JP4282297B2 - バス調停機能を備える装置及び数値制御装置 - Google Patents

バス調停機能を備える装置及び数値制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バスマスタとなり得る複数のデバイスがバスに接続されるマルチマスタバスにおいて、各デバイスのバス使用の調停を行うバス調停機能を備える装置、特に該バス調停機能を備える数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バスに複数のデバイスが接続され、複数のデバイスからのバス使用要求が出された場合、どちらのデバイスを優先して使用させるか決定しなければならない。通常、このバス使用の優先権を決定する方法は、予め決められた優先順位に基づいて決定するようになされたものが多い。この場合、優先順位が高いデバイスからバス使用の要求が次々と出されるような場合、これら優先順位の高いデバイスにバス使用権が次々と与えられ、優先順位が低いデバイスにバス使用権が与えられる場合が少なくなるという問題がある。
【0003】
そのため、バスの使用権を得たデバイスはその優先順位を一時的に下げ、1つのデバイスが連続してバスの使用権を取得することを回避するような方法も公知である。しかし、通信系のデバイスのような、ある特定のデバイスにおいては、必ず一定時間内にバスが取得できるような制御が必要な場合がある。このような場合、上述した従来の調停方法では、バス使用権取得の優先度を変更できるが、一定時間内のバス使用権の取得が保証できないという問題がある。
【0004】
又、デバイスからのバス使用要求信号に基づいて計時を開始し、設定された時間経過した後は、該デバイスのバス使用の優先度を上げて、予め設定されているバス使用の優先度の低いデバイスに対してもバス使用ができるようにした調停方法も公知である(例えば、特許文献1参照)。
又、各デバイス(バスマスタ)毎にタイマを設け、該タイマにそれぞれ設定されている許容時間を設定し、デバイスからバス使用要求が出されると、ダウンカウントして、バスが使用可能になったとき、前記タイマの計時値が小さいデバイスにバス使用許可を与え、かつダウンカウンタを停止し、タイマを初期値に戻すようにしたバス調整方法も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−27461号公報
【特許文献2】
特開平3−263158号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
タイマでバス使用要求信号発生時から計時を開始し、この計時時間に基づいて、優先度を決定したとしても、デバイスがバス使用要求信号を発生してからタイマでの計時を開始するので、当該デバイスがバス使用を要求してから、バス使用の優先順位が上がるまで時間がかかり、タイムロスが生じる。又、一定時間内にバスを使用させるようにすることも難しい。
【0007】
そこで、本発明の目的は、デバイスのバス使用の間隔を一定値以下に抑制できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つのバスに複数のデバイスが接続されていると共に、前記各デバイスからのバス使用要求信号を受け付けて各デバイスのバス使用権取得の優先順位に基づいてバス使用許可信号を各デバイスに付与するバス調停手段が接続されることによりバス調停機能を備える装置において、前記バス調停手段に前記複数のデバイスの内の1以上の特定デバイスに対して、前記バス使用許可信号を付与してから所定時間経過すると該特定デバイスのバス使用権取得の優先順位を上げる手段を設けてバス調停を行うようにした。また、前記特定デバイスに対して前記所定時間を設定記憶する手段は、前記バス調停手段に設けるか、又は、前記特定デバイスに設けるようにした。
【0009】
特に、前記バス調停手段は、前記特定デバイスにバス使用許可信号を付与してから前記所定時間経過し、かつ、該特定デバイスのバス使用要求信号が出力されている場合、該特定デバイスに優先してバスを取得させるようにした。又、バスを介して割り込み信号を伝達するよう構成され、前記所定時間を、割り込み機能を達成する時間に設定することにより、割り込み機能も実施できるようにした。さらに、数値制御装置にこのバス調停機能を備えるようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の要部ブロック図である。バス3には、バスを制御する機能を備えたマスタデバイス2-0,2-1,2-2,…2-nが接続され、さらに、該バス3には、調停ユニット1が接続されている。
又、調停ユニット1と各マスタデバイス2-0,2-1,…2-nは、それぞれ通信線で接続され、各マスタデバイス2-0,2-1,…2-nからバス使用要求信号S10,S11,…S1nが調停ユニット1に出力され、調停ユニット1からは、各マルチデバイス2-0,2-1,…2-nにバス使用許可信号S20,S21,…S2nがそれぞれ出力されるようになっている。
【0011】
図2は、上述した調停ユニット1の詳細ブロック図である。調停ユニットは、各マスタデバイス2-0,2-1,…2-n毎のバス使用の優先を判定する優先判定回路4-0,4-1,…4-nと優先順位決定回路5で構成されている。
各優先判定回路4-0,4-1,…4-nは、マスタデバイス2-0に対応する優先判定回路4-0に詳述されているように、時間設定レジスタ41、タイマ42、比較回路43、アンドゲート44で構成されている。各優先判定回路4-0,4-1,…4-nは同一構成であるので、他の優先判定回路4-1,…4-nはマスタデバイス2-0に対応する優先判定回路4-0と同一構成になっている。
【0012】
比較回路43は、時間設定レジスタ41に設定されている時間とタイマ42で計時した時間を比較し、タイマ42での計時時間が時間設定レジスタ41に設定されている時間より大きくなると出力信号を出す。
各マスタデバイス2-0,2-1,…2-nから調停ユニット1に入力される各バス使用要求信号S10,S11,S1nは、優先順位決定回路5に入力されると共に、各対応する優先判定回路4-0,4-1,…4-nのアンドゲート44に入力されている。又、優先順位決定回路5から出力されるバス使用許可信号S20,S21,…S2nは、対応する優先判定回路4-0,4-1,…4-nのタイマ42にもそれぞれ入力されている。
【0013】
各優先判定回路4-0,4-1,…4-nの時間設定レジスタ41は図示しない設定手段によって任意の時間が設定可能である。この装置全体のシステム構成やマスタデバイスの種類、動作モードに応じて、ある最大サイクル間隔以下で当該マスタデバイスの処理を実行させたいマスタデバイスに対しては、この優先制御機能を実行させるマスタデバイス(例えば、マスタデバイス2-0)に対応する優先判定回路(マスタデバイス4-0)の時間設定レジスタ41に当該マスタデバイス(2-0)に対して所望の最大サイクル間隔の時間より僅か短い時間を設定しておく。すなわち、バス使用許可信号が発生して次のバス使用要求信号によるバス使用が可能とする最大の時間より僅か少ない時間を設定しておく。又、この時間設定レジスタ41に時間を設定しなくてもよい。この場合、後述するように、優先順位決定回路5は優先判定回路4-0,4-1,…4-nからの信号入力されないから、従来の調停ユニットと同様に予め決められた優先順位でバス使用許可信号を出力する。
【0014】
装置の動作を開始して、調停ユニット1は、各マスタデバイス2-0,2-1,…2-nから出力されたバス使用要求信号S10,S11,S1nに対して予め決められた優先順位でバス使用許可信号S20,S21,…S2nを出力する。一方、あるマスタデバイス(例えば、マスタデバイス2-0)へのバス使用許可信号(マスタデバイス2-0へのバス許可信号S20)が、該マスタデバイス(2-0)に対応する優先判定回路(4-0)のタイマ42にも入力され、該タイマ42をリセットしてスタートさせる。比較回路43は、タイマ42の計時時間と時間設定レジスタ41に設定されている時間を比較し、タイマ42の計時時間が大きくなると信号を出力する。なお、時間設定レジスタ41に時間が設定されてなければ、比較回路43からは信号は出力されない。
【0015】
比較回路43の出力と対応するマスタデバイス(例えば、前述の例でマスタデバイス2-0)からのバス使用要求信号(S10)がアンドゲート44で論理和が取られ、バス使用要求信号(S10)があり比較回路43から出力信号がある場合には、アンドゲート44から出力信号が出され優先順位決定回路5に入力される。こうして優先判定回路(前述の例で優先判定回路4-0)のアンドゲート44から信号が出力された場合には、バスの使用が解除され次のバス使用の調停タイミングとなったとき、優先順位決定回路5は、優先判定回路(4-0)からの出力信号が入力されているマスタデバイス(2-0)を優先してバス使用権を与え、バス使用許可信号(S20)を出力する。
【0016】
すなわち、優先順位決定回路5は、各マスタデバイス2-0,2-1,…2-nに対応する優先判定回路4-0,4-1,…4-nから出力信号がいずれも出力されていないときは、予め決められた優先順位に基づいて、バス使用許可信号S20,S21,…S2nを出力し、いずれかのマスタデバイスに対応する優先判定回路から出力信号が出力されている場合(当該優先判定回路のタイマ42での計時時間が時間設定レジスタに設定されている時間を越えている場合)、そのマスタデバイスに対して、他より優先してバス使用許可信号を出力する。又、複数の優先判定回路から出力信号が出ている場合には、予め設定されている優先順位に基づいて調停され、優先順位が高い方のマスタデバイスからバス使用許可信号が出力される。
【0017】
その結果、時間設定レジスタ41に時間を設定して優先制御を実行させるマスタデバイスについては、最大でもこの時間設定レジスタ41に設定した時間より僅か遅れてバス使用許可信号が与えられバス使用が可能となる。最大でもこの設定された時間とほぼ等しい時間の間隔でバス使用権が与えられこのサイクルで動作処理を実行することができるようになる。
【0018】
特に、割り込み信号線を設けずに、バスを使用して割り込み信号を伝達するよう構成された装置においては、装置内の単位時間を通知するタイマ割り込みのように、一定時間間隔毎に優先度の高い処理サイクルを起こすマスタデバイスに対しては、割り込み機能を達成するこの一定時間間隔に対応する時間を時間設定レジスタに設定しておけば、上述したように、このマスタデバイスは優先度が上げられ、時間設定レジスタに設定した一定時間間隔とほぼ一致して、このマスタデバイスにバス使用許可信号が与えられ、該マスタデバイスの動作処理を可能にして、割り込み処理を実行できる。
【0019】
なお、上述した実施形態では、時間設定レジスタ41を調停ユニット1の優先判定回路4-0,4-1,4-nに設けたが、各マスタデバイス2-0,2-1,2-n内に設け、優先判定回路4-0,4-1,4-n内に設けないようにしてもよい。さらには、優先判定回路4-0,4-1,4-n自体をそれぞれ各マスタデバイス2-0,2-1,2-n内に設け、調停ユニット1は優先順位決定回路5のみとしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、あるデバイスにバス使用許可を与えてから、計時を開始し、この計時時間が設定時間を越えれば、該デバイスに優先してバス使用可能を得ることができるようにしたから、バスが混雑状況にあったとしても、一定時間内にバス使用権を取得可能となる。各デバイス毎に時間設定が可能であるから、デバイスに対して設定する設定値の大小によって、デバイスのバス使用権の差別化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における要部ブロック図である。
【図2】同実施形態の調停ユニットの詳細ブロック図である。
【符号の説明】
1 調停ユニット
2-0,2-1,2-n マスタデバイス
3 バス
4-0,4-1,4-n 優先判定回路
5 優先順位決定回路
S10,S11,S1n バス使用要求信号
S20,S21,S2n バス使用許可信号

Claims (7)

  1. 1つのバスに複数のデバイスが接続されていると共に、前記各デバイスからのバス使用要求信号を受け付けて各デバイスのバス使用権取得の優先順位に基づいてバス使用許可信号を各デバイスに付与するバス調停手段が接続されることによりバス調停機能を備える装置において、
    前記バス調停手段は、前記複数のデバイスの内の特定デバイスに対して、前記バス使用許可信号を付与してから所定時間経過すると該特定デバイスのバス使用権取得の優先順位を上げる手段を有することを特徴とするバス調停機能を備える装置。
  2. 前記特定デバイスが複数個あり、前記所定時間が特定デバイス毎に設定されることを特徴とする請求項1に記載のバス調停機能を備える装置。
  3. 前記特定デバイスに対して前記所定時間を設定記憶する手段が、前記バス調停手段に設けられている請求項1又は請求項2に記載のバス調停機能を備える装置。
  4. 前記所定時間を設定記憶する手段が、前記特定デバイスに設けられている請求項1又は請求項2に記載のバス調停機能を備える装置。
  5. 前記バス調停手段は、前記特定デバイスにバス使用許可信号を付与してから前記所定時間経過し、かつ、該特定デバイスのバス使用要求信号が出力されている場合、該特定デバイスに優先してバスを取得させる請求項1乃至4の内いずれか1項に記載のバス調停機能を備える装置。
  6. バスを介して割り込み信号を伝達するよう構成され、前記所定時間を、割り込み機能を達成する時間に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載のバス調停機能を備える装置。
  7. 請求項1乃至6の内いずれか1項に記載のバス調停機能を備える装置で構成された数値制御装置。
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