JP2002085966A - 炭酸ガス吸収材、その製造方法および燃焼装置 - Google Patents

炭酸ガス吸収材、その製造方法および燃焼装置

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JP2002085966A
JP2002085966A JP2000281833A JP2000281833A JP2002085966A JP 2002085966 A JP2002085966 A JP 2002085966A JP 2000281833 A JP2000281833 A JP 2000281833A JP 2000281833 A JP2000281833 A JP 2000281833A JP 2002085966 A JP2002085966 A JP 2002085966A
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oxide
dioxide gas
absorbent
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Masanori Kato
雅礼 加藤
Sawako Yoshikawa
佐和子 吉川
Kazuaki Nakagawa
和明 中川
Toshiyuki Ohashi
俊之 大橋
Kenji Koshizaki
健司 越崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素を燃焼させる装置からの排出ガス中
の炭酸ガスを高温下で直接かつ低エネルギー消費量、高
効率で分離回収することが可能であり、かつ従来に比べ
て炭酸ガス吸収特性の優れた炭酸ガス吸収材を提供する
ことを目的とするものである。 【解決手段】 酸化物粉末と炭酸リチウム粉末とを含有
する混合粉末を、600℃〜1100℃の温度域で0.
1〜20時間保持し、固体成分となる核3と溶融成分と
からなるリチウム化酸化物を合成した後、このリチウム
化酸化物を冷却速度20〜200℃/minの範囲内で
急速冷却することで、溶融成分を核3表面に繊維状に固
化し、核3と、核3表面に成長した繊維2とからなるリ
チウム化酸化物を合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭酸ガス吸収材、そ
の製造方法および燃焼装置に係り、特にリチウムが固溶
した酸化物を含有する炭酸ガス吸収材その製造方法およ
び燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、発動機などの炭化水素を主成分
とする燃料を燃焼させる装置においては、炭酸ガスの回
収に適した温度が300℃以上の高温になることが多
い。
【0003】ところで、炭酸ガスの分離方法としては従
来酢酸セルロースを用いる方法、アルカノールアミン系
溶媒による化学吸収法等が知られている。しかしなが
ら、前述した分離方法はいずれも炭酸ガスの分離を行う
温度を200℃以下に押さえる必要がある。したがっ
て、高温度でのリサイクルを要する排気ガスに対して
は、一度熱交換器等により200℃以下に冷却する必要
があり、結果的に炭酸ガス分離のためのエネルギー消費
量が多くなるという問題があった。
【0004】このような問題に対し、特開平9−992
14号公報あるいは特開平11−90219号公報に
は、200℃を超える温度域において炭酸ガス吸収能を
発揮する炭酸ガス吸収材として、リチウム化ジルコニア
や、アルミニウム、チタン、鉄およびニッケルから選ば
れる少なくとも1種を含むリチウム化酸化物が開示され
ている。これらのリチウム化酸化物は、200℃以上の
温度域において二酸化炭素と反応して酸化物と炭酸リチ
ウムとに分解することで、炭酸ガス吸収材として反応す
る。
【0005】これらの炭酸ガス吸収材では、例えば粉末
状の炭酸ガス吸収材を使用して炭酸ガスとの接触面積を
大きくすることで炭酸ガス吸収能、すなわち前述の分解
速度を速めている。特に、接触面積を大きくすること
で、比較的低温環境下での分解速度の向上が顕著に表れ
る。
【0006】しかしながら、さらに比表面積を大きくす
るために粉末を微紛化すると、その取扱いが煩雑になる
という問題があるため炭酸ガスとの接触面積を大きくす
るために炭酸ガス吸収材粉末の粒径を小さくするのにも
限界があった。
【0007】また、上述した炭酸ガス吸収材は、その分
解物である酸化物と炭酸リチウムとをより高温に加熱反
応させることで、可逆的な反応を示し、リチウム化酸化
物を再生することができるが、炭酸ガス吸収材粉末の粒
径を小さくすると、再生反応時にジルコニアが焼結し、
その結果再生される炭酸ガス吸収材粉末の粒径が粗大化
してしまう。そのため、炭酸ガス吸収材を再生する際に
は、再生反応を生じさせるための熱処理と、再生した粒
子の粉砕処理とをしなければならず、その再生処理が繁
雑なもの繁雑になるという問題が生じた。
【0008】このような問題に対して、従来比表面積が
大きく、また簡便に再生処理を施せる炭酸ガス吸収材粉
末を得るための技術は十分に研究されてきていなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、リチ
ウム化酸化物を使用した炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収
能を高めるために炭酸ガス吸収材の粒径を小さくする
と、例えばその取扱いが困難になるという問題があっ
た。
【0010】本発明はこのような問題に鑑みて為された
ものであり、比表面積を大きくし、炭酸ガス吸収能を高
めた炭酸ガス吸収材、その製造方法および燃焼装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の炭酸ガス吸収材
は、リチウム化酸化物からなり、炭酸ガスと反応して炭
酸リチウムを生成する炭酸ガス吸収材において、放射状
に集合した繊維状体で粒子を形成したリチウム化酸化物
からなることを特徴とする。
【0012】前記繊維状のリチウム化酸化物の直径は
0.3以上、0.8μm以下の範囲内にあることが好ま
しい。
【0013】前記炭酸ガス吸収材の平均粒径は、10μ
m以上、200μm以下の範囲内にあることが好まし
い。
【0014】本発明の炭酸ガス吸収材の製造方法は、酸
化物粉末と炭酸リチウム粉末とを含有する混合粉末を、
600℃以上、1100℃以下の温度域で0.1時間以
上、20時間以下保持してリチウム化酸化物を合成した
後、このリチウム化酸化物を冷却速度20℃/min以
上、500℃/min以下の範囲内で急速冷却すること
を特徴とする。
【0015】本発明の燃焼装置は、炭化水素を主成分と
する燃料を燃焼させる燃焼装置において、炭化水素を燃
焼することで発生する炭酸ガスの排出流路に放射状に集
合した繊維状体で粒子を形成したリチウム化酸化物から
なる炭酸ガス吸収材を配置したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、リチウム化酸化物による炭
酸ガス吸収メカニズムをリチウム化ジルコニアを例示し
て簡単に説明する。
【0017】リチウム化酸化物であるリチウム化ジルコ
ニアは、500〜600℃程度の温度域で二酸化炭素と
式(1)で示すような炭酸ガス吸収反応により、炭酸リ
チウムと酸化物(ジルコニア)に分解する。
【化1】 この反応は、リチウム化酸化物であるリチウム化ジルコ
ニア中に存在するリチウム元素がリチウム化ジルコニア
表面に拡散することで、リチウム化ジルコニア表面に存
在する炭酸ガスと反応する。
【0018】したがって、炭酸ガス吸収材の形状が例え
ば球形粒子であると、例えば粒子中心にあるLiが粒子
表面に拡散するのに時間がかかり反応時間が長時間化す
る。この傾向は、炭酸ガス吸収を比較的低温で行いリチ
ウムの拡散速度が低下する時特に顕著に現れる。そのた
め炭酸ガス吸収材の形状を比表面積の大きな形状とする
ことが炭酸ガス吸収能の向上には有効である。
【0019】本発明者らは、リチウム化酸化物粒子の製
造方法を鋭意研究したところ、以下のような方法で製造
することで、複数の繊維状リチウム化酸化物が放射状に
密集したリチウム化酸化物粒子が得られる。すなわち、
比表面積の大きなリチウム化酸化物を得ることが可能に
なることを確認し本発明に至った。
【0020】以下、本発明の炭酸ガス吸収材の製造方法
について説明する。
【0021】本発明の炭酸ガス吸収材の製造方法は、前
述の通り、酸化物粉末と炭酸リチウム粉末とを含有する
混合粉末を、600℃〜1100℃の温度域で0.1〜
20時間保持してリチウム化酸化物を合成した後、前記
リチウム化酸化物を冷却速度20〜500℃/minの
範囲内で急速冷却することを特徴とする。
【0022】本発明に係る酸化物粉末は、炭酸リチウム
と反応してリチウム化酸化物を合成できるものであれば
特に限定されずに使用することができる。具体的にはジ
ルコニア、シリカ、酸化鉄あるいは酸化ニッケルなどを
挙げることができる。
【0023】概ね600℃〜1100℃の温度域で、こ
れらの酸化物はそれぞれ式(2)〜(5)の反応によっ
て炭酸リチウムと反応し、リチウム化酸化物を合成す
る。
【化2】 具体的な反応温度域の最適値は酸化物の種類によって多
少異なり、それぞれ700℃〜1100℃(式
(2))、700℃〜1100℃(式(3))、600
0℃〜1100℃(式(4))、600℃〜1100℃
(式(5))の温度域で合成反応を行うことが望まし
い。また、反応時間は0.1〜20時間の範囲内で行う
ことが好ましい。
【0024】反応温度が上述した温度域よりも高い、あ
るいは反応時間が20時間よりも長いと、合成されたリ
チウム化酸化物の焼結が進み、得られるリチウム化酸化
物が粗大化するおそれがある。また、反応温度が上述し
た温度域よりも低い、あるいは反応時間が0.1時間に
満たないと、合成反応が進まず、得られる粒子中のリチ
ウム化酸化物の比率が低くなる恐れがある。
【0025】なお、この合成反応は、二酸化炭素濃度が
20%以下の雰囲気下で行うことで、短時間で合成反応
を進ませることができる。例えば、加熱炉などを用いて
加熱する際には、生成される二酸化炭素によって加熱炉
中の二酸化炭素濃度が高まらないように、加熱炉中に空
気を送りながら合成反応を行うことが好ましい。
【0026】また、前記酸化物粉末の平均粒径は、0.
05μm〜5μmの範囲内であることが望ましい。前述
の合成反応は、炭酸リチウム中のリチウム元素が酸化物
中に拡散する反応である。そのため、原料となる酸化物
の粒径に応じて得られるリチウム化酸化物の粒子径が決
まる。したがって、酸化物粉末の平均粒径が5μmより
大きいと、得られるリチウム化酸化物粉末が粗大化する
傾向がある。また、酸化物粉末の平均粒径が0.05μ
mよりも小さいと、合成反応時の加熱により、酸化物あ
るいは合成されたリチウム化酸化物が焼結しやすいた
め、結果的に得られるリチウム化酸化物が粗大化する恐
れがある。
【0027】前記炭酸リチウム粉末の平均粒径は、0.
1μm〜10μm程度の範囲内とすることが好ましい。
平均粒径が10μmよりも大きいと酸化物との合成速度
が低下する恐れがあり、0.1μmよりも小さいと取扱
い性が煩雑となる。
【0028】もちろん、酸化物粉末と炭酸リチウム粉末
との反応を均一に進ませるために、両粉末を均一に分散
させた混合紛とした後に、前述の合成反応を行うことが
好ましい。
【0029】本発明者らは、このように加熱して合成さ
れたリチウム化酸化物を急速冷却したところ、得られた
リチウム酸化物粒子が、繊維状の前記リチウム化酸化物
の集合体からなり、前記繊維状のリチウム化酸化物が放
射状に形成された粒子となることをSEMで観察して確
認した。
【0030】すなわち、図1に示すような炭酸ガス吸収
材が得られたものと考える。
【0031】図1は、本発明に係る炭酸ガス吸収材粒子
の一例を示す断面図である。
【0032】図1に示す炭酸ガス吸収材粒子1は、リチ
ウム化酸化物からなる繊維2を放射状に密集させた構造
をしており、例えば図1に示した例においてはリチウム
化酸化物からなる球形の核3から、この球形の核の中心
を軸として複数の繊維2が放射状に並んでいる。
【0033】本発明者らがSEMで観察した放射状に形
成された繊維状のリチウム化酸化物は、おそらく図1に
示したようにリチウム化酸化物からなる核3表面に形成
されているものと推定する。
【0034】すなわち、合成反応によって合成されたリ
チウム化酸化物は、合成温度において核3を構成する固
体成分と、核3表面に一部溶融状態の成分との二相状態
にあり、この二相状態のリチウム化酸化物を急速冷却す
ると、溶融状態のリチウム化酸化物成分が核3表面に成
長して繊維2を形成している。このようにして核3表面
に成長される繊維2は、リチウム化酸化物のウィスカー
であると推定される。
【0035】繊維状のリチウム化酸化物が放射状に形成
された粒子においては、炭酸ガスが繊維間を通過できる
ために、粒子内部においてもリチウム化酸化物と炭酸ガ
スとを接触させることが可能なため、粒子内部のリチウ
ム原子が拡散し、炭酸ガスと接触するのに必要なリチウ
ム元素の拡散距離を小さくできる。
【0036】また、繊維状のリチウム化酸化物が放射状
に形成された粒子においては、隣合う粒子間の接触面積
が小さくなるため、加熱による粒子の焼結が起きにく
く、粒子の粗大化を抑制することができる。
【0037】このようなリチウム化酸化物粒子を形成す
るための急速冷却の速度は、20〜500℃/minの
範囲内にすることが望ましい。この範囲を外れるとリチ
ウム化酸化物は繊維化しなくなる恐れがある。また急速
冷却の速度を20〜200℃/minの範囲内にするこ
とが望ましい。急速冷却の速度が200℃/minを超
えると、得られる炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収能が低
下する傾向がある。この理由は明らかでないが、おそら
くリチウム化酸化物の結晶性が低下するためであると考
えられる。
【0038】また、このようにして得られるリチウム化
酸化物の繊維径は、通常0.1μm〜2μm程度のもの
ができるが、この繊維径を0.3〜0.8μmの範囲内
とすることで、炭酸ガス吸収能をより高くすることがで
きる。繊維径は、急速冷却の速度を速くするにしたがっ
て小さくなり、急速冷却の速度を50℃/min〜20
0℃の範囲内とすることで繊維径を0.3〜0.8μm
の範囲内に収めることが可能になる。
【0039】このようにして得られるリチウム化酸化物
粒子の平均粒径は、10〜200μm程度とすることが
望ましい。リチウム化酸化物の平均粒径が200μmよ
りも大きいと、リチウム酸化物の核を構成する部分も大
きくなるために比表面積が小さくなり、炭酸ガス吸収能
が低下するという問題があり、平均粒径が10μmより
も小さいと、後述する炭酸ガス吸収材の再生時に、酸化
物同士が焼結し、再生された炭酸ガス吸収材粒子が粗大
化する恐れがある。
【0040】次に、本発明の炭酸ガス吸収材を再生する
方法を説明する。
【0041】式(2)〜(5)で示す反応で得られた炭
酸ガス吸収材は、式(1)、(6)〜(8)に示す吸収
反応によって、炭酸ガスを吸収する。
【化3】 この吸収反応は合成反応の逆反応であるので、吸収反応
の反応生成物として、リチウム化酸化物の原料となる酸
化物と炭酸リチウムが生成される。
【0042】前述したように、合成反応、吸収反応共に
リチウム元素の拡散によって行われるため、合成反応・
吸収反応において粒子の焼結などによる(凝集)を抑え
れば、吸収反応によって生成される酸化物と、合成に使
用する酸化物とは略同粒径になる。したがって、吸収反
応によって得られた生成物を原料にして、再度本発明の
炭酸ガス吸収材の製造方法にしたがってリチウム化酸化
物を合成すれば、本発明の炭酸ガス吸収材を再生するこ
とができる。
【0043】このようにして得られる炭酸ガス吸収材
は、粉体としてそのまま使用することも、ハニカム状の
支持体表面に付着させて使用することも、あるいは紛体
を圧縮成形するなどして成形体として使用することも可
能である。
【0044】圧縮成形して使用する場合、気効率が20
〜60%程度となるように圧縮成形することが望まし
い。気孔率が20%より少ないと、成形体内部への炭酸
ガスの供給が困難になり炭酸ガス吸収能を十分に発揮で
きなくなる恐れがあり、気孔率が60%よりも多いと、
成形体の強度が足りなくなる。
【0045】また、本発明の炭酸ガス吸収材は、ナトリ
ウムあるいはカリウムの炭酸塩と共に使用することによ
って炭酸ガス吸収能を向上させることができる。
【0046】これら炭酸塩の添加量は、リチウム化酸化
物に対して5〜30mol%にすることが好ましい。炭
酸塩の添加量が5mol%未満であるとその効果を十分
に発揮することが困難になる。一方、炭酸塩の添加量が
30mol%を超えると炭酸ガスの吸収反応の促進効果
が飽和するばかりか、吸収材の容積当たりの炭酸ガス吸
収量が低下する恐れがある。より好ましい炭酸塩の添加
量は、リチウム化酸化物に対して10〜20mol%で
ある。
【0047】炭酸塩は、リチウム化酸化物粒子と均一分
散させた混合粉末として使用しても良いし、リチウム化
酸化物粒子からなる多孔体の気孔表面に炭酸塩を付着さ
せて使用させても良い。
【0048】図2は、本発明の炭酸ガス吸収材を具備し
た発動機の概念図である。
【0049】燃焼室21には、燃料供給口22および燃
焼ガス排出口23と、燃料供給口22から導入されたガ
ソリンなどの炭化水素系燃料を燃焼させるための点火手
段27と、燃焼室21内の内圧に応じて駆動するピスト
ン24が設けられている。燃料供給口22および燃焼ガ
ス排出口23には、燃料を供給するタイミング、燃焼ガ
スを排出するタイミングが制御された弁23が配置され
ており、燃料供給、燃料の燃焼、燃焼ガスの排出の工程
を繰返すことで、燃焼室1内の内圧を変化させて、ピス
トン24を駆動する。また、排出口23には、燃焼ガス
排出路25が形成されており、燃焼ガスは燃焼ガス排出
路25を通過して燃焼室21外部へ放出される。
【0050】図2においては、本発明の炭酸ガス吸収材
26−1を燃焼ガス排出路25に取替え可能に充填して
おり、この炭酸ガス吸収材により、燃焼ガス中の炭酸ガ
スを一部吸収することで、放出される燃焼ガス中の炭酸
ガス濃度を低減することができる。
【0051】また、燃焼ガス温度が高温の場合には、リ
チウム化ジルコニアなどのより高温で炭酸ガスを吸収す
る炭酸ガス吸収材26−2を排出口側に配置し、それぞ
れの炭酸ガス吸収材を所望の温度で機能させるように位
置に配置することで、放出される燃焼ガス中の炭酸ガス
濃度をより低減させることができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0053】実施例1 平均粒径1μmの炭酸リチウム粉末と、平均粒径0.8
μmのSiO2をモル比で2:1となるように秤量し、
メノウ乳鉢にて10min乾式混合した。得られた混合
粉末を箱型電気炉にて、大気中1000℃で8時間熱処
理した後、冷却速度100℃/minで室温まで急速冷
却し平均粒径100μmのリチウムシリケート粉末から
なる炭酸ガス吸収材を得た。
【0054】得られた炭酸ガス吸収材をSEMで観察し
たところ、放射状に広がるリチウムシリケートからなる
繊維で覆われた炭酸ガス吸収材であることが確認され
た。この繊維の平均径は0.5μmであった。また、得
られた炭酸ガス吸収材を微小領域X線回折法により成分
分析したところ、リチウム化シリケートのみで構成され
ていることを確認した。
【0055】続いて得られたリチウムシリケート粉末2
gを直径12mmの金型内に充填し、加圧成形すること
により気孔率40%の成形体を作製した。
【0056】この成形体化した炭酸ガス吸収材の炭酸ガ
ス吸収能を評価した。
【0057】まず、成形体を箱型電気炉に設置し、この
電気炉内に二酸化炭素20体積%および窒素ガス80体
積%からなる混合ガスを流通させながら、炉内温度を2
50℃として6時間保持して炭酸ガスの吸収を行った。
【0058】炭酸ガス吸収前後に成形体の重量増加率
((吸収後の重量−吸収前の重量)/吸収前)を調べる
ことにより炭酸ガスの吸収能を評価したところ、重量増
加率は22wt%であった。
【0059】炉内温度を450℃、800℃とした場合
の成形体の重量増加率を同様にして評価したところ、そ
れぞれ35wt%、20wt%であった。
【0060】次に、炭酸ガス吸収材の再生を行った。
【0061】炭酸ガス吸収能の評価を済ませた使用済み
の炭酸ガス吸収材を、大気中1000℃で8時間熱処理
した後、冷却速度100℃/minで室温まで急速冷却
して炭酸ガス吸収材の再生を行い、二酸化炭素20体積
%および窒素ガス80体積%からなる混合ガスを流通さ
せながら、炉内温度を250℃として6時間保持して炭
酸ガスの吸収を行い、炭酸ガス吸収前後における成形体
の重量増加率((吸収後の重量−吸収前の重量)/吸収
前)を調べたところ、重量増加率は21wt%であっ
た。
【0062】実施例2〜6 冷却速度を20〜300℃の範囲の所定の温度としたこ
とを除き、実施例1と同様にして炭酸ガス吸収材を得
た。
【0063】得られた炭酸ガスをSEMで観察したとこ
ろ、いずれのリチウムシリケートも実施例1と同様、放
射状に広がるリチウムシリケートからなる繊維で覆われ
た炭酸ガス吸収材であることが確認できた。
【0064】得られたリチウムシリケート粉末の平均粒
径、およびリチウムシリケート粒子表面に形成された繊
維の平均径を表1に示す。
【0065】さらに実施例1と同様に、炭酸ガス吸収体
を成形体とした後、炭酸ガス吸収能を調べた。その結果
を表1に併記する。
【表1】 比較例1 冷却速度を5℃/min以下にしたことを除き、実施例
1と同様にして炭酸ガス吸収材を得た。
【0066】得られた炭酸ガスをSEMで観察したとこ
ろ、繊維化されていな表面平坦なリチウムシリケートか
らなる炭酸ガス吸収材であることが確認できた。
【0067】さらに実施例1と同様に、炭酸ガス吸収体
を成形体とした後、炭酸ガス吸収能を調べた。
【0068】炭酸ガス吸収材粉末の平均粒径および成形
体化した炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収能の測定結果を
表1に併記する。
【0069】表1より明らかなように、表面に繊維化し
たリチウム化シリケートを有する粒子を使用した実施例
1〜6の炭酸ガス吸収材は、表面を繊維化されていない
粒子を使用した比較例1の炭酸ガス吸収材と比べ格段に
炭酸ガス吸収能が向上している。
【0070】特に、冷却速度を50〜200℃/min
に設定し、繊維径を0.3〜0.8μmにした実施例
1、2、5の炭酸ガス吸収材の炭酸ガス吸収能が高くな
ることが分かる。
【0071】
【発明の効果】炭酸ガス吸収材は、炭酸ガス吸収能を向
上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の炭酸ガス吸収材の一例を模式的に示
す断面図。
【図2】 本発明の炭酸ガス吸収材を具備した発動機の
概念図。
【符号の説明】
1…炭酸ガス吸収材 2…繊維 3…核
フロントページの続き (72)発明者 中川 和明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 大橋 俊之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 越崎 健司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4D002 AA09 BA03 DA01 DA11 EA08 4D020 AA03 BA01 BA08 BB01 BC01 4G066 AA13B AA22B AA23B AA27B BA01 BA09 BA20 CA35 DA02 FA02 FA26 FA33 FA34 FA37 GA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウム化酸化物からなり、炭酸ガスと反
    応して炭酸リチウムを生成する炭酸ガス吸収材におい
    て、 放射状に集合した繊維状体で粒子を形成したリチウム化
    酸化物からなることを特徴とする炭酸ガス吸収材。
  2. 【請求項2】前記繊維状体のリチウム化酸化物の平均直
    径が0.3μm以上、0.8μm以下の範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス吸収材。
  3. 【請求項3】前記炭酸ガス吸収材の平均粒径は、10μ
    m以上、200μm以下の範囲内にあることを特徴とす
    る請求項1記載の炭酸ガス吸収材。
  4. 【請求項4】酸化物粉末と炭酸リチウム粉末とを含有す
    る混合粉末を、600℃以上、1100℃以下の温度域
    で0.1時間以上、20時間以下保持してリチウム化酸
    化物を合成した後、このリチウム化酸化物を冷却速度2
    0℃/min以上、500℃/min以下の範囲内で急
    速冷却することを特徴とする炭酸ガス吸収材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】炭化水素を主成分とする燃料を燃焼させる
    燃焼装置において、 炭化水素を燃焼することで発生する炭酸ガスの排出流路
    に放射状に集合した繊維状体で粒子を形成したリチウム
    化酸化物からなる炭酸ガス吸収材を配置したことを特徴
    とする燃焼装置。
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