JP3125142B2 - 船舶の動揺軽減装置の制御方法 - Google Patents

船舶の動揺軽減装置の制御方法

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JP3125142B2 JP10187999A JP18799998A JP3125142B2 JP 3125142 B2 JP3125142 B2 JP 3125142B2 JP 10187999 A JP10187999 A JP 10187999A JP 18799998 A JP18799998 A JP 18799998A JP 3125142 B2 JP3125142 B2 JP 3125142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、減揺水槽内の液体制
動の創案に係わり、減揺水槽を装備した船舶に於いて、
該船舶が比較的穏やかな海気象状況の中を航行している
とき、減揺水槽の液体による悪影響から船体の復原力が
不安定となるため、乗り心地を悪くするという逆効果
を、事前に防止し得るよう自動的に制御する制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より船舶の乗り心地を良くする目的
で、横揺れを軽減させる装置として、U字管型の受動減
揺水槽(以下ARTとも言う)が知られている。その作
動原理を簡単に述べる。船が最も大きく揺れる状況は、
船の横揺固有周期と同じ出会周期の波を繰り返し受ける
時である。これと同じ状況は、例えば、平穏な海面に於
いて、人を船の動揺よりワンテンポ早く左右方向に繰り
返し移動させると船は次第に同調横揺れを起こし横揺れ
角度は大きくなる。この方法は、一般的に小型船の動揺
試験時における動揺誘起の手段として用いられている。
また、この時、人をワンテンポ遅くなるように移動させ
ると、逆に揺れなくなる事も知られている。
【0003】ARTは、この人を液体に置き換え、液体
移送用のポンプ等を用いず、タンク内の液体が高い方か
ら低い方へ流れる自然の法則をうまく利用して、液体の
動く最適な速さ(位相遅れ)と移動モーメント(減揺モ
ーメント)を得て、船の横揺れを軽減させようとするも
のである。
【0004】ARTは、作動原理が示すように、波など
の外力により適当な横揺れ角が連続的に誘起された状態
で、タンク内の液体が最適な位相遅れを生じ、左右を繰
り返し往来することで、減揺効果が得られるものであ
る。
【0005】有効な減揺モーメントを得るには、ART
の自由表面(以下自由表面二次モーメントとも言う)の
値を大きくする手段もあるが、次の理由により無闇に大
きくすることはできない。この自由表面二次モーメント
は、ARTが適当な位相遅れを保っているときは復原力
に悪さをしないが、位相遅れが大幅に狂ってくるか或い
は、殆ど得られないときは、船の見かけの重心を高くし
復原力を著しく小さく(悪く)する。状況によっては船
の横揺角を大きくするという働きがあり、ARTの欠点
としても知られている。
【発明が解決する課題】
【0006】ART設置の目的の1つは、大きい横揺れ
を如何に減少させ乗り心地の良い環境を提供することで
ある。そこで、従来技術のARTを搭載した船では、時
化の時の横揺れ軽減の効果は非常に満足できるものであ
る。しかし乍、凪などで殆ど揺れない時、また、横揺角
が小さく移動する液体の量が少ない場合、或いは前述の
状態に於いて横風を受け船が定常傾斜をした状態では、
最適な位相遅れを得ることだできないから、自由表面二
次モーメントが、逆に船の復原力に悪影響を与え、不安
定な動揺を誘発し極めて乗り心地を悪くするという問題
点を有している。
【0007】このため、船体の復原力を確保する時、A
RTの自由表面二次モーメントの影響を考慮する必要が
あり、これがため、ARTを設置しない船に比べ、船幅
を広く取る等の対策が必要となる事もあった。
【0008】特に、復原性規則が厳しく、法定装備品と
してARTを設置しなければならない船種に於いて、諸
般の事情から船幅を広く取ることができない場合、船そ
のものの建造を諦めざるを得ないという事もあったと聞
く。
【0009】また、ARTを設置した場合は、凪などの
横揺れが少ない状況に於いて、自由表面二次モーメント
の影響を鑑み、何時の時点でARTを作動するか、否か
の判断と操作に人手を煩わせなければならないという対
応に難点があった。
【0010】従来技術は、減揺という目的から、小さな
揺れを無視し、大きな揺れの減少に重点が置かれた。そ
の結果、前述の問題点を処理することなく、ARTの欠
点を有したまま、客先に提供していたのである。
【0011】
【目的】本発明は、減揺装置を設置する目的である、乗
り心地の良い環境を、時化の時の横揺れもさること乍、
比較的穏やかな海況に於いても作り出せるよう、ART
の持つ欠点を解消せしめる自動制御方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、船の横揺角を検知する傾斜センサーと、その情報
を解読させるコントロール部と空気ダクトのバルブを遠
隔駆動し得る開閉機器装置の手段を施す。そして、タン
ク内の液体が減揺の手段として作動しているか、あるい
は復原力に対し悪影譬を与えているか等を判断し、悪影
響を与えていると判断した場合、空気ダクトのバルブを
強制的に閉鎖させ、タンク内の液体が自由に移動しない
よう制動させる。また、船の横揺れ状況が変わりART
として使用できると判断した場合は、自動的に空気ダク
トのバルブを開き復帰させることができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例にもとづき図面を参照して説明する。前述の目的を達
成するための基本的なARTの構成自体は、図2に示す
ように、船体の両舷に設定した一対の少なくとも2つの
ウイングタンク12a,12bとこれらウイングタンク
12a,12bの底部に液体17を左右方向へ移動させ
る液体ダクト13で連結すると共に、同じくウイングタ
ンク12a,12b上部にバルブ15を介して連通させ
る空気ダクト14と、図示していないが注排水管、測深
管、空気抜き管など水槽として必要な蟻装を施す。AR
T本体16は、前記の注排水管、測深管、空気抜き管な
ど外部に通じる全ての管に閉鎖手段を施し密閉状態を可
能とする。
【0014】バルブ15の開閉は自動制御のための遠隔
操作を可能とする動力駆動式を採用し、図1に示すよう
なバルブ開閉操作の制御機構を施す。
【0015】制御装置機構は、大きく分けて船の横揺れ
状況を検知する傾斜センサー1と数値演算や制御信号等
を司るコントロール部2およびバルブ15を遠隔駆動さ
せる開閉機器装置部3からなる。
【0016】コントロール部2は、傾斜センサー1から
送信された船の横揺れ状況を受信しその内容を解読する
演算解読回路5と、解読された値を基に予め設定して有
るバルブを閉めるか、あるいは、開けるかを制御する制
御回路6から、制御実行回路18を経て制御信号を開閉
機器装置部3へ送信する。また、各機器の作動状況は、
機器作動状況確認回路19を介して逐一情報処理回路7
で把握し、制御回路6で確認すると共に、その情報はI
Cメモリーにて保存する。
【0017】空気ダクト14のバルブ15をバルブ用開
閉装置10を介して閉じた場合、タンク内の空気の流通
を遮断するから、ARTは非作動状態となるので、その
非作動であることを知らせる警報(ブザー等)を発する
と同時に図示していないがコントロールパネルに表示す
ることもできる。
【0018】演算解読回路5は、傾斜センサー1から送
信されたデータを基に、瞬時の横揺角と横揺れ周期を演
算し、その値からそれそれの平均値を把握する。そし
て、液体の自由表面二次モーメントが悪影響を及ぼすか
否かを判断させる。
【0019】判断の方法は、ARTの作動原理に対し、
液体の移動が正常か否かを把握すれば良いから、船の平
均横揺角度、或いは平均周期の値を以て、予め設定して
ある値と比較することができる。子め設定する値は、A
RTを設計するときに決まるものである。更に、判断の
精度を要求するとすれば、液体ダクト内に流速センサー
を設けて移動状態を検知し、その値から対応することも
可能である。
【0020】開閉機器装置部3は、駆動源8、電磁弁
9、バルブ15、バルブ用開閉装置10、リミットスイ
ッチ11等で構成する。作動順序は、コントロール部2
の制御回路6から送信された制御信号は、制御実行回路
18を経て駆動源8を始動→電磁弁9→バルブ用開閉装
置10→バルブ15→リミットスイッチ11→駆動源8
を停止する行程で制御終了となる。
【0021】本実施例は、バルブ15の駆動方式とし
て、油圧駆動を想定した構成であるが、空圧式あるいは
電動式を用いた場合、その方式によって開閉機器装置の
内で省略できるものは省略しても良い。また、空気ダク
ト14は連結した方式とした例であるが、図3に示すよ
うに、空気ダクト14を左右連結せず、各々、単独に大
気に開放する方式として、各々にバルブ15を設ける
か、あるいは、片舷1つにバルブ15を設けても同じ効
果が得られる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
によれば、船の大きい横揺ればかりでなく小さな横揺れ
情報も解析し、必要に応じて空気ダクト用バルブの開閉
が自動的に行われる。このことは、ARTの宿命的とも
言える欠点、即ち、次に示す〜の状態に於いて、減
揺モーメントを得るための液体が、逆に船の復原力に悪
影響を与え、不安定な動揺を誘発し極めて乗り心地が悪
くなるという問題点を容易に解消することができる。 凪などで殆ど揺れない時。 横揺角が小さく移動する液体の量が少ない場合。 前述の状態に於いて横風を受け船が定常傾斜をしてい
る時。
【0023】前記の問題点を解消できるから更に次の作
用効果が得られる。 基本設計時に於ける復原力にARTの自由表面二次モ
ーメントの影響を無視することが可能となる。 ARTを設置しない船に比べ、船幅を広く取る等の対
策を必要としない。 復原性規則が厳しく、自由表面二次モーメントの問題
から設置不可能な船種でも搭載可能となる。 凪の時にARTを作動するか、または、非作動にする
かの判断と操作は人手を煩わすことなく自動的に行われ
る。
【0024】このように本発明による処の自動制御方法
を用いれば、船の基本設計時の問題や船が遭遇する様々
な横揺れ状況に対応できる。そして、ARTの欠点を気
にすること無く、常に安定した減揺効果が得られると言
う作用効果を有しており、その効果の大きい発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバルブ開閉操作の制御機構構成関
係を示したブロック図
【図2】ARTの概略構成を示す全体構成図
【図3】ARTの概略構成を示す全体構成図
【符号の説明】
1・・・傾斜センサー 2・・・コントロール部 3・・・開閉機器装置部 4a、4b・・・自由表面(自由表面二次モーメント) 5・・・演算解読回路 6・・・制御回路 7・・・情報処理回路 8・・・駆動源 9・・・電磁弁 10・・・バルブ用開閉装置 11・・・リミットスイッチ 12a、12b ・・・ウイングタンク(タンク) 13・・・液体通路(液体ダクト) 14・・・空気ダクト 15・・・バルブ 16・・・減揺水槽(ART本体) 17・・・液体 18・・・制御実行回路 19・・・機器作動状況確認回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体の両舷に設定した一対の少なくとも
    2つのウイングタンク(12a,12b)と、これらウ
    イングタンクの底部を連結して液体(17)を左右方向
    へ移動させる液体通路(13)と、前記の両ウイングタ
    ンク上部間に設けられる液体(17)の制動を目的とし
    た遠隔駆動式のバルブ(15)等の手段を介して連通さ
    せる空気ダクト(14)或いは、各々のウイングタンク
    (12a,12b)の上部附近に設けられる大気へ開放
    可能とする遠隔駆動式のバルブ(15)付き空気ダクト
    (14)とを有し、更に、船の横揺角を検知する傾斜セ
    ンサ−(1)と、その情報を解読させると共に制御信号
    を出力するコントロ−ル部(2)と、コントロ−ル部
    (2)からの制御信号を基に前記バルブ(15)を遠隔
    駆動させる開閉機器装置部(3)とを具備した液体(1
    7)の移動または停止操作を自動的に成し得る船舶の動
    揺軽減装置の制御方法に於いて、傾斜センサ−(1)か
    ら出力される船の横揺れ状況をコントロ−ル部(2)で
    解読した情報が、予め設定してある条件に基づき、タン
    ク内の液体(17)が船の復原力に対し悪影響を与えて
    いると判断した場合は、復原力に悪影響を与えないよう
    に空気ダクト(14)のバルブ(15)を強制的に閉じ
    て液体(17)を停止させ、また、横揺れ状況が変わり
    悪影響を与える恐れがないと判断した場合は、空気ダク
    ト(14)のバルブ(15)を開き液体(17)の移動
    を自由にするという液体(17)の制動を自動的に制御
    させることを特徴とする船舶の動揺軽減装置の制御方
    法。
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