JP4280022B2 - 顆粒状水和剤 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用顆粒状水和剤の希釈液を稲苗箱に潅注処理する際の希釈液による苗の汚れが少なく、水中崩壊性及び懸垂性に優れ、かつ保存安定性、造粒性等が良好な農業用顆粒状水和剤に関する。
【０００２】
【従来の技術及び課題】
水で希釈して散布するタイプの農薬製剤としては、乳剤、水和剤、フロアブル剤等がある。しかし、乳剤は、有機溶剤を用いるため、引火性、毒性、刺激性等の点で問題がある。また、フロアブル剤は、懸濁状の粘稠な液体製剤であり、容器から取り出しにくく容器に残るため、その廃棄に問題がある。更に、水和剤は、農薬原体を無機鉱物質粉末などと共に粉砕された微粉末であるため、水に懸濁させて散布液を調製する際に微粉が舞い上がり、作業者の健康上好ましくない、計量が不便である等の欠点がある。そこで近年、水和剤の特性を生かしつつ水和剤の上記欠点を解消した顆粒状の水和剤が提案されている（特許第２５７５００９号公報参照）。
【０００３】
しかし、上記提案の顆粒状水和剤も、水中崩壊性、分散性、懸垂性等の点で依然として問題があり、これらの欠点を改良するため、顆粒状水和剤に、デンプン及び水溶性無機塩を配合する方法（特公昭５３−１２５７７号公報）、糖類、ナフタレンスルホン酸系界面活性剤及びリン酸アルカリ金属塩を配合する方法（特公昭６３−３８００４号公報）等の改良法が提案されているが、充分な効果は得られていない。また、担体として、カオリン系クレーを用いた製剤（特開平３−２６４５０２号公報）、珪藻土を用いた製剤（特開平６−１２８１０２号公報）等も提案されているが、上記欠点を十分に解消するに至っていない。
【０００４】
更にまた、農薬活性成分に製剤の０．１〜１０重量％のアニオン型界面活性剤及びベントナイトを配合した粒状農薬水和剤が提案されているが（特開昭６２−２６３１０１号公報）、製造が困難であり、更に保存中に懸垂性が劣化するという問題がある。
【０００５】
農業用顆粒状水和剤の使用方法として、その希釈液を水田等に散布する方法に加え、近年、その希釈液を稲苗箱の苗に潅注処理する方法が行われているが、稲苗箱への潅注処理においては、希釈液が苗に付着滞留しやすく、希釈液成分が付着したままの苗を水田へ移植した場合、界面活性剤の影響により苗の葉面の撥水性が減少して田面水面に張り付いた状態になり、その状態が続くと葉が腐敗するという問題がある。従って、稲苗箱に施用される農業用顆粒状水和剤は、その希釈液が苗に付着滞留することなく培土まで到達するものであることが望ましい。
【０００６】
そのため、顆粒状水和剤の物理性を改善すべく、従来から、各種の界面活性剤を配合することが提案されており、例えば、ポリカルボン酸系界面活性剤を配合する方法（特開昭６２−３６３０２号公報）、ポリスチレンスルホン酸塩を配合する方法（特開平２−４８５０３号公報）、スルホン基を含有する重合体を配合する方法（特開平３−５４０５号公報）、数種の分散剤を１０〜４０重量％配合する方法（特公平６−７６２８３号公報）等が提案されているが、これらの方法によっても上記の苗に付着するという欠点は十分に解消されるに至ってない。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、顆粒状水和剤の希釈液を稲苗箱に潅注処理するに際しての希釈液による苗の汚れの問題を改善すべく鋭意研究した結果、今回、農業用顆粒状水和剤にリグニンスルホン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩及びジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩の組合わせからなる界面活性剤を配合すると、顆粒状水和剤の希釈液による苗の汚れの問題が一挙に解決され、しかも水中崩壊性及び懸垂性に優れ、かつ保存安定性及び造粒性が良好な農業用顆粒状水和剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【０００８】
かくして、本発明によれば、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩及びジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩の組合わせからなる界面活性剤を含有することを特徴とする農業用顆粒状水和剤、殊に、上記界面活性剤を水和剤の重量を基準にして、合計で３重量％ないし１０重量％未満含有する農業用顆粒状水和剤が提供される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の農業用顆粒状水和剤に配合される農薬活性成分としては、常温で固体の農薬活性成分が好ましく、例えば、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤等が挙げられ、これらの化合物は単独でまたは２種以上混合して用いることができる。配合しうる農薬活性成分としては、具体的には例えば次のものを挙げることができるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【００１０】
１−（６−クロロ−３−ピリジルメチル）−Ｎ−ニトロイミダゾリジン−２−イリデンアミン（一般名：イミダクロプリド）、
３−（６−クロロ−３−ピリジルメチル）−１，３−チアゾリジン−２−イリデンシアナミド（一般名：チアクロプリド）、
（Ｅ）−Ｎ−（６−クロロ−３−ピリジルメチル）−Ｎ−エチル−Ｎ′−メチル−２−ニトロビニリデンジアミン（一般名：ニテンピラム）、
（Ｅ）−Ｎ′−［（６−クロロ−３−ピリジル）メチル］−Ｎ″−シアノ−Ｎ′−メチルアセトアミジン（一般名：アセタミプリド）、
３−（２−クロロ−１，３−チアゾール−５−イルメチル）−５−メチル−１，３，５−オキサジアジナン−４−イリデン（ニトロ）アミン（一般名：チアメトキサム）、
Ｎ−［（２−クロロ−５−チアゾイル）メチル］−Ｎ′−メチル−Ｎ″−ニトロ−グアニジン（一般名：クロチアニジン）、
Ｎ−メチル−Ｎ′−ニトロ−Ｎ″−［（テトラヒドロ−３−フラニル）メチル］−グアニジン（一般名：ジノテフラン）、
（１ＲＳ，３ＳＲ）−２，２−ジクロロ−Ｎ−［１−（４−クロロフェニル）エチル］−１−エチル−３−メチルシクロプロパンカルボキサミド（一般名：カルプロパミド）、
（ＲＳ）−２−シアノ−Ｎ−［（Ｒ）−１−（２，４−ジクロロフェニル）エチル］−３，３−ジメチルブチアミド（一般名：ジクロシメット）、
（ＲＳ）−Ｎ−［（ＲＳ）−１−シアノ−１，２−ジメチルプロピル］−２−（２，４−ジクロロフェノキシ）プロピオンアミド（一般名：フェノキサニル）、
１−（４−クロロベンジル）−１−シクロペンチル−３−フェニル尿素（一般名：ペンシクロン）、など。
【００１１】
上記の如き農薬活性成分の製剤中の配合割合は、農薬活性成分の種類等に応じて広い範囲にわたり変えることができるが、一般には、製剤の重量を基準にして、５〜８０重量％、好ましくは１０〜７０重量％の範囲内とすることができる。
【００１２】
本発明に従い農業用顆粒状水和剤に界面活性剤の１成分として配合されるリグニンスルホン酸ナトリウム塩としては、具体的には、例えば、ポリホン（ＰＯＬＹＦＯＮ）Ｈ、ポリホンＴ（以上、商品名／ウエストベーコ（Ｗｅｓｔｖａｃｏ）社製）、ユーホキセイン（ＵＦＯＸＡＮＥ）３Ａ（商品名／ボレガード（Ｂｏｒｒｅｇａａｄ）社製）等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【００１３】
これらのリグニンスルホン酸ナトリウム塩と組合わせて用いられるポリカルボン酸ナトリウム塩としては、具体的には、例えば、トキサノンＧＲ−３１Ａ（商品名／三洋化成工業（株）製）、ソルポール７２４８（商品名／東邦化学工業（株）製）等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩としては、具体的には、例えば、ケミスタットＳＡ−９（商品名／三洋化成工業（株）製）等が挙げられるが、これに限定されるものではない。さらに、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩としては、具体的には、例えば、ネオコールＳＷ−ＣＰ（商品名／第一工業製薬（株）製）、ニューカルゲンＥＰ−４Ｃ（商品名／竹本油脂（株）製）、ソルポール３０７８（商品名／東邦化学工業（株）製）等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【００１４】
以上に述べたリグニンスルホン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩及びジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩の組合わせからなる界面活性剤の配合割合は、一般に、製剤の重量を基準にして、３重量％ないし１０重量％未満の範囲内、好ましくは５重量％ないし１０重量％未満の範囲内とすることができる。
【００１５】
上記界面活性剤における４成分の相対的割合は厳密に制限されるものではないが、一般には、リグニンスルホン酸ナトリウム塩１００重量部あたり、ポリカルボン酸ナトリウム塩は０．１〜２０重量部、好ましくは１〜１０重量部、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩は０．１〜２０重量部、好ましくは１〜１０重量部、そしてジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩は０．１〜２０重量部、好ましくは１〜１０重量部の範囲内とすることができる。
【００１６】
本発明の農業用顆粒状水和剤には、上記各成分に加え、必要に応じて、粉砕助剤として、例えば、ホワイトカーボン、ベントナイト、珪石微粉、焼成ケイソウ土微粉、タルク等を添加してもよい。これら粉砕助剤の配合割合は、一般に、０〜６０重量％、好ましくは２〜５０重量％の範囲内とすることができる。
【００１７】
本発明の農業用顆粒状水和剤には、更に助剤として、場合により、例えば、担体助剤、造粒性改良剤、分解防止剤、安定剤、防腐剤、着色剤等の添加剤を適宜含有させることもできる。
【００１８】
本発明の農業用顆粒状水和剤は、一般に、粒径が０．３ｍｍ〜１．５ｍｍ、好ましくは０．５ｍｍ〜１ｍｍの範囲内の大きさにすることができる。
【００１９】
本発明の農業用顆粒状水和剤は、例えば、通常の押し出し造粒法によって調製することができる。具体的には、例えば、以上に述べた顆粒状水和剤の構成成分を水と共に混練した後、押し出し造粒機を用いて造粒することによって製造することができる。練合の際用いる水の量は厳密に制限されるものではないが、全重量に対して、通常５〜３０％、好ましくは１０〜２５％の範囲内とすることができる。
【００２０】
本発明の農業用顆粒状水和剤は通常の方法で包装することができ、その包装容器としては、例えば、水溶性のフィルムの袋、防湿クラフト紙の袋等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、包装容器中に乾燥剤を封入してもよい。
【００２１】
本発明の農業用顆粒状水和剤は、水で希釈し、その希釈液を稲苗箱に潅注処理することができ、又は田植え時に苗に施用することができる。
【００２２】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中％は重量％を示す。
【００２３】
【実施例】
実施例１
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
ペンシクロン微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
ベントナイト ３．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ２８．０％
以上の粉末を混合機を用いて均一に混合した後、水２０重量％を加えて混練し、ついで口径０．５ｍｍのスクリーンを装着した押し出し造粒機を用いて造粒する。乾燥後、目開きが０．２ｍｍから１．０ｍｍの篩を用いて整粒し、顆粒状水和剤を得る。
【００２４】
以下の実施例２〜４及び比較例１〜９において、記載の処方を用いる以外、実施例１と同様の方法で顆粒水和剤を得ることができる。
実施例２
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ７．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 ０．５％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 ０．５％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ５１．０％
実施例３
チアクロプリド微粉砕物 ６０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ５．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 ０．５％
タルク ３２．５％
実施例４
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ３１．０％
比較例１
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
ペンシクロン微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
ベントナイト ３．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ２９．０％
比較例２
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
ペンシクロン微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ベントナイト ３．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ２９．０％
比較例３
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
ペンシクロン微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
ベントナイト ３．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ２９．０％
比較例４
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
ペンシクロン微粉砕物 ４０．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
ベントナイト ３．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ３４．０％
比較例５
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ７．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ５１．０％
比較例６
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ７．０％
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ５１．０％
比較例７
チアクロプリド微粉砕物 ６０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ５．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 ０．５％
タルク ３２．５％
比較例８
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリカルボン酸ナトリウム塩 １．０％
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 １．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ３２．０％
比較例９
イミダクロプリド微粉砕物 ２０．０％
カルプロパミド微粉砕物 ４０．０％
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 ６．０％
ポリオキシアルキレンアリルフェニル
エーテル硫酸塩 １．０％
ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 １．０％
焼成ケイソウ土微粉砕物 ３２．０％
試験例１： 稲苗への散布試験
各製剤の１００倍希釈液を調製し、稲苗箱の稲に散布した。散布液が乾いてから、苗の汚れの程度を目視で観察した。
【００２５】
評価を次のとおり行った。
【００２６】
評価 汚れ
○ ほとんど無い
△ 少し目立つ
× 非常に目立つ
結果を後記第１表にまとめて示す。
試験例２：造粒性試験
原末（液体成分を除いてあらかじめ混合粉砕した活性成分及び他の固体成分）に、水及び各供試例（実施例又は比較例）における液体成分を加えて万能混合ミキサーで混練する。混練後、造粒機（ＤＧ−Ｌ１型、不二パウダル製）に混練物を手投入し、造粒時の負荷をアンペアメーターで判断する（造粒機のシャフト回転数は４０ｒｐｍで、混練物を投入していない時、アンペアメーターは１．６アンペアを示し、混練物投入後負荷が大きい場合、５アンペアを超えるとストップしてしまう）。アンペアが低いほど造粒性が良好である。
【００２７】
原末に加える水の量は、実施例１〜４及び比較例１〜９に原末に対して２０％とした。
【００２８】
評価を次のとおり行った。
【００２９】
評価 アンペア
◎ ２．０以下
○ ２．０越２．５以下
△ ２．５越４．０以下
× ４．０越
結果を後記第１表にまとめて示す。
試験例３：水中崩壊性試験
試料２．０ｇを正確に秤量する。秤量した試料を、２０℃の３度硬水１０００ｍｌを入れた１０００ｍｌ共栓付メスシリンダーに投入する。投入後、３０秒間静置する。次いで、２秒間に反転１回のペースで、メスシリンダーの反転を行い、顆粒状水和剤が完全に崩壊するまでの反転回数を測定する。ただし、メスシリンダーの反転回数は２０回を最大とする。水中崩壊性はシリンダーの反転回数が少ないほど良好であることを意味する。測定は、顆粒状水和剤調製直後と、４０℃で１ケ月及び２ケ月保存後に行った。
【００３０】
評価を次のとおり行った。
【００３１】
評価 反転回数
◎ ５回以内
○ ６〜１０回
△ １１〜２０回
× ２１回以上
結果を後記第１表にまとめて示す。
試験例４：懸垂性試験
試料０．５ｇを正確に秤量する。秤量した試料を、２０℃の３度硬水２５０ｍｌを入れた２５０ｍｌ共栓付メスシリンダーに投入し、１分間静置する。メスシリンダーを１分間に３０回はげしく倒立・撹拌させたのち、２０℃の恒温槽中に１５分間静置する。静置後、２５ｍｌのホールピペットを用いて液の中央部から検液を採取し、検液中の農薬活性成分をガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーで定量する。懸垂率は下記の式により求める。懸垂性は懸垂率（％）の値が高いほど（最高１００％）良好であることを意味する。測定は、顆粒状水和剤調製直後と、４０℃で１ケ月及び２ケ月保存後に行った。
【００３２】
懸垂率（％）＝［（Ａ×１０）／Ｂ］×１００
Ａは採取した検液中の農薬活性成分量を表わし、
Ｂは試料が均一に分散した場合の理論値（最初の試料中の農薬活性成分量）
を表わす。
【００３３】
評価を次のとおり行った。
【００３４】
評価 懸垂率％
◎ ９５％以上
○ ９０％〜９５％未満
△ ８０％〜９０％未満
× ８０％未満
結果を下記第１表にまとめて示す。
【００３５】
【表１】

【００３６】
【発明の効果】
上記第１表に示す結果から明らかなとおり、本発明の農業用顆粒状水和剤は、稲苗箱に潅注処理した場合、苗をほとんど汚さず、かつ造粒性及び水中崩壊性、懸垂性に優れている。

Claims (4)

1. リグニンスルホン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩及びジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩の組合わせからなる界面活性剤を含有することを特徴とする農業用顆粒状水和剤。
2. リグニンスルホン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩及びジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩の組合わせからなる界面活性剤の合計の配合量が３重量％ないし１０重量％未満である請求項１に記載の農業用顆粒状水和剤。
3. 農薬活性成分として、１−（６−クロロ−３−ピリジルメチル）−Ｎ−ニトロイミダゾリジン−２−イリデンアミン、３−（６−クロロ−３−ピリジルメチル）−１，３−チアゾリジン−２−イリデンシアナミド及び（１ＲＳ，３ＳＲ）−２，２−ジクロロ−Ｎ−［１−（４−クロロフェニル）エチル］−１−エチル−３−メチルシクロプロパンカルボキサミドよりなる群から選ばれる少なくとも１種の化合物を含有する請求項１又は２に記載の農業用顆粒状水和剤。
4. 押し出し造粒法により製造される請求項１〜３のいずれかに記載の農業用顆粒状水和剤。