JPH0424189A - 液体貨物流出抑制式液体貨物運搬船 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油槽船等の液体貨物運搬船に関し、特に座礁
等による船体の損傷時に液体貨物の船外への流出を抑制
できるようにした液体貨物流出抑制式液体貨物運搬船に
関する。

〔従来の技術〕

従来の油槽船としては、第５，６図に示すようなものか
あり、第５図はその縦断面を示し、第６図のＡ部分およ
びＢ部分は、それぞれ第５図のＡＡ矢視断面およびＢ−
Ｂ矢視断面の各半部を示している。

この油槽船では船底部が単底構造を有し、図中の符号１
は船底外板、２は上甲板、３は横置隔壁、４は縦通隔壁
、８はバラストタンクとしての空槽、９は荷役用パイプ
、１２は荷役用ポンプ、１８は貨油槽を示している。こ
のような単底構造の油槽船の場合には各貨油槽１８を広
くすることができ、また船舶を安価に建造できる利点が
ある。

しかしながら座礁等により船底外板１に破孔を生じると
、同破孔に対応する貨油槽１８から大量の原油を流出し
、海水の汚染を招くことになる。

そこで第３図および第４図に示すような二重船殻構造の
油槽船の開発が進められており、同図中の符号１１は内
底板、１４はバラストタンクとしても使用できる空所区
画、１５は縦通隔壁を示している。

このような二重船殻構造の油槽船では、座礁等により船
底外板１に破孔を生じても貨油槽１８からの原油の流出
を防止することができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述のように船底部を二重底構造にして
も、内底板１１まで破孔を生じた場合は貨油の船外への
流出を防止できないという問題点がある。

また、内底板１１は、船体強度上、中立軸からかなり離
れているため、重構造にしなければならず、これにより
船体重量の大幅な増加を招き、建造コストの上昇を招く
という問題点がある。

さらに、上述のような二重底構造の油槽船では貨油槽１
８の容積の減少を招き、輸送効率が低下するという問題
点もある。

本発明は、上述のような諸問題の解決をはかろうとする
もので、単底構造のまま液体貨物槽の容積を十分に確保
しながら、簡素な手段により緊急時に液体貨物を空槽へ
移せるようにして、その船外への流出を最小限度に抑え
られるようにした液体貨物流出抑制式液体貨物運搬船を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するため、本発明の液体貨物流出抑制
式液体貨物運搬船は、船内に、隔壁で仕切られた液体貨
物槽と空槽とをそなえ、上記液体貨物槽を上部区画と下
部区画とに分割する軽構造の中甲板が設けられて、同中
甲板に上記の上部区画と下部区画との連通および遮断を
行なうバルブが装着されるとともに、船体損傷時に上記
下部区画の内部から船外の海水中へ通じる破孔を生じた
場合に同破孔を通じて液体貨物が船外へ流出するのを抑
制すべく、上記下部区画の上部に、通常時は閉塞されな
がら緊急時には開放されて上記下部区画内の液体貨物を
上記空槽へ流入させうる緊急時流通手段が設けられたこ
とを特徴としている。

〔作　用〕

上述の本発明の液体貨物流出抑制式液体貨物運搬船では
、液体貨物槽の上部区画および下部区画に液体貨物を満
載した状態でも、また空荷状態でも、中甲板に設けられ
たバルブは常時開放されるが、緊急時流通手段は閉鎖状
態に保たれるそして、万−座礁等により上記下部区画に
破孔を生じた場合は、同破孔を通して急激に液体貨物が
流出するのを抑制するため、上記バルブは一時的に閉鎖
される。ついで上記緊急時流通手段が開放されて、上記
下部区画から空槽へ液体貨物の移送が開始されると、上
記バルブは再び開放され、上記上部区画内の液体貨物は
、上記下部区画および緊急時流通手段を経由して、上記
空槽へ流れる。

このようにして、上記上部区画内の液面が船体の吃水線
付近まで降下した段階で上記バルブは閉鎖され、下部区
画内で同区画の上部から空槽へ移送される液体貨物と置
換されるようにして破孔を通し導入された海水の水圧力
により、上記中甲板上の液体貨物の重量が支持される。

〔実　施　例〕

以下、図面により本考案の一実施例としての液体貨物流
出抑制式液体貨物運搬船について説明すると、第１図は
その縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視断面および
Ｂ−Ｂ矢視断面の各半部を合成して模式的に示す船体の
横断面図である。

第１．２図に示すように、油槽船としての液体貨物運搬
船において、船内に、油槽としての液体貨物槽５，６と
バラストタンクとしての空槽８とが、横置隔壁３および
縦通隔壁４で仕切られるようにして多数配設されている
。

そして、液体貨物槽５，６は、船体強度上、中立軸に近
い位置に設けられた軽構造の中甲板７により、上部区画
５と下部区画６とに分割されている。中甲板７の位置は
、例えば、満載吃水線１７が上甲板２と中甲板７との距
離の２等分位置にくるように選択される。

また、中甲板７には上部区画５と下部区画１６との連通
および遮断を行なうバルブ１３が装着されている。

さらに、この液体貨物運搬船では、液体貨物槽の下部区
画６の上部に、通常時は閉塞されながら、緊急時には開
放されて下部区画６内の液体貨物を空槽８へ流入させう
る緊急時流通手段として、配管１０が接続されるととも
に、同配管１０にバルブＩＱａが介装されている。

上述の実施例の液体貨物流出抑制式液体貨物運搬船では
、液体貨物槽の上部区画５および下部区画６に液体貨物
を満載した状態でも、また空荷状態でも、中甲板７に設
けられたバルブ１３は常時開放されるが、緊急時流通手
段におけるバルブ１０ｍは閉鎖状態に保たれる そして、万−座礁等により下部区画６に破孔を生じた場
合は、同破孔を通じて急激に液体貨物が船外へ流出する
のを抑制するため、バルブ１３は一時的に閉鎖される。

ついで緊急時流通手段のバルブ１０ａが開放されて、下
部区画６から空槽８へ液体貨物の移送が開始されると、
中甲板７におけるバルブ１３は再び開放され、上部区画
５内の液体貨物は、上部区画６および緊急時流通手段１
０．１０ａを経由して、空槽８へ流れる。

このようにして、上部区画５内の液面１６が船体の吃水
線１７付近まで降下した段階でバルブ１３は閉鎖され、
下部区画６内で同区両６の上部から空槽８へ移送される
液体貨物と置換されるようにして破孔を通じ導入された
海水の水圧力により、中甲板７上の液体貨物の重量が支
持される。

上述のごとく、中甲板７は、緊急時にバルブ１３を閉鎖
されても、下部区画６の内圧により上部区画５内の液体
貨物を支持され、また通常時にはバルブ１３を開放され
て、上部区画５と下部区画６とを連通状態にされるので
、二重底構造を採用した場合の内底板と比べて、強度的
に著しく有利となり、中甲板７が船体の中立軸付近に設
置されると更に強度的に有利となって、中甲板７を軽構
造にしても不具合をきたすことはない。

したがって、船体重量の大幅な増加を回避することがで
き、また建造コストの節減にも寄与することができる。

さらに、二重底構造の場合に比べて、液体貨物槽５，６
の容積減少を招くことはなく、輸送効率の観点からみて
も有利となるのである。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、本発明の液体貨物流出抑制式液体
貨物運搬船によれば、次のような効果ないし利点が得ら
れる。

（１）船体に破孔を生じた場合、その初期には液体貨物
槽を上部区画と下部区画とに仕切る中甲板のバルブが閉
鎖されるので、上記破孔を通じ液体貨物が船外へ流出す
るのを最小限度に抑制することができる。

（２）上記バルブの閉鎖後、緊急流通手段が開放されて
、上記下部区画の上部から空槽へ液体貨物が移されるの
に伴い、上記バルブが再び開かれて、上部区画内の液体
貨物の液面が吃水線付近まで低下するように操作され、
ついで上記バルブの閉鎖が行なわれるので、中甲板に大
荷重がかかることはなく、また中甲板を船体の中立軸付
近に設けうろことと相まって、同中甲板を軽構造にして
重量の節減および建造コストの低下をはかることができ
る。

（３）上記中甲板は、二重底構造の内底板に比べて、船
底外板から上方へ著しく離れた位置に設けることができ
るので、座礁時における中甲板の損傷を回避することが
できる。

（４）上記中甲板は液体貨物槽の内部を上下に仕切るだ
けなので、二重底構造にした場合と比べて、液体貨物槽
の容積の減少を招かないですむ利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１．２図は本発明の一実施例としての液体貨物流出抑
制式液体貨物運搬船を示すもので、第１図はその縦断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ矢視断面およびＢ−Ｂ矢視
断面の各半部を合成して模式的に示す船体横断面図であ
り、第３，４図は従来の油槽船を二重底構造にした場合
を示すもので、第３図はその縦断面図（第４図の■−■
矢視断面図）、第４図は第３図のＶＩ−Ｖｌ矢視断面図
であり、第５．６図は従来の単底構造の油槽船を示すも
ので、第５図はその縦断面図、第６図は第５図のＡＡ矢
視断面およびＢ−Ｂ矢視断面の各半部を合成して模式的
に示す船体横断面図である。 １・・・船底外板、２・・・上甲板、３・・・横置隔壁
、４・・・縦通隔壁、５・・・液体貨物槽の上部区画、
６・・・液体貨物槽の下部区画、７・・・中甲板、８・
・・空槽、９・・・荷役用パイプ、１０・・・緊急時連
通手段の配管、１０ａ・・・緊急時連通手段のバルブ、
１１・・・内底板、１２・・・荷役用ポンプ、１３・・
・バルブ、１４・・・空所区画、１５・・・縦通隔壁、
１６・・・液面、１７・・・吃水線、１８・・・貨油槽
。 代理人　弁理士　飯　沼　義　彦 第 図 第 図 茅 図 ■ 第 図 ■ 第 図 第 図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 液体貨物運搬船において、船内に、隔壁で仕切られた液
   体貨物槽と空槽とをそなえ、上記液体貨物槽を上部区画
   と下部区画とに分割する軽構造の中甲板が設けられて、
   同中甲板に上記の上部区画と下部区画との連通および遮
   断を行なうバルブが装着されるとともに、船体損傷時に
   上記下部区画の内部から船外の海水中へ通じる破孔を生
   じた場合に同破孔を通じて液体貨物が船外へ流出するの
   を抑制すべく、上記下部区画の上部に、通常時は閉塞さ
   れながら緊急時には開放されて上記下部区画内の液体貨
   物を上記空槽へ流入させうる緊急時流通手段が設けられ
   たことを特徴とする、液体貨物流出抑制式液体貨物運搬
   船。