JP4283279B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、ブロワーやミキサー等の回転機器における軸封手段として装備されるメカニカルシールに関するものである。
ブロワーやミキサー等の回転機器に軸封手段として装備されるメカニカルシールとして、図10に示す如く、回転機器ハウジング101の軸封部102にこれを貫通する回転軸103を囲繞する状態で取り付けられた円筒状のシールケース104と、回転軸103に固定された第1密封環105と、シールケース104に、Oリング106a,106b,106cを介して、第1密封環105に対向した状態で軸線方向移動可能に保持された第2密封環107と、シール104と第2密封環107との間に介装されて第2密封環107を第1密封環105へと押圧附勢する押圧用スプリング部材108と、第2密封環107及びシールケース104を貫通して両密封環105,107の対向端面たる密封端面105a,107a間に開口する一連のシールガス通路109とを具備して、密封端面105a,107aを、この間にシールガス通路109から噴出させたシールガスGにより静圧を発生させることによって、非接触状態に保持しつつ、機内領域Hと機外領域Lとの間をシールするように構成された静圧形の非接触形メカニカルシール(静圧形ノンコンタクトガスシール)が周知である(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、メカニカルシールにあっては、周知のように、良好なシール機能が発揮されるためには、両密封端面105a,107aが回転軸3に直交する平行面となる状態で相対回転することが必要である。例えば、上記したような静圧形の非接触形メカニカルシールでは、両密封端面105a,107aの平行度が損なわれると、シールガスGにより密封端面105a,107a間に発生する静圧が不均一となり、密封端面105a,107aが適正な非接触状態に保持されないため、シール機能が低下,喪失する等の問題を生じる。このような密封端面105a,107aの平行度不良によるシール機能の低下,喪失等の問題は、密封端面105a,107aをこの間に動圧を発生させることにより非接触状態に保持するようにした動圧形の非接触形メカニカルシールにおいては勿論、密封端面105a,107aが接触状態で相対回転するように構成された端面接触形のメカニカルシールにおいても同様に生じる虞れがある。
ところで、シールケース104は、図10に示す如く、その端部を軸封部102の端面102a及び/又は軸封部102の内周面102bに衝合させた状態で、軸封部102に取り付けられるが、シールケース104に保持された第2密封環107の密封端面107aが回転軸103に固定された第1密封環105の密封端面105aと平行となるかどうかは、回転軸102に対する端面102aの直角度及び/又は内周面102bの同心度が適正となっていることが必要である。
特開2000−329238公報
しかし、ハウジング101が鋳造構造物であるポンプ等の回転機器にあってはともかく、ハウジング101が鋼板等の溶接構造物であるブロワー等の回転機器にあっては、回転軸102に対する端面102aの直角度及び/又は内周面102bの同心度が適正となるようにハウジング101を製作,加工しておくことが困難な場合が多い。また、回転機器ハウジング101の製作精度,加工精度が十分である場合にも、回転軸103の発停が繰り返されることによって回転機器ハウジング101が変形して、回転軸102に対する端面102aの直角度及び/又は内周面102bの同心度が不適正になることがある。また、回転軸103が激しく振動するような回転機器にあっては、運転時と停止時とで回転軸102に対する端面102aの直角度及び/又は内周面102bの同心度が不適正なものに変化する場合もある。
而して、このようにシールケース104の取付面精度が不良になると(シールケース104の端部が衝合する軸封部端面102aの直角度及び/又は軸封部内周面102bの同心度が不適正となると)、軸封部102に取り付けられたシールケース104が回転軸103と同心をなさず、シールケース104が回転軸103に対して傾くことになる。この場合、シールケース104の回転軸103に対する傾き量(以下「ケース傾き量」という)が微小であれば、そのケース傾き量はOリング106a,106b,106cの弾性変形により吸収されて、第2密封環107が両密封端面105a,107aが平行となる状態に保持される。しかし、ケース傾き量がOリング106a,106b,106cの弾性変形によっては吸収し得ない程度に大きい場合には、図12又は図13に示す如く、両密封端面105a,107aの平行度が損なわれ、第2密封環107の密封端面107aが相手密封端面105aに干渉(片当り)してシール機能が低下,喪失し、更にはメカニカルシールの回転側部材(回転軸103に設けられたメカニカルシール構成部材)と静止側部材(回転機器ハウジング101に取り付けられたシールケース104及びこれに保持されたメカニカルシール構成部材)とが近接する個所A、B、C又はDにおいて回転側部材と静止側部材とが干渉して大事故を招来する虞れがある。密封端面が非接触状態にある非接触形メカニカルシールにおいては、密封端面が接触状態にある端面接触形のメカニカルシールに比して密封端面の平行度不良によるシール機能への影響が極めて大きいため、上記のような問題が生じないように頻繁にメンテナンスを行なう必要があり、これに要するコストが大きい。特に、シールガスGを密封端面105a,107a間から機内領域H(及び機外領域L)へと噴出させることにより機内領域流体の漏洩を完全に阻止する構造となしている上記のような静圧形ノンコンタクトガスシールでは、毒性ガス,可燃性ガス,爆発性ガス等のように機外領域Lに漏洩することを許容しない危険流体を扱うことが多く、密封端面の平行度不良によるシール機能の低下,喪失はこれを確実に防止する必要があるため、頻繁なメンテナンス作業が必要となり、これに要するコストが膨大なものとなる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、製作,加工精度や運転状況等によりシールケースが回転軸に対して傾くような状況下にあっても、両密封端面の平行度を適正に維持し得て、長期に亘って良好なシール機能を発揮しうるメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
本発明は、回転機器ハウジングの軸封部にこれを貫通する回転軸を囲繞する状態で取り付けられた筒状のシールケースと、回転軸及びシールケースの一方に固定された第1密封環と、回転軸及びシールケースの他方に第1密封環に対向して軸線方向移動可能に保持された第2密封環と、第2密封環とこれを保持する回転軸又はシールケースとの間に介装されて第2密封環を第1密封環へと押圧附勢するスプリング部材とを具備して、両密封環の対向端面たる密封端面が回転軸に直交する平行面をなした状態で相対回転するように構成されたメカニカルシールにおいて、上記の目的を達成すべく、特に、シールケースが、これを回転軸に対して所定範囲で傾動しうる状態で軸封部に取り付けることによって、第2密封環の密封端面が第1密封環の密封端面に平行する位置に前記スプリング部材により附勢保持されるように構成しておくことを提案するものである。
かかるメカニカルシールにあって、シールケースを軸封部に所定範囲で揺動可能に取り付けるためのケース取付手段は、シールケースを回転軸に沿う方向に貫通する複数の支持孔と、軸封部に設けられて回転軸に沿う方向に延びており、各支持孔にクリアランスを有する状態で挿通させることによりシールケースを軸封部に傾動可能に支持する複数の支持ピンと、各支持ピンの先端部に設けられており、軸封部から離間する方向へのシールケースの変位を所定範囲に規制する傾動量規制体とを具備する。このケース取付手段にあっては、更に、シールケースと軸封部との対向端面間に回転軸に沿う方向に伸縮自在な第1圧縮コイルスプリングを介装しておくことが好ましい。また、第1圧縮コイルスプリングに加えて、或いは第1圧縮コイルスプリングに代えて、シールケースと軸封部との対向端面間に回転軸に沿う方向に伸縮自在な第2圧縮コイルスプリングを介装しておくことが好ましい。なお、上記した「回転軸に沿う方向」には、回転軸の軸線に平行ないし略平行する方向の他、支持孔、支持ピン及び各圧縮コイルスプリングがシールケースの上記傾動を妨げることがない範囲において回転軸の軸線に対してある程度傾斜する方向が含まれる。
なお、本発明は、両密封端面を摺接させた状態で相対回転させる端面接触形のメカニカルシールにおいても適用できるが、両密封端面をその間に発生させた静圧又は動圧により非接触状態に保持するように構成された非接触形メカニカルシールにおいて、特に、好適に適用される。
本発明のメカニカルシールにあっては、製作,加工精度や運転状況に起因してシールケースが回転軸に対して傾いた場合にも、シールケースが回転軸に対して傾動可能な状態にあることから、シールケースが、両密封端面が平行となる姿勢へと自動的に変位して、常に、両密封端面の平行度が適正に維持されることになる。したがって、密封端面が相対回転摺接する端面接触形メカニカルシールにおいては勿論、密封端面が非接触状態で相対回転される非接触形メカニカルシール、特に、毒性ガス,可燃性ガス,爆発性ガス等のような危険流体を扱う静圧形の非接触形メカニカルシール(静圧形ノンコンタクトガスシール)においても、長期に亘ってメンテナンスフリーで良好なシール機能を発揮させることができる。
図1、図4及び図7は夫々本発明に係るメカニカルシールを示す縦断側面図であり(以下、図1に示すメカニカルシールを「第1メカニカルシール」といい、図4に示すメカニカルシールを「第2メカニカルシール」といい、図7に示すメカニカルシールを「第3メカニカルシール」という)、図2及び図3は夫々第1メカニカルシールにおけるシールケースの変位形態を示す図1相当の縦断側面図であり、図5及び図6は夫々第2メカニカルシールにおけるシールケースの変位形態を示す図4相当の縦断側面図であり、図8及び図9は夫々第3メカニカルシールにおけるシールケースの変位形態を示す図7相当の縦断側面図である。なお、以下の説明において、前後とは図1〜図9における左右を意味するものとする。
第1〜第3メカニカルシールは、夫々、有毒ガスや危険ガス等のガスを扱うブロワーやミキサー等の回転機器に軸封手段として装備される静圧形の非接触形メカニカルシール(静圧形ノンコンタクトガスシール)であって、図1、図4又は図7に示す如く、回転機器ハウジング1の軸封部2に取り付けられた筒状のシールケース4と、回転機器の回転軸3に固定された第1密封環5と、シールケース4に、Oリング6a,6b,6cを介して、第1密封環5に対向した状態で軸線方向移動可能に保持された第2密封環7と、第2密封環7とこれを保持するシールケース4との間に介装されて第2密封環7を第1密封環5へと押圧附勢するスプリング部材8と、シールケース4及び第2密封環7を貫通して、両密封環5,7の対向端面たる密封端面5a,7a間に開口する一連のシールガス通路9とを具備して、両密封端面5a,7aを、その間にシールガス通路9から噴出させたシールガスGによる静圧を発生させることにより、非接触状態に保持しつつ、機内領域(被密封流体領域)Hと機外領域(大気領域)Lとの間を遮蔽シールするように構成されている。
回転機器ハウジング1の軸封部2は、図1、図4又は図7に示す如く、冒頭で述べた従来の静圧形ノンコンタクトガスシールにおいてはシールケース104の取付面として機能する円環状の端面(前端面)2a及び円柱状の内周面2bを有するものであり、回転軸3が、機外領域Lに設置された駆動装置(図示せず)から軸封部2の中心を貫通して回転機器ハウジング1内つまり機内領域Hへと水平に延びている。なお、軸封部2の端面2aは回転軸3に対して直角をなす環状平面に形成され、また軸封部2の内周面2bは回転軸3と同心をなす(回転軸3に対して傾きを生じない)円柱面に形成されるが、これら端面2aの直角度及び/又は内周面2bの同心度は、冒頭で述べた如く、回転機器ハウジング1の製作,加工精度不良又は回転機器の発停に伴う回転機器ハウジング1の変形によって損なわれることがある(以下、このような状態を「機器側精度不良」という)。
シールケース4は、後述するケース取付手段10A,10B,10Cにより、回転軸3を囲繞する状態で軸封部2に取り付けられたもので、図1、図4又は図7に示す如く、内外筒部4a,4bと、両筒部4a,4bの前端部間を連結する環状壁部4cと、外筒部4bの後端近傍部位に突設された環状のフランジ部4dとからなる円筒構造体である。
第1密封環5は、図1、図4又は図7に示す如く、円筒状部材3a,3b、セットスクリュー3c及びOリング3dを介して回転軸3に固定されており、その前端面は回転軸3に直交する環状平面である密封端面5aに形成されている。
第2密封環7は、図1、図4又は図7に示す如く、後端面を軸線に直交する環状平滑面たる密封端面7aに形成したもので、この密封端面7aを第1密封環5の密封端面5aに対向させた状態で、シールケース4の内外筒部4a,4bにOリング6a,6b,6cを介して軸線方向に移動可能に保持されている。なお、第2密封環7は、シールケース4の環状壁部4cに突設したドライブピン4eを当該密封環7の前端部に形成した凹部に係合させることにより、所定範囲内での軸線方向移動を許容しつつシールケース4に対する相対回転を阻止されている。
スプリング部材8は、図1又は図4に示す如く、第2密封環7とシールケース4の環状壁部4cとの間に複数の圧縮コイルスプリング(1個のみ図示)を円周方向に等間隔を隔てて配置してなり、第2密封環7を第1密封環5へと押圧附勢するものである。
シールガス通路9は、図1、図4又は図7に示す如く、第2密封環7の密封端面7aに形成された静圧発生溝9aと、シールケース4の外筒部4bと第2密封環7との対向周面間に形成される環状空間であってOリング6b,6cによってシールされた連通空間9bと、シールケース4に形成されて連通空間9bに連通するケース側通路9cと、第2密封環7に形成されて連通空間9bと静圧発生溝9aとを連通する密封環側通路9dとからなり、ケース側通路9cに接続されたシールガス供給源(図示せず)から静圧発生溝9aへとシールガスGを供給するものである。静圧発生溝9aは、第2密封環7の密封端面7aと同心状の円環状をなして断続する(又は連続する)浅い凹溝であり、密封環側通路9dには適宜の絞り器9e(例えば、オリフィス,毛細管,多孔質部材等の絞り機能を有するもの)が配設されている。シールガスGとしては、機内領域Hの流体圧より高圧のガスであって、両領域H,Lに流出しても無害であり且つ被密封流体たる機内流体に悪影響を及ぼさない性状のもの(一般に窒素ガスを使用)が使用される。
而して、第1〜第3メカニカルシールによれば、シールケース4が回転軸3に対して傾きを生じておらず、シールケース4に保持された第2密封環7の密封端面7aが回転軸3に固定された第1密封環5の密封端面5aと平行をなすことを条件として、次のようなシール機能を発揮する。
すなわち、シールガスGがシールガス通路9から密封端面5a,7a間に供給されると、静圧発生溝9aに導入されたシールガスGにより、密封端面5a,7a間にはこれを開く方向に作用する開力が発生する。この開力は、密封端面5a,7a間に導入されたシールガスGによって発生する静圧によるものである。したがって、密封端面5a,7aは、この開力と密封端面5a,7a間を閉じる方向に作用するスプリング部材8による附勢力(スプリング荷重)による閉力とがバランスする非接触状態に保持される。すなわち、静圧発生溝9aに導入されたシールガスGは密封端面5a,7a間に静圧の流体膜を形成し、この流体膜の存在によって、密封端面5a,7aの内外径側領域間が遮蔽シールされる。なお、シールガスGは絞り器9eで絞られた上で静圧発生溝9aに導入されることから、密封端面5a,7aの隙間が変動した場合にも、その隙間が自動的に調整されて適正に保持される。すなわち、回転機器の振動等により密封端面5a,7aの隙間が大きくなったときは、静圧発生溝9aから密封端面5a,7a間に流出するシールガス量と絞り器9eを通って静圧発生溝9aに供給されるシールガス量とが不均衡となり、静圧発生溝9a内の圧力が低下して、開力が閉力より小さくなるため、密封端面5a,7a間の隙間が小さくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。逆に、密封端面5a,7a間の隙間が小さくなったときは、上記したと同様の絞り器9eによる絞り機能により静圧発生溝9a内の圧力が上昇して、開力が閉力より大きくなり、密封端面5a,7a間の隙間が大きくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。
而して、第1〜第3メカニカルシールにあっては、シールケース4を軸封部2にその端面2a及び/又は内周面2cに衝合させた状態で固定した場合においては機器側精度不良によりケース傾き量が第2密封環7を保持するOリング6a,6b,6cによっては吸収できない程度に大きくなって両密封端面5a,7aの平行度が損なわれるような状況下においても、シールケース4を次のようなケース取付手段10A,10B,10Cにより軸封部2に傾動可能に取り付けておくことによって、シールケース4が両密封端面5a,7aの平行度を適正となす位置へと自動的に変位されるようになっている。
すなわち、第1メカニカルシールにおけるケース取付手段10Aは、図1〜図3に示す如く、シールケース4に形成された複数の支持孔10a…と、軸封部2に設けられた複数の支持ピン10b…と、各支持ピン10bの先端部に設けられた傾動量規制体10cと、シールケース4と軸封部2との間に介装された複数の第1圧縮コイルスプリング10dと、シールケース4と軸封部2との間をシールするシール部材10eとからなる。また、第2メカニカルシールにおけるケース取付手段10Bは、図4〜図6に示す如く、各支持ピン10bに傾動量規制体とシールケースとの対向端面間に配して第2圧縮コイルスプリング10fを挿通させた点を除いて、ケース取付手段10Aと同一構成をなす。また、第3メカニカルシールにおけるケース取付手段10Cは、図7〜図9に示す如く、第1圧縮コイルスプリング10d…を有しない点を除いて、ケース取付手段10Bと同一構成をなす。
取付手段10A,10B,10Cにおける支持孔10a…は、図1、図4又は図7に示す如く、シールケース4のフランジ部4dを当該シールケース4の軸線方向に貫通するものであって、フランジ部4dにその円周方向に等間隔を隔てて形成されている。
取付手段10A,10B,10Cにおける各支持ピン10bは、軸封部2の端面2aに直交する方向(回転軸3に沿う方向)に延びるスタッドボルトであり、軸封部2の端面2aに突設されている。支持ピン10b…は、各々を支持孔10aに適当なクリアランスを有する状態で挿通させることにより、図1〜図3、図4〜図6又は図7〜図9に示す如く、シールケース4をこれが回転軸3(又は軸封部端面2a)に対して傾動しうる状態で軸封部2に支持する。なお、支持孔10a…及び支持ピン10b…の数Nは、N≧3の範囲で適宜に設定される。
取付手段10A,10B,10Cにおける各傾動量規制体10cは、支持ピンたるスタッドボルト10bの先端ネジ部に螺合固定されたダブルナットであり、図1〜図3、図4〜図6又は図7〜図9に示す如く、軸封部3から離間する方向へのシールケース4の変位(前方への変位)を規制する。
取付手段10A,10Bにおける第1圧縮コイルスプリング10d…は、図1〜図3又は図4〜図6に示す如く、回転軸3に沿う方向に伸縮自在なものであり、軸封部2の端面2aとこれに対向するシールケース4のフランジ部10dとの間にフランジ部10dの円周方向に等間隔を隔てて介装されて、シールケース4を軸封部端面2aから離間する方向(前方)へと附勢する。第1圧縮コイルスプリング10d…は後述するシールケース4の傾動変位を円滑ならしめるために使用されるものであり、その附勢力(弾性力)はスプリング部材8の附勢力に比して微小に設定されている。すなわち、スプリング部材8の弾性力は、シールガスGの圧力等のシール条件に応じて、密封端面5a,7a間の隙間が適正(一般に、5〜15μmである)となるように設定されるが、スプリング部材8と附勢方向を同じくする第1圧縮コイルスプリング10a…のバネ力は、スプリング部材8の機能を妨げない範囲において適宜に設定される。
取付手段10A,10B,10Cにおけるシール部材10eは、軸封部2の内周面2aとシールケース4の外筒部4bの先端外周面(後端外周面)との間に介装されたOリングであり、図1〜図3、図4〜図6又は図7〜図9に示す如くシールケース4が傾動した場合にも、両部2,4b間をシールするものである。
取付手段10B,10Cにおける各第2圧縮コイルスプリング10fは、図4〜図6又は図7〜図9に示す如く、回転軸3に沿う方向に伸縮自在なものであり、傾動量規制体10dとシールケース4のフランジ部4dとの対向端面間に配して支持ピン10bに挿通されていて、シールケース4の傾動量規制体10dへの衝突を緩和させると共にシールケース4による傾動変位を円滑ならしめる。第2圧縮コイルスプリング10f…の附勢力(弾性力)は、スプリング部材8の機能を妨げないように、スプリング部材8の附勢力に比して微小に設定されており、特に、取付手段10Bにおいては附勢方向を逆にする第1圧縮コイルスプリング10d…の附勢力と同一又は略同一に設定されている。
ところで、シールガスGが供給されないガス供給停止状態においては両密封端面5a,7aが衝合していることから、第2密封環7は軸線方向(前後方向)における一定位置に保持されることになる。また、シールガスGが供給されているガス供給状態において密封端面5a,7a間に発生する静圧による開力とスプリング部材8の附勢による閉力とがバランスされて両密封端面5a,7aが微小隙間を有する非接触状態に保持されることから、ガス供給停止状態におけると同様に、第2密封環7は軸線方向における一定位置に保持されることになる。また、上記したようにシールケース4が支持孔10a…,支持ピン10b…,傾動量規制体10c…によって軸封部2に取り付けられた状態にあると、シールケース4は、これと第2密封環7との間に介装されたスプリング部材8の弾性力によりシールケース4には軸封部3から離間する方向(前方)へと附勢されることになり、当該方向への変位は、図1、図4又は図7に示す如く、フランジ部4dが傾動量規制体10c…に係止される位置(第2及び第3メカニカルシールにおいては第2圧縮コイルスプリング10f…を介して傾動量規制体10c…に係止される位置)位置で阻止されることになる。
これらのことから、軸封部端面2aの回転軸3に対する直角度が適正であると(軸封部端面2aが回転軸3に対して直角であると)して直角であると、各支持孔10a,支持ピン10bの軸線が軸封部端面2aに直交している(回転軸3の軸線に平行している)場合には、図1に示す如く、すべての傾動量規制体10c…がフランジ部4dを衝合係止することになり、シールケース4は回転軸3に対して傾きを生じない状態に附勢保持される。一方、この状態から軸封部端面2aの回転軸3に対する直角度が変化すると(軸封部端面2aの回転軸3に対する角度が直角でなくなると)、各支持ピン10bとこれが挿通する支持孔10aとの間にクリアランスが存在することから、両密封端面5a,7aが衝合するガス供給停止状態においては勿論、両密封端面5a,7aが静圧の流体膜を介して平行に対峙するガス供給状態においても、シールケース4は、図2、図3、図5、図6、図8又は図9に示す如く、第2密封環7をその密封端面7aが回転軸2に直交する状態、つまり当該密封端面7aが回転軸2に固定された第1密封環5の密封端面5aに平行する状態に保持しうる位置(以下「適正傾動位置」という)へと傾動され、スプリング部材8による附勢作用とフランジ部4dへの傾動量規制体10cの衝合係止作用とによって当該適正傾動位置に附勢保持されることになる。なお、シールケース4の傾動は、第1圧縮コイルスプリング10d…及び/又は第2圧縮コイルスプリング10f…の弾性変形によって円滑に行なわれることになる。また、軸封部2とシールケース4との間は、シールケース4の傾動に拘わらず、シール部材10eによって二次シールされる。
したがって、第1〜第3メカニカルシールにあっては、支持孔10aと支持ピン10bとの間のクリアランス及び軸封部端面2aと傾動量規制体10cとの対向間隔を使用条件(回転機器ハウジング1の変形程度等)に応じて適宜に設定しておくことにより、機器側精度不良が生じた場合にも、その不良程度に応じてシールケース4が適正傾動位置へと自動的に変位,保持されて、両密封端面5a,7aの平行度が適正に維持される。その結果、第1〜第3メカニカルシールによれば、冒頭で述べた如きトラブルを生じることなく、長期に亘ってメンテナンスフリーで良好なシール機能を発揮させることができる。
なお、本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。例えば、第1及び第2圧縮コイルスプリング10d,10fは、その何れをも設けないことも可能である。但し、シールケース4の傾動変位を円滑ならしめるためには、取付手段10A,10Cの如く、一方の圧縮コイルスプリング10d又は10fを設けておくことが好ましく、取付手段10Bの如く、両圧縮コイルスプリング10d,10fを設けておくことがより好ましい。また、支持孔10a、支持ピン10b及び傾動量規制体10cの形状,構成も、シールケース4を所定範囲で傾動可能に支持できるものである限り、任意である。
第1メカニカルシールを示す縦断側面図である。 シールケース変位形態を示す図1相当の縦断側面図である。 図2と異なるシールケース変位形態を示す図1相当の縦断側面図である。 第2メカニカルシールを示す縦断側面図である。 シールケース変位形態を示す図4相当の縦断側面図である。 図5と異なるシールケース変位形態を示す図4相当の縦断側面図である。 第3メカニカルシールを示す縦断側面図である。 シールケース変位形態を示す図7相当の縦断側面図である。 図8と異なるシールケース変位形態を示す図7相当の縦断側面図である。 従来のメカニカルシールを示す縦断側面図である。 シールケース変位形態を示す図10相当の縦断側面図である。 図11と異なるシールケース変位形態を示す図10相当の縦断側面図である。
符号の説明
1 回転機器ハウジング
2 軸封部
3 回転軸
4 シールケース
4a 内筒部
4b 外筒部
4c 環状壁部
4d フランジ部
5 第1密封環
5a 密封端面
6a Oリング
6b Oリング
6c Oリング
7 第2密封環
7a 密封端面
8 スプリング部材
9 シールガス通路
10A ケース取付手段
10B ケース取付手段
10C ケース取付手段
10a 支持孔
10b 支持ピン
10c ダブルナット(傾動量規制体)
10d 第1圧縮コイルスプリング
10e Oリング(シール部材)
10f 第2圧縮コイルスプリング
G シールガス
H 機内領域
L 機外領域

Claims (4)

  1. 回転機器ハウジングの軸封部にこれを貫通する回転軸を囲繞する状態で取り付けられた筒状のシールケースと、回転軸及びシールケースの一方に固定された第1密封環と、回転軸及びシールケースの他方に第1密封環に対向して軸線方向移動可能に保持された第2密封環と、第2密封環とこれを保持する回転軸又はシールケースとの間に介装されて第2密封環を第1密封環へと押圧附勢するスプリング部材とを具備して、両密封環の対向端面たる密封端面が回転軸に直交する平行面をなした状態で相対回転するように構成されたメカニカルシールにおいて、シールケースが、これを回転軸に対して所定範囲で傾動しうる状態で軸封部に取り付けることによって、第2密封環の密封端面が第1密封環の密封端面に平行する位置に前記スプリング部材により附勢保持されるように構成してあり、
    シールケースを軸封部に一定範囲で揺動可能に取り付けるためのケース取付手段が、シールケースを回転軸に沿う方向に貫通する複数の支持孔と、軸封部に設けられて回転軸に沿う方向に延びており、各支持孔にクリアランスを有する状態で挿通させることによりシールケースを軸封部に傾動可能に支持する複数の支持ピンと、各支持ピンの先端部に設けられており、シールケースの軸封部から離間する方向への変位を規制する傾動量規制体とを具備するものであることを特徴とするメカニカルシール。
  2. シールケースと軸封部との対向端面間に、回転軸に沿う方向に伸縮自在な第1圧縮コイルスプリングを介装してあることを特徴とする、請求項1に記載するメカニカルシール。
  3. 各支持ピンに、傾動量規制体とシールケースとの対向端面間に配して、回転軸に沿う方向に伸縮自在な第2圧縮コイルスプリングを挿通させてあることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載するメカニカルシール。
  4. 両密封端面を、その間に発生させた静圧又は動圧により非接触状態に保持するように構成された非接触形メカニカルシールであることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載するメカニカルシール。
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