JP4283486B2 - 薄板支持装置およびイオン注入装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的大きな面積を持つ薄板状体、特に液晶表示板用ガラス基板の表面に活性な元素のイオン注入する装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板を製造する際は、ガラス板の表面を活性な元素のイオンを注入する工程が必要である。例えば、特開平6−342639号公報で「小型の高電流幅広ビームのイオン注入装置」が提案され、比較的広い面積を均一にイオン注入処理することが実施されている。
【0003】
この発明の明細書に記載されている被処理物であるシリコンウエハは、200mmないし300mmの直径を持つものを処理している。この装置でイオン注入される際はシリコンウエハを支持板の表面に支持させてその表面に活性元素のイオンビームを照射するようになっている。
【0004】
半導体回路を製造する素材であるシリコンウエハの場合は表面積が比較的小さいので、シリコンウエハが僅かに変形してもイオン注入の状態が不均一になるような支障をきたすようなことは比較的少ない。
【0005】
薄型、壁掛け型のデスプレイ装置として液晶テレビが適しているが、放送のデジタル化と共に大型で薄型のものが要求されるようになってきた。そのためにシリコンウエハより遥かの広い面積を持つ液晶ガラス板の表面を活性な元素のイオンを注入する必要が生じてきている。そこで従来のイオン注入装置は、液晶ガラス基板そのものを多関節ロボットに把持させて水平姿勢でイオン注入チャンバーに搬送している。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
しかし、この液晶用ガラス基板の搬送方法には問題がある。即ち、薄くて撓み易いガラス基板そのものを多関節ロボットを使用して搬送すると、ロボットアームの運動に伴う影響を受けて歪むとともに、そのガラス基板自体の自重によっても変形する。
【0007】
その上、ガラス基板をロボットのハンドで支持して移動させる際に、このガラス基板が空気抵抗を受けて搬送時の歪みが大きくなり、その結果、ガラス基板自体が不安定な状態で搬送されることとなる。
【0008】
このようなことから大型のガラス基板を処理する場合は、ガラス基板単体で取扱うことは危険である。
【0009】
そこで発明者等は、ガラス基板を支持する被処理基板支持装置(プラテン)を使用する方法を検討したが、これには下記の問題があった。
【0010】
1)被処理基板であるガラス基板の面積が大きくなると、それに応じて被処理基板支持装置も大形となってかつ重量が増加することから、これに見合ってロボットのアームと関節を大型にしなければならないと言う制限があった。
【0011】
そして多関節ロボットを使用した搬送装置部分は据付面積が大きくなると共に装置すなわち、設備費が増加すると言う欠点があった。
【0012】
2)一方、液晶基板用ガラス板を水平姿勢で置き、これをロボットのアームで把持して水平に移動させながら処理する場合は、広い面積で微細なゴミを受けるので、このゴミに起因する不良部分を発生しやすいと言う問題もあった。
【0013】
3)また、水平姿勢でガラス基板をハンドリングしてイオン注入を行う場合は、ガラス基板の背面全体がプラテンの表面に支持されていないことから歪み易い。そしてこのガラス基板の表面が前記各種の理由からあたかも波打つように変形し、これによって、ガラス自身が割れてしまうという問題があった。
【0014】
本発明は、前記のように薄い液晶用ガラス基板を水平姿勢で搬送してイオン注入処理する装置の前記1)〜3)にあげた問題点を解消する液晶表示装置用ガラス基板あるいは薄板状体の支持装置と、この支持装置を使用したイオン注入方法と、それを実施する装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
1)本発明に係る薄板支持装置4S(プラテン)は、
板部4bの周囲に枠部4aを形成した薄板支持フレーム4の周囲に複数の把持装置4dを配置した前記薄板支持フレーム4の片面に被処理基板pを重ね、この被処理基板pの周囲の複数箇所を前記把持装置4dで把持固定することが可能であると共に、この薄板支持フレーム4の下辺に、ロードロックチャンバー2に設けられた横搬送装置2aのワーク受け台26と係合できる係合部4eを設け、裏面に横ガイド部材4fを設けたことを特徴としている。
【0016】
2)本発明に係る薄板状体のイオン注入処理方法は、
前記薄板支持装置4Sの片面に被処理基板pを重ね、この被処理基板pの周囲の複数箇所を前記把持装置4dで把持固定した薄板支持装置4Sを、縦方向に立たせた姿勢でロードロックチャンバー2に供給する工程と、
このロードロックチャンバー2内を所定の減圧状態に排気処理する工程と、
このロードロックチャンバー2に隣接するプロセスチャンバー3の下室側3aに移送し、この薄板支持装置4Sの背後に設けた係合部材4gをプロセスチャンバー3内に配置された縦搬送装置6の連結部材7に係合支持させる工程と、
この縦搬送装置6を縦方向に移動させ、このプロセスチャンバー3の中間部を横断するように形成されているイオン照射部9を前記被処理基板pを通過させて上室3b側に移動させながらこの被処理基板pの表面にイオン注入した後、下室側3aを経由して前記ロードロックチャンバー2内に返送する工程と、
このロードロックチャンバー2内において大気圧とした後、このロードロックチャンバー2より外部に搬送することを特徴としている。
【0017】
3)本発明に係るイオン注入装置は、
被処理基板pを枠部4aの片面に支持可能で、背後に横ガイド部材4fを設けた薄板支持装置4Sと、両端を開口した筒状の本体2hと、この開口部をそれぞれ閉止する蓋体2b、2cを持ち、その内部を真空にでき、前記薄板支持装置4Sを立てた状態で通過させることが出来るロードロックチャンバー2と、このロードロックチャンバー2の一方の開口と接続できる開口を持ち、前記薄板支持装置4Sを縦方向に収容できる下側室3aと、この下側室3aの上方に連続して形成され、前記薄板支持装置4Sを縦方向に収容できる上側室3bと、前記下側室3aと上側室3bとの間に形成されたイオンビーム照射部9を有するプロセスチャンバー3とからことを特徴としている。
【0018】
4)本発明に係るイオン注入装置は、
前記ロードロックチャンバー2を構成する筒状の本体2hの下部に、前記被処理基板pを支持した薄板支持装置4Sの下部を保持して筒状の本体2hの内部に引き込み、あるいは本体2hの内部より薄板支持装置4Sをプロセスチャンバー3内に搬送する横搬送装置2aを持つことを特徴としている。
【0019】
5)本発明に係るイオン注入装置は、
ロードロックチャンバー2を構成する筒状の本体2h内に、薄板支持装置4Sの背後に設けた横ガイド部材4fを案内するガイド部材2Mを設けたことを特徴としている。
【0020】
6)本発明に係るイオン注入装置は、
板部4bの周囲に配置された枠部4aの片面に薄板状の被処理基板pを支持する薄板支持装置4Sと、
両端を開口した筒状の本体2hと、この開口部をそれぞれ閉止する蓋体2b,2cを持ち、その内部に前記薄板支持装置4Sを縦方向に収容して真空にできるロードロックチャンバー2と、
前記ロードロックチャンバー2の一方の開口と接続できる開口を持ち、前記薄板支持装置4Sを縦方向に収容できる下側室3aと、この下側室3aの上方に連続して形成され、前記薄板支持装置4Sを縦方向に収容できる上側室3bと、前記下側室3aと上側室3bとの間に形成されたイオンビーム照射部9とからなるプロセスチャンバー3とからなるイオン注入装置1において
前記ロードロックチャンバー2の下部に、薄板支持装置4Sを搬入すると共に、搬入された被処理基板支持装置4Sをプロセスチャンバー3に搬送できる搬送距離増加型の横搬送装置2aを設けたことを特徴としている。
【0021】
本発明は、液晶用ガラス基板そのものを多関節ロボットで取扱う場合の問題点を解消するもので、薄板支持装置(特殊な構造のプラテン)の片面にガラス基板を支持させておき、これをロードロックチャンバー2に併設した横搬送装置によって、この薄板支持装置を「縦方向に立てた状態」でロードロックチャンバー2内に搬送してその中で真空に排気し、その後、このロードロックチャンバー2に隣接して設けられているプロセスチャンバー3内に、薄板支持装置を立てた状態のままで横搬送する。
【0022】
そして、このプロセスチャンバー内において薄板支持装置を立てた状態で縦搬送装置で縦方向に搬送しながらイオン注入処理するものである。
【0023】
このプロセスチャンバー内よりイオン注入処理済のガラス基板を取り出す時には、薄板支持装置を前記と同様に立てた状態で、横搬送装置を使用してロードロックチャンバーを経由して行うものである。
【0024】
被処理部材であるガラス基板は、周囲の枠部を形成した薄板支持装置によって保持された状態で各種の処理を行うと共に、ロードロックチャンバー内における横搬送とプロセスチャンバー内における縦搬送の際には、この支持部材を縦方向に立てた状態で行うものである。
【0025】
従って、ガラス基板の寸法と面積が大きくなり、更に薄くなっても、イオン注入処理される表面は、常時平坦に保持された状態で行われるので、微細な素子であっても、正確に加工することができるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1はイオン注入装置の全体構成の要部を示す正面図、図2はロードロックチャンバーの側面図、図3はプロセスチャンバーの要部を示す右側面図、そして図4はプロセスチャンバーのイオン注入部の要部を示す平面図である。
【0028】
薄板状体あるいは薄板状基板、具体的には液晶表示装置用のガラス基板のイオン注入装置1の主要部は、ロードロックチャンバー2(圧力調整部)と、これに隣接して配置されたプロセスチャンバー3(イオン注入部)で構成されており、このロードロックチャンバー2に隣接して被処理基板であるガラス基板pを薄板支持装置4Sを構成する薄板支持フレーム4上に装着する際、この薄板支持装置4Sの姿勢を水平から立ち上げる傾転装置5Aなどが設けられている。
【0029】
そしてイオン注入処理する液晶用ガラス基板pを後述する枠状の薄板支持装置4S、即ち、プラテン上に支持させる。
【0030】
この薄板支持装置4Sは,一部切開側面図である図5と、背面図である図6に示すように、四角形の枠部4aの中間位置に板部4bを配置して平板状枠体のを形成し、この枠体の裏面にリブ4cを縦横に配置して薄板支持装置4Sの全体を補強している。そして周囲の枠部4aの部分を等分割した位置に把持装置4dを設けている。また、板部4bには適当に重量バランスをとりながら軽量化するために適宜の位置に適宜の大きさで開口している。
【0031】
この把持装置4dは、図7及び図8に示すように固定部41で軸42を移動可能に支持し、この軸42に設けたピン43と固定部41に設けたピン44との間に引張りスプリング45(図6)を設けて矢印方向に引張り弾性力を与えている。
【0032】
そしてこの軸42の一方に把持機構を連結しており、この把持機構は、図7に示すように軸42にピン43で支持されたロッド48と、前記板部4bの裏面に固定されたブラケット49に軸支されている。
【0033】
また、前記ロッド48の一端と、ピンCを介して連結された揺動体50と、この揺動体50とピンBを介して連結された作動片52と、この作動片52の先端に形成された把持基板53と、この把持基板53の上部に連結体54を介して設けられたガラス把持体55を有しており、枠部4aの上縁部にクッション部材56を配置している。
【0034】
そして前記作動片52の中間部にリンク57をボルトDで連結し、そのリンク57の他端をブラケット49に対してボルトEで連結している。従って、ピンAーBとボルトDーE、ピンBーボルトDとピンA−ボルトEを結んで形成されるリンク関係に着目すると、ピンAを支点として薄板支持フレーム4の板部4bの位置で回転する「4つ棒リンク機構」を形成している。
【0035】
この4つ棒リンク機構は、ピンA〜B間の長さよりボルトD〜E間の長さを短く形成していることから、把持基板53は図7の把持状態と図8の開放状態の2形態を参照すると分かるように揺動して開閉する運動と、クッション部材56とガラス保持体55との間にガラス基板pを挟持して押圧する動作を行うことができるように構成されている。
【0036】
また、薄板支持装置4Sの姿勢を水平から垂直に近い状態まで変更する傾転装置5A(図2,4)には図6に示すように薄板支持フレーム4の背後に設けられている複数個の把持装置4dを一斉に開閉駆動するための装置が設けてある。
【0037】
この傾転装置5A側にに設けてあるカム60を矢印Fの方向、あるいはこれと逆方向に移動させると、カム60の周縁部に形成されている傾斜辺g、iと横辺hからなるカム面の作用で、薄板支持フレーム4の背後に設けられている3個1組のローラ61・・が一斉に前・後進してこのローラ61を先端に持つ3本の軸42を一斉に作動させて図8のように開放状態としてイオン注入加工前のガラス基板pを薄板支持装置4Sに受け入れたり、イオン注入加工が終わったものを取り出したりする状態と、図7に示すように受入れたガラス基板pを把持状態とするように作動する。
(ガラス基板pの取り付け)
ガラス基板pを図7に示すように薄板支持フレーム4のクッション部材56上に載せて所定位置に把持させる時には、図2に鎖線で示すように傾転装置5Aを操作して薄板支持装置4Sを水平に倒しておく。そしてこのガラス基板pを枠部4aに設けたクッション部材56の上に載せて自動的に位置決めし、更に図6を参照して説明したように、このガラス基板pの周囲を把持装置4dのガラス保持体55で締付け固定してガラス基板pを平坦な状態で保持する。
【0038】
そして図2に実線で示すように、ガラス基板pを保持した薄板支持装置4Sをシリンダ装置を操作してほぼ垂直な状態に立上げて、ロードロックチャンバー2の左側の開口部に合わせた位置で保持する。この状態は図1の左側に示されている。
(横搬送装置2aの構造)
このロードロックチャンバー2の下部に図1に示すように横搬送装置2aが設けられており、この横搬送装置2aでガラス基板pを支持している薄板支持装置4Sを矢印Aに示すように、ガラス基板pを取付ける位置からほぼ垂直の立てた状態でロードロックチャンバー2内に引込み、或いは逆に放出する動作を行う。
【0039】
更に矢印Bに示すように真空状態のロードロックチャンバー2から真空状態のプロセスチャンバー3内に薄板支持部材4Sを立てた状態で供給したり、また、イオン注入を終了したガラス基板pを受取る位置までロードロックチャンバー2の長手方向に伸縮動作をするように構成されている。
【0040】
この横搬送装置2aは、搬送距離増加型、即ち駆動部の移動距離を3倍程度に増幅させた距離だけ搬送する機能を持つもので、これの詳細を図9(A,B,C)を参照して説明する。
【0041】
ロードロックチャンバー2の下部構造20(図1)に駆動モータ21で駆動される親ねじ22が設けられ、この親ねじ22で第1スライダー23が直動ガイド24aに沿って矢印Cに示すように往復移動するように構成されている。
【0042】
そしてこの親ねじ22に平行して第2スライダー23a(横長のフレーム)が図示しない横方向の直動ガイドに案内されて矢印Dのように往復移動するように配置されている。この第2スライダー23aは、第1スライダー23が第2スライダー23aに平行して設けた直動ガイド24bに案内されて横移動すると第2スライダー23aも同方向に横移動するようにベルト掛されている。
【0043】
即ち、第1スライダー23と第2スライダー23aとの間に、一端を下部構造20に固定した第1ベルト25が第1スライダー23に設けたプーリー23bを介して第2スライダー23aの左端に固定されている。また、一端を下部構造20に固定した第2ベルト25aが前記プーリー23bを介して第2スライダー23aの右端に固定されている。
【0044】
更に、横長の第2スライダー23aの両端にベルトプーリー23c、23dが設けてあり、この第2スライダー23aの上部に設けた直動ガイド24cに沿ってワーク受け台26が移動するように設けてある。そして第1スライダー23に両端を固定した第3ベルト26aが前記ベルトプーリー23c、23dを介してワーク受け台26に連結されている。なお、このワーク受け台26上に支持部材4の下部に設けた係合部4e(図6)が係合して重量を支えるようにになっている。
【0045】
この構成により、下記のように第1スライダー23の動きが約3倍に増大されて第2スライダー23aを駆動できるようになっている。
(薄板支持装置4Sの受取りと渡し)
大気中にある支持部材4をロードロックチャンバー2内に引き込む際は、図9(A)に示す状態において親ねじ22を回転させて、中心線CL上に中心があった第1スライダー23を矢印C1のように左方向に距離Lだけ移動させる。
【0046】
すると、下部構造20にそれぞれ一端が固定され、他端が第2スライダー23aに固定されている第1ベルト25と第2ベルト25aの作用で、第2スライダー23aが矢印D1のように左方向に中心線CLから3Lの距離だけ移動し、第2スライダー23a上のワーク受け台26は線LLの場所に移動することになる。(図9B)。
【0047】
このように第2スライダー23aが左方向に距離Lだけ移動すると、第2スライダー23aに支持されているワーク受け台26は移動距離が3倍に拡大されて中心線CLから3倍の線LLの距離だけ移動することになる。
【0048】
つまり、第2スライダー23aには第1ベルト25と第2ベルト25aの端部が固定されているので、この第2スライダー23a上に支持されて直動ガイド26に案内されて移動するワーク受け台36は第2スライダー23aの左端まで移動するのである。
【0049】
上記のようにワーク受台26が左端に移動した状態は図1に示しているように薄板支持装置4S(プラテン)を受け渡しできる位置である。
【0050】
前記のように第2スライダー23aがロードロックチャンバー2の左側に突出した位置において、ガラス基板pが既に固定されている薄板支持装置4Sを図2に鎖線で示した水平な状態で薄板支持装置4Sを傾転装置5Aに支持させる。
【0051】
この状態においてはシリンダ装置5によって駆動されるアーム5aとこれによって回動されるアーム5bの先端の固定部で薄板支持装置4Sの背面の中央部が支持されているが、ピストンロッド5cを鎖線の位置から実線の位置まで引き込むことによってガラス基板pを支持している支持部材4をほぼ垂直に立ち上げることができる。
【0052】
このように薄板支持装置4Sが立上がると、図5に示すようにその下辺に設けてある係合部4eが横搬送装置2aの第3ベルト26aで横移動されるワーク受け台26上を図10に示すように最左端に移動する。
【0053】
ロードロックチャンバー2内にはガイド部材2Mが配置されており、図5に示す横ガイド部材4fを案内して前記薄板支持装置4Sをロードロックチャンバー2内を安定して案内するようになっている。
(ロードロックチャンバー2内に排気)
次に、前記工程において移動させた第1スライダー23を、距離Lだけ右方向に移動すると図9に示す状態となり、ガラス基板pを支持している薄板支持装置4Sはロードロックチャンバー2内に引き込まれる。
【0054】
図2に示すようにロードロックチャンバー2の本体の横断面は長四角形であり、この本体の両開口部には、図1に示すように仕切り弁型の第1の蓋体2bと、仕切り弁形の第2の蓋体2cがそれぞれ設けてある。そしてこれらの蓋体2b、2cを閉止して本体を密閉した後、真空ポンプ(好ましくはゲッターポンプ)を使用してその内部を所定の真空にする。
【0055】
次に右側の第2の蓋体2c(図1)を後方にスライドさせて開口部を開ける。その後、前記横搬送装置2aを駆動(親ネジ22を回転)して図9(B)とは逆の方向に図11に示すように第2スライダー23aを距離Lだけ移動させてプロセスチャンバー3の下方の下部室3aまで突出させる。
【0056】
すると、第2スライダー23a上のワーク受け台26は距離「3L」だけ移動してこのワーク受け台26に係合して支持されている薄板支持装置4Sはプロセスチャンバー3の下部室3a内に横搬送されることになる。
【0057】
図9(C)に示す位置まで薄板支持装置4Sが移動されると、図1に示すように、プロセスチャンバー3の縦方向に設けてある縦搬送装置6、6aに固定されている連結部材7と図5に示す係合部4gが自動的に係合してこの薄板支持装置4Sはプロセスチャンバー3内を上方に移動させることができる。
【0058】
プロセスチャンバー3の中間部にはイオンビーム発生装置8から照射されるイオンビーム照射部9が設けられており、このイオンビーム照射部9を薄板支持装置4Sの薄板支持フレーム4に保持されているガラス基板pが通過するが、その間に、そのガラス基板pの表面に対して所定のがイオン打込み処理が施される。
(薄板支持装置4Sの縦搬送装置)
ガラス基板pを支持した薄板支持装置4Sは、図1と図9(C)に示す横搬送装置2aが最も右側に移動した段階で、支持部材4の背後の係合部4g(図5、6)が、プロセスチャンバー3の両側に上下方向に配置されている縦搬送体6、6aに設けてある連結部材7と係合する。
【0059】
この縦搬送装置6、6aはエンドレスベルト状であって、上下に配置された駆動軸60と従動軸61に設けられているプーリー62によって支持案内されるようになっており、モーター63を駆動して縦搬送体6、6aを上昇させて薄板支持装置4Sに支持されているガラス基板pにイオン注入処理を行う。
【0060】
そしてこのようにしてイオン注入処理を行ったガラス基板pは下部室3aに縦搬送され、図7に示した横搬送装置2aの動作によりロードロックチャンバー2内に真空の雰囲気のもとに移され、このロードロックチャンバー2内において常圧に戻され、そして図6に示す横搬送装置2aの動作により薄板支持装置4Sが取出されて処理されたガラス基板pがこの薄板支持装置4Sより取外される。
【0061】
このように、本発明に係る方法と装置によれば、大寸法で薄いガラス基盤を平坦な状態を保持しながらイオン注入処理をすることができるのである。
【0062】
【発明の効果】
1)本発明にかかる薄板支持装置(プラテン)は、板部4bの周囲に枠部4aを形成した薄板支持フレーム4の周囲に複数の把持装置4dを配置した前記薄板支持フレーム4の片面に被処理基板pを重ね、この被処理基板pの周囲の複数箇所を前記把持装置4dで把持固定すると共に、この薄板支持フレーム4の下辺に、ロードロックチャンバー2に設けられた横搬送装置2aのワーク受け台26と係合できる係合部4eを設け、更に裏面に横ガイド部材4fを設けて構成されている。
【0063】
従って、平坦性を必要とする液晶用ガラス基板pを、薄板支持装置4S上に,把持装置4dによって正確に固定し、保持することができる。
【0064】
更に、この支持部材4の下方には横搬送装置2aと係合させる係合部4eを持っており、横搬送装置と自動的の係合連結して横搬送を行うことができる。
【0065】
2)本発明に係るイオン注入処理方法は、前記薄板支持装置4Sの片面に被処理基板pを重ね、この被処理基板pの周囲の複数箇所を前記把持装置4dで把持固定した薄板支持装置4Sを、縦方向に立った姿勢でロードロックチャンバー2に供給する工程と、
このロードロックチャンバー2内を所定の減圧状態に排気処理する工程と、
このロードロックチャンバー2に隣接するプロセスチャンバー3の下室側3aに移送し、この薄板支持装置4Sの背後に設けた係合部材4gをプロセスチャンバー3内に配置された縦搬送装置6の連結部材7に係合支持させる工程と、
この縦搬送装置6を縦方向に移動させ、このプロセスチャンバー3の中間部を横断するように形成されているイオン照射部9を前記被処理基板pを通過させて上室3b側に移動させながらこの被処理基板pの表面にイオン注入した後、下室側3aを経由して前記ロードロックチャンバー2内に返送する工程と、
このロードロックチャンバー2内において大気圧とした後、このロードロックチャンバー2より外部に搬送することを特徴としている。
【0066】
したがって、薄板支持装置4Sに支持されたガラス基板である被処理基板pを、立てた状態を保持しながらロードロックチャンバー2内へ横搬送し、このロードロックチャンバー2を介してプロセスチャンバー3内に横搬送して、更にこのプロセスチャンバー3内においてイオン注入処理を行って、再びロードロックチャンバー2を介して取出すことができるので、大面積のガラス基板であっても、これに必要とするイオン注入処理を正確かつ効率的に行うことができる。
【0067】
特に本発明は、ガラス基板を縦方向に立てた状態で搬送し、イオン注入処理することが出来るので、このガラス基板が大きな面積と持ち、しかも、薄いものであっても歪みが少ない状態で搬送し、処理することができるので、イオン注入処理が正確に行われ、微細なパターンを持つ液晶表用のガラス基板を正確かつ効率的に加工することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入装置の全体構成の要部を示す正面図である。
【図2】ロードロックチャンバーの側面図である。
【図3】プロセスチャンバーの要部を示す横断面図である。
【図4】ロードロックチャンバーとプロセスチャンバーの平断面図である。
【図5】薄板支持装置の要部を切開してい示す側面図である。
【図6】 薄板支持装置の背面図である。
【図7】把持装置の作動状態をを拡大して示す側面図である。
【図8】把持装置の作動状態を拡大して示す側面図である。
【図9】(A)、(B)、(C)は、横搬送装置の各段階における動作説明図である。
【符号な簡単な説明】
1 イオン注入装置 2 ロードロックチャンバー 2a 横搬送装置
2b,2c 蓋体 20 下部構造 21 駆動モータ
22 親ねじ 23 第1スライダー 23a 第2スライダー
24、24a、24c 直動ガイド 25 第1ベルト
25a 第2ベルト 26 ワーク受け台
3 プロセスチャンバー 3a 下側室 3b 上側室
4S 薄板支持装置 4 薄板支持フレーム
4a 支持部 4b 板部 4c リブ 4d 把持装置
4e 係合部 4f 横ガイド部材 4g 係合部
41 固定部 42 軸 43 ピン 44 ピン
45 引張りスプリング 48 ロッド 49 ブラケット
5A 傾転装置 5 シリンダ装置 5a、5b アーム
50 揺動体 52 作動片 53 把持基板 54 ガラス把持
体56 クッション部材
6、6a 縦搬送装置
7 連結部材 70 カム g,i 傾斜辺 h 横辺
8 イオンビーム発生装置 9 イオンビーム照射部
Claims (5)
- 板部の周囲に枠部を形成した薄板支持フレームの周囲に複数の把持装置を配置した前記薄板支持フレームの片面に被処理基板を重ね、この被処理基板の周囲の複数個所を前記把持装置で把持固定することが可能であると共に、この薄板支持フレームの下辺に、ロードロックチャンバーに設けられた横搬送装置のワーク受け台と係合できる係合部を設け、更に裏面に横ガイド部材を設けてなる薄板支持装置の片面に被処理基板を重ね、この被処理基板の周囲の複数個所を前記把持装置で把持固定した薄板支持装置を縦方向に立たせた姿勢でロードロックチャンバーに供給する工程と、
このロードロックチャンバー内を所定の減圧状態に排気処理する工程と、
このロードロックチャンバーに隣接するプロセスチャンバーの下室側に移送した縦搬送装置の連結部材に係合支持させる工程と、
この縦搬送装置を縦方向に移動させ、このプロセスチャンバーの中間部を横断移動させながらこの被処理基板の表面にイオン注入した後、下室側を経由して前記ロードロックチャンバー内に返送する工程と、
このロードロックチャンバー内において大気圧とした後、このロードロックチャンバーより外部に搬送することを特徴とする薄板状体のイオン注入処理方法。 - 被処理基板を枠部の片面に支持可能で、背後に横ガイド部材を設けた薄板支持装置と、両端を開口した筒状の本体と、この開口部をそれぞれ閉止する蓋体を持ち、その内部を真空にでき、前記薄板支持装置を立てた状態で通過させることが出来るロードロックチャンバーと、このロードロックチャンバーの一方の開口と接続できる開口を持ち、前記薄板支持装置を縦方向に収容できる下側室と、この下側室の上方に連続して形成され、前記薄板支持装置を縦方向に収容できる上側室と、前記下側室と上側室との間に形成されたイオンビーム照射部を有するプロセスチャンバーとからなるイオン注入装置。
- 前記ロードロックチャンバーを形成する筒体の本体の下部に、前記被処理基板を支持した薄板支持装置の下部を保持して筒状の本体の内部に引き込み、あるいは本体の内部より薄板支持装置をプロセスチャンバー内に搬送する横搬送装置を持つ請求項2に記載のイオン注入装置。
- ロードロックチャンバーを構成する筒状の本体内に、薄板支持装置の背後に設けた横ガイド部材を案内するガイド部材を設けてなる請求項2に記載のイオン注入装置。
- 板部の周囲に配置された枠部の片面に薄板状の被処理基板を支持する薄板支持装置と、両端を開口した筒状の本体と、この開口部をそれぞれ閉止する蓋体を持ち、その内部に前記薄板支持装置を縦方向に収容して真空にできるロードロックチャンバーと、前記ロードロックチャンバーの一方の開口と接続できる開口を持ち、前記薄板支持装置を縦方向に収容できる下側室と、この下側室の上方に連続して形成され、前記薄板支持装置を縦方向に収容できる上側室と、前記下側室と上側室との間に形成されたイオンビーム照射部とからなるプロセスチャンバーとからなるイオン注入装置において
前記ロードロックチャンバーの下部に、薄板支持装置を搬入すると共に、搬入された薄板支持装置をプロセスチャンバーに搬送できる搬送距離増加型の横搬送装置を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
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