JP4283931B2 - エンコーダの信号エラー検出装置 - Google Patents

エンコーダの信号エラー検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンコーダの信号エラー検出装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、エラー検出装置において検出されたエラー信号を処理する手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの位置や速度を検出するのに、図11(A)に示すような90度位相の異なる2つのパルス信号を用いた場合、通常は、2つのパルスから図11(B)に示すCWパルス、CCWパルスのようにカウンタ入力用加工パルスを生成している。このような2つのパルスは、H状態とL状態との状態変化(遷移)がA相とB相とで順番に繰り返され、状態遷移が同時に起こらないように生成されている。したがって、A相の状態とB相の状態の組み合わせは図12に示すように(反)時計回りに移り変わり、H/H状態とL/L状態の間あるいはH/L状態とL/H状態の間で状態が直接遷移する無効な状態遷移が生じることがない。
【0003】
しかし、A相、B相の2つのパルス信号のいずれか一方あるいは両方にノイズが混入した場合に、無効な状態遷移が生じることがある。例えば図13(A)に示すようにノイズ101が両パルスに混入すると、▲1▼〜▲3▼までは有効に状態遷移していたものが、▲4▼のノイズの同時立ち上がり時あるいは▲5▼の同時立ち下がり時において、図13(B)に示すようにL/L状態とH/H状態との間で無効な状態遷移が生じることがある。
【0004】
この場合、従来のエラー検出装置は、A相信号とB相信号の状態遷移を監視し、無効な状態遷移を検出した場合には検波エラーとしてモータへの通電を停止し、誤動作を防止していた。
【0005】
また、特開平2−19714号公報には、A相信号およびB相信号のぞれぞれの立ち上がりまたは立ち下がりを検出する回路により、A相信号とB相信号が同時に変化した場合にインクリメンタルエンコーダが異常状態を出力する異常検出方法に関する技術が掲載されている。さらに特開平4−324367号公報には、A相信号とB相信号が同時に変化したときにノイズによるパルスと判断し、このパルスがエンコーダの信号の変化と同時に発生した場合にはカウント出力をマスクして出力しないようにするパルス列変換回路に関する技術が掲載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエラー検出装置および特開平2−19714号公報に記載の技術では、無効な状態遷移を検出すると即座にエラーであると判断しているため、エンコーダのパルス信号に同時にノイズが混入した場合、即座にエラー信号が出力されてモータなどの機器が停止してしまう欠点がある。ノイズが微小であり、停止させなくても機器の運転の継続に支障がない場合にこの欠点はより顕著である。
【0007】
一方、特開平4−324367号公報の技術では、エンコーダ信号の位相ずれ等のエンコーダの故障が検出できず、またノイズと信号が同時に発生したとき単純に出力をマスクしているだけで誤カウントが生じ、位置把握がおかしくなるおそれがある。
【0008】
そこで本発明は、ノイズによる誤動作を防止してノイズに対する耐性を向上させ、あるいはエンコーダの故障を検出して誤動作を防止することができるエンコーダの信号エラー検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明のエンコーダの信号エラー検出装置は、互いに90度位相の異なる第1のパルスと第2のパルスとが移動方向に応じて4つの状態を、定められた順番に状態遷移しながら繰り返すように出力されるエンコーダの信号エラー検出装置において、第1のパルスと第2のパルスとが入力されて第1のパルスと第2のパルスとの状態遷移を検出する状態遷移検出手段を設け、該状態遷移検出手段は定められた順番以外の状態遷移を無効遷移出力として出力するようになっており、無効遷移出力の出力後の状態遷移によりエラー出力を出すようにしたものである。
【0010】
この装置では、定められた順番に沿って第1パルスと第2のパルスの状態が遷移している限りは有効な状態遷移であると判断して動作をしない。一方、順番以外の状態遷移が検出されれば無効なものであるという判断を保持したまま最終判断を保留することが可能である。この場合は、判断を保留したままその後に生じる状態遷移を検出し、この検出結果を併せて検討することによって最初に検出された結果に判断を下すことができる。つまり、無効遷移出力が検出された場合に、即座に機器を停止させるのではなく後の結果を併せて確認してから最終的に判断をすることが可能である。
【0011】
すなわち、無効状態検出後の状態遷移を確認し、その内容を確認することによって最初の無効状態遷移を無視することができ、したがって結果的にエンコーダ信号と一致しないノイズを除去することができる。よって、無効遷移が検出されても結果的に機器を停止させなくて済むような場合に、最初の検出で機器を停止させてしまう無駄を防止することができるし、ノイズによる誤動作を防止してノイズに対する耐性を向上させることもできる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンコーダの信号エラー検出装置において、無効遷移出力が2回連続して出力された時は、エラー出力を出さないようにしたものである。例えば2つのパルス信号に同時にかつエンコーダの状態遷移とは独立してノイズが混入した場合にエラーとならず、また誤カウントもないためノイズの多い環境でも使用可能となる。また、エンコーダ信号の誤配線による誤動作を検出することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のエンコーダの信号エラー検出装置において、無効遷移出力が出力された後所定時間状態遷移がなかった時、又は、無効遷移出力が3回以上の定められた回数連続して出力された時は、エラー出力を出すようにしたものである。これによればエンコーダ機能の停止を検出することができる。また無効遷移出力を2回検出しノイズを除去した後に生じたノイズ混入を検出することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のエンコーダの信号エラー検出装置において、状態遷移の間隔を検出するタイマー手段と、無効な状態遷移と有効な状態遷移との発生関係を判定する状態遷移順序判定手段とを設け、状態遷移の間隔と状態遷移の発生順序とに基づいてエラー出力を出すようにしたものである。この場合、ノイズとエンコーダの故障を判別し、エンコーダの故障のみをエラーとして、ノイズによる誤カウントを修正することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のエンコーダの信号エラー検出装置において、エラー出力をクリアするエラークリア信号は一定周期で自動発信し、又は手動発信するようにしたものである。この場合、カウンタの値を確認してノイズ環境のモニタに利用し得るものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1〜図10に、本発明のエンコーダの信号エラー検出装置の一実施形態を示す。このエンコーダの信号エラー検出装置は、互いに90度位相の異なる第1のパルス(以下「A相信号」ともいう)1と第2のパルス(以下「B相信号」ともいう)2とが移動方向に応じて4つの状態を、定められた順番に状態遷移しながら繰り返すように出力されるエンコーダの信号エラーを検出するものである。そして、本実施形態の信号エラー検出装置は、A相信号1とB相信号2とが入力されてA相信号1とB相信号2との状態遷移を検出する状態遷移検出手段3を備えて設けられている。この状態遷移検出手段3は、定められた順番以外の状態遷移を無効遷移出力として出力するようになっており、無効遷移出力の出力後の状態遷移によりエラー出力を出すようにしている。
【0018】
なお、以下の説明において、ノイズが混入した場合に想定される各種波形の形態を表1に例1〜例14として示し、さらに、例1〜例14の各波形をそれぞれ図8(A)〜(J)あるいは図9(A)〜(D)に図示している。
【0019】
【表1】
Figure 0004283931
【0020】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。例えばA相信号1とB相信号2の両方に微小時間のノイズ信号9が同時に混入して例1〜例4に示すような波形となった場合、各信号1,2は、ノイズ信号9が混入している微小時間の間だけ図8に示すように瞬時的に逆相に遷移している。この場合、A相の状態(H状態であるかL状態であるか)とB相の状態の組み合わせを(A相の状態)/(B相の状態)のように示すと、例1の波形ではノイズ信号3の混入によってL/L状態→H/H状態→L/L状態と遷移し、無効な状態遷移が2回連続して生じることとなる。また、例2〜例4においても同様に無効な状態遷移が2回連続で生じている。
【0021】
ここで、ノイズ信号9が消滅した後はA相信号1およびB相信号2は通常の状態に復帰しており、ノイズ混入による位置ずれという影響を受けていない。したがって、この微小時間のノイズ信号9の混入を検出しなくてもその後に影響を及ぼすことなくパルス信号出力を継続することが可能である。
【0022】
そこで、本実施形態の信号エラー検出装置では、無効遷移出力が2回連続して出力された時は、この無効遷移出力は波形に影響を及ぼさないノイズ信号9によるものと判断し、エラー出力を出さないようにしている。このように、微小時間のノイズ信号9をなかったものとみなすことによりエンコーダ信号と一致しないノイズ信号9を除去し、エラー検出装置のノイズに対する耐性を向上させることができる。
【0023】
本実施形態のエラー検出装置を構成する回路は、例えば図1に示すように設けられている。この回路では、A相信号1とB相信号2を状態遷移検出手段3に入力し、両信号1,2の立ち上がり時あるいは立ち下がり時に表れるCW信号あるいはCCW信号を有効な状態遷移時の信号として出力している。ここでは状態遷移を検出する回路を状態遷移検出手段3とし、この回路にA相信号1およびB相信号2を入力するとともに少なくとも3系統の信号を出力し、状態遷移の有効無効を検出している。なお、この場合の状態遷移検出手段3は回路によって構成することとしているが、例えばソフトなどによって構成することも可能である。
【0024】
一方、異常な状態遷移を検出するため、CW出力とCCW出力をOR回路6に入力して得られる信号と、無効な状態遷移時に出力される状態遷移検出回路3からの無効遷移出力を、入力信号により0、1を交互に繰り返すように構成したトグル手段4にてトグル反転した信号とをAND回路5に入力し、このAND回路5からの出力をエラー出力としている。これにより無効な状態遷移の次に有効な状態遷移があった時のみエラーが出力され、無効な状態遷移の連続はエラーにならず、例1、例2、例3、例4に示されるノイズ信号は除去され、ノイズに強くかつ誤動作しないエンコーダ信号処理の実現が可能になる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施形態は、例えば図2に示すような回路を用い、無効遷移出力が出力された後所定時間状態遷移がなかった時、又は、無効遷移出力が3回以上の定められた回数連続して出力された時は、エラー出力を出すようにしたものである。この回路は、第1の実施形態におけるトグル手段4およびAND回路5をカウンタ7に置き換えたような構成であり、無効な状態遷移発生時に出力されるパルス(PE)をカウンタ7に入力し、カウント値が3回以上となったときにエラーを出力するようにしている。このカウンタ7の値は、正常な状態遷移発生時に出力されるCW出力またはCCW出力のOR信号にてクリアするようにしている。
【0026】
この機能により、図9(C)に示す例13のような故障、誤配線(エンコーダのA相信号1だけを制御装置のA相入力、B相入力に接続してしまったような場合)を検出できる。なお、カウンタ7のクリアをCW信号やCCW信号ではなく一定周期又は手動にて実行し、カウンタ7の値をみることによってノイズ環境をモニタするのに利用することができる。
【0027】
また第3の実施形態では、信号エラー検出装置は図3に示すようにタイマー手段8を備えた回路によって構成されている。この回路は、A相信号1やB相信号2において無効な状態遷移が発生した後、一定時間経過するまでに次の状態遷移がなければ動作していないなどの状況を検出してエラー信号を出力する。この実施形態では、一定時間を計測するため回路中にタイマー手段8を設置し、第1の実施形態で無効な状態遷移発生時に出力されるパルス(PE)によってこのタイマー手段8を起動するようにしている。タイマー手段8は正常な状態遷移発生時に出力されるCW出力とCCW出力又はPEによってクリアされ、停止する。
【0028】
この実施形態での信号エラー検出装置は、上述の機能を備えることによって例えば図9(D)に示す例14のような故障(A相信号1およびB相信号2のシールド、フレームグラウンドへのショート、エンコーダ電源の遮断などによるエンコーダ機能の停止など)が検出できる。なお、本実施形態における一定時間は、通常ノイズでは発生し得ない程度の時間に設定するようにしている。
【0029】
さらに、本発明の第4の実施形態は以下のとおりである。すなわち、図4に示すように、信号エラー検出装置は状態遷移の間隔を検出するタイマー手段(本実施形態では特に図示していないが状態遷移順序判定手段10と一体的に設けられている)と、無効な状態遷移と有効な状態遷移との発生関係を判定する状態遷移順序判定手段10とを備えるように設けられ、状態遷移の間隔と状態遷移の発生順序とに基づいてエラー出力を出すようにしている。本実施形態では、必要ある場合にカウンタパルスの修正を図るが、このときの修正あるいは無修正の判定結果は図4に破線で示すようにしてCW信号あるいはCCW信号とともに出力される。
【0030】
また本実施形態における信号エラー検出装置では、まずノイズ信号を対象としてエンコーダの最高周波数よる状態遷移時間より短くなるように特定の時間を設定する。ある状態遷移から次の状態遷移までの時間が特定の時間以内の場合には無効な状態遷移と有効な状態遷移との関係を判断してパルス出力を修正する。ここで、無効な状態遷移と有効な状態遷移が発生した場合、以下のように場合分けすることができるので、それぞれの場合について図を用いて説明する。
【0031】
第一に、無効な状態遷移が発生した場合の処理は、▲1▼−▲1▼〜▲1▼−▲3▼に示すように3つの態様がとり得る。まず、図5に示すようにB相信号2にノイズ信号9が混入した場合、A相信号1の立ち上がりとB相信号2の立ち下がりとが重なればノイズ信号9に対応してPE信号が出力されるとともに、本来出力されるべきであったCW信号(図5中破線で表示)の代わりにCCW信号が出力される。この場合は即座にエラー扱いとせず、特定時間の間に有効な状態遷移があるどうか検出するため待機する。そして、▲1▼−▲1▼PE信号出力時から特定時間内に有効な状態遷移があった場合は、エラーとせず回路によって検出される回転方向とは逆方向のカウントパルスを出力して、ノイズによる誤カウントを修正する。例えば図5ではB相信号2のノイズ後半の立ち上がり時にCCW信号が出力されるが、本来ならここでCW信号が出力されるべきであったため、このCCW信号を反転して逆方向のCW信号とする。この場合、位置はずれるがカウント数はずれないため、引き続きカウントを続行することができる。この▲1▼−▲1▼によれば、図8(E)、(F)に示す例5や例6のように、一方の信号に混入したノイズの立ち上がりが他方の信号のパルス変化と一致した場合にこのノイズを除去することが可能となる。
【0032】
また、▲1▼−▲2▼特定時間内に状態遷移がなければ図6に示すようにエラーであると判断し、エラー信号を出力する。これにより、例えば図9(A)、(B)に示す例11や例12のように、ノイズが混入した側の信号の後端が他方の正常信号の変化に一致している場合にエンコーダの故障を検出することができる。
【0033】
さらに▲1▼−▲3▼特定時間内に無効な状態遷移があった場合はカウントパルス、エラーとも出力せず、次の状態遷移があるまで待機する。この場合、無効遷移出力が連続して出力されれば第1の実施形態と同様にしてノイズを除去することができる。
【0034】
第二に、有効な状態遷移が発生した場合の処理として図7に示すように▲2▼−▲1▼〜▲2▼−▲3▼の3つの態様がとり得る。なお、図7は回路中に遅延回路を組み込んだ場合の波形などを示したものであるが、本発明によってノイズを除去するにあたり、このような遅延回路などが組み込まれていることは処理に影響を及ぼさない。
【0035】
例えば図7に示すようにB相信号2にノイズが混入した場合、▲2▼−▲1▼特定時間内に無効な状態遷移があれば、エラー扱いとせず、回路によって検出される回転方向とは逆方向のカウントパルスを出力し、ノイズによる誤カウントを修正する。図7ではB相信号2にノイズ信号9が混入しており、このノイズによる信号変化のうち後半の立ち下がり変化に対応してCCW信号が出力されているが、これをCW信号に修正することによって引き続きカウントを継続することを可能としている。そして、この▲2▼−▲1▼によれば、例7や例8に示すように、一方の信号に混入したノイズの後半の変化が他方の信号のパルス変化と一致した場合にこのノイズを除去することができる。
【0036】
また、▲2▼−▲2▼特定時間内に有効な状態遷移があった場合は、図7に示すようにカウントパルスを出力するとともに時間計測を再スタートさせるようにする。一方、▲2▼−▲3▼特定時間以内に状態態遷移がない場合は、カウントパルスを出力して状態遷移の検出を待てば良い。
【0037】
以上説明したように、本発明のエンコーダの信号エラー検出装置によれば、エンコーダ信号と一致しないノイズを除去することにより、ノイズの影響を受け難い耐性の強い装置とすることができる。また、エンコーダ信号の誤配線による誤動作を検出することができるし、さらにはエンコーダ機能の停止を検出することもできる。加えて、ノイズとエンコーダの故障を判別してエンコーダの故障のみをエラーとし、ノイズによる誤カウントを修正することによりノイズに強く信頼性の高い装置とすることができる。
【0038】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した各実施形態ではそれぞれに例示した回路によってノイズを除去したり誤動作や機能停止を検出したりしているが、このように各回路を単独で機能させる他、それぞれを組み合わせて実施することも可能である。
【0039】
【実施例】
図1に示した回路と等価な回路の一例を図10に示す。この回路では、フリップフロップやセレクタなどの組み合わせにより状態遷移を検出して判定する回路が構成されている。また無効な状態遷移は、PE信号として出力されるとともにXOR(エクスクルーシブオア)回路11に送られ、トグル反転されてAND回路5に入力される。
【0040】
この回路は有効な状態遷移の発生時にはカウントパルスを出力して有効な状態遷移発生を示す。一方、無効な遷移状態発生時はXOR回路11およびその後段のフリップフロップでH状態とL状態の信号を交互に出力する。さらに後段のAND回路5では無効な状態遷移の次に有効な状態遷移が発生したことを検出し、エラー信号を出力する。エラーが出力された場合、エラー信号はエラー保持回路12において一時保持されるが、エラークリア信号によってクリアされる。この場合のエラークリア信号は、一定周期で自動発信し、あるいは手動発信するようにすることで、カウンタの値を確認してノイズ環境のモニタに利用し得るものとすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載のエンコーダの信号エラー検出装置によれば、無効遷移出力の出力後の状態遷移によりエラー出力を出すようにしているため、最初の検出で機器を停止させてしまう無駄を防止することができるし、ノイズによる誤動作を防止してノイズに対する耐性を向上させることもできる。
【0042】
また請求項2記載のエンコーダの信号エラー検出装置によれば、例えば2つのパルス信号に同時にかつエンコーダの状態遷移とは独立してノイズが混入した場合にエラーとならず、また誤カウントもないため、ノイズの多い環境でも使用可能となる。また、エンコーダ信号の誤配線による誤動作を検出することができる。
【0043】
さらに請求項3記載のエンコーダの信号エラー検出装置によれば、無効遷移出力が出力された後所定時間状態遷移がなかった時、又は、無効遷移出力が3回以上の定められた回数連続して出力された時はエラー出力を出すようにしているため、エンコーダ機能の停止を検出することができる。また無効遷移出力を2回検出しノイズを除去した後に生じたノイズ混入を検出することができる。
【0044】
また請求項4記載のエンコーダの信号エラー検出装置によれば、ノイズとエンコーダの故障を判別し、エンコーダの故障のみをエラーとしてノイズによる誤カウントを修正することができる。
【0045】
そして請求項5記載のエンコーダの信号エラー検出装置では、エラー出力をクリアするエラークリア信号は一定周期で自動発信し、又は手動発信するようにしているため、カウンタの値を確認してノイズ環境のモニタに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンコーダの信号エラー検出装置の第1の実施形態を示す装置の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す信号エラー検出装置の回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す信号エラー検出装置の回路図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す信号エラー検出装置の回路図である。
【図5】第4の実施形態において無効な状態遷移が発生した場合の▲1▼−▲1▼の処理を示す図である。
【図6】第4の実施形態において無効な状態遷移が発生した場合の▲1▼−▲2▼の処理を示す図である。
【図7】第4の実施形態において有効な状態遷移が発生した場合の▲2▼−▲1▼〜▲2▼−▲3▼の処理を示す図である。
【図8】ノイズが混入した場合に想定される各種波形の形態の例のうち例1〜例10を(A)〜(J)にそれぞれ示す図である。
【図9】ノイズが混入した場合に想定される各種波形の形態の例のうち例11〜例14を(A)〜(D)にそれぞれ示す図である。
【図10】本実施例において例示する回路例を示す図である。
【図11】(A)90度位相エンコーダ信号と(B)カウンタ入力用パルスを示す図である。
【図12】エンコーダ信号のA相の状態とB相の状態の組み合わせの状態遷移を示す図である。
【図13】(A)90度位相エンコーダ信号にノイズが混入した様子、(B)A相の状態とB相の状態の組み合わせが無効な状態遷移を生じている様子を示す図である。
【符号の説明】
1 A相信号(第1のパルス)
2 B相信号(第2のパルス)
3 状態遷移検出手段
8 タイマー手段
10 状態遷移順序判定手段

Claims (5)

  1. 互いに90度位相の異なる第1のパルスと第2のパルスとが移動方向に応じて4つの状態を、定められた順番に状態遷移しながら繰り返すように出力されるエンコーダの信号エラー検出装置において、上記第1のパルスと第2のパルスとが入力されて上記第1のパルスと第2のパルスとの状態遷移を検出する状態遷移検出手段を設け、該状態遷移検出手段は上記定められた順番以外の状態遷移を無効遷移出力として出力するようになっており、上記無効遷移出力の出力後の状態遷移によりエラー出力を出すようにしたことを特徴とするエンコーダの信号エラー検出装置。
  2. 上記無効遷移出力が2回連続して出力された時は、エラー出力を出さないようにしたことを特徴とする請求項1記載のエンコーダの信号エラー検出装置。
  3. 上記無効遷移出力が出力された後所定時間状態遷移がなかった時、又は、上記無効遷移出力が3回以上の定められた回数連続して出力された時は、エラー出力を出すようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のエンコーダの信号エラー検出装置。
  4. 上記状態遷移の間隔を検出するタイマー手段と、無効な状態遷移と有効な状態遷移との発生関係を判定する状態遷移順序判定手段とを設け、上記状態遷移の間隔と状態遷移の発生順序とに基づいてエラー出力を出すようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンコーダの信号エラー検出装置。
  5. エラー出力をクリアするエラークリア信号は一定周期で自動発信し、または手動発信するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエンコーダの信号エラー検出装置。
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