JP4279515B2 - 記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、シーケンシャルアクセスの多いオーディオおよび/または映像データを格納するのに適した記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、装置等のディスク装置は、近年、小型化、高速化、高機能化、低価格化が急速に進んでいる。特に、ハードディスクの単位面積当たりの記録密度はめざましく向上しており、現在1インチ平方当たり10Gbitを超えている。また、数年後に1インチ平方当たり100Gbitを実用化するために、現在、技術開発が行われている。このような高記録密度かにともなって、1ディスク装置当たりの記憶容量も大容量化しており、現在、3.5型1インチ厚で166GBが実現され、将来的には1TBも夢ではない。また、1.0型のような小型ディスク装置でも100GBが実現可能になると思われる。
【0003】
近年、ハードディスク装置の大容量化を利用して、オーディオデータやビジュアルデータ(AVデータ)をハードディスクに記録する場合もでてきている。例えば、高精彩な映像データの場合、通常は転送速度が23Mbps程度であるため、1時間の映像データでは
23Mbps × 3600s=10GB強/時間
程度の容量となる。つまり、数年後には3.5型のハードディスク装置で100時間程度、1.0型で10時間程度のAVデータを記憶させることが可能になる。もちろん、表示装置の画像精度に応じてもっとAVデータ容量を減らせば、さらに記憶できる時間は増加する。
【0004】
しかしながら、パーソナルコンピュータ用のデータの記録に適するように開発されている従来のハードディスク装置は、AVデータの記録に必ずしも適しているとは言えない。このため、例えば、特開2001−118335号では、AVデータが、コンピュータ用データと比較してデータの完全性は要求されないものの、所定時間内にある量のデータを連続的に扱わなければならないという特性を有することに考慮して、時系列的に連続するデータ塊(ストリーム)を記録する領域を、ハードディスク上に定義付けし、この記録領域を単位としてデータをアクセスすることにより、ユーザがAVデータを取り扱う際の利便性を向上させることが提案されている。
【0005】
ところで、従来のハードディスク装置では、従来より欠陥セクタが発生した場合、その欠陥セクタを他のセクタに交代させる処理として、以下のようなスキップ(skip)処理、または、スリップ(slip)処理を行っている。これにより、ディスク装置では、欠陥セクタの使用を避けながらホストからのデータの読み書きを行っている。
【0006】
スキップ処理は、主に工場出荷後に発生した欠陥により、正常に読み書きできなくなった欠陥セクタを、予備に用意されているセクタに交代させる処理である。例えば、図2(a)のように、トラックnにサーボセクタ101とデータセクタ102が存在し、代替用の予備セクタとして、予めトラックmのセクタが確保されているとする。物理セクタ番号A+1(論理セクタ番号α+1)のセクタ103に欠陥が生じた場合、代替用の予備セクタとして予め確保されているトラックmの物理セクタ番号Aのセクタ11を、論理セクタ番号α+1として登録する。これにより、トラックnの論理セクタ番号α以降のデータを、ヘッド104でアクセスする場合、欠陥セクタ103の位置で、ヘッド104はトラックmまで移動して、論理セクタ番号α+1の代替セクタ11にアクセスし、再びトラックnまで戻って論理セクタ番号α+2(物理セクタ番号A+2)のセクタにアクセスするという処理を行う。
【0007】
一方のスリップ処理は、図2(b)のように、主に工場出荷前の検査において正常に読み書きできない欠陥が見つかった欠陥セクタ103の代替として、物理配置がこの欠陥セクタ103の次に続いている正常セクタ1001を割り付けるものである。すなわち、物理セクタ番号A(論理セクタ番号α)の次の物理セクタ番号A+1のセクタが欠陥セクタ103である場合には、物理セクタ番号A+2のセクタ1001が論理セクタ番号α+1となる。
【0008】
また、特開平04−023120号公報には、複数のディスクをアレイ状に使用するアレイディスク装置において、データ読み出し時にセクタエラーを検出した場合には、そのセクタアドレスをエラーリストとしてディスク装置で記憶しながら、データをリアルタイムで訂正して、ホストに送出する。読み出し終了後、ホストからのコマンド指示がないのを見計らって、エラーリストの欠陥セクタを他のセクタに交代させる処理をすることが開示されている。
【0009】
また、特開平08−255432号公報には、読み出し時にエラーが検出された欠陥セクタのアドレスを記憶部に記憶させ、当該欠陥セクタに対して書き込みを行う時に交代処理を行って、交代領域へ書き込みを行わせることが開示されている。これにより、欠陥セクターへ書き込みが行われるまでは、交代処理が行われないことから、読み出しが続けば、もとの欠陥セクタからの読み出しを繰り返す。これにより、欠陥セクタに書き込まれているデータの復元の可能性を高めることが可能となり、信頼性の向上を図ることができると記載されている。
【0010】
また、特開平11−134809号公報には、読み出しエラーを発生したセクタのアドレスを登録することが開示されている。この際、エラー検出時に応じて、3つのレベルに分けて登録する。レベル0は工場出荷時に検出されたエラーセクタアドレス、レベル1は、ユーザフォーマット時に検出されたエラーセクタアドレス、レベル2は、通常のユーザデータ記録再生時に検出されたエラーセクタアドレスとする。また、ディスクの記録領域に、予めユーザデータエリアとスペアエリア(交代領域)とを交互に並べた配置とし、ユーザデータエリアに書き込みを行う際に登録されているエラーセクタを避けてスペアエリア(交代領域)にスリップ処理で書き込みを行う。この際に、一組のユーザデータエリアとスペアエリアには、常に一定数のセクタに書き込みが行われるように補償する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
AVデータは、通常のパーソナルコンピュータ用等のデータと比較して、データの完全性に対する要求は緩いが、時系列に連続する大きな容量のデータであるという特徴がある。しかしながら、現在のディスク装置は、データの完全性を要求するパーソナルコンピュータ用等のデータに適した記録再生方式となっている。上記特開2001−118335号では、連続するデータ塊(ストリーム)ごとに記録することが開示されているが、AVデータのコンテンツごとにそれがどこに格納されているかディスク装置内で記憶する仕掛けが開示されておらず、AVデータコンテンツの管理方法が不明である。また、上記特開2001−118335号では、ストリームのAVデータと、短い容量の通常のコンピュータ用データとを混在させて記録することを想定していない。
【0012】
また、ディスクの高密度記録が進むと、セクタ数が増大するのに伴い、後発的に欠陥の生じるセクタの数も増大すると思われる。この後発的な欠陥セクタの交代処理を、従来のようにスキップ処理で処理すると、物理的に離れた位置にある代替用の予備セクタまでヘッドを往復させる必要があるため、時系列に連続したAVデータを短い応答時間で記録再生する場合には、ヘッドの移動が間に合わなくなる可能性も生じる。また、特開平04−023120号公報および特開平08−255432号公報の技術は、欠陥セクタの交代処理自体はスキップ処理であるので、上述のヘッド移動の問題が生じる。また、特開平11−134809号公報による欠陥セクタの交代処理はスリップ処理しているが、記憶領域に予めユーザデータエリアとスペアエリア(交代領域)とを交互に配置しておく必要がある。
本発明の目的は、AVデータのような時系列に連続したデータの記録再生に適したディスク装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、記録媒体に書き込むべきデータとして受け付けたデータが、オーディオデータおよび/または映像データ(以下、AVデータと記す)である場合には、当該データを記録媒体に書き込んだ先頭セクタを特定するアドレス情報を、管理情報記憶手段に登録する。
【0014】
このとき、記録すべきデータとして受け付けたAVデータが、前回書き込んだAVデータと連続した内容であるかどうかを判断し、連続している場合には、先頭セクタの管理情報記憶手段への登録を行わない構成とすることができる。
【0015】
また、本発明では、記録媒体に書き込むべきデータとして受け付けたデータがAVデータであり、当該データを書き込む記録媒体のセクタが、欠陥セクタである場合、欠陥セクタに書き込むべきデータを、欠陥セクタに物理的に連続した欠陥のないセクタに書き込む。
その際、欠陥セクタに物理的に連続した欠陥のないセクタに、別のAVデータが既に書き込まれている場合であっても、それを上書きすることにより、AVデータが書き込まれるセクタができるだけ物理的に連続するようにすることができる。
【0016】
このとき、上書きされる別のAVデータの属性が上書きを許可しない属性であるときには、上書きしない構成にすることができる。また、上書きされる別のAVデータの先頭アドレスから予め定めた数のセクタ数よりも後ろのセクタについては、上書きを行わない構成にすることもできる。
【0017】
また、欠陥セクタかどうかの判断を行うために、記憶媒体からデータを読み出した際に、訂正手段の訂正した箇所の数が、予め定めた境界値E2を超えているセクタを、第2欠陥セクタ記憶部に登録し、訂正手段の訂正した個所の数が、予め定めた境界値E1(ただしE1≦E2)を超えているセクタを、第1欠陥セクタ記憶部に登録する構成にすることができる。これにより、この欠陥セクタ記憶部を参照することにより、AVデータを書き込むセクタとしては、欠陥セクタかどうかの判断が可能になる。
【0018】
また、本発明では、記録媒体から読み出しデータが、AVデータである場合、このデータに訂正手段の訂正可能な限界値以上のエラーが含まれているときには、未訂正のデータまたは予め定めた固定値を、読み出したデータに代えて、ホストに受け渡すように構成することができる。これにより、AVデータの読み出し時には、欠陥のあるセクタであっても使用を続けることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の記録再生装置について説明する。なお、以下の説明では、オーディオデータや映像データ等のように、時系列に連続し、比較的大きな容量となるストリーミングデータをAVデータと呼ぶ。また、従来のパーソナルコンピュータ(PC)用途で使われていたような、比較的小さなデータ量であるが、完全性の要求されるデータをPCデータと呼ぶ。また、記録や読み出しの対象となるデータを、コンテンツと呼ぶ。
【0020】
まず、本実施の形態の記録再生装置1512の構成について、図15を用いて説明する。
【0021】
記録再生装置1512は、例えばIDE等の標準的なインターフェースのバス1520により、ホストコンピュータまたは端末(以下ホストと呼ぶ)1513と、接続されている。記録再生装置1512は、機構部1514と、機構部1514を制御するメカ制御部1511と、記録/再生(R/W)回路1501と、MPU1505と、フラッシュメモリ1524と、データ処理部1502と、データバッファ1509とを含んでいる。
【0022】
機構部1514は、記録媒体(ハードディスク)301と、磁気ヘッド1522、磁気ヘッド1522を駆動するためのVCM(Voice Coil Motor)1515、記録媒体301を回転させるためのスピンドルモータ1516、ならびに、VCM1515およびスピンドルモータ1516の回転駆動を制御するモータドライバ(不図示)を含んでいる。
【0023】
データ処理部1502は、インタフェースバス1520を介してホストコンピュータ(以下、ホストと呼ぶ)1513と接続されるホストバスインタフェースコントロール部(HBI)1510、MPU1505と接続されるMPUインターフェース(I/F)コントロール部1504、R/W回路1501と接続されるディスクフォーマッタコントロール部1503、および、データバッファ1509と接続されるバッファマネージャコントロール部(BM)1507を有している。この他に、ID生成部1523およびECC処理部1506等が、データ処理部1502に備えられている。
【0024】
記録再生装置1512のMPU1505の管轄の不揮発性の記憶領域には、管理領域2001が設けられている。具体的には、管理領域2001は、フラッシュメモリ1524、もしくは、図20のように記録媒体301の例えば最外周領域(図20参照)に設けられている。以下の説明では、記録媒体301の最外周領域に管理領域2001を設けた例について説明する。管理領域2001には、図4のように、ファイル管理情報402、欠陥管理テーブル2100、および、論理アドレスと物理アドレスとのアドレス変換テーブル410が格納されている。ファイル管理情報402や欠陥管理テーブル2100の構造については、後で詳しく説明する。
【0025】
つぎに、記録再生装置1512の動作について、図5等のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
ホスト1513は、記録再生装置1512にデータの記録や再生の動作を指示する前に、記録媒体301の管理領域2001に格納されているファイル管理情報402(図4参照)を取り出し、ファイル管理情報402から記録媒体301に格納されているデータを把握する。このために、ホスト1513は、記録再生装置1512に、ファイル管理情報402の受け渡しを指示するコマンドをインタフェースプロトコルにしたがって送出する。記録再生装置1512は、図5のステップ221において、このコマンドをHBI1510で受け取り、MPU1505に受け渡す。MPU1505は、受け取ったコマンドを解釈し、当該コマンドが管理情報402の受け渡しを指示するコマンドであると判別したならば、ステップ226へ進む。
【0027】
ステップ226では、MPU1505は、記録媒体301の最外周の管理領域2001のデータを磁気ヘッド1522で読み出すことをできるように、磁気ヘッド1522の位置決めをするための記録媒体301のサーボセクタのデータを読み出すようにメカ制御部1511に指示を行う。メカ制御部1511は、機構部1514のモータドライバ(不図示)の制御を行い、磁気ヘッド1522を記録媒体301の該当トラックに位置づける。ヘッドの位置決めのために、記録媒体301から読み出されたサーボセクタのデータは、R/W回路1501を経由してシリアルパルスデータとしてID生成部1523に取り込まれる。ここで、バイトシンク検出を行い、これをもとにシリパラ変換を行う。ここで、サーボIDが正しく読み出され、該当管理情報2001が格納されているデータセクタが見つかった場合には、磁気ヘッド1522によりファイル管理情報402のデータを読み出す。読み出されたデータは、R/W回路1501を介して、ディスクフォーマッタコントロール部1503に受け渡され、ECC処理部1506によりエラー訂正を受けて、HBI1510を介してホストコンピュータ1513に受け渡される。
【0028】
これにより、ホスト1513は、ファイル管理情報402の内容を把握することができ、データの記録(書き込み)や再生(読み出し)を指示することができる。なお、ホスト1513は、ファイル管理情報402を取り出す際に、記録再生装置1512を特定するためのID情報を取り込む構成にすることもできる。ID情報としては、記録再生装置1512の不揮発性の記憶領域(例えば、フラッシュメモリ1524や記録媒体301)に予め格納した、IPv6(Internet Protocol version 6)のIPアドレス等を用いることができる。
【0029】
また、ホスト1513は、記録再生装置1512の記録媒体301にデータの記録(書き込み)または再生(読み出し)をさせる場合、記録再生装置1512にインタフェースプロトコルにしたがって、それらを指示するコマンドを送出する。記録再生装置1512のMPU1505は、上述の図5のステップ221でこのコマンドが記録(書き込み)を指示するコマンドであるか、再生(読み出し)を指示するコマンドであるかを判別する。受け取ったコマンドが書き込みコマンドであると判別した場合には図5のステップ222に進み、コマンド指定内容を解釈する。また、ステップ221で読み出しコマンドであると判別した場合には、図5のステップ224に進み、コマンドの指定内容を解釈する。
【0030】
ステップ222の書き込みコマンドの内容解釈の処理を図6(a)を用いてさらに説明する。
【0031】
まず、前提条件として、ホスト1513が発行する書き込みコマンドの構成について説明する。ホスト1513の発行する書き込みコマンドは、PCデータの書き込みか、AVデータの書き込みかを指定する部分を有し、PCデータの書き込みコマンドである場合、データの書き込み開始アドレスを指定する部分と、書き込みセクタ数を指定する部分とを含んでいる。一方、AVデータの書き込みコマンドである場合、記録再生装置1512の応答時間を指定する部分と、当該AVデータには、他のAVデータを上書きしてもよいかどうかを指定する部分と、前回に送出した書き込みコマンドと本書き込みコマンドとの連続性があるかないか、すなわち、前回の書き込みコマンドで書き込んだデータと今回の書き込みコマンドで書き込むデータとが連続したデータであるかどうかを指定する部分を有する。前回のデータと連続性のないデータの場合、PCデータと同様に書き込みを開始するアドレスを指定する部分を含む。また、連続性がある場合には、開始アドレスを指定せず、前回のデータと連続させて書き込む(追記)かどうかを指定する部分を含む。この追記指定により連続性のあるデータアクセスの場合、ホスト1512は開始アドレスを指定せずに追記を指定するだけで、前回書き込んだデータの最後のセクタの次のセクタからデータ書き込ませることができる。また、AVデータの書き込みコマンドの場合も、PCデータ用コマンドと同様に書き込みセクタ数を指定する部分を含む。
【0032】
なお、AVデータの連続性の指定は、連続性の有り/無しの情報を指定する部分をコマンド内に設ける構成の他に、ホスト1513が記録するデータのコンテンツを識別する番号や符号等のIDを提供し、記録再生装置1512側でコンテンツIDが前回の書き込みデータのコンテンツIDと連続するかどうか判断することにより、データの連続性の有無を判断するように構成することも可能である。
【0033】
なお、ホスト1513は、上記の内容を含むコマンドを、一つのコマンドとして1回で発行することももちろん可能であるが、応答時間を予め指定するコマンド、AVデータまたはPCデータかを指定するモード指定コマンドなど、複数のコマンドに分けて発行することもできる。
【0034】
このようなコマンドを受け取ったMPU1505は、図6(a)のように、書き込みコマンドの該当部分を解釈することにより、PCデータ用書き込みコマンドかAVデータ用書き込みコマンドかによりステップ61,63に進む。PCデータ用コマンドである場合には、書き込み開始アドレスと書き込みセクタ数の指定の内容を読み出す(ステップ62,67)。AVデータ用書き込みコマンドである場合には、応答時間指定部分、コマンドの連続性指定部分の内容をそれぞれ読み出し(ステップ64,65)、コマンド連続性なしの場合には、他のAVデータを本AVデータ上に上書きしても良いかどうかの指定する内容を読み出し(ステプ68)、書き込み開始アドレス、書き込みセクタ数の指定を読み出す(ステップ62、67)。また、ステップ65で、コマンド連続性ありの場合には、追記指定か、それとも書き込み開始アドレスの指定があるかどうかを読み出し、書き込みセクタ数の指定を読み出す(ステップ66 、67)。以上により、書き込みコマンドの解釈のステップ222を終了し、図5のステップ223へ進み、書き込み処理を行う。
【0035】
一方、図5のステップ221で、ホスト1513から受け取ったコマンドが読み出しを指定するコマンドであった場合には、ステップ224でコマンド解釈を行う。ホスト1513が送出する読み出しコマンドは、読み出しか書き込みかが異なるのみで、書き込みコマンドと同様の内容をそれぞれ指定する部分を含んでいる。
【0036】
MPU1505は、図6(b)のように、読み出しコマンドの該当部分を解釈することにより、PCデータ用読み出しコマンドかAVデータ用読み出しコマンドかにより各処理に進み(ステップ68,70)、PCデータ用コマンドである場合には、読み出し開始アドレスと読み出しセクタ数の指定の内容を読み出す(ステップ69,74)。一方、AVデータ用読み出しコマンドである場合には、ステップ71〜74で、応答時間指定部分、コマンドの連続性指定部分、コマンド連続性ありの場合の連続読みだし指定の有無、読み出しセクタ数の指定を読み出す。これにより、図5のステップ224の読み出しコマンドの解釈を行い、ステップ225へ進み、読み出し処理を行う。
【0037】
ここで、ステップ223の書き込み処理を図19のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず、書き込み処理では、MPU1505は、図19のステップ1901において、書き込みコマンドがAVデータ用かPCデータ用かを判断する。具体的には、ステップ1901で、図5のステップ222のコマンド解釈を参照することにより、AVデータ用書き込みコマンドであるかどうかを判断する。AVデータ用であれば、ステップ1902に進んで、これから書き込みを行うAVファイルの先頭アドレス番号をファイル管理領域2001のファイル管理情報402に、管理要素403として登録する。ステップ1902では、MPU1505が図14のように、AVデータ書き込みコマンドが、一つ前に受け取ったAVデータ書き込みコマンドと、書き込むAVデータのアドレスが連続しているかどうかを判断する(ステップ1401)。ここでは、連続性の判断を、図6(a)のステップ65のコマンド解釈においてコマンドの連続性指定を参照することにより行う。連続性有りと指定されていた場合には、そのままステップ1902を終了し、ファイル管理情報402の登録は行わない。ステップ65において連続性なしが指定されていた場合には、新たなAVデータ書き込みコマンドであると判断し、ステップ1402において、図4の管理領域2001のファイル管理情報402に新たな管理要素403を書き込む。これにより、記録再生装置側で容易にAVデータの先頭アドレスを管理領域に登録することができる。管理要素403として登録される内容は、図4に示すように、これから書き込むAVデータの先頭アドレス(トラック番号、ヘッド番号、セクタ番号)403c、他の上書きされてもよいかどうかその可否を示す「上書き可(または不可)」403b、管理要素の番号を示す「コンテンツ#XX(Contents#XX)」403aを含む。なお、AVデータの先頭アドレス403cは、図6(a)のコマンド解釈のステップ62で解釈した書き込み開始アドレスである。図4の例では、ホスト1513がコマンド内で指定した書き込み開始論理アドレスを、MPU1505が物理アドレスに変換して、管理要素403に先頭アドレス403cとして登録している。論理アドレスを物理アドレスに変換する際には、MPU1505は、管理領域2001内の論理アドレスと物理アドレスとの対応を示す論理/物理アドレス変換テーブル410を参照している。また、図4の管理要素404(「コンテンツ#ブランク(Contents#BLANK)」404a)は、記録媒体301の空き領域の先頭アドレス404cを示す管理要素であり、空き領域に書き込む必要がある場合に、この管理要素404を参照できるように登録されている。なお、管理要素404は、常に「上書き可」404bとして登録する。また、管理要素の内容の番号を示す「コンテンツ#XX」403aおよび「コンテンツ#ブランク」404aは、管理要素403の内容をわかりやすくするために登録しているが、実際のファイル管理にはなくても差し支えないため、ファイル管理情報402の容量を小さくする必要がある場合には登録しない構成にすることも可能である。
【0039】
登録された図4のファイル管理情報402と、記録媒体301上のAVデータとの関係を図3を用いて説明する。図3の例では、記録媒体301は、データ記憶領域としてゾーン0(ZONE0)(302)〜ゾーン2(304)を有している。ここでは、ヘッド1522の0番ヘッドで、ゾーン1(303)のデータトラックのうちmトラック(306)〜m+nトラック(310)に、AVデータのコンテンツ、すなわちコンテンツ#01(Contents#01)(311)〜コンテンツ#β(Contents#β)(314)が図3のように格納されている。1トラック当たりのデータセクタ数は、0〜AのA+1セクタである。例えば、コンテンツ#01(311)は、mトラックの0セクタからA−3セクタに記録されている。コンテンツ#02(312)は、mトラックのA−2セクタからm+2トラックのA−8セクタまで書き込まれている。コンテンツ#01(311)〜コンテンツ#β(314)の先頭の物理アドレスは、図4のようにすべて管理要素403の先頭アドレス403cとして上述の図14のステップ1402において登録されている。
【0040】
このように、図19のステップ1902において、ファイル管理情報402が登録されたならば、ステップ1903に進み、これからAVデータの書き込みを行う物理アドレス(セクタ)が、図4に示す管理領域2001の欠陥管理テーブル2100のAVデータ用欠陥セクタテーブル2102に登録されているかどうかを調べる。先頭物理アドレスは、図6(a)のステップ62で指定された先頭論理アドレスを、論理/物理アドレス変換テーブル410および欠陥管理テーブル2100を参照して物理アドレスに変換したものである。なお、図6(a)のステップ66で追記指定である場合には、前回書き込んだデータの最終物理アドレスの次のアドレスを先頭アドレスとする。
【0041】
本実施の形態では、後述するように、読み出し処理時に、そのセクタがAVデータの書き込みに使用できるか、PCデータの書き込みに使用できるかを調べ、AVデータ用欠陥セクタテーブル2102およびPCデータ用欠陥セクタテーブル2101に登録してある。よって、書き込み処理時にステップ1901で書き込みコマンドがAVデータ用かPCデータ用かを判断し、AVデータ用の欠陥セクタテーブル2102を、PC用ではPCデータ用欠陥セクタテーブル2101を使うことで、AVデータおよびPCデータに適した欠陥処理を実現できる。よって、ステップ1903でこれから書き込みを行う物理アドレスが、AVデータ用欠陥セクタテーブル2102に欠陥登録されていない場合には、ステップ1904に進む。ステップ1904では、該当セクタが別コンテンツに移るかどうかをファイル管理情報402の管理要素403から調べる。別コンテンツでない(つまり現コンテンツで上書き可である)場合は、ステップ1906に進み、該当セクタの書き込み、および書き込み必要なセクタ数から1減じ、ステップ1908に進む。ステップ1904で、別コンテンツな場合は、ステップ1905に進み、ファイル管理情報402の管理要素403から、該当セクタは上書き可かの判断を行う。上書き可の場合はステップ1916に進み、現コンテンツの管理要素の内容更新後、ステップ1906に進み、該当セクタが別コンテンツでない場合と同じ処理を行う。ステップ1905で上書き不可の場合は、ステップ1907に進み、現該当セクタを次に上書き可のセクタアドレスに変更し、ステップ1909に進む。ステップ1908以降は、次のセクタのアクセスアドレスに変更した後、ステップ1909でホスト1513から記憶再生装置1512への指示が終了したかどうかの判断を行う。終了の場合はホスト1513への終了報告を行うためにステップ1910へ進み、本処理の後、終了となる。ステップ1909でセクタ書き込み処理が続く場合は、ステップ1903に戻り、上記説明した処理を繰り返す。
【0042】
ここでさらに動作上重要なステップについて詳細に説明する。ステップ1903では、これから書き込みを行うセクタの物理アドレスがAVデータ用欠陥セクタテーブル2102に欠陥登録されている場合には、その欠陥セクタは使わずに、次の物理アドレスのセクタが、AVデータ用欠陥セクタテーブル2102が欠陥登録されているかどうかさらに調べる動作をステップ1908、ステップ1909,ステップ1903で繰り返すことになる。欠陥登録されていなければ、ステップ1904以降の書き込み判断後、問題なければセクタ書き込みを行う。これは、従来のスリップ処理に該当するが、本実施の形態では、スリップ処理を行うことにより、書き込みを行う次のセクタが、次のコンテンツであっても、ファイル管理情報402の管理要素403に「上書き可」403bとして登録されているコンテンツであれば、次のコンテンツの先頭から上書きを許すことに特徴がある。そこで、図19では、該当セクタがAV用として欠陥セクタに登録されていないと、ステップ1904で該当セクタが、別のコンテンツであるかどうかをMPU1505は判断する。この判断は、ファイル管理情報402の管理要素403の先頭物理アドレス403cを参照することにより行う。欠陥セクタが、別のコンテンツである場合には、ステップ1905で、管理要素403が「上書き可」403bであるか「上書き不可」403bであるかどうかを調べ、「上書き可」403bであれば、ステップ1906に進み、該当セクタの書き込みを行うことができる。
【0043】
また、ステップ1905で次のコンテンツが「上書き不可」403bで有る場合が続いた場合は、空き領域である管理要素404のコンテンツ#ブランクの先頭物理アドレス404cに書き込みを行う。この場合、管理要素404のコンテンツ#ブランクの先頭物理アドレス404cを一つ繰り下げて書き換える。その後、ステップ1910に進み、図6(a)のステップ62,67でコマンドで指定されたすべてのセクタについて書き込み処理が完了するまで、ステップ1903〜1909を繰り返す。図6(a)の書き込みコマンドで指定されたすべてのセクタの書き込みが終了したならば、ステップ1910に進み、ホスト1513へ書き込み終了を報告するコマンドを送出する。
【0044】
一方、ステップ1901で、書き込みコマンドがPCデータ用であった場合には、ステップ1911に進み、図6(a)のステップ62の書き込み開始論理アドレスに対応する物理アドレスが、図4の欠陥管理テーブル2100のPC用欠陥セクタテーブル2101に欠陥登録されているかどうかを判断する。該当物理アドレスのセクタが欠陥登録された欠陥セクタである場合には、ステップ1912に進み、その欠陥セクタは使用せず、スキップ処理により、予め用意しておいた交代用の予備セクタに書き込みを行う。そして、書き込みセクタ数を1減らしてステップ1914へ進む。また、ステップ1911で欠陥セクタでなかった場合には、そのまま該当セクタに書き込みを行う。そして、書き込みセクタ数を1減らしたステップ1914へ進む。そして、該当セクタのアドレスを次セクタのアドレスに更新する。ここで、次セクタのアドレスは、ステップ1912からの場合は、スキップ処理の戻りアドレスである。そして、図6(a)の書き込みコマンドで指定されたすべてのセクタへの書き込みが終了するまで、ステップ1911〜1915を繰り返す。すべてのセクタへの書き込みが終了したならば、ステップ1910へ進み、ホスト1513へ通知を行う。
【0045】
このように、本実施の形態の書き込み処理では、欠陥処理を、書き込むデータがAVデータの場合にはスリップ処理し、PCデータの場合にはスキップ処理するため、AVデータをなるべく連続したセクタに書き込むことができる。よって、従来のようにスキップ処理用の予備セクタまでヘッドを往復させる必要がないため、短い応答時間でAVデータを読み出す、書き込みすることができる。また、PCデータの場合には、スキップ処理により、データの正確性を確保できる。例えば、AVデータの場合、今回上書きするコンテンツのセクタ数が、上書きされるコンテンツのデータのセクタ数と同じとすると、欠陥セクタが有る場合には、スリップ処理でずれたセクタ分だけ、データの最後のセクタが、その次に物理的に続くコンテンツの先頭セクタまでデータを書き込むことにより、物理的に連続したセクタにAVデータを書き込むことができる。これにより、次に続くコンテンツの先頭2セクタのデータを破壊するが、AVデータは連続データのため、その次に続くセクタのデータによりデータ内容には大きな影響を与えない。すなわち、先頭部分の再生画像が多少乱れるだけであり、AVデータの内容が大きく損なわれることはない。しかも、この先頭セクタのデータを破壊されるコンテンツは、管理要素403により「上書き可」403bが許可されているデータであるので、ユーザにとっても問題は生じない。管理要素403により「上書き不可」403bと登録されているコンテンツは、ステップ1905でステップ1907に進むため、先頭セクタに上書きされることはなく、データを保護することができる。本実施の形態では、記憶再生装置1512の動作を説明するためにAVデータはスリップ処理、PCデータはスキップ処理する場合で説明してきたが、もちろん、PCデータに工場出荷前に欠陥セクタをさがしてスキップ処理対象にするのは普通である。このため、PCデータのセクタが従来のようにスリップ処理されるのは、もちろんかまわない。
【0046】
次に、図16(a),(b)、図17(a),(b)を用いて、上述の図19の書き込み処理により、AVデータを更新する動作について具体例を用いて説明する。
【0047】
図16(a)は、記録媒体301のトラックm(1601)〜トラックm+2(1603)までの3本のトラックにAVデータであるコンテンツ01(1605)、コンテンツ02(1606)が書き込まれ、トラックm+2の物理アドレス番号A−7からはコンテンツブランク(1607)である例を示している。コンテンツ01(1605)、コンテンツ02(1606)はいずれも、管理要素403に「上書き可」403bが登録されているデータである。コンテンツ01(1605)が書き込まれているトラックmの物理アドレス番号3のセクタ1608は後発欠陥が生じ、AVデータ用欠陥セクタテーブル2102に登録されているとする。今、コンテンツ01(1605)の書き換え指示がホスト1513から受け、書き換え後のデータのセクタ数は、書き換え前のデータのセクタ数と同じであるとする。この場合、トラックmの物理アドレス番号3の後発欠陥セクタ1608において、図19のステップ1905でスリップ処理されるため、コンテンツ01(1605)の最後のデータは、ステップ1916でコンテンツ02(1606)の先頭セクタ(トラックmの物理アドレス番号A−2)を更新する(図16(b)参照)。これにより、欠陥セクタ1608が生じていても、書き換え後のコンテンツ01(1605)は、連続したセクタに一つのストリーム(データ塊)として書き込むことができるため、コンテンツ01(1605)を読み出す際に、トラック間にヘッドを移動させる必要がなく、短い応答時間でデータを読み出すことができる。
【0048】
一方、図17(a)は、図16(a)と同様にコンテンツ01(1605)、コンテンツ02(1701)が書き込まれているが、コンテンツ02(1701)は、管理要素403に「上書き不可」403bと登録されているデータであるとする。この場合、コンテンツ01(1605)の最後のデータを書き込む際に、コンテンツ02(1701)が上書き不可のため、図19のステップ1905でステップ1907へ進み、コンテンツブランク(1607)の先頭セクタに書き込みを行う。これにより、コンテンツ02(1701)のデータの書き換えを防ぎながら、コンテンツ01(1605)を1回のみのヘッド移動で、読み出すことができる
ここで、上記ステップ1906において、該当セクタにデータを書き込みを行う際の、記録再生装置1512の各部の動作について説明する。MPU1505は、該当セクタに、機構部1514によってデータ書き込みができるように、記録媒体301のサーボ領域のデータを読み出すようにメカ制御部1511に指示を行う。メカ制御部1511は、機構部1514のモータドライバ(不図示)の制御を行い、磁気ヘッド1522を記録媒体301の該当トラックに位置づける。この最中に、ホスト1513とHBI1510は、プロトコルに従って書き込むべきデータをホストバスI/Fコントロール部(HBI)1510およびバッファマネージャコントロール部(BM)1507経由でデータバッファ1509に一時格納する。
【0049】
ヘッドの位置決めのために、記録媒体301から読み出されたサーボ領域のデータは、R/W回路1501を経由してシリアルパルスデータとしてID生成部1523に取り込まれる。ここで、バイトシンク検出を行い、これをもとにシリパラ変換を行う。ここで、サーボIDが正しく読み出されると、従来のIDレス処理により、ID生成部1523はサーボIDから物理セクタ番号を算出し、MPUインタフェースコントロール部1504に受け渡し、該当セクタかどうか判断される。該当セクタの場合、データバッファ1509に格納されている書き込むべきデータが、データバッファ1509からディスクフォーマッタコントロール部(DF)1503に受け渡され、ここでNRZ(Non Return to Zero)信号に変換される。このとき、ECC処理部1506は、読み出し時のデータチェックと訂正を行う際に用いられるECCコードをセクタ単位でデータに付加する。NRZ信号は、R/W回路1501に受け渡され、アナログ信号に変換され、記録媒体301上に書き込まれる。
【0050】
つぎに、図5のステップ225の読み出し処理を、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
すでに説明したように図5のステップ224において、MPU1505は図6(b)のように読み出しコマンドを解釈することにより、PCデータ用読み出しコマンドかAVデータ用読み出しコマンドかを判断し、読み出し開始アドレスと読み出しセクタ数の指定の内容等を読み出している。読み出し処理を行うステップ225では、まず、図18のステップ181において、MPU1505は、記録媒体301の読み出すべきセクタに磁気ヘッド1522を位置づける。読み出すべきセクタは、図6(b)のステップ69でコマンド内で指定された読み出し開始アドレス(論理アドレス)から求められる、読み出し開始物理アドレスを利用する。なお、ステップ73で連続読み出しが指定されている場合は、前回読み出したAVデータの最後のセクタの次のセクタである。論理アドレス番号と物理アドレス番号(セクタ)との変換は、論理/物理アドレス変換テーブル410を参照することにより行う。また、磁気ヘッド1522の該当セクタ位置づけ時の制御方法は、上述した書き込み処理時と同じである。
【0052】
つぎに、MPU1505は、ステップ182において、磁気ヘッド1522により該当セクタのデータを読み出させる。読み出されたデータは、R/W回路1501を介して、ディスクフォーマッタコントロール部1503に受け渡され、データにエラーが有る場合には、ECC処理部1506がデータセクタに付随しているエラー訂正コード(ECC:Error Correction Code)を用いて訂正する。訂正されたデータは、BM1507を介してデータバッファ1509に格納される。PCデータの場合、従来と同様に、ECCによりエラー訂正した箇所の数が予め定めた所定の数E1より多い場合には、そのセクタについては正しいデータを読み出せなかったとして、MPU1505は、後のステップ188でホスト1513に報告する。一方、AVデータの場合、本実施の形態では、ECC技術で訂正できる場合はデータバッファ1509内に一時的に格納されているデータのエラー訂正前のデータを訂正し、ECC訂正能力の限界を超えた場合は、あらかじめホスト1513と記録再生装置1512間で取り決めた固定値か、もしくは、未訂正のデータを、読み出しデータとしてデータバッファ1509に格納する。また、AVデータの場合、図6(b)のステップ71でコマンドにより指定された応答時間があるため、この応答時間内に読み出しが完了しない場合や、訂正が完了しない場合も、予め定めた固定値を、読み出しデータの代わりにデータバッファ1509に格納する。
【0053】
つぎに、次のステップ183〜187において、MPU1505は、このセクタを欠陥セクタとして登録すべきかどうか判断する。このとき、本実施の形態においては、そのセクタがPCデータ用として欠陥セクタであるか、また、AVデータ用として欠陥セクタであるかを、それぞれ判断し、別々の欠陥セクタテーブル2101,2102に登録する。まず、ステップ183において、ステップ182の読み出し動作でエラー訂正をしたかどうかを判断し、エラー訂正がなかった場合には、そのセクタは欠陥セクタではないのでそのままステップ181に戻る。エラー訂正を行っていた場合には、ステップ184でエラー訂正した箇所の数が、予め定めておいたPCデータ用のエラー境界個数E1を超えていたかどうかを判断する。このエラー境界個数E1は、ECC技術により訂正可能な限界のエラー個数よりも小さい予め定めた値である。E1は、完全性が要求されるPCデータを格納するセクタとして使用を続けるのはそろそろ危険であると判断する基準として用いられる。エラー訂正個数が、このエラー境界個数E1を超えている場合には、PCデータ用としては欠陥セクタであるとして、ステップ185にてそのセクタをPCデータ用欠陥登録テーブル2101に登録するために、データバッファ1509またはフラッシュメモリ1524に一時格納する。
【0054】
つぎに、ステップ186へ進み、ステップ184でエラー訂正した箇所の数が、予め定めておいたAVデータ用のエラー境界個数E2を超えていたかどうかを判断する。このエラー境界個数E2は、ECC技術により訂正可能な限界のエラー個数よりも小さいが、PCデータ用エラー境界個数E2よりは大きい予め定めた値である。E2は、欠陥があるのでAVデータであっても次回データを書き込むときには使用しないことを判断する基準である。エラー訂正した個所の数が、このエラー境界個数E2を超えている場合には、AVデータ用としては欠陥セクタであるとして、ステップ187にてそのセクタをAVデータ用欠陥登録テーブル2102に登録するために、データバッファ1509またはフラッシュメモリ1524に一時格納する。
【0055】
この後、ステップ181に戻り、ステップ181〜187を繰り返し、図6(b)のステップ74で指定されたセクタ範囲について、読み出しエラーがECC処理部1506で検出されなければ、媒体301から読み出されたデータが一時的に蓄えられるデータバッファ1509の読み出しデータをBM 1507,HBI 1510を経由してホスト1513へ転送する。読み出しエラー発生時は、ECC処理部1506がエラーを含んだ読み出しデータが一時的に蓄えられるデータバッファの訂正をセクタ単位で行い、訂正の完了したセクタからホスト1513へ転送する。またエラー訂正がECC処理部1506の訂正能力を超えた場合でも、ホストが読み出しに指定したコマンドがAV読み出しコマンドの場合、ホスト1513と記録再生装置1512間で決めたデータエラーを含んだセクタデータをホストへ転送してもよい。この様にして、図6(b)のステップ74で指定されたすべてのセクタについて読み出しが終了したならば、ステップ188において、ホスト1513へ読み出し終了通知をする。そして、ステップ189において、ステップ185、187でデータバッファ1509またはフラッシュメモリ1524にそれぞれ一時格納しておいたPCデータ用の欠陥セクタおよびAVデータ用の欠陥セクタを、PCデータ用欠陥セクタテーブル2101およびAVデータ用欠陥セクタテーブル2102にそれぞれ格納する。これらのテーブル2101,2102は、記録媒体301の管理領域2001内に配置されているので、磁気ヘッド1522を用いてデータを書き込むことにより格納を行う。本説明では、エラーの代表例としてECCエラーを想定して記載してあるが、エラーには、磁気ヘッド1522からR/W回路1501、DF1503の様なデータバス系にエラーが発生するなど、様々な場合がありうる。このエラー発生に応じて、動作を適切な処理で行うのはもちろん問題ない。
【0056】
これにより、例えば、図21のように記録媒体301のトラックnの物理アドレスA+1のセクタ103をステップ182において読み出す際に、エラー訂正数がE2を超えていた場合、このエラー訂正数はE1も超えているため、ステップ184、185により、トラックnの物理アドレスA+1がPCデータ用欠陥セクタテーブル2101に格納され、ステップ186,187により、同じトラックnの物理アドレスA+1が、AVデータ用欠陥セクタテーブル2101にも登録される。これにより、次回、書き込みを行う場合には、図19のステップ1903,1911でこの欠陥セクタテーブル2101,2102が参照されるため、図21(a)のようにトラックnの物理アドレスA+1のセクタ103にPCデータを書き込む処理を行う際に、図19のステップ1912でスキップ処理が行われ、予め予備セクタとして定められたトラックmも物理アドレスAにデータが書き込まれる。PCデータ用欠陥セクタテーブル2101には、図21のように交代先のセクタが登録される。一方、図21(b)のようにこのセクタ103にAVデータを書き込む場合には、図19のステップ1903、ステップ1908、ステップ1909でスリップ処理が行われ、欠陥セクタ103の次のセクタ(物理アドレスA+2)にデータが書き込まれる。
【0057】
上述してきた本実施の形態の図18、図19の読み出し処理および書き込み処理により、AVデータをアクセスする動作について、図1を用いて具体的に説明する。図1のように、記録媒体301のトラックnに物理アドレスA以降にはAVデータが書き込まれている。このとき、物理アドレスA+1のセクタ103は、図21(b)で示した処理によりスリップ処理される。もちろん、論理アドレス番号は付与されていない。よって、物理アドレスA(論理アドレス番号α)に続くAVデータは、物理アドレスA+2(論理アドレス番号α+1)に書き込まれている。このAVデータを図19の処理で読み出す際には、欠陥セクタ103は、AVデータ用欠陥セクタテーブル2102に登録されているため、欠陥セクタ103にはアクセスされず、物理アドレスA(論理アドレス番号α)のデータを読み出した次は、物理アドレスA+2(論理アドレス番号α+1)のデータが読み出される。今回、物理アドレス番号A+3(論理アドレス番号α+2)のセクタ105の位置の記録媒体301に、使用中に傷が発生したとする。AVデータの読み出し処理の場合には、この傷が生じたセクタ105は、ECC技術により訂正できる場合は訂正データを、できない場合はあらかじめホスト1513と記録再生装置1512との間で取り決めた固定値または未訂正データが出力される(図18のステップ182)。なお、次回書き込みにこのセクタ105を使い続けるのがふさわしいかどうは、図18のステップ184,186で判断され、訂正個所数がE1、E2を超えている場合には、それぞれステップ185、187で欠陥セクタテーブル2101,2102に登録される。また、AVデータの書き込み処理時には、欠陥セクタテーブル2102に登録されている欠陥セクタ105に対しては、図19のステップ1905によりスリップ処理が行われるため、欠陥セクタ105は、この時点で使用されないセクタとなる。
【0058】
上述してきたように、本実施の形態の記録再生装置1512は、AVデータとPCデータの両方を記録(書き込み)および再生(読み出し)することができる記録再生装置でありながら、AVデータを記録する際にファイル管理情報402にコンテンツを登録する構成であるため、ホスト1513は格納されているAVデータを把握することが可能である。また、AVデータの書き込みの際に、ホスト1513が、前回書き込んだAVデータと連続であることを指定することにより、物理的に連続したセクタに書き込む構成であるため、連続したAVデータを小さな磁気ヘッド移動量で書き込みおよび読み出すことが可能であり、応答時間を短くすることができる。
【0059】
さらに、本実施の形態の記録再生装置1512では、AVデータの書き込みの際に、該当セクタに欠陥セクタが含まれている場合には、スリップ処理によりセクタ交代処理を行うため、スキップ処理のように予備セクタまで磁気ヘッドを往復させる必要がなく、応答時間を短くすることができる。その際、次セクタが次のコンテンツであっても、そのコンテンツが上書き可として管理要素403に登録されていれば、上書きする構成であるため、同じセクタ数のAVデータを書き換える処理を行う場合には、途中のセクタが欠陥セクタとなっていても、物理的に連続したセクタに書き込むことができ、小さな磁気ヘッド移動量で書き込みおよび読み出すことが可能である。
【0060】
また、本実施の形態の記録再生装置1512では、読み出し処理の際に予め定めた数以上のECC訂正を行ったセクタを欠陥セクタとして登録するが、AVデータの読み出しの場合には、AVデータは完全性の要求が緩いことを考慮して、ECC技術の限界まで訂正したデータ、または、固定値を読み出しデータとして用い、読み出しエラーとはしない。これにより、ユーザが読み出しを望むAVデータの一部が欠陥が発生したセクタに書き込まれていてもほとんどのAVデータをユーザに出力することができる。
【0061】
また、欠陥セクタを登録する際に、本実施の形態では、PCデータ用欠陥セクタテーブル2101とAVデータ用欠陥セクタテーブル2102の2種類を用意し、欠陥セクタかどうかをPCデータ用とAVデータ用とで別々の基準値(境界値E1,E2)により判断し、それぞれ登録する構成としている。これにより、データの完全性の要求が高いPCデータを、厳しい基準で欠陥セクタと判断されたセクタを避けて記録することが可能である。一方で、データの完全性は緩いが、応答時間が制限されることが要求されるAVデータについては、できるだけ物理的に連続したセクタに記録することが可能である。
【0062】
また、本実施の形態の磁気記録再生装置は、ファイル管理情報402を磁気記録再生装置内の不揮発領域に記録しているため、当該磁気記録再生装置を別のホストに接続しても、ファイル管理情報402を別のホストが読み出すことにより、問題なく、読み出しおよび書き込み動作を行うことが可能である。さらに、上述の実施の形態では、ファイル管理情報402,欠陥管理テーブル2100および論理/物理アドレス変換テーブル410を、記録媒体301に格納しているため、記録媒体301を取り出して、別の記録再生装置に装着しても、問題なくすぐに読み出しおよび書き込み動作を行うことができる。よって、記録媒体301を持ち運び可能な磁気記録再生装置が提供できる。
【0063】
なお、欠陥管理テーブル2100や論理/物理アドレス変換テーブル410等のデータの格納形態は、容量を小さくするために差分等であらわすのでももちろんかまわない。
上述の実施の形態では、記録媒体301として磁気ディスクを用いる場合を例に説明してきたが、光ディスク装置等などに適用することも可能である。
【0064】
なお、上述の実施の形態において、記録媒体301の管理領域2001にファイル管理情報402を格納する場合、MPU1505からMPUインタフェースコントロール部1504およびBM1507を介して、データバッファ1509に一時格納し、最終的に記録媒体301の管理領域2001に格納する手順にすることも可能である。
【0065】
また、上述の実施の形態では、AVデータの書き込み場合、図19のステップ1916,1906において、次のコンテンツの上書きを行う構成であるが、次コンテンツの先頭の映像の乱れが問題ある場合には、予めホスト1513と記録再生装置1512間で、MPEG2の様な格納データフォーマットに依存したデータ境界領域を定める書き換えセクタサイズ単位を決めておき、ステップ1906において次コンテンツに上書きする場合、このデータ境界の書き換えセクタサイズ単位になるようなセクタアドレスを、ステップ1916で、上書きされはじめた次コンテンツのための管理要素403の物理セクタアドレスに設定することにより次コンテンツに映像の乱れを生じさせないことが可能である。
【0066】
また、上述の実施の形態では、図14のステップ1401でMPU1505が連続性の判断を行っているが、MPU1505で行う代わりに、HBI1510に連続性判断のための回路を搭載して行う構成にすることもできる。
【0067】
また、図19の書き込み処理において、ステップ1907で次のコンテンツが上書き不可の場合、ステップ1907で次のコンテンツ以降の上書き可なコンテンツの先頭セクタを管理要素404を参照して設定する。上書き可能なコンテンツが存在しない場合はコンテンツブランクの管理要素404の先頭アドレスを設定し、そのアドレスから書き込みを行う構成であるが物理セクタが一番近い上書き可の他のコンテンツを探索し、その先頭データから書き込を行う構成にすることもできる。
【0068】
また、図19の書き込み処理において、ステップ1905で次のコンテンツが上書き不可の場合、その上書き不可のコンテンツを、あらかじめ用意されている書き換え不可領域にコピーして移動させ、これによって空いた領域に書き込む構成にすることもできる。これにより、現在書き込み中のセクタ配置を物理的に連続させることが可能である。なお、上書き不可のコンテンツを、あらかじめ用意されている書き換え不可領域に移動させる動作は、図19の書き換え処理の途中で行うのではなく、そのコンテンツが「書き換え不可」と管理要素403bで登録された時点以降で、記録再生装置1512にホストからの指示がきていない空き時間に行う構成にすることも可能である。
【0069】
なお、図18の読み出し処理において、ステップ183〜187では、欠陥セクタであるかどうかをAVデータ用とPCデータ用についてそれぞれ判断する構成としているが、本発明は、これに限定されるものではなく、予めホスト1513側またはディスク装置1512側で、そのセクタが、AVデータ用専用セクタかPCデータ用専用セクタかを定めておく構成にすることができる。この場合、図18のフローにおいては、AVデータ用セクタであればステップ186、187でAVデータ用として欠陥セクタであるかどうかのみ確認すればよく、一方PCデータ用セクタであれば、ステップ184,185でPCデータ用としては欠陥セクタであるかどうかのみ確認すればよい。
【0070】
つぎに、本実施の形態の記録再生装置1512において、図4のファイル管理情報402に、頭出しのための管理要素405を加える場合について説明を加える。
【0071】
例えば、図3の記録媒体301のセクタ317(m+1トラックの物理アドレス(A−5))のアドレスを、図4のように、この場所での頭出しのためにホスト1513が管理要素405として登録することを望んだとする。この場合、このセクタ317は、どのコンテンツに含まれているかをMPU1505は判断する。図3の場合、セクタ317は、コンテンツ#02(312)内に存在するため、頭出しのための管理要素405を、ファイル管理情報402を記録するための記録媒体301の領域内の、コンテンツ#02の管理要素403が記録されている領域とコンテンツ#03の管理要素403が記録されている領域との間の領域に格納する。これにともない、コンテンツ#03以降の管理要素403は、書き込まれている領域が少しずつ後ろ側にずれるように書き換える。このように、頭出しのための追加管理要素405を、頭出しするアドレスが含まれるコンテンツと接近させてファイル管理情報402に書き込むことにより、AVデータの頭出しすべきアドレスをみつけ出すのが容易な記録再生装置を実現することができる。
【0072】
つぎに、ファイル管理情報402の管理要素403,404の格納順序を図4とは異なる順序にした例を図11を用いて説明する。図11の例では、コンテンツ#ブランク404をファイル管理情報402の領域の先頭に格納している。これにより、MPU1505は、図19のステップ1906でAVデータの追記をする場合に、コンテンツ#ブランクの先頭セクタを素早く探すことができる。これにより、AVデータの書き込み時に追記処理速度を向上させることができる。
【0073】
また、本実施の形態の記録再生装置1512において、図4のファイル管理情報402の管理要素403内の上書き可(または不可)403bを、書き込み処理後に変更を可能にするための処理を説明する。例えば、ホスト1513は、上書き不可403bのコンテンツを上書き可(消去許可)に変更する場合、上書き可への変更を指定するコマンドであることを指定する部分と、変更を希望するコンテンツ(ファイル)を特定する情報を指定する部分とを含むコマンドを発行する構成とする。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図7(a)に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ711によりコンテンツ(ファイル)を上書き可(消去許可)に変更するコマンドであることを判別し、ステップ712でそのコンテンツがどのコンテンツであるかを判別する。この後、指定されたコンテンツの管理要素403を上書き可403bに書き換える。同様に、ホスト1513は、書き込み処理後に、上書き可403bのコンテンツを上書き不可(消去不許可)に変更する場合、上書き不可への変更を指定するコマンドであることを指定する部分と、変更を希望するコンテンツ(ファイル)を特定する情報を指定する部分とを含むコマンドを発行する構成とする。MPU1505は、図7(b)に示したコマンド解釈処理において、ステップ721によりコンテンツ(ファイル)を上書き不可(消去不許可)に変更するコマンドであることを判別し、ステップ722でそのコンテンツがどのコンテンツであるかを判別する。この後、指定されたコンテンツの管理要素403を上書き不可403bに書き換える。これによりホスト1513は、記録再生装置1512に格納された管理情報402の上書き可/不可403bの管理ができるようになり、AVデータの管理が容易な記録再生装置が実現できる。
【0074】
また、ホスト1513が、一つのコンテンツ(ファイル)を、特定のアドレスから先は別のコンテンツとして分割することを望んだ場合、また、一旦分割したコンテンツを再び結合させることを望んだ場合の処理について説明する。分割する場合、図4のファイル管理情報402の一つの管理要素403を、二つの管理要素に分割する処理を行う。ホストは、コンテンツ(ファイル)の分割を指定するコマンドであることを指定する部分と、分割するコンテンツとその位置(アドレス)を指定する部分とを含むコマンドを発行する。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図8(a)に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ811によりコンテンツ(ファイル)の分割処理を指定するコマンドであることを判別し、ステップ812で分割すべきコンテンツとそのアドレスを判別する。この後、指定されたコンテンツの管理要素403のつぎに、指定されたアドレスに該当する物理アドレスを先頭アドレス403cとする管理要素403を追加する。また、一旦分割したコンテンツを結合させる場合、二つに分けた管理要素403を一つの管理要素に結合させる処理を行う。ホストは、コンテンツ(ファイル)の結合を指定するコマンドであることを指定する部分と、結合させるコンテンツとその位置アドレスを指定する部分とを含むコマンドを発行する。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図8(b)に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ821によりコンテンツ(ファイル)の結合処理を指定するコマンドであることを判別し、ステップ822で結合すべきコンテンツとそのアドレスを判別する。この後、指定された2つのコンテンツの管理要素403を指定されたアドレスでデータが連続する一つのコンテンツの管理要素403として書き換える。これによりホスト1513は、記録再生装置に格納された管理要素403の先頭アドレス403cの追加や削除を指定することができるので、AVデータの分割/結合管理が容易な記録再生装置が実現できる。
【0075】
つぎに、本実施の形態の記録再生装置1512において、コンテンツの連結およびその解除が指定可能な構成にすることも可能である。この連結およびその解除の処理は、上述した図8の分割および結合の指定の処理と似ているが、図8の処理では、管理要素403を2つに分割したり、再び結合させたりすることにより、コンテンツを2つに分割したイメージにしたり、結合させたりする処理であったが、以下説明するコンテンツの連結およびその解除は、コンテンツ自体を分割するのではなく、次に続くコンテンツがどのコンテンツであるかを指定する情報403d(図12参照)を管理要素403内に付加しており、その情報を変更することで、コンテンツの分割指定や解除指定を行う処理である。これを利用すると、読み出し順序の制御や、繰り返し読み出しを指定することができる。ホスト1513は、コンテンツの連結を望む場合、連結を指定するコマンドであることを指定する部分と、連結先のコンテンツを指定する部分とを含むコマンドを発行する。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図9(a)に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ911によりコンテンツ(ファイル)の連結処理を指定するコマンドであることを判別し、ステップ912で連結すべきコンテンツを判別する。この後、指定されたコンテンツの管理要素403に連結するコンテンツを指定する情報403d(図12)を変更する。一方、ホスト1513は、連結の解除を望む場合、連結解除を指定するコマンドであることを指定する部分と、連結解除するコンテンツを指定する部分とを含むコマンドを発行する。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図9(b)に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ921によりコンテンツ(ファイル)の連結解除を指定するコマンドであることを判別し、ステップ922で連結解除すべきコンテンツとそのアドレスを判別する。この後、指定されたコンテンツの管理要素403内に記載されている連結情報403dを解除する。
【0076】
この連結処理を用いることにより、図12のように追加管理要素405を追加管理領域に格納している場合であっても、この追加管理要素405がどのコンテンツの管理要素403と連結しているかを容易に把握することができる。例えば、追加管理要素405が追加されていない場合に、コンテンツ#01からコンテンツの番号順に連結が指定されている場合には、磁気ヘッドは、図13(a)に示すように、コンテンツ#01の先頭セクタから順に連続的にデータを読み出す。ここで、コンテンツ#02とコンテンツ#03との間に、追加管理要素405のコンテンツ#02−subを追加したいとする。この場合、上述の処理により、図12に示したように連結情報403dを管理要素1204,405に追加する。これにより、データを読み出す場合、磁気ヘッドは、図13(b)に示したようにコンテンツ#02のつぎに、m+1トラックの(A−5)セクタまで移動し、コンテンツ#02−subを読み出した後、m+2トラックの(A−7)セクタに戻り、コンテンツ#03以降を順に読み出すことができる。
【0077】
なお、図12では、便宜上、連結情報403dとしてコンテンツ番号を用いているが、管理要素403を特定できれば、先頭アドレス403cを用いて指定する構成にすることも可能である。
【0078】
また、上述の実施の形態において、図4、図12等に示したように、管理要素403ではコンテンツの先頭アドレス403cのみを指定し、終了アドレスは、次の管理要素403の先頭アドレス403cの情報からわかる構成としているが、制御が難しい場合、コンテンツのセクタ数情報(図6(a)のステップ67で指定された情報)を管理要素403に入れる構成にすることもももちろん可能である。
【0079】
また、上述の実施の形態では、ホスト1513が書き込みコマンドおよび読み出しコマンドの中でAVデータの応答時間を指定する構成であったが、応答時間を指定するコマンドを発行する構成にすることもできる。例えば、ホスト1513は、応答時間を指定するコマンドであることを指定する部分と、応答時間の値を指定する部分とを含むコマンドを発行する。このコマンドを受け取った記録再生装置1512は、MPU1505が、図10に示したフローのようなコマンド解釈処理を行うことにより、ステップ1001により応答時間を指定するコマンドであることを判別し、ステップ1002により応答時間値を判別する。これにより、記録再生装置のAVデータの応答制限時間を、書き換えコマンドや読み出しコマンドを発行する前に、事前に指定することが可能になる。
【0080】
上記本実施の形態の説明として、図21でPCデータ用欠陥セクタテーブルはskipである2101、AVデータ用欠陥セクタテーブルはslipである2102で説明したが、PCデータ用にも、従来からあるように工場出荷前のslip情報があってもかまわない。また、AVデータ用にも、処理時間の関係で使えるならSkip情報があっても、もちろんかまわない。
【0081】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置のAVデータ読み出し時のヘッド移動とセクタとの関係を示す説明図であり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置のAVデータ書き込み時ヘッド移動とセクタとの関係を示す説明図である。
【図2】(a)従来の記録再生装置のスキップアクセス処理を示す説明図であり、(b)従来の記録再生装置のスリップアクセス処理を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の記録再生装置の記録媒体301のゾーン構造と、各トラックのセクタに記録されたコンテンツの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の記録再生装置の管理領域2001の構造を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態の記録再生装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置の書き込みコマンドの解釈処理を示すフローチャートであり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置の読み出しコマンドの解釈処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の上書き許可への変更コマンドの解釈処理を示すフローチャートであり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の上書き不許可への変更コマンドの解釈処理を示すフローチャートである。
【図8】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の分割指定コマンドの解釈処理を示すフローチャートであり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の結合指定コマンドの解釈処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の連結指定コマンドの解釈処理を示すフローチャートであり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置のコンテンツ(ファイル)の連結解除を指定するコマンドの解釈処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態の記録再生装置の応答時間の指定コマンドの解釈処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態の記録再生装置の管理領域2001に、追加管理要素405を追加した構造を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態の記録再生装置の管理領域2001に、連結情報403dを追加した構造を示す説明図である。
【図13】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、コンテンツの番号順に連結が指定されている場合の磁気ヘッドの移動を示す説明図であり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、コンテンツ#02と#03との間にコンテンツ#02−subを挿入する連結指定がされている場合の磁気ヘッドの移動を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態の記録再生装置のファイル管理情報402の登録処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態の記録再生装置の構造を示すブロック図である。
【図16】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、記録媒体301の欠陥セクタが生じているコンテンツ#01の書き換え前の構造を示す説明図であり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、記録媒体301の欠陥セクタが生じているコンテンツ#01の書き換え後の構造を示す説明図である。
【図17】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、記録媒体301の欠陥セクタが生じているコンテンツ#01の書き換え前の構造を示す説明図であり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、記録媒体301の欠陥セクタが生じているコンテンツ#01の書き換え後の構造を示す説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態の記録再生装置の読み出し処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施の形態の記録再生装置の書き込み処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施の形態の記録再生装置の記録媒体のゾーン構造と管理領域2001の配置を示す説明図である。
【図21】(a)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、PCデータ書き込み時の記録媒体301の欠陥セクタ103の交代処理を示す説明図であり、(b)本発明の一実施の形態の記録再生装置において、AVデータ書き込み時の記録媒体301の欠陥セクタ103の交代処理と、欠陥セクタテーブルの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
101…サーボセクタ、102…データセクタ、103…欠陥セクタ、105 …後発欠陥セクタ、301…記録媒体、1505…MPU、1512…記録再生装置、1513…ホスト、1522…磁気ヘッド、1524…フラッシュメモリ。

Claims (18)

  1. 記録媒体と、ホストからパーソナルコンピュータ用のデータ(以下、PCデータと記す)とオーディオデータおよび映像データのうちいずれかを少なくとも含むデータ(以下、AVデータと記す)を受け付ける受付手段と、前記記録媒体にデータを書き込むための記録手段と、前記記録媒体からデータを読み出すための再生手段と、管理情報記憶手段と、制御手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記受付手段がホストから受け付けたコマンドに含まれる情報によりPCデータかAVデータかを判断し、AVデータと判断した場合に第1の書き込みコマンドに付随する第1のAVデータを前記記憶媒体に書き込むべき先頭セクタについてのアドレス情報を、前記管理情報記憶手段に登録し、該第1のAVデータを前記記録手段により書き込み、
    前記受付手段がホストから受け付けてAVデータと判断した第2の書き込みコマンドに付随する第2のAVデータについて、前記第1のAVデータと時系列的に連続した内容であるかどうか判断し、連続している場合には、該第2のAVデータを前記記録媒体に書き込むべき先頭セクタについてのアドレス情報を、前記管理情報記憶手段に登録せず、
    前記第1のAVデータの最後のセクタの次のセクタから、該第2のAVデータを前記記録手段により書き込み、
    前記受付手段がホストから受け付けた読み出しコマンドに応じて、前記連続した内容の第1及び第2のAVデータを読み出す場合には、登録されている第1のAVデータの先頭セクタについてのアドレス情報を用いて読み出すことを特徴とする記録再生装置。
  2. 請求項1に記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記連続した内容であるかどうかの判断を、前記受付手段が前記ホストから受け付けた連続性を指示する情報に基づいて行うことを特徴とする記録再生装置。
  3. 請求項1に記載の記録再生装置において、前記管理情報記憶手段は、前記記録媒体上の予め定められた領域であることを特徴とする記憶再生装置。
  4. 請求項1に記載の記録再生装置において、欠陥セクタを記憶する欠陥セクタ記憶手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記受付手段が受け付けたAVデータを書き込むべき前記記録媒体のセクタが前記欠陥セクタ記憶手段に登録されている場合には、当該欠陥セクタに書き込むべきデータを、前記欠陥セクタに物理的に連続した欠陥のないセクタに書き込むことを特徴とする記録再生装置。
  5. 請求項4に記載の記録再生装置において、前記欠陥セクタに物理的に連続した前記欠陥のないセクタに、別のAVデータが既に書き込まれている場合であっても、それを上書きすることを特徴とする記録再生装置。
  6. 請求項4に記載の記録再生装置において、前記記録媒体に記録されているAVデータの属性を記憶する管理情報記憶手段をさらに有し、
    前記属性は、そのAVデータが上書きを許可するものか、否かを示す情報を含み、
    前記制御手段は、前記欠陥セクタに物理的に連続した前記欠陥のないセクタに、別のAVデータが既に書き込まれている場合には、前記管理情報記憶手段に記憶されている当該別のAVデータの前記属性が上書きを許可する情報であるかどうかを調べ、上書きを許可する情報であるときには、それを上書きすることを特徴とする記録再生装置。
  7. 請求項6に記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記上書きした前記別のAVデータの先頭アドレスを、上書き前の前記先頭アドレスから予め定めた数のセクタ単位で設定し、前記管理情報記憶手段に再登録することを特徴とする記録再生装置。
  8. 請求項4に記載の記録再生装置において、前記受付手段が前記記録媒体に書き込むべきデータとして受け付けたデータがAVデータ以外のデータであるとき、当該データを書き込む前記記録媒体のセクタが前記欠陥セクタ記憶手段に登録されている場合には、当該欠陥セクタに書き込むべきデータを、予め交代用セクタとして定められた特定のセクタに書き込むことを特徴とする記録再生装置。
  9. 請求項8に記載の記録再生装置において、前記欠陥セクタ記憶手段は、前記AVデータ書き込み用としては欠陥のあるセクタを記憶した第1欠陥セクタ記憶部と、AVデータ以外のデータの書き込み用としては欠陥のあるセクタを記憶した第2欠陥セクタ記憶部とを有し、
    前記制御手段は、前記書き込むべきデータがAVデータである場合には、前記第1欠陥セクタ記憶部に記憶されているセクタを欠陥セクタと判断し、前記書き込むべきデータがAVデータ以外のデータであるとき、前記第2欠陥セクタ記憶部に記憶されているセクタを欠陥セクタと判断することを特徴とする記録再生装置。
  10. 請求項6に記載の記録再生装置において、前記受付手段は、前記ホストから前記記録媒体に書き込むべきAVデータと、そのAVデータについての上書きを許可するか否かの前記属性を受け付け、前記制御手段は、当該AVデータを前記記録媒体に書き込んだ先頭セクタについてのアドレス情報と、前記属性とを対応させて前記管理情報記憶手段に登録することを特徴とする記録再生装置。
  11. 請求項9に記載の記録再生装置において、前記再生手段は、前記読み出したデータのエラーをセクタごとに訂正する訂正手段を含み、
    前記制御手段は、前記再生手段が読み出したデータについて、前記訂正手段の訂正した箇所の数が、予め定めた境界値E2を超えているセクタを、前記第2欠陥セクタ記憶部に登録し、前記訂正手段の訂正した個所の数が、予め定めた境界値E1(ただしE1≦E2)を超えているセクタを、前記第1欠陥セクタ記憶部に登録することを特徴とする記録再生装置。
  12. 請求項1に記載の記録再生装置において、前記再生手段の読み出したデータをホストに受け渡す受け渡し手段をさらに有し、
    前記再生手段は、前記読み出したデータのエラーをセクタごとに訂正する訂正手段を含み、
    前記制御手段は、前記再生手段の読み出しデータが、AVデータである場合、当該データについて前記訂正手段の訂正可能な限界値以上のエラーが含まれているときには、未訂正のデータまたは予め定めた固定値を、前記読み出したデータに代えて、前記受け渡し手段から前記ホストに受け渡すことを特徴とする記録再生装置。
  13. 請求項12に記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記再生手段の読み出しデータが、AVデータ以外のデータである場合、当該データについて前記訂正手段の訂正可能な限界値以上のエラーが含まれているときには、読み出しができなかったとして前記ホストに報告することを特徴とする記録再生装置。
  14. 請求項10に記載の記録再生装置において、前記受付手段が、AVデータについての上書きを不許可とする前記属性を受け付けた場合、前記制御手段は、前記記録媒体内に予め定めた領域に、前記不許可の属性のAVデータを移動させ、異動先の先頭セクタを特定するアドレス情報を前記管理情報記憶手段に登録することを特徴とする記録再生装置。
  15. 請求項1に記載の記録再生装置において、前記受付手段は、前記ホストから前記記録媒体に記録されている前記AVデータの読み出し順番を指定する情報を受け付け、
    前記制御手段は、前記読み出し順番を指定する情報を、前記管理情報記憶手段に登録することを特徴とする記録再生装置。
  16. 請求項15に記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記管理情報記憶手段に登録された前記読み出し順番に従って、前記AVデータを読み出すように前記再生手段を制御することを特徴とする記録再生装置。
  17. 請求項1記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記連続した内容であるかどうかの判断を、前記受付手段が前記ホストから受け付けたAVデータの識別番号に基づいて行うことを特徴とする記録再生装置。
  18. 請求項1に記載の記録再生装置において、前記制御手段は、前記管理情報記憶手段に登録されている情報をホストの要求によりホストに受け渡すことを特徴とする記録再生装置。
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