、第1の実施の形態の図3ないし図5の工程を行ったのちに、保持基板13に凹部13Aを形成するようにしてもよい。
【0050】
次に、図8(B)に示したように、基板10を平坦な支持台51に載置し、厚みを薄くした部分の折曲げ部11に対向する端部11Dを矢印52方向に押し、この端部11Dが支持台51に接するまで基板10を折曲げ部11で折り曲げて傾斜部12A,12Bを形成する。これにより、第1の電極31と第2の電極32との間に間隔33(図1参照)が形成される。基板10が折り曲げられる角度は、凹部13Aの掘り込み深さDによって任意に調整することができる。
【0051】
このように本実施の形態によれば、基板10の裏面に凹部を設けることにより傾斜部12A,12Bの厚みを薄くするようにしたので、基板10を平坦な支持台の上で折り曲げることができ、折曲げジグ43が不要となる。また、基板10が折り曲げられる角度は、凹部13Aの掘り込み深さDによって任意に調整することができる。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、各部の寸法、基板の材質、膜厚、プロセス条件等は本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて変更が可能である。例えば、TMAHの代わりに水酸化カリウム(KOH),ヒドラジン,エチレンジアミン−ピロカテコール−水(EPW)などを用いることも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態では、溝11Aに例えば150℃程度で軟化するレジスト16を注入するようにしたが、レジスト16の代わりに、例えば低融点半田などの金属を用いるようにしてもよい。更に、レジスト16あるいは低融点半田よりも高温で溶解する材料、例えば高融点半田などの金属を用いれば、より高温環境での使用に適応することができる。
【0054】
更に、上記実施の形態では、折曲げ部11の構成を具体的に説明したが、折曲げ部11の構成を半導体薄膜15の膜厚に応じて変更することにより折曲げ部11の折り曲げやすさを調整することが可能である。例えば図9に示したように、半導体薄膜15に溝11Bのみを設け、貫通孔11Cを設けないようにしてもよい。または、図10に示したように、例えば半導体薄膜15の膜厚が薄い場合などには、貫通孔11Cのみを設け、溝11Bを設けないようにしてもよい。逆に、図11に示したように、半導体薄膜15の膜厚が厚い場合には、溝11Bの底面に更に幅の狭い溝11Eを設けるようにしてもよい。
【0055】
加えて、上記実施の形態では、折曲げ部11に酸化膜14および半導体薄膜15の両方を残存させるようにした場合について説明したが、半導体薄膜15のみを残存させるようにしてもよく、あるいは図12に示すように酸化膜14のみを残存させるようにしてもよい。ただし、シリコンよりなる半導体薄膜15は二酸化ケイ素よりなる酸化膜14に比べて曲げに強いので、半導体薄膜15を残存させることが好ましい。
【0056】
更に、上記実施の形態では、ミラー20として静電気力で駆動されるガルバノミラーを有する光偏向器を例として説明したが、本発明はポリゴンミラー(回転型多面鏡)を用いた光偏向器の場合にも適用可能である。
【0057】
加えて、上記実施の形態では、本発明の三次元構造体をレーザスキャナあるいはバーコードリーダなどの電子機器における光偏向器に適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば超小型バーコードリーダ,ビームスキャナ,レーザプリンタ,光スイッチ,プロジェクタ,レーザショウ用ビームスキャナ,ディスプレイ,二次元バーコードリーダ,距離センサ,レーザソナー,共焦点顕微鏡,レーザ顕微鏡,光造形プロトタイピング,レーザ加工機,PtoP(ピア・ツー・ピア)光通信,光通信などの他の電子機器にも広く適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の三次元構造体、および請求項13または14記載の電子機器によれば、基板の平坦部に形成された第1の電極と、基板に形成された完全には切り離されていない折曲げ部と、この折曲げ部で基板を折り曲げることにより形成された傾斜部と、この傾斜部に第1の電極との間に所定の間隔を有するように形成された第2の電極とを備えたので、基板の貼り合わせなどの複雑な構造が不要となり、機械的強度に優れ電気的信頼性の高い三次元構造体を、簡単な構成および製造プロセスで実現できる。また、基板の折り曲げられる角度の精度を高くすることができ、歩留り向上が可能となる。
【0059】
加えて、特にバーコードリーダ用途などにおいては、ミラーとして大きなものが要求されるが、本発明によればそのような大きなミラーを駆動できる十分な機械的強度を有する三次元構造体を実現することが可能となる。
【0060】
特に、請求項記載の三次元構造体によれば、基板として保持基板の表面に酸化膜および半導体薄膜がこの順に積層された構造を有するものを用いたので、バルク基板のマイクロマシニングにより三次元構造体を形成するよりも製造プロセスを格段に簡素化することができる。
【0061】
また、特に、請求項記載の三次元構造体によれば、折曲げ部が、半導体薄膜に溝および貫通孔のうち少なくとも一方を有するようにしたので、折曲げ部を更に折り曲げやすくすることができる。
【0062】
加えて、特に、請求項10記載の三次元構造体によれば、基板の裏面に凹部を設けることにより傾斜部の厚みを薄くするようにしたので、基板を平坦な支持台の上で折り曲げることができる。また、基板が折り曲げられる角度は、厚みをどの程度薄くするかによって任意に調整することができる。
【0063】
請求項11または請求項12記載の三次元構造体の製造方法によれば、完全には切り離されていない折曲げ部にそって基板を折り曲げて傾斜部を形成することにより、第2の電極と第1の電極との間に所定の間隔を設けるようにしたので、簡単な工程で、第2の電極と第1の電極との間に基板の表面に対して垂直な間隔を形成することができる。また、電極の機械的強度および電気的な信頼性を向上させることができる。
【0064】
請求項11記載の三次元構造体の製造方法によれば、基板を折曲げ部で折り曲げる工程において、角度の付いた二つの平面を有するジグに沿わせるようにしたので、基板の折り曲げられる角度を、ジグの二つの平面のなす角度を変えることによって任意に調整することができる。
請求項12記載の三次元構造体の製造方法によれば、基板の裏面に凹部を設けることにより傾斜部の厚みを薄くするようにしたので、基板を平坦な支持台の上で折り曲げることができる。また、基板が折り曲げられる角度は、厚みをどの程度薄くするかによって任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る三次元構造体の構成の一例を表す斜視図である。
【図2】図1に示した駆動部の一つを拡大して表す斜視図である。
【図3】図1に示した三次元構造体の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】図3の工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4の工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5の工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図1に示した電極の間に印加される電圧とミラーの回転角との関係を表す特性曲線である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に掛る三次元構造体の製造方法を表す断面図である。
【図9】図1に示した折曲げ部の他の構成例を表す斜視図である。
【図10】図1に示した折曲げ部の更に他の構成例を表す斜視図である。
【図11】図1に示した折曲げ部の更に他の構成例を表す斜視図である。
【図12】図1に示した折曲げ部の更に他の構成例を表す斜視図である。
【図13】従来の垂直櫛歯アクチュエータの一構成例を表す平面図および正面図である。
【図14】従来の垂直櫛歯アクチュエータの他の構成例を表す平面図および正面図である。
【図15】櫛歯状の電極に角度を付けるための従来の方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
10…基板、11…折曲げ部、12A,12B…傾斜部、13…保持基板、13A…凹部、14…酸化膜、15…半導体薄膜、16…レジスト、20…ミラー、21…反射膜、30A,30B,30C,30D…駆動部、31…第1の電極、32…第2の電極、33…間隔、34…電圧印加部

Claims (14)

  1. 平坦部を有する基板を用いた三次元構造体であって、
    前記基板の平坦部に形成された変位可能な、反射膜を有するミラーと、
    前記基板の平坦部に前記ミラーに連結して形成されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極と、
    前記基板に形成された完全には切り離されていない直線状の折曲げ部と、
    前記折曲げ部にそって前記基板の一部を折曲げることにより前記基板の平坦部に対して下方に折り曲げられた傾斜部と、
    前記傾斜部に形成されると共に前記第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、前記第1の電極と共に駆動部を構成する第2の電極と
    を備え、
    前記第2の電極の櫛歯部分は、前記折曲げ部を介さずに前記傾斜部から直接延伸されていると共に前記基板の平坦部よりも上方に突出し、前記第2の電極と前記第1の電極との間に、前記基板の表面に対して垂直方向の間隔が設けられている
    三次元構造体。
  2. 前記第1の電極と第2の電極との間に電位差を付与する電圧印加手段を備え、前記電極間に生ずる静電力により前記第1の電極と共に前記ミラーを駆動させる
    請求項1記載の三次元構造体。
  3. 前記駆動部は、前記ミラーを一方向に回転駆動させる第1の駆動部と、前記ミラーを前記方向とは逆方向に回転駆動させる第2の駆動部とからなり、前記ミラーを揺動運動させる
    請求項1記載の三次元構造体。
  4. 前記傾斜部は、前記ミラーの両側に、互いに逆方向に傾斜して設けられており、前記第1の駆動部の第2の電極は前記ミラーの一方の側の傾斜部に形成され、前記第2の駆動部の第2の電極は前記ミラーのもう一方の側の傾斜部に形成されている
    請求項3記載の三次元構造体。
  5. 前記基板は、保持基板の表面に酸化膜および半導体薄膜をこの順に積層した構造を有するものである
    請求項1記載の三次元構造体。
  6. 前記折曲げ部は、前記保持基板を選択的に除去することにより前記酸化膜および前記半導体薄膜のうち少なくとも一方を残存させた構成を有する
    請求項5記載の三次元構造体。
  7. 前記折曲げ部を構成する半導体薄膜は、溝および貫通孔のうち少なくとも一方を有する
    請求項6記載の三次元構造体。
  8. 前記第1の電極および第2の電極は前記半導体薄膜に設けられている
    請求項5記載の三次元構造体。
  9. 前記ミラーは、前記半導体薄膜に設けられている
    請求項5記載の三次元構造体。
  10. 平坦な支持台を備え、前記傾斜部は、前記基板の裏面に凹部が設けられることにより厚みが薄くなっており、前記傾斜部の前記折曲げ部に対向する端部が前記支持台に接するまで前記基板の一部が前記折曲げ部で折り曲げられた
    請求項1記載の三次元構造体。
  11. 平坦部を有する基板を用いた三次元構造体の製造方法であって、
    前記基板の平坦部に、変位可能なミラーおよび前記ミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに前記第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつ前記ミラーと連結されない第2の電極を形成する工程と、
    前記基板を選択的に除去し、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部を形成する工程と、
    前記基板を、角度の付いた二つの平面を有するジグに沿わせて、前記折曲げ部にそって前記基板の一部を下方に折曲げて傾斜部を形成することにより、前記第2の電極の櫛歯部分を、前記折曲げ部を介さずに前記傾斜部から直接延伸させると共に前記基板の平坦部よりも上方に突出させ、前記第2の電極と前記第1の電極との間に、前記基板の表面に対して垂直方向の間隔を設け、前記第1の電極と前記第2の電極とからなる駆動部を形成する工程と
    を含む三次元構造体の製造方法。
  12. 平坦部を有する基板を用いた三次元構造体の製造方法であって、
    前記基板の平坦部の表面に、変位可能なミラーおよび前記ミラーに連結されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極、並びに前記第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、かつ前記ミラーと連結されない第2の電極を形成する工程と、
    前記基板の裏面に凹部を設けることにより、前記第2の電極が形成された部分の厚みを薄くする工程と、
    前記基板を選択的に除去し、完全には切り離されていない直線状の折曲げ部を形成する工程と、
    前記基板を平坦な支持台に載置し、前記基板の厚みを薄くした部分の前記折曲げ部に対向する端部が前記支持台に接するまで、前記基板の厚みを薄くした部分を下方に折曲げて傾斜部を形成することにより、前記第2の電極の櫛歯部分を、前記折曲げ部を介さずに前記傾斜部から直接延伸させると共に前記基板の平坦部よりも上方に突出させ、前記第2の電極と前記第1の電極との間に、前記基板の表面に対して垂直方向の間隔を設け、前記第1の電極と前記第2の電極とからなる駆動部を形成する工程と
    を含む三次元構造体の製造方法。
  13. 平坦部を有する基板を用いた三次元構造体を備えた電子機器であって、
    前記三次元構造体は、
    前記基板の平坦部に形成された変位可能な、反射膜を有するミラーと、
    前記基板の平坦部に前記ミラーに連結して形成されると共に櫛歯状の形状を有する第1の電極と、
    前記基板に形成された完全には切り離されていない直線状の折曲げ部と、
    前記折曲げ部にそって前記基板の一部を折曲げることにより前記基板の平坦部に対して下方に折り曲げられた傾斜部と、
    前記傾斜部に形成されると共に前記第1の電極と互いに噛み合う櫛歯状の形状を有し、前記第1の電極と共に駆動部を構成する第2の電極と
    を備え、
    前記第2の電極の櫛歯部分は、前記折曲げ部を介さずに前記傾斜部から直接延伸されていると共に前記基板の平坦部よりも上方に突出し、前記第2の電極と前記第1の電極との間に、前記基板の表面に対して垂直方向の間隔が設けられている
    電子機器。
  14. 平坦な支持台を備え、前記傾斜部は、前記基板の裏面に凹部が設けられることにより厚みが薄くなっており、前記傾斜部の前記折曲げ部に対向する端部が前記支持台に接するまで前記基板の一部が前記折曲げ部で折り曲げられた
    請求項13記載の電子機器。
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