JP4715157B2 - 熱電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電素子に関し、さらに詳しくは、熱電発電や熱電加熱・熱電冷却に使用することができ、軽量で、かつ、凹凸のある部位や非平行な部位への設置が容易な熱電素子に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用して、電気エネルギーを冷却や加熱のための熱エネルギーに、また逆に熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することをいう。熱電変換は、(1)エネルギー変換の際に余分な老廃物を排出しない、(2)排熱の有効利用が可能である、(3)材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる、(4)モータやタービンのような可動装置が不要であり、メンテナンスの必要がない、等の特徴を有していることから、エネルギーの高効率利用技術として注目されている。
熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換できる材料、すなわち、熱電材料の特性を評価する指標としては、一般に、性能指数Z(=Sσ/κ、但し、S:ゼーベック係数、σ:電気伝導度、κ:熱伝導度)、又は、性能指数Zと、その値を示す絶対温度Tの積として表される無次元性能指数ZTが用いられる。ゼーベック係数は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表す。熱電材料は、それぞれ固有のゼーベック係数を持っており、ゼーベック係数が正であるもの(p型)と、負であるもの(n型)に大別される。
また、熱電材料は、通常、p型の熱電材料とn型の熱電材料とを接合した状態で使用される。このような接合対は、一般に、「熱電素子」と呼ばれている。熱電素子の性能指数は、p型熱電材料の性能指数Z、n型熱電材料の性能指数Z、並びに、p型及びn型熱電材料の形状に依存し、また、形状が最適化されている場合には、Z及び/又はZが大きくなるほど、熱電素子の性能指数が大きくなることが知られている。従って、性能指数の高い熱電素子を得るためには、性能指数Z、Zの高い熱電材料を用いることが重要である。
このような熱電材料としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等の化合物半導体、NaCoO(0.3≦x≦0.8)、(ZnO)In(1≦m≦19)、CaCo等の酸化物セラミックスが知られている。これらの材料は、一般に、p型の熱電材料であって、柱状に加工されたもの(以下、これを「バルク熱電材料」という。)及びn型のバルク熱電材料の両端に電極を接合した熱電素子(いわゆる、「π型素子」)、あるいは、p型及びn型のバルク熱電材料の一端を直接、接合した熱電素子(いわゆる、「U型素子」)の状態で使用されている。
しかしながら、従来の熱電材料は、加工しにくいという問題がある。また、希少元素や毒性元素を含む場合があり、製造コストや環境に問題を生じることがある。
また、熱電材料の性能指数Zを決めるゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導率κは、いずれもキャリア濃度の関数であることが知られている。そのため、単に熱電材料中のキャリア濃度を調整するだけでは、到達可能な性能指数Zには限界がある。
さらに、バルク熱電材料を用いた熱電素子(特に、π型素子)又はこのような複数個の熱電素子を直列若しくは並列に接続した従来の熱電モジュールは、その構造上、熱源又は被冷却物若しくは被加熱物との接触部が平面である必要がある。そのため、従来の熱電素子では、その表面に凹凸がある熱源(例えば、熱流配管の周囲)や被冷却物・被加熱物への設置が困難であった。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、カルシウムコバルト酸化物等の熱電材料と、ポリマ被覆されたカーボンナノチューブ、ポリマ被覆されたカーボンナノファイバー、又は、導電性ポリマとを含むハイブリッド熱電材料が開示されている。同文献には、熱電材料中にポリマ被覆されたカーボンナノチューブ等を添加することによって、電気伝導度を低下させることなく、熱伝導度を低下させることができる点が記載されている。
また、特許文献2には、導電性高分子の一種であるポリ(2−ブトキシ−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)をクロロホルムに溶解させ、この溶液をスライドガラス上に滴下してキャスト製膜し、膜を乾燥させ、さらにこの膜にヨウ素を気相ドーピングすることにより得られる熱電材料が開示されている。同文献には、ポリフェニレンビニレンにドーピング処理し、電気伝導度σを所定の範囲に調整することによって、性能指数Zを向上させることができる点、フェニレン基の一部をアルコキシ基に置換することによって易加工性を付与できる点、及び、導電性高分子の表面をエポキシ樹脂等で封止することによって、耐久性を向上させることができる点が記載されている。
さらに、特許文献3には、Si−Ge系熱電材料からなり、かつ、3.5mm角×高さ5mmの大きさを有するp型素子及びn型素子の両端にMo電極を接合してライン型熱電素子対とし、このライン型熱電素子対を絶縁性のシリコーンゲルシートに接着した熱電変換モジュールが開示されている。同文献には、熱電素子の高温端及び低温端を電気絶縁性のフィルムに接着することによって、曲面を有する部材表面に熱電素子を設置するのが容易化する点が記載されている。
特開2002−245592号公報 特開2003−332639号公報 特開2000−286463号公報
特許文献3に記載されているように、バルク熱電材料を用いた熱電素子又は熱電モジュールであっても、可撓性を有する電極を用いることによって、凹凸がある熱源等への熱電モジュールの設置がある程度容易化する。しかしながら、バルク熱電材料自体は変形しないので、このような熱電モジュールの変形量には限界がある。
また、従来の熱電材料(特に、Bi−Te系やPb−Te系の化合物半導体)は、相対的に比重が大きい。そのため、このような熱電材料を用いた熱電素子を移動体に大量に搭載すると、エネルギ効率がかえって低下するという問題がある。さらに、従来の熱電材料は、硬く、かつ、脆いので、振動や熱応力によって、熱電材料の破損や電極の接合不良が生じやすいという問題がある。
これに対し、ある種の有機化合物の中には、電気伝導性を示すもの(例えば、導電性高分子)が知られており、帯電防止、電磁波シールド材などに用いられている。さらに、ある種の導電性高分子は、電気伝導性だけでなく、相対的に大きな熱電特性を示すことが知られている。しかも、導電性高分子は、従来の熱電材料に比べて軽量であり、かつ、希少元素や毒性元素を必ずしも含まないという特徴がある。
しかしながら、導電性高分子を溶解させた溶液をガラス基板上に塗布し、薄膜を形成する方法では、得られる薄膜の厚さに限界がある。そのため、熱を膜厚方向に流す場合、高温端と低温端の温度差が小さいという問題がある。一方、熱を膜面方向に流す場合、膜の断面積が小さいので、十分な電流がとれないという問題がある。さらに、導電性高分子の薄膜をガラス基板で支持する方法では、凹凸がある熱源等への設置が困難であり、かつ、振動や熱応力によって熱電材料の破損や電極の接合不良が生じやすいという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、その表面に凹凸がある熱源等への設置が容易な熱電素子を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、軽量であり、加工が容易で、しかも、希少元素や毒性元素を必ずしも含まない熱電素子を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、実用上十分な電圧及び/又は電流を確保することが可能な熱電素子を提供することにある。さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、振動や熱応力が作用しても、素子の破損や電極の接合不良が生じにくい熱電素子を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電素子は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記熱電素子は、
高温部電極と、
低温部電極と、
その両端が、それぞれ、前記高温部電極及び前記低温部電極に接合された、熱電材料からなり、互いに独立して自由に動ける状態にある1又は2以上の線状の可撓性素子又はその束とを備えている。
(2)前記可撓性素子は、p型熱電材料を含む1又は2以上のp型可撓性素子と、n型熱電材料を含む1又は2以上のn型可撓性素子とを備え、
前記p型可撓性素子又はその束、及び前記n型可撓性素子又はその束は、電気的に直列に接続されるように、それぞれ、その両端が前記高温部電極及び前記低温部電極に接続されている。
(3)前記高温部電極及び前記低温部電極の少なくとも一方は、
電気絶縁性を有する支持層と、
該支持層表面に形成され、かつ、互いに絶縁された2個以上の電気伝導層とを備えている。
(4)前記p型可撓性素子又はその束、及び前記n型可撓性素子又はその束の両端以外の部分を互いに電気的に絶縁するための絶縁手段をさらに備え、
前記絶縁手段は、前記高温部電極及び前記低温部電極の間にほぼ平行に配置され、平行に並んだ前記p型可撓性素子又はその束と前記n型可撓性素子又はその束の横方向に波状に通された、電気絶縁性を有する1本又は複数本の横糸を備えている。
この場合、前記高温部電極及び前記低温部電極の少なくとも一方は、可撓性を有するものが好ましい。また、前記可撓性素子は、出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上である有機化合物を備えているものが好ましい。
本発明に係る熱電素子は、熱電材料からなる可撓性素子を備えているので、凹凸がある熱源等への設置が容易化する。特に、可撓性素子に加えて、高温部電極及び/又は低温部電極が可撓性を有している場合には、凹凸がある熱源等への設置がさらに容易化する。さらに、可撓性素子は、振動や熱応力を吸収することができるので、素子の破損や電極の接合不良を抑制することができる。
また、可撓性素子として、熱電特性を示す有機化合物を用いた場合には、熱電素子を軽量化することができる。また、可撓性素子の長さ及び電極間に設置する可撓性素子の本数を最適化することにより、十分な電圧及び/又は電流を確保することができる。さらに、熱電特性を示す有機物化合物は、加工が容易であり、希少元素や毒性元素を必ずしも含まないので、製造コストを低減することができ、環境に対する負荷も小さい。
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る熱電素子は、高温部電極と、低温部電極と、可撓性素子とを備えている。
高温部電極及び低温部電極は、いずれも、可撓性素子から電流を取り出し又は可撓性素子に電流を供給するためのものである。高温部電極及び低温部電極は、それぞれ、剛体であっても良く、あるいは、可撓性を有するものであっても良い。特に、高温部電極及び低温部電極の少なくとも一方又は双方が可撓性を有する場合には、凹凸のある熱源又は被冷却物・被加熱物への熱電素子の設置がさらに容易化する。
高温部電極及び低温部電極は、それぞれ、電気伝導性を有する電気伝導層のみからなるものであっても良く、あるいは、電気伝導層と、これを支持するための電気絶縁性を有する支持層との二層構造を備えているものであっても良い。但し、後述するように、p型及びn型の可撓性素子を電気的に直列に接続する場合には、高温部電極及び低温部電極の少なくとも一方は、支持層と、互いに絶縁された2個以上の電気伝導層との二層構造を備えているものが好ましい。支持層表面への電気伝導層の形成パターンは、p型可撓性素子及びn型可撓性素子の配置・接続パターン等に応じて最適なものを選択する。
支持層及び電気伝導層の厚さ、形状等は、支持層及び電気伝導層の材質、熱電素子の用途等に応じて任意に選択することができる。例えば、支持層及び/又は電気伝導層は、所定の材料からなる板若しくはシートであっても良く、あるいは、所定の材料からなる繊維で織られたクロスであっても良い。
高温部電極及び低温部電極を構成する電気伝導層の材料としては、具体的には、
(1) 後述する各種の導電性高分子(後述する各種のドーパントが添加され、及び/又は、各種置換基が導入されたものを含む)、
(2) Al、Cu、Au、Ag、In等の金属、
などがある。これらは、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。特に、電極に高い可撓性が要求される場合には、電気伝導層として、導電性高分子を用いるのが好ましい。導電性高分子は、その厚さを最適化することによって、容易に可撓性を有する電気伝導層となり、しかも、曲げ応力が繰り返し加わっても、劣化が少ないという利点がある。。
高温部電極及び低温部電極を構成する支持層の材料としては、具体的には、
(1) 中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセテート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、3フッ化エチレン等の高分子、
(2) シリコーンゴム、フッ化ビニリデン等のフッ素系ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等のゴム、
(3) シリコーンゲル、高分子吸収ゲル等のゲル、
(4) アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミックス、
などがある。これらは、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。特に、電極に高い可撓性が要求される場合には、支持層として、高分子、ゴム、又は、ゲルを用いるのが好ましい。高分子、ゴム、又は、ゲルは、その厚さを最適化することによって、可撓性を有する支持層となる。
可撓性素子は、可撓性を有し、熱電材料を含み、かつ、線状の形状を有するものからなる。可撓性素子の両端は、それぞれ、高温部電極及び低温部電極に接合されており、両端以外の部分は、高温部電極及び低温部電極とは独立して自由に変形できるようになっている。高温部電極及び低温部電極に接合される可撓性素子の本数は、1本であっても良く、あるいは、2本以上であっても良い。一般に、電極間に接合される可撓性素子の数が多くなるほど、可撓性素子全体の総断面積が大きくなるので、大きな電流を確保することができる。
ここで、「線状」とは、断面の最大寸法(amax)に対する長さ(L)の比(L/amax)が十分に大きく、かつ、断面の最小寸法方向に発生する相対的に小さな曲げモーメントによって、相対的に大きな撓みが発生する形状をいう。L/amaxは、具体的には、 10以上が好ましく、さらに好ましくは、100以上、さらに好ましくは、1000以上である。
断面の最小寸法(amin)は、使用時に可撓性素子に発生する曲げモーメントによって要求される撓みが発生するように、可撓性素子の材質、熱電素子の用途等に応じて最適な寸法を選択する。一方、断面の最大寸法(amax)は、特に限定されるものではなく、可撓性素子の材質、熱電素子の用途等に応じて任意に選択することができる。
また、可撓性素子の断面形状は、特に限定されるものではなく、円形、楕円形、矩形、あるいは、扁平形のいずれであっても良い。最適な断面形状は、与えられた曲げモーメントの発生条件下において要求される撓み量が得られるように、可撓性素子の材質、熱電素子の用途等に応じて選択する。
可撓性素子に用いられる熱電材料としては、具体的には、
(1) 熱電特性を有する各種有機化合物、
(2) Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等の化合物半導体、
(3) NaCoO(0.3≦x≦0.8)、(ZnO)In(1≦m≦19)、CaCo等の酸化物セラミックス、
などがある。これらは、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、熱電特性を有する各種有機化合物は、単独でも可撓性素子を構成することができ、軽量で、かつ、希少元素及び/又は毒性元素を必ずしも含まないので、可撓性素子を構成する材料として、特に好適である。
可撓性素子を構成する有機化合物は、使用温度において、その出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上であるものが好ましい。高い熱電特性を有する熱電素子を得るためには、使用温度における有機化合物の出力因子(Sσ)は、大きいほどよい。
このような条件を満たす有機化合物としては、ポリアセチレン系、ポリアセン系、ポリビニレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリキノリン系等の各種導電性高分子がある。
これらの導電性高分子は、主鎖骨格に種々の置換基が結合していても良い。主鎖骨格に種々の置換基を結合させると、導電性高分子に種々の機能を付与することができる。
例えば、主鎖骨格を構成する元素の一部をアルコキシ基で置換すると、導電性高分子に溶剤可溶性や加熱成形性を付与することができる。この場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、さらに好ましくは、1〜10である。また、アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、あるいは、脂環式であっても良い。さらに、アルコキシ基には、他の置換基が結合していても良い。
これらの導電性高分子は、そのまま可撓性素子として用いても良いが、一般に、単独では電気伝導度σが低く、実用上十分な熱電特性が得られない場合がある。このような場合には、電気伝導度σを高めるために、導電性高分子に対してドーピングを行う。ドーパントの種類は、特に限定されるものではなく、導電性高分子の種類、要求される特性等に応じて、最適なものを選択する。
ドーパントには、導電性高分子から電子を受け取るアクセプタードーパント(p型ドーパント)と、導電性高分子に電子を与えるドナードーパント(n型ドーパント)がある。
アクセプタードーパントとしては、具体的には、
(1) Cl、Br、I、ICl、ICl、IBr、IF等のハロゲン、
(2) PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等のルイス酸、
(3) HF、HCl、HNO、HSO、HClO、リン酸等のプロトン酸、
(4) 2−ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸、
(5) FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、HFCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、WF等の遷移金属化合物、などがある。
また、ドナードーパントとしては、具体的には、
(1) Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、
(2) Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、
(3) Eu等のランタノイド、
(4) R、R、RAs、R(R:アルキル基)、アセチルコリン、
などがある。
ドーパントは、導電性高分子の表面に物理的に担持されていても良く、あるいは、化学結合により固定されていても良い。また、可撓性素子が、導電性高分子と、後述する第2成分との複合体からなる場合、ドーパントは、導電性高分子の表面に担持されていても良く、あるいは、導電性高分子と第2成分との界面に担持されていても良い。可撓性素子が導電性高分子と第2成分との複合体からなる場合において、その界面にドーパントを担持させると、使用中におけるドーパントの揮発が抑制され、可撓性素子の熱電特性の経時劣化を抑制できるという利点がある。
熱電材料が本質的に可撓性を有するもの(線状化することによって、容易に可撓性を示すもの)である場合、可撓性素子は、上述した熱電材料のみで構成されていても良い。
例えば、導電性高分子は、線状に加工するのが比較的容易であり、かつ、線状に加工することによって容易に可撓性を示すので、導電性高分子のみで可撓性素子を構成することができる。この場合、線状の導電性高分子は、例えば、
(1) 共役二重結合を有するモノマ、芳香族化合物からなるモノマ等を、電界重合法、化学酸化重合法等を用いて導電性高分子又はその前駆体を重合した後、導電性高分子若しくはその前駆体の融液又は導電性高分子若しくはその前駆体を含む溶液を、周知の方法を用いて紡糸する方法、
(2) 多孔体材料に導電性高分子又はその前駆体を含む溶液を充填し、後の加熱処理若しくは適当な溶媒中で多孔体材料のみを除去する方法、
等により得られる。
また、線状に加工された導電性高分子に対し、さらに延伸配向処理を施しても良い。導電性高分子に延伸配向処理を施すと、高分子鎖が延伸方向に配向するので、可撓性素子の熱電特性をさらに向上させることができる。
必要に応じて、延伸配向処理を行った後、線状に加工された導電性高分子のドーピングを行う。ドーピングは、線状に加工された導電性高分子の表面から、気相又は液相を介して行うのが好ましい。
一方、本質的に可撓性を有する熱電材料のみからなる可撓性素子では耐久性等に乏しい場合、及び/又は、熱電材料が本質的に可撓性に乏しいものである場合には、可撓性素子は、上述した各種の熱電材料と、第2成分との複合体とするのが好ましい。複合体は、具体的には、以下のようなものがある。
複合体の第1の具体例は、線状の第2成分と、第2成分の周囲を被覆する熱電材料とを備えている。第2成分は、特に限定されるものではなく、金属、カーボン、酸化物、電気絶縁性高分子など、目的に応じて種々の材料を用いることができる。この方法は、特に、熱電材料が有機化合物からなる場合において、有機化合物の強度や耐久性、若しくは熱電性能指数を向上させる方法として有効である。
線状(例えば、繊維状)の第2成分の表面に熱電材料を被覆する方法は、特に限定されるものではなく、熱電材料及び第2成分の種類に応じて最適な方法を選択する。
例えば、熱電材料が導電性高分子である場合、第2成分を線状に加工した後、導電性高分子を加熱溶融させた融液又は導電性高分子を適当な溶媒に溶解させた溶液を第2成分の表面に塗布し、あるいは、この融液又は溶液に線状の第2成分を浸漬すれば良い。
この場合、ドーピングは、
(1) 線状に加工された第2成分の表面に導電性高分子を被覆した後、気相又は液相を介してドーパントを添加する方法、
(2) 第2成分を線状に加工した後、その表面に導電性高分子を被覆する前に、第2成分の表面に気相又は液相を介してドーパントを付着させる方法、
(3) (a) 第2成分の表面にOH基を導入し(例えば、第2成分が無機材料であるときには、第2成分をキャロス液(H:HSO=1:1)で処理し)、
(b) 担体表面のOH基とアルキルアルコキシシラン(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど)のアルコキシル基とを縮合反応させることにより、担体表面にアルキルアルコキシシランを化学結合させ、
(c) 末端のアルキル基にドーパントを導入(例えば、硫酸等を用いてスルホン化)する方法、
などを用いるのが好ましい。
また、例えば、熱電材料が化合物半導体、酸化物セラミックス等である場合、線状に加工された第2成分の表面に熱電材料の粉末を適当なバインダーを介して接着させ、あるいは、スパッタリング等により第2成分の表面に熱電材料からなる薄膜を形成しても良い。
複合体の第2の具体例は、線状の熱電材料と、熱電材料の周囲を被覆する第2成分とを備えている。この場合も、第2成分は、特に限定されるものではなく、上述した金属、カーボン、酸化物、電気絶縁性高分子など、目的に応じて種々の材料を用いることができる。この方法は、特に、熱電材料が有機化合物からなる場合において、ドーパントの揮発に起因する熱電特性の経時劣化を抑制したり、あるいは、可撓性素子の両端以外の部分に電気絶縁性を付与する方法として有効である。
線状(例えば、繊維状)の熱電材料の表面に第2成分を被覆する方法は、特に限定されるものではなく、熱電材料及び第2成分の種類に応じて最適な方法を選択する。
例えば、熱電材料が導電性高分子である場合において、その周囲に電気絶縁性高分子を被覆するときには、導電性高分子を線状に加工(さらに、延伸配向処理を施しても良い)した後、電気絶縁性高分子を加熱溶融させた融液又は電気絶縁性高分子を適当な溶媒に溶解させた溶液を導電性高分子の表面に塗布し、あるいは、この融液又は溶液に導電性高分子を浸漬すればよい。
この場合、ドーピングは、導電性高分子を線状に加工した後、第2成分を被覆する前に、線状に加工された熱電材料の表面から、気相又は液相を介してドーパントを添加する方法により行うのが好ましい。
また、熱電材料が導電性高分子である場合において、その周囲に金属、カーボン、酸化物等を被覆するときには、線状に加工された導電性高分子の周囲に、金属等からなる粉末を適当なバインダーを介して接着させ、あるいは、スパッタリング等により導電性高分子の表面に金属等からなる薄膜を形成しても良い。
複合体の第3の具体例は、熱電材料と、熱電材料以外の高分子(第2成分)との混合体からなる。第2成分として加える高分子は、特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択することができる。
例えば、電気絶縁性高分子は、一般に、熱電材料に比べて熱伝導度κが低い。そのため、第2成分として電気絶縁性高分子を用いると、第2成分の添加量を最適化することによって、可撓性素子の電気伝導度σを相対的に高く維持したまま、可撓性素子の熱伝導度κを相対的に小さくすることができる。
また、例えば、第2成分として可撓性及び強度の大きい高分子を用いると、可撓性素子の耐久性を向上させることができる。
例えば、熱電材料が導電性高分子である場合において、導電性高分子と他の高分子からなる混合体は、導電性高分子及び他の高分子の混合物を加熱溶融させ、あるいは、導電性高分子及び他の高分子の双方を溶解させることが可能な溶媒にこれらを溶解させ、両者を均一に混合することにより得られる。
このような複合体からなる線状の可撓性素子は、例えば、
(1) 導電性高分子及び他の高分子(これらの前駆体を含む)の融液、又は、導電性高分子及び他の高分子を含む溶液を、周知の方法を用いて紡糸する方法
(2) 多孔体材料に導電性高分子及び他の高分子(これらの前駆体を含む)を含む溶液を充填し、後の加熱処理若しくは適当な溶媒中で多孔体材料のみを除去する方法、
等により得られる。
この場合、ドーピングは、線状に加工された導電性高分子と他の高分子との混合体の表面に、気相又は液相を介してドーパントを添加する方法により行うのが好ましい。
なお、このようにして得られた複合体に対し、さらに延伸配向処理を施しても良い。また、このようにして得られた複合体に対して上述した第1又は第2の方法を適用しても良い。すなわち、線状の第2成分の表面をこのような複合体で被覆しても良く、あるいは、このような複合体を線状に加工し、その表面を第2成分で被覆しても良い。
また、例えば、熱電材料が本質的に可撓性に乏しい材料(例えば、化合物半導体、酸化物セラミックス等)である場合において、熱電材料と高分子(第2成分)からなる混合体は、高分子の融液又は高分子を含む溶液に熱電材料からなる粉末を加え、融液又は溶液中に熱電材料からなる粉末を均一に分散させることにより得られる。この場合、第2成分としては、上述した各種高分子、ゴム、ゲルなどを用いるのが好ましい。この方法は、熱電材料が本質的に可撓性に乏しい材料からなる場合に有効な方法である。
このような複合体からなる線状の可撓性素子は、例えば、
(1) 熱電材料からなる粉末を分散させ、かつ、第2成分を含む融液又は溶液を、周知の方法を用いて紡糸する方法、
(2) 多孔体材料に熱電材料及び他の高分子を含む溶液を充填し、後の加熱処理若しくは適当な溶媒中で多孔体材料のみを除去する方法、
等により得られる。
なお、このようにして得られた複合体に対し、さらに上述した第1又は第2の方法を適用しても良い。
熱電材料には、優勢キャリアがホールであるp型熱電材料と、優勢キャリアが電子であるn型熱電材料とがある。電極間に複数個の可撓性素子を接合する場合、各可撓性素子は、そのすべてがp型熱電材料を含む可撓性素子(本発明においては、これを「p型可撓性素子」という。)であっても良く、あるいは、そのすべてがn型熱電材料を含む可撓性素子(本発明においては、これを「n型可撓性素子」という。)であっても良い。例えば、このような熱電素子を熱電発電に用いる場合、発生する電圧は、高温部電極−低温部電極間に発生する温度差に比例し、取り出せる電流は、可撓性素子の両端電圧を抵抗値で除した値で決まる。
また、可撓性素子は、p型可撓性素子と、n型可撓性素子の双方を備えていても良い。この場合、1つのp型可撓性素子又は2以上の可撓性素子からなる束と、1つのn型可撓性素子又は2以上の可撓性素子からなる束とが、電気的に直列に接続(いわゆる、「π型」に接続)されるように、その両端を、それぞれ、高温部電極及び低温部電極に接続する必要がある。例えば、このような熱電素子を熱電発電に用いる場合、発生する電圧は、直列に接続されている各p型可撓性素子(又は、その束)及び各n型可撓性素子(又は、その束)で発生する電圧の総和となり、取り出せる電流は、各p型可撓性素子(又は、その束)又は各n型可撓性素子(又は、その束)の抵抗値の総和で決まる。
複数個の可撓性素子を電極間に接合する場合において、可撓性素子がp型可撓性素子又はn型可撓性素子のいずれか一方のみからなるときには、各可撓性素子の両端以外の部分は、互いに絶縁されていても良く、あるいは、絶縁されていなくても良い。また、個々の可撓性素子は、互いに独立して自由に動ける状態であっても良く、あるいは、可撓性素子の一部が物理的に接合された状態(例えば、線状の可撓性素子が互いに撚りあわされた状態)もしくは可撓性素子の一部が化学的に接合された状態(例えば、線状の可撓性素子の一部が互いに融着・接着等されている状態)になっていても良い。さらに、可撓性素子をほぼ平行に並べ、平行に並んだ各可撓性素子の横方向に、電気伝導性又は絶縁性の横糸を波状に通し、各可撓性素子の動きを制限しても良い。
一方、複数個の可撓性素子を電極間に接合する場合において、可撓性素子がp型可撓性素子及びn型可撓性素子の双方からなり(いわゆる「π型」であり)、かつ、p型可撓性素子及びn型可撓性素子が互いに密に配置されるときには、p型可撓性素子又はその束と、n型可撓性素子又はその束とは、その両端以外の部分において互いに絶縁されている必要がある。1つの束に含まれるp型可撓性素子同士及び1つの束に含まれるn型可撓性素子同士は、それぞれ、その両端以外の部分において互いに絶縁されていても良く、あるいは、絶縁されていなくても良い。また、1つの束に含まれるp型可撓性素子同士又はn型可撓性素子同士は、互いに独立して自由に動ける状態であっても良く、あるいは、可撓性素子の一部が物理的又は化学的に接合された状態になっていても良い。
p型可撓性素子又はその束と、n型可撓性素子又はその束とを、その両端以外の部分において互いに電気的に絶縁するための絶縁手段には、以下のようなものがある。
絶縁手段の第1の具体例は、p型可撓性素子又はその束と、n型可撓性素子又はその束との間に、可撓性を有する絶縁部材を介在させることである。絶縁部材は、可撓性を有していれば良く、その形状は、特に限定されるものではない。例えば、絶縁部材は、シートやクロスであっても良く、あるいは、繊維又はその束であっても良い。また、絶縁部材の材質は、本質的に可撓性を有し、かつ、電気絶縁性を有するものであればよい。絶縁部材の材質としては、具体的には、上述した高分子、ゴム、ゲル等が好適である。
この場合、絶縁部材は、p型可撓性素子若しくはその束の周囲、及び、n型可撓性素子若しくはその束の周囲のいずれか一方にのみ介在させても良く、あるいは、すべてのp型可撓性素子又はその束の周囲、及び、n型可撓性素子又はその束の周囲に介在させても良い。また、絶縁部材は、各可撓性素子又はその束の周囲に単に挿入されているだけでも良く、あるいは、その一端又は両端が高温部電極及び/又は低温部電極のいずれかに接合されていても良い。
絶縁手段の第2の具体例は、p型可撓性素子又はその束と、n型可撓性素子又はその束とを、電極間にほぼ平行に配置し、平行に並んだp型可撓性素子又はその束とn型可撓性素子又はその束の横方向に、電気絶縁性を有する1本又は複数本の横糸を波状に通し、各可撓性素子の横方向の動きを制限する方法である。
この場合、横糸の本数は、特に限定されるものではなく、少なくともp型可撓性素子とn型可撓性素子とを電気的に絶縁させることができる本数であれば良い。一般に、横糸の本数が多くなるほど、各可撓性素子の横方向の動きをより強く制限することができる。また、横糸は、各可撓性素子毎に波状に通しても良く、あるいは、複数本の可撓性素子の束毎に波状に通しても良い。横糸の材質は、本質的に可撓性を有し、かつ、電気絶縁性を有するもの(例えば、上述した高分子、ゴム、ゲル等)であれば良い。
なお、絶縁手段の第2の具体例は、単独で用いても良いが、絶縁手段の第1の具体例と組み合わせて用いても良い。すなわち、p型可撓性素子又はその束とn型可撓性素子又はその束の間に、繊維状の絶縁部材を可撓性素子に対してほぼ平行に介在させ、可撓性素子及び絶縁部材の横方向に複数本の横糸を波状に通しても良い。第1の方法と第2の方法とを組み合わせると、p型可撓性素子又はその束とn型可撓性素子又はその束とを、より確実に絶縁することができる。
絶縁手段の第3の具体例は、各p型可撓性素子及び各n型可撓性素子の少なくとも一方の表面を、電気絶縁性の材料で被覆することである。その表面が電気絶縁性の材料で被覆された可撓性素子は、上述した方法(複合体の第2の具体例を作製するための方法)を用いて作製することができる。
なお、絶縁手段の第3の具体例は、単独で用いても良いが、上述した絶縁手段の第1の具体例及び/又は第2の具体例と組み合わせて用いても良い。
次に、本発明に係る熱電素子の製造方法について説明する。p型可撓性素子及びn型可撓性素子が電気的に直列に接続された熱電素子(π型熱電素子)は、以下のような方法により作製することができる。
まず、一対の支持層の表面に、所定のパターンを有する電気伝導層を形成する。この場合、支持層は、板、シート又はクロスのいずれであっても良い。高温部電極及び/又は低温部電極に可撓性を付与する場合には、支持層は、シート又はクロスが好ましい。
また、電気伝導層の形成方法は、特に限定されるものではなく、電気伝導層の材料に応じて、最適な方法を選択する。例えば、電気伝導層が導電性高分子からなる場合には、導電性高分子を溶融させ又は導電性高分子を適当な溶媒に溶解させ、この融液又は溶液を支持層の表面に所定のパターンに従って塗布すればよい。また、例えば、電気伝導層が金属であるときには、板状又はシート状の金属を支持層表面に貼り付け、あるいは、スパッタリング等を用いて、支持層表面に金属薄膜を形成すればよい。
次に、上述した各種の方法を用いて、熱電材料を含む可撓性素子を作製する。次いで、可撓性素子の両端を、それぞれ、支持層表面の電気伝導層に接合すれば、本発明に係る熱電素子が得られる。接合方法は、特に限定されるものではなく、可撓性素子の材料に応じて、最適な方法を選択する。
例えば、可撓性素子が高分子化合物を含むものである場合、可撓性素子と電気伝導層とを熱圧着により接合しても良い。あるいは、導電性高分子の融液又は導電性高分子を含む溶液を接着剤として用いて、可撓性素子と電気伝導層とを接合しても良い。
また、可撓性素子を電気伝導層に接合する際、必要に応じて、p型可撓性素子及び/又はn型可撓性素子の周囲に絶縁部材を挿入し、あるいは、絶縁部材の一端又は両端を高温部電極及び/又は低温部電極の表面に接合する。また、必要に応じて、可撓性素子(及び、必要に応じて、絶縁部材)が接合された後、可撓性素子(及び、必要に応じて、絶縁部材)の横方向に横糸を波状に通しても良い。あるいは、ほぼ平行に並んだ可撓性素子(及び、必要に応じて絶縁部材)の横方向に横糸を波状に通したクロス状のものを作製し、この状態で可撓性素子の両端を電気伝導層に接合しても良い。
p型可撓性素子又はn型可撓性素子のみからなる熱電素子も、π型熱電素子とほぼ同様にして作製することができる。但し、この場合、高温部電極及び/又は低温部電極は、支持層と電気伝導層の二層構造を備えている必要はなく、電気伝導層のみからなるものでも良い。また、絶縁手段は必ずしも必要ではないので、これを省略することができる。
図1に、本発明に係る熱電素子の第1の具体例を示す。図1において、熱電素子10は、高温部電極12と、低温部電極14と、可撓性素子16、16…とを備えている。
第1の具体例において、高温部電極12及び低温部電極14は、それぞれ、可撓性を有するものからなるが、これらは、電気伝導層のみからなるものでも良く、あるいは、電気絶縁性を有する支持層と、電気伝導層の2層構造を備えたものでも良い。高温部電極12及び低温部電極14は、それぞれ、リード線18及び20を介して端子22に接続されている。可撓性素子16、16…は、すべて、p型可撓性素子又はn型可撓性素子のみからなり、その両端は、それぞれ、高温部電極12及び低温部電極14に接合されている。
このような熱電素子10の高温部電極12を、図1に示すように、凹凸を有する熱源物質の表面に密着させると、高温部電極12−低温部電極14間に熱起電力が発生し、端子22を介して出力を取り出すことができる。また、図示はしないが、高温部電極12又は低温部電極14を、凹凸を有する被加熱物又は被冷却物の表面に接触させ、端子22に直流電流を印加すると、その極性に応じて、被加熱物を熱電加熱し、あるいは、被冷却物を熱電冷却することができる。
図2(a)〜図2(d)に、本発明に係る熱電素子の第2の具体例を示す。図2(a)において、熱電素子30は、高温部電極32と、低温部電極34と、n型可撓性素子36、36…と、p型可撓性素子38、38…とを備えている。
第2の具体例において、高温部電極32は、可撓性を有し、かつ、電気絶縁性を有する支持層32aと、支持層32aの表面に所定のパターンで形成され、かつ、可撓性を有する電気伝導層32b、32b…からなる。同様に、低温部電極34は、可撓性を有し、かつ、電気絶縁性を有する支持層34aと、支持層34aの表面に所定のパターンで形成され、かつ、可撓性を有する電気伝導層34b、34b…からなる。
高温部電極32側の電気伝導層32a、32a…は、図2(b)に示すように、それぞれ、短冊状に形成されている。また、隣接するn型可撓性素子36及びp型可撓性素子が互いに直列に接続されるように、隣接する電気伝導層32a、32aの上端又は下端が所定の周期で連結されている。この点は、低温部電極34側の電気伝導層34a、34a…も同様である。さらに、低温部電極34の両端に形成された電気伝導層34a、34aは、それぞれ、リード線40及び42を介して、端子44に接続されている。
高温部電極32−低温部電極34間には、複数個のn型可撓性素子36、36…がほぼ平行に並んだ素子の束と、複数個のp型可撓性素子38、38…がほぼ平行に並んだ素子の束とが交互に接合されている。さらに、n型可撓性素子36、36…の束とp型可撓性素子38、38…の束との間には、絶縁部材46が設けられている。絶縁部材46は、図2(c)の拡大図に示すように、n型可撓性素子36、36…及びp型可撓性素子38、38…とほぼ平行に配置された複数個の絶縁繊維46a、46a…からなっている。
なお、絶縁部材46は、図2(d)に示すように、絶縁繊維46a、46a…に加えて、n型可撓性素子36、36…及びp型可撓性素子38、38…、並びに、絶縁繊維46a、46a…の横方向の移動を規制するための複数本の横糸46b、46bをさらに備えたものであっても良い。この場合、各横糸46b、46b…は、n型可撓性素子36、36…及びp型可撓性素子38、38…、並びに、絶縁繊維46a、46a…の横方向に沿って、同じ周期で波状に通しても良く、あるいは、各横糸46b、46b…毎に、異なる周期で波状に通しても良い。
このような熱電素子30の高温部電極32を、図2(a)に示すように、凹凸を有する熱源物質の表面に密着させると、高温部電極32−低温部電極34間に熱起電力が発生し、端子44を介して出力を取り出すことができる。また、図示はしないが、高温部電極32又は低温部電極34を、凹凸を有する被加熱物又は被冷却物の表面に接触させ、端子44に直流電流を印加すると、その極性に応じて、被加熱物を熱電加熱し、あるいは、被冷却物を熱電冷却することができる。
本発明に係る熱電素子は、熱電材料からなる可撓性素子を備えているので、高温部電極及び/又は低温部電極が剛体からなる場合であっても、可撓性素子が容易に変形する。そのため、高温部電極及び低温部電極を必ずしも平行に保つ必要がない。また、可撓性素子に加えて、高温部電極及び/又は低温部電極が可撓性を有している場合には、電極面そのものを容易に変形させることができる。そのため、熱流配管周囲等の凹凸がある熱源や被冷却物・被加熱物への熱電素子の設置が容易化する。また、このような熱電素子を衣類に応用することもできる。しかも、可撓性素子及び可撓性を有する電極は、外部からの振動や熱応力を吸収することができるので、素子の破損や電極の接合不良を抑制することができる。
また、複数個の可撓性素子が電極に接合される場合において、可撓性素子がp型可撓性素子又はn型可撓性素子のいずれか一方のみからなるときには、これを熱電発電に応用することにより、相対的に大きな出力電流を得ることができる。一方、可撓性素子が直列に接続されたp型可撓性素子及びn型可撓性素子を備えた、いわゆる「π型素子」であるときには、これを熱電発電に応用することにより、相対的に大きな出力電圧を得ることができる。
また、熱電材料として、熱電特性を示す有機化合物を用いた場合には、熱電素子を軽量化することができる。そのため、大幅な重量増加を生じさせることなく、熱電素子を熱源周囲にくまなく設置することができるので、これを移動体(例えば、自動車)のエネルギー変換に適用すれば、エネルギー変換効率を向上させることができる。しかも、熱電特性を示す有機化合物は、加工が容易であり、希少元素や毒性元素を必ずしも含まないので、熱電素子の製造コストを低減することができ、かつ、環境に対する負荷も小さい。
さらに、熱電材料として、熱電特性を示す有機化合物を用いた場合において、可撓性素子が有機化合物と第2成分との複合体からなる場合には、第2成分の種類、複合体の形態等に応じて、可撓性素子に種々の機能を付与することができる。また、可撓性素子が熱電特性を有する有機化合物と第2成分との複合体からなる場合において、有機化合物と第2成分との界面に所定のドーパントを担持させると、可撓性素子の熱電特性の経時劣化を抑制することができる。さらに、熱電特性を示す有機化合物として、種々の置換基を備えたものを用いた場合には、可撓性素子の製造が容易化し、あるいは、可撓性素子に置換基の種類に応じた種々の機能を付与することができる。
(実施例1)
図1に示す構造を備えた熱電素子10を作製した。すなわち、ポリイミドフィルムの表面にポリピロールを被覆形成し、次いで、ポリピロールをFeClでドーピング処理し、高温部電極12及び低温部電極14とした。また、ポリアニリンの線材を延伸処理し、かつ、カンファースルホン酸でドーピング処理し、可撓性素子16、16…とした。この可撓性素子16、16…の両端を、それぞれ、高温部電極12及び低温部電極14に接合した。得られた熱電素子10の高温部電極12を凹凸のある高温物質の表面に設置したところ、良好な熱電発電を確認した。
(実施例2)
図2に示す構造を備えた熱電素子30を作製した。すなわち、ポリイミドフィルムの表面に、ポリピロールを部分的に被覆形成し、次いで、ポリピロールをFeClでドーピング処理し、図2(b)に示すパターンを有する高温部電極32及び低温部電極34を作製した。また、ポリキノリンの線材を延伸処理し、かつ、KOHでドーピング処理し、n型可撓性素子36、36…とした。さらに、ポリアニリンの線材を延伸処理し、かつ、カンファースルホン酸でドーピング処理し、p型可撓性素子38、38…とした。
次に、pn対が電気的に直列に接続されるように、電気伝導層のパターンに従って、n型可撓性素子36、36…及びn型可撓性素子38、38…の両端を、それぞれ、高温部電極32及び低温部電極34に接合した。さらに、n型可撓性素子36、36…の束と、p型可撓性素子38、38…の束の間には、ポリエチレンの繊維からなる絶縁部材46を挿入した。
得られた熱電素子30の高温部電極32を凹凸のある高温物質の表面に設置したところ、良好な熱電発電を確認した。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、π型の熱電素子において、熱電素子が変形してもp型可撓性素子とn型可撓性素子とが接触するおそれがない場合(例えば、p型可撓性素子とn型可撓性素子が密に配置されていない場合)には、絶縁手段を省略することができる。
本発明に係る熱電素子は、熱流配管、自動車のエンジンなどの表面に凹凸のある物体を熱源とする熱電発電装置、表面に凹凸のある物体を加熱する熱電加熱装置、表面に凹凸のある物体を冷却する熱電冷却装置等に用いることができる。
また、本発明に係る熱電素子は、衣類にも適用することができる。
本発明に係る熱電素子の第1の具体例を示す概略構成図である。 図2(a)は、本発明に係る熱電素子の第2の具体例を示す概略構成図、図2(b)は、低温部電極及び高温部電極の平面図、図2(c)は、絶縁手段の第1の具体例を示す概略構成図(拡大図)、図2(c)は、絶縁手段の第2の具体例を示す概略構成図(拡大図)である。

Claims (9)

  1. 以下の構成を備えた熱電素子。
    (1)前記熱電素子は、
    高温部電極と、
    低温部電極と、
    その両端が、それぞれ、前記高温部電極及び前記低温部電極に接合された、熱電材料からなり、互いに独立して自由に動ける状態にある1又は2以上の線状の可撓性素子又はその束とを備えている。
    (2)前記可撓性素子は、p型熱電材料を含む1又は2以上のp型可撓性素子と、n型熱電材料を含む1又は2以上のn型可撓性素子とを備え、
    前記p型可撓性素子又はその束、及び前記n型可撓性素子又はその束は、電気的に直列に接続されるように、それぞれ、その両端が前記高温部電極及び前記低温部電極に接続されている。
    (3)前記高温部電極及び前記低温部電極の少なくとも一方は、
    電気絶縁性を有する支持層と、
    該支持層表面に形成され、かつ、互いに絶縁された2個以上の電気伝導層とを備えている。
    (4)前記p型可撓性素子又はその束、及び前記n型可撓性素子又はその束の両端以外の部分を互いに電気的に絶縁するための絶縁手段をさらに備え、
    前記絶縁手段は、前記高温部電極及び前記低温部電極の間にほぼ平行に配置され、平行に並んだ前記p型可撓性素子又はその束と前記n型可撓性素子又はその束の横方向に波状に通された、電気絶縁性を有する1本又は複数本の横糸を備えている。
  2. 以下の構成をさらに備えた請求項1に記載の熱電素子。
    (5)前記絶縁手段は、前記p型可撓性素子又はその束と前記n型可撓性素子又はその束の間に、これらに対してほぼ平行に配置された繊維状の絶縁部材をさらに備え、
    前記横糸は、前記p型可撓性素子又はその束、前記n型可撓性素子又はその束、及び、前記繊維状の絶縁部材の横方向に波状に通されている。
  3. 前記高温部電極及び前記低温部電極の少なくとも一方は、可撓性を有する請求項1又は2に記載の熱電素子。
  4. 前記可撓性素子は、出力因子(Sσ)が10−7Wm−1−2以上である有機化合物を備えている請求項1から3までのいずれかに記載の熱電素子。
  5. 前記有機化合物は、ポリアセチレン系、ポリアセン系、ポリビニレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、及び、ポリキノリン系から選ばれる1種以上の導電性高分子である請求項4に記載の熱電素子。
  6. 前記可撓性素子は、前記有機化合物と、第2成分との複合体からなる請求項4又は5に記載の熱電素子。
  7. 前記有機化合物と前記第2成分との界面に担持されたドーパントをさらに備えた請求項6に記載の熱電素子。
  8. 前記有機化合物は、置換基をさらに備えている請求項4から7までのいずれかに記載の熱電素子。
  9. 前記有機化合物は、延伸配向処理が施されている請求項4から8までのいずれかに記載の熱電素子。
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