JP4281100B2 - 光硬化性樹脂組成物及びパターン製造法 - Google Patents
光硬化性樹脂組成物及びパターン製造法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線または電子線の照射によって硬化可能でかつアルカリ現像が可能な、光硬化性樹脂組成物及びこれを用いたパターンの製造法に関する。特に、硬化物の耐水性および耐溶剤性に優れ、他の樹脂を配合してもゴム弾性及び光感度を保持し、さらにその硬化物が弾性体の性質を有するアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物及びこれを用いたパターンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水系現像型の光硬化性樹脂としては、カルボン酸やスルホン酸などのアルカリ金属やアミンとイオンを形成する官能基を側鎖に導入したり、アミンなどの酸とイオンを形成する官能基を側鎖や主鎖中に導入した、ウレタン(メタ)アクリレート[本発明において、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及びアクリレートを意味する、以下同様]、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物が知られている。
【0003】
その中でも、ウレタン(メタ)アクリレートは、可とう性、強靭性、耐薬品性等が優れており、光硬化性コーティング剤、フォトレジスト材料、光硬化性インキ、感光性刷版用材料などの各種用途への応用がなされてきている。
【0004】
しかし、水系現像可能な樹脂では、未硬化部だけでなく硬化部も水系溶剤や有機溶剤またはそれらの混合物により、膨潤したり、硬化パターンの一部にかけ等が生じ、製品製造上の効率や収率が低下するという問題があった。また、ウレタン(メタ)アクリレートの一般的な性質である強度の低さや脆さのため、硬化物が柔軟性を必要とする用途では不都合な点が多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルカリ現像が可能で、現像性も良好であり、感度に優れ、硬化物の耐水性および耐溶剤性が優れ、さらに硬化物が弾性体の性質を有するアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物を提供するものである。また本発明は、アルカリ現像により良好に現像でき、硬化物の耐水性および耐溶剤性が優れ、さらに硬化物が弾性体の性質を有するパターンの製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、式(2)
【化2】
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3は、各々独立に2価の炭化水素基を示し、前記2価の炭化水素基は炭素原子数が1〜6のものであり、mは1〜6の範囲にある正の整数を示す)で表されるラクトン変性(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ジオールにラクトンを付加させたジオール及びポリイソシアナートを含む原料を反応させて得られる化合物(A)、及び光重合開始剤(B)を含有してなる光硬化性樹脂組成物に関する。さらに本発明は、前記の光硬化性樹脂組成物を用いて膜を形成し、この膜に像的に光を露光し、アルカリ水溶液を用いて未露光部を除去することを特徴とするパターンの製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における化合物(A)は、ハンドリングや反応性の観点から、数平均分子量が150〜2,000であること好ましく、188〜1,000であることがさらに好ましく、200〜600であることが特に好ましい。なお、ここで、平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し、標準ポリスチレン換算して求めることができる。
【0008】
本発明においては、光感度の観点から、末端がメタクリロイル基であるメタクリレート化合物より、末端がアクリロイル基であるアクリレート化合物の方が好ましい。
【0009】
本発明における化合物(A)において、アルカリ現像性を付与する官能基としては、カルボキシル基やスルホン酸基などの、アルカリ金属やアミンとイオンを形成する官能基があげられるが、合成の効率、効果等の観点からカルボキシル基が好ましい。また、化合物(A)は、可とう性及び強靱性の点から、ウレタン結合を有するウレタン化合物であることが好ましい。
【0010】
本発明における化合物(A)の製造法に特に制限はないが、前記ラクトン変性(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有ジオールにラクトンを付加させたジオール及びポリイソシアナートを含む原料をウレタン化反応させて得る。ここで、ラクトン変性(メタ)アクリレートとしては、前記式(2)で示されるものが合成の容易性等の点で用いる。式(2)において、mとしては、1〜6であることが好ましい。
【0011】
ここでカルボキシル基含有ジオールとは、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ブタン酸、2,3−ジヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン酸、2,3−ジヒドロキシヘキサデカン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、酒石酸等があげられ、また、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の多塩基酸と、グリセリン、ペンタエリトリトール等のポリオールとのエステル化反応により得られる化合物なども挙げられる。
【0012】
さらに、上記カルボキシル基含有ジオールにラクトンや環状オキシド等を付加反応させたジオールをカルボキシル基含有ジオールとして用いる。この場合、ウレタン化反応時の反応性が向上し、アルカリ現像性が向上するので好ましい。また、この場合、それらの重量平均分子量は100〜3000が好ましく、200〜2000がより好ましい。このジオールを使用する場合、全ジオールのうち、20〜80重量%使用することが好ましい。
【0013】
本発明においてポリイソシアナートとしては、トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナート、水素添加されたトリレンジイソシアナート、水素添加されたキシリレンジイソシアナート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、リジントリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート三量体等が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。これらは1種で又は2種以上の混合物で用いることができる。
【0014】
中では、イソフォロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、水素添加されたトリレンジイソシアナート、水素添加されたキシリレンジイソシアナート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート及びこれらの混合物が好適である。
【0015】
また、前記カルボキシル基含有ジオール以外のジオールを用いることができる。そのようなジオールとしては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマー、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマー、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルキレンジオールやポリオキシアルキレンジオールがあげられ、その他にも、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、水添ビスフェノールA、水添ピスフェノールAのエチレンオキシド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体、ビスフェノールF、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加体、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体、水添ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加体等をジオールとして使用することができる。
【0016】
本発明の化合物(A)の製造は、例えば、前記ラクトン変性(メタ)アクリレート/カルボキシル基含有ジオールを含むポリオール/ポリイソシアナートを1〜8/1〜20/2〜24(モル比)の量で配合し、40〜120℃で1〜72時間程度反応させて反応物を得ることにより製造することができる。上記の反応において、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等のイソシアネート基とヒドロキシル基との反応を阻害しない溶媒を使用でき、またジブチルチンジラウリレート等の触媒を使用してもよい。
【0017】
こうして得られる化合物(A)の重量平均分子量は、1,000〜50,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましい。ここでその分子量が1,000未満の場合、弾性体の性質が失われる傾向にあり、またその分子量が50,000を超えると光感度が悪くなり、硬化物の耐水性や耐溶剤性が低下する傾向にある。なお、その分子量が50,000を超える場合、光重合性単量体として、単官能性または多官能性のアクリレート系化合物を併用して用いることにより、光感度を上昇させ、硬化物の耐水性や耐溶剤性の低下を補うことができる。
【0018】
化合物(A)の酸価は、好ましくは10〜200mgKOH/gであり、より好ましくは20〜100mgKOH/gである。酸価が10mgKOH/g未満ではアルカリ現像性に劣る傾向にあり、200mgKOH/gを超えると、硬化部の耐水性や耐溶剤性が低下する傾向にある。
【0019】
本発明のアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じ、上記化合物(A)の他に、光重合性単量体を含むことができる。
【0020】
この光重合性単量体としては、単官能性または多官能性の(メタ)アクリレート化合物などを好ましく用いることができ、これらの光重合性単量体としては例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエトキシアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチルペンタンジオールアクリレート、α,ω−ジアクリルビスジエチレングリコールフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットアクリレート、ペンタエリトリットヘキサアクリレート、ジペンタエリトリットモノヒドロキシペンタアクリレート、α,ω−テトラアリルビストリメチロールプロパンテトラヒドロフタレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジアクリロキシエチルフォスフェート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、これらのうちアクリル酸エステル誘導体が好ましい。これらの成分は、単独でまたは2種以上の混合物として用いてもよい。
【0021】
これらの光重合性単量体を用いる場合、化合物(A)100重量部に対して、1〜400重量部配合することが好ましく、1〜200重量部配合することがより好ましい。この量が400重量部を超えると、弾性体としての性質が失われていく傾向にある。
【0022】
さらに本発明のアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物に、目的に応じて不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアナート、ポリエポキシド、エポキシ末端ポリオキサゾリドン、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリジエン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類等の天然及び合成高分子物質を含有させることができる。これらを用いる場合、(A)成分100重量部に対して、1〜400重量部程度配合することが好ましい。
【0023】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、光重合開始剤(B)を含む。使用できる光重合開始剤としては特に制限はなく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、カルボニル系[ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−N,N'−ジメチルアセトフェノン類]、スルフィド系(ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィドなど)、キノン系(ベンゾキノン、アントラキノンなど)、アゾ系(アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスプロパン、ヒドラジンなど)、スルホクロリド系、チオキサントンなど)、過酸化物系(過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシドなど)、o−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。
【0024】
光重合開始剤は、(A)成分100重量部に対して、0.01〜15重量部配合することが光硬化性、硬化物の機械特性の点から好ましい。
【0025】
また、本発明のアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物に、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤などを添加することができる。これらを用いる場合、(A)成分100重量部に対して、0.01〜3重量部程度添加することが好ましい。
【0026】
また、本発明のアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物に、樹脂の粘度調節や樹脂合成効率等のため、メチルエチルケトンやアセトン、メチルイソブチルケトンの様なケトン類や酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル類、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランのような環状エーテル化合物、N,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド化合物等の、適当な有機溶剤を含有させることができる。これらを用いる場合、(A)成分100重量部に対して、10〜500重量部含有させることが好ましい。
【0027】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光硬化性コーティング剤、フォトレジスト材料、光硬化性インキ、感光性刷版用材料等に用いることができる。この光硬化性樹脂組成物を用いて膜を形成し、この膜に像的に光を露光し、アルカリ水溶液を用いて未露光部を除去することでパターンを製造することができる。露光する光としては、紫外線などを用いることができる。像的に光を露光する方法としては、目的とするパターンが形成されたフォトマスクを介して露光する方法などを用いることができる。未露光部の除去、すなわち、現像に用いるアルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1〜10重量%水溶液を用いることができる。このアルカリ水溶液により、未露光部を溶解又は膨潤させて除去することにより露光部に対応する硬化物のパターンを製造することができる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、全て重量基準である。
【0029】
実施例1
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、次式
【化3】
で表されるカルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名 プラクセル205BA、数平均分子量500)163.3部、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、PEG200、数平均分子量200)117.6部、次式
【化4】
で表されるラクトン変性アクリレート(ダイセル化学工業(株)製、nの平均値は3,商品名 プラクセルFA3)269.3部、p−メトキシフェノール 0.69部、ジブチル錫ラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.69部及びメチルエチルケトン 137.5部を仕込み、空気気流下で65℃まで攪拌しながら昇温した。
【0030】
滴下容器にヘキサメチレンジイソシアナート(日本ポリウレタン(株)製、商品名 HDI) 197.5部を仕込み、3時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を65±3℃に保った。滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン49.4部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに攪拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で攪拌保温を続けた。およそ6〜8時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール 3.8部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを60.3部添加し、樹脂固形分75%のウレタンアクリレートを調整した。得られたウレタンアクリレートの重量平均分子量は2980、酸価は25.5mgKOH/gであった。
【0031】
実施例2
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名 プラクセル205BA)141.1部、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名 PEG400、数平均分子量400)203.2部、ラクトン変性アクリレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名 プラクセルFA3)232.7部、p−メトキシフェノール 0.72部、ジブチル錫ラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.72部及びメチルエチルケトン 144.3部を仕込み、空気気流下で65℃まで攪拌しながら昇温した。
【0032】
滴下容器に、ヘキサメチレンジイソシアナート(日本ポリウレタン(株)製、商品名 HDI)170.7部を仕込み、3時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を65±3℃に保った。滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン42.7部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに攪拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で攪拌保温を続けた。およそ6〜8時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール 3.3部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを60.6部添加し、樹脂固形分75%のウレタンアクリレートを調整した。得られたウレタンアクリレートの重量平均分子量は3440、酸価は16.5mgKOH/gであった。
【0033】
比較例1
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名 プラクセル205BA)223.3部、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名 PEG200)160.8部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 93.3部、p−メトキシフェノール 0.60部、ジブチル錫ラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.60部及びメチルエチルケトン 119.4部を仕込み、空気気流下で65℃まで攪拌しながら昇温した。
【0034】
滴下容器にヘキサメチレンジイソシアナート(日本ポリウレタン(株)製、HDI)270.1部を仕込み、3時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を65±3℃に保った。滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン66.2部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに攪拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で攪拌保温を続けた。およそ6〜8時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール 5.2部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを59.3部添加し、樹脂固形分75%のウレタンアクリレートを調整した。得られたウレタンアクリレートの重量平均分子量は2490、酸価は32.3mgKOH/gであった。
【0035】
比較例2
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名 プラクセル205BA)183.8部、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、商品名 PEG400)264.7部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 76.8部、p−メトキシフェノール 0.66部、ジブチル錫ラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.66部及びメチルエチルケトン131.3を仕込み、空気気流下で65℃まで攪拌しながら昇温した。
【0036】
滴下容器にヘキサメチレンジイソシアナート(日本ポリウレタン(株)製、商品名 HDI)222.4を仕込み、3時間かけて反応容器に均一滴下した。その際、反応容器温度を65±3℃に保った。滴下終了後、滴下容器をメチルエチルケトン55.6部を用いて洗浄し、洗浄後の溶液は反応容器にそのまま投入した。さらに攪拌しながら2時間保温した後、75℃に昇温した。その後、赤外吸収スペクトルのイソシアナート由来のピークが消失するまで、75±3℃で攪拌保温を続けた。およそ6〜8時間でイソシアナート由来のピークが消失した。このピークの消失を確認後60℃まで降温し、メタノール 4.2部を添加し、60±3℃で30分保温した。その後メチルエチルケトンを59.9部添加し、樹脂固形分75%のウレタンアクリレートを調整した。得られたウレタンアクリレートの重量平均分子量は2640、酸価は21.5mgKOH/gであった。
【0037】
評価例1
上記実施例1〜2及び比較例1〜2のウレタンアクリレート50部に、光開始剤としてイルガキュア651(商品名 チバガイギー社製、ベンジルジメチルケタール)1部を加えよく攪拌した後、ガラス板上にアプリケータを用い膜厚300μmで塗布し、80℃で30分セッティングした。このガラス板を80W/mの高圧水銀灯下コンベアスピード5m/分で2回通過させ、硬化塗膜を得た。この塗膜を5×1.5cm角に切り取った後、両端から1.5cmをオートグラフのはさみしろにして、破断強度を測定した。
【0038】
評価例2
上記実施例1〜2及び比較例1〜2のウレタンアクリレート50部に、光開始剤としてイルガキュア651(商品名 チバガイギー社製)1部を加えよく攪拌した後、10cmφ×1.5cmのシャーレ中に20g入れ、微減圧(700mmHg)80℃で溶剤分を揮発させた。このシャーレを80W/mの高圧水銀灯下コンベアスピード5m/分で3回通過させ、硬化物を得た。ショアA硬度計を用いこの硬化物の表面硬度を測定した。
【0039】
評価例3
上記実施例1〜2及び比較例1〜2のウレタンアクリレート50部に、光開始剤としてイルガキュア651(商品名 チバガイギー社製)0.25部を加えよく攪拌した後、銅板上にアプリケータを用い膜厚300μmで塗布し、80℃で30分セッティングした。この銅板上にマイラーフィルム(帝人(株)製)をのせ、その上に21段ステップタブレットを置き、光照射量を変えて露光した。21段ステップタブレットの8段目が硬化するに要する露光量を光感度とした。
【0040】
評価例4
上記実施例1〜2及び比較例1〜2のウレタンアクリレート50部に、光開始剤としてイルガキュア651(商品名 チバガイギー社製)0.25部を加えよく攪拌した後、銅板上にアプリケータを用い膜厚300μmで塗布し、80℃で30分セッティングした。この銅板上にマイラーフィルム(帝人(株)製)をのせその上にネガ及びポジパターンを置き、評価例3の光感度値の露光量を照射し、現像性を検討した。
【0041】
評価例5
上記実施例1〜2及び比較例1〜2のウレタンアクリレート50部に、光開始剤としてイルガキュア651(商品名 チバガイギー社製)1部を加えよく攪拌した後、ガラス板上にアプリケータを用い膜厚300μmで塗布し、80℃で30分セッティングした。このガラス板を80W/mの高圧水銀灯下コンベアスピード5m/分で2回通過させ、硬化塗膜を得た。この硬化塗膜を3×3cm(膜厚約200μm)に切り取った後、水、2%炭酸ナトリウム水溶液、10%イソプロパノール水溶液、30%イソプロパノール水溶液、50%イソプロパノール水溶液にそれぞれ1週間浸漬し、その面積変化を測定した。
【0042】
評価例1〜4の結果を表1に示した。
【表1】
【0043】
評価例5の結果を表2に示した。
【表2】
【0044】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、アルカリ現像が可能で、現像性も良好であり、感度に優れ、硬化物の耐水性および耐溶剤性が優れ、さらに硬化物が弾性体の性質を有するものである。また本発明のパターンの製造法によれば、アルカリ現像により良好に現像でき、硬化物の耐水性および耐溶剤性が優れ、さらに硬化物が弾性体の性質を有するパターンが得られる。
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