JP2001311900A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

Info

Publication number
JP2001311900A
JP2001311900A JP2000128393A JP2000128393A JP2001311900A JP 2001311900 A JP2001311900 A JP 2001311900A JP 2000128393 A JP2000128393 A JP 2000128393A JP 2000128393 A JP2000128393 A JP 2000128393A JP 2001311900 A JP2001311900 A JP 2001311900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
optical scanning
scanning device
substrate
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000128393A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukito Sato
幸人 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000128393A priority Critical patent/JP2001311900A/ja
Publication of JP2001311900A publication Critical patent/JP2001311900A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電圧が低く、かつ高周波数での駆動時に
もミラーの振れ角が静電駆動のねじり振動型光走査装置
およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る光走査装置は、同一直線上
に設けられた複数の梁で支持されたミラーと、該ミラー
に対向する位置に設けた対向電極との間に静電引力によ
って前記梁をねじり回転軸として前記ミラーを往復振動
させる光走査装置において、前記対向電極は、前記ミラ
ーと平行でない傾斜面を設け該傾斜面上の少なくとも一
部に、溝を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシニン
グ技術を応用した微小光学系を有する光走査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980) に
は、光走査装置(静電駆動のねじり振動型光走査装置)
が掲載されている。この光走査装置は、同一直線上の2
本の梁で支持されたミラーが設けられ、このミラーと該
ミラーに対向する位置に設けた電極との間で、静電引力
により、前記2本の梁をねじり回転軸として往復振動さ
せている。この光走査装置は、従来のモーターを使った
ポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して構造
が簡単であり、また、この光走査装置はマイクロマシニ
ング技術を用いて半導体プロセスにより一括形成が可能
である。このため、小型化が容易であり、製造コストも
低く、しかも単一の反射面を有するため面精度によるば
らつきがなく、さらに往復走査であるため、高速化にも
対応できる等の効果が期待できる。このような前記静電
駆動のねじり振動型光走査装置では、駆動電圧を下げる
ために、ミラーとミラーを駆動する電極間の距離を小さ
くすると、駆動によるミラーの振れ角が小さくなってし
まうといった欠点があった。このため、ミラーの振れ角
を変えずに駆動電圧を下げるために、たとえばThe 13th
Annual International Workshop on MEMS2000 (2000)
645-650 に記載されているような、対向電極をミラーの
振れの中心位置から傾斜させて設置する方法が知られて
いる。また、このような静電駆動のねじり振動型光走査
装置では、ミラーと電極間の距離を小さく設定した場
合、ミラーを高速駆動すると、ミラーと電極との間の空
気の粘性が影響して、高周波数でのミラーの振れ角が小
さくなってくるといった問題点がある。これを防止する
ために、たとえば特開平11-14933号公報に開示されるよ
うな電極部にスリット状の溝を形成する方法も知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような静電駆動の
ねじり振動型光走査装置において、対向電極をミラーの
振れの中心位置から傾斜させて設置すると、実質的に対
向電極とミラーの距離は小さくなる。これによってミラ
ーを高速駆動すると、ミラーと電極間の空気の粘性の影
響により高周波数でのミラーの振れ角が小さくなる。そ
れを防止するために、電極部にスリット状の溝を形成す
ると、溝の形成方向がねじり梁と平行方向であるため、
振動の際に空気の流れに乱れが発生し、振れ角が低下す
るのを効果的に防止することができなかった。本発明
は、このような従来技術における問題点を解決し、駆動
電圧が低く、かつ高周波数での駆動時にもミラーの振れ
角が静電駆動のねじり振動型光走査装置を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の光走査装置は
同一直線上に設けられた複数の梁で支持されたミラー基
板と、該ミラー基板に対向する位置に設けた対向電極と
の間に静電引力によって前記梁をねじり回転軸として前
記ミラー基板を往復振動させる光走査装置において、前
記対向電極は、前記ミラー基板のミラー面と平行でない
傾斜面を設け、該傾斜面上および/または前記ミラー基
板のミラー面と反対の面の少なくとも一部に、溝を形成
したことを特徴とする。請求項2に記載の光走査装置
は、請求項1に記載の光走査装置において、前記溝は、
前記対向電極の傾斜方向に沿って形成されていることを
特徴とする。請求項3に記載の光走査装置の発明は、請
求項1または2において、前記溝が、ミラー基板のミラ
ー面と反対の面に形成されていることを特徴とする。請
求項4に記載の光走査装置の発明は、請求項3に記載の
光走査装置において、前記対向電極の傾斜方向に略平行
して前記溝が形成されていることを特徴とする。請求項
5に記載の光走査装置の発明は、請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の光走査装置において、前記対向電極の傾
斜角と、ねじり振動するミラー部の振れ角とが略同一で
あることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施形態により
本発明の構成、動作等を説明する。 第1実施形態 図1に第1の実施形態における光走査装置を示す。図1
(a)は、光走査装置全体の正面図であり、図1(b)は、
駆動電極を含んだ断面図であり、図1(c)は、電極基板
の正面図である。また、図1(d)に、駆動電極部の形状
を拡大して示し、図1(e)に、尾根の頂上付近の拡大図
を示す。ミラー101 が形成されたミラー基板102 は2 本
のねじり梁103 、104 で支持され、フレーム105 に固定
されている。電極基板106 はミラーの振れの中心位置の
下を尾根の頂上107 として、ミラーの振れ方向に振れ角
と(略)等しい角度で傾斜しており、傾斜面には複数の
溝108 が傾斜と略直交方向に形成されている。また、そ
れぞれの傾斜面には駆動電極109 、110 が形成されてお
り、そこから、電極パッド111 、112 が引き出されてい
る。2本のねじり梁で支持されたミラー基板を共通の電
極として、ミラー基板裏面の対向する位置にギャップを
隔てて設けた2つの電極に交互に電圧を印加すること
で、ミラー基板と駆動電極間に静電引力が発生し、ミラ
ーを往復振動させることができた。このとき、傾斜した
駆動電極と共通電極であるミラー基板裏面との距離を、
電極基板の尾根位置に最も近いところで最小の0.1μm
(ミクロンメートル)、そこから最も離れた位置で最大
の1.0μmとすることで、全体が1.0μm離れた平行電極
の場合よりも小さな電圧でミラーを駆動することができ
た。また、傾斜面に溝が形成されていない場合よりも高
い周波数まで変位の低下が見られなかった。なお図1
(e)に、ミラー振れ角をαで示す。
【0006】<第1実施形態の製造方法>次に、本発明
の光走査装置の第1実施形態の製造方法を図2を用いて
説明する。まず、ミラー基板の製造方法を説明する。両
面にSiO2膜201 (たとえば厚さ1.5μm)が形成され
ている両面研磨されたシリコン基板202 (たとえば厚さ
200μm)を、両面研磨されたシリコン基板203 (たと
えば厚さ200μm)に、直接接合する(図2(a)参照)。
このときシリコン基板203 はシリコン基板202 の外周か
ら一定距離はみ出るように設定した(たとえば約1mm 程
度)。このはみ出し部は、後にガラス電極基板との陽極
接合の際に、電極プローブをたてるためのものである。
次に、SiO2膜の形成されていないシリコン基板203を
厚さ80μmまでCMP(Chemical Mechanical Polishin
g) で高精度に研磨した(図2(b)参照)。このときの厚
さがミラー基板の厚さとなる。次に、シリコン基板202
上のSiO2膜201 をレジストマスクでふっ酸でエッチ
ングすることにより、フレーム形状にパターニングした
(図2(c)参照)。次に、シリコン基板202 をSiO2
スクで接合界面のSiO2が現れるまでKOH水溶液で
異方性エッチングした(図2(d)参照)。このとき、シリ
コン基板の端面と裏面はエッチング液に触れないように
耐アルカリ性のワックスを用いて保護しておいた。な
お、ここでは異方性エッチング液としてKOH溶液を用
いたが、シリコンとSiO2のエッチング選択比が十分
大きい他の異方性エッチング液、たとえばTMAH(テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド)、ヒドラジン等
を使用してもよい。また、ここではSiO2を異方性エ
ッチング時のマスク材料として使用しているが、シリコ
ンのエッチング液を用いてこのエッチング液でエッチン
グされない他の薄膜材料、たとえばSiN膜、SiN/
SiO2の二層膜等を異方性エッチングのマスク材とし
て、使用してもよい。次に、エッチングマスクとして使
用したSiO2膜をフッ酸でエッチング除去した(図2
(e)参照)。このようにして形成されたシリコン平坦面
にレーザーの反射材料としてAlをマスクスパッタ法で
形成した(図2(f)参照) 。なお、ここでは金属薄膜と
してAlを用いスパッタ法により成膜したが、使用する
レーザー光に対し必要十分な反射率が得られる金属薄膜
ならば他の材料も選択可能であり(たとえばAu、C
u、Pt等)、成膜法もスパッタ法に限らず真空蒸着法
等も利用できる。
【0007】次に、レジストをマスクとしてドライエッ
チングでシリコン平坦面を貫通することにより、梁とミ
ラー基板を形成した(図2(g)参照)。次に電極基板の製
造方法を説明する。まず、厚さ1mm のほう珪酸ガラス基
板205 上に厚さ1.5μmのレジスト206 を塗布した(図2
(h)参照)。次に、開口率に分布をもたせたフォトマス
クを使用することにより、レジストの露光深さに分布を
もたせた。このとき電極形状が傾斜するように分布形状
を設計した。このレジストを現像することで、電極形状
を反映したレジスト形状を形成した(図2(i)参照)。こ
のレジストをマスクとしてガラス基板204 をドライエッ
チングすることで、レジストとガラス基板のエッチング
選択比に応じて、レジスト形状がガラス基板に転写され
た(図2(j)参照)。次いで、ガラス基板表面に形成した
レジストをパターニングし、それをマスクとして傾斜部
のガラスを深さ0.5μmドライエッチングすることによ
り溝を形成した(図2(k)参照)。レジストを除去したあ
と、電極としてAu/Tiの2層膜207 をマスクスパッ
タ法で形成した(図2(l)参照)。このようにして作製し
たミラー基板と電極基板を、陽極接合により接合した
(図2(m)参照)。陽極接合はガラス基板とシリコン基板
を400 〜500 ℃に加熱しながら数百V の電圧を両基板間
に印加することによって直接接合する方法である。本方
法は接着剤等の介在なしに両基板を接合できるため、光
走査装置組み立て後の微小な電極間距離を正確に規定す
ることができる。
【0008】<第2実施形態>図3に第2の実施形態に
おける光走査装置の電極基板の正面図を示した。電極基
板301 はミラーの振れの中心位置の下を尾根の頂上302
として、ミラーの振れ方向に振れ角と等しい角度で傾斜
しており、傾斜面には複数の溝303 が傾斜方向に沿って
形成されている。また、それぞれの傾斜面には駆動電極
304 、305 が形成されており、そこから電極パッド306
、307 が引き出されている。ミラー基板の構成は図1
(a)、(b)に示した第1の実施形態における光走査装置
と略同一であり、ミラーが形成されたミラー基板が2本
のねじり梁で支持され、フレームに固定されている。2
本のねじり梁で支持されたミラー基板を共通の電極とし
て、ミラー基板裏面の対向する位置にギャップを隔てて
設けた2つの電極に交互に電圧を印加することによっ
て、ミラー基板と駆動電極間に静電引力が発生し、ミラ
ーを往復振動させることができた。このとき、傾斜した
駆動電極と共通電極であるミラー基板裏面との距離を、
最も近いところ(電極基板の尾根位置)で最小の0.1μ
m、最も離れた位置で最大の1.0μmとした。これによ
って、全体が1.0μm離れた平行電極の場合よりも小さ
な電圧で、ミラーを駆動することができた。また、本発
明によって、傾斜面に溝が形成されていない場合に比較
して高い周波数まで、変位の低下が見られなかった。さ
らに、傾斜面に対して直交方向に溝が形成されている場
合よりもミラーの動作が安定しており、光軸のぶれが小
さかった。 <第3実施形態>図4に、第3の実施形態における光走
査装置の駆動電極を含んだ断面図を示す。ミラー401 が
形成されたミラー基板402 は2本のねじり梁(図示せ
ず)によって支持され、フレーム403 に固定されてい
る。ミラー基板裏面には複数の溝404が、ねじり梁と平
行方向に形成されている。電極基板405 はミラーの振れ
の中心位置の下を尾根の頂上406 として、ミラーの振れ
方向に振れ角と等しい角度で傾斜している。また、それ
ぞれの傾斜面には駆動電極407 、408 が形成されてお
り、そこから電極パッド409 、410 が引き出されてい
る。2本のねじり梁で支持されたミラー基板を共通の電
極として、ミラー基板裏面の対向する位置にギャップを
隔てて設けた2つの電極に交互に電圧を印加すると、ミ
ラー基板と駆動電極間に静電引力が発生し、ミラーを往
復振動させることができた。このとき、傾斜した駆動電
極と共通電極であるミラー基板裏面との距離を、電極基
板の尾根位置に最も近いところで最小の0.1μm、そこ
から最も離れた位置で最大の1.0μmとすることで、全
体が1.0μm離れた平行電極の場合よりも小さな電圧で
ミラーを駆動することができた。また、ミラー基板裏面
に溝が形成されていない場合よりも数kHzの高周波数
まで変位の低下が見られなかった。
【0009】<第4実施形態>図6に第4の実施形態に
おける光走査装置の駆動電極を含んだ断面図を示す。ミ
ラー601 が形成されたミラー基板602 は2本のねじり梁
(図示せず)で支持され、フレーム603 に固定されてい
る。ミラー基板裏面には複数の溝604 がねじり梁と直交
方向に形成されている。電極基板605 はミラーの振れの
中心位置の下を尾根の頂上606 としてミラーの振れ方向
に振れ角と等しい角度で傾斜している。また、それぞれ
の傾斜面には駆動電極607 、608 が形成されており、そ
こからは電極パッド609 、610 が引き出されている。2
本のねじり梁で支持されたミラー基板を共通の電極とし
て、ミラー基板裏面の対向する位置にギャップを隔てて
設けた2つの電極に交互に電圧を印加することで、ミラ
ー基板と駆動電極間に静電引力が発生し、ミラーを往復
振動させることができた。このとき、傾斜した駆動電極
と共通電極であるミラー基板裏面との距離を、電極基板
の尾根位置に最も近いところで最小の0.1μm、そこか
ら最も離れた位置で最大の1.0μmとすることで、全体
が1.0μm離れた平行電極の場合よりも小さな電圧でミ
ラーを駆動することができた。また、ミラー基板裏面に
溝が形成されていない場合よりも高い周波数まで変位の
低下が見られなかった。さらに、ねじり梁に平行方向に
溝が形成されている場合よりもミラーの動作が安定して
おり、光軸のぶれが小さかった。
【0010】<第4実施形態の製造方法>本発明の光走
査装置の他の製造方法を図5を用いて説明する。本製造
方法は、前記した第1実施形態の製造方法と、ミラー面
を形成するミラー基板の裏面に溝を形成する以外は、前
記と同様にして光走査装置を形成する。すなわち、両面
に厚さ1.5μmのSiO2膜501 が形成されている厚さ20
0μmの両面研磨されたシリコン基板502 を、厚さ200μ
mの両面研磨されたシリコン基板503 に直接接合する
(図5(a)参照) 。このときシリコン基板503 はシリコ
ン基板502 の外周から約1mm だけはみ出るようにした。
このはみ出し部は、後のガラス電極基板との陽極接合の
際に電極プローブをたてるためのものである。次に、S
iO2膜の形成されていないシリコン基板503 を厚さ80
μmまでCMP(Chemical Mechanical Polishing)で高
精度に研磨し、研磨面にレジストをマスクとしてドライ
エッチングにより深さ0.5μmの溝を形成した(図5(b)
参照)。このときの厚さがミラー基板の厚さとなる。次
に、シリコン基板502 上のSiO2膜501をレジストマス
クでふっ酸でエッチングすることにより、フレーム形状
にパターニングした(図5(c)参照)。次に、シリコン基
板502 をSiO2マスクで接合界面のSiO2が現れるま
でKOH水溶液で異方性エッチングした(図5(d)参
照)。このとき、シリコン基板の端面と裏面はエッチン
グ液に触れないように耐アルカリ性のワックスで保護し
ておいた。なお、ここでは異方性エッチング液としてK
OH溶液を用いたが、シリコンとSiO2のエッチング
選択比が十分大きい他の異方性エッチング液、たとえば
TMAH、ヒドラジン等を使用してもよい。また、ここ
ではSiO2を異方性エッチング時のマスク材料として
使用しているが、シリコンのエッチング液にエッチング
されない他の薄膜材料、たとえばSiN膜、SiN/S
iO2二層膜等を使用してもよい。次に、エッチングマ
スクとして使用したSiO2膜をフッ酸でエッチング除
去した(図5(e)参照)。このようにして形成されたシリ
コン平坦面にレーザーの反射材料としてAlをマスクス
パッタ法で形成した(図5(f)参照)。なお、ここでは金
属薄膜としてAlをスパッタ法により成膜したが、使用
するレーザー光に対し必要十分な反射率が得られる金属
薄膜ならばAu等の他の材料も選択可能であり、成膜法
もスパッタ法に限らず真空蒸着法等も利用できる。次
に、レジストをマスクとしてドライエッチングでシリコ
ン平坦面を貫通することにより、梁とミラー基板を形成
した(図5(g)参照)。
【0011】次に電極基板の製造方法を説明する。ま
ず、厚さ1mm のほう珪酸ガラス基板505 上に厚さ1.5μ
mのレジスト506 を塗布した(図5(h)参照)。次に、開
口率に分布をもたせたフォトマスクを使用することによ
り、レジストの露光深さに分布をもたせた。このとき電
極形状が傾斜するように分布形状を設計した。このレジ
ストを現像することで、電極形状を反映したレジスト形
状を形成した(図5(i)参照)。このレジストをマスクと
してガラス基板504 をドライエッチングすることで、レ
ジストとガラスのエッチング選択比に応じて、レジスト
形状がガラス基板に転写された(図5(j)参照)。レジス
トを除去したあと、電極としてAu/Tiの2層膜507
をマスクスパッタ法で形成した(図5(k)参照)。このよ
うにして作製したミラー基板と電極基板を陽極接合によ
り接合した(図5(l)参照)。陽極接合はガラス基板とシ
リコン基板を400 〜500 ℃に加熱しながら数百V の電圧
を両基板間に印加することで直接接合する方法である。
本方法は接着剤等の介在物なしに両基板を接合できるた
め、光走査装置組み立て後の微小な電極間距離を正確に
規定することができる。なお前記した本発明の実施形態
中の数値およびCMPに使用されたTMAHなどの異方
性研磨のための薬品等は単なる例示であり、本発明の趣
旨を変更しない範囲で適宜変更して使用される。
【0012】
【発明の効果】本発明の請求項1の、同一直線上に設け
られた2本の梁で支持されたミラーを、ミラーに対向す
る位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をね
じり回転軸として往復振動させる光走査装置において、
前記対向電極は、前記ミラー基板のミラー面と平行でな
い傾斜面を設け、該傾斜面上および/または前記ミラー
基板のミラー面と反対の面の少なくとも一部に凹型形状
(溝)が形成されている光走査装置では、ミラーの振れ
角が変わらないように対向電極とミラーの距離が小さく
なっているので、光走査角を維持したまま駆動電圧を下
げることができるばかりでなく、対向電極とミラーの距
離が小さくなっても、電極に形成された溝が空気の粘性
の影響を緩和するため、高周波数までミラーの振れ角を
維持することができる。本発明の請求項2の、請求項1
に記載の光走査装置において、凹型形状が対向電極の傾
斜方向に沿って形成されている光走査装置では、ミラー
の振れ角が変わらないように対向電極とミラーの距離が
小さくなっているので、光走査角を維持したまま駆動電
圧を下げることができるばかりでなく、対向電極とミラ
ーの距離が小さくなっても、電極に形成された溝が空気
の粘性の影響を緩和するため、高周波数までミラーの振
れ角を維持することができ、さらに振動時のギャップに
おける空気の流れに乱れが少ないためより効果的に変位
の低下を防止することができ、ミラーの動作を安定さ
せ、光軸のぶれを小さくすることができる。本発明の請
求項3の、同一直線上に設けられた2本の梁で支持され
たミラーを、ミラーに対向する位置に設けた電極との間
の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動
させる光走査装置において、対向電極がミラーと平行で
ない傾斜面であって、ミラー裏面に凹型形状(溝)が形
成されている光走査装置では、ミラーの振れ角が変わら
ないように対向電極とミラーの距離が小さくなっている
ので、光走査角を維持したまま駆動電圧を下げることが
できるばかりでなく、対向電極とミラーの距離が小さく
なっても、ミラー裏面に形成された溝が空気の粘性の影
響を緩和するため、高周波数までミラーの振れ角を維持
することができる。さらにミラーの剛性を維持したまま
その質量を小さくすることができるので、ミラーを高速
動作できるようになる。
【0013】本発明の請求項4の、請求項3に記載の光
走査装置において、凹型形状が対向電極の傾斜方向に沿
って形成されている光走査装置では、光走査装置では、
ミラーの振れ角が変わらないように対向電極とミラーの
距離が小さくなっているので、光走査角を維持したまま
駆動電圧を下げることができるばかりでなく、対向電極
とミラーの距離が小さくなっても、電極に形成された溝
が空気の粘性の影響を緩和するため、高周波数までミラ
ーの振れ角を維持することができ、さらに振動時のギャ
ップにおける空気の流れに乱れが少ないためより効果的
に変位の低下を防止することができ、ミラーの動作を安
定させ、光軸のぶれを小さくすることができる。さらに
ミラーの剛性を維持したままその質量を小さくすること
ができるので、ミラーを高速動作できるようになる。本
発明の請求項5の、請求項1、2、3、4に記載の光走
査装置において、対向電極の傾斜角とねじり振動するミ
ラー部の振れ角が等しくなっている光走査装置では、ミ
ラーの振れ角が変わらない範囲で、対向電極とミラーの
距離が最も小さくなっているので、光走査角を維持した
まま駆動電圧を最も小さい電圧まで下げることができ
る。本発明に係る光走査装置は、ミラー基板のミラー面
と反対面および/またはミラー基板と対向する対向電極
の傾斜面上に、溝を前記したように、傾斜面と平行にあ
るいは傾斜面に沿って形成するため、前記したような効
果を得ることができる。なおミラー基板のミラー面と反
対面に溝を形成する場合には、対向電極の傾斜面に沿っ
て形成したり、あるいは対向電極の傾斜面に略平行に溝
を設けることができ、また、それ以外の方向に設けるこ
ともできる。このような本発明に係る光走査装置は、デ
ジタル複写機、及びレーザプリンタ等の書込系に用いら
れる光走査装置、あるいは、バーコードリーダー等の読
み取り装置に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光走査装置の第1実施形態を示す
図である。
【図2】本発明に係る光走査装置の第1実施形態の製造
方法を示す図である。
【図3】本発明に係る光走査装置の第2実施形態を示す
図である。
【図4】本発明に係る光走査装置の第3実施形態を示す
図である。
【図5】本発明に係る光走査装置の第4実施形態を示す
図である。
【図6】本発明に係る光走査装置の第4実施形態の製造
方法を示す図である。
【符号の説明】
101、401、601 ミラー 102、402、602 ミラー基板 103、104 ねじり梁 105、403、603 フレーム 106、301、405、605 電極基板 107、302、406、606 電極基板の尾根の頂
上 108、303、404、604 溝 109、110、304、305、407、408、6
07、608 駆動電極 111、112、306、307、409、410、6
09、610 電極パッド 201、501 エッチングマスク(SiO2) 202、203、502、503 半導体基板 204、504 205、505 ガラス基板 206、506 レジスト 207、507 電極層膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一直線上に設けられた複数の梁で支持
    されたミラー基板と、該ミラー基板に対向する位置に設
    けた対向電極との間に静電引力によって前記梁をねじり
    回転軸として前記ミラー基板を往復振動させる光走査装
    置において、 前記対向電極は、前記ミラー基板のミラー面と平行でな
    い傾斜面を設け、該傾斜面上および/または前記ミラー
    基板のミラー面と反対の面の少なくとも一部に、溝を形
    成したことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記溝は、前記対向電極の傾斜方向に沿って形成されて
    いることを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記溝は、ミラー基板のミラー面と反対
    の面に形成されていることを特徴とする請求項1または
    2に記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光走査装置において、
    前記対向電極の傾斜方向に略平行して前記溝が形成され
    ていることを特徴とする光走査装置。
  5. 【請求項5】 前記対向電極の傾斜角と、ねじり振動す
    るミラー部の振れ角とが略同一であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置。
JP2000128393A 2000-04-27 2000-04-27 光走査装置 Pending JP2001311900A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000128393A JP2001311900A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光走査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000128393A JP2001311900A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光走査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001311900A true JP2001311900A (ja) 2001-11-09

Family

ID=18637843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000128393A Pending JP2001311900A (ja) 2000-04-27 2000-04-27 光走査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001311900A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6677695B2 (en) * 2001-09-18 2004-01-13 Jds Uniphase Corporation MEMS electrostatic actuators with reduced actuation voltage
JP2004341318A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Ricoh Co Ltd 光走査装置、画像形成装置
US6914712B2 (en) 2002-09-26 2005-07-05 Seiko Epson Corporation Mirror device, optical switch, electronic instrument and mirror device driving method
JP2006502449A (ja) * 2002-10-11 2006-01-19 エクサジョウル リミテッド ライアビィティ カンパニー マイクロミラー・システム
US7208809B2 (en) 2002-09-19 2007-04-24 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Semiconductor device having MEMS
EP2033572A2 (en) 2007-09-04 2009-03-11 FUJIFILM Corporation Optical scanning probe, optical scanning probe device and method for controlling the optical scanning probe
US7538923B2 (en) 2001-11-14 2009-05-26 Ricoh Company, Ltd. Light deflecting method and apparatus efficiently using a floating mirror
WO2012020788A1 (ja) * 2010-08-11 2012-02-16 シナノケンシ株式会社 光走査装置
US9377357B2 (en) 2011-07-26 2016-06-28 Seiko Epson Corporation Tunable interference filter having communicable groove part, optical filter module, and photometric analyzer
CN110217754A (zh) * 2019-06-12 2019-09-10 上海芯物科技有限公司 一种旋转结构及其制备方法
CN111232913A (zh) * 2020-01-17 2020-06-05 上海芯物科技有限公司 一种旋转结构的制备方法以及旋转结构

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6677695B2 (en) * 2001-09-18 2004-01-13 Jds Uniphase Corporation MEMS electrostatic actuators with reduced actuation voltage
US7538923B2 (en) 2001-11-14 2009-05-26 Ricoh Company, Ltd. Light deflecting method and apparatus efficiently using a floating mirror
US7697179B2 (en) 2001-11-14 2010-04-13 Ricoh Company, Ltd. Light deflecting method and apparatus efficiently using a floating mirror
US7208809B2 (en) 2002-09-19 2007-04-24 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Semiconductor device having MEMS
US6914712B2 (en) 2002-09-26 2005-07-05 Seiko Epson Corporation Mirror device, optical switch, electronic instrument and mirror device driving method
US6972884B2 (en) 2002-09-26 2005-12-06 Seiko Epson Corporation Mirror device, optical switch, electronic instrument and mirror device driving method
US7016100B2 (en) 2002-09-26 2006-03-21 Seiko Epson Corporation Electronic instrument having mirror device
JP2006502449A (ja) * 2002-10-11 2006-01-19 エクサジョウル リミテッド ライアビィティ カンパニー マイクロミラー・システム
JP2004341318A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Ricoh Co Ltd 光走査装置、画像形成装置
EP2033572A2 (en) 2007-09-04 2009-03-11 FUJIFILM Corporation Optical scanning probe, optical scanning probe device and method for controlling the optical scanning probe
US7612330B2 (en) 2007-09-04 2009-11-03 Fujifilm Corporation Optical scanning probe, optical scanning probe device and method for controlling the optical scanning probe
WO2012020788A1 (ja) * 2010-08-11 2012-02-16 シナノケンシ株式会社 光走査装置
US9377357B2 (en) 2011-07-26 2016-06-28 Seiko Epson Corporation Tunable interference filter having communicable groove part, optical filter module, and photometric analyzer
CN110217754A (zh) * 2019-06-12 2019-09-10 上海芯物科技有限公司 一种旋转结构及其制备方法
CN111232913A (zh) * 2020-01-17 2020-06-05 上海芯物科技有限公司 一种旋转结构的制备方法以及旋转结构
CN111232913B (zh) * 2020-01-17 2020-12-18 上海芯物科技有限公司 一种旋转结构的制备方法以及旋转结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3065611B1 (ja) マイクロミラ―装置およびその製造方法
US7190507B2 (en) Deflection mirror, a deflection mirror manufacturing method, an optical writing apparatus, and an image formation apparatus
US6555201B1 (en) Method for fabricating a microelectromechanical bearing
US7453182B2 (en) Micro oscillating element
JP4409811B2 (ja) 光走査装置、光書込装置、画像形成装置、振動ミラーチップ及び光走査モジュール
KR100531547B1 (ko) 마이크로구조체 및 그의 제조방법
US7719163B2 (en) Actuator having fixed and movable comb electrodes
JP2003131161A (ja) 光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器そしてねじれ揺動体
JPS6057051B2 (ja) 光偏向装置
JP2002182136A (ja) 光偏向器用のミラー揺動体
JP4771059B2 (ja) 走査装置及びその製作方法
JP2001311900A (ja) 光走査装置
JP4164528B2 (ja) 揺動体を含む構造体の製造方法
JP2002267996A (ja) 光走査装置及びその製造方法
JP2006195290A (ja) 画像読取装置及び画像形成装置
JP2009222900A (ja) 捩り梁、光走査装置および画像形成装置
JP2002321197A (ja) マイクロ構造体、マイクロ力学量センサ、マイクロアクチュエータ、マイクロ光偏向器、光走査型ディスプレイ、及びそれらの製造方法
JP2006201520A (ja) Memsミラースキャナ
JP5353761B2 (ja) 光偏向器の製造方法
JP2002048998A (ja) 光走査装置
JP2002267995A (ja) 光走査装置
JP4409858B2 (ja) 振動ミラー、光書込装置及び画像形成装置
US8809200B2 (en) Method of manufacturing a structure based on anisotropic etching, and silicon substrate with etching mask
JP2004198798A (ja) 揺動体
JP2006215258A (ja) 振動ミラー、振動ミラーの製造方法、光書込装置および画像形成装置