JP2601001Y2 - 船舶の動揺低減装置 - Google Patents

船舶の動揺低減装置

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JP2601001Y2
JP2601001Y2 JP1993024163U JP2416393U JP2601001Y2 JP 2601001 Y2 JP2601001 Y2 JP 2601001Y2 JP 1993024163 U JP1993024163 U JP 1993024163U JP 2416393 U JP2416393 U JP 2416393U JP 2601001 Y2 JP2601001 Y2 JP 2601001Y2
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tanks
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茂美 薄葉
愛一郎 佐伯
哲也 安田
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、船舶の動揺低減装置
に関し、減揺タンク内の圧力を調整して自由水面を吃水
にかかわらず任意に設定できるようにし、減揺タンクの
配置に自由度をもたせることができるようにしたもので
ある。
【0002】
【従来の技術】海洋などを航行する船舶や洋上で停止状
態で作業を行う船舶などでは、航行性能の向上や安全性
向上などのため船舶の上下揺れや左右揺れなどの動揺を
低減する必要があり、動揺低減のための装置が開発され
つつある。
【0003】従来から用いられている動揺低減装置とし
ては、減揺タンクが実用化されており、たとえば図2
(a)にアンチ・ローリング・タンクを、図2(b)に
アンチヒービングタンクをそれぞれ示すように、船体1
の吃水2を挾む上下に位置するように減揺タンク3,4
を設置し、それぞれの上部に空気孔5を形成するととも
に、それぞれの下部に水が出入りする水出入口6を形成
しておき、さらにアンチヒービングタンク4では、この
水出入口6に開口面積制御装置7を設けて構成してあ
る。
【0004】そして、アンチローリングタンク3では、
左右の揺れに伴って水出入口6を介して移動する水を利
用して横揺れを低減するようにしている。
【0005】また、アンチヒービングタンク4では、上
下の揺れにともなって水出入口6から流入・流出する水
を上下の揺れに対して90度の位相差となるように開口
面積制御装置7で制御することで上下揺れを低減するよ
うにしている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】このような船体1の左
右揺れや上下揺れを減揺タンク3,4で低減しようとす
ると、減揺タンク3,4内に吃水2と同一の自由水面8
を形成してタンク3,4内に流入する水と流出する水の
移動によって揺れを低減するようにしており、船体1の
吃水2の変化を考慮して吃水レベルを挾んで上下に十分
な高さを持った減揺タンク3,4を設置しなければなら
ない。
【0007】このため船体1に減揺タンク3,4を設置
して有効に機能させる場合には、相当大きな減揺タンク
3,4を設ける必要があり、設置位置や設置スペースの
制約を受けるという問題がある。
【0008】また、大きな減揺タンク3,4を船体1に
設けなければならず、これにより船舶の有効利用スペー
スがその分だけ小さくなってしまうという問題がある。
【0009】この考案はかかる従来技術の課題に鑑みて
なされたもので、吃水にかかわらず自由水面を任意に設
定でき、タンクの配置に自由度を持たせることができる
船舶の動揺低減装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この考案の船舶の動揺低減装置は、船体に搭載され
る密閉構造の複数の減揺タンクと、これら各減揺タンク
の上方に形成された空気出入口と連通されて内部の圧力
を調整する圧力調整タンクと、これら各減揺タンクの下
方に形成された水出入口に設けられて遠隔操作で開口面
積を調整可能な開閉装置と、これら各減揺タンク内の水
面を検出する液面計およびこの液面計の検出信号に基づ
いて加圧空気を供給してこれら各減揺タンク内の液面を
吃水にかかわらず中間に保つコンプレッサと、船体の動
揺を低減すべく前記開閉装置による開口面積および加圧
空気の圧力と水の流入・流出量を制御する制御装置とで
なることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】この船舶の動揺低減装置によれば、船体に搭載
される複数の減揺タンクのそれぞれの上方の空気出入口
に圧力調整タンクを連結して内部の圧力を調整できるよ
うにするとともに、下方の水出入口に開口面積を調整で
きる開閉装置を設けるようにし、液面計で検出した減揺
タンク内の水面に基づいてコンプレッサで液面を中間に
保つようにしており、船体に動揺が生じた場合に制御装
置で減揺タンクの開閉装置を制御するとともに、加圧空
気の圧力を制御して水の流入・流出量を調整して動揺を
低減するようにしている。
【0012】これにより、船舶の吃水にかかわらず減揺
タンクを設置して自由液面を任意に設定でき、減揺タン
クの配置に自由度を持たせることができるようになる。
さらに、加圧空気の圧力を調整して円滑に水を移動させ
て動揺を低減できるようになる
【0013】また、減揺タンクの設置スペースの縮小を
図り、船舶のスペースの有効利用ができるようになる。
【0014】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1はこの考案の船舶の動揺低減装置の
一実施例にかかり、同図(a)は全体の概略配置図、同
図(b)は拡大断面図である。
【0015】この船舶の動揺低減装置10では、船体1
1に搭載される密閉構造の減揺タンク12を備えてお
り、船体11の上下揺れを低減する場合には、船体11
の船首部分と船尾部分とにそれぞれ設置され、左右揺れ
を低減する場合には船体11の左右舷にそれぞれ設置さ
れる。この減揺タンク12は、たとえばこれまでのバラ
ストタンクに替えて設置され、吃水13と関係なくその
配置や大きさが定められて隔壁構造などで仕切られて構
成され、この実施例では減揺タンク12上面が吃水13
より下方となるように配置してある。
【0016】この減揺タンク12の上方には、空気出入
口14が形成され、空気ダクト15を介して圧力調整タ
ンク16に連通され、この圧力調整タンク16を介して
減揺タンク12内と大気と連通するようになっており、
圧力調整タンク16の設定圧力を調整することで減揺タ
ンク12内と大気との間に、吃水13と減揺タンク12
内の水位17との差に相当する圧力差を設定できるよう
になっている。
【0017】また、この減揺タンク12の下方には、水
出入口18が形成され、水配管19を介して船体11外
の水(海水など)と連通するようになっており、水配管
19の先端部には、開口面積を調整する開閉装置20が
設けられ、弁体21を図示しないアクチュエータで動か
すことで開口面積を調整して水の流入量や流出量を調整
できるようにしてある。
【0018】さらに、この減揺タンク12には、液面計
22が設けられ、減揺タンク12内の水位17を検出で
きるようになっており、液面の検出信号が制御装置23
に入力されるようになっている。
【0019】また、この減揺タンク12には、船体11
の吃水にかかわらず、減揺タンク12の中間に水位17
を位置させるため、コンプレッサ24と連通する加圧空
気用の空気配管25が接続されており、加圧空気の供給
・排出により、水位17を調整できるようになってい
る。
【0020】さらに、制御装置23には、コンプレッサ
24および開閉装置20が電気的に接続され、制御装置
23からの制御信号によって発停や開度が制御されるよ
うになっている。
【0021】次に、このように構成した船舶の動揺低減
装置10による船舶の動揺の低減について説明する。
【0022】まず、この船舶の動揺低減装置10による
動揺低減のための準備として、圧力調整タンク16の設
定圧力を、減揺タンク12内を中間の水位17とした時
に吃水13との水位の差に相当する圧力差に設定すると
ともに、減揺タンク12内を中間の水位17とするよう
にコンプレッサ24を運転して減揺タンク12内の空気
圧を調整する。
【0023】こうして準備が完了した後は、船体11に
動揺が生じない場合には、減揺タンク12内の水位17
が中間に維持されるように液面計22の検出信号に基づ
いて制御装置23を介してコンプレッサ24の発停を制
御する。
【0024】一方、船体11が動揺した場合には、動揺
が左右揺れであるか、上下揺れであるかによって開閉装
置20の制御を変えるようにする。
【0025】(1) 左右揺れの低減を図る場合 この場合には、船体11の左右舷にそれぞれ配置した減
揺タンク12により動揺の低減を図るが、そのため、減
揺タンク12の水出入口18の先端部の開閉装置20の
弁体21を開放状態にするよう制御装置23から制御信
号を送る。
【0026】これと同時に、船体11の左右の吃水13
の変化により減揺タンク12と船体11の外部との間で
水が移動するようにし、この水の移動を利用してアンチ
・ローリング・タンクとして機能させ、左右揺れを低減
する。
【0027】このとき、減揺タンク12内と船体11の
外部との間で水配管19を介して円滑に水が移動して動
揺を低減できるように減揺タンク12内の空気圧力をも
制御する。
【0028】(2) 上下揺れの低減を図る場合 この場合には、船体11の船首および船尾にそれぞれ配
置した減揺タンク12により動揺の低減を図るが、その
ため、減揺タンク12の水出入口18の先端部の開閉装
置20の弁体21を制御装置23から制御信号で船体の
上下揺れの周期と90度の位相差を持つように開閉す
る。
【0029】これと同時に、船体11の前後の吃水13
の変化により減揺タンク12と船体11の外部との間で
水が位相差をもって移動するようにし、この水の移動を
利用してアンチ・ヒービング・タンクとして機能させ、
上下揺れを低減する。
【0030】このとき、減揺タンク12内と船体11の
外部との間で水配管19を介して円滑に水が位相差をも
って移動して動揺を低減できるように減揺タンク12内
の空気圧力をも制御する。
【0031】なお、圧力調整タンクの設定圧力差も開閉
装置による弁体の開度の制御に連動させて、減揺効果を
より高めるようにする制御を付加するようにすることが
好ましい。
【0032】このような減揺タンク12を備えた船舶の
動揺低減装置10では、船体11の吃水13を挾む上下
に大きな空間を有するタンクを用いること無く、減揺タ
ンクとすることができ、しかも吃水13の位置にかかわ
らず水位17を中間に保持することができるので、減揺
タンク12の配置の自由度が高くなる。
【0033】また、減揺タンク12の設置スペースの減
少でき、船舶のスペースの有効利用を図ることができ
る。
【0034】なお、この考案は、上記実施例に限らず、
この考案の要旨を変更しない範囲で各構成要素に変更を
加えても良いことは言うまでもない。
【0035】
【考案の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの考案の船舶の動揺低減装置によれば、船体
に搭載される複数の減揺タンクのそれぞれの上方の空気
出入口に圧力調整タンクを連結して内部の圧力を調整で
きるようにするとともに、下方の水出入口に開口面積を
調整できる開閉装置を設けるようにし、液面計で検出し
た減揺タンク内の水面に基づいてコンプレッサで液面を
中間に保つようにしたので、船体に動揺が生じた場合に
制御装置で減揺タンクの開閉装置を制御とともに、加圧
空気の圧力を制御して水の流入・流出量を調整して動揺
を低減することができる。
【0036】これにより、船舶の吃水にかかわらず減揺
タンクを設置して自由液面を任意に設定でき、減揺タン
クの配置に自由度を持たせることができる。さらに、加
圧空気の圧力を調整して円滑に水を移動させて動揺を低
減することができる
【0037】また、減揺タンクの設置スペースの縮小を
図り、船舶のスペースの有効利用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の船舶の動揺低減装置の一実施例にか
かり、同図(a)は全体の概略配置図、同図(b)は拡
大断面図である。
【図2】従来の船舶の動揺低減装置にかかり、同図
(a)はアンチローリングタンクの断面図、同図(b)
はアンチヒービングタンクの断面図である。
【符号の説明】
10 船舶の動揺低減装置 11 船体 12 減揺タンク 13 吃水 14 空気出入口 15 空気ダクト 16 圧力調整タンク 17 水位 18 水出入口 19 水配管 20 開閉装置 21 弁体 22 液面計 23 制御装置 24 コンプレッサ 25 空気配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−690(JP,A) 特開 昭53−128897(JP,A) 特開 昭49−82085(JP,A) 実開 昭61−169788(JP,U) 実開 昭59−97196(JP,U) 実開 平2−81942(JP,U) 実開 平3−55933(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 39/03

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体に搭載される密閉構造の複数の減揺
    タンクと、これら各減揺タンクの上方に形成された空気
    出入口と連通されて内部の圧力を調整する圧力調整タン
    クと、これら各減揺タンクの下方に形成された水出入口
    に設けられて遠隔操作で開口面積を調整可能な開閉装置
    と、これら各減揺タンク内の水面を検出する液面計およ
    びこの液面計の検出信号に基づいて加圧空気を供給して
    これら各減揺タンク内の液面を吃水にかかわらず中間に
    保つコンプレッサと、船体の動揺を低減すべく前記開閉
    装置による開口面積および加圧空気の圧力と水の流入・
    流出量を制御する制御装置とでなることを特徴とする船
    舶の動揺低減装置。
JP1993024163U 1993-04-09 1993-04-09 船舶の動揺低減装置 Expired - Fee Related JP2601001Y2 (ja)

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KR101280517B1 (ko) * 2011-03-31 2013-07-01 삼성중공업 주식회사 횡동요 감쇠탱크의 급배수시스템을 구비하는 선박

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