JP2002250890A - マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法 - Google Patents

マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法

Info

Publication number
JP2002250890A
JP2002250890A JP2001047298A JP2001047298A JP2002250890A JP 2002250890 A JP2002250890 A JP 2002250890A JP 2001047298 A JP2001047298 A JP 2001047298A JP 2001047298 A JP2001047298 A JP 2001047298A JP 2002250890 A JP2002250890 A JP 2002250890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
oscillator
springs
microstructure
optical deflector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001047298A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Yasuda
進 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001047298A priority Critical patent/JP2002250890A/ja
Publication of JP2002250890A publication Critical patent/JP2002250890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】揺動体の揺動方向以外の剛性を高く保つことが
できるマイクロ光偏向器等に適用できるマイクロ構造体
である。 【解決手段】マイクロ構造体は、基板106と、揺動体
110を有し、揺動体110は、基板106と揺動体1
10間を繋ぐように伸びた3つ以上の平板バネなどのバ
ネ101〜104によって基板106に対して支持され
ている。複数のバネ101〜104は、その長軸の延長
線が共通平面内にあって1点で交わるように配置され、
最も撓みやすい方向が該共通平面に平行である様な形態
を有し、これにより、揺動体110が該共通平面に垂直
な軸回りに揺動自由に弾性支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシンな
いしマイクロ構造体の分野に関するものである。より詳
しくは、マイクロマシニング技術で作製する光偏向器等
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械要素を小型化しようとすると、体積
力よりも、表面力の占める割合が大きくなり、摩擦の影
響が通常の大きさの機械よりも大きくなることは良く知
られている。そのため、マイクロマシンの設計において
は、摺動部や回転部を極力少なくするように考慮するの
が一般的である。
【0003】軸回りに揺動する部材を有する光偏向器の
従来例を説明する。図12は、米国特許第431761
1号明細書に開示されたマイクロマシニング技術で作製
される静電光偏向器の斜視図を示している。図13は、
その内部構造を説明するために、上記光偏向器を分解し
て表示した図である。また、図14と図15は、それぞ
れ、図12の切断線1003と1006におけるシリコ
ン薄板1020の断面図を示している。
【0004】上記光偏向器において、絶縁性材料からな
る基板1010には、凹み部1012が形成されてい
る。凹み部1012の底部には、一対の駆動電極101
4、1016およびミラー支持部1032が配置されて
いる。シリコン薄板1020には、トーションバー10
22、1024とミラー1030が一体に形成されてい
る。ミラー1030は、表面に光の反射率の高い物質が
コーティングされており、トーションバー1022、1
024により揺動自由に支持されている。そして、シリ
コン薄板1020は、駆動電極1014、1016と所
定の間隔を保つように基板1010上に対抗配置されて
いる。
【0005】ここで、シリコン薄板1020は、電気的
に接地されている。従って、駆動電極1014、101
6に交互に電圧を印加することで、ミラー1030に静
電引力を作用させて、ミラー1030をトーションバー
1022、1024の長軸の回りに揺動させられる。
【0006】トーションバー1022、1024の断面
形状は、図15に示すような台形である。ところが、こ
の様な断面形状のトーションバーを有するマイクロ構造
体は、トーションバーが撓みやすいため、外部の振動を
拾ってしまったり、トーションバーの軸がぶれてしま
い、正確な駆動ができないという問題点があった。
【0007】そのため、この様な光偏向器を光走査型デ
ィスプレイに適用した場合に、外部振動によって像がぶ
れたり、スポット形状が変化してしまうという問題点が
あった。これは、光走査型ディスプレイを持ち運び容易
な形態にした場合に、より大きな問題となる。
【0008】また、図16は、特開平10−19781
9号公報にて開示された共振型の光偏向器である。この
光偏向器において、ミラー2011は、2本のトーショ
ンバー2001、2002で支持枠2006に対して揺
動自由に支持されている。このトーションバーの取り付
け部は、ミラー2011の重心からずれている。ミラー
2011、トーションバー2001、2002、及び支
持枠2006は、シリコンウエハーをエッチングするこ
とで一体に形成される。支持枠2006には圧電素子2
021が接合されている。
【0009】本光偏向器において、圧電素子2021に
駆動電圧を加えると、圧電素子2021は伸縮を行い、
Z軸方向に振動する。この振動は支持枠2006に伝達
される。ミラー2011は、トーションバーの取り付け
部が重心から外れているため、支持枠2006がZ方向
に振動することで、回転モーメントを受ける。この圧電
素子2021の駆動周波数をミラー2011の共振周波
数の近辺に設定することで、大きな偏向角をとることが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の光偏向器
においては以下のような問題点があった。まず、偏向角
を大きくしようとすると、トーションバーに作用する最
大応力を材料の許容応力内に収めるために、トーション
バーを長くする必要がある。しかし、トーションバーを
長くすると、トーションバーの長軸に垂直な方向の剛性
が低くなってしまい、振動等の外乱の影響を受けやすく
なってしまうという問題点があった。
【0011】また、これら従来の光偏向器の駆動力発生
源は、ミラーに対して回転モーメントを生じるだけでな
く、トーションバーの撓む方向にも力を発生する。この
ことを、以下で詳しく説明する。
【0012】まず、米国特許第4317611号明細書
に開示された構造においては、駆動するためにミラー1
030と駆動電極1016の間に電圧を印加すると、図
17(a)に示すように、トーションバーからL離れた
場所に静電引力Fが作用する。すると、図17(b)に
示すように、トーションバー1022と1024に、右
回りのモーメントF×Lと下向きの力Fが作用する。
【0013】また、特開平10−197819号公報に
て開示された光偏向器においては、図18(a)に示す
ように、圧電素子2021でミラー2011に加速度a
を生じさせると、ミラー2011には、単位長さあたり
maの慣性力が作用する。ここで、mは、ミラー201
1単位長さあたりの質量である。L<Lだとする
と、図18(b)に示すように、トーションバー200
1と2002には、右回りのモーメントmaL2 2/2−
maL1 2/2と、下向きの力ma(L+L)が作用
する。
【0014】つまり、これら従来の光偏向器において
は、駆動時にトーションバーをねじる方向に作用するモ
ーメントと同時に、トーションバーが撓む方向に力が作
用する。そのため、トーションバーが撓み、その結果、
光の偏向角や光路長が変動してしまうことで正確な光偏
向が行えないという問題点があった。
【0015】また、特開平10−197819号公報に
て開示された光偏向器においては、トーションバーのね
じれの中心と重心がずれているために、高速駆動時に振
動が生じてしまうという問題点もあった。
【0016】本発明の目的は、この様な問題点に鑑み、
揺動体の揺動方向以外の剛性を高く保つことができるマ
イクロ光偏向器、マイクロ力学量センサ、マイクロアク
チュエータ等に適用できるマイクロマシンないしマイク
ロ構造体、その製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明のマイクロ構造体は、基板と、少なくとも1
つの揺動体を有し、前記揺動体は、前記基板と揺動体間
を繋ぐように伸びた少なくとも3つ以上の複数のバネに
よって前記基板に対して支持されており、前記複数のバ
ネは、その長軸の延長線が共通平面内にあって1点で交
わるように配置され、最も撓みやすい方向が該共通平面
に平行である様な形態を有し、これにより、前記揺動体
が該共通平面に垂直な軸回りに揺動自由に弾性支持され
ていることを特徴とする。3つ以上の複数のバネが必要
なのは、2つ以下では前記共通平面が一義的に決まらず
運動が不安定になるからである。前記バネは、典型的に
は、前記共通平面に垂直な平面を持つ1枚の平板バネで
ある。前記揺動体の前記共通平面に垂直な方向の動きを
確実に防止する必要がある場合や、バネの断面が方形、
円形などでバネが前記共通平面に垂直な方向にも撓む傾
向にある様な場合には、例えば、前記1点を通り前記共
通平面に垂直な方向に前記揺動体から軸棒を出し、これ
を回動自由に軸受けで支えるという様な構造も採り得
る。しかし、この方法は構成が複雑になるので、前記バ
ネとしては、上記したような平板バネを用いるのが好ま
しい。
【0018】この基本構成に基づいて、以下の如きより
具体的な形態が可能である。前記複数のバネの長軸の延
長線が前記揺動体の慣性主軸で交わるように配置されて
いる様にするのが好適である。こうすれば、高速駆動時
に揺動体の振動の生じないマイクロ構造体を確実に実現
できる。
【0019】前記複数のバネと揺動体は、単結晶シリコ
ン、水晶などの共通の単結晶材料基板から一体に形成さ
れ得る。典型的には、前記基板、複数のバネ、揺動体
は、共通の単結晶シリコン基板からエッチングなどで一
体的に形成され得る。素材として単結晶材料を使用する
ことで、機械的なQ値の高い構造を実現することができ
る。単結晶材料としては、入手の容易で機械特性に優れ
た(すなわち、比較的軽量でありながら物理的強度、耐
性、寿命に優れた)単結晶シリコンが好ましい。
【0020】前記複数のバネと前記揺動体は、単結晶シ
リコン基板やポリシリコン基板などの平板状基板をICP-
RIE(誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング)法
などを用いて深堀りエッチングすることで形成されて、
その外面を画する面が該平板状基板面とこの面に対する
垂直面から成る様にもできる。
【0021】前記複数のバネの角部は、ガスや酸により
等方性エッチングで軽く丸くされて、そこへの応力集中
が緩和されてもよい。こうすれば、これらの部分への応
力集中を緩和できる。
【0022】前記複数のバネと揺動体は、電気メッキ法
により、金属材料にて一体に形成されてもよい。
【0023】マイクロ構造体の形態としては、典型的に
は、前記揺動体が一つであり、3つ或いは4つのバネに
よって揺動体が前記共通平面に垂直な軸回りに揺動自由
に弾性支持される。この形態は後述の実施例に説明され
ている。
【0024】前記揺動体が複数であり、該複数の揺動体
が入れ子式に配置され、各揺動体が、その外側の揺動体
或いは前記基板に対して、夫々の複数のバネによって規
定される共通平面に垂直な軸回りに揺動自由に弾性支持
されている形態も採り得る。前記垂直な軸は、互いに9
0度などの角度を成して交差している。
【0025】更に、上記問題点を解決するための本発明
のマイクロ光偏向器は、上記のマイクロ構造体と、前記
揺動体に設けられた光反射手段と、前記基板に対して前
記揺動体を相対的に回転変位させる回転変位アクチュエ
ータを有することを特徴とする。単結晶材料をバネの素
材に使用することで、より壊れにくく、より小型化が可
能で、共振駆動したときに振動振幅が大きくエネルギー
効率の高いマイクロ光偏向器を実現できる。
【0026】前記回転変位アクチュエータは、揺動体に
結合された可動コアと、基板に結合された固定コア(軟
磁性体で形成される)と、該固定コアを周回するコイル
からなる電磁アクチュエータ(図1の実施例参照)であ
ったりする。前記揺動体に接合された可動コアは軟磁性
体或いは硬磁性体の永久磁石で形成されたりする。両者
では駆動原理が異なり、前者では、軟磁性体の磁極は決
まっておらず、固定コアに磁束が発生する時には磁気回
路の磁束を切る軟磁性体の断面積の増す方向に磁束内へ
軟磁性体が吸引される駆動力が起こり、磁束消滅時には
それから解放されるのに対して、後者では、硬磁性体の
磁極は決まっており、固定コアと可動コアの異或いは同
磁極間の磁力(吸引力或いは反発力)が駆動力である。
【0027】また、前記回転変位アクチュエータは、前
記揺動体に結合された可動電極と、前記基板に結合され
た固定電極とからなる静電アクチュエータ(図8の実施
例参照)であったり、前記バネに結合された圧電素子
(図6の実施例参照)であったりする。
【0028】前記回転変位アクチュエータの駆動周波数
が、前記揺動体の揺動の共振周波数近辺であれば、共振
でより大きな揺動角を得ることができる。
【0029】前記光反射手段としては、光反射面或いは
回折格子があり、後者では1つのビームを複数のビーム
(回折光)として偏向することもできる。
【0030】更に、上記問題点を解決するための本発明
の回転加速度測定などをするマイクロ力学量センサは、
上記のマイクロ構造体と、前記基板と揺動体の相対回転
変位を検出する変位検出手段を有することを特徴とす
る。変位検出手段としては、従来公知のものを使用でき
て、例えば、静電容量の変化を電圧変化で検知して基板
と揺動体の相対回転変位を検出するものがある。例え
ば、基板側と揺動体側に扇状の金属部を設けておいて、
これらの対向面積が変化して静電容量の変化するのを検
知すればよい。静電容量の変化を電圧変化で検知する具
体例としては、特開平8−145717、特開2000
−65664、特開2000−292434号公報など
に開示されている。
【0031】更に、上記問題点を解決するための本発明
のマイクロアクチュエータは、上記のマイクロ構造体
と、前記基板に対して前記揺動体を相対的に回転変位さ
せる回転変位アクチュエータを有することを特徴とす
る。回転変位アクチュエータの例は上記した通りであ
る。
【0032】更に、上記問題点を解決するための本発明
の光走査型表示装置は、上記のマイクロ光偏向器と、変
調可能な光源(半導体レーザなど)と、該光源の変調と
マイクロ光偏向器の揺動体の回転変位を制御する制御手
段を有することを特徴とする。
【0033】更に、上記問題点を解決するための本発明
のマイクロ構造体の製造方法は、単結晶シリコン基板な
どの材料基板の面にマスク層を成膜する工程と、前記面
のマスク層を前記揺動体とバネと基板の形態に応じてパ
ターニングする工程と、前記材料基板をICP-RIEなどを
用いて深堀りエッチングする工程とを含むことを特徴と
する。
【0034】このマイクロ構造体の製造方法において、
前記バネの角部を軽く等方性エッチングして、そこを丸
くし、そこへの応力集中を緩和してもよい。
【0035】更に、上記問題点を解決するための本発明
のマイクロ構造体の他の製造方法は、基板の上に種電極
を成膜する工程と、種電極の上に犠牲層を成膜し、基板
に固定される部分の形態に応じて犠牲層をパターニング
する工程と、種電極と犠牲層の上に厚膜レジスト層を成
膜し、基板上に形成されるパーツの部分の形態に応じて
厚膜レジスト層をパターニングする工程と、厚膜レジス
ト層を型として、種電極層の上に金属層を電解メッキす
る工程と、厚膜レジスト層、犠牲層、種電極層の順に除
去を行う工程とを含むことを特徴とする。
【0036】
【作用】本発明のマイクロ光偏向器などのマイクロ構造
体の動作について、具体例を用いて以下に説明する。図
3は、本発明のマイクロ構造体の原理を説明する図であ
る。この具体例では、揺動体910が4本の平板バネ9
01〜904で弾性支持されている。それらの平板バネ
の延長線は1点で交わるように配置されている。既に述
べたように、平板バネの枚数は4枚に限られるものでは
なく、3枚以上なら何枚でもよい。
【0037】本発明のマイクロ構造体においては、図4
に示すような形状にバネが変形することで、揺動体の揺
動運動を許容することができる。
【0038】図5は、本発明の揺動体910と1本の平
板バネ901をモデル化した図である。図に示したよう
に、揺動体がφ回転したとすると、平板バネの揺動体側
の端の変位角θ1と変位y1は、以下で与えられる。 	θ1=φ y=rRφ rR:揺動体半径
【0039】一方、一端を固定した平板バネの自由端
に、力Fと曲げモーメントMが働いたときの、自由端の
変位角θ2と変位y2は、以下で与えられる。 	θ2=−lR /(2EI)・F+lR/(EI)・M 	y2=lR /(3EI)・F−lR /(2EI)・M
【0040】ここで、lRは平板バネの長さ、Eはヤング
率、Iは平板バネの断面2次モーメントである。Iは、以
下で与えられる。 	I=tRbR /12 bR:平板バネ厚 	tR:平板バネ高
【0041】θ1とθ2、y1とy2がそれぞれ等しいという
条件から、以下が得られる。 M=[EbR (2lR+3rR)tR]/6lR ・φ F=[EbR (lR+2rR)tR]/2lR ・φ
【0042】これらから、1枚の平板バネから揺動体に
作用する反作用モーメントMtotalは以下となる。 	Mtotal=−M−rF=−kRφ 	kR=[Eb3(l2+3lr+3r2)t]/3l3 ここで、kRは、ねじりバネ定数である。
【0043】また、平板バネの揺動体端と固定端の応力
をそれぞれσ1、σとすると 	σ1=M/Z=6/tRbR ・M=[EbR(2lR+3rR)]/lR ・φ 	σ=(M−FlR)/Z=6/tRbR ・(M−FlR)=−[EbR(lR+3
rR)]/lR ・φ であるので、応力は平板バネの揺動体端で最大になるこ
とがわかる。 	σmax1=[EbR(2lR+3rR)]/lR ・φ
【0044】また、揺動体の慣性モーメントIm、平板バ
ネの本数をnとすると、共振周波数fは、以下で与えら
れる。 	f=1/2π・(nkθ/Im)1/2
【0045】本発明のマイクロ構造体は、この様な関係
式を考慮して、用途に応じて具体的な設計が行なわれ
る。本発明のマイクロ光偏向器などのマイクロ構造体
は、平板バネなどのバネの最も撓みやすい方向が基板に
水平な方向であるので、他の方向には剛性が高い構造に
なっている。すなわち、本発明によれば、揺動体の揺動
方向以外の剛性が高いマイクロ光偏向器等を提供するこ
とができる。
【0046】また、本発明のマイクロ構造体において
は、典型的には、揺動体は複数の平板バネの長軸の延長
線の交点を中心として揺動するように弾性的に支持され
る。そのため、より望ましくは、複数の平板バネの長軸
の延長線の交点を揺動体の慣性主軸に一致させること
で、高速駆動時に振動の生じないマイクロ光偏向器等を
実現できる。
【0047】また、より望ましくは、揺動体に純粋な偶
力をかけることで、より正確な駆動が可能なマイクロ光
偏向器等のマイクロ構造体を提供できる。更に、より望
ましくは、前記揺動体の揺動の共振周波数近辺で回転変
位アクチュエータを駆動することで、より大きなマイク
ロ光偏向器の偏向角を得ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を明
らかにすべく、図面を参照しつつ実施例を説明する。
【0049】[実施例1]図1は、本発明の実施例1の
電磁型光偏向器を説明するために分解して示した図であ
る。
【0050】本実施例の光偏向器において、揺動体11
0の一面(手前の側面)には光の反射率が高い物質がメ
ッキされており、ミラー111となっている。ほぼ立方
体状の揺動体110は、4つの平行に伸びた辺において
支持体106に4本の平板バネ101〜104で揺動自
由に弾性的に支持されている。平板バネ101〜104
の長軸は共通の平面内にあって、その延長線は、揺動体
110の慣性主軸と直角に1点で交わるように配置され
ている。また、平板バネ101〜104の面は、該共通
の面に対して垂直になっている。
【0051】これら揺動体110、支持体106、平板
バネ101〜104は、シリコンウェハ(単結晶シリコ
ン或いはポリシリコンであり、面方位は問わない)をIC
P-RIE法等の方法で、深堀りエッチングすることよっ
て、一体に形成される。本実施例においては、1mm厚
のシリコンウェハを加工して作製した。ミラー111の
寸法は1mm角とし、平板バネ101〜104の長さを
2mm、厚さを40μmとした。深堀りエッチング後
に、ガスや酸により等方性エッチングを行い、角部の角
を丸くしてもよい。こうすれば、これらの部分への応力
集中を緩和できる。
【0052】揺動体110の下側には、図1と図2で示
すような形状のパーマロイで作られた可動磁極130が
結合されている。可動磁極130を包み込む様に断面C
字形状の固定コア134が設けられ、固定コア134に
は、コイル135が周回されており、このコア134の
両端には固定磁極131と132が結合されている。こ
の固定磁極131と132は、可動磁極130を挟み込
むようにして配置されている。そして、支持体106と
固定コア134は、基台120に結合されている。
【0053】可動磁極130及び固定磁極131と13
2は、200μm厚のパーマロイ板を機械加工すること
で作製し、可動磁極130は、揺動体110の底面に接
着した。
【0054】図2を用いて、本実施例の光偏向器の動作
を説明する。コイル135に電流を流さない状態におい
ては、図2(a)に示すように、可動磁極130は、固
定磁極131と132に対して或る角度を持って静止し
ている。コイル135に電流を流すと、コア134が励
磁され、固定磁極131、132間に磁束が生じる(図
2(b))。図2(b)においては、便宜上固定磁極1
31と132がそれぞれS極とN極に励磁されている様子
を図示している。すると、可変リラクタンスモータと同
様の原理によって、可動磁極130に回転モーメントが
生じ、回転変位が生じる。この回転変位の速度を揺動体
110の共振周波数の近辺に設定すると(上述の共振周
波数fの関係式参照)、揺動体110が共振を起こす。
この状態で、ミラー111に光線を入射し、光を走査す
る。
【0055】本実施例の共振型光偏向器は、ミラーの揺
動方向以外の剛性が高いため、従来のトーションバー方
式の共振型光偏向器に比べて、振動等の外乱の影響を受
けにくいという特徴がある。
【0056】また、本光偏向器においては、コイル13
5に通電して回転モーメントを生じさせたときに、純粋
な偶力が生じるため、従来よりも正確な光偏向が可能に
なる。また、本光偏向器においては、揺動の中心が揺動
体110の慣性主軸と一致しているので、高速駆動時に
も振動が生じない。
【0057】[実施例2]図6は、本発明の実施例2の
圧電型光偏向器を説明するための斜視図である。図7は
その動作を説明する図である。
【0058】本実施例の圧電型光偏向器において、直方
体状の揺動体210には、その外面にミラー211が接
合されている。また、揺動体210は、支持体206に
3本の平板バネ201〜203で揺動自由に弾性的に支
持されている。平板バネ201と202は、ミラー21
1の接合された揺動体210の外面と平行に伸び、平板
バネ203は、ミラー211の接合された外面と反対側
の揺動体210の面の中央部から伸びている。平板バネ
201〜203の平面は、1点で交わるこれらの長軸で
規定される平面に対して垂直になっている。これらの揺
動体210、支持体206、平板バネ201〜203
は、シリコンウェハをICP-RIE法等の方法で、深堀りエ
ッチングすることよって、一体に形成される。本実施例
においては、750μm厚のシリコンウェハを使用し、
平板バネ201〜203の長軸方向の長さを2mm、厚
さを100μmとした。
【0059】また、2本の平板バネ201と202の支
持体206に連結されている側には、図6に示すような
配置で、圧電素子221と222が接着されている。こ
れらの圧電素子は、電圧を印加すると、図6中のX軸の
方向に伸縮するようになっている。
【0060】本実施例の光偏向器において、圧電素子2
21と222に交互に電圧を印加して伸縮動作を起こさ
せると、図7に示すように、揺動体206は支持体20
6に対して回転変位を起こす。この回転変位の速度を揺
動体210の共振周波数の近辺に設定すると、揺動体2
10が共振を起こし、圧電素子221と222の変位量
よりも大きく揺動する。この状態で、ミラー211に光
線を入射すると、光を走査することができる。
【0061】本実施例の共振型光偏向器も、ミラーの揺
動方向以外の剛性が高いため、従来よりも振動等の外乱
の影響を受けにくいという特徴がある。また、本光偏向
器においては、圧電素子を駆動して回転モーメントを生
じさせたときに、平板バネ201〜203の長軸の交わ
る1点を通りこれらの長軸で規定される平面に対して垂
直な軸の回りにほぼ純粋な偶力が生じるため(図7参
照)、従来よりも正確な光偏向が可能になる。尚、この
実施例では、該垂直な軸と揺動体210の慣性主軸は若
干ずれているがその量は小さいので実用上は問題ない。
必要なら、若干作製が面倒になるが深堀りエッチングの
際のパターニングを変えて、ミラー211の接合される
揺動体210の面を図6で示す位置より外に出して平板
バネ201と202が揺動体210の両側面の中央部か
ら伸びる様にし、上記垂直な軸と揺動体210の慣性主
軸を正確に一致させてもよい。
【0062】[実施例3]第3実施例の静電光偏向器を
図8乃至図10を用いて説明する。図8と図9は、それ
ぞれ、第3実施例の静電光偏向器の上面図と側面図であ
り、図10は図8の切断線における断面図である。
【0063】第3実施例において、平板状のシリコン基
板306の上には、平板バネアンカー331〜334
と、固定電極アンカー321、322が固定されてい
る。平板バネアンカー331〜334には、それぞれ平
板バネ301〜304の一端が固定されている。平板バ
ネ301〜304は、その幅方向が基板306の面に垂
直になるように設置されている。そして、平板バネ30
1〜304は、その長手方向の延長線が一点で交わるよ
うになっていて、これらの線で規定される平面が基板3
06の面と平行になっている。平板バネ301〜304
の他端は、揺動体310を揺動自由に支持している。揺
動体310の慣性主軸は、上記延長線が交わる一点を通
りこれらの線で規定される上記平面に垂直な軸(後記の
揺動の中心軸である)と一致している。平板バネ301
〜304は、すべて同寸法で、長さが1mm、幅が20
0μm、厚さが50μmである。
【0064】固定電極アンカー321と322は、それ
ぞれ固定電極323と324をシリコン基板306に対
して支持している。固定電極323、324には、それ
ぞれくし型固定電極325と326が結合されている。
揺動体310には、くし型可動電極312と313が結
合されている。そして、くし型固定電極325と326
は、それぞれ、くし型可動電極312と313と噛み合
うように配置されている。
【0065】また、揺動体310には、その慣性主軸に
当該ミラーの中心線を合わせてミラー311が垂直に連
結されている。ミラー311の寸法は、500μm角と
した。
【0066】この様に、平板バネアンカー331〜33
4と、固定電極アンカー321、322のみが、シリコ
ン基板306に結合されており、他のパーツは、シリコ
ン基板306に接触しないように支持されている。
【0067】電圧源350は、くし型固定電極325、
326とくし型可動電極312、313の間に電圧を印
加するように電気的に結合されている。電圧源350に
よって、くし型固定電極325、326とくし型可動電
極312、313の間に電圧を印加すると、それぞれの
間に静電引力が作用する。すると、揺動体310に対し
て、上記慣性主軸である揺動の中心軸の回りに回転モー
メントが生じる。くし型可動電極312、313に作用
する静電引力は、大きさが同じで向きが逆なので、純粋
な偶力のみが生じる。
【0068】平板バネアンカー331〜334等のパー
ツは、電気メッキを用いてシリコン基板306上に一括
で作製される。図8の切断線380における断面図であ
る図10を用いて、本実施例のマイクロ静電光偏向器の
作製方法を説明する。
【0069】1.先ず、シリコン基板306の上に種電
極360を成膜する(a)。本実施例においては、種電
極360として金を1μm蒸着した。
【0070】2.次に、種電極360の上に犠牲層36
1を成膜し、平板バネアンカー331〜334と固定電
極アンカー321、322の部分の犠牲層361を除く
様なパターニングを行う(b)。本実施例では、犠牲層
361としてリン酸ガラス(PSG:Phospho-Silica G
lass)を5μm成膜した。
【0071】3.続いて、厚膜レジスト層362を成膜
し、各パーツの部分の厚膜レジスト層362を除く様な
パターニングを行う(c)。本実施例では、厚膜レジス
ト層362としてMicroChem社製SU−8を250μm
成膜した。
【0072】4.厚膜レジスト層362を型として、種
電極層360の上に金属層363を電解メッキする
(d)。本実施例では、ニッケルを205μmメッキ
し、平板バネ301〜304の幅が200μmになるよ
うにした。
【0073】5.厚膜レジスト層362、犠牲層36
1、種電極層360の順に除去を行う(e)。その後、
揺動体310に空いている穴にミラー311を挿入し、
固定する。
【0074】本実施例によれば、揺動体310が、Z軸
(上記慣性主軸)回りの回転方向に十分なコンプライア
ンスを有し、他の軸回りには十分高い剛性を有する構造
を実現できるので、振動等の外乱に強いマイクロ光偏向
器を提供できる。
【0075】また、本実施例によれば、静電力を用いて
駆動する際に、揺動体310に純粋な偶力が生じるの
で、従来よりも正確な光偏向を行うことができる。ま
た、高速駆動時に振動が生じないので、従来よりも正確
な光偏向を行うことができる。
【0076】[実施例4]図20は、実施例4の光走査型
ディスプレイを説明する図である。X光偏向器401と
Y光偏向器402は、実施例1などの光偏向器と同様の
ものである。コントローラ409は、X光偏向器401
とY光偏向器402を制御して、レーザ光線410をラ
スター状に走査し、表示する情報に応じてレーザ発振器
405を変調することで、スクリーン407上に画像を
2次元的に表示する。
【0077】本発明の光偏向器を光走査型ディスプレイ
に適用することで、エネルギー効率が高い光走査型ディ
スプレイを実現することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マイクロ光偏向器などのマイクロ構造体において、揺動
体の揺動方向のコンプライアンスを確保して、他の方向
の剛性を高く保つことができる。
【0079】また、高速駆動時に、振動の生じにくいマ
イクロ構造体を提供できる。また、ミラー部に回転モー
メントを生じさせる際に、他方向への力を生じないた
め、偏向角や光路長が変動しにくいマイクロ光偏向器を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電磁型光偏向器を説明するための分
解斜視図である。
【図2】実施例1の電磁型光偏向器の動作を説明する図
である。
【図3】具体例を用いて本発明の作用を説明する図であ
る。
【図4】具体例を用いて本発明の作用を説明する図であ
る。
【図5】本発明の原理を説明する図である。
【図6】実施例2の圧電型光偏向器を説明するための斜
視図である。
【図7】実施例2の圧電型光偏向器の動作を説明する図
である。
【図8】実施例3の静電型光偏向器を説明するための上
面図である。
【図9】実施例3の静電型光偏向器を説明するための側
面図である。
【図10】実施例3の静電型光偏向器の作製方法を説明
する断面図である。
【図11】実施例4の光走査型ディスプレイを説明する
図である。
【図12】従来の静電光偏向器を説明する斜視図であ
る。
【図13】従来の静電光偏向器を説明する分解図であ
る。
【図14】従来の静電光偏向器を説明する断面図であ
る。
【図15】従来の静電光偏向器を説明するトーションバ
ー部分の断面図である。
【図16】従来の圧電光偏向器を説明する斜視図であ
る。
【図17】従来の静電光偏向器の問題点を説明する図で
ある。
【図18】従来の圧電光偏向器の問題点を説明する図で
ある。
【符号の説明】
101〜104、201〜203、301〜304、9
01〜904平板バネ 106、206、306	 基板 110、210、310、910	 揺動体 111、211、311	 ミラー 120	 基台 130	 可動磁極 131、132	 固定磁極 134	 固定コア 135	 コイル 221、222	 圧電素子 312、313	 くし型可動
電極 321、322	 固定電極ア
ンカー 323、324	 固定電極 325、326	 くし型固定
電極 331〜334	 平板バネア
ンカー 350 電圧源 360 種電極 361 犠牲層 362 厚膜レジスト
層 363 金属層 401 X光偏向器 402 Y光偏向器 405 レーザ発振器 407 スクリーン 409 コントローラ 410 レーザ光線 1010 絶縁性基板 1014、1016 駆動電極 1020 シリコン薄板 1022、1024、2001、2002トーションバ
ー 1030、2011 ミラー 1032 ミラー支持部 2006 支持枠 2021 圧電素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月23日(2001.2.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】図5は、本発明の揺動体910と1本の平
板バネ901をモデル化した図である。図に示したよう
に、揺動体がφ回転したとすると、平板バネの揺動体側
の端の変位角θ1と変位y1は、以下で与えられる。θ1 =φ y=rRφ rR:揺動体半径
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】一方、一端を固定した平板バネの自由端
に、力Fと曲げモーメントMが働いたときの、自由端の
変位角θ2と変位y2は、以下で与えられる。θ2 =−lR /(2EI)・F+lR/(EI)・My2 =lR /(3EI)・F−lR /(2EI)・M
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】ここで、lRは平板バネの長さ、Eはヤング
率、Iは平板バネの断面2次モーメントである。Iは、以
下で与えられる。I =tRbR /12 bR:平板バネ厚tR :平板バネ高
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】これらから、1枚の平板バネから揺動体に
作用する反作用モーメントMtotalは以下となる。Mtotal =−M−rF=−kRφkR =[Eb3(l2+3lr+3r2)t]/3l3 ここで、kRは、ねじりバネ定数である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】また、平板バネの揺動体端と固定端の応力
をそれぞれσ1、σとするとσ1 =M/Z=6/tRbR ・M=[EbR(2lR+3rR)]/lR ・φσ =(M−FlR)/Z=6/tRbR ・(M−FlR)=−[EbR(lR+3rR)]
/lR ・φ であるので、応力は平板バネの揺動体端で最大になるこ
とがわかる。σmax 1=[EbR(2lR+3rR)]/lR ・φ
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】また、揺動体の慣性モーメントIm、平板バ
ネの本数をnとすると、共振周波数fは、以下で与えら
れる。 =1/2π・(nkθ/Im)1/2
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 101〜104、201〜203、301〜304、9
01〜904平板バネ 106、206、306 基板 110、210、310、910 揺動体 111、211、311 ミラー120 基台130 可動磁極 131、132 固定磁極134 固定コア135 コイル 221、222 圧電素子 312、313 くし型可動電
極 321、322 固定電極アン
カー 323、324 固定電極 325、326 くし型固定電
極 331〜334 平板バネアン
カー 350 電圧源 360 種電極 361 犠牲層 362 厚膜レジスト
層 363 金属層 401 X光偏向器 402 Y光偏向器 405 レーザ発振器 407 スクリーン 409 コントローラ 410 レーザ光線 1010 絶縁性基板 1014、1016 駆動電極 1020 シリコン薄板 1022、1024、2001、2002トーションバ
ー 1030、2011 ミラー 1032 ミラー支持部 2006 支持枠 2021 圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/182 G02B 26/08 E 26/08 7/18 Z

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、少なくとも1つの揺動体を有し、
    前記揺動体は、前記基板と揺動体間を繋ぐように伸びた
    少なくとも3つ以上の複数のバネによって前記基板に対
    して支持されており、前記複数のバネは、その長軸の延
    長線が共通平面内にあって1点で交わるように配置さ
    れ、最も撓みやすい方向が該共通平面に平行である様な
    形態を有し、これにより、前記揺動体が該共通平面に垂
    直な軸回りに揺動自由に弾性支持されていることを特徴
    とするマイクロ構造体。
  2. 【請求項2】前記バネは平板バネであることを特徴とす
    る請求項1に記載のマイクロ構造体。
  3. 【請求項3】前記複数のバネの長軸の延長線が前記揺動
    体の慣性主軸で交わるように配置されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載のマイクロ構造体。
  4. 【請求項4】前記複数のバネと前記揺動体が共通の単結
    晶材料基板から一体に形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載のマイクロ構造体。
  5. 【請求項5】前記複数のバネと前記揺動体が、エッチン
    グ加工により、単結晶シリコンから一体に形成されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ構造体。
  6. 【請求項6】前記複数のバネと前記揺動体が、平板状基
    板を深堀りエッチングすることで形成されて、その外面
    を画する面が該平板状基板面とこの面に対する垂直面か
    ら成ることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載
    のマイクロ構造体。
  7. 【請求項7】前記複数のバネの角部が等方性エッチング
    で軽く丸くされて、そこへの応力集中が緩和されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のマイ
    クロ構造体。
  8. 【請求項8】前記複数のバネと前記揺動体が、電気メッ
    キ法により、金属材料にて一体に形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の構造体。
  9. 【請求項9】前記揺動体が一つであることを特徴とする
    請求項1乃至8の何れかに記載のマイクロ構造体。
  10. 【請求項10】前記複数のバネが3つ或いは4つである
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のマイ
    クロ構造体。
  11. 【請求項11】前記揺動体が複数であり、該複数の揺動
    体が入れ子式に配置され、各揺動体が、その外側の揺動
    体或いは前記基板に対して、夫々の複数のバネによって
    規定される共通平面に垂直な軸回りに揺動自由に弾性支
    持されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れ
    かに記載のマイクロ構造体。
  12. 【請求項12】前記垂直な軸が互いに角度を成して交差
    していることを特徴とする請求項11に記載のマイクロ
    構造体。
  13. 【請求項13】前記角度が90度であることを特徴とす
    る請求項12に記載のマイクロ構造体。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13の何れかに記載のマイ
    クロ構造体と、前記揺動体に設けられた光反射手段と、
    前記基板に対して前記揺動体を相対的に回転変位させる
    回転変位アクチュエータを有することを特徴とするマイ
    クロ光偏向器。
  15. 【請求項15】前記回転変位アクチュエータが、前記揺
    動体に結合された可動コアと、前記基板に結合された固
    定コアと、該固定コアを周回するコイルからなる電磁ア
    クチュエータであることを特徴とする請求項14に記載
    のマイクロ光偏向器。
  16. 【請求項16】前記回転変位アクチュエータが、前記揺
    動体に結合された可動電極と、前記基板に結合された固
    定電極とからなる静電アクチュエータであることを特徴
    とする請求項14に記載のマイクロ光偏向器。
  17. 【請求項17】前記回転変位アクチュエータが、前記バ
    ネに結合された圧電素子であることを特徴とする請求項
    14に記載のマイクロ光偏向器。
  18. 【請求項18】前記回転変位アクチュエータの駆動周波
    数が、前記揺動体の揺動の共振周波数近辺であることを
    特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載のマイ
    クロ光偏向器。
  19. 【請求項19】前記光反射手段が、光反射面或いは回折
    格子であることを特徴とする請求項14乃至18のいず
    れかに記載のマイクロ光偏向器。
  20. 【請求項20】請求項1乃至13の何れかに記載のマイ
    クロ構造体と、前記基板と前記揺動体の相対回転変位を
    検出する変位検出手段を有することを特徴とするマイク
    ロ力学量センサ。
  21. 【請求項21】請求項1乃至13の何れかに記載のマイ
    クロ構造体と、前記基板に対して前記揺動体を相対的に
    回転変位させる回転変位アクチュエータを有することを
    特徴とするマイクロアクチュエータ。
  22. 【請求項22】請求項14乃至19の何れかに記載のマ
    イクロ光偏向器と、変調可能な光源と、前記光源の変調
    と前記マイクロ光偏向器の揺動体の回転変位を制御する
    制御手段を有することを特徴とする光走査型表示装置。
  23. 【請求項23】請求項6に記載のマイクロ構造体の製造
    方法であって、材料基板の面にマスク層を成膜する工程
    と、前記面のマスク層を前記揺動体とバネと基板の形態
    に応じてパターニングする工程と、前記材料基板を深堀
    りエッチングする工程とを含むことを特徴とするマイク
    ロ構造体の製造方法。
  24. 【請求項24】前記バネの角部を軽く等方性エッチング
    して、そこを丸くし、そこへの応力集中を緩和する工程
    を更に含むことを特徴とする請求項23に記載のマイク
    ロ構造体の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項8に記載のマイクロ構造体の製造
    方法であって、基板の上に種電極を成膜する工程と、該
    種電極の上に犠牲層を成膜し、該基板に固定される部分
    の形態に応じて該犠牲層をパターニングする工程と、該
    種電極と犠牲層の上に厚膜レジスト層を成膜し、該基板
    上に形成されるパーツの部分の形態に応じて該厚膜レジ
    スト層をパターニングする工程と、該厚膜レジスト層を
    型として、前記種電極層の上に金属層を電解メッキする
    工程と、前記厚膜レジスト層、犠牲層、種電極層の順に
    除去を行う工程とを含むことを特徴とするマイクロ構造
    体の製造方法。
JP2001047298A 2001-02-22 2001-02-22 マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法 Pending JP2002250890A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001047298A JP2002250890A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001047298A JP2002250890A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002250890A true JP2002250890A (ja) 2002-09-06

Family

ID=18908756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001047298A Pending JP2002250890A (ja) 2001-02-22 2001-02-22 マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002250890A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004017119A1 (ja) * 2002-08-14 2004-02-26 Fujitsu Limited トーションバーを備えるマイクロ揺動素子
JP2005092174A (ja) * 2003-08-12 2005-04-07 Fujitsu Ltd マイクロ揺動素子
WO2005093491A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2006211767A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Japan Aerospace Exploration Agency 慣性駆動型アクチュエータ
JP2008178173A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Seiko Epson Corp アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置
JP2009169290A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Stanley Electric Co Ltd 光偏向器
JP2012528014A (ja) * 2009-05-27 2012-11-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング マイクロメカニカル構成素子およびマイクロメカニカル構成素子の製造方法
JP2013178418A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Kagawa Univ Mems光学部品
WO2017069780A1 (en) * 2015-10-23 2017-04-27 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Microelectromechanical device with multiple hinges

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7031041B2 (en) 2002-08-14 2006-04-18 Fujitsu Limited Micro-oscillating element provided with torsion bar
WO2004017119A1 (ja) * 2002-08-14 2004-02-26 Fujitsu Limited トーションバーを備えるマイクロ揺動素子
JP2005092174A (ja) * 2003-08-12 2005-04-07 Fujitsu Ltd マイクロ揺動素子
US7262541B2 (en) 2003-08-12 2007-08-28 Fujitsu Limited Micro-oscillation element incorporating springs
WO2005093491A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
JP2005275198A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Brother Ind Ltd 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
US7639413B2 (en) 2004-03-26 2009-12-29 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Resonant optical scanner using vibrating body with optimized resonant frequency characteristics and image forming apparatus having the same
JP4686784B2 (ja) * 2005-01-26 2011-05-25 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 慣性駆動型アクチュエータ
JP2006211767A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Japan Aerospace Exploration Agency 慣性駆動型アクチュエータ
JP2008178173A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Seiko Epson Corp アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置
JP2009169290A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Stanley Electric Co Ltd 光偏向器
JP2012528014A (ja) * 2009-05-27 2012-11-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング マイクロメカニカル構成素子およびマイクロメカニカル構成素子の製造方法
US8813573B2 (en) 2009-05-27 2014-08-26 Robert Bosch Gmbh Micromechanical component and production method for a micromechanical component
JP2013178418A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Kagawa Univ Mems光学部品
WO2017069780A1 (en) * 2015-10-23 2017-04-27 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Microelectromechanical device with multiple hinges
US10723618B2 (en) 2015-10-23 2020-07-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Microelectromechanical device with multiple hinges

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7362488B2 (en) Tiltable-body apparatus, and method of fabricating the same
KR100932458B1 (ko) 마이크로 요동 소자
KR100531547B1 (ko) 마이크로구조체 및 그의 제조방법
JP3862623B2 (ja) 光偏向器及びその製造方法
US8345336B2 (en) MEMS scanning micromirror with reduced dynamic deformation
US7161275B2 (en) Actuator
US20020113675A1 (en) Movable-body apparatus, optical deflector, and method of fabricating the same
JP4164528B2 (ja) 揺動体を含む構造体の製造方法
JP2009104102A (ja) ミラーから分離されたアクチュエータを備えたmemsスキャナ
JP2002321196A (ja) マイクロ構造体、マイクロ力学量センサ、マイクロアクチュエータ、マイクロ光偏向器、光走査型ディスプレイ、及びそれらの製造方法
JP2002321198A (ja) マイクロ構造体、マイクロ力学量センサ、マイクロアクチュエータ、マイクロ光偏向器、光走査型ディスプレイ、及びそれらの製造方法
JP4124986B2 (ja) マイクロ構造体、マイクロ力学量センサ、マイクロアクチュエータ、マイクロ光偏向器、及び光走査型ディスプレイ
JP2002250890A (ja) マイクロ構造体、マイクロ光偏向器、光走査型表示装置、及びそれらの製造方法
JP2004102249A (ja) マイクロ可動体
JP4144840B2 (ja) 揺動体装置、光偏向器、及び光偏向器を用いた光学機器
JP2001075042A (ja) 光偏向器
JP2006201520A (ja) Memsミラースキャナ
JP2006313216A (ja) 揺動体装置、およびそれを用いた光偏向器
JP2020504028A (ja) 振動子を有する微小機械部品、微小機械部品の製造方法、および回転軸線を中心とした変位可能な部品の運動を誘起する方法
JP2001264676A (ja) 光スキャナ
JP2005181926A (ja) 光偏向器及びその製造方法、それを用いた光学機器
JP2005287199A (ja) アクチュエータ