JPH0754075Y2 - 船舶の減揺水槽 - Google Patents

船舶の減揺水槽

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JPH0754075Y2
JPH0754075Y2 JP1991087624U JP8762491U JPH0754075Y2 JP H0754075 Y2 JPH0754075 Y2 JP H0754075Y2 JP 1991087624 U JP1991087624 U JP 1991087624U JP 8762491 U JP8762491 U JP 8762491U JP H0754075 Y2 JPH0754075 Y2 JP H0754075Y2
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liquid
water tank
air duct
tank
air
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JP1991087624U
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Inventor
紀孝 松村
Original Assignee
株式会社スタビロ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この考案は、船舶の横揺れを軽
減するための減揺水槽に係わり、特に減揺水槽の上部に
空気ダクトと空気の流通を制御する仕切(バルブ)装置
を設けることが困難な船舶に適した減揺水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来より船舶の横揺れを軽減する為
に、U字管型の減揺水槽が備えられている。この減揺水
槽は、船舶の横揺れによって左右のタンクの液体が液体
移動用ダクトを通って移動する時、その移動が横揺れと
時間的なずれを生ずることから、船の瞬発的な復原力を
抑え横揺れを軽減するように機能するもので、計画した
動揺周期の範囲内で船が動揺している時は充分なる減少
効果を発揮できるが、積荷や海気象等の影響により設定
した動揺周期の範囲を大きく逸脱した動揺時や、或いは
逆に海気象の平穏時で動揺しない時は船の復原性を悪く
する。更に荷役中や海難損傷等で一定方向に定常傾斜を
生じた場合、傾斜した側へ移動用の液体が片寄り、船体
傾斜角も大きくなるからこのような状況では安定性の上
から液体の移動を停止させなければならない。また、減
揺効果の確認方法は、液体の移動時(以下作動という)
と液体の移動の停止時(以下非作動という)に於ける船
の横揺れ角度をそれぞれ計測しその値を比較する為、何
らかの方法で液体の動きを制御する必要がある。そこ
で、一般的に図5に示す、タンク21,22の上部にバ
ルブ25を介して連通させる空気ダクト24を設けタン
ク内部は気密状態とする。作勤時は、空気ダクトのバル
ブ25を開け、或いは非作動時には同じくバルブ25を
閉じる簡単な方法で、空気の流通を制御することにより
液体の移動も制御する方法が知られている。だが、船の
用途によっては魚倉や貨物倉等の区画部しか減揺水槽の
設置場所が無い場合、積荷やその他の要因で上部の空気
ダクト24とバルブ25は邪魔になるから、空気ダクト
を左右それぞれ独立させた開放式や、或いは空気ダクト
を減揺水槽の中に入れ、この空気ダクト内へ液体が侵水
しないように工夫した構造の屈折した空気ダクトを設け
る方法も考案された。(例えば、公開実用新案 昭63
−89897号 公報参照)
【0003】
【考案が解決する課題】 しかしながら、減揺水槽を制
動させる制御装置を持たない減揺水槽では乗組員に多大
の労力を負わせる。それは、作動時は排水量(船の重
さ)の3〜5%という多量の移動用液体を減揺水槽に注
入する。そして非作動とするには、減揺水槽を空にすべ
く液体を船外に排出しなければならない。この注排出に
はその都度30分〜1時間を要するので減揺効果の確認
時や特に入出港の多忙な時の作業に難点があり、しか
も、船の安全性に欠く事のできない緊急非作動(停止)
時に於ける対応に問題点を有している。また、特に鮪延
縄漁船のように小型船でありながら波浪中の漁場に於け
る操業が多く減揺の必要性が高いにも拘らず、総トン数
や漁具、漁労方法等の制約から甲板上には設置場所は無
く、かと云って、魚倉内では超低温の氷点下40〜60
度という状況であるから、図5に示すような空気ダクト
及びバルブを備える従来の方法では、空気ダクト用バル
ブの設置やその開閉操作に技術的な無理があり減揺水槽
を装備する事はできなかった。
【0004】
【目的】 本考案は、このような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、上部に空気ダクトと仕切(バ
ルブ)装置が設けられない場合であっても、簡便に作
動、或いは非作動の制動を制御できる減揺水槽を提供す
る事を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本考案の減揺水槽は、
船体の両舷に設定した一対の少なくとも2つのタンクと
これらタンクの底部に液体移動用の液体ダクトで連結
し、U字管型に構成して成る気密な減揺水槽において、
両端をタンク内の上部付近に開放し、中央部を液体ダク
トの頂板より低い位置に設け、液面に没するに成した空
気を通す空気ダクトを減揺水槽内に配し、この空気ダク
内に減揺水槽内の液体を注入し、或いはその液体を減
揺水槽へ排出(移送)する手段を備える。
【0006】
【作用】 空気ダクト内に液体を注排出する事により一
種の仕切(バルブ)装置としての効果が得られるので、
左右のタンク間の空気の流通を簡単に制御できるから、
従来の上部に設ける方式の空気ダクト及びバルブ等を省
略しても安心して使用できる。
【0007】
【実施例】 以下、本考案の一実施例を図面を参照して
更に説明する図1の減揺水槽1は、2つのタンク2,3
とこれらタンクの各底部を連結する液体ダクト4が液体
連通手段として一体に形成されている。液体を減揺水槽
1内に注入し、或いは排出するために減揺水槽1の適当
な箇所に、タンク用液体注入管11、タンク用液体排出
管8、空気抜き管14が設けられている。これら液体注
入管、排出管、空気抜き管にはそれぞれバルブ等が備え
られ、該バルブを閉じることにより減揺水槽を気密に保
つことができる。また、図示していないが液面高さを確
認する液面計や測深管なども設けて有る。
【0008】 更に、タンク2,3の上部付近に、両端
を開放し中央部は液体ダクトの頂板より低い位置に設
け、液面15に没するように成した空気連通管である空
気ダクト5が設けられており、空気ダクト内が空のと
き、タンク2,3内の空気がこの空気ダクトを通って流
通することにより、タンク2,3内の液体の移動を許容
する。
【0009】 空気ダクト5には、タンク内の液体を空
気ダクト内へ注入し、或いは排出(移送)する注排出兼
用の空気ダクト用液体注排出管6がタンク用液体排出管
8とポンプ13を介してタンク用液体注入管11及びそ
の他のタンク用管と共に接続され、これらの管には、液
体の移送経路を制御するために必要なバルブ(7,9,
10,12)を取り付ける。
【0010】 このような構成において減揺水槽1の使
用に際しては、図1に示す、空気抜き管14のバルブを
開き外気との流通を自由にさせ、ポンプ13を介してタ
ンク用液体注入管11より、液面15が少なくとも液体
ダクト4の高さ以上のその減揺水槽に合った最適な液面
高さになるまで注入した後、タンク用液体注入管11の
バルブ12や空気抜き管14のバルブなどを閉じて減揺
水槽1内を気密にする。この時の液体の状態を図2に示
すがダクトの形状は誇張してある。
【0011】 減揺水槽1の作動時は、図4に示すよう
に、空気ダクト5の内に液体は入れ無い。この場合は、
空気ダクト5を介して両タンク2,3の空気が自由に流
通できるので船体の横揺れに対応して液体も移動する。
【0012】 減揺水槽1の非作動は、空気ダクト専用
の液体注排出管6のバルブ7とタンク用液体排出管8の
バルブ9を開くことにより、タンク内の液体が空気ダク
ト5内に液面15と釣合のとれる同じ高さになるまで自
然流入し、空気ダクト5内の空気は流入した液体の容積
分だけタンク2,3へ流出する。しかも、液体と空気は
減揺水槽1内を移動するものであるから、空気抜き管1
4を開閉する必要はなく、減揺水槽内は気密のままでよ
い。そして、空気ダクトに流入した液体が連結されたタ
ンク間の空気の流通を遮断するため、液面15より上の
空所は空気ダクトを含むタンク2,3毎に独立した状態
になる。従って両タンク内の上部は気密になっており、
図3に示すように、船体が傾斜しても移動用液体は、空
気が圧縮される僅かな量の分しか移動することができな
い。この僅かな移動量は減揺効率の許容範囲から判断す
ると非作動状態といえる。空気ダクト内に液体を注入
(非作動状態)の時と、空気ダクト内を空(作動状態)
の時の、船体横揺れ実験計測結果の1例を図6に示す。
波形の振幅が大きいほど船体横揺れが大きいことを示
す。同図が示すように、空気ダクト内に液体を入れたと
きは、減揺水槽の液体移動は停止するから、減揺モーメ
ントを得ることが出来ず船体横揺れ角は大きく、また、
空気ダクト内を空にすると、液体移動が可能となり減揺
モーメントを得て、船体横揺れ角が小さくなっているこ
とが解る。
【0013】 また、この非作動状態から作動させたい
時や、或いは作動中、飛沫などにより空気ダクト5内に
液体が蓄積された時は、タンク用液体排出管8のバルブ
9を閉じ、同じくバルブ10を開けて、空気ダクト用液
体注排出管6よりポンプ13を介しタンク用液体注入管
11を通して空気ダクト5内の液体を減揺水槽内へ排出
(移送)すると、空気ダクト5内は空気の流通が可能に
なりタンク2,3間の液体も自由に移動して作動状態と
なる。しかも、このダクト内の液体は、減揺水槽の必要
量に比べ1/30〜1/50の小量でよいので、一般的
に船舶が装備している口径40〜60mmのポンプ能力
からすると、1〜2分程度の所要時間で排出(移送)で
きる。
【0014】 更に、本考案の減揺水槽によれば、空気
ダクトの両端をタンク2、3内の上部付近に開放し、中
央部を液体ダクトの頂板より低い位置に設け、液面15
没するようにしてあれば、空気ダクト本体は、減揺装
置の前後方向の外に設けても良く、その形状や断面積の
値等は装備する船ごとに設計者が適宜選択する。又、空
気ダクトの液体の注排出は減揺水槽内を対象とする事が
望ましいが、外部タンク等を利用する手段でも構成的に
は可能である。尚、液体の注、排出用ポンプを専用に装
備するか或いは、船内に装備されている在来のポンプと
兼用でもよく、尚かつ、液体の移送経路を制御するバル
ブの開閉は手動式、或いは遠隔操作式等その設備や配管
系統に束縛されるものではない。
【0015】
【考案の効果】 以上の説明からも明らかなように、空
気ダクト内へ液体を注排出する簡単な手段で容易に仕切
(バルブ)装置としての効果が得られる。しかも、空気
ダクト内の液体は少量でよいから短時間の操作で作動、
或いは非作動状態とする事が出来る。尚且つ、上部に設
ける従来の空気ダクトやバブル等は不要であるから貨物
倉や超低温魚倉等の区画内でも何等制約を受ける事無く
減揺水槽を設置する事が可能になる。
【0016】 更に、空気ダクト内の液体は排出(移
送)できるので、空気ダクトの両端部付近に液体流入防
止を施す必要も無く、タンク上部の空所も液体で満タン
にする事も可能になるから、例えば、燃料油槽の一部を
減揺水槽と兼用すベく構成し燃料油を満タンにして出港
する。そして燃料油を適当に消費した後、減揺水槽とし
て最適な液面高さが得られる時点で使用すれば、船舶の
限られたタンク容積を有効に利用する事も可能となる。
尚、出港時の全燃料油量の約10%を予備燃料とする事
が通常であり、この予備燃料を減揺水槽の移動用液体と
して用いても容量的に充分満足できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の減揺水槽の1実施例を示す全体構成図
【図2】本考案に於ける横断面図(ダクトの形状は誇張
してある)
【図3】停止時の液体の状態を示す本考案の横断面図
(ダクトの形状は誇張してある)
【図4】作動時の液体の状態を示す本考案の横断面図
(ダクトの形状は誇張してある)
【図5】従来の減揺水槽
【図6】 空気ダクト内に液体を注入した時と、空にし
た時の船の横揺れ動揺状態を示す。
【符号の説明】
1・・・・・・減揺水槽 2,3・・・・・・タンク(ウィングタンク) 4・・・・・・液体ダクト(液体移動用ダクト) 5・・・・・・空気ダクト(空気連通管) 6・・・・・・空気ダクト用液体注排出管(注入、排出
兼用管) 7,9,10,12・・・・・・バルブ 8・・・・・・タンク用液体排出管 11・・・・・・タンク用液体注入管

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体の両舷に設定した一対の少なくとも
    2つのタンク2,3と、これらタンクの底部に液体移動
    用の液体ダクト4で連結したU字管型にして成る気密な
    減揺水槽1において、両端をタンク2,3内の上部付近
    に開放し、中央部を液体ダクトの頂板より低い位置に設
    け、液面15に没するように成した空気を通す空気ダク
    ト5を減揺水槽1内に配し、この空気ダクト5内にタン
    ク内の液体を注入、或いは、その液体を排出(移送)す
    る手段を備えることにより、タンク2,3間の空気の流
    通を制動して減揺水槽の操作(移動用液体の作動、或い
    は停止)を可能とする事を特徴とする船舶の減揺水槽。
JP1991087624U 1991-07-29 1991-07-29 船舶の減揺水槽 Expired - Lifetime JPH0754075Y2 (ja)

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JPH0512394U JPH0512394U (ja) 1993-02-19
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980048355A (ko) * 1996-12-17 1998-09-15 이대원 선박 균형 장치
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