JP4164528B2 - 揺動体を含む構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板とトーションスプリングと揺動体とを含み構成され、揺動体がトーションスプリングによって、基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている構造体の製造方法に関するものである。
機械要素を小型化しようとすると、体積力よりも、表面力の占める割合が大きくなり、摩擦の影響が通常の大きさの機械よりも大きくなることは良く知られている。そのため、マイクロマシンの設計においては、摺動部や回転部を極力少なくするように考慮するのが一般的である。
軸回りに揺動する部材を有する光偏向器の従来例を説明する(特許文献1参照)。図23は、特許文献1に開示された光偏向器の斜視図を示している。図24は、その内部構造を説明するために、上記光偏向器を分解して表示した図である。また、図25と図26は、それぞれ、図23の切断線1003と1006におけるシリコン薄板1020の断面図を示している。
上記光偏向器において、絶縁性材料からなる基板1010には、凹み部1012が形成されている。凹み部1012の底部には、一対の駆動電極1014、1016およびミラー支持部1032が配置されている。シリコン薄板1020には、トーションバー1022、1024とミラー1030が一体に形成されている。ミラー1030は、表面に光の反射率の高い物質がコーティングされており、トーションバー1022、1024により揺動自由に支持されている。そして、シリコン薄板1020は、駆動電極1014、1016と所定の間隔を保つように基板1010上に対抗配置されている。
ここで、シリコン薄板1020は、電気的に接地されている。従って、駆動電極1014、1016に交互に電圧を印加することで、ミラー1030に静電引力を作用させて、ミラー1030をトーションバー1022、1024の長軸の回りに揺動させられる。
トーションバー1022、1024の断面形状は、図26に示すような台形である。ところが、この様な断面形状のトーションバーを有するマイクロ構造体は、トーションバーが撓みやすいため、外部の振動を拾ってしまったり、トーションバーの軸がぶれてしまい、正確な駆動ができないという問題点があった。
そのため、この様な光偏向器を光走査型ディスプレイに適用した場合に、外部振動によって像がぶれたり、スポット形状が変化してしまうという問題点があった。これは、光走査型ディスプレイを持ち運び容易な形態にした場合に、より大きな問題となる。
そこで、トーションバーを撓みにくくするために、次のような構造が提案されている(非特許文献1参照)。図27は、非特許文献1にて開示されたハードディスクヘッド用ジンバルである。このジンバルは、ハードディスクヘッド用サスペンションの先端に取り付けられ、磁気ヘッドにロールとピッチの動きを弾性的に許容させるためのものである。ジンバル2020は、内側にロールトーションバー2022、2024で回転自由に支持された支持枠2031を有している。また、支持枠2031の内側には、ピッチトーションバー2026、2028で回転自由に支持されたヘッド支持体2030が形成されている。ロールトーションバー2022、2024とピッチトーションバー2026、2028のねじれの軸(図27の直交する鎖線参照)は、互いに直交しており、それぞれ、ヘッド支持体2030のロールとピッチの動きを担当している。
図28は、図27中の切断線2006における断面図である。図28に示すように、トーションバー2022の断面形状はT字形状をしており、また、ジンバル2020はリブを有する構造になっている。
図29を用いて、本ジンバルの作製工程を説明する。先ず、型取り用シリコンウエハー2091に、ICP-RIE(誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング)のようなエッチング法を用いて、垂直エッチングを行う(a)。この型取り用シリコンウエハー2091は、再利用が可能である。次に、型取り用シリコンウエハー2091の上に、シリコン酸化膜とリン酸化ガラスからなる犠牲層2092を成膜する(b)。続いて、構造体となるポリシリコン層2093を成膜する(c)。そして、このポリシリコン層2093のパターニングを行う(d)。最後に、犠牲層2092を除去し、パターニングされたパッド2095にエポキシ樹脂2094でポリシリコン層2093を接着する(e)。
この様にして作製されたT字断面を有するトーションバーは、円断面や長方形断面のような断面形状を有するトーションバーと比べて、断面二次極モーメントJが小さいわりに、断面二次モーメントIが大きいという特徴がある。そのため、比較的ねじれやすいわりに、撓みにくいトーションバーを提供できる。つまり、ねじれ方向に十分なコンプライアンスを確保しながら、ねじれの軸に垂直な方向には剛性の高いトーションバーを提供できる。
また、必要なコンプライアンスや許容ねじれ角を得るための長さが短いトーションバーを提供できるため、より小型化できるという利点もある。
こうして、このT字断面を有するトーションバーを用いることで、ロール、ピッチ方向に十分なコンプライアンスを持ち、その他の方向には十分な剛性を有し、より小型化が可能なマイクロジンバルを提供できる。
米国特許第4317611号明細書 10th International Conference on Solid-State Sensors and Actuators(Transducers’99) pp.1002-1005
しかし、このマイクロ構造体には、次のような問題点があった。
1.T字形状断面を有するトーションバーは、捩れたときに図28の2050の部分において応力の集中が生じるために壊れやすい。
2.T字形状断面を有するトーションバーは、ねじりの中心と重心軸の中心が一致していない。そのため、揺動時にねじれの軸に垂直な方向の加振力を生じてしまう。そのため、駆動時に不要な動きが生じてしまう。
3.ポリシリコンは、単結晶シリコンに比べて内部損失が大きいため、機械的なQ値が低くなってしまう。そのため、機械的な共振を利用して駆動する際に、振動振幅を大きくできない。また、損失が大きいためエネルギー効率が低い。
本発明の目的は、この様な問題点を解決した、基板とトーションスプリングと揺動体とを含み構成され、揺動体がトーションスプリングによって、基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている構造体の製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、基板とトーションスプリングと揺動体とを含み構成され、該揺動体が該トーションスプリングによって、該基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている構造体の製造方法であって、次の工程を有する。
第1の工程で、単結晶基板と、該単結晶基板の表面及び裏面に設けられているパターニングされたマスク層と、を有する部材を用意する。
第2の工程で、前記部材を異方性エッチングすることにより、前記単結晶基板に、前記基板、前記揺動体、及び前記ねじり軸に垂直な断面の形状がX字状である前記トーションスプリングを形成する。
更に、次の特徴を有する。前記トーションスプリングが形成される位置の前記マスク層は、前記ねじり軸に平行な方向に延び且つ前記基板を幅Wgで露出する領域と、該領域の両側に設けられ該平行な方向に延び且つ該基板を幅Waで露出する領域とが、非露出領域を介して配置される。且つ、前記単結晶基板の厚さtと前記Wgと前記Waとが、Wg<t/tan54.7°、及びWa>t/tan54.7°を満たすように前記マスク層はパターニングされている。
前記第2の工程後、前記単結晶基板の前記表面及び前記裏面に残存する前記マスク層を除去する第3の工程を有することができる。また、前記単結晶基板はシリコン単結晶基板であり、前記シリコン単結晶基板の前記表面及び前記裏面は、(100)等価面であってもよい。
また、本発明の製造方法は、基板とトーションスプリングと揺動体とを含み構成され、該揺動体が該トーションスプリングによって、該基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている構造体の製造方法であって、次の工程を有する。
第1の工程で、単結晶シリコン基板と、(100)等価面である該単結晶シリコン基板の表面及び裏面に設けられているパターニングされたマスク層と、を有する部材を用意する。第2の工程で、前記部材をアルカリ水溶液を用いて、異方性エッチングすることにより、前記単結晶シリコン基板に、前記基板、前記揺動体、及び前記トーションスプリングを形成する。
更に、次の特徴を有する。前記トーションスプリングが形成される位置の前記マスク層は、前記ねじり軸に平行な方向に延び且つ前記基板を幅Wgで露出する領域と、該領域の両側に設けられ該平行な方向に延び且つ該基板を幅Waで露出する領域とが、非露出領域を介して配置される。且つ、前記単結晶基板の厚さtと前記Wgと前記Waとが、Wg<t/tan54.7°、及びWa>t/tan54.7°を満たすように前記マスク層はパターニングされている。
本発明の上記製造方法で製造される構造体では、トーションスプリングのねじり軸に垂直な面での断面形状(本明細書ではトーションスプリングの断面形状或いは横断面形状とも言う)を、揺動体の平面に対して傾斜した部分を有するように形成する。このことにより、揺動体の平面に対して垂直、平行方向へ撓みにくい構造を効果的に実現できる。
本発明の上記製造方法によれば、以下の如きより具体的な形態の構造体の製造が可能である。前記トーションスプリングのねじり中心軸が前記平板状の揺動体の重心付近を通る様に容易にできる。トーションスプリングのねじれの軸中心が揺動体の重心付近を通過する構成とすることにより、揺動体を安定にねじり振動可能となる。トーションスプリングのねじれの軸中心と揺動体の重心が一致していないと、揺動体のねじり振動に伴って、この不一致のために、ねじれの軸に垂直な方向に加振力が加わって不要な振動や変位が生じ易い。したがって、ねじれの軸中心が揺動体の重心付近を通過する構成とすることにより、マイクロ光偏向器等の構造体の不要振動を低減できる。
前記トーションスプリングの長軸に垂直な面の断面形状が、そのねじり中心軸を含む面に対して対称形状を有する様にも容易にできる。トーションスプリングの断面形状を、揺動体の平面に対して傾斜した部分を有するように形成し、更に、対称とすることにより、ねじれの軸中心にねじり易く、ねじれの軸に垂直な方向には更に撓みにくい構造とすることができる。
前記トーションスプリングの材質は、好適にはシリコン単結晶などの単結晶材料からなる。こうすれば、内部損失を小さくできてエネルギー効率が高い揺動機構を実現できる。また、素材として単結晶材料を使用することで、機械的なQ値の高い構造を実現することができる。単結晶材料としては、入手の容易で機械特性に優れた(すなわち、比較的軽量でありながら物理的強度、耐性、寿命に優れた)単結晶シリコンを使用するのが好適である。(100)シリコン単結晶基板を用いて、前記トーションスプリングの傾斜面をシリコン単結晶の(111)面である様にも容易にできる。
また、前記単結晶材料が(100)シリコン単結晶基板であり、トーションスプリングが異方性エッチングで形成されて、その外面を画する該(100)基板面に対する斜面が(111)面である様にできる。この際、前記基板或いは揺動体に繋がるトーションスプリングの付け根部の外面を画する(100)基板面に対する面も、(111)面である様にできる。(111)面は高精度且つ滑らかに形成されるので、作製されたトーションスプリングは破断し難いものとなる。更に、トーションスプリングの付け根部分の面も(111)斜面とすれば、ここへの応力集中が緩和できて、トーションスプリングの信頼性を高められる。
典型的には、前記基板、揺動体、トーションスプリングは、共通のシリコン単結晶、水晶などの単結晶材料基板からエッチングなどで一体的に形成され得る。前記トーションスプリングの角部(急峻な楔部分など)が等方性エッチングで軽く丸くされて、そこへの応力集中が緩和されてもよい。
前記揺動体を支持する2組以上のトーションスプリングの断面形状を、夫々揺動体を挟んで対向するトーションスプリングについて異なる形状としてもよい。このことで、ねじれのコンプライアンスを十分に保ちながら、ねじれの軸に垂直な方向に更に撓みにくい構造とすることができる。すなわち、この構造では、揺動体を挟んで対向する夫々のトーションスプリングの撓みやすい方向が異なっているため、マイクロ光偏向器等の構造体では不要となる揺動体のこの方向への振動や変位を低減することができる。
構造体の形態としては、前記揺動体が一つであり、直線に沿って伸びた一つないし一対のトーションスプリングによって該揺動体が前記基板に対して弾性的に略該直線の回りに揺動自由に支持されている形態を採り得る。一対のトーションスプリングの形態は後述の実施例に説明されているが、揺動体が充分軽量で一つのトーションスプリングで支障なく揺動自由に支持され得る場合には、こうした形態も用途に応じて使用できる。
他の構造体の形態としては、次の形態も採り得る。この形態では、前記揺動体が複数であり、該複数の揺動体が入れ子式に配置され、各揺動体が、各直線に沿って伸びた一対のトーションスプリングによって、その外側の揺動体或いは前記基板に対して弾性的に略該各直線の回りに揺動自由に支持される。2つの揺動体が入れ子式に配置された例は図27に示されている。必要であれば、3つ以上の揺動体が入れ子式に配置された形態も実現できる。前記各直線が互いに成す角度は、典型的には90度であるが(図27の例参照)、これも、必要であれば90度以外の角度であってもよい。
更なる他の構造体の形態としては、次の形態も採り得る。前記揺動体が複数であり、該複数の揺動体がトーションスプリングを介在させて直列的に配置され、最も外側の揺動体が前記基板にトーションスプリングを介在させて支持されている形態である。例えば、比較的小質量の揺動体をトーションスプリングを介在させて比較的大質量の揺動体で挟み、両側の大質量の揺動体をトーションスプリングを介在させて基板に繋げ、これら3つのトーションスプリングを一直線に沿って伸びる形態とする。そして、この形態において、大質量の揺動体の駆動で小質量の揺動体を間接的に駆動する。いずれにせよ、本発明の製造方法で製造される構造体は、トーションスプリングの断面形状の少なくとも一部が、平板状の揺動体の平面に対して傾斜していることに特徴がある。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、揺動体を支持するトーションスプリングの断面形状を、揺動体の平面に対して傾斜した部分を有するように形成した構造体を製造できる。この構造体では、トーションスプリングが揺動体の平面に対して垂直、平行方向へ撓みにくくなり、揺動体の正確な揺動運動を可能にした構造体を効果的に実現できる。また、その材質を単結晶材料にすれば、ねじれ易く撓みにくいトーションスプリングを持ち機械的なQ値が大きな構造体を製造できる。また、機械的なQ値が高いためにノイズが少なく、感度の高い、力学量センサを製造できる。また、機械的なQ値が高いため、共振駆動したときに振幅が大きく、また、エネルギー効率の高いアクチュエータを製造できる。また、機械的なQ値が高いため、共振駆動したときに振幅が大きく、また、エネルギー効率の高い光偏向器を製造できる。
本発明の製造方法で製造できる光偏向器を光走査型ディスプレイに適用することで、精細な画像を形成できる光走査型ディスプレイも提供できる。更に、本発明の製造方法を用いることで、マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、マイクロ力学量センサ及びマイクロアクチュエータなどの構造体を比較的容易に製造することができる。
以下に、本発明の実施の形態を明らかにすべく、図面を参照しつつ実施例を説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図である。図2は、内部構造を説明するために、上記マイクロ光偏向器を分解して示した図である。図3は、本実施例のマイクロ光偏向器の動作を説明するための図2の切断線109における断面図である。図4は、本実施例の特徴であるトーションスプリングの構造を説明するための断面図であり、図1の切断線106におけるシリコン単結晶薄板120の断面を示している。
実施例1のマイクロ光偏向器において、ガラス基板110には、凹み部112が形成されている。凹み部112の底部には、一対の駆動電極114、116および三角柱状のミラー支持部132が配置されている。ミラー支持部132は、可能であれば、無くしてもよい。シリコン単結晶薄板120には、バルクマイクロマシニング技術により、トーションスプリング128、129とミラー130が、一体に形成されている。本実施例の特徴であるトーションスプリング128、129は、図4に示すように、断面形状が左右対称なV字形状になっている。これは、一つの内角が289.4°の7角形であり、ミラー130の平面に対して傾斜した2つの断面形状部を有する。
ミラー130は、平板の表面に光の反射率の高い物質がコーティングされて形成されており、V字形状のトーションスプリング128、129によりこの長軸の回りに揺動自由に支持されている。そして、シリコン単結晶薄板120は、ミラー130が駆動電極114、116と所定の間隔を保つようにガラス基板110上に対抗配置されている(図3)。トーションスプリング128、129の長軸に沿ったミラー130の下面は図3に示す様にミラー支持部132の頂線部に接していて、該頂線部に沿う揺動軸の回りでミラー130が揺動可能になっている。
シリコン単結晶薄板120は、電気的に接地されている。従って、駆動電極114、116に交互に電圧を印加することで、ミラー130に静電引力を作用させて上記揺動軸の回りにミラー130を揺動させることができる。駆動力は静電引力に限らず、磁気力などを使うこともできる。この場合は、駆動電極の代わりに電磁石を設置してミラー130の下面に硬磁性体材料の磁石を固定するなどの構成をとることになる。
上記光偏向器の作製法について、図6と図7を用いて、以下に詳しく述べる。図6(a)〜(e)は図1の切断線106における断面を表し、図7(a)〜(e)は、図2の切断線109における断面を表している。
先ず、図6に沿ってシリコン単結晶薄板120の加工について述べる。
1.シリコン単結晶薄板120の両面に、マスク層150(例えば、SiO2や低圧化学気相成長法で作製した窒化シリコン等)を成膜する。シリコン単結晶薄板120には、(100)基板を使用する。そして、フォトリソグラフィ技術で、マスク層150のパターニングを行う(a)。図6中、基板120上面側、下面側には、それぞれ、幅Waの一つの開口と幅Wbの二つの開口が形成される。幅Wbの二つの開口の間のストライプ状のマスク層150は、幅Waの開口の中心線に対応して伸びている。幅WaはV字形状のトーションスプリング128、129の最上部開口の幅にほぼ設定され、幅Wbの二つの開口の間のストライプ状のマスク層150の幅はV字形状のトーションスプリング128、129の最底部の幅にほぼ設定される。
2.KOHのようなアルカリ溶液である異方性エッチング溶液を用いて、シリコン単結晶薄板120の両面からエッチングを行う。シリコンの異方性エッチングは、(100)面で速く進み、(111)面で遅く進むため、エッチングは、まず、掘り進むにつれて開口部が狭くなるように進行する(b、c)。このとき、エッチング部の側面は滑らかな(111)面となる。
3.Wbの幅を有する開口部においては、基板120を貫通するまでエッチングが進行するが、Waの幅を有する開口部においては、基板120を貫通する手前でエッチングが止りV字形状のトーションスプリング128、129の底部が形成される(d)。図5に示すように、(111)面は、(100)面に対して、54.7度の角度を有するため、開口部の幅wとV溝の深さdの関係は、d=w/2・tan54.7°である。従って、上記のようにV字形状のトーションスプリング128、129が形成される為に、Wa<2t/tan54.7°、Wb>2t/tan54.7°の関係を満たしている。ここで、tはシリコン単結晶薄板120の厚みである。
この様に、上面からのエッチングは、基板120の下面に達する前にすべての面が(111)面になりエッチングがストップするため、V字状の溝が形成される。下面からのエッチングは、基板120を貫通するまで進行し、マスク層150でストップする。
この際、ミラー130の回りの他のエッチング貫通部も形成されるように、下面側のマスク層150のパターニングが行われている。また、(111)面は高精度且つ滑らかに形成されるので、作製されたV字形状のトーションスプリング128、129は破断し難いものとなる。更に、上記異方性エッチングにより、トーションスプリング128、129の付け根部分のV溝の面(図2(a)に128a、129aで示す)も図2(b)に示すように(111)斜面となるので、ここへの応力集中が緩和できて、トーションスプリングの信頼性を高め、ミラーの光偏向角を大きくできる。
4.上記異方性エッチング後、ガスや酸により等方性エッチングを行い、V溝の急峻な楔部分やトーションスプリングの角部の角を丸くしてもよい。こうすれば、これらの部分への応力集中を緩和できる。
5.次に、マスク層150を除去する(e)。
6.最後に、ミラー130を洗浄し、表面に光反射膜を成膜する。
続いて、図7に沿ってガラス基板110の加工法について述べる。
1.ガラス基板110の両面にマスク層151(レジスト等)を成膜する(a)。
2.マスク層151をパターニングする(b)。三角柱状のミラー支持部132と凹み部112がエッチングで形成される様にパターニングする。
3.凹み部112の深さが25μmになるように、エッチングを行う(c)。このとき、三角柱状のミラー支持部132が形成される。
4.マスク層151を除去し、凹み部112に所定のパターンの駆動電極114、116を形成する(d)。
5.図1に示すようなマイクロ光偏向器の形態になるように、シリコン単結晶薄板120とガラス基板110を接合する(e)。
以上のように、本実施例の製造方法によれば、異方性エッチングを1度行うだけで、V字形状断面を有するトーションスプリング128、129を製造することができる。図4に示すように断面がV字形状になっている本実施例の光偏向器のトーションスプリング128(129)は、従来のT字形状断面のトーションバーと同様に、ねじれやすくて、撓みにくい構造となっている。また、トーションスプリング128、129の断面形状は、平板状の揺動体の平面(ミラー130)に対して傾斜した交差した2つの部分を有するので、揺動体の平面に対して垂直、平行方向へ撓みにくい構造となっている。更に、本実施例によれば、単結晶シリコンをトーションスプリングの素材に使用することで、ポリシリコンに比べて機械的なQ値が大きなマイクロ構造体を実現できる。
更に、本実施例によれば、単結晶材料をトーションスプリングの素材に使用することで、より壊れにくく、より小型化が可能で、共振駆動したときに振動振幅が大きくエネルギー効率の高いマイクロ光偏向器を実現できる。また、本実施例の製造方法を用いることで、比較的容易に本実施例のマイクロ構造体を製造することができる。
上記実施例1の変形例を説明する。図8(a)は、本変形例のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図である。トーションスプリング628、629は基板面およびシリコンの(111)面で囲まれたV字状断面或いは逆V字状断面を有している。反射面の形成されたミラー630及び枠体620の側面形状は、シリコンの(111)面が露出した形状となるが、図8では簡単のために反射面に対して垂直な側面として描いてある。このことは、他の図でも同様である。
本変形例のマイクロ光偏向器は、上記実施例1と異なり、2組のトーションスプリング628、629の断面形状が図8(b)に示す如く異なることを特徴としている。これにより、ねじれ易く、より撓みにくい構造を提供することができる。また、ねじれ共振駆動時に、一方のトーションプリング628または629の構造に起因して発生する撓み振動等の不要な運動モードや外乱による影響を他方のトーションプリング629または628の構造で相殺することができ、駆動安定性を向上させられる。
詳細には、図8(b)に示すように、トーションスプリング628、629のA−A’断面の形状とB−B’断面の形状とが互いに基板面(トーションスプリング628、629のねじり中心軸を含んでミラー630の平面に平行な面)に対して対称な形状になっている。また、ミラー630の重心が2組のトーションスプリング628、629のねじり回転軸と一致しており、さらに、駆動安定性を向上させることができる。
本変形例によるマイクロ光偏向器は、実施例1と同様に、シリコン基板を結晶異方性エッチングを用いて加工することにより作製する。図6で説明した作製プロセスを用いればよいが、他方のトーションスプリングを形成する方のマスク層150は図6のパターンとは上下逆にする。この様に、異方性エッチングを1度行うだけで、偏平断面を有する部分を上下逆に組み合わせたトーションスプリング628、629を容易に製造することができる。
本変形例により、プロセスが容易で、2組のトーションスプリングの断面形状が互いに異なることにより、それぞれのトーションスプリングに起因する駆動時の外乱等の影響を相殺させられるマイクロ光偏向器を実現できる。
[実施例2]
図9は、本発明の実施例2のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図である。図10は、内部構造を説明するために、上記マイクロ光偏向器を分解して示した図である。図11は、図9の切断線106におけるシリコン単結晶薄板120の断面を示している。図10の切断線109における断面図は図3と同じである。
実施例2のマイクロ光偏向器においても、ガラス基板110には、凹み部112が形成されている。凹み部112の底部には、一対の駆動電極114、116および三角柱状のミラー支持部132が配置されている。シリコン単結晶薄板120には、バルクマイクロマシニング技術により、トーションスプリング122、124とミラー130が、一体に形成されている。本実施例の特徴であるトーションスプリング122、124は、図11に示すように、断面形状がX字形状になっている。この形状は、図11より明らかなように、4つの内角が180度よりも大きい12角形であり、また、回転対称形状である。更に、ミラー130の平面に対して傾斜した交差した断面形状部を有する。
ミラー130は、平板の表面に光の反射率の高い物質がコーティングされて形成されており、X字形状のトーションスプリング122、124によりこの長軸の回りに揺動自由に支持されている。そして、シリコン単結晶薄板120は、ミラー130が駆動電極114、116と所定の間隔を保つようにガラス基板110上に対抗配置されている。トーションスプリング122、124の長軸に沿ったミラー130の下面はミラー支持部132の頂線部に接していて、該頂線部に沿う揺動軸の回りでミラー130が揺動可能になっている。
シリコン単結晶薄板120は、電気的に接地されている。従って、駆動電極114、116に交互に電圧を印加することで、ミラー130に静電引力を作用させて上記揺動軸の回りにミラー130を揺動させることができる。
上記光偏向器の作製法について、図13を用いて、以下に詳しく述べる。図7の工程は本実施例でも用いられる。図13(a)〜(g)は図9の切断線106における断面を表し、図7(a)〜(e)は、図10の切断線109における断面を表している。
図13に沿ってシリコン単結晶薄板120の加工について述べる。
1.シリコン単結晶薄板120の両面に、マスク層150(例えば、SiO2や低圧化学気相成長法で作製した窒化シリコン等)を成膜する。シリコン単結晶薄板120には、(100)基板を使用する。そして、フォトリソグラフィ技術で、マスク層150のパターニングを行う(a)。このパターニングに使用するマスクパターンを図12に示す。図12に示すマスクパターンは、トーションスプリング122、124とミラー130の外形に沿ってWaの幅を有する開口部191が形成されており、また、幅Wbのトーションスプリングの長手方向の中心線に沿ってWgの幅を有する開口部190が形成されている。
2.KOHのようなアルカリ溶液である異方性エッチング溶液を用いて、シリコン単結晶薄板120の両面からエッチングを行う。シリコンの異方性エッチングは、(100)面で速く進み、(111)面で遅く進むため、エッチングは、まず、掘り進むにつれて開口部が狭くなるように進行する(b)。
3.Wgの幅を有する開口部190においては、基板120の中央に達する前にすべての面が(111)面になりエッチングがストップするため、V字状の溝(図11に示す様に、深さdgで、幅Wgである)が形成される。また、Waの幅を有する開口部191においては、基板120を貫通するまでエッチングが進行する(c)。図5に示すように、(111)面は、(100)面に対して、54.7度の角度を有するため、開口部の幅wとV溝の深さdの関係は、d=w/2・tan54.7°である。従って、ここでは、Wg<t/tan54.7°、Wa>t/tan54.7°の関係を満たしている。ここで、tはシリコン単結晶薄板120の厚みである。
4.開口部191の上下からの穴が貫通したあとは、エッチングは側方に進んでいく(d、e)。
5.(111)面に到達して、エッチングがストップする。このときトーションスプリング122、124の断面はX字形状になる(f)。図11に示す様に、このX字断面の側部のV溝の深さはkbで、幅はtである。この際、(111)面は高精度且つ滑らかに形成されるので、作製されたX字形状のトーションスプリング122、124は破断し難いものとなる。更に、上記異方性エッチングにより、トーションスプリング122、124の付け根部分のV溝の面(図10(a)に122a、124aで示す)も図10(b)に示すように(111)斜面となるので、ここへの応力集中が緩和できて、トーションスプリングの信頼性を高め、ミラーの光偏向角を大きくできる。
6.上記異方性エッチング後、ガスや酸により等方性エッチングを行い、V溝の急峻な楔部分やトーションスプリングの角部の角を丸くしてもよい。こうすれば、これらの部分への応力集中を緩和できる。
7.次に、マスク層150を除去する(g)。
8.最後に、ミラー130を洗浄し、表面に光反射膜を成膜する。
ガラス基板110の加工法については、図7に沿って述べた実施例1の説明と同じである。
以上のように、本実施例の製造方法によれば、異方性エッチングを1度行うだけで、X字形状断面を有するトーションスプリング122、124を製造することができる。図11に示すように断面がX字形状になっている本実施例の光偏向器のトーションスプリング122(124)は、断面二次極モーメントJが小さい割に、断面二次モーメントIが大きいという特徴がある。また、その横断面形状が回転対称形状なので、揺動時にねじれの軸に垂直な方向の加振力が生じないマイクロ構造体を実現できる。更に、トーションスプリング122、124の断面形状は、平板状の揺動体の平面(ミラー130)に対して傾斜した交差した部分を有するので、揺動体の平面に対して垂直、平行方向へ更に撓みにくい構造となっている。
本実施例によっても、単結晶シリコンをトーションスプリングの素材に使用することで、ポリシリコンに比べて、より壊れにくく、より小型化が可能で、共振駆動したときに振動振幅が大きくエネルギー効率の高い、機械的なQ値が大きなマイクロ構造体を実現できる。
また、揺動したときにトーションスプリングの軸に垂直な方向に振動しにくいので、精度が高いマイクロ光偏向器を実現でき、機械的なQ値が高いために共振駆動したときに振動振幅が大きく、エネルギー効率の高いマイクロ光偏向器を実現できる。更に、本実施例の製造方法を用いることで、比較的容易にX字形状の断面を有するトーションスプリングを製造することができる。
上記実施例2の変形例を説明する。図14(a)は、本変形例のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図である。トーションスプリング728、729は、基板面720およびシリコンの(111)面で囲まれた偏平断面を有している。
本変形例のマイクロ光偏向器は、上記実施例2と異なり、2組のトーションスプリング728、729の断面形状が異なることを特徴としている。これにより、ねじり易く、更に撓みにくい構造を提供することができる。また、ねじれ共振駆動時に、一方のトーションバー構造に起因して発生する撓み振動等の不要な運動モードや外乱による影響を他方のトーションバー構造で相殺することができ、駆動安定性を向上させられる。
詳細には、図14(b)に示すように、トーションバー728のA−A‘断面の形状とトーションバー729のB−B’断面の形状とが互いに基板面720(ミラー730の面でもある。より正確には、トーションバー728、729のねじり中心軸を含んでミラー730の平面に平行な面)に対して対称な図形になっている。また、2組のトーションバー728、729の重心(ミラー730の重心でもある)がねじり回転軸と一致しており、さらに、駆動安定性を向上させることができる。
本変形例によるマイクロ光偏向器は、上記実施例2と同様に、シリコン基板を結晶異方性エッチングを用いて加工することにより作製される。図15は作製プロセスを示す断面図である。
まず、面方位(100)の単結晶シリコン基板720の両面に低圧化学気相成長法を用いて窒化シリコンよりなるマスク層731、732を形成する(図15(a)参照)。次に、フォトリソグラフィーおよびCF4ガスを用いたドライエッチング法によりマスク層731、732のパターニングを行なう(図15(b)参照)。ここでは、基板720の上下面でトーションバーの幅の分だけマスク層が残され、これら残されたマスク層部分はトーションバーの傾斜に応じて左右にずれている。次に、100℃に加熱した30%の水酸化カリウム水溶液を用いてシリコン720の結晶異方性エッチングを行なう(図15(c)参照)。さらに、このエッチングを継続することにより基板720を貫通させる(図15(d)参照)。この際のエッチング方向は図示の通りである。さらに、上記のエッチングを継続することにより、側面がSi(111)面よりなる板バネ状のトーションバー728または729が形成される(図15(e)参照)。ミラー730を挟んだ反対側の他方のトーションバー729または728も同時に形成されるが、この部分ではマスク層は図15とは上下逆にした態様でパターニングされて異方性エッチングが行われている。
ここで、マスク層は除去してもよい。また、反射面の表面に反射膜を成膜してもよい。以上のように、本変形例の製造方法によれば、異方性エッチングを1度行うだけで、偏平断面を有するトーションバー728、729を組み合わせたトーションスプリングを容易に製造することができる。
本変形例により、次の様なマイクロ光偏向器を提供することができる。ここでは、2組のトーションスプリングがそれぞれ一枚の板バネ状という簡単な構造であり、プロセスが容易であり、2組のトーションスプリングの断面形状が互いに異なることにより、ねじり易く更に撓みにくい構造を有し、かつ、それぞれのトーションスプリングに起因する駆動時の外乱等の影響を相殺させることができる。更に、2組のトーションバーの重心とねじり回転軸とを容易に一致させることができ、駆動を安定させることが容易にでき、トーションバーに応力集中部分がなく、破壊しにくい構造になっている。
[実施例3]
図16は、本発明の実施例3のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図である。図17は、内部構造を説明するために、上記マイクロ光偏向器を分解して示した図である。図18は、図16の切断線106におけるシリコン単結晶薄板120の断面を示し、本実施例の特徴であるトーションスプリングの構造を説明するための断面図である。図17の切断線109における断面図は図3と同じである。
実施例3のマイクロ光偏向器においても、ガラス基板110には、凹み部112が形成されている。凹み部112の底部には、一対の駆動電極114、116および三角柱状のミラー支持部132が配置されている。シリコン単結晶薄板120には、バルクマイクロマシニング技術により、トーションスプリング128、129とミラー130が、一体に形成されている。本実施例の特徴であるトーションスプリング128、129は、偏平トーションバー122、123;124、125が図18に示す様に2本ずつ組になって、断面形状が逆ハの字形状に配置されることで構成されている。
ミラー130は、平板の表面に光の反射率の高い物質がコーティングされて形成されており、トーションスプリング128、129により揺動自由に支持されている。そして、シリコン単結晶薄板120は、ミラー130が駆動電極114、116と所定の間隔を保つようにガラス基板110上に対抗配置されている。トーションスプリング128、129のねじり軸に沿ったミラー130の下面はミラー支持部132の頂線部に接していて、該頂線部に沿う揺動軸の回りでミラー130が揺動可能になっている。
シリコン単結晶薄板120は、電気的に接地されている。従って、駆動電極114、116に交互に電圧を印加することで、ミラー130に静電引力を作用させて上記揺動軸の回りにミラー130を揺動させることができる。これらの構成は上記の実施例1、2と同じである。
本実施例の光偏向器の作製法について、図19を用いて、以下に詳しく述べる。図7の工程は本実施例でも用いられる。図19(a)〜(e)は図16の切断線106における断面を表し、図7(a)〜(e)は、図17の切断線109における断面を表している。
図19に沿ってシリコン単結晶薄板120の加工について述べる。
1.シリコン単結晶薄板120の両面に、マスク層150(例えば、SiO2や低圧化学気相成長法で作製した窒化シリコン等)を成膜する。シリコン単結晶薄板120には、(100)基板を使用する。そして、フォトリソグラフィ技術で、マスク層150のパターニングを行う(a)。このマスクパターンは、トーションスプリング128、129の部分では、基板120上面側と下面側にそれぞれ幅Waと幅Wbのストライプ状開口が形成されている。幅Wbのストライプ状開口はストライプ状マスク層150を挟んで一対形成され、幅Waのストライプ状開口は該ストライプ状マスク層に対応する上面個所に1つ形成されている。幅Waは2つのトーションバー122、123;124、125の最上部の間隔に設定され、幅Wbの二つの開口の間のストライプ状のマスク層150の幅は2つのトーションバー122、123;124、125の最底部の間隔に設定される。このマスクパターンでは、ミラー130の外形に沿って適当な幅の開口部も基板120上面側に形成されている。
2.KOHのようなアルカリ溶液である異方性エッチング溶液を用いて、シリコン単結晶薄板120の両面からエッチングを行う。シリコンの異方性エッチングは、(100)面で速く進み、(111)面で遅く進むため、エッチングは、まず、掘り進むにつれて開口部が狭くなるように進行する(b、c)。
3.両面から基板120を貫通するまでエッチングが進行し、マスク層150でストップする(d)。図5に示すように、シリコンの(111)面は、(100)面に対して、54.7度の角度を有するため、開口部の幅wとV溝の深さdの関係は、d=w/2・tan54.7°である。従って、基板120を貫通するためには、Wa、Wb>2t/tan54.7°の関係を満たす必要がある。ここで、tはシリコン単結晶薄板120の厚みである。
この際、(111)面は高精度且つ滑らかに形成されるので、作製された逆ハの字断面形状のトーションスプリング128、129は破断し難いものとなる。更に、上記異方性エッチングにより、トーションスプリング128、129の付け根部分のV溝の面(図17(a)に128a、129aで示す)も図17(b)(図17(a)の切断線190におけるシリコン単結晶薄板120の断面図)に示すように(111)斜面となるので、ここへの応力集中が緩和できて、トーションスプリングの信頼性を高め、ミラーの光偏向角を大きくできる。
4.上記異方性エッチング後、ガスや酸により等方性エッチングを行い、トーションスプリングの角部の角を丸くしてもよい。こうすれば、これらの部分への応力集中を緩和できる。
5.次に、マスク層150を除去する(e)。
6.最後に、ミラー130を洗浄し、表面に光反射膜を成膜する。
ガラス基板110の加工法については、図7に沿って述べた実施例1の説明と同じである。
以上のように、本実施例の製造方法によれば、異方性エッチングを1度行うだけで、偏平断面を有するトーションバー122、123;124、125を逆ハの字形状に組み合わせたトーションスプリング128、129を製造することができる。
図18に示すように、本実施例の光偏向器のトーションスプリング128(129)においては、2本の偏平トーションバー122(124)と123(125)が、互いに70.6°の角度を持って配置されている。つまり、偏平トーションバーの最も撓みやすい(曲げ剛性が低い)方向が、平行にならないように組み合わされているため、トーションスプリング全体として、曲げ剛性が高い構造となっている。更に、トーションスプリング128、129の断面形状は、平板状の揺動体の平面(ミラー130)に対して傾斜した交差した2つの部分を有するので、揺動体の平面に対して垂直、平行方向へ更に撓みにくい構造となっている。
本実施例によれば、T字断面のトーションバーと異なり、大きな応力集中が生じないので、同じねじりばね定数、同じ長さのトーションスプリングを考えたときに、より壊れにくいマイクロ構造体を実現できる。また、本実施例によれば、同じ許容ねじり角で考えると、T字断面のトーションバーと比べて、より小型化が可能なマイクロ構造体を実現できる。更に、単結晶シリコンを素材に使用することで、ポリシリコンに比べて機械的なQ値が大きなマイクロ構造体を実現できる。
そして、本実施例によれば、より壊れにくく、より小型化が可能で、共振駆動したときに振動振幅が大きいマイクロ光偏向器を実現できる。更に、本実施例の製造方法を用いることで、比較的容易に本発明のマイクロ構造体を製造することができる。
実施例3の変形例を図20を用いて説明する。図20は、本発明の実施例3の変形例のマイクロ光偏向器を説明するための斜視図(a)及び断面図(b)である。この変形例では、トーションバーは基板面およびシリコンの(111)面で囲まれた偏平断面を有しており、これが逆ハ及びハの字状に2枚組み合わされてトーションスプリング528、529となっている。図20でも、反射面530及び枠体520の側面形状は、シリコンの(111)面が露出した形状となるが、簡単のために反射面530に対して垂直な側面として描いてある。
本変形例のマイクロ光偏向器は、図20(b)に示すように、トーションバーのA−A’断面の形状とB−B’断面の形状とが、基板面(より正確には、該対向するトーションスプリングのねじり中心軸を含み反射面530に平行な面)に対して互いに対称な形状になっている。これにより、ねじれ共振駆動時に、一方のトーションバー構造に起因して発生する撓み振動等の不要な運動モードや外乱による影響を他方のトーションバー構造で相殺することができ、駆動安定性を向上させることができる。
本変形例によるマイクロ光偏向器では、上記実施例3と同様に(他方のトーションバー構造について図19のマスク層150のパターンを変える(上下を逆にする)のみでよい)、異方性エッチングを1度行うだけで、偏平断面を有するトーションバーを組み合わせたトーションスプリング528、529を容易に製造することができる。
本変形例においては、プロセスが容易であり、2組のトーションスプリングの断面形状が互いに異なることにより、上述した様にそれぞれのトーションスプリングに起因する駆動時の外乱等の影響を相殺させることができ、トーションバーに応力集中部分がなく、破壊しにくい構造となったマイクロ光偏向器を実現することができる。
[実施例4]
図21は、本発明の実施例4のマイクロ光偏向器を説明するための概略斜視図を示している。本実施例のマイクロ光偏向器においても、シリコン単結晶薄板には、バルクマイクロマシニング技術により、上記実施例ないし変形例で説明したようなトーションスプリング(不図示)とミラー330が、一体に形成されている。ミラー330の端には、軟磁性体材料からなる可動コア341が固定されている。ミラー330は、表面に光の反射率の高い物質がコーティングされており、トーションスプリングによりその長軸であるねじり軸の回りに揺動自在に支持されている。
一方、ガラス基板(不図示)の上には、軟磁性体材料からなる固定コア342が配置されており、この固定コア342をコイル(不図示)が周回している。そして、シリコン単結晶薄板とガラス基板は、可動コア341と固定コア342のほぼ平行に対向する面が、所定の間隔を保つように接合されている。すなわち、ミラー330が揺動するときに、これら対向する面がほぼ平行状態を保ったままその重なり面積(可動コア341が、固定コア342に発生した磁束を切る断面積)が変化する様になっている。可動コア341と固定コア342で2つの間隙を含む閉じた直列磁気回路が形成される。
本実施例の光偏向器の動作について説明する。コイルに通電すると、固定コア342が励磁される。図21では、固定コア342の図中手前側がN極に、奥側がS極に励磁されている様子を表している。すると、可動コア341は、上記対向面の重なり面積が増す方向(固定コア342で発生した磁束路に吸引される方向)、即ち図21の矢印の方向に引き付けられる。可動コア341と固定コア342は、上記対向面の重なり面積が増加できる様に非通電時には高さが異なる状態で配置されているので、トーションスプリングの回りに左回りの回転モーメントが生じる。ミラー330の共振周波数に合わせてコイルへの通電をON/OFFすると、ミラー330がトーションスプリングの回りに共振を起こす。この状態でミラー330に光線を入射することで、光の走査を行うことができる。
[実施例5]
図22は、実施例5の光走査型ディスプレイを説明する図である。X光偏向器401とY光偏向器402は、上記実施例ないし変形例の光偏向器と同様のものである。コントローラ409は、X光偏向器401とY光偏向器402を制御して、レーザ光線410をラスター状に走査し、表示する情報に応じてレーザ発振器405を変調することで、スクリーン407上に画像を2次元的に表示する。
本発明の光偏向器を光走査型ディスプレイに適用することで、精細な画像を形成できエネルギー効率が高い光走査型ディスプレイを実現することができる。
本発明の実施例1の光偏向器を説明するための斜視図である。 実施例1の光偏向器を説明するための分解図(a)、及びトーションバーの縦断面図(b)である。 実施例1等の光偏向器を説明するための断面図である。 実施例1の光偏向器を説明するためのトーションバーの部分の横断面図である。 シリコンの異方性エッチングを説明する図である。 実施例1の光偏向器のシリコン単結晶薄板の作製プロセスを説明する図である。 実施例1等の光偏向器のガラス基板の作製プロセスを説明する図である。 本発明の実施例1の変形例の光偏向器を説明するための斜視図(a)、及びトーションスプリングの断面図(b)である。 本発明の実施例2の光偏向器を説明するための斜視図である。 実施例2の光偏向器を説明するための分解図(a)、及びトーションスプリングの縦断面図(b)である。 実施例2の光偏向器を説明するためのトーションスプリングの部分の横断面図である。 実施例2の光偏向器を説明するための平面図である。 実施例2の光偏向器のシリコン単結晶薄板の作製プロセスを説明する図である。 本発明の実施例2の変形例の光偏向器を説明するための斜視図(a)、及びトーションスプリングの断面図(b)である。 実施例2の変形例の光偏向器のシリコン単結晶薄板の作製プロセスを説明する図である。 本発明の実施例3の光偏向器を説明するための斜視図である。 実施例3の光偏向器を説明するための分解図(a)、及びトーションスプリングの縦断面図(b)である。 実施例3の光偏向器を説明するためのトーションスプリングの部分の横断面図である。 実施例3の光偏向器のシリコン単結晶薄板の作製プロセスを説明する図である。 本発明の実施例3の変形例の光偏向器を説明するための斜視図(a)、及びトーションスプリングの断面図(b)である。 実施例4の光偏向器の動作原理を説明する概略斜視図である。 本発明の実施例5の光走査型ディスプレイを説明する図である。 従来の光偏向器を説明するための斜視図である。 従来の光偏向器を説明するための分解図である。 従来の光偏向器を説明するための断面図である。 従来の光偏向器を説明するためのトーションバーの部分の断面図である。 従来のハードディスク用ジンバルを説明する上面図である。 従来のハードディスク用ジンバルを説明するための断面図である。 従来のハードディスク用ジンバルの作製プロセスを説明する図である。
符号の説明
110 ガラス基板
112 凹み部
114、116 駆動電極
120、620、720 シリコン単結晶薄板
122、123、124、125、128、129、528、529、628、629、728、729
トーションスプリング(トーションバー)
122a、124a、128a、129a
トーションスプリングの付け根部の斜面
130、330、630、730
ミラー
132 ミラー支持部
150、731、732 マスク層
190、191 開口部
341 可動コア
342 固定コア
401 X光偏向器
402 Y光偏向器
405 レーザ発振器
407 スクリーン
409 コントローラ
410 レーザ光線
1010 絶縁性基板
1014、1016 駆動電極
1020 シリコン薄板
1022、1024、2001、2002
トーションバー
1030、2011 ミラー
1032 ミラー支持部
2020 ジンバル
2022、2024 ロールトーションバー
2026、2028 ピッチトーションバー
2030 ヘッド支持体
2031 支持枠
2091 型取り用シリコンウェハー
2092 犠牲層
2093 ポリシリコン層
2094 エポキシ樹脂
2095 パッド

Claims (3)

  1. 基板とトーションスプリングと揺動体とを含み構成され、該揺動体が該トーションスプリングによって、該基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持されている構造体の製造方法であって、 単結晶シリコン基板と、(100)等価面である該単結晶シリコン基板の表面及び裏面に設けられているパターニングされたマスク層と、を有する部材を用意する第1の工程、及び 前記部材をアルカリ水溶液を用いて、異方性エッチングすることにより、前記単結晶シリコン基板に、前記基板、前記揺動体、及び前記トーションスプリングを形成する第2の工程を有し、前記トーションスプリングが形成される位置における前記マスク層は、前記ねじり軸に平行な方向に延び且つ前記単結晶シリコン基板を幅Wgで露出する領域と、該幅Wgで露出する領域の両側に設けられている、前記ねじり軸に平行な方向に延び且つ前記単結晶基板を幅Waで露出する領域とが、非露出領域を介して配置され、且つ、前記単結晶基板の厚さtと前記Wgと前記Waとが、Wg<t/tan54.7°、及び、Wa>t/tan54.7°を満たすようにパターニングされていることを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 前記第2の工程後、前記単結晶基板の前記表面及び前記裏面に残存する前記マスク層を除去する第3の工程を有することを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. 前記異方性エッチングの後に、前記トーションスプリングに等方性エッチングを施し、該トーションスプリングの角部を丸くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
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