JP4284238B2 - 可変周期型減揺水槽装置の制御方法 - Google Patents

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本発明は、船舶の横揺れを抑制する可変周期型減揺水槽装置の制御方法に関するものである。
従来、船舶の横揺れを軽減する装置として、左右一対のウイングタンクと、左右一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路と、左右一対のウイングタンクの上部を連通させる空気ダクトとを有する減揺水槽と、空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽の作動及び非作動の切り替えを行うためのバルブとを備えた減揺水槽装置が知られている。この減揺水槽装置は、船舶の横揺れにより励起される減揺水槽内の液体が移動する際の位相差を利用して減揺効果を得るものである。すなわち、横波中の船体の動揺は横波に対して90度の位相遅れをもって起きるが、船体の横揺れ周期に減揺水槽の固有周期を一致させると、減揺水槽内の液体の移動に90度の位相遅れが生じ、横波に対しては180度の位相遅れが生じる。この時、横波によって生じる横揺れモーメントと減揺水槽内の液体によって生じるモーメントが正反対の方向になり、船体に作用する横揺れモーメントが相殺されて、減揺効果が得られる。
さらに、ウイングタンクの下部を連通させる連結水路にダンパーを設置し、そのダンパーを開閉することによって減揺水槽の固有周期を変化させて、広い範囲の横揺れ周期に対応させるようにした可変周期型減揺水槽装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、減揺水槽装置以外にも、船舶の横揺れ軽減装置として、フィンスタビライザーや舵減揺装置が開発され実用化されている(例えば、特許文献2又は特許文献3参照。)。
そして、近年、船舶の高速力航行中、低速力航行中あるいは沖合停船時に至るまで広範囲な航行状態において高い減揺効果を得るために、可変周期型減揺水槽装置と他の減揺装置(フィンスタビライザー又は舵減揺装置)を併設する船舶が増加している。
特開平08−133182号公報 特開2001−058595号公報 特開平04−321485号公報
しかし、両減揺装置が併設されている場合、可変周期型減揺水槽装置と他の減揺装置(フィンスタビライザー又は舵減揺装置)は、その減揺特性に違いがあるにもかかわらず、現状では、各減揺装置の制御は各減揺装置でそれぞれ単独で行われており、それらの減揺装置間でデータ共有や交換は行われておらず、船舶の減揺という同一目的の装置として、各減揺装置の長所を生かした制御方法の統合が図られてはいない。
具体的には、両減揺装置の減揺特性には以下のような違いがある。なお、ここで述べる減揺率とは、減揺率=((減揺装置を使用しない場合の横揺れ角度)−(減揺装置を使用した場合の横揺れ角度))/(減揺装置を使用しない場合の横揺れ角度)で示される値である。
まず、減揺水槽装置は、波浪によって船体に作用する横揺れモーメントを減揺水槽内の液体の移動により相殺することで減揺効果が得られるように作動を制御されており、その減揺効率は停船時に最大(減揺率としては、約40〜60%)となる。そして、船の航行速力が増大するに従って船体の慣性力が増大し、減揺効率は徐々に減少するが、減揺水槽内の液体の移動により減揺モーメントを得ているため、航走速力に関係なく一定の減揺モーメントが得られ、船の航走速力の増加による減揺効率の減少割合は非常に小さい。
一方、フィンスタビライザーや舵減揺装置は、船体の外部に設けているフィンや舵に対し、外部流体を作用させることにより減揺モーメントを得る方式であるため、外部流体が作用しない停船時にはフィン装置や舵装置が減揺モーメントを発生出来ず、減揺効果を得ることができないが、船の航行速力が増大するに従い、フィンや舵の角度を外部流体に対して適切に変化させることによって、発生する減揺モーメントが増大し、高い減揺効果を得ることが可能となる。例えば、フィンスタビライザーの例では、最大80〜90%の減揺率を得ることができる。
ただし、低速航行時には、外部流体の作用による流体力が小さいために、フィンや舵の角度を大きくしても所定の減揺モーメントを得られず、減揺効率があまり高くならない上に、フィンや舵による抵抗増加のため、航走速力や航走燃費効率が著しく悪化する。
上記のように、可変周期型減揺水槽装置と他の減揺装置(フィンスタビライザー又は舵減揺装置)にはそれぞれ長所と短所が存在するが、現状では、両減揺装置が併設されている場合、各減揺装置の制御は各減揺装置でそれぞれ単独で行われているため、相互の減揺装置の長所を生かし、短所をカバーするような制御が行われておらず、必ずしも良好な減揺効果が得られているとは限らない。また、両減揺装置を重複作動させることとなって、余分なエネルギーを使用して、環境の悪化を招く可能性もある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、船舶に搭載された可変周期型減揺水槽装置を制御するに際して、他の減揺装置(フィンスタビライザーや舵減揺装置)が併設されている場合に、船舶の横揺れに対するそれぞれの減揺装置の減揺特性を考慮して、良好な制御効果を得ることができるとともに、減揺装置の重複作動を防止することにより、省エネルギーを指向し、環境に配慮した可変周期型減揺水槽装置の制御方法を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]船舶に設置した左右一対のウイングタンクと該一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路と該一対のウイングタンクの上部を連通させる空気ダクトとを有する減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって減揺水槽の固有周期を変化させるためのダンパーと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽の作動及び停止の切り替えを行うためのバルブとを備えた可変周期型減揺水槽と、横揺れ角の計測データに基づいて前記ダンパー及び前記バルブを開閉して前記可変周期型減揺水槽を制御する減揺水槽制御装置とを備える可変周期型減揺水槽装置において、船舶に他の減揺装置であるフィンスタビライザー又は舵減揺装置が併設されている場合、前記減揺水槽制御装置は、船舶の横揺れ周期船速に対応させて求めた減揺率であって、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率と可変周期型減揺水槽を使用した場合の減揺率を、前記減揺水槽制御装置に記録した減揺率曲線により判定し、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率未満となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置の使用を開始するとともにフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止を行うための信号又は指示を出力し、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置を停止するとともにフィンスタビライザー又は舵減揺装置の使用を開始するための信号又は指示を出力することを特徴とする可変周期型減揺水槽装置の制御方法。
[2]船舶に設置した左右一対のウイングタンクと該一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路と該一対のウイングタンクの上部を連通させる空気ダクトとを有する減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって減揺水槽の固有周期を変化させるためのダンパーと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽の作動及び停止の切り替えを行うためのバルブとを備えた可変周期型減揺水槽と、横揺れ角の計測データに基づいて前記ダンパー及び前記バルブを開閉して前記可変周期型減揺水槽を制御する減揺水槽制御装置とを備える可変周期型減揺水槽装置において、船舶に他の減揺装置として、フィンスタビライザー又は舵減揺装置であって、当該装置を使用した場合に得られる減揺率に基づいて装置の作動又は停止の制御が可能なフィンスタビライザー又は舵減揺装置が併設されている場合、フィンスタビライザー又は舵減揺装置の制御信号を前記減揺水槽制御装置に入力し、前記減揺水槽制御装置は、前記制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装置の作動状態を示す場合は可変周期型減揺水槽装置の作動を停止し、前記制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止状態を示す場合は可変周期型減揺水槽装置の制御を開始することを特徴とする可変周期型減揺水槽装置の制御方法。
本発明においては、船舶に搭載される減揺装置として、可変周期型減揺水槽装置と他の減揺装置(フィンスタビライザー又は舵減揺装置)が併設されている場合、併設されている減揺装置の互いの長所を生かし、短所をカバーした効率良い減揺効果が得られるばかりでなく、減揺率が低下又は航走時の抵抗が増大して船の航走燃費効率が低下するような状況を回避出来るとともに、減揺装置の重複作動を避けるような省エネ制御が可能となるため、船舶運航時の省エネルギーを可能とし、環境に配慮した船舶の運航効果を得ることが可能となる。
船舶に二つの減揺装置が併設されている場合(可変周期型減揺水槽装置とフィンスタビライザーが併設されている場合又は可変周期型減揺水槽装置と舵減揺装置が設されている場合)、各減揺装置の減揺特性を考慮して、それぞれ減揺効率が良い範囲で使用し、減揺効率が悪い範囲では使用しないような制御を行えば、各減揺装置の長所を生かし、短所をカバーする効果的な制御が可能となり、船舶運航時の省エネルギーを可能とし、環境に配慮した船舶の運航が可能となる。
そこで、停船時及び低速航行時には、停船時で最大の減揺効率が得られる可変周期型減揺水槽装置を使用するとともに、減揺効率が悪化し、フィンや舵の作動抵抗比が大きく船舶の推進効率も悪化するフィンスタビライザーや舵減揺装置の使用を停止するようにし、一方、高速航行時には、高い減揺率を得られるフィンスタビライザーを使用するとともに、減揺効率が低下する可変周期型減揺水槽装置を停止するようにすれば、両方の減揺装置を同時運転することなく、どちらか一方の減揺装置の作動のみで常に高い減揺効率を得ることが可能となる。
上記の観点に基づいて、本発明の第1の実施形態においては、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率と可変周期型減揺水槽を使用した場合の減揺率を前記減揺水槽制御装置に記録した減揺率曲線により判定し、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率未満となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置の使用を開始するとともにフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止を行うための信号又は指示を出力し、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置を停止するとともに、フィンスタビライザー又は舵減揺装置の使用を開始するための信号又は指示を出力するようにしている。
また、本発明の第2の実施形態においては、フィンスタビライザー又は舵減揺装置が当該装置の減揺効果を判断して作動と停止を制御している場合に、その制御信号を可変周期型減揺水槽制御装置に入力し、その制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装置の作動状態を示す場合は、可変周期型減揺水槽装置の作動を停止する制御を行い、一方、制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装の停止状態を示す場合は、可変周期型減揺水槽装置を使用するための制御を開始するようにしている。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置を示す図である。同図において、本発明の第1の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置は、可変周期型減揺水槽20と減揺水槽制御装置21で構成されている。
可変周期型減揺水槽20は、船体の左舷と右舷にそれぞれ設けられ、動揺緩和液体Wが投入されたウイングタンク1a、1bと、ウイングタンク1a、1bの下部を連通させる連結水路2と、ウイングタンク1a、1bの上部を連通させて空気を流通させる空気ダクト5とを有する減揺水槽1と、連結水路2に設けられ、その開閉によって減揺水槽の周期を変更するためのダンパー3と、ダンパー3を開閉するためのダンパー駆動装置4及び、空気ダクト5に設けられ、その開閉によって空気の流通を拘束して減揺水槽1の作動と停止を切り替えるための空気バルブ6と、空気バルブ6を開閉するための空気バルブ駆動装置7とを備えている。
一方、減揺水槽制御装置21は、中央制御装置10と、横揺れ角を検知する動揺検知装置8と、計測値や解析データ等を記憶する記憶装置11と、操作画面や解析データを表示する表示装置12と、ダンパー駆動装置4及び空気バルブ駆動装置7に制御信号を送る開閉制御装置9と、必要に応じてフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止指示を発する指示装置13とを備えている。
そして、中央制御装置10は、動揺検知装置8から出力される時系列的な横揺れデータから横揺れ周期を算出するとともに、船速ログ又はGPS等の船速計測装置23から船速情報を取り込む機能と、フィンスタビライザー又は舵減揺装置へ作動開始及び作動停止の信号を出力する機能を有している。
また、記憶装置11には、船速と横揺れ周期に対応した、可変周期型減揺水槽制御装置の減揺率とフィンスタビライザー又は舵減揺装置の減揺率を示す減揺率曲線が記憶されている。図3は、その減揺率曲線の一例を示すものであり、ここでは横揺れ周期13秒の場合の減揺率曲線を示しているが、横揺れ周期の変化範囲に対応して一定の横揺れ周期間隔で複数の減揺率曲線が記憶されている。
次に、上記のように構成された可変周期型減揺水槽装置を用いての可変周期型減揺水槽装置の制御方法について、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS1において、中央制御装置10に船速ログ又はGPS等の船速計測装置から船速信号が中央制御装置10に入力される。
次に、ステップS2に進み、中央制御装置10に横揺れ検知装置8からの横揺れデータが中央制御装置10に入力される。
次に、ステップS3に進み、中央制御装置10が、入力された船速信号から船速を算出するとともに横揺れデータから横揺れ周期を算出し、船速と横揺れ周期に基づいて、フィンスタビライザー又は舵減揺装置(以下、他減揺装置という)を作動させた場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を作動させた場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にあるか否かを判断する。この判断にあたっては、あらかじめ記憶装置11に記憶させておいた一定周期間隔の減揺率曲線を用いて算定・判断する。なお、横揺れ周期が一定周期間隔の減揺率曲線の周期と合致しない場合は、その前後の横揺れ周期における減揺率曲線の数値を補間計算した数値により判断する。
その判断の結果、他減揺装置を作動させた場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を作動させた場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にあると判断された場合はステップS7に進み、他減揺装置を作動させた場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を作動させた場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にないと判断された場合はステップS4に進む。
ステップS4に進んだ場合は、中央制御装置10が、他減揺装置が作動停止信号を受信可能な場合は作動停止信号を出力し、作動停止信号を受信不能な場合は、指示装置13へ他減揺装置の作動を停止することを指示する信号を出力する。作動を停止する指示内容は、音声メッセージや特定間隔で鳴らすブザー等とする。
次に、ステップS5に進み、中央制御装置10が、開閉制御装置9を経由して空気バルブ駆動装置7に開放の制御信号を送り、空気バルブ6を開放して、可変周期型減揺水槽20を作動させる。
次にステップS6に進み、ステップS4で求められた横揺れ周期に合致するように、開閉制御装置9を経由してダンパー駆動装置4に制御信号を送り、ダンパー3を開閉して、最適なダンパー状態へと制御する。これによって、減揺水槽1内の動揺緩和液体Wの移動周期が制御され、動揺緩和液体Wの移動で生じる減揺モーメントの作用により、船体に作用する横揺れモーメントが相殺されて、減揺効果が得られる。そして、ステップS1に戻る。
一方、ステップS7に進んだ場合は、中央制御装置10が、他減揺装置が作動開始信号を受信可能な場合は作動開始信号を出力し、作動開始信号を受信不能な場合は、指示装置13へ他減揺装置の作動を開始することを指示する信号を出力する。作動を開始する指示内容は、音声メッセージや特定間隔で鳴らすブザー等とする。
次に、ステップ8に進み、中央制御装置10が、開閉制御装置9を経由して空気バルブ駆動装置7に閉鎖の制御信号を送り、空気バルブ6を閉鎖して、可変周期型減揺水槽20を停止させる。そして、ステップS1に戻る。
以上のようにして、この実施形態においては、中央制御装置10に取り込まれた船速信号と横揺れデータから算出した横揺れ周期に基づいて、可変周期型減揺水槽装置と他減揺装置とをそれぞれの減揺効率の良い領域で使い分けることにより、船の航行速力および横揺れ周期に応じた最も良好な減揺効果を得ることができる。そして、併設される減揺装置の互いの長所を生かし、欠点をカバーした効率良い制御効果が得られるばかりでなく、減揺率が低下又は航走時の抵抗が増大して船の航走燃費効率が低下するような状況を回避出来るとともに、減揺装置の重複作動を避けるような省エネ制御が可能となるため、船舶運航時の省エネルギーを可能とし、環境に配慮した船舶の運航効果を得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置を示す図である。同図において、本発明の第2の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置は、可変周期型減揺水槽20と減揺水槽制御装置21’で構成されている。ここで、可変周期型減揺水槽20は、第1の実施形態において示したものである。また、減揺水槽制御装置21’は、第1の実施形態において示した減揺水槽制御装置21とほぼ同様のものであるが、指示装置13は備えていない。
そして、この実施形態においては、他減揺装置(フィンスタビライザー又は舵減揺装置)22が、他減揺装置を使用した場合に得られる減揺率に基づいて他減揺装置の作動及び停止の制御が行えるようになっている。すなわち、他減揺装置に動揺計測装置24から横揺れ角又は加速度信号が入力されるとともに船速計測装置23から船速信号が入力され、入力された横揺れ角又は加速度値及び船速値により、他減揺装置の減揺率を判断し、減揺率の値により他減揺装置の作動及び停止の制御が行えるようになっている。
次に、上記のように構成された可変周期型減揺水槽装置を用いての可変周期型減揺水槽装置の制御方法について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS21において、中央制御装置11に他減揺装置22から他減揺装置の制御信号が入力される。
次に、ステップS22に進み、動揺検知装置8から横揺れデータが中央制御装置10に入力される。
次に、ステップS23に進み、中央制御装置10が、入力された他減揺装置22の制御信号から、他減揺装置22が作動しているか又は停止しているかを判断する。この判断にあたっては、フィンスタビライザーの翼角制御信号又は舵減揺装置の舵角制御信号が、ステップS22で取り込まれた船体の横揺れ角度に連動して変化しているかを比較することにより判断を行う。他減揺装置22の翼角又は舵角信号が船体の横揺れ角に連動した変化を示し、他減揺装置22が作動していると判断した場合はステップS27に進み、他減揺装置22が作動していないと判断した場合はステップS24に進む。
ステップS24に進んだ場合は、中央制御装置10が、横揺れデータに基づいて船体の横揺れ周期を算出し、算出した横揺れ周期が、可変周期型減揺水槽20が有効に作動する周期領域に有るか否かを判断する。可変周期型減揺水槽20が有効に作動する周期領域に無いと判断された場合はステップS27に進み、可変周期型減揺水槽20が有効に作動する周期領域に有ると判断された場合はステップS25に進む。
ステップS25に進んだ場合は、中央制御装置10が、開閉制御装置9を経由して空気バルブ駆動装置7に開放の制御信号を送り、空気バルブ6を開放して、可変周期型減揺水槽20を作動させる。
次に、ステップS26に進み、中央制御装置10が、ステップS24で求められた船体の横揺れ周期に合致するように、開閉制御装置9を経由してダンパー駆動装置4に制御信号を送り、ダンパー3を開閉して、最適なダンパー状態へと制御する。これによって、減揺水槽1内の動揺緩和液体Wの移動周期が制御され、動揺緩和液体Wの移動で生じる減揺モーメントの作用により、船体に作用する横揺れモーメントが相殺されて、減揺効果が得られる。そして、ステップS1に戻る。
ステップS27に進んだ場合は、中央制御装置10が、開閉制御装置9を経由して空気バルブ駆動装置7に閉鎖の制御信号を送り、空気バルブ6を閉鎖して、可変周期型減揺水槽20を停止させる。そして、ステップS1に戻る。
以上のようにして、この実施形態においては、中央制御装置10に取り込まれた他減揺装置22の制御信号により、可変周期型減揺水槽装置と他減揺装置をそれぞれの減揺効率の良い船速域で使い分けることにより、船の航行速力に応じた最も良好な減揺効果を得ることができる。そして、併設される減揺装置の互いの長所を生かし、欠点をカバーした効率良い制御効果が得られるばかりでなく、減揺装置の重複作動を避けるような省エネ制御が可能となるため、船舶運航時の省エネルギーを可能とし、環境に配慮した船舶の運航効果を得ることが可能となる。
本発明の第1の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における船速と減揺率を示す図の一例である。 本発明の第2の実施形態において用いる可変周期型減揺水槽装置を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるフローチャートである。
符号の説明
1 減揺水槽
1a、1b ウイングタンク
2 連結水路
3 ダンパー
4 ダンパー駆動装置
5 空気ダクト
6 空気バルブ
7 空気バルブ駆動装置
8 動揺検知装置
9 開閉制御装置
10 中央制御装置
10a 統計処理手段
11 記憶装置
12 表示装置
13 指示装置
20 減揺水槽装置本体
21 減揺水槽制御装置
21’ 減揺水槽制御装置
22 フィンスタビライザー又は舵減揺装置
23 船速計測装置
24 動揺計測装置

Claims (2)

  1. 船舶に設置した左右一対のウイングタンクと該一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路と該一対のウイングタンクの上部を連通させる空気ダクトとを有する減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって減揺水槽の固有周期を変化させるためのダンパーと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽の作動及び停止の切り替えを行うためのバルブとを備えた可変周期型減揺水槽と、横揺れ角の計測データに基づいて前記ダンパー及び前記バルブを開閉して前記可変周期型減揺水槽を制御する減揺水槽制御装置とを備える可変周期型減揺水槽装置において、船舶に他の減揺装置であるフィンスタビライザー又は舵減揺装置が併設されている場合、前記減揺水槽制御装置は、船舶の横揺れ周期船速に対応させて求めた減揺率であって、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率と可変周期型減揺水槽を使用した場合の減揺率を、前記減揺水槽制御装置に記録した減揺率曲線により判定し、フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率未満となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置の使用を開始するとともにフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止を行うための信号又は指示を出力し、
    フィンスタビライザー又は舵減揺装置を使用した場合の減揺率が可変周期型減揺水槽装置を使用した場合の減揺率以上となる横揺れ周期かつ船速域にある場合は、可変周期型減揺水槽装置を停止するとともにフィンスタビライザー又は舵減揺装置の使用を開始するための信号又は指示を出力することを特徴とする可変周期型減揺水槽装置の制御方法。
  2. 船舶に設置した左右一対のウイングタンクと該一対のウイングタンクの下部を連通させる連結水路と該一対のウイングタンクの上部を連通させる空気ダクトとを有する減揺水槽と、前記連結水路に設けられ、その開閉によって減揺水槽の固有周期を変化させるためのダンパーと、前記空気ダクトに設けられ、その開閉によって減揺水槽の作動及び停止の切り替えを行うためのバルブとを備えた可変周期型減揺水槽と
    横揺れ角の計測データに基づいて前記ダンパー及び前記バルブを開閉して前記可変周期型減揺水槽を制御する減揺水槽制御装置とを備える可変周期型減揺水槽装置において、
    船舶に他の減揺装置として、フィンスタビライザー又は舵減揺装置であって、当該装置を使用した場合に得られる減揺率に基づいて装置の作動又は停止の制御が可能なフィンスタビライザー又は舵減揺装置が併設されている場合、
    フィンスタビライザー又は舵減揺装置の制御信号を前記減揺水槽制御装置に入力し、前記減揺水槽制御装置は、前記制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装置の作動状態を示す場合は可変周期型減揺水槽装置の作動を停止し、前記制御信号がフィンスタビライザー又は舵減揺装置の停止状態を示す場合は可変周期型減揺水槽装置の制御を開始することを特徴とする可変周期型減揺水槽装置の制御方法。
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