JP4282948B2 - 熱電変換材料及び熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換材料及び熱電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4282948B2
JP4282948B2 JP2002137740A JP2002137740A JP4282948B2 JP 4282948 B2 JP4282948 B2 JP 4282948B2 JP 2002137740 A JP2002137740 A JP 2002137740A JP 2002137740 A JP2002137740 A JP 2002137740A JP 4282948 B2 JP4282948 B2 JP 4282948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
thermoelectric
conversion material
conductivity
conductive polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002137740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003332639A (ja
Inventor
誠司 武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002137740A priority Critical patent/JP4282948B2/ja
Publication of JP2003332639A publication Critical patent/JP2003332639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4282948B2 publication Critical patent/JP4282948B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼーベック効果を利用して温度差から発電したり、或いは、ペルチェ効果を利用して電気を流すことで冷却又は加熱することの可能な熱電変換素子を構成する熱電変換材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱電変換材料の研究開発は、主にBiTe、BiPb、FeSi、NaCoO等の無機半導体を中心に進められてきたが、無機半導体は希少元素を含むことが多いために資源量が少ない、有害物質を含むことがある、熱電変換素子に適用するための加工がしにくい等の問題がある。導電性高分子は、これらの問題を克服できることから、無機半導体に加えて導電性高分子についても熱電変換材料への研究開発が進められている。
【0003】
特開2000-323758及び特開2001-326393には、導電性高分子としてポリアニリンを使用し、積層や延伸等で熱電変換性能の向上を図ることが記載されているが、熱電変換性能が低く、実用レベルに達していない。
【0004】
米国特許5472519には、導電性高分子としてポリ(3−オクチルチオフェン)、ドーピング剤として塩化鉄を、モル比2:1で用いることが記載されているが、導電率が0.74Ω-1・m-1と低く、熱電変換性能は実用レベルに達していない。
【0005】
米国特許5973050には、導電性高分子にドーピングすることなく、金属粒子をナノフェースで分散させることで高い熱電変換性能を実現しているが、ナノフェースの分散加工は容易ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱電変換性能が実用レベルにあり、加工が容易で、且つ、耐久性がある熱電変換材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る熱電変換材料は、少なくとも一部のフェニレン基にアルコキシ基が置換されたポリフェニレンビニレンにドーピング処理を施して得られる導電率が10Ω−1・m−1以上、10Ω−1・m−1以下の導電性高分子からなることを特徴とする。
【0008】
置換基を有していてもよいポリフェニレンビニレンをドーピング処理して導電率(σ)を104Ω-1・m-1以上で且つ107Ω-1・m-1以下の範囲内に調節することにより、物理的内部因子(TPF)及び熱電性能指数(Z)を向上させることが可能であり、得られる熱電変換材料は実用レベルの熱電変換性能を発揮するようになる。
【0009】
本発明によれば、ドーピングにより得られる上記導電性高分子の物理的内部因子を10-5W・m-1・K-2以上とし、或いは熱電性能指数を10-4-1以上とすることができる。
【0010】
前記ポリフェニレンビニレンの少なくとも一部のフェニレン基にアルコキシ基が置換されていることにより、溶剤可溶性や加熱成形性といった易加工性が付与されるため、熱電変換素子の形成が容易となる。
【0011】
また、前記ポリフェニレンビニレンに延伸処理を施してポリフェニレンビニレン分子を一定方向に配向させることで、ドーピング後の導電率をさらに高くすることが可能である。
【0012】
また、本発明によれば、上記本発明に係る熱電変換材料を大気と直接接触しないように封止することで、長期に渡って実用レベルの熱電変換性能を発揮し得る熱電変換素子が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱電変換材料は、置換基を有していてもよいポリフェニレンビニレンにドーピング処理を施して得られる導電率が104Ω-1・m-1以上、107Ω-1・m-1以下の導電性高分子からなることを特徴とする。
【0014】
置換又は無置換のポリフェニレンビニレンをドーピング処理して導電率(σ)を104Ω-1・m-1以上で且つ107Ω-1・m-1以下の範囲内に調節することにより、物理的内部因子(Thermoelectric power factor、以下TPFと略す)及び熱電性能指数(Z)を向上させることが可能であり、得られる熱電変換材料は実用レベルの熱電変換性能を発揮するようになる。
【0015】
上記導電率σ(単位Ω-1・m-1)は、体積抵抗率の逆数であり電気の流れ易さに関する指標となる。導電性高分子の導電率σが104Ω-1・m-1より低い場合には、2種類の熱電変換材料を組み合わせた熱電対を通常は直列に数個〜数十個つなげて熱電変換素子を構成するために素子としての内部抵抗が増大し、発電用途では充分な電力を供給できず、冷却加熱用途では供給される電力に対しての熱効率が低くなってしまう。この導電率σが107Ω-1・m-1より高い場合には、熱伝導に関わる電子の寄与が大きくなるため、熱伝導率が増大して熱電性能指数(Z)が低くなってしまう。
【0016】
本発明においては、TPFが10-5W・m-1・K-2以上、或いは、熱電性能指数(Z)が10-4-1以上、好ましくはTPFと熱電性能指数(Z)が両方とも、これらの数値以上である導電性高分子を得ることが可能である。
【0017】
上記TPFは、次式
TPF=S2×σ(単位W・m-1・K-2
(ここで、Sはゼーベック係数(単位V・K-1)、すなわち絶対温度1K当りの熱起電力、
σは上記導電率(単位Ω-1・m-1)である。)
で定義される値であり、熱電変換材料により得られる出力の指標となる。導電性高分子のTPFが、10-5W・m-1・K-2より低い場合には、熱電変換材料の両端に与えたある温度差において得られる電力が低く、充分な熱電変換性能を発揮できない。なお、導電性高分子のTPFは10-5W・m-1・K-2以上あれば熱電変換性能としては差し支えなく、特に上限は制限されないが、現状で得られる導電性高分子のTPFは、10-2W・m-1・K-2程度が最大である。
【0018】
また、上記熱電性能指数Zは、次式
Z=S2×σ/κ(単位K-1
(ここで、Sは上記ゼーベック係数(単位V・K-1)、
σは上記導電率(単位Ω-1・m-1)、
κは熱伝導率(単位W・m-1・K-1)である。)
で定義される値であり、熱電変換材料の熱電変換性能を表す指標となる。熱電性能指数Zが10-4-1より低い場合には、熱電変換材料の両端に与えたある温度差において得られる電力が低いか、或いは、温度差を保持させることができるほど熱伝導率が低くないか、或いは、その両方であるために、充分な熱電変換性能を発揮できない。なお、導電性高分子の熱電性能指数は10-4-1以上あれば熱電変換性能としては差し支えなく、特に上限は制限されないが、現状で得られる導電性高分子の熱電性能指数は、10-1-1程度が最大である。
【0019】
本発明において、上記各熱電特性は、10〜10-4mAの定電流を流すことのできる定電流発生装置、温度制御が室温から1000℃まで可能な電気炉、小型ヒーター2を備える図1に示す精密電位差測定装置1(0.1μVまで測定可能)を用い、本発明により得られる熱電変換材料からなる膜3をセットし、温度ごとの導電率σやゼーベック係数Sを測定することにより求めることができる。具体的に説明すると、Pt→の部分は白金線であり、矢印の方向に電流を流す。また、本発明により得られる熱電変換材料の膜上には、Pt/Pt−Rh/Ptよりなる熱電対を設け、Pt−Pt間で電位を測定し、Pt/Pt−Rh熱電対で温度を測定する。
【0020】
ポリフェニレンビニレンは、下記式1で表される構成単位がつながった主鎖骨格又はその二重結合位置が共役系により変動した主鎖骨格を有している。
【0021】
【化1】
Figure 0004282948
【0022】
ポリフェニレンビニレンの主鎖骨格を構成する少なくとも一部のフェニレン基にアルコキシ基が置換されている場合には、溶剤可溶性や加熱成形性といった易加工性が付与されるため、熱電変換素子の形成が容易となる。アルコキシ基としては、通常、酸素原子に結合したアルキル基の炭素数が、1〜20の分岐又は置換基を有していても良い鎖状又は脂環式アルコキシ基であり、フェニレン基にアルコキシ基が1〜3個結合する。中でもアルコキシ基の炭素数が1〜10で、アルコキシ基がフェニレン基に2個結合した形が好ましい。
【0023】
ポリフェニレンビニレンは、主鎖骨格の構成単位にアルコキシ基以外の置換基が導入されていてもよい。また、ポリフェニレンビニレンは、分子鎖がπ共役系を有するのであれば上記式1で表される構成単位以外の構成単位を含む共重合体であってもよいが、式1で表される構成単位を主鎖骨格の50モル%以上の割合で含んでいるものが好ましい。
【0024】
上記ポリフェニレンビニレンは、ドーピングにより導電率を104Ω-1・m-1以上、好ましくは5×104Ω-1・m-1以上に上げることが可能であり、高い熱電変換性能が得られる。また、ポリフェニレンビニレンは置換、無置換に拘わらず、延伸処理を施してポリフェニレンビニレン分子を一定方向に配向させることで、ドーピング後の導電率を延伸方向において5×104Ω-1・m-1以上、好ましくは105Ω-1・m-1以上に上げることが可能である。
【0025】
ポリフェニレンビニレンの薄膜に延伸処理を行なう場合、延伸率(%)、すなわち延伸前の長さに対する延伸後における延伸方向の長さの比は、150%以上、特に200%以上とするのが好ましい。延伸率が高いほど分子配列の程度が大きくなるので、導電率を高める効果が大きい。
【0026】
実際には、延伸率は赤外線吸収スペクトルのフェニル基の吸収(1520cm-1)における二色比(延伸方向に平行な偏光と垂直な偏光の吸光度の比)で表される。ポリ−p−フェニレンビニレンの場合、未延伸(二色比:1)では導電率が3×102Ω-1・m-1なのに対し、二色比:4では3×104Ω-1・m-1、二色比:12では1×105Ω-1・m-1にまで上げることが可能である。
【0027】
上記ポリフェニレンビニレンにドーピング処理を施すためのドーピング剤(ドーパント)としては、成書「導電性高分子」(緒方直哉編、講談社サイエンティフィック出版、1990年発行)のp83〜p90に記載の通り、π共役系高分子から電子を受け取るアクセプタードーパントと、電子を与えるドナードーパントがある。アクセプタードーパントとしては、電子親和力の大きい材料が、ドナードーパントとしてはイオン化ポテンシャルの小さい材料が用いられる。
【0028】
ドーピング剤の具体例としては、アクセプタードーパントとして、Cl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IF等のハロゲン;PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、BBr3、SO3等のルイス酸;HF、HCl、HNO3、H2SO4、HClO4、燐酸等のプロトン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸;FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoF5、WF6等の遷移金属化合物等が挙げられる。また、ドナードーパントとして、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Eu等のランタノイド、その他R4+、R4+、R4As+、R3+(R:アルキル基)、アセチルコリン等が挙げられる。
【0029】
これらのアクセプターやドナー等のドーピング剤を、公知の気相法又は液相法でπ共役系高分子と反応させて化学ドーピングを行うことによって、導電率σを上記範囲内に調節することができ、高いTPF及び熱電性能指数Zを有する導電性高分子が得られる。気相法ではドーピングを行う際の気圧が低いほど、液相法ではドーピング剤濃度の高い液を用いるほど導電率σは高くなる傾向があることから、これらのドーピング処理の条件を変えることで導電率σを所定の値に調節することが可能である。
【0030】
本発明の熱電変換材料を製造するには、上記ポリフェニレンビニレンの溶液を調製し、この高分子溶液を用いて薄膜を形成し、得られた薄膜にドーピング処理を行えばよい。具体的な手順の一例としては、ポリフェニレンビニレンをトルエン、キシレン、クロロホルム等の有機溶剤に溶解して高分子溶液を調製し、この高分子溶液を熱電対を構成する際の相手材となる薄膜又は何らかの支持体上に塗布、乾燥してπ共役系高分子の所定厚さの薄膜を形成し、この薄膜に適切に選択したドーピング剤を気相法又は液相法で接触させて化学ドーピングを行い、必要に応じて余剰のドーピング剤を除去することにより、上記範囲の導電率σ、TPF及び熱電性能指数Zを有する導電性高分子の薄膜からなる熱電変換材料が形成される。
【0031】
また、別の手順としては、上記手順と同様に調製した高分子溶液を仮の支持体上に塗布、乾燥して上記ポリフェニレンビニレンの所定厚さの薄膜を形成し、この薄膜を支持体から剥離し、適切に選択したドーピング剤を含有する液に浸漬して液相ドーピングを行い、必要に応じて洗浄することにより、上記範囲の導電率σ、TPF及び熱電性能指数Zを有する導電性高分子の薄膜からなる熱電変換材料が形成される。この熱電変換材料の薄膜を、必要に応じて一軸延伸等の延伸処理を施してから熱電対を構成する際の相手材となる薄膜又は何らかの支持体上に積層することにより、熱電変換素子を形成することができる。
【0032】
導電性高分子からなる熱電変換材料の薄膜は、通常1μm〜10mm程度の厚さとする。この厚みが薄すぎる場合には膜抵抗が高くなり、取り出すべき電力のロスを生じる。厚すぎる場合には性能としては問題無いが、材料の浪費となりコスト面で不利となる。
【0033】
このようにして得られる本発明の熱電変換材料は、エポキシ系封止剤等の公知の封止剤で材料表面を被覆するなどの方法で大気と直接接触しないように封止することによって変質を防止することができ、実用レベルの熱電物性を長期にわたり保持し続けることができる。
【0034】
上記本発明の熱電変換材料を他の熱電変換材料と組み合わせて熱電対を形成し、熱電変換素子を組み立てる場合にも、本発明の熱電変換材料は大気と直接接触しないように封止して用いることで、長期に渡って実用レベルの熱電変換性能を発揮させることができる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
π共役系高分子として、ポリ(2−ブトキシ−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン(以下BMPVという)をSynthetic Metal, 17(1987), p639-644に記載の手法により合成した。次に、BMPVをクロロホルムに溶解させ、1重量%溶液の塗布液を調製した。この塗布液をスライドガラス上に滴下、キャスト製膜し、室温(23℃)で減圧(2mmHg(約266N・m-2))乾燥を2時間行い、厚さ5μmの塗膜を得た。その後、ヨウ素をドーピング剤として気相ドーピング(蒸気圧1mmHg(約133N・m-2))を行い、導電性高分子膜を得た。ドーピング率はモノマーユニットに対するI3 -のモル比率として68%であった。
【0036】
この導電性高分子膜について、室温(23℃)における面内方向の熱電物性を測定したところ第1表に示す結果が得られ、高い熱電変換性能を示すことが明らかとなった。
【0037】
表中の熱電物性のうち、導電率σ(単位Ω-1・m-1)及びゼーベック係数S(単位V・K-1)は、アルバック理工(株)製の熱電特性評価装置:ZEM−2を使用し、熱伝導率κ(単位W・m-1・K-1)はアルバック理工(株)製の光交流法熱定数測定装置:レーザ−PITを使用して測定した。TPF(単位W・m-1・K-2)及び熱電性能指数(単位K-1)は、導電率σ、ゼーベック係数S及び熱伝導率κの測定値から計算した。
【0038】
さらに、一液型エポキシ系封止剤(製品名2200、スリーボンド社製)を上記導電性高分子膜の表面に塗布、硬化させて大気に直接接触しないように封止し、40℃90%RHの環境下で4日間保存した後に、同様に熱電物性を測定したところ、どの物性も保存前の90%以上の性能を保持していた。一方、封止しないで保存した場合は、熱伝導率κを除いて保存前の30%以下の値へ低下していた。
【0039】
参考例1
Aldrich社製のポリ(p−キシレン テトラヒドロチオフェニウム クロリド)のフィルムを、150℃の窒素雰囲気下で5倍(赤外線吸収スペクトル1520cm−1における二色比)に延伸処理し、さらに300℃の窒素雰囲気下で2時間加熱処理することにより、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)(以下PPVという)からなる厚さ6μmのπ共役系高分子フィルムを得た。このPPVフィルムを97%硫酸に2時間浸漬させ、液相ドーピング処理を行い、導電性高分子フィルムを得た。
【0040】
この導電性高分子膜について実施例1と同様に熱電物性を測定したところ第1表に示す結果が得られ、高い熱電変換性能を示すことが明らかとなった。
【0041】
さらに、一液型エポキシ系封止剤(製品名2200、スリーボンド社製)を用いて実施例1と同様に導電性高分子膜を封止し、40℃90%RHの環境下で4日間保存したところ、どの物性も実施例1と同様に、封止した場合には保存前の90%以上の性能を保持していたが、封止しないで保存した場合は熱伝導率κを除いて保存前の30%以下の値へ低下していた。
【0042】
【表1】
Figure 0004282948
【0043】
【発明の効果】
ポリフェニレンビニレンにドーピング処理を施して導電率を104Ω-1・m-1以上、107Ω-1・m-1以下の範囲に調節することで得られる導電性高分子は、実用レベルの熱電変換性能を発揮し、有機高分子系材料であることから加工適性にも優れ、しかも大気と接触しないように封止すれば耐久性もあり長期間劣化せずに優れた熱電変換性能を保持し続けるため、熱電変換材料として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電特性を測定する装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…測定装置
2…小型ヒーター
3…熱電変換材料の膜

Claims (6)

  1. 少なくとも一部のフェニレン基にアルコキシ基が置換されたポリフェニレンビニレンにドーピング処理を施して得られる導電率が10Ω−1・m−1以上、10Ω−1・m−1以下の導電性高分子からなる熱電変換材料。
  2. 前記導電性高分子の物理的内部因子が10−5W・m−1・K−2以上である、請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記導電性高分子の熱電性能指数が10−4−1以上である、請求項1又は2に記載の熱電変換材料。
  4. 前記ポリフェニレンビニレンが延伸により一定方向に分子配向している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱電変換材料。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱電変換材料を用いた熱電変換素子。
  6. 前記請求項に記載の熱電変換材料を大気と直接接触しないように封止した熱電変換素子。
JP2002137740A 2002-05-13 2002-05-13 熱電変換材料及び熱電変換素子 Expired - Fee Related JP4282948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137740A JP4282948B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 熱電変換材料及び熱電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002137740A JP4282948B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 熱電変換材料及び熱電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003332639A JP2003332639A (ja) 2003-11-21
JP4282948B2 true JP4282948B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=29699410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002137740A Expired - Fee Related JP4282948B2 (ja) 2002-05-13 2002-05-13 熱電変換材料及び熱電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4282948B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4715157B2 (ja) * 2004-10-18 2011-07-06 株式会社豊田中央研究所 熱電素子
JP4513504B2 (ja) * 2004-10-29 2010-07-28 株式会社豊田中央研究所 熱電材料
JP2009071131A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Three M Innovative Properties Co ポリチエニレンビニレン熱電変換材料を含む熱電変換素子及び該熱電変換材料の製造方法
CN103403900B (zh) 2011-03-04 2016-08-17 独立行政法人产业技术综合研究所 热电转换材料和使用该材料的挠性热电转换元件
CN103477397B (zh) * 2011-03-28 2016-07-06 富士胶片株式会社 导电性组合物、使用所述组合物的导电性膜及其制造方法
WO2013047730A1 (ja) 2011-09-28 2013-04-04 富士フイルム株式会社 熱電変換材料及び熱電変換素子
WO2013065448A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 富士フイルム株式会社 導電性組成物、並びにこれを用いた導電性膜及び導電性積層体
JP5789580B2 (ja) * 2011-10-31 2015-10-07 富士フイルム株式会社 熱電変換材料及び熱電変換素子
JP5931762B2 (ja) * 2013-01-29 2016-06-08 富士フイルム株式会社 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
JP5931763B2 (ja) * 2013-01-29 2016-06-08 富士フイルム株式会社 熱電変換材料、熱電変換素子並びにこれを用いた熱電発電用物品及びセンサー用電源
CN105474417B (zh) * 2013-09-04 2018-11-23 富士胶片株式会社 热电转换装置
JP6474110B2 (ja) 2014-02-28 2019-02-27 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 熱電変換材料および熱電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003332639A (ja) 2003-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gao et al. Stretchable and freeze‐tolerant organohydrogel thermocells with enhanced thermoelectric performance continually working at subzero temperatures
Mateeva et al. Correlation of Seebeck coefficient and electric conductivity in polyaniline and polypyrrole
JP4282948B2 (ja) 熱電変換材料及び熱電変換素子
Jiang et al. Improved thermoelectric performance of PEDOT: PSS films prepared by polar-solvent vapor annealing method
Toshima Conductive polymers as a new type of thermoelectric material
US10418538B2 (en) Thermoelectric material and thermoelectric module
JP4296236B2 (ja) 熱電材料及び熱電素子並びに熱電材料の製造方法
Dufour et al. Effect of plasticizing dopants on spectroscopic properties, supramolecular structure, and electrical transport in metallic polyaniline
WO2000012600A1 (en) Composite thermoelectric material
Hanafy Dielectric relaxation and alternating‐current conductivity of gadolinium‐doped poly (vinyl alcohol)
Pudzs et al. Thin film organic thermoelectric generator based on tetrathiotetracene
Jiang et al. Effects of cation size on thermoelectricity of PEDOT: PSS/ionic liquid hybrid films for wearable thermoelectric generator application
Li et al. Understanding the ferroelectric polymer–metal contact electrification for triboelectric nanogenerator from molecular and electronic structure
Taylor et al. Thermoelectric studies of oligophenylenevinylene segmented block copolymers and their blends with MEH-PPV
JP2003332638A (ja) 熱電変換材料及び熱電変換素子
Oh et al. Electrical property and stability of electrochemically synthesized polypyrrole films
De Queiroz et al. Resistive‐type humidity sensors based on PVP–Co and PVP–I2 complexes
Serrano‐Claumarchirant et al. Textile‐based Thermoelectric Generator Produced Via Electrochemical Polymerization
Han et al. A New Polystyrene–Poly (vinylpyridinium) Ionic Copolymer Dopant for n‐Type All‐Polymer Thermoelectrics with High and Stable Conductivity Relative to the Seebeck Coefficient giving High Power Factor
Wang et al. Acceptor-acceptor type polymers based on cyano-substituted benzochalcogenadiazole and diketopyrrolopyrrole for high-efficiency n-type organic thermoelectrics
Ahmed et al. Effect of dopant concentration on the electrical properties of polyvinyl alcohol (PVA)
JP2000323758A (ja) 有機熱電材料およびその製造方法
JP2001326393A (ja) ポリアニリン類、それを用いた熱電材料およびその製造方法
JP2009071131A (ja) ポリチエニレンビニレン熱電変換材料を含む熱電変換素子及び該熱電変換材料の製造方法
Bobade et al. Electrical investigation of polythiophene–poly (vinyl acetate) composite films via VTF and impedance spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4282948

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees