JP4283059B2 - 電子マネーの管理所有装置および管理所有方法 - Google Patents
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Description
このICカードは、電子マネーを格納するデータメモリを有しており、このデータメモリには、電子マネーを通貨別に分類して格納すべく、各通貨毎に電子マネーを格納する格納領域が形成されている。例えば、データメモリには、日本円用の格納領域,アメリカドル用の格納領域,ドイツマルク用の格納領域等のように、各通貨毎に電子マネーを格納する格納領域が形成されている。
しかしながら、従来の電子マネーの管理所有媒体としてのICカードにおいては、電子マネーが格納されるデータメモリには、前述のごとく各通貨毎に格納領域が形成されているため、電子マネーは、その通貨に対応した特定の格納領域に何の分類もなく格納される。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、単一種類の通貨のみを使用する場合にも、電子マネーを用途別に分類して管理できるようにして、電子マネーの使用の際の利便性を向上させるようにした、電子マネーの管理所有装置および管理所有方法並びに管理所有用媒体を提供するとともに、更には、電子マネーを用途別に管理する手順をコンピュータに実行させるための電子マネー管理所有用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
また、電子マネー分散格納制御手段は、媒体内で所有している電子マネーについて、複数の格納領域間で電子マネーを移動する際に、移動元の格納領域および移動先の格納領域のうちの少なくとも一方の格納領域を指定する指定手段と、移動元の格納領域から指定手段で指定された上記の移動先の格納領域に電子マネーを移動する移動手段とをそなえて構成することができる。
ところで、本発明の電子マネーの管理所有方法(請求項2)は、通貨の電子的象徴として定義される電子マネーを、所要の記憶部に書き替え可能に保持しうる媒体内に所有する機能を電子マネーの管理所有装置に実行させる電子マネーの管理所有方法であって、該電子マネーの管理所有装置が、媒体内の記憶部において複数の格納領域に用途を設定する用途設定ステップと、電子マネーを媒体に格納する際に、複数の格納領域に、当該電子マネーをその用途に応じて分類し、格納領域を指定する第1格納領域指定ステップと、電子マネーで支払を行なう際に、その支払用途に応じた格納領域を指定する第2格納領域指定ステップと、媒体内で所有している電子マネーで支払を行なう際に、支払額不足のために、指定した格納領域に格納されている電子マネーで支払ができない場合は、電子マネーの移動元として上記複数の格納領域のうち上記指定した格納領域とは異なった他の格納領域を指定して、この指定された他の格納領域から不足分の金額の該電子マネーを支払額不足が生じたところの上記指定した格納領域へ移動するとともに、移動元格納領域、移動先格納領域及び移動電子マネー金額を示す情報を貸し借り情報として媒体内に記録するステップとを実行することを特徴としている。
また、外部から電子マネーを読み込んで、媒体内にこの電子マネーを受領して格納する際に、所望の格納領域を指定して、この指定の格納領域に電子マネーを格納するようにしてもよい。
ここで、媒体内で所有している電子マネーで支払を行なう際に、支払額不足のために、指定した格納領域に格納されている電子マネーで支払ができない場合は、他の格納領域を指定して、この指定された他の格納領域から電子マネーを支払額不足が生じた格納領域へ移動するようにしてもよい。
また、他の格納領域から電子マネーを支払額不足が生じた格納領域へ移動した状態で、その後、外部から電子マネーを読み込んで、媒体内にこの電子マネーを受領して格納する際に、支払不足額に相当する電子マネーを他の格納領域に格納して、支払不足額の精算を行なうようにしてもよい。
(a)本発明の一実施形態としての電子マネーの管理所有装置の構成の説明
(a1)電子マネーの管理所有装置の構成
図1は本発明の一実施形態にかかる電子マネーの管理所有装置の構成を示す機能ブロック図であり、この図1に示す電子マネーの管理所有装置10は、通貨の電子的象徴として定義される電子マネーを、単一種類の通貨に関して、用途別に管理,所有するための装置であり、電子マネーの管理所有用媒体(電子マネーの可搬媒体)としてのICカード1000と、後述するPOS(Point Of Sales;販売時点情報管理)システム,電子財布,電子マネー対応ATM(Automatic Teller Machine;自動預金支払機)または残高表示器等の外部装置400とを組み合わせることにより構成されている。なお、電子マネーの管理所用媒体(電子マネーの可搬媒体)としてのICカード1000とこれらの外部装置400とを組み合わせる態様については、(a2)にて後述する。
まず、ICカード1000のハードウェア構成について説明すると、ICカード1000は、図2に示すように、MPU(Micro Processor Unit)2,データメモリ3およびコネクト部4をそなえて構成されている。
すなわち、このデータメモリ3は、電子マネーを格納する機能を有しているのであり、具体的には、このデータメモリ3には、後述にて詳述するように、電子マネーを用途別に分類して格納すべく、単一種類の通貨に関して、用途別に電子マネーを格納する格納領域が複数形成されている。
上述の構成により、電子マネー情報が記録されたICカード1000を、コネクト部4を介して外部装置(図2では図示せず)に接続することにより、ICカード1000のMPU2が外部装置と接続され、この外部装置からの入力(指示)に従い、MPU2によりデータメモリ3に格納されている電子マネーの金額情報の操作が行なわれる。
一方、上述したICカード1000は、機能的には、図1に示すように、電子マネー分散格納制御部100,電子マネー支払実行部200,記憶部300,禁止部600をそなえて構成されている。
この記憶部300は、図1に示すように、複数の格納領域(ポケット)301−1〜301−Nからなる格納部310をそなえている。なお、以下、格納領域310−1〜301−Nを、便宜上、格納領域(ポケット)301という場合がある。
なお、格納部310および格納領域301については、図8を用いて後述にて詳細に説明する。
詳細には、この電子マネー分散格納制御部100は、格納領域指定部101,格納処理部102,移動処理部103および精算部104をそなえて構成されている。
さらに、この格納領域指定部101は、後述するように、記憶部300内で所有している電子マネーについて、複数の格納領域301間で電子マネーを移動する際に、電子マネーの移動元の格納領域301および電子マネーの移動先の格納領域301のうちの少なくとも一方の格納領域301を指定する(本実施形態では、電子マネーの移動先の格納領域301を指定する場合について説明する。)指定手段としても機能するものである。
さらに、移動処理部103は、記憶部300内で所有している電子マネーについて、複数の格納領域301間で電子マネーを移動する際に、格納領域指定部101で指定された電子マネーの移動元の格納領域301から、電子マネーの移動先の格納領域301に電子マネーを移動するものであり、移動手段として機能するものである。
また、電子マネー支払実行部200は、記憶部300内に所有している電子マネーに関し、複数の格納領域301のうち所望の格納領域301を指定して、この指定された格納領域301に格納されている電子マネーで支払を実行するものであり、電子マネー支払実行手段として機能するものである。なお、この電子マネー支払実行部200は、図2に示すMPU2に相当する。
ここで、格納領域指定部201は、記憶部300内で所有している電子マネーで支払を行なう際に、その支払用途に応じた格納領域301を指定するとともに、前述のごとく指定された格納領域301に格納されている電子マネーの残高が支払額未満である(すなわち支払額不足である)ため、その格納領域301に格納されている電子マネーで支払ができない場合には、他の格納領域301に格納されている電子マネーを借りだして支払を行なうべく、当該他の格納領域301を指定するものであり、指定手段として機能するものである。
また、禁止部600は、電子マネー分散格納制御部100及び電子マネー支払実行部200による各格納領域301に対する電子マネーの書き込み,読み出しをそれぞれ禁止/解除しうるものであり、禁止手段として機能するものであり、図2に示す制御部21に相当するものである。
さらに、「貸し付け情報」には、前述したように他のポケット301へ電子マネーを貸し付けた場合に、貸し付けた金額と貸し付け先のポケット番号とからなる貸し付け情報が、貸し借り情報記録部203により記録されるようになっている。又、同様に、「借りだし情報」には、他のポケット301から電子マネーを借りだした場合に、借りだした金額と借り先のポケット番号とからなる借りだし情報が、貸し借り情報記録部203により記録されるようになっている。
そして、このような構成を有するICカード1000は、上述したような外部装置400とコネクト部4(図2参照)を介して接続されるようになっている。
また、この外部装置400は、記憶部300内の各種情報(例えば格納部310に記録される各格納領域301毎の残高,貸し付け情報,借りだし情報,備考/用途等)を表示する表示手段としての表示部401(例えば電子財布や残高表示器等の表示画面が表示部401に相当する。)をそなえている。
さらに、(a1)にて上述したICカード1000を、外部装置400として、(1)POSシステム,(2)電子財布,(3)電子マネー対応ATMおよび(4)残高表示器と組み合わせて使用する態様について説明する。
(1)POSシステム
図3は、POSシステムにおけるPOS端末の外観を模式的に示す図であり、このPOS端末700は、例えば商店等に設置されるものであり、この図3に示すように、POS本体710と顧客用ICカードリーダ/ライタ(顧客用ICカードR/W)720とをそなえて構成されている。
また、図4は、電子財布の外観を模式的に示す図であり、この電子財布800は、この図4に示すように、表示パネル801および操作部802をそなえて構成されているとともに、図示しないデータメモリを有しており、このデータメモリにも図8や図9に示すような複数のポケット301が形成され、これらのポケットに電子マネーを記録することができるようになっている。
図5は、電子マネー対応ATMの外観を模式的に示す斜視図であり、このATM500は、図5に示すように、タッチパネル方式の表示・操作パネル部501,紙幣取出口502,硬貨取出口503,通帳挿入口504およびキャッシュカード挿入口505をそなえて構成されているとともに、ICカード1000を挿入するICカード挿入口506を有している。
(4)残高表示器
また、図6は、残高表示器の外観を模式的に示す図であり、この残高表示器600は、図6に示すように、表示パネル601および操作部602とをそなえて構成されており、携帯性を高めるためキーホルダー部603が備え付けられている。又、この残高表示器600には、ICカード1000を挿入接続することができるようになっており、この残高表示器600にICカード1000を挿入し、操作部602を操作することにより、ICカード1000に登録されている電子マネーの残高を表示したり、セキュリティのために、ICカード1000内のデータメモリ3の各ポケットにロックをかけたり、又、ロックを解除したりできるようになっている。
(b1)電子マネーの管理所有装置の動作
(a1)にて上述したような構成により、本発明の一実施形態にかかる電子マネーの管理所有装置10においては、媒体500(本実施形態ではICカード1000)に対し、電子マネー分散格納制御部100により媒体500内の記憶部300において用途別に定義される複数のポケット(格納領域)301に、電子マネーが指定通り用途に応じて分散して格納されるとともに、電子マネー支払実行部200により、媒体500内で所有している電子マネーに関し、所望のポケット301(格納領域)301を指定して、この指定のポケット(格納領域)301に格納されている電子マネーで支払が実行される。
まず、ICカード1000を電子財布800に形成されている挿入口に、本ICカード1000を挿入することにより(ステップS1)、ICカード1000のコネクト部4が電子財布800と接続され、ICカード1000のデフォルトポケット(起動時に最初に選択されるポケット)の残高金額が、電子財布800の表示パネル801に表示される(ステップS2)。
また、利用者は、電子財布800の表示パネル801に表示されている(選択されている)ポケット301に対して処理を行なう際においても(ステップS3のNOルート参照)、本当に処理変更を行なうのかの確認を行ない(ステップS4)、選択されているポケット301に対して処理変更を行なわない場合には(ステップS4のNOルート参照)、ICカード1000を電子財布800に挿入した直後の状態(ステップS2)に戻る。
また、ポケット301を変更せず、選択されているポケット301に対して処理を行なう場合には(ステップS8のNOルート参照)、電子マネー分散格納制御部100は、処理を行なうポケット301が、禁止部600によりロックされているかどうかの判断を行なう(ステップS11)。処理を行なうポケット301がロックされていない場合には(ステップS11のYESルート)、ステップS7で操作部802から入力した受取金額相当の電子マネーを、移動処理部103により相手側のポケット301(電子財布800のメモリのポケットや他のICカード1000内のデータメモリ3のポケット等)から選択されているポケット301に移動させ(ステップS13)、格納処理部102により電子マネーを移動先のポケット301に格納した後、電子マネー分散格納制御部100は、残高情報を更新する(ステップS14)。
ここで、借金を返済しないのであれば(ステップS16のNOルート)、ICカード1000を電子財布800に挿入した直後の状態(ステップS2)に戻り、返済するのであれば(ステップS16のYESルート)、精算部104によりポケット301間で借金の返済を行ない(ステップS17)、貸し借り情報記録部203により貸し/借り情報を更新し(ステップS18)、ステップS2に戻る。
ここで、選択されているポケット301では支払が不可能な場合には(ステップS22のNOルート)電子マネー支払実行部200は、処理を行なうポケット301を変更するかどうかの確認を行なう(ステップS23)。処理を行なうポケット301を変更する場合には(ステップS23のYESルート)、格納領域指定部201により他のポケット301を指定して、そのポケット301を選択し(ステップS24)、更に、電子マネー支払実行部200は、選択されたポケット301をデフォルトポケットとして設定し(ステップS25)、電子マネー支払実行部200(もしくは利用者)は、再度、選択されたポケット301で支払可能かを判断する(ステップS22)。
(b2)電子マネーの管理所有装置の使用態様
さらに、本発明の一実施形態にかかる電子マネーの管理所有装置におけるICカード1000により、単一種類の通貨に関して電子マネーを用途別に定義される複数のポケット301に格納して使用する様子を、(1)POSシステム,(2)電子財布,(3)電子マネー対応ATMおよび(4)残高表示器の各装置と組み合わせて使用する場合について説明する。
本発明の一実施形態としての電子マネーの管理所有装置としてのICカードおよびPOSシステムを用いて、電子マネーで物品を購入する様子を、図8〜図13を用いて説明する。
ここで、図9および図12は本実施形態におけるPOS本体の表示画面を示す図、図10および図11は本実施形態における顧客用ICカードR/Wの表示画面を示す図、図13は格納部の構成、すなわち、本ICカード内の更新されたメモリ情報を示す図である。
代金の支払が電子マネーで行なわれることを確認した店員は、顧客に、顧客用ICカードR/W720に顧客の電子マネーの入ったICカード1000を挿入するように指示し、顧客は、ICカード1000を顧客用ICカードR/W720に挿入する。なお、この状態における顧客用ICカードR/W720の表示パネル721の画面を図10に示す。
このメッセージに対し、顧客が顧客用ICカードR/W720の操作部722から「決定」を選択することにより、顧客用ICカードR/W720の表示パネル721の画面は図11に示すように変更され、一方、店員の見ているPOS本体の表示パネル711の画面も、図12に示すように変更される。
次に、本発明の一実施形態としての電子マネーの管理所有装置としてのICカードおよび電子財布を用いて、電子マネーで公共料金の支払をする様子を、図を用いて説明すると、図14は格納部の構成、すなわち、本ICカード内のメモリ情報を示す図である。
さて、図14に示すように、本ICカード1000内におけるデータメモリ3(記憶部300)にも、前述の図8に示すような格納部310が形成されており、その詳細な説明は省略する。
利用者がこの電子財布800に電子マネーが記録されたICカード1000を挿入し、操作部802を操作することにより、現金を使用するのと同様にICカード1000に登録されている電子マネーで公共料金の支払等をできるようになっている。
このようなメモリ情報を有するICカード1000により、電子マネーで公共料金を支払うためには、先ず、この公共料金用ポケットP3に設定されているロックを解除する必要がある。
上述のように公共料金用ポケットP3から支払を行なうことができるように設定したICカード1000を公共料金を徴収する人の電子財布800に挿入し、前述の(1)POSシステムにおいて、支払を行なったのと同様の操作により、移動処理部200(図1参照)により公共料金用ポケットP3から公共料金を徴収する人の電子財布800へ電子マネーの移動を行ない、公共料金の支払を行なうのである。
次に、本発明の一実施形態としての電子マネーの管理所有装置としてのICカードおよび電子マネー対応ATMを用いて、銀行口座から電子マネーの引き落としを行なう様子を、図を用いて説明すると、図15〜図19は本実施形態における電子マネー対応ATMの表示画面を示す図である。
さて、本実施例におけるICカード1000は、銀行口座情報用のMS(磁気ストライプ;Magnetic Strip)部を有するICカードであり、従来の銀行用キャッシュカードとしての機能も有している。また、本ICカード1000内におけるデータメモリ3(記憶部300)にも、前述の図8に示すような格納部310が形成されており、その詳細な説明は省略する。なお、本実施例において、銀行口座からICカード1000に電子マネーを引き出す前のICカード1000のメモリ情報は、図14に示す状態であるとする。
ここで、利用者がATM500の表示・操作パネル部501から「引き出し」を選択して決定すると、次に、表示・操作パネル部501に、図16に示すような画面が表示され、利用者は、この図16の画面において「銀行口座からカードに電子マネー引き出し」を選択して決定する。
また、この入力の際、図17に示すように、どのポケット301に、銀行口座から引き出した電子マネーを入金するかを尋ねる画面が表示されるので、現在、選択されているポケット301に入金するのであれば、図17に示す画面において「決定」を選択する。一方、ここで、「設定変更」を選択することにより、選択されているポケット301を変更したり、ポケット301の設定内容等の情報を変更することができるようになっている(格納領域指定部101(図1参照)に相当)。
すなわち、ここで利用者は、表示・操作パネル部501から「設定変更」を選択し、続いて表示される図18に示す画面において、入金するポケットを選択し、決定する。
このようにして格納領域指定部101によりポケットP6に入金することが選択されると、格納処理部102(図1参照)により指定された金額の電子マネーが銀行口座からICカード1000へ移動し、又、ICカード1000内のメモリ情報も更新される。
また、上記実施形態では、ATMを用いて「備考/用途」に登録する情報を入力しているが、それに限定されるものではなく、ICカードR/W機能を有するPC等を用いて設定してもよい。
次に、本発明の一実施形態としての電子マネーの管理所有装置としてのICカードおよび残高表示器を用いて、電子マネーの管理を行なう様子を、図を用いて説明すると、図20〜図25は本ICカード内のデータメモリ3に形成された各ポケットの残高金額を示す図である。
このようなメモリ情報を有するICカード1000を用いて買物をし、図6に示すような残高表示器を用いて電子マネーの管理を行なう様子を以下に示す。
さて、本実施例において、ICカード1000内におけるデータメモリ3(記憶部300)には、図20に示すように、格納領域301としてのN個のポケット301−1〜301−Nが形成されており、利用者はこれらのポケット301−1〜301−Nの内、どのポケットにも自由に電子マネーを格納できるようになっている。
まず、電車に乗る前に売店で新聞を電子マネーで購入し、この新聞の代金¥70を雑費としてポケット301−3から支払い、次に、会社に着いてからコーヒーを購入し、このコーヒーの代金¥100を食費としてポケット301−1から支払い、更に、午前の仕事を終え、昼休みに食堂で¥650のランチを注文し、このランチの代金¥650を食費としてポケット301−1から支払った場合に、この状態における各ポケットの電子マネーの履歴および残高を図21に示すと、この図21に示すように、ポケット301−1の残高は¥4250,ポケット301−2の残高は¥10000およびポケット301−3の残高は¥14930となる。
この状態における各ポケットの電子マネーの履歴および残高を図22に示す。この図22に示すように、ポケット301−1の残高は¥0であり、ポケット301−3の残高は¥14080であり、又、ポケット301−1はポケット301−3から¥850借入している。
このようにして1日を終えた際に、ICカード1000の電子マネーの残高は、図23に示すように、ポケット301−1の残高は¥0であり、ポケット301−2の残高は¥7000であり、ポケット301−3の残高は¥14080であり、更に、この他にポケット301−1には貸し借り情報記録部203(図1参照)により「ポケット301−3から850円借用中」という情報が記録されている。
なお、上記実施形態では、ICカード1000内に、電子マネー分散格納制御部100,電子マネー支払実行部200および記憶部300を有しており、表示部401はPOS端末700,電子財布800,ATM500および残高表示器600等の外部装置側にそれぞれ設けられているが、それに限定されるものではなく、ICカード1000に表示部400が形成されるようにしてもよく、又、ICカード1000内には記憶部300のみが設けられ、電子マネー分散格納制御部100,電子マネー支払実行部および表示部400が、POS端末700,電子財布800,ATM500および残高表示器600等の外部装置側にそれぞれ設けられてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
21 制御部(指定手段,格納手段,移動手段,貸し借り情報記録手段)
22 演算部(精算手段)
23 ROM
24 RAM
3 データメモリ(記憶部)
4 コネクト部
10 電子マネーの管理所有装置
100 電子マネー分散格納制御部(電子マネー分散格納制御手段)
101 格納領域指定部(指定手段)
102 格納処理部(格納手段)
103 移動処理部(移動手段)
104 精算部(精算手段)
200 電子マネー支払実行部(電子マネー支払実行手段)
201 格納領域指定部(指定手段)
202 移動処理部(移動手段)
203 貸し借り情報記録部(貸し借り情報記録手段)
300 記憶部
301 格納領域
310 格納部
400 外部装置
401 表示部
500 媒体
600 禁止部
1000 ICカード
Claims (2)
- 通貨の電子的象徴として定義される電子マネーを、所要の記憶部に書き替え可能に保持しうる媒体内の該記憶部において用途別に定義される複数の格納領域を設定し、該電子マネーを上記複数の格納領域に指定通り用途に応じて分散して格納する電子マネー分散格納制御手段と、
該媒体内で所有している電子マネーに関し、所望の格納領域を指定して、この指定の格納領域に格納されている電子マネーで支払を実行する電子マネー支払実行手段と、
該電子マネーを格納する際に当該電子マネーをその用途に応じて分類し、該格納領域を指定する第1格納領域指定部と、
該電子マネーで支払いを行なう際にその支払い用途に応じた該格納領域を指定する第2格納領域指定部とをそなえるとともに、
該電子マネー支払実行手段が、該媒体内で所有している該電子マネーで支払を行なう際に、支払額不足のために、前記指定した格納領域に格納されている該電子マネーで支払ができない場合は、該電子マネーの移動元として上記複数の格納領域のうち上記指定した格納領域とは異なった他の格納領域を指定する第3格納領域指定部と、該第3格納領域指定部で指定された前記他の格納領域から前記支払額不足が生じた格納領域へ不足分の金額の該電子マネーを移動する移動手段と、前記他の格納領域から該電子マネーを前記支払額不足が生じたところの上記指定した格納領域へ移動する際に、移動元格納領域、移動先格納領域及び移動電子マネー金額を示す情報を貸し借り情報として該媒体内に記録する貸し借り情報記録手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、電子マネーの管理所有装置。 - 通貨の電子的象徴として定義される電子マネーを、所要の記憶部に書き替え可能に保持しうる媒体内に所有する機能を電子マネーの管理所有装置に実行させる電子マネーの管理所有方法であって、
該電子マネーの管理所有装置が、
該媒体内の該記憶部において複数の格納領域に用途を設定する用途設定ステップと、
該電子マネーを該媒体に格納する際に、前記複数の格納領域に、当該電子マネーをその用途に応じて分類し、該格納領域を指定する第1格納領域指定ステップと、
該電子マネーで支払を行なう際に、その支払用途に応じた該格納領域を指定する第2格納領域指定ステップと、
該媒体内で所有している電子マネーで支払を行なう際に、支払額不足のために、前記指定した格納領域に格納されている該電子マネーで支払ができない場合は、該電子マネーの移動元として上記複数の格納領域のうち上記指定した格納領域とは異なった他の格納領域を指定して、この指定された他の格納領域から不足分の金額の該電子マネーを前記支払額不足が生じたところの上記指定した格納領域へ移動するとともに、移動元格納領域、移動先格納領域及び移動電子マネー金額を示す情報を貸し借り情報として該媒体内に記録するステップとを実行することを特徴とする、電子マネーの管理所有方法。
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