JP4284381B2 - 二酸化炭素回収利用、移送用混合物 - Google Patents
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Description
〔1〕 アルキルスズアルコキシド及びアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含むアルキルスズアルコキシド組成物と、
二酸化炭素と、を含む、二酸化炭素の移送用混合物であって、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素は、移送すべきガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させることにより、液状又は液状とできる混合物として固定化されたものであり、
前記混合物中に含有される、前記アルキルスズアルコキシド及び前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
前記混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である、二酸化炭素の移送用混合物。
合物、
〔2〕 前記R基が、脂肪族基である、前項〔1〕に記載の混合物、
〔3〕 前記R基が、炭素数1〜6のアルキル基である、前項〔1〕又は〔2〕に記載の混合物、
〔4〕 前記R基が、炭素数4〜6のアルキル基である、前項〔1〕〜〔3〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔5〕 前記化学反応させる圧力が、常圧から1MPaの範囲である、前項〔1〕に記載の混合物、
〔6〕 前記化学反応させる温度が、−40℃から80℃の範囲である、前項〔1〕に記載の混合物、
〔7〕 液体状態にある前記アルキルスズアルコキシド組成物に、ガス状の二酸化炭素を吸収させる、前項〔1〕に記載の混合物、
〔8〕 前記混合物を移送する温度が、−40℃から80℃の範囲である、前項〔1〕〜〔7〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔9〕 前記アルキルスズアルコキシド組成物が、テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサン及び/又はジアルキルスズジアルコキシドを含有する、前項〔1〕〜〔8〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔10〕 該アルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、0:100〜80:20の範囲である、前項〔9〕に記載の混合物、
〔11〕 前記混合物が、炭酸エステルをさらに含み、前記炭酸エステルの含有量が、前記アルキルスズアルコキシド組成物中のテトラアルキル−ジアルコキシ−ジスタンオキサンのモル数に対して、20モル%未満である、前項〔9〕又は〔10〕に記載の混合物、
〔12〕 前記テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンが、下記一般式(1)で表されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンである、前項〔9〕〜〔11〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔13〕 前記ジアルキルスズジアルコキシドが、下記一般式(2)で表されるジアルキルスズジアルコキシドである、前項〔9〕〜〔11〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔14〕 前記アルキルスズアルコキシド組成物が、少なくとも1種類のジアルキルスズアルコキシドの単量体、会合体、ポリマー状成分を含むアルキルスズアルコキシド組成物である、前項〔1〕〜〔13〕のうち何れか一項に記載の混合物、
〔15〕 下記工程を含む、炭酸エステルの製造方法、
工程1:アルキルスズアルコキシドと、ガス状の二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドとを反応させて得られるアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含むアルキルスズアルコキシド組成物と、二酸化炭素とを含む混合物であって、前記混合物中に含有される、前記アルキルスズアルコキシド及び前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
前記混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である混合物を得る工程と、
工程2:液体状態にある前記混合物を炭酸エステル合成工程へ移送する工程と、
工程3:二酸化炭素存在下、前記混合物から炭酸エステルを含む反応液を得る工程と、
工程4:前記反応液から、二酸化炭素をガス状成分として分離する工程、
〔16〕 工程4の後に、
工程5:前記分離したガス状の二酸化炭素を工程1にリサイクルする工程を、
さらに含む、前項〔15〕に記載の炭酸エステルの製造方法、
〔17〕 工程5の後に、
工程6:工程4で二酸化炭素を分離した反応液から炭酸エステルを分離し、残留液を得る工程と、
工程7:前記残留液とアルコールとを反応させて、アルキルスズアルコキシド組成物を得る工程と、
工程8:前記アルキルスズアルコキシド組成物を工程1へリサイクルする工程と、
をさらに含む、前項〔16〕に記載の炭酸エステルの製造方法、
〔18〕 前記アルコールが、下記式(3)で表されるアルコールである、
前項〔17〕に記載の炭酸エステルの製造方法、
〔19〕 請求項1記載の混合物を加熱及び/又は減圧して、二酸化炭素を脱離させて、前記脱離させた二酸化炭素を利用する工程を含む、二酸化炭素の回収利用方法、
〔20〕 前項〔1〕に記載の混合物が、反応器中で、ガス状の二酸化炭素を連続的に供給して、化学反応して得られる混合物であって、前記混合物を液相成分として得、同時に前記反応器の気相部を連続的に抜き出して、前記連続的に供給したガス状の二酸化炭素よりも含水量の低い乾燥したガス状の二酸化炭素を得る、乾燥したガス状の二酸化炭素の製造方法、
〔21〕 液体状態である前項〔1〕に記載の前記混合物を移送することを含む、二酸化炭素の移送方法、
〔22〕 前記混合物を移送する温度が、−40℃から80℃の範囲である、前項〔21〕に記載の移送方法、
を提供する。
二酸化炭素と、を含む、二酸化炭素の移送用混合物であって、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素は、移送すべきガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させることにより、液状又は液状とできる混合物として固定化されたものであり、
前記混合物中に含有される、前記アルキルスズアルコキシド及び前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
前記混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である、二酸化炭素の移送用混合物である。
本発明の混合物は、アルキルスズアルコキシド組成物の二酸化炭素結合体を含む混合物である。好ましくは、後記する式(1)及び/又は下記式(2)で表されるようなアルキルスズアルコキシド類を含むアルキルスズアルコキシド組成物の二酸化炭素結合体を含む混合物である。
本発明でいうテトラアルキル−ジアルコキシ−ジスタンオキサン類は下式(1)に示すテトラアルキル−ジアルコキシ−ジスタンオキサンであって、下式(1)に代表される構造式を示すが、単量体であっても会合体であっても多量体、重合体であってもかまわない。
本発明でいうアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体とは、特定のアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体である。該特定のアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体の特徴は、分子内に少なくとも1つの4価のスズ原子を含有し、該スズ原子への結合は、スズ−アルキル結合、スズ−カルボナート結合、スズ−酸素結合(スズ−アルコキシ結合を含む)によって価数が占められており、分子内に少なくとも1つのスズ−アルキル結合と少なくとも1つのスズ−カルボナート結合を有する。ただし、分子外から該スズ原子への他分子の配位は、本発明の目的に影響を与えなければ差し支えない。このような分子外からの配位としては、アルコール類、アルキルスズアルコキシド、アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体相互の供与配位による会合、二酸化炭素の配位等が挙げられるが、上記したように、これらに限定されない。
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素は、移送すべきガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させることにより、液状又は液状とできる混合物として固定化されたものであり、
該混合物中に含有される、該アルキルスズアルコキシド及び該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び該混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
該混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、該OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である、二酸化炭素の移送用混合物である。
該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び該混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
該混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、該OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するx及びyが特定の範囲である場合、驚くべきことに、極めて安定で、実質的な移送に適した混合物であることを発見し、本発明を完成させた。Zに対するxの値は、yの値によっても異なるが、0.1より小さい場合、該混合物は安定に存在するが、該混合物に含有されるカルボナート結合から二酸化炭素ガスを脱離させて利用しようとした場合(該カルボナート結合から二酸化炭素ガスを脱離させる方法は後述する)、大きなエネルギーを必要とする場合があり、また、xの値が2より大きい場合、該混合物は不安定となって、発泡したりする恐れがあったりするため、移送用の混合物として使用することは困難である。Zに対するxの好ましい範囲は、0.1〜2であり、移送のための安定性をさらに考慮すれば、0.1〜1.5の範囲であり、二酸化炭素ガスを脱離させて再利用する目的をも考慮すれば、Zに対するxのより好ましい範囲は0.5〜1.5である。Zに対するyの値も、xの値によって異なるが、Zに対するyの値が0.5より小さい場合、該混合物で移送できる二酸化炭素量(即ちカルボナート基の数)が必然的に小さくなり、移送するエネルギーに対して利用できる二酸化炭素量が小さいため、移送用の混合物として適さない。また、yの値が2より大きい場合は、混合物の流動性が極めて悪いために移送できない場合がある。Zに対するyの好ましい範囲は、0.5〜2であり、移送のための流動性をさらに考慮すれば、0.5〜1.5である。
1)アルキルスズアルコキシド組成物にガス状の二酸化炭素を吸収させる方法。
前記したアルキルスズアルコキシド組成物にガス状の二酸化炭素を吸収させて化学反応させることによって、本発明の混合物を得ることができる。
類似した方法に、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドから炭酸エステルを得る方法が知られている。例えば、本発明者らが先に開示した方法(例えば、WO2003/055840、WO2004/014840など)がある。二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドとから炭酸エステルを製造する反応は、式(18)に示す反応を利用し、外部から熱を供給しながらおこなう吸熱的な反応であるが、本発明では、例えば、式(19)〜(21)に示す発熱的な反応を利用する点で大きく異なる。
該反応させる圧力は、反応させる温度にもよるが、常圧から1MPaの範囲が好ましく、得られる本発明の混合物が安定に存在するためには、常圧から0.6MPaの範囲がさらに好ましく、最も好ましい範囲は常圧から0.6MPaの範囲である。該反応させる温度は、反応させる圧力にもよるが、高温で、高圧の場合には炭酸エステルが生成しやすく本発明の混合物が安定に存在しにくくなるため、本発明の混合物を得るためには−40℃から80℃の範囲が好ましく、更に本発明の混合物は、二酸化炭素を移送して利用することを目的としており、移送の際の流動性を考慮すると、0℃から80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば20℃)から80℃である。反応時間は数秒から100時間の範囲で実施してよく、生産性等を考慮すれば、数分から10時間が好ましい。更に、該反応を実施する際には、該ジアルキルスズアルコキシド組成物が液状であることが好ましく、液状の、もしくは液状としたアルキルスズアルコキシド組成物を使用する。固体の場合は、加熱したり、溶媒を加えて構わない。溶媒の例としては、前記した溶媒である。
更に、上記製造方法を用いることによって、該混合物及び、供給する二酸化炭素よりも含水量の低い二酸化炭素を同時に得ることもできる。反応器中で、ガス状の二酸化炭素を連続的に供給して、化学反応して得られる混合物を液相成分として得、同時に該反応器の気相部を連続的に抜き出すことによって、該連続的に供給したガス状の二酸化炭素よりも含水量の低い乾燥したガス状の二酸化炭素を得ることができる。
R27、R28は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12の脂肪族基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜12のアルケニル基、あるいは無置換又は置換された炭素数6〜19のアリールと、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜14のアルキルと炭素数5〜14のシクロアルキルよりなる群から選ばれるアルキルと、からなる炭素数7〜20のアラルキル基を表し、ノナフルオロブチル、ヘプタフルオロブチル(各異性体)などのように炭化水素基の水素の全部あるいは一部がハロゲン原子に置換したハロゲン化炭化水素基であってもよいが、これらに限定されない。好ましくは、アルキル基である。式(22)のR27とR28は同一であってもよいし、場合によっては異なっていてもかまわない。
a)本発明の混合物から二酸化炭素を取り出して使用する。
既に、本発明の混合物からは、水分量の少ない二酸化炭素を取り出すことができることは説明した。この二酸化炭素の使用については特に制限なく、公知の二酸化炭素の使用例の範囲で使用することができる。例えば、飲料用、二酸化炭素を用いたクリーニング用途、野菜等の栽培や保存、バナナなどの果物の熟成などに使用することができる。化学製品の保存安定にも使用することができる。例えば、1級アミン化合物と反応させてカルバミン酸塩として固体化して保存することができ、本発明の二酸化炭素の水分量は極めてすくないために、結晶水等の生成もなく、品質よく保存することができる。
工程1:(二酸化炭素結合体製造工程)
本発明の混合物を製造する工程であり、アルキルスズアルコキシド及びアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含むアルキルスズアルコキシド組成物と、
二酸化炭素と、を含む、二酸化炭素の移送用混合物であって、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素は、移送すべきガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させることにより、液状又は液状とできる混合物として固定化されたものであり、
該混合物中に含有される、該アルキルスズアルコキシド及び該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び該混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
該混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である、二酸化炭素の移送用混合物を得る工程である。
液状の、若しくは液状とした該混合物を炭酸エステル合成工程へ移送する工程である。
二酸化炭素存在下、該混合物から炭酸エステルを含む反応液を得る工程である。
該反応液から、二酸化炭素をガス状成分として分離する工程である。ここで、分離された炭酸エステル含有反応液は、炭酸エステル分離工程等を設けて処理することが好ましい。
即ち、図1の説明で示した工程に、下記工程5を付加して炭酸エステルを製造する方法である。
工程5:(未利用の二酸化炭素ガスのリサイクル工程)
工程4で分離したガス状の二酸化炭素を工程1にリサイクルする工程である。
即ち、上記図(2)の説明で示した工程5の後に、下記工程6から工程8を付加して炭酸エステルを連続的に製造する方法である。
工程4で二酸化炭素を分離した反応液から炭酸エステルを分離し、残留液を得る工程である。
該残留液とアルコールとを反応させて、アルキルスズアルコキシド組成物を得る工程である。
該アルキルスズアルコキシド組成物を工程1へリサイクルする工程である。
連続反応の最初には、工程5で使用する残留液や工程1で使用する未利用の二酸化炭素ガスは存在しないため、別途、アルキルスズアルコキシド合成工程を設けて、該合成工程で製造したアルキルスズアルコキシドを工程1及び/又は工程3に移送してスタートアップする。工程1に移送する場合は、フレッシュな二酸化炭素を供給する。該二酸化炭素のスペックは、本発明の混合物の製造方法の1)で示した二酸化炭素ガスが好ましく使用できる。該アルキルスズアルコキシド合成工程、該アルキルスズアルコキシド再生工程では、本発明の混合物が工程1で得られるようなアルキルスズアルコキシドを製造して工程1へ移送する。
i)アルキルスズアルコキシド合成工程(連続運転のスタートアップ時の工程)
本工程は、本発明者らが先に開示したアルキルスズアルコキシドの製造方法(WO 2005/111049など)が好ましく利用できる。本工程は、ジアルキル酸化スズとアルコールとから、アルキルスズアルコキシドを製造する工程であり、アルコールは下記式(30)のアルコールを使用する。
本工程は、工程6で残留液を得た後に実施する工程であるが、上記のジアルキルスズアルコキシド合成工程と近似しているため、先に説明する。本工程は、工程6で得られた残留液と下記式(3)のアルコールとを脱水反応させて、ジアルキルスズアルコキシドを再生する工程である。
上記したように、連続反応のスタートアップ時は、アルキルスズアルコキシド合成工程からアルキルスズアルコキシドを直接炭酸エステル化工程に移送して製造しても構わないし、該アルキルスズアルコキシドを、フレッシュな二酸化炭素を使用して本発明の混合物を得た後、移送して製造しても構わない。
工程3で得られた反応液を連続的に抜き出し、該反応液に含まれている未利用の二酸化炭素をガス状成分として該反応液から除去する。本工程の温度は、圧力にも依存するが、80℃から200℃の範囲であり、生産性を考慮すれば、100℃から200℃の範囲が好ましく、高温では、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合があるため100℃から150℃の範囲が最も好ましい。圧力は、温度にも依存するが、通常常圧から減圧条件でおこない、生産性を考慮すれば、100Paから80KPaの範囲が更に好ましく、100Paから50KPaが最も好ましい範囲である。時間は、0.01時間から10時間の範囲で実施でき、高温で、長時間で実施すると、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合があるため、0.01時間から0.5時間の範囲が好ましく、0.01時間から0.3時間の範囲が最も好ましい。該未利用の二酸化炭素を20%以上抜き出して本工程を終了してもよいし、未利用の二酸化炭素の利用率を上げたい場合には、90%以上抜き出して終了する。二酸化炭素利用の効率化を考慮すれば、なるべく多くの未利用の二酸化炭素をガス状成分として抜き出すことが好ましい。反応器は公知の反応器が使用でき、塔型反応器、槽型反応器も好ましく使用することができる。最も好ましい反応器は、薄膜蒸発器、薄膜蒸留器である。反応器及びラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
工程4で分離したガス状の二酸化炭素を工程1へリサイクルする工程である。工程4で抜き出した二酸化炭素を工程1の反応器に移送すると共に、工程1で使用する圧力にあわせる。即ち、工程1の反応条件は常圧から1MPaであり、工程1で得られる混合物が安定に存在するためには、常圧から0.6MPaの範囲が更に好ましい範囲であり、工程4で抜き出されたガス状の二酸化炭素を該圧力に調整する。圧力を調整する方法は、公知の方法が使用できる。例えば、ジェットタービンによる方法や、コンプレッサーによる方法である。同時に該ガス状の二酸化炭素に不純物がはいっている場合には、本工程において精製してもよい。反応器及びラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
本工程に供給されるアルキルスズアルコキシド組成物は、スタートアップ時にアルキルスズアルコキシド合成工程から供給される場合と連続製造時に工程7のアルキルスズアルコキシド製造工程から供給される場合がある。使用するガス状の二酸化炭素は、スタートアップ時には、フレッシュな二酸化炭素を供給して実施し、連続製造時には、工程5から供給されるリサイクルされた二酸化炭素を供給して実施する。連続製造時にもフレッシュな二酸化炭素をリサイクルされた二酸化炭素と同時に供給しても構わない。二酸化炭素の供給は連続的に供給しても断続的に供給しても構わない。アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含む混合物を得るためには、上記したアルキルスズアルコキシドと上記したガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させて得る。該化学反応させる際には、該アルキルスズアルコキシドを液状、もしくは液状として反応させる。液状とするには、加熱によって液状とする方法が好ましく使用できる。また、本発明の混合物の製造の項でも記載したが、溶媒等によって液状としてもよい。反応させる圧力は、反応させる温度にもよるが、常圧から1MPaの範囲が好ましく、得られる本発明の混合物が安定に存在するためには、常圧から0.6MPaの範囲が更に好ましい。該反応させる温度は、反応させる圧力にもよるが、高温で、高圧の場合には炭酸エステルが生成しやすく本発明の混合物が安定に存在しにくくなるため、本発明の混合物を得るためには−40℃から80℃の範囲が好ましく、更に該混合物は、工程2に移送することを目的とした混合物であって、移送の際の流動性を考慮すると、0℃から80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば20℃)から80℃である。反応時間は数秒から100時間の範囲で実施してよく、生産性等を考慮すれば、数分から10時間が好ましい。反応器は公知の槽型反応器、塔型反応器が使用できる。また複数の反応器を組み合わせて使用してもよい。アルキルスズアルコキシド組成物の式(1)で表した化合物は、式(2)で表した化合物よりも高温でも二酸化炭素吸収効率が高いので、組成物中の式(1)、式(2)の化合物比に応じて複数の反応器を個別の温度管理を行なって反応させてもよい。反応は二酸化炭素ガス(気体)とアルキルスズアルコキシド組成物(液体)の反応であるため、効率よく反応させるためには、気液界面を大きくしてガスと液の接触面積を大きくすることが好ましい。このような気液界面を大きくして反応させる方法は公知の知見が利用できる。例えば、槽型反応器では、攪拌速度を上げたり、液中に気泡を発生させるような方法や、塔型反応器では、充填塔を利用したり、棚段塔を利用する方法が好ましい。このような塔型反応器の例としては、例えば泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔方式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔方式のものなどが利用できる。反応器及びラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。反応は通常発熱反応であるから、冷却してもよいし、または反応器の放熱によって冷却してもよい。あるいは炭酸エステル化反応を併発させる目的であれば加熱してもよい。反応器の冷却、加熱はジャケットによる方法、内部コイルによる方法など公知の方法が使用できる。反応器に供給する二酸化炭素ガスとアルキルスズアルコキシド組成物はそれぞれ別々に反応器に供給してもよいし、反応器に供給する前に混合しておいてもよい。反応器の複数箇所から供給してもかまわない。反応終了は、前記したNMR分析によって決定してよい。該反応液中の混合物を分析して、該混合物に含有される、該アルキルスズアルコキシド及び該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
該アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び該混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
該混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である混合物が得られれば反応を終了する。好ましくはZに対するxが0.1〜1.5、より好ましくは0.5〜1.5の範囲であり、Zに対するyが0.5〜1.5の範囲である。xやyの値が好ましい範囲から外れるような場合には、アルキルスズアルコキシド合成工程やアルキルスズアルコキシド再生工程からアルキルスズアルコキシドを供給して調整してもよい。
工程1で得られた該混合物は、液状又は液状として移送できるので、例えば、送液ポンプなどで定量的に移送することが極めて容易である。該混合物は液状若しくは液状として移送することを目的とした混合物であるが、場合によっては固体状態で移送しても構わない。液状の、若しくは液状とした混合物を移送することが好ましい。該液状、若しくは液状とした混合物を移送する際には、混合物を安定に移送するために、移送する温度が−40℃から80℃の範囲であることが好ましい。また、移送の際の流動性を考慮すれば、0℃から80℃が更に好ましく、最も好ましい範囲は常温(例えば、20℃)から80℃の範囲である。該混合物の移送や二酸化炭素回収利用に影響を与えないような他の成分を加えても構わない。影響を与えない成分の例としては、1価のアルキルアルコールや他のスズ成分(例えば、テトラアルキルスズ、テトラアルコキシスズ、モノアルキルスズヒドロキシド、移送に影響を与えなければ、ジアルキルスズオキシドや酸化スズを含んでいても構わない)、溶媒(移送に悪影響を与えない、エーテル系溶媒や芳香族系溶媒、脂肪族溶媒など)、不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、メタンガス、二酸化炭素ガスなど)が挙げられる。溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール(各異性体)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン(各異性体)が挙げられ、アルコールを使用する際には、該アルキルスズアルコキシド組成物に含まれるアルキルスズアルコキシドのアルコキシ基を構成するアルキル基と同じアルキル基を有するアルコールを使用することが混合物の安定性上好ましい。移送する際の圧力としては、常圧から1MPaの範囲が好ましく、得られる該混合物が安定に存在するためには、常圧から0.6MPaの範囲が更に好ましく、最も好ましい範囲は常圧から0.6MPaの範囲である。本工程は、工程3へ移送する工程であり、工程3で、反応器に該混合物を供給する段階では、上記した圧力と異なっていても構わない。該混合物は安定な混合物であるが、通常の金属アルコキシドと同様に加水分解の影響を受けるため、移送の際には、当業者の知りうる範囲で水分には留意することが好ましい。該混合物中に、炭酸エステルを含む場合は、該炭酸エステルの含有量が、該混合物中のアルキルスズアルコキシド組成物中のテトラアルキル−ジアルコキシ−ジスタンオキサンのモル数に対して20モル%以下であることが好ましく、ジアルキル酸化スズが該組成物中に含有される場合にも、該ジアルキル酸化スズに対しても20モル%以下であることが好ましい。これは、炭酸エステルが共存する場合、過剰の二酸化炭素が発生する場合があって、該混合物の安定性が損なわれる場合があるからである。更に、本混合物中に炭酸エステルが含まれていると、新たに炭酸エステルが生成する量が減少してしまう場合があるので好ましくない。本発明の混合物の移送に関しては、移送ライン等の材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
本工程は、工程4で未利用の二酸化炭素ガスを回収した残りの反応液から炭酸エステルを分離し、残留液を得る工程である。分離方法は公知の方法や装置が好適に利用できる。好ましい方法は蒸留による方法である。工程4から移送された反応液をバッチあるいはセミバッチ、あるいは連続的に蒸留して炭酸エステルと残留液を得る。好ましい蒸留方法は、該反応液を蒸留器に供給し、炭酸エステルを気相成分として蒸留器上部から系外へ分離し、残留液を液状成分として蒸留器の底部から抜き出す方法である。本工程の温度は該炭酸エステルの沸点や圧力にもよるが、常温(例えば、20℃)から200℃の範囲でよく、高温では残留液中のスズ化合物の変性が起こる場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少してしまう場合もあるので常温(例えば、20℃)から150℃の範囲が好ましい。圧力は、炭酸エステルの種類や、実施する温度にもよるが、通常常圧から減圧条件でおこない、生産性を考慮すれば、100Paから80KPaの範囲が好ましく、100Paから50KPaがより好ましい範囲である。時間は、0.01時間から10時間の範囲で実施でき、高温で、長時間で実施すると、該反応液に含まれるスズ化合物が変性する場合や、炭酸エステルが逆反応によって減少する場合もあるため、0.01時間から0.5時間の範囲が好ましく、0.01時間から0.3時間の範囲がより好ましい。蒸留器は公知の蒸留器が使用でき、塔型蒸留器、槽型蒸留器も好ましく使用することができるし、複数組み合わせて使用しても構わない。更に好ましい蒸留器は薄膜蒸発器、薄膜蒸留器であり、蒸留塔を備えた薄膜蒸発器、薄膜蒸留器が最も好ましい。蒸留器及びラインの材質は悪影響を及ぼさなければ、公知のどのようなものであってもよいが、SUS304やSUS316,SUS316Lなどが安価でもあり、好ましく使用できる。必要に応じて、流量計、温度計などの計装機器、リボイラー、ポンプ、コンデンサーなどの公知のプロセス装置を付加してよく、加熱はスチーム、ヒーターなどの公知の方法でよく、冷却も自然冷却、冷却水、ブライン等公知の方法が使用できる。
また、本発明の方法によれば、二酸化炭素ガス回収がすべて非水系でおこなうことができ、また、回収反応温度が100℃以下の穏和な条件で実施することができる。また、二酸化炭素ガスが水分を含んでいたとしても、アルキルスズアルコキシドの加水分解によって水分は消費され、回収後の混合物(水分が過剰量の場合は該加水分解反応によって固形分を生ずる場合もある)から放出される二酸化炭素ガスは、水分含有量が極めて低く取り出すことができる。従って、本発明は、工業的に極めて重要である。
1)NMR分析方法
装置:日本国、日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
(1)1H−NMR、13C−NMR、119Sn−NMR分析サンプルの調製
スズ化合物を0.3g秤量し、重クロロホルム(アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと119Sn−NMRの内部標準としてテトラメチルスズ(和光社製、和光一級)を0.08g加えて均一に混ぜた溶液をNMR分析サンプルとする。
(2)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
(3)アルキルスズアルコキシドの収率計算方法
アルキルスズアルコキシドの収率は、出発物質ジアルキルスズオキシドのスズ原子のモル数に対して、得られた各アルキルスズアルコキシドのスズ原子モル数の生成モル%で求める。
装置:日本国、三菱化学(株)社製CA−05微量水分計
(1)液状のサンプルの定量分析法
分析サンプルを、シリンジを用いて採取し重量を測った後、そのまま水分計に注入し、水の定量を行う。その後再びシリンジの重量を測り、サンプル注入量を計算し、サンプル中の水含有量を求める。
(2)ガス状サンプルの定量分析法
分析サンプルを、ガスタイトシリンジを用いて採取し、そのまま水分計に注入し、水の定量を行う。注入したサンプルの体積に対する水の含有量を求める。
装置:日本国、(株)島津製作所製GC−2010システム
(1)分析サンプル溶液の作成
反応溶液を0.2g計り取り、脱水アセトンを約1.5g加える。さらに内部標準としてトルエン又はジフェニルエーテル約0.04gを加えて、ガスクロマトグラフィー分析サンプル溶液とする。
(2)ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム:DB−1(米国、J&W Scientific社製)
液相:100%ジメチルポリシロキサン
長さ:30m
内径:0.25mm
フィルム厚さ:1μm
カラム温度:50℃(10℃/minで昇温)300℃
インジェクション温度:300℃
検出器温度:300℃
検出法:FID
(3)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
装置:日本国、(株)島津製作所製GC−14Bシステム
(1)分析サンプルの前処理
二酸化炭素結合体を含む混合物に硫酸水溶液を加え、発生する二酸化炭素ガスを、ガスタイトを用いて採取し分析を実施する。
(2)ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム:Silica gel 60〜80(SUSカラム)
長さ:3m
内径:3mm
カラム温度:70℃
インジェクション温度:200℃
検出器温度:100℃
検出法:TCD
(3)定量分析法
各標準物質の標準サンプルについて分析を実施し作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施する。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)672g(2.7mol)及び3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)1900g(21.5mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約145℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、水を含む3−メチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜35kPaの状態で過剰の3−メチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液880gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を23000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約20000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約322g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約99wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1490g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約90g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.03及びy=1.99となっていた。
図12に、NMR分析結果を(119Sn−NMR),図13(13C−NMR)および図14(1H−NMR)に示した。(119Sn−NMR(テトラメチルスズ基準):−212.2ppm)(1H−NMR(テトラメチルスズ基準):3.97ppm(2H、t)、3.73ppm(2H,broad)、1.71−1.59ppm(6H、m)、1.49−1.28ppm(12H、m)、0.80−0.90ppm(18H、m)、(13C−NMR:158.4ppm、65.0ppm、63.9ppm、42.4ppm、37.6ppm、26.7ppm、26.4ppm、25.0ppm、24.6ppm、22.4ppm、22.1ppm、13.1ppm)
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)672g(2.7mol)および2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)1102g(10.8mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を157℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が84〜65kPaの状態で水を含む2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。この状態を約2時間保った後、さらに系内を減圧し過剰の2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液883gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1500g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)を24000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約31kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む2−エチル−1−ブタノール約16000g/hr及び供給ライン1を経て2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)約448g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された2−エチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において2−エチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズ約90wt%及び2−エチル−1−ブタノール約10wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約0℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約2100g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約650g/hrで移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が1MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が0℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10において温度0℃,圧力1MPa−Gで移送し、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.99及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)692g(2.78mol)及び1−ブタノール(日本国、和光社製)2000g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を126℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜54kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液952gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Melapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)を25000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が150℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約160kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む1−ブタノール約18000g/hr及び供給ライン1を経て1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)約283g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチルスズジブトキシド及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチルスズジブトキシド約90mol%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサン約10mol%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1545g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR) y)は、x=1.16及びy=1.90となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジオクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)700g(1.94mol)及び3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)1700g(19.3mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を143℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜32kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液864gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を24000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーターおよびリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約20000g/hrおよび供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約240g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約99wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1420g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約125g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度60℃,圧力0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.01及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジオクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)700g(1.94mol)及び2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)1102g(10.8mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を157℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が84〜65kPaの状態で水を含む2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。この状態を約2時間保った後、さらに系内を減圧し過剰の2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液883gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを3500g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)を6000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が150℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約−2kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む2−エチル−1−ブタノール約4000g/hr及び供給ライン1を経て2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)約390g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111およびコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された2−エチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において2−エチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズ約60mol%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約40mol%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約70℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約3890g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が80℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10において温度80℃,常圧で移送し、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.26及びy=1.60となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例3と同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Melapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)を25000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が150℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約160kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む1−ブタノール約18000g/hr及び供給ライン1を経て1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)約283g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチルスズジブトキシドを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチルスズジブトキシド約85wt%及び1−ブタノール約15wt%が含まれた(1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンの含有量は1wt%以下であった)。該組成物を冷却器131によって約−42℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1666g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約280g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約−40℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度−40℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.58及びy=1.99となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例6と同じ方法で製造したジブチルスズジブトキシド約1000gおよびベンジルアルコール(米国、Aldrich社製、脱水グレード)約7200gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約140℃に加熱し、ジブチル−ビス(ベンジルオキシ)スズを製造した。反応から生成する1−ブタノールを含むベンジルアルコールを移送ライン6から回収し、ジブチル−ビス(ベンジルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、ベンジルアルコールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(ベンジルオキシ)スズが約99wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1180g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.75およびy=1.99となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例6と同じ方法で製造したジブチルスズジブトキシド約1000gおよび1−ヘプタノール(米国、Aldrich社製、予め蒸留精製をおこなった)約7500gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約140℃に加熱し、ジブチル−ビス(ヘプチルオキシ)スズを製造した。反応から生成する1−ブタノールを含む1−ヘプタノールを移送ライン6から回収し、ジブチル−ビス(ヘプチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、1−ヘプタノールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(ヘプチルオキシ)スズが約99wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約100℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1230g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約100℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度100℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.10及びy=1.99となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220にジブチルスズジメトキシド(米国、Aldrich社製)約1000gおよび1−プロパノール(和光純薬社製、脱水グレード)約7500gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約100℃に加熱し、ジブチルスズジプロポキシドを製造した。反応から生成するメタノールを含む1−プロパノールを移送ライン6から回収し、ジブチルスズジプロポキシドを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、1−プロパノールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチルスズジプロポキシドが約92wt%、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(プロピルオキシ)−ジスタンオキサンが約7wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約95℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1175g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約200g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約100℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度100℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.25およびy=1.88となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例6と同じ方法で製造したジブチルスズジブトキシド約1000g及び2−エチル−1−ヘキサノール(米国、Aldrich社製)約7500gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約150℃に加熱し、ジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)スズを製造した。系内を徐々に減圧し、反応から生成する1−ブタノールを含む2−エチル−1−ヘキサノールを移送ライン6から回収した。約4hr反応させた後、ジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、2−エチル−1−ヘキサノールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)スズが約95wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約10℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1297g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約150g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,圧力0.4MPa−Gで移送したが、高粘度のため圧力上昇が高く移送が困難であった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.18及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例4と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を約240g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約24kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約180g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約14g/hrを、充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズが約20mol%、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約80mol%含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1225g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,圧力0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.77及びy=1.11となっていた。NMR分析結果を図15(119Sn−NMR)に示した。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例4と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図7に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン(温度約15℃)、移送ライン7を経て流量が約1200g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置240の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置240は充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器である。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,圧力0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.56及びy=0.98となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジオクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)700g(1.94mol)および2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)1600g(15.7mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を157℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が84〜65kPaの状態で水を含む2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。この状態を7時間保った後、さらに系内を減圧し過剰の2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液883gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作をおこない、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図9に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約1200g、移送ライン7を経て、熱交換用ジャケットおよび攪拌装置を備えたオートクレーブ540の上部に移送した。該オートクレーブを約0℃に冷却したところ、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが固体になった。オートクレーブ540にガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を、移送ライン9を経て供給し、圧力が0.4MPa−Gになるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体と固体の混合であり、ラインの閉塞により移送が困難であった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.23及びy=0.98となっていた。
工程A:アルキルスズアルコキシド組成物の製造
実施例18と同じ操作を行い、次の工程Bで使用するジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)−スズ及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図9に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。工程Aで製造したアルキルスズアルコキシド組成物(ジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)−スズ約74wt%および1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%)約1200g及び実施例18で製造した炭酸ビス(3−メチルブチル)約18.5gを含む混合液を、移送ライン7を経て、熱交換用ジャケット及び攪拌装置を備えたオートクレーブ540の上部に移送した。該オートクレーブを約80℃にし、さらに該オートクレーブにガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を、移送ライン9を経て供給し内圧を0.01MPa−Gに調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、温度80℃;圧力0.01MPa−Gにおいて移送ライン10を経て移送をおこなったが、移送ラインにおいてガスが発生しポンプのキャビテーションが起こることにより移送が困難であった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR) y)は、x=1.07及びy=1.98となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例4と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を24000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約20000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約240g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約99wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約100℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1430g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約130g/hrで移送ライン9を経て圧力0.1MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約100℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度100℃,圧力0.1MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.23及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例4と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を24000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約20000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約240g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約90wt%及び3−メチル−1−ブタノール約10wt%が含まれた(1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの含有量は1wt%以下であった)。該組成物を冷却器131によって約−60℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1410g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約130g/hrで移送ライン9を経て圧力0.1MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約−60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は移送ライン10において温度−60℃,圧力0.1MPa−Gで移送したが、高粘度による圧力上昇が高いため移送が困難であった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR) y)は、x=1.8及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例4と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図9に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約1200g及び実施例18で製造した炭酸ビス(3−メチルブチル)約270gを含む混合液を、移送ライン7を経て、熱交換用ジャケット及び攪拌装置を備えたオートクレーブ540の上部に移送した。該オートクレーブを約140℃にし、反応時間を約5hrとし、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。反応後、オートクレーブを冷却し、該混合物の温度を約20℃にした。該混合物は液体であり、移送ライン10において20℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.49及びy=1.98となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例6と同じ方法で製造したジブチルスズジブトキシド約1000g及びフェノール(日本国、和光純薬社製、予め蒸留精製をおこなった)約7500gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約140℃に加熱し、ジブチルスズジフェノキシドを製造した。反応から生成する1−ブタノールを含むフェノールを蒸留し、移送ライン6から回収し、ジブチルスズジフェノキシドを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、フェノールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチルスズジフェノキシドが約99wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約60℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1107g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度60℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.02及びy=1.99となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例6と同じ方法で製造したジブチルスズジブトキシド約1000g及び1−エトキシ−2−プロパノール(日本国、和光純薬社製、蒸留精製によって1級アルコールの不純物を除去した)約7500gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約140℃に加熱し、ジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズを製造した。反応から生成する1−ブタノールを含む1−エトキシ−2−プロパノールを蒸留し、移送ライン6から回収し、ジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、1−エトキシ−2−プロパノールを留去し、コンデンサー132及び移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズが約99wt%含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1160g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度50℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.04及びy=1.99となっていた。
図5に示す装置を用いて二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。攪拌装置を備えた槽型反応器220に実施例3と同じ方法で製造したアルキルスズアルコキシド組成物(ジブチルスズジブトキシドが約90mol%、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約10mol%)約1000gおよび1−エトキシ−2−プロパノール(日本国、和光純薬社製、蒸留精製によって1級アルコールの不純物を除去した)約7000gを、移送ライン4を経て仕込み、該混合液を約140℃に加熱し、ジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズを製造した。反応から生成する水及び1−ブタノールを含む1−エトキシ−2−プロパノールを蒸留し、移送ライン6から回収し、ジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を、移送ライン5を経て薄膜蒸発器130に移送し、1−エトキシ−2−プロパノールを留去し、コンデンサー132および移送ライン8を経て回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)スズが約98mol%、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(1−エトキシ−プロピル−2−オキシ)−ジスタンオキサンが約2mol%含まれた。該組成物を冷却器131によって約60℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1160g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約100g/hrで移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が約70℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度50℃,常圧で移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO 2)x:(OR)y)は、x=0.06及びy=1.94となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例1と同じ操作をおこない、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
工程B:二酸化炭素結合体を含む混合物の製造
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を23000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約20000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約322g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約99wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約80℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1490g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約90g/hrで移送ライン9を経て圧力約13kPaで供給した。塔型反応器240において反応温度が約80℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度80℃,圧力約13kPaで移送したが、キャビテーションが生じて連続的な移送ができなかった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.08及びy=1.99となっていた。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)672g(2.7mol)及び3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)1900g(21.5mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を約145℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、水を含む3−メチル−1−ブタノールの蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が74〜35kPaの状態で過剰の3−メチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液880gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程2で使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約33wt%)を約13384g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%および1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を製造した。得られた二酸化炭素結合体は液体であり、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドが二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.31及びy=1.72となっていた。該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.5MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素を分離し、移送ライン17から二酸化炭素を回収した。その後、分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/Hrで得た。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約33wt%)を約13384g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約22kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%および1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を製造した。得られた二酸化炭素結合体は液体であり、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドが二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て該二酸化炭素を二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.5MPa−Gで、移送ラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.32及びy=1.72となっていた。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約33wt%)を約13384g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約212g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、二酸化炭素供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.33及びy=1.71となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。供給した二酸化炭素212g/hrに対して炭酸エステル製造に消費された二酸化炭素は210g/hrで二酸化炭素の利用率は99%となり、薄膜蒸発装置160で分離した二酸化炭素をリサイクルすることによって高い二酸化炭素の利用率を得ることができる。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジオクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)700g(1.94mol)及び3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)1700g(19.3mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を143℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を7時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜32kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液864gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約40wt%)を約14883g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約73wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約26wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6630g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7394g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.33及びy=1.71となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約6840g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181およびコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/Hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約40wt%)を約14883g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約73wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約26wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約70℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6630g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が1.0MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が80℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度80℃,圧力1.0MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7394g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163および移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.3及びy=1.71となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)692g(2.78mol)及び1−ブタノール(日本国、和光社製)2000g(27mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を126℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約30分間回転攪拌と加熱した後、混合液が沸騰し、低沸成分の蒸留が始まった。この状態を8時間保った後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が76〜54kPaの状態で残存低沸成分を蒸留した。低沸成分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液952gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジブチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Mellapak 750Y(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンと1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約22wt%)を約19350g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)を24716g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約96kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む1−ブタノール約24700g/hr及び供給ライン1を経て1−ブタノール(日本国、和光純薬社製)824g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチルスズジブトキシドと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチルスズジブトキシド約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジ(ブチルオキシ)−ジスタンオキサン約24wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約4812g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約5576g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ジブチル含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.34及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ジブチル含有反応液は移送ライン16を経て約140℃、約1.4kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5020g/hrになるように調節し移送して、炭酸ジブチルを含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約830g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ジブチルを813g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジオクチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)700g(1.94mol)及び2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)1600g(15.7mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を157℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が84〜65kPaの状態で水を含む2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。この状態を7時間保った後、さらに系内を減圧し過剰の2−エチル−1−ブタノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスからあげてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液883gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率99%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと2−エチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約43wt%)を約14233g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)を12260g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が150℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約−2.0kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む2−エチル−1−ブタノール約12250g/hrおよび供給ライン1を経て2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)958g/hrを、充填物Metal Gauze
CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111およびコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された2−エチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において2−エチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6945g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.3MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度50℃,圧力0.3MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7710g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(2−エチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.38及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(2−エチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て温度約150℃、圧力約0.3kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約6074g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(2−エチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約964g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(2−エチルブチル)を956g/hrで得た。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約33wt%)を約13385g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14900g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.45MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が60℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.32及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/Hrで得た。一方、薄膜蒸発装置170からアルキルスズアルコキシド組成物を含む残留液を得、移送ライン18及び移送ライン4を経て塔型反応器120にリサイクルした。該残留液を約4388g/hrで塔型反応器120に供給し、蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノールと反応させた。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。該組成物を薄膜蒸発器160から分離した未利用の二酸化炭素(約764g/hr)と反応させた。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルしたアルキルスズアルコキシド組成物とリサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.34及びy=1.73となっていた。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンと3−メチル−1−ブタノールの混合液(該ジスタンオキサン濃度が約33wt%)を約13385g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約22kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14950g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.5MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度60℃,圧力0.45MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.33及びy=1.72となっていた。該混合物は移送ライン10,昇圧ポンプ及び移送ライン11を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約212g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、ベントライン21から排出した。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。供給した二酸化炭素973g/hrに対して炭酸エステル製造に消費された二酸化炭素は210g/hrで二酸化炭素の利用率は22%となり、実施例20と比較し大きく低下した。
図9に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。ジブチルスズジメトキシド(米国、Aldrich社製)約800gを、移送ライン7を経て、熱交換用ジャケット及び攪拌装置を備えたオートクレーブ540の上部に移送した。該オートクレーブを約180℃に加熱し、オートクレーブ540にガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を、移送ライン9を経て供給し、圧力が20MPa−Gになるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物を常温まで冷却し、移送ライン10を経て移送したが、白色の固形物が発生しラインの閉塞により移送が不可能であった。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
容積3000mLのなす型フラスコに、ジブチルスズオキシド(日本国、三共有機合成社製)500g(2.01mol)および2−エチル−1−ヘキサノール(日本国、和光純薬社製)1047g(8.04mol)を入れた。白色スラリー状の該混合物を入れたフラスコを、温度調節器のついたオイルバス(日本国、増田理化工業社製、OBH−24)と真空ポンプ(日本国、ULVAC社製、G−50A)と真空コントローラー(日本国、岡野製作所社製、VC−10S)を接続したエバポレーター(日本国、柴田社製、R−144)に取り付けた。エバポレーターのパージバルブ出口は常圧で流れている窒素ガスのラインと接続した。エバポレーターのパージバルブを閉め、系内の減圧を行った後、パージバルブを徐々に開き、系内に窒素を流し、常圧に戻した。オイルバス温度を157℃に設定し、該フラスコを該オイルバスに浸漬してエバポレーターの回転を開始した。エバポレーターのパージバルブを開放したまま常圧で約40分間回転攪拌と加熱した後、パージバルブを閉め、系内を徐々に減圧し、系内の圧力が40〜20kPaの状態で水を含む2−エチル−1−ヘキサノールを蒸留した。この状態を2時間保った後、さらに系内を減圧し過剰の2−エチル−1−ヘキサノールを蒸留した。留分が出なくなった後、該フラスコをオイルバスから上げた。反応液は透明な液になっていた。その後、該フラスコをオイルバスから上げてパージバルブを徐々に開き系内の圧力を常圧に戻した。該フラスコには反応液750gを得た。119Sn,1H,13C−NMRの分析結果から、生成物1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンがジオクチルスズオキシド基準で収率98%を得た。同様な操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを4943g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した2−エチル−1−ヘキサノール(日本国、和光純薬社製)を15653g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約−58kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む2−エチル−1−ヘキサノール15000g/hr及び供給ライン1を経て2−エチル−1−ヘキサノール(日本国、クラレ社製)1223g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された2−エチル−1−ヘキサノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において2−エチル−1−ヘキサノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)スズ約70wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)−ジスタンオキサン約28wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約100℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6083g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て常圧で供給した。塔型反応器240において反応温度が100℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。ベントライン12における未反応の二酸化炭素が約380g/hrであった。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度100℃,常圧で移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.65及びy=1.71となっていた。該混合物は移送ライン10,昇圧ポンプ及び移送ライン11を経て流量が約6465g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約592g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(2−エチルヘキシル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、二酸化炭素供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度100℃,常圧で移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。ベントライン12における二酸化炭素ガスの流れは約380g/hrであった。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.65及びy=1.71となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約160℃、約0.1kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約6282g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約1350g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を1338g/hrで得た。供給した二酸化炭素973g/hrに対して炭酸エステル製造に消費された二酸化炭素は210g/hrで二酸化炭素の利用率は約35%であった。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを5885g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を約1000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約23kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約700g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約70g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズが約18mol%、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約82mol%含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6010g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約500g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,圧力0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.75及びy=1.09となっていた。該二酸化炭素結合体は移送ライン10を経て移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約6500g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/Hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163および移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.75及びy=1.09となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約200g/Hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を185g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
図6に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを5880g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を約100g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が140℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約21kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約70g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約5g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物には1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約97mol%含まれた。該組成物を冷却器131によって約15℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5890g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約500g/hrで移送ライン9を経て圧力0.4MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約20℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度20℃,圧力0.4MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.56及びy=0.98となっていた。該二酸化炭素結合体は移送ライン10を経て移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約6300g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=0.55及びy=0.98となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5990g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約90g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を約80g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
工程B:連続装置による炭酸エステルの製造
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量約5887g/hrになるように移送し、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約72wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約27wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6627g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.25MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約7391g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約210g/Hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約7時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.25MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.33及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。一方、薄膜蒸発装置170からアルキルスズアルコキシド組成物を含む残留液を得、移送ライン18及び移送ライン4を経て塔型反応器120にリサイクルした。該残留液を分析し、1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンの流量が約5887g/hrになるように移送ライン22から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを供給し、塔型反応器120に移送ライン18と移送ライン4を経て移送し、蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノールと反応させた。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約72wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約27wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て該組成物の流量が約6627g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。該組成物を薄膜蒸発器160から分離した未利用の二酸化炭素(約764g/hr)と反応させた。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.25MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルしたアルキルスズアルコキシド組成物とリサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR) y)は、x=1.31及びy=1.71となっていた。上記の条件で連続運転を約600hr継続した。その後、移送ライン18から回収したアルキルスズアルコキシド組成物には1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約60wt%含まれている以外にトリオクチル−ビス(3−メチルブチル)−スズが約20wt%含まれ、さらに119Sn−NMRスペクトルでは−220〜−605ppmにおいて複数のスズ化合物に由来するシフトが見られた。移送ライン10から得た二酸化炭素結合体を含む混合物をサンプリングし分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.31及びy=1.72となっていた。また炭酸ビス(3−メチルブチル)の収量は連続的に約944g/hrであった。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
工程B:連続装置による炭酸エステルの製造
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを約5887g/hrで移送し、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約14000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約72wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約27wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6627g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.25MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約7391g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約7時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.25MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.30及びy=1.71となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。一方、薄膜蒸発装置170からアルキルスズアルコキシド組成物を含む残留液を得、移送ライン18及び移送ライン4を経て塔型反応器120にリサイクルし、蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノールと反応させた。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約72wt%および1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約27wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約50℃まで冷却させ、移送ライン7を経て該組成物の流量が約6627g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。該組成物を薄膜蒸発器160から分離した未利用の二酸化炭素(約764g/hr)と反応させた。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度50℃,圧力0.25MPa−Gで移送し、移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルしたアルキルスズアルコキシド組成物とリサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.3及びy=1.7となっていた。上記の条件で連続運転を約1800hr継続した。その後、移送ライン18から回収したアルキルスズアルコキシド組成物には1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンが約10wt%含まれている以外にトリオクチル−ビス(3−メチルブチル)−スズが約45wt%含まれ、さらに119Sn−NMRスペクトルでは−220〜−605ppmにおいて複数のスズ化合物に由来するシフトが見られた。移送ライン10から得た二酸化炭素結合体を含む混合物をサンプリングし分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.02及びy=0.96となっていた。また炭酸ビス(3−メチルブチル)の収量は連続的に減少し、約1200hr運転後には約56g/hrであった。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21と同じ操作を行い、次の工程Bで使用する1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造した。
工程B:乾燥したガス状の二酸化炭素の製造
図4に示すような装置において、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から工程Aで製造した1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを1200g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を20000g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール約18000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)約100g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8から回収した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約90mol%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約10mol%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約30℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約1375g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.9%、水分約120ppm)を約200g/hrで移送ライン9を経て圧力0.1MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約40℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。該混合物は液体であり、移送ライン10において温度40℃,圧力0.1MPa−Gで移送し、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく連続的に移送することができた。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.34及びy=1.80となっていた。該混合物を約120℃加熱し、二酸化炭素を脱離させた。該二酸化炭素を分析したところ、水分は約10ppmであった。ベントライン12から二酸化炭素をガス状として連続的に抜き出し、該二酸化炭素の水分を分析したところ、水分は約10ppmであった。
水酸化ナトリウム水溶液を用いて二酸化炭素の吸収を行なった。装置として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の上部に水酸化ナトリウム水溶液(日本国、和光純薬社製、濃度5mol/L)を約1.5L/hrを、移送ライン7を経て供給し、塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.9%、水分約120ppm)を約200g/hrで移送ライン9を経て圧力0.1MPa−Gで供給した。塔型反応器240において反応温度が約40℃になるように調節し、二酸化炭素の吸収を行なった。ベントライン12から二酸化炭素をガス状として連続的に抜き出し、該二酸化炭素の水分を分析したところ、水分は約5000ppmであった。移送ライン10から二酸化炭素と反応した水酸化ナトリウム水溶液を約1L回収し、該水溶液に硫酸水溶液(日本国、和光純薬社製、47%)約1.2Lを加え、二酸化炭素を脱離させた。該二酸化炭素を分析したところ、水分は約6000ppmであった。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例24の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
工程B:連続装置による炭酸エステルの製造
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを6074g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)を13500g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約31kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む2−エチル−1−ブタノール12350g/hr及び供給ライン1を経て2−エチル−1−ブタノール(日本国、チッソ社製)958g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された2−エチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において2−エチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(2−エチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(2−エチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6945g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約973g/hrで供給ライン13及び移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が1MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が約45℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度約45℃,圧力1MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7710g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に二酸化炭素を供給せず、オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約4時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(2−エチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.65及びy=1.70となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(2−エチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て温度約150℃、圧力約0.3kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約6074g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(2−エチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約964g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(2−エチルブチル)を956g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
工程B:連続装置による炭酸エステルの製造
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを5887g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール14953g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8および移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約73wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約26wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6630g/hrで、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図8に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填した内径53.5mm,有効長さ1380mm(充填長さ約1000mm)の塔型反応器340及び塔型反応器440を用いた(両塔型反応器は同じもので、移送ライン23および移送ライン24によってつながっている)。塔型反応器440の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.02MPa−Gになるように調節した。塔型反応器440において未反応の二酸化炭素は移送ライン24及び冷却器442を経て塔型反応器340の下部に移送し、さらに塔型反応器340においてアルキルスズアルコキシド組成物との反応を行なった。塔型反応器340の下部から、二酸化炭素結合体を含む混合物を得、該混合物の温度は約68℃で冷却器341によって約20℃まで冷やし、移送ライン23を経て塔型反応器440の上部に移送し、さらに二酸化炭素と反応させた。塔型反応器440の下部から得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度約24℃,圧力0.02MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7394g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.34及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。
工程A:テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンの製造
実施例21の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図6に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal
Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを5887g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14953g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール14953g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジオクチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約73wt%及び1,1,3,3−テトラオクチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約26wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約40℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約6630g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図9に示す、熱交換用ジャケット及び攪拌装置を備えたオートクレーブ540を用いた。オートクレーブ540の下部にガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで移送ライン9を経て供給し、圧力が0.25MPa−Gになるように調節した。オートクレーブ540において反応温度が50℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシド組成物が二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該二酸化炭素結合体は移送ライン10において温度50℃,圧力0.25MPa−Gで移送し、さらに昇圧ポンプ141を用いて移送ライン11を経て流量が約7394g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブ150に供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約6時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、該二酸化炭素を冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー163及び移送ライン9を経て二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルし、移送ライン7を経て移送したアルキルスズアルコキシド組成物と反応させ、二酸化炭素結合体を含む混合物を製造した。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素の供給を止め、二酸化炭素の供給は供給ライン14からのみとし、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は液体であり、移送ライン10を経て移送ラインの閉塞などといった問題なく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体として回収した。該二酸化炭素結合体をサンプリングし、元素分析したところ、二酸化炭素結合体を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.35及びy=1.72となっていた。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5332g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181及びコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図10に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを4388g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14952g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール14000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%および1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約30℃まで冷却させ、移送ライン7を経て流量が約5130g/hrで、二酸化炭素結合体製造装置140の上部に移送した。二酸化炭素結合体製造装置140として、図7に示す、充填物ディクソン(日本国、東京特殊金網社製、サイズ6mm)を充填し冷却用ジャケットを備えた内径53.5mm,有効長さ2680mm(充填長さ約2000mm)の塔型反応器240を用いた。塔型反応器240の下部にはガス状の二酸化炭素(日本国、昭和炭酸社製、純度99.99%、水分40ppm以下)を約764g/hrで供給ライン13および移送ライン9を経て供給し、塔内圧力が0.05MPa−Gになるように調節した。塔型反応器240において反応温度が40℃になるように調節し、二酸化炭素結合体を製造した。得られた二酸化炭素結合体は液体であり、移送ライン10を経てラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、供給した二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドが二酸化炭素結合体を含む混合物に転化した。該混合物は移送ライン10を経て流量が約5894g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン14を介し二酸化炭素を約210g/hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー166及び移送ライン25を経て該二酸化炭素を槽型反応器164に移送した。槽型反応器164に移送ライン26から水酸化ナトリウム水溶液(日本国、和光純薬社製、濃度8mol/L)を約3L/hrで供給し、該水溶液に二酸化炭素を常圧でバブリングし、二酸化炭素を吸収させた。二酸化炭素を吸収した水溶液を、移送ライン27を経て槽型反応器165に移送され、移送ライン28から約3.5L/hrで供給した硫酸水溶液(日本国、和光純薬社製、濃度47%)と反応させ、反応した水溶液を回収ライン29から回収し、脱離した二酸化炭素を移送ライン30とコンプレッサー163と移送ライン9を経て、二酸化炭素結合体製造装置140にリサイクルした。同時に供給ライン13から供給した二酸化炭素を徐々減らし、定常状態では供給ライン13からの二酸化炭素供給を止め、移送ライン17から未利用の二酸化炭素を約764g/hrで移送した。得られた二酸化炭素結合体を含む混合物は実施例18と同じく液体であり、該混合物は移送ライン10において温度40℃,圧力0.05MPa−Gで、移送ラインの閉塞などといった問題が生じることなく移送することができた。さらに、ベントライン12にはガスの流れが見られず、リサイクルした未利用の二酸化炭素が二酸化炭素結合体を含む混合物として回収した。該混合物をサンプリングし、元素分析したところ、該混合物を形成するスズ原子と二酸化炭素とOR基のモル数の比率(Z:(CO2)x:(OR)y)は、x=1.32及びy=1.71となっていた。薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5330g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172および移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze
CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181およびコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。二酸化炭素のリサイクルが開始してから、炭酸ビス(3−メチルブチル)の収量が徐々に減少したが、約850g/hrで定常状態になった。
実施例18の工程Aと同じ方法によって1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを製造し、次の工程において炭酸エステルを製造した。
図11に示すような連続製造装置において、炭酸エステルを製造した。該装置では二酸化炭素結合体製造装置を設けず、未利用の二酸化炭素はアルカリ水溶液との反応によって回収した。充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填した、内径151mm,有効長さ5040mmの塔型反応器に移送ライン4から1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを4388g/hrで、移送ライン2から蒸留塔110で精製した3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)を14952g/hrで、塔型反応器120に供給した。該反応器内は液温度が160℃になるようにヒーター及びリボイラー121によって調整し、圧力が約120kPa−Gになるように圧力調節バルブによって調整した。該反応器内の滞留時間は約17分であった。反応器上部から移送ライン6を経て水を含む3−メチル−1−ブタノール14000g/hr及び供給ライン1を経て3−メチル−1−ブタノール(日本国、クラレ社製)825g/hrを、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー111及びコンデンサー112を備えた蒸留塔110に移送し、蒸留精製を行った。蒸留塔110の上部では高濃度の水を含む留分がコンデンサー112によって凝縮され回収ライン3から回収された。蒸留塔110の下部にある移送ライン2を経て精製された3−メチル−1−ブタノールを移送した。塔型反応器120の下部からジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズと1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサンを含むアルキルスズアルコキシド組成物を得、移送ライン5を経て薄膜蒸発装置130(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に供給した。薄膜蒸発装置130において3−メチル−1−ブタノールを留去し、コンデンサー132,移送ライン8及び移送ライン4を経て塔型反応器120に戻した。薄膜蒸発装置130の下部からアルキルスズアルコキシド組成物を得て、該組成物にはジブチル−ビス(3−メチルブチルオキシ)スズ約74wt%及び1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ビス(3−メチルブチルオキシ)−ジスタンオキサン約25wt%が含まれた。該組成物を冷却器131によって約80℃まで冷却させ、移送ライン7および昇圧ポンプ141を経て流量が約5130g/hrで攪拌装置を備えたオートクレーブ150に供給した。オートクレーブに供給ライン13,移送ライン9及び移送ライン14を介し二酸化炭素を約974g/Hrで供給し、オートクレーブ内圧を4MPa−Gに維持した。オートクレーブにおける温度を120℃に設定し、滞留時間を約5時間に調製し、未利用の二酸化炭素を含む炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液を得た。該反応液を移送ライン15と調節バルブを介して、温度約120℃、圧力約13kPaとした薄膜蒸発装置160(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に移送し、未利用の二酸化炭素をガス状として分離し、冷却器162,移送ライン17,コンプレッサー166及び移送ライン25を経て該二酸化炭素を槽型反応器164に移送した。槽型反応器164に移送ライン26から水酸化ナトリウム水溶液(日本国、和光純薬社製、濃度8mol/L)を約3L/hrで供給し、該水溶液に二酸化炭素を常圧でバブリングし、二酸化炭素を吸収させた。二酸化炭素を吸収した水溶液を、移送ライン27を経て槽型反応器165に移送され、移送ライン28から約3.5L/hrで供給した硫酸水溶液(日本国、和光純薬社製、濃度47%)と反応させ、反応した水溶液を回収ライン29から回収し、脱離した二酸化炭素を移送ライン30とコンプレッサー163と移送ライン9と移送ライン14を経て、オートクレーブ150にリサイクルした。同時に供給ライン13の二酸化炭素供給量を徐々に減らし、定常状態では移送ライン17において未利用の二酸化炭素が約763g/hr、供給ライン13において二酸化炭素供給量が約210g/hrとなった。
薄膜蒸発装置160で分離された炭酸ビス(3−メチルブチル)含有反応液は移送ライン16を経て約142℃、約0.5kPaとした薄膜蒸発装置170(日本国、神鋼環境ソリューション社製)に流量が約5330g/hrになるように調節し移送して、炭酸ビス(3−メチルブチル)を含む留分を得た。該留分はコンデンサー172及び移送ライン19を経て、充填物Metal Gauze CY(スイス国、Sulzer Chemtech Ltd.社製)を充填しリボイラー181およびコンデンサー182を備えた蒸留塔180に約950g/hrで供給して、蒸留精製を行った後、回収ライン20から99wt%の炭酸ビス(3−メチルブチル)を944g/hrで得た。二酸化炭素のリサイクルが開始してから、炭酸ビス(3−メチルブチル)の収量が徐々に減少したが、約560g/hrで定常状態になった。実施例35と比較して炭酸エステルの減少が見られた。
ヘキサメチレンジアミン(日本国、東京化成社製、純度99%)約60gを空気中において透明な瓶に移し常温(約23℃)で静置した。静置した直後には該ヘキサメチレンジアミンは無色透明であったが、約1年後には黄色に変化した。
実施例2と同様に得た二酸化炭素結合体を約120℃に加熱し、二酸化炭素(水分約10ppm)を脱離させた。該二酸化炭素約800gを、ヘキサメチレンジアミン(日本国、東京化成社製、純度99%)約60gを常温において反応させた。生成したカルバミン酸ヘキサメチレンジアミンは白色固体であり、該固体を比較例9と同様に常温で空気中において透明な瓶に移し常温(約23℃)で約1年間静置した。その後、該固体の色の変化はなく、該固体を300mLのなすフラスコに入れ、窒素置換をおこない、常圧において150℃に加熱し、二酸化炭素を脱離させた。ガスが生成しなくなるまで加熱を続けた後、無色透明な液体が得られた。該液体を常温まで冷却し、分析したところ、該液体はヘキサメチレンジアミンであり、純度は99%であった。
比較例7から得た二酸化炭素(水分約6000ppm)をヘキサメチレンジアミン(日本国、東京化成社製、純度99%)約60gと常温において反応させた。生成したカルバミン酸ヘキサメチレンジアミンは白色固体であり、該固体を比較例9と同様に常温で空気中において透明な瓶に移し常温(約23℃)で約1年間静置した。その後、該固体の色の変化はなく、該固体を300mLのなすフラスコに入れ、窒素置換をおこない、常圧において150℃に加熱し、二酸化炭素を脱離させた。ガスが生成しなくなるまで加熱を続けた後、茶色の液体が得られた。該液体を常温まで冷却し、分析したところ、該液体はヘキサメチレンジアミンであり、純度は約97%であった。
Claims (22)
- アルキルスズアルコキシド及びアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含むアルキルスズアルコキシド組成物と、
二酸化炭素と、を含む、二酸化炭素の移送用混合物であって、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素は、移送すべきガス状の二酸化炭素を吸収させ、化学反応させることにより、液状又は液状とできる混合物として固定化されたものであり、
前記混合物中に含有される、前記アルキルスズアルコキシド及び前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、
前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
前記混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である、二酸化炭素の移送用混合物。 - 前記R基が、脂肪族基である、請求項1に記載の混合物。
- 前記R基が、炭素数1〜6のアルキル基である、請求項1又は2に記載の混合物。
- 前記R基が、炭素数4〜6のアルキル基である、請求項1〜3のうち何れか一項に記載の混合物。
- 前記化学反応させる圧力が、常圧から1MPaの範囲である、請求項1に記載の混合物。
- 前記化学反応させる温度が、−40℃から80℃の範囲である、請求項1に記載の混合物。
- 液体状態にある前記アルキルスズアルコキシド組成物に、ガス状の二酸化炭素を吸収させる、請求項1に記載の混合物。
- 前記混合物を移送する温度が、−40℃から80℃の範囲である、請求項1〜7のうち何れか一項に記載の混合物。
- 前記アルキルスズアルコキシド組成物が、テトラアルキルジアルコキシジスタンオキサン及び/又はジアルキルスズジアルコキシドを含有する、請求項1〜8のうち何れか一項に記載の混合物。
- 該アルキルスズアルコキシド組成物中に含有されるテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンとジアルキルスズジアルコキシドのモル比率が、0:100〜80:20の範囲である、請求項9に記載の混合物。
- 前記混合物が、炭酸エステルをさらに含み、前記炭酸エステルの含有量が、前記アルキルスズアルコキシド組成物中のテトラアルキルジアルコキシジスタンオキサンのモル数に対して、20モル%未満である、請求項9又は10に記載の混合物。
- 前記アルキルスズアルコキシド組成物が、少なくとも1種類のジアルキルスズアルコキシドの単量体、会合体、ポリマー状成分を含むアルキルスズアルコキシド組成物である、請求項1〜13のうち何れか一項に記載の混合物。
- 下記工程を含む、炭酸エステルの製造方法。
工程1:アルキルスズアルコキシドと、ガス状の二酸化炭素とアルキルスズアルコキシドとを反応させて得られるアルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を含むアルキルスズアルコキシド組成物と、二酸化炭素とを含む混合物であって、前記混合物中に含有される、前記アルキルスズアルコキシド及び前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体を構成するスズ原子モル数をZとし、前記アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体として取り込まれている二酸化炭素、及び前記混合物中に含まれている二酸化炭素を(CO2)とし、
前記混合物中に含有されるOR基を(OR)とし、ここで、前記OR基のOは、酸素原子を表し、Rは、脂肪族基又はアラルキル基であって、
i)スズ−OR結合を形成するOR基のR、及び/又は
ii)アルキルスズアルコキシドの二酸化炭素結合体中の−O−(CO)−OR結合を形成するOR基のR、を表わし、
前記スズ原子と前記(CO 2 )と前記(OR)とのモル比をZ:x:yとすると、Zに対するxの比が0.1〜2であり、Zに対するyの比が0.5〜2の範囲である混合物を得る工程と、
工程2:液体状態にある前記混合物を炭酸エステル合成工程へ移送する工程と、
工程3:二酸化炭素存在下、前記混合物から炭酸エステルを含む反応液を得る工程と、
工程4:前記反応液から、二酸化炭素をガス状成分として分離する工程。 - 工程4の後に、
工程5:前記分離したガス状の二酸化炭素を工程1にリサイクルする工程を、
さらに含む、請求項15に記載の炭酸エステルの製造方法。 - 工程5の後に、
工程6:工程4で二酸化炭素を分離した反応液から炭酸エステルを分離し、残留液を得る工程と、
工程7:前記残留液とアルコールとを反応させて、アルキルスズアルコキシド組成物を得る工程と、
工程8:前記アルキルスズアルコキシド組成物を工程1へリサイクルする工程と、
をさらに含む、請求項16に記載の炭酸エステルの製造方法。 - 請求項1に記載の混合物を加熱及び/又は減圧して、二酸化炭素を脱離させて、前記脱離させた二酸化炭素を利用する工程を含む、二酸化炭素の回収利用方法。
- 請求項1に記載の混合物が、反応器中で、ガス状の二酸化炭素を連続的に供給して、化学反応して得られる混合物であって、前記混合物を液相成分として得、同時に前記反応器の気相部を連続的に抜き出して、前記連続的に供給したガス状の二酸化炭素よりも含水量の低い乾燥したガス状の二酸化炭素を得る、乾燥したガス状の二酸化炭素の製造方法。
- 液体状態である請求項1に記載の前記混合物を移送することを含む、二酸化炭素の移送方法。
- 前記混合物を移送する温度が、−40℃から80℃の範囲である、請求項21に記載の移送方法。
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