JP2000323758A - 有機熱電材料およびその製造方法 - Google Patents

有機熱電材料およびその製造方法

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JP2000323758A
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直樹 戸嶋
Naonori Ono
尚典 大野
Ko Gen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性高分子の熱電材料の応用に際して、熱
電変換における前記ゼーベック係数を向上させることの
できる構造を有する熱電材料を提供すること。 【解決手段】 重合により所定の分子量を有し、少なく
とも内在する水素イオンを供給可能な酸等のドーピング
剤をドーピングすることによってその導電率が向上する
有機導電性高分子を所定形状とした有機熱電材料1にお
いて、前記ドーピング剤がドーピングされた有機導電性
高分子から成る高導電層3と、前記ドーピング剤がドー
ピングされていない有機導電性高分子から成る低導電層
4とが交互に積層されているので、前記高導電層3と低
導電層4とが交互に積層されることにより、得られる有
機熱電材のゼーベック係数を向上できるばかりか、ドー
ピング剤がドーピングされた高導電層3が、ドーピング
剤がドーピングされていない低導電層4に挟まれるよう
にできるため、ドーピング剤の蒸発等を低く押さえるこ
とができ、得られる有機熱電材の特性を安定なものとす
ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、熱エネルギーを
直接電気エネルギーに変換または電気エネルギーを熱エ
ネルギーに変換 することのできる熱電変換材料、特に
は有機高分子による有機熱電材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、これら熱エネルギー(温
度差)を用いて直接電気エネルギーを取り出したり、逆
に電気エネルギーを与えることにより物質を冷却するこ
とのできる熱電変換材料としては、主にCoSb等の
無機半導体材料がその熱電変換効率が高いことから使
用、研究されている。
【0003】しかしながら、これら無機半導体の熱電材
料は、前記CoSbのように希少元素を含み高価であ
るばかりか、材料の加工性に乏しいという問題があり、
近年においては、安価であって材料の加工性に優れると
の観点から、有機高分子、特に導電性を有する導電性高
分子の熱電材料への検討が、N.Mateeva,H.
NiculescuらによりJ,Appl.Physi
cs.83,3111(1998)に示されるように実
施されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献における結果にもあるように、これら導電性高分子の
熱電変換におけるゼーベック係数および熱電変換効率指
数(ZT)は、前記CoSbに代表される無機半導体
の熱電材料に比較して小さく、実用に供するには難しい
とされており、これら導電性高分子の熱電材料の応用に
際して、熱電変換における前記ゼーベック係数および熱
電変換効率指数(ZT)を向上させる手法が切望されて
いた。
【0005】よって、本発明は上記した問題点に着目し
てなされたもので、導電性高分子の熱電材料の応用に際
して、熱電変換における前記ゼーベック係数および熱電
変換効率指数(ZT)を向上させることのできる構造を
有する熱電材料を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題を解決する
ために、本発明の有機熱電材料は、重合により所定の分
子量を有し、少なくとも内在する水素イオンを供給可能
または酸化により電荷を供給可能とされたドーピング剤
をドーピングすることによってその導電率が向上する有
機導電性高分子を所定形状とした有機熱電材料におい
て、前記ドーピング剤がドーピングされた有機導電性高
分子から成る高導電層と、前記ドーピング剤がドーピン
グされていない有機導電性高分子から成る低導電層とが
交互に積層されていることを特徴としている。この特徴
によれば、前記高導電層と低導電層とが交互に積層され
ることにより、得られる有機熱電材のゼーベック係数お
よび熱電変換効率指数(ZT)を向上できるばかりか、
ドーピング剤がドーピングされた高導電層が、ドーピン
グ剤がドーピングされていない低導電層に挟まれるよう
にできるため、ドーピング剤の蒸発等を低く押さえるこ
とができ、得られる有機熱電材の特性を安定なものとす
ることもできる。
【0007】本発明の有機熱電材料は、前記有機導電性
高分子がポリアニリンであることが好ましい。このよう
にすれば、使用する有機導電性高分子を、有機導電性高
分子の中でも比較的空気中で安定であるばかりか、その
耐熱性および導電性も優れているとともに、その重合合
成も比較的容易にできるポリアニリンとすることによ
り、得られる有機熱電材料の安定性および耐熱性等を比
較的高いものとすることが出来、尚且つ比較的安価にて
有機熱電材料を得ることができる。更には、これらポリ
アニリンは例えばN−メチルピロリドン(NMP)等の
溶剤に容易に溶解することから、スプレイ、塗布、スピ
ンコーティングまたはキャスティング等の方法により容
易に薄膜を得ることができ、本発明の前記積層構造を容
易に形成するすることもできる。
【0008】本発明の有機熱電材料は、前記ドーピング
剤が燐酸、2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸またはカンファースルホン酸であることが
好ましい。このようにすれば、燐酸、2−ナフタレンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸またはカンファ
ースルホン酸をドーピング剤とすることで、得られる高
導電層の耐熱性を塩酸等の一般的な他のドーピング剤と
比較して高いものとすることができる。
【0009】本発明の有機熱電材料の製造方法は、重合
により所定の分子量を有し、少なくとも内在する水素イ
オンを供給可能または酸化により電荷を供給可能とされ
たドーピング剤をドーピングすることによってその導電
率が向上する有機導電性高分子が適宜溶剤に所定濃度溶
解された高分子溶液を調整する第一の工程と、該高分子
溶液を所定厚みに塗布、乾燥して所定厚みの有機導電性
高分子膜を形成する第二の工程と、該有機導電性高分子
膜にドーピング剤を当接させ、余剰のドーピング剤を除
去することにより該有機導電性高分子膜の少なくとも一
方の面に高導電層を形成する第三の工程とから成り、前
記第一から第三の工程を所定回数繰り返し実施すること
により、前記ドーピング剤がドーピングされた有機導電
性高分子から成る高導電層と、前記ドーピング剤がドー
ピングされていない有機導電性高分子から成る低導電層
とを交互に積層することを特徴としている。この特徴に
よれば、ゼーベック係数や熱電変換効率指数(ZT)が
向上するとともに、前記高導電層が低導電層に挟まれて
ドーピング剤の蒸発等を低く押さえて安定した特性を示
す前記積層構造を有する有機熱電材を簡便に形成するこ
とができる。
【0010】本発明の有機熱電材料の製造方法は、前記
有機導電性高分子がポリアニリンであり、該有機導電性
高分子を溶解する溶液がN−メチルピロリドン(NM
P)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはm−ク
レゾールであることが好ましい。このようにすれば、使
用する有機導電性高分子を、有機導電性高分子の中でも
比較的空気中で安定であるばかりか、その耐熱性および
導電性も優れているとともに、その重合合成も比較的容
易にできるポリアニリンとすることにより、得られる有
機熱電材料の安定性および耐熱性等を比較的高いものと
することが出来るとともに、比較的安価にて有機熱電材
料を得ることができる。更には、これらポリアニリン
は、前記N−メチルピロリドン(NMP)やジメチルス
ルホキシド(DMSO)やm−クレゾール等の溶剤に容
易に溶解することから、キャスティング等の手法により
容易に薄膜を得ることができ、本発明の前記積層構造を
容易に形成するすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。
【0012】(実施例)図1は、本実施例における有機
熱電材料の製造工程を示すフロー図であり、図2は、本
実施例における有機熱電材料の製造工程における導電性
高分子膜の積層状況を示す図である。
【0013】本実施例において用いた導電性高分子とし
ては、以下の化学式1に示されるポリアニリンを用いて
おり、これらポリアニリンは所定の温度条件にて化学酸
化重合により合成され、該化学式においてR1〜R4の
官能基としては、水素、アルキル、アリル、ハロゲン、
スルホニック、カルボキシル、ニトロ基等から選ばれ、
R1〜R4は同一または全てが異なる官能基であっても
良く、本実施例では、R1〜R4の全てが水素であるポ
リアニリンとしている。
【化1】
【0014】これら化学酸化重合がなされる重合温度と
しては、表1に示すように、重合温度を比較的低温であ
る−8〜−6℃にて実施することで、構造欠陥が少なく
高分子量で且つ分子量分布の狭いポリアニリンを得るこ
とができることから好ましいが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、これらポリアニリンの重合方法や重
合温度等の条件は、適宜に選択することができる。
【表1】
【0015】これら低温重合により合成されたポリアニ
リンは、分離、乾燥された後、所定濃度(本実施例では
4.5重量%)にてドーピング剤であるカンファースル
ホン酸とともにDMSOに溶解されて高導電層を形成す
るための第一のポリアニリン溶液とされるとともに、該
ドーピング剤であるカンファースルホン酸を含むことな
く前記合成されたポリアニリンのみが所定濃度(本実施
例では3.7重量%)にてN−メチルピロリドン(NM
P)に溶解されて低導電層を形成するための第二のポリ
アニリン溶液とされる。
【0016】本実施例では、導電性高分子であるポリア
ニリンを溶解する溶剤として前記N−メチルピロリドン
(NMP)やジメチルスルホキシド(DMSO)を用い
ており、これら各溶剤はポリアニリンの溶解能力に優れ
るとともに、前記DMSOは前記ドーピング剤である各
種酸の溶解能力にも優れることから好ましいが、本発明
はこれら溶剤に限定されるものではなく、使用する導電
性高分子の溶解性を考慮してこれら溶剤は適宜選択され
れば良い。
【0017】このようにして調整された前記第一のポリ
アニリン溶液は、図2(イ)に示すように、所定厚みに
てキャステイング基材であるガラス板2に塗布された
後、80℃にてプレ乾燥の後、60℃において減圧乾燥
されてドーピング剤であるカンファースルホン酸がドー
ピングされた所定厚みの高導電層3が製膜される。
【0018】次いで、この高導電層3の上面に前記第二
のポリアニリン溶液が、図2(ロ)に示すように、所定
厚みにて塗布された後、前記高導電層3と同様にプレ乾
燥および減圧乾燥することにより、前記ドーピング剤で
あるカンファースルホン酸を含まない低導電層4が前記
高導電層3の上面に積層される。
【0019】これら積層における前記高導電層3の厚み
としては、この厚みが厚すぎると低導電層との距離が増
大して低導電層が介在することによるゼーベック係数の
向上効果が低下してしまうし、またこの厚みが薄すぎる
と高導電層による電気伝導性が不十分となる場合がある
ことから、好ましくは500μm〜0.01μmの範囲
とすれば良く、本実施例では約20μmとしている。
【0020】また、前記低導電層4の厚みとしては、こ
の厚みが厚すぎると電気伝導および熱伝導を大きく阻害
して積層によるゼーベック係数の向上効果が低下してし
まうし、またこの厚みが薄すぎるとピンホール等の存在
等により低導電層を積層することの効果を良好に得るこ
とが難しくなることから、好ましくは500μm〜0.
01μmの範囲とすれば良く、本実施例では約20μm
としている。
【0021】これら前記第一のポリアニリン溶液の塗
布、減圧乾燥による高導電層3の形成と、前記第二のポ
リアニリン溶液の塗布、減圧乾燥による低導電層4の形
成とを、図2(ハ)に示すように所定回数(本実施例で
は高導電層3が6層で低導電層4が5層のもの(以下1
1層品と称す)と、高導電層3が2層で低導電層4が1
層のもの(以下3層品と称す)の2種類を実施)繰り返
すことで、図2(ニ)に示す本実施例の積層構造を有す
る有機熱電材料1を作製し、これら作製した有機熱電材
料1を所定寸法(3×10mm)に切り出して測定試料
とし、図3に示す測定装置にて導電率並びにゼーベック
係数を測定するとともに、その熱伝導度を理学電機製レ
ーザーフラッシュ法熱定数測定装置を用いて測定して熱
電変換効率指数(ZT)を算出し、更に熱分析装置によ
る重量変化について測定を実施した。
【0022】また、比較例として、前記積層を実施せず
に前記高導電層3のみの比較試料を作製し、前記試料と
同様の測定を実施して両者の比較を実施した。
【0023】まず、ゼーベック係数の測定結果は図4に
示すようになっており、高導電層単体のゼーベック係数
に比較して、低導電層を1層有する最も簡素な積層構造
を有する3層品でも、ゼーベック係数が向上しているこ
とが判り、その積層数を増やすことで、或る温度におい
てより高いゼーベック係数を得ることができることが判
る。
【0024】また、各温度における熱電変換効率指数
(ZT)の比較結果は、図6に示すようになっており、
前記3層品の熱電変換効率指数(ZT)が最も高く、前
記11層品では単層の熱電変換効率指数(ZT)と大き
な違いが無くなっている。
【0025】この傾向は、図5に示す導電率においても
同様に見られることから、これら積層数は、用いる高導
電層3におけるドーピング剤の種類等により前記ゼーベ
ック係数と熱電変換効率指数(ZT)並びに導電率のバ
ランスが取れるように適宜な積層数を選択するようにす
れば良い。
【0026】また、前記熱分析装置による熱重量変化に
ついての比較結果は、図7に示すようになっており、前
記11層品の方が同一温度における重量減少が小さく、
耐熱性に優れていることが判る。この理由としては、前
記カンファースルホン酸がドーピングされた高導電層が
カンファースルホン酸を含まない低導電層に挟まれるよ
うになるため、カンファースルホン酸等のドーピング剤
の飛散が抑止されることに起因するものと考えられる。
【0027】これら本実施例のように高導電層と低導電
層との積層構造として有機熱電材料を形成することによ
り、高導電層単体を用いた有機熱電材料に比較して、高
いゼーベック係数や熱電変換効率指数(ZT)並びに導
電率を得ることができるようになり、前記キャステイン
グを繰り返し実施する方法を用いることで、これら積層
構造の有機熱電材料を容易に形成することが可能とな
る。
【0028】以上、本発明を図面に基づいて説明してき
たが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更や追加があ
っても、本発明に含まれることは言うまでもない。例え
ば、前記実施例では、ドーピング剤として前記のように
カンファースルホン酸を使用しているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、これらドーピング剤は、使
用する有機導電材が前記のようにポリアニリンである場
合には、少なくとも水素イオンを供給可能な酸等であっ
て、その使用温度範囲において揮発しにくいものであれ
ば良く、例えばトルエンスルホン酸や、燐酸、2−ナフ
タレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等は、
図8にこれら各酸をドーピングしたポリアニリン膜(単
層)の熱重量変化を示すように、通常の一般的なドーピ
ング剤として用いられる塩酸(HCl)に比較して、比
較的高温においても重量減少が少なく、耐熱性に優れた
高導電層を得ることができることから好ましい。
【0029】また、前記実施例においては導電性高分子
として、前記化学式1に示すポリアニリンを用いている
が、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の化
学式2に示すように、酸化により電荷を供給可能とされ
たドーピング剤をドーピングすることにより、その導電
性が向上するポリピロール等の導電性高分子に適用可能
であることは言うまでもない。
【化2】
【0030】また、前記実施例にて作製される有機熱電
材料は、電気エネルギーの供給により冷却を行うペルチ
ェ材料にも使用できることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。
【0032】(a)請求項1の発明によれば、前記高導
電層と低導電層とが交互に積層されることにより、得ら
れる有機熱電材のゼーベック係数および熱電変換効率指
数(ZT)を向上できるばかりか、ドーピング剤がドー
ピングされた高導電層が、ドーピング剤がドーピングさ
れていない低導電層に挟まれるようにできるため、ドー
ピング剤の蒸発等を低く押さえることができ、得られる
有機熱電材の特性を安定なものとすることもできる。
【0033】(b)請求項2の発明によれば、使用する
有機導電性高分子を、有機導電性高分子の中でも比較的
空気中で安定であるばかりか、その耐熱性および導電性
も優れているとともに、その重合合成も比較的容易にで
きるポリアニリンとすることにより、得られる有機熱電
材料の安定性および耐熱性等を比較的高いものとするこ
とが出来、尚且つ比較的安価にて有機熱電材料を得るこ
とができる。更には、これらポリアニリンは例えばN−
メチルピロリドン(NMP)等の溶剤に容易に溶解する
ことから、スプレイ、塗布、スピンコーティングまたは
キャスティング等の方法により容易に薄膜を得ることが
でき、本発明の前記積層構造を容易に形成するすること
もできる。
【0034】(c)請求項3の発明によれば、燐酸、2
−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸
またはカンファースルホン酸をドーピング剤とすること
で、得られる高導電層の耐熱性を塩酸等の一般的な他の
ドーピング剤と比較して高いものとすることができる。
【0035】(d)請求項4の発明によれば、ゼーベッ
ク係数や熱電変換効率指数(ZT)が向上するととも
に、前記高導電層が低導電層に挟まれてドーピング剤の
蒸発等を低く押さえて安定した特性を示す前記積層構造
を有する有機熱電材を簡便に形成することができる。
【0036】(e)請求項5の発明によれば、使用する
有機導電性高分子を、有機導電性高分子の中でも比較的
空気中で安定であるばかりか、その耐熱性および導電性
も優れているとともに、その重合合成も比較的容易にで
きるポリアニリンとすることにより、得られる有機熱電
材料の安定性および耐熱性等を比較的高いものとするこ
とが出来るとともに、比較的安価にて有機熱電材料を得
ることができる。更には、これらポリアニリンは、前記
N−メチルピロリドン(NMP)やジメチルスルホキシ
ド(DMSO)やm−クレゾール等の溶剤に容易に溶解
することから、キャスティング等の手法により容易に薄
膜を得ることができ、本発明の前記積層構造を容易に形
成するすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における有機熱電材料の製造工
程を示すフロー図である。
【図2】(イ)〜(ニ)は、本発明の実施例における有
機熱電材料の製造工程における導電性高分子膜の積層状
況を示す図である。
【図3】本発明の実施例における測定装置を示す図であ
る。
【図4】本発明の実施例の有機熱電材料と比較試料との
各温度におけるゼーベック係数の測定結果を示すグラフ
である。
【図5】本発明の実施例の有機熱電材料と比較試料との
各温度における導電率の測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例の有機熱電材料と比較試料との
各温度における熱電変換効率指数(ZT)を示すグラフ
である。
【図7】本発明の実施例の有機熱電材料と比較試料との
熱重量変化を示す図である。
【図8】その他のドーピング剤における熱重量変化を示
す図である。
【符号の説明】
l 有機熱電材料 2 ガラス板 3 高導電層 4 低導電層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合により所定の分子量を有し、少なく
    とも内在する水素イオンを供給可能または酸化により電
    荷を供給可能とされたドーピング剤をドーピングするこ
    とによってその導電率が向上する有機導電性高分子を所
    定形状とした有機熱電材料において、前記ドーピング剤
    がドーピングされた有機導電性高分子から成る高導電層
    と、前記ドーピング剤がドーピングされていない有機導
    電性高分子から成る低導電層とが交互に積層されている
    ことを特徴とする有機熱電材料。
  2. 【請求項2】 前記有機導電性高分子がポリアニリンで
    ある請求項1に記載の有機熱電材料。
  3. 【請求項3】 前記ドーピング剤が燐酸、2−ナフタレ
    ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸またはカン
    ファースルホン酸である請求項1または2に記載の有機
    熱電材料。
  4. 【請求項4】 重合により所定の分子量を有し、少なく
    とも内在する水素イオンを供給可能または酸化により電
    荷を供給可能とされたドーピング剤をドーピングするこ
    とによってその導電率が向上する有機導電性高分子が適
    宜溶剤に所定濃度溶解された高分子溶液を調整する第一
    の工程と、該高分子溶液を所定厚みに塗布、乾燥して所
    定厚みの有機導電性高分子膜を形成する第二の工程と、
    該有機導電性高分子膜にドーピング剤を当接させ、余剰
    のドーピング剤を除去することにより該有機導電性高分
    子膜の少なくとも一方の面に高導電層を形成する第三の
    工程とから成り、前記第一から第三の工程を所定回数繰
    り返し実施することにより、前記ドーピング剤がドーピ
    ングされた有機導電性高分子から成る高導電層と、前記
    ドーピング剤がドーピングされていない有機導電性高分
    子から成る低導電層とを交互に積層することを特徴とす
    る有機熱電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機導電性高分子がポリアニリンで
    あり、該有機導電性高分子を溶解する溶液がN−メチル
    ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMS
    O)またはm−クレゾールである請求項4に記載の有機
    熱電材料の製造方法。
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