JP4279504B2 - プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、感光方式により感光性記録媒体に画像を形成する際に使用するプリントヘッドおよびこのプリントヘッドを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラなどにより撮影した電子画像は、そのデジタルデータを用いてインクジェット方式や熱転写方式により、普通紙に対して印刷することができる。一方、感光方式により、デジタルデータとしての画像を感光フィルムに対して記録することも考えられている。感光方式では、感光フィルムを露光した後に現像するというプロセスを経て画像が形成されるため、インクジェット方式や熱転写方式に比べて比較的に小型化が容易である。そのため、デジタルカメラに感光型のプリントヘッドを内蔵し、撮影直後に画像を印刷することができるように構成されたデジタルカメラも製品化されているが、デジタルカメラの携帯性を考慮した場合には、プリントヘッドをはじめとする個々の要素の小型化が必要となってくる。
【0003】
感光方式により記録フィルムに画像を形成する場合、たとえば感光フィルムに対して主走査方向に延びる線状に光を照射しつつ、その照射領域を副走査方向に走査させることにより感光フィルムの全体に光が照射される。線状に光を照射するためのプリントヘッドとしては、たとえば基板上における主走査方向に複数の発光素子(点状光源)が列状に並んだ構成を有するものが用いられる。発光素子としては、発光ダイオードを用いるのが一般的であるが、有機EL発光素子を用いることも想定し得る。有機EL発光素子とは、有機物を含む発光層に電界を与えた際に、エレクトロルミネセンスにより発光するものをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発光素子は、経時的に劣化して発光量が小さくなっていく。とくに、有機EL発光素子は、発光層内に混入した不純物の成長や発光層内への水分の浸入などに起因して、劣化しやすい。その一方で、複数の発光素子は、時間の経過とともに同程度に劣化するわけではなく、個々の発光素子毎に劣化の速度にはバラツキがある。したがって、複数の発光素子の中に他の発光素子に比べて著しく劣化の程度が大きいもの(発光量の小さいもの)が存在すれば、感光フィルムに対して適切に線状光を照射することができなくなる。このとき、プリントヘッドを副走査方向に走査して感光フィルムの全体の露光を行った場合には、感光フィルム上に副走査方向に延びる露光不十分な領域が存在することとなって、それが形成画像上に線状画像として現れて画像品質が悪くなってしまう。このことは同時に、有機EL発光素子のように劣化しやすい発光素子を採用したプリントヘッドは、寿命が短いことを意味している。
【0005】
一方、LEDは、有機EL発光素子に比べて劣化しにくい反面、有機EL発光素子に比べて消費電力が大きい。そのため、光源としてLEDを採用し、しかも、それを複数用いるプリントヘッドでは、消費電力が大きくなってしまう。その一方で、携帯型として構成されたデジタルカメラ用のプリンタでは、電源としては充電池が一般に用いられるため、プリントヘッドをはじめとするプリンタでの消費電力を小さくする必要性は大きい。
【0006】
また、感光式の印字方式に限らず、記録媒体に対する画像形成においては、高速印字の要求は大きい。
【0007】
本願発明は、このような事情のもとに考え出されたものであって、感光性記録媒体に対して光照射を行うためのプリントヘッドにおいて、光源の劣化による形成画像の悪化を抑制して適切な画像を得ることができ、ひいてはプリントヘッドの寿命を長くし、また小型化を達成しつつも消費電力を小さくしつつ、高速印字を達成することをその課題としている。
【0008】
【発明の開示】
上記した課題を解決するため、本願発明では次の技術的手段を講じている。
【0009】
すなわち、本願発明の第1の側面により提供されるプリントヘッドは、主走査方向に延びる線状に光を出射する照明装置と、この照明装置から進行してくる光を透過させるか否かを個別選択することができる複数のシャッタ部を有し、これらのシャッタ部が上記主走査方向に並んで配置された液晶シャッタと、この液晶シャッタから進行してくる光を感光性記録媒体に向けて出射するための光出射部と、を備え、上記液晶シャッタは、一対の基板の間に反強誘電性液晶を保持し、かつ上記複数のシャッタ部がアクティブ駆動可能なように構成されているプリントヘッドであって、一定の厚みを有するとともに上記主走査方向に長軸を有し、副走査方向の幅を有し、上面側に上記照明装置および上記液晶シャッタを保持するとともに、下面側に上記光出射部が配置されたフレームと、レンズ軸が上記副走査方向に延びる複数のレンズが上記主走査方向に並んだ状態で上記フレームに保持されたレンズアレイと、上記液晶シャッタから進行してくる光の進行方向を変えて上記複数のレンズに向かわせる反射部材と、上記複数のレンズから出射された光の進行方向を90°変えて上記光出射部に向かわせるプリズムと、を備えており、上記光出射部は、上記感光性記録媒体に当接させるための凸部と、線状の光を出射させるための凹部と、を有しているとともに、上記凸部と上記凹部とは、上記プリズムに一体形成されていることを特徴としている。
【0010】
この構成では、照明装置から出射された光が液晶シャッタに入射した後、液晶シャッタを透過した光が光出射部から出射される。つまり、光出射部から出射する光の状態(光量や波長など)を液晶シャッタによって規定することが可能となる。したがって、光源装置において局所的に出射光量が小さい部位が存在するなどして光量にバラツキが生じていたとしても、液晶シャッタによってそれを是正することが可能となる。
【0011】
液晶シャッタにおいては、反強誘電性液晶が採用されているが、この反強誘電性液晶は、電圧の印加状態の変化に対する自発分極の向きが応答性良く変化する。したがって、反響誘電性液晶を使用した液晶シャッタを採用すれば、各シャッタ部の開閉動作を応答性良く行える結果、高速印刷が可能となる。また、各シャッタ部をアクティブ駆動可能なように構成すれば、各シャッタ部の開閉動作をさらに高速で行える結果、さらなる高速印刷の達成が可能となる。
【0012】
照明装置は、たとえばLEDのベアチップにより構成された点状発光部を有する光源装置を備えている。この光複装置では、たとえばLEDベアチップを、主走査方向に並ぶようにして配置される。点状光源部としてLEDを用いれば、光源部を有機EL発光素子により構成する場合に比べて、光源部の劣化に起因した画像品質の劣化を抑制できるとともに、プリントヘッドの寿命を長くできるようになる。
【0013】
照明装置は、LEDベアチップから発せられた光を導光部に導入し、この導光部から走査方向に延びる線状に出射するように構成してもよい。この構成では、発光素子(点状光源)をライン状に並べなくても、感光性記録媒体に対して線状に光を照射することができる。その結果、少ない光源数によっても、感光性記録媒体に対する光照射が可能となるため、光源としてLEDを用いたとしても、プリントヘッドでの消費電力を少なくすることができるようになる。
【0014】
照明装置は、有機物を含む発光層を有する発光部を備えたものとして構成してもよい。この場合、有機物は、電界を与えた際のエレクトロルミネセンスにより発光するものが使用される。
【0015】
上述したように、有機ELを利用した発光素子は、LED光源に比べて劣化しやすいが、液晶シャッタを設けることによって照明装置(発光素子)の劣化の影響を抑制することが可能である。そのため、光源部として有機ELを不具合なく利用することが可能となる。また、有機ELを利用した発光素子は消費電力が小さいため、この発光素子を採用すれば、プリントヘッドでの消費電力を小さくすることができる。
【0016】
照明装置は、たとえば赤色光、緑色光または青色光を発光する赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部を有するものとして構成される。この場合、液晶シャッタは、赤色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第1シャッタ部と、上記可視光から緑色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第2シャッタ部と、上記可視光から青色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第3シャッタ部と、を有するものとして構成するのが好ましい。この場合、赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部を、時間差を設けて順次個別に駆動する一方で、駆動されている発光部(発光色)に対応して選択される第1ないし第3シャッタ部を開閉駆動してもよいし、赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部を同時に駆動する一方で、第1ないし第3シャッタ部のいずれかを時間差を設けて順次個別に開閉駆動してもよい。もちろん、赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部を同時に駆動する一方で、第1ないし第3シャッタ部を同時に駆動し、赤色光、緑色光および青色光を感光性記録媒体上において3ラインに分けて照射してもよい。
【0017】
赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部は、その発光量を調整可能に構成するのが好ましい。そうすれば、液晶シャッタから出射される光の量は、液晶シャッタでの光透過率のみならず、各発光部での発光量にも依存させることができる。その結果、液晶シャッタのみにより液晶シャッタからの光量を調整する場合に比べて、光量の選択の幅が広がって、より多階調を表現することが可能なり、印字品質の向上を図ることができるようになる。
【0018】
光出射部は、感光性記録媒体に当接させるための凸部と、線状の光が出射する凹部と、を有するものとして構成するのが好ましい。そうすれば、感光性記録媒体に対して密着させた状態でプリントヘッドを感光性記録媒体に対して相対動させる場合には、感光性記録媒体とプリントヘッドとの間の摺動抵抗を小さくすることができる。その結果、感光性記録媒体およびプリントヘッドの双方の損傷を抑制しつつも、感光性記録媒体に対するプリントヘッドの相対動をスムーズに行えるようになる。
【0020】
本願発明の第2の側面においては、本願発明の第1の側面に係るプリントヘッドを備えたことを特徴とする、画像形成装置が提供される。
【0021】
この構成では、先に説明したプリントヘッドを備えているので、上述した本願発明の第1の側面に係るプリントヘッドの効果を享受できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0023】
まず、図1ないし図11を参照して本願発明に係る画像形成装置を説明する。図1および図2に示したように、画像形成装置Xは、筐体1、フィルムパック2、およびプリントヘッド3を有している。
【0024】
筐体1は、図1に示したように開口部11を有しており、この開口部11が蓋12により開閉可能とされている。蓋12には、一対の凸部121が設けられている。筐体1の側面13には、露光・現像処理した感光フィルム22 (図2および図3参照)を排出するための排出口131が形成されている。
【0025】
フィルムパック2は、図2に示したようにケース21の内部に複数の感光フィルム22を収容したものである。感光フィルム22は、支持台211上に載置されている。支持台211は、板バネ部材212により付勢されている。
【0026】
ケース21には、図1および図2に示したように第1ないし第3開口部213,214,215が形成されている。第1開口部213には、プリントヘッド3が配置されている。このプリントヘッド3は、第1開口部213を矢印B1,B2方向に移動するように構成してもよいし、筐体1に対して固定化してもよい。第2開口部214は、蓋12の凸部121に対応した部位に設けられている。すなわち、蓋12により開口部11を閉鎖すれば、図2に示したように凸部121が第2開口部214を介してケース21内に挿入される。これにより、支持台211に対して第1開口部213側に向けた押圧力が作用する。一方、第3開口部215は、ケース21の側面に設けられており、この第3開口部215を介して感光フィルム22がケース21の外部に排出される。第3開口部215は、カーテン217により覆われており、第3開口部215からケース21内へのホコリの侵入が抑制されている。
【0027】
感光フィルム22は、図3に示したように基材221上に、感光層222および透明カバー223を積層した形態を有している。基材221、感光層222および透明カバー223の周縁部は、端部に現像液保持パック224を包み込んだ状態で接着シート225により覆われている。
【0028】
このようなフィルムパック2は、図1から分かるように開口部11を介して筐体1内外への出し入れが自在とされている。フィルムパック2内に収容された感光フィルム22を全て使用した場合には、使用済みのケース21を取り出し、新たなフィルムパック2を装着すればよい。
【0029】
図2に示したように、筐体1内にはさらに、プッシュバー14およびプラテンローラ15が配置されている。プッシュバー14は、ケース21に設けられた切欠218により図2の矢印B1,B2方向への移動が許容されている。これにより、プッシュバー14によって、フィルムパック2から感光フィルム22を押し出すことができる。プラテンローラ15は、フィルムパック2から感光フィルム22を引き出しつつ搬送し、排出口131を介して筐体1の外部に感光フィルム22を排出するためのものである。プラテンローラ15はさらに、感光フィルム22がプラテンローラ15を通過する際に感光フィルム22の現像液パック224(図3参照)に押圧力を作用させ、この現像液パック224から現像液を押し出し、それを感光層222の全面に拡げる役割をも果たす。
【0030】
プリントヘッド3は、図4および図5に示したようにフレーム30に対して、積層体4、ロッドレンズアレイ31およびプリズム32を保持させた構成を有している。
【0031】
フレーム30には、コの字状の載置部301、図4の矢印A1,A2方向(主走査方向)に延びる第1保持部302および第2保持部303が設けられている。載置部301には、積層体4が載置される。したがって、積層体4は、フレーム30における厚み方向の中心から偏位した部位において、フレーム30に保持されている。
【0032】
積層体4は、照明装置5と液晶シャッタ6を備えているが、照明装置5および液晶シャッタ6は、図4から分かるように主走査方向に長軸を有する形態とされているため、それらは単独では厚み方向の負荷に対する曲げ剛性が低い。ところが、これらを積層体4の形態とすれば、照明装置5あるいは液晶シャッタ6単独の場合に比べて曲げ剛性が高くなり、また積層体4としてフレーム30に保持させれば、プリントヘッド3全体としての曲げ剛性を高めることができる。とくに、フレーム30における厚み方向の中心から偏位した部位において積層体4を保持させれば、フレーム30によって積層体4が補強された格好となって、プリントヘッド3全体としての曲げ剛性をより高めることができる。これにより、プリントヘッド3の反りや撓みの発生を抑制することができるようになる。プリントヘッド3の曲げ剛性を高くできれば、プリントヘッド3を薄型化することが可能となって、プリントヘッド3が組み込まれる画像形成装置Xの小型化に寄与することができるようになる。
【0033】
第1保持部302は、45度傾斜した傾斜面304を有しており、この傾斜面304に密着して反射部材33が保持される。反射部材33は、その表面において光を全反射できるように鏡面とするのが好ましく、たとえば表面がアルミニウムなどにより構成されている。
【0034】
一方、第2保持部303には、フレーム30と積層体4に挟持された状態で、ロッドレンズアレイ31が保持される。ロッドレンズアレイ31は、複数の貫通孔311が形成されたホルダ312に対して、その貫通孔311内にロッドレンズ313を保持させた構成を有している。各ロッドレンズ313は、その軸心が図4の矢印B1,B2方向(副走査方向)に延びるとともに、複数のロッドレンズ313が主走査方向A1,A2に並ぶようにして配置されている。本実施の形態では、ロッドレンズ313は、正率等倍像を形成するように構成されている。
【0035】
フレーム30の側部は、副走査方向B1側に開放しており、この部分にプリズム32が保持される。プリズム32は、光入射面321、光反射面322および光出射面323を有している。このようなプリズム32では、反射部材33において反射した光が光入射面321から入射した後に光反射面322において反射して進行方向が90度変えられて光出射面323から出射する。このようなプリズム32は、空気よりも屈折率の大きな材料、たとえば透明なガラスやアクリル系樹脂により形成されている。
【0036】
光入射面321には、主走査方向A1,A2に延びる凹部324が設けられている。この凹部324は、ロッドレンズ313に対してプリズム32の光入射面321が直接接触することを抑制して、ロッドレンズ313が傷つかないようにするためのものである。光出射面323は、主走査方向A1,A2に延びる凹部325および凸部326が設けられている。凸部326は、フレーム30の厚み方向に突出しており、たとえば感光フィルム22に密着した状態で、この感光フィルム22に対してプリントヘッド3を相対動させる場合には、凸部326のみが感光フィルム22と接触する。つまり、感光フィルム22にプリントヘッド3を密着させて露光する場合であっても、プリントヘッド3と感光フィルム22との間の接触面積および接触抵抗が極力小さくなるようになされている。その結果、感光フィルム22の損傷を抑制するとともに、感光フィルム22に対するプリントヘッド3の相対動をスムーズに行えるようになる。また、プリズム32における光が出射する領域(凹部324)が傷ついてしまうことを抑制し、適切な光照射を行えるようになる。
【0037】
積層体4の照明装置5は、図4ないし図7に示したように第1および第2遮光部50,51によって形成される空間内に、導光部52および光源装置53を収容したものである。
【0038】
導光部52は、図6および図7によく表れているように棒状の形態を有している。この導光部52は、厚み方向に間隔を隔てた光反射面521および光出射面522と、端面により構成された光入射面523と、を有している。導光部52の各面521〜523は、鏡面としておくのが好ましい。光反射面521は、光入射面523側に傾斜した複数の第1傾斜面524と、光入射面523とは反対の端面525側に傾斜した複数の第2傾斜面526と、を有している。第1傾斜面524は、光入射面523から進行してくる光を反射して、それを光出射面523に向けて進行させるためのものである。一方、第2傾斜面526は、端面525から進行してくる光を反射して、それを光出射面522に向けて進行させるためのものである。これらの傾斜面524,526は、導光部52の表面に複数の凹部527を設けることにより、厚み方向に対する傾斜角度が45度または略45度となるように形成されている。複数の凹部527は、たとえば200μmピッチで設けられており、光入射面523からの距離が遠いものほど、その深さが大きくなるように形成されている。光入射面523から最も近い凹部527の深さは、たとえば0.35μmとされ、光入射面523から最も遠い凹部527の深さは、たとえば0.90μmとされる。
【0039】
第1遮光部50は、光出射面522を覆うようにして設けられている。この第1遮光部50には、主走査方向A,Bに延びる開口部501が設けられている。一方、第2遮光部51は、導光部52を収容しうる箱状に形成されている。このような第1および第2遮光部50,51は、たとえば黒色に着色したPCやPMMAなどを樹脂成形することにより形成することができる。第1遮光部50の表面には、光出射面522に密着するようにして、反射部502が設けられている。一方、第2遮光部51の内面には、反射部510が形成されている。これらの反射部502,510は、たとえば白色塗料を塗布し、あるいは白色シートを貼着することにより形成されている。もちろん、反射部502,510は、アルミニウムなどの金属膜を形成することにより設けてもよいし、導光部52の表面に対して直接的に形成してもよい。
【0040】
図6および図8に示したように、光源装置53は、絶縁基板55上に3つの点状光源53R,53G,53Bが搭載されたものである。これらの点状光源53R,53G,53Bは、LEDのベアチップとして構成されている。点状光源53Rは赤色光を発するものであり、点状光源53Gは緑色光を発するものであり、点状光源53Bは青色光を発するものである。これらの点状光源53R,53G,53Bには、上面および下面に電極(図示略)が形成されている。上面電極は、ITOなどにより透明電極として形成されており、その表面53r,53g,53bが光出射面とされている。
【0041】
絶縁基板55上には、個別配線54R,54G,54Bおよび共通配線54Cが形成されている。個別配線54R,54G,54B上には、各点状光源53R,53G,53Bの下面電極が導通接続され、かつ副走査方向B1,B2方向に並んだ状態で、各点状光源53R,53G,53Bが実装されている。各点状光源53R,53G,53Bの上面電極は、導体ワイヤWr,Wg,Wbを介して共通配線54Cと接続されている。各導体ワイヤWr,Wg,Wbは、絶縁基板55の幅方向(導光部52の厚み方向)C1,C2に対して交差する方向に延びている。このような光源装置5は、各点状光源53R,53G,53Bの光出射面53r,53g,53bが導光部52の光入射面523に対面するようにし、かつ配線54R,54G,54B,54Cの端部54r,54g,54b,54cが露出するようにして第2遮光部51に保持されている。これらの端部54r,54g,54b,54cは、点状光源53R,53G,53Bに電力を供給する際に利用されるものであり、各点状光源53R,53G,53Bが個別に駆動可能とされている。
【0042】
光源装置5では、3つの点状光源53R,53G,53Bが絶縁基板55の副走査方向(導光部52の厚み方向と交差する方向)B1,B2に並んで配置され、しかも導体ワイヤWr,Wg,Wbが絶縁基板55の幅方向(導光部52の厚み方向)C1,C2と交差する方向に延びている。したがって、絶縁基板55の幅寸法、つまり導光部52の厚み方向C1,C2寸法を小さくすることが可能となる。これにより、プリントヘッド3ひいては画像形成装置Xの厚み寸法を小さくすることができるようになる。
【0043】
液晶シャッタ6は、図9に示したように複数のシャッタ部65R,65G,65B(図において点線のハッティングを施した部分)がマトリックス状に配置され、各シャッタ部65R,65G,65Bがアクティブ駆動可能なように構成されている。液晶シャッタ6は、図5に示したように一対の透明基板60,61の間に液晶62を充填したものであり、液晶62としては、反強誘電性液晶が用いられる。反強誘電性液晶は、電圧の印加状態の変化に対して自発分極の向きが応答性良く変化する。そのため、液晶シャッタ6に反強誘電性液晶を適用すれば、シャッタ部の開閉動作を応答性良く行え、さらには各シャッタ部65R,65G,65Bがアクティブ駆動可能なように構成することにより各シャッタ部65R,65G,65B開閉動作を応答性良く行える結果、高速印刷が可能となる。
【0044】
図10に良く表れているように、透明基板61の対向面611には、複数の個別電極61r,61g,61bが形成されている。複数の個別電極61r,61g,61bは、主走査方向A1,A2に延びるとともに、副走査方向B1,B2方向に並んだ3つの列(第1から第3列61R,61G,61B)を構成するようにマトリックス状に配置されている。各個別電極61r,61g,61bは、TFTなどの能動素子(図示略)を介して、ソース線63r,63g,63bと接続されている。主走査方向A1,A2の同一列を構成する複数の個別電極61r,61g,61bどうしは、能動素子(図示略)を介して、ゲート線64R,64G,64Bと接続されており、ゲート線64R,64G,64Bを介して能動素子を駆動制御することにより、各個別電極61r,61g,61bがソース線63R,63G,63Bと電気的に導通するか否かが選択される。一方、透明基板61の対向面611には、コモン電極603が形成されている。コモン電極603は、たとえばグランドに接続されている。
【0045】
個別電極61r,61g,61bおよびコモン電極603は、たとえばITOにより透明に形成されている。一方、主走査方向A1,A2の同一列を構成する複数の個別電極61r,61g,61bには、それぞれ赤色フィルタ、緑色フィルタまたは青色フィルタは貼着されている。これにより、各個別電極61r,61g,61bにおいて透過させることが可能な光の波長(色)が規定されている。もちろん、コモン電極603に対して、個別電極61r,61g,61bと対面する部分に色フィルタを貼着して波長選択性を付与してもよい。
【0046】
各個別電極61r,61g,61bとコモン電極603とが対面する部分は、シャッタ部65R,65G,65Bを構成している。つまり、シャッタ部65Rでは赤色光を選択的に透過させることができ、シャッタ部65Gでは赤色光を選択的に透過させることができ、シャッタ部65Bでは赤色光を選択的に透過させることができるように構成される。これらのシャッタ部65R,65G,65Bは、図9および図10から予想されるように、複数の個別電極61r,61g,61bの配置にしたがって、主走査方向A1,A2に延びるとともに、副走査方向B1,B2方向に並んだ3つのシャッタ部列を構成するようにマトリックス状に配置されている。各シャッタ部65R,65G,65Bでは、ゲート線64R,64G,64Bにより能動素子がオン制御されたときに、ソース線63r,63g,63bを介して与えるべき電圧値の大きさを選択することにより、各シャッタ部65R,65G,65B内での電位差が調整される。一方、各シャッタ部65R,65G,65Bは、能動素子がオフ制御されているときには、先に選択された電位差が維持される。
【0047】
図5に示したように、透明基板60,61の非対向面602,612には偏光膜604,614が設けられている。これらの偏光膜604,614は、その偏光軸が互いに直交するようにして配置されている。したがって、たとえば偏光膜604を透過して液晶62を透過する光は、閾値以上の電圧が印加されたシャッタ部65R,65G,65Bについては、偏光方向が変えられて偏光膜614を透過することができる。ただし、各シャッタ部65R,65G,65Bにおいては、色フィルタを透過してから光が出射されるため、色フィルタの色彩に応じた波長の光のみが各シャッタ部65R,65G,65Bを透過することとなる。このとき、各シャッタ部65R,65G,65bでの光透過率は、個別電極61r,61g,61bとコモン電極603との間に与える電圧差により調整することができる。これに対して、電位差が閾値よりも小さい(ゼロを含む)シャッタ部65R,65G,65Bについては、光の偏光方向が変えられないために偏光膜614を透過することができない。その結果、シャッタ部65R,65G,65Bに対する電圧の印加状態(シャッタ部65R,65G,65Bに与えるべき電位差)を制御することにより、液晶シャッタ6において、シャッタ部65R,65G,65B毎に光の透過・非透過ないしは光透過率を選択することができる。
【0048】
透明基板61の対向面611には、駆動IC66が搭載されている。この駆動IC66は、配線660を介してフレキシブルケーブル661と接続されている。フレキシブルケーブル661は、絶縁性を有するフレキシブル基板662上に配線663をパターン形成したものである。このフレキシブルケーブル661により、駆動IC66に対して電力供給や各種信号の供給が行われる。駆動IC66は、図面上には明確に表れていないが、液晶シャッタ6のゲート線64R,64G,64B、ソース線63R,63G,63Bおよびコモン電極613と導通している。したがって、駆動IC66によって、各シャッタ部65R,65G,65Bにおける光の透過・非透過ないしは光透過率が制御される。駆動IC66はさらに、図面上には明確に表れていないが、点状光源53R,53G,53Bと導通している。したがって、駆動IC66によって、点状光源53R,53G,53Bがオン・オフされる。この場合、各点状光源53R,53G,53Bに供給する電流を調整することにより、各点状光源53R,53G,53B毎に発光量を調整するようにしてもよい。そうすれば、各シャッタ部65R,65G,65Bでの光透過率ばかりでなく、各点状光源53R,53G,53Bでの発光量を調整することによっても、液晶シャッタ6ひいてはプリントヘッド3から出射される光量を選択できるようになる。その結果、感光フィルム22に対する露光量の選択の幅が広くなって感光フィルム22上に形成される画像の品質を良好なものとすることができるようになる。
【0049】
画像形成装置Xでの感光フィルム22への画像の形成は、プリントヘッド3により感光層222(図3参照)を露光した後に、それを現像することにより行われる。プリントヘッド3による露光は、たとえばユーザからのプリント指示に基づいて行われる。
【0050】
感光層222(図3参照)の露光時には、たとえばプリントヘッド3から赤色光、緑色光および青色光が線状に、かつそれらが同時あるいは順次的に出射されて感光フィルム22が線状に露光される。このような線状の光照射は、たとえばプリントヘッド3をピッチ送りしつつ繰り返し行われ、最終的には感光層222の全体が露光される。
【0051】
図7に示したように、プリントヘッド3からの光出射時には、光源装置5では、プリントヘッド3から出射すべき色に応じた点状光源53R,53G,53Bが順次的に、あるいは、それらの光源53R,53G,53Bが同時に点灯させられる。点状光源53R,53G,53Bからの光は、光入射面523を介して導光部52に導入される。
【0052】
導光部52では、たとえば光反射面521や光出射面522において全反射を繰り返しつつ光が進行する。そして、第1または第2傾斜面524,526に入射した光は、その表面において全反射し、光出射面522に向けて進行する。傾斜面524,526は、たとえば45度程度に傾斜しているため、傾斜面524,526での全反射光は、光出射面522に対して全反射臨界角よりも小さな角度で入射し、光出射面522から出射する。
【0053】
照明装置5は、反射部502,510により覆われているため、導光部52から出射した光は、第1遮光部50の開口部501を通過する光以外は、基本的には反射部502,510において反射し、導光部52に戻される。これにより、点状光源53R,53G,53Bからの光を有効に利用することができる。光の利用効率が高くなれば、少ない光源数(本実施の形態では3つ)によって感光フィルム22を現像するのに十分な光量の光を照明装置5から出射することができる。これにより、照明装置5の消費電力、ひいてはプリントヘッド3の消費電力を低減することができるようになる。
【0054】
一方、反射部502,510を透過した光は、第1または第2遮光部50,51において吸収される。そのため、照明装置5の外部へは、開口部501以外からは、光が出射されず、照明装置5からの漏れ光が感光フィルム22を露光してしまうこともない。本実施の形態の導光部52は、光入射面523から遠い部位ほど凹部527の深さが大きくされ、傾斜面524,526が光出射面522に向けてより突出した格好とされている。一方、光入射面523から遠い部位ほど、そこに到達する光の量は少なくなる。そのため、光入射面523から遠い部位ほど効率良く光出射面522に向けて光が反射されるようになされており、導光部52における主走査方向A1,A2の光量のバラツキを抑制することができる。
【0055】
光出射面522からの光は、第1遮光部50の開口部501を通過して液晶シャッタ6に入射する。液晶シャッタ6では、駆動IC66の制御により、画像データに応じて複数のシャッタ部65R,65G,65B(図9参照)における光の透過・非透過ないしは透過量が選択される。
【0056】
ここで、感光フィルム22に対して赤色光、緑色光、および青色光を順次的に照射する場合には、次に説明する手法を採用することができる。ただし、以下においては、感光フィルム22に対して赤色光を照射する場合を例にとって説明するが、緑色光および青色光についても同様な手法により感光フィルム22に照射することができる。
【0057】
まず、赤色光を出射する点状光源53Rのみを点灯させた上で、赤色光を選択的に透過させることができる複数のシャッタ部65Rについては、駆動IC66によって各シャッタ部65Rにおいて光を透過させるか否か、あるいはどの程度の光量の光を透過させるかが選択され、それに応じた電位差が各シャッタ部65Rに与えられる。一方、複数のシャッタ部65G,65Bについては、駆動IC66によって全て非透過状態となるように、各シャッタ部65G,65Bに閾値よりも小さな電位差を与える。そうすれば、複数のシャッタ部65Rのみが光透過可能な状態とされて、赤色光のみを透過させることができる。
【0058】
もちろん、点状光源53Rとして出射光の波長特性の良いもの、つまり半値幅の小さい光を出射できるものを用いれば、駆動電圧を制御して各シャッタ部65G,65Bを積極的に非透過状態としなくてもよい。つまり、点状光源53Rの出射光の中に、シャッタ部65G,65Bのフィルタが透過させることができるような波長の光成分を含まなければ、シャッタ部65G,65Bに光が入射したとしても、それがシャッタ部65G,65bから出射されることはない。また、点状光源53R,53G,53Bを同時に点灯させた上で、複数のシャッタ部65Rについては、駆動IC66によって各シャッタ部65Rにおける光の透過状態を制御する一方、複数のシャッタ部65G,65Bは非透過状態となるように、各シャッタ部65G,65Bを制御してもよい。
【0059】
一方、液晶シャッタ6において、赤色光、緑色光および青色光を同時に照射する場合には、点状光源53R,53G,53Bを同時に点灯させた上で、各シャッタ部65R,65G,65B毎に光の透過状態を個別に制御すればよい。このとき、赤色光、緑色光および青色光の同時照射は、感光フィルム22に設定された同一のラインに対して行ってもよいし、互いに異なる3つのラインのそれぞれに、赤色光、緑色光または青色光を照射してもよい。
【0060】
いずれにしても、液晶シャッタ6を透過した光は、反射部材33において全反射して進行方向を90度曲げられた後にロッドレンズアレイ31に入射する。ロッドレンズアレイ31に入射した光は、各ロッドレンズ313内を透過した後に、光入射面321を介してプリズム32に入射する。プリズム32に入射した光は、光反射面322において進行方向を90度曲げられてプリズム32内を下向きに進行した後に光出射面323を介して出射する。この光は、感光フィルム22上において結像し、感光フィルム22に線状光が照射される。
【0061】
一方、感光フィルム22の現像処理は、図2に示したように露光後の感光フィルム22を搬送する過程において行われる。露光の終了した感光フィルム22は、プッシュバー14を図2の矢印B2方向に移動させることにより、B2方向に移動させられる。これにより、感光フィルム22の先端部が、ケース21の第3開口部215から排出されていく。感光フィルム22の先端部がプラテンローラ15にまで達したならば、2つのプラテンローラ15の回転により、これらのプラテンローラ15の間を感光フィルム22が搬送される。感光フィルム22の先端部には現像液保持部224(図3参照)が設けられているから、プラテンローラ15の間を通過する際に現像液保持部224に押圧力が作用する。これにより、現像液が押し出され、先端部側から現像液が感光層222(図3参照)の両面に浸漬する。感光フィルム22は、プラテンローラ15の間を通過するから、その過程において現像液が感光層222(図3参照)の後端側に拡げられる。そして、感光フィルム22がプラテンローラ15を完全に通過した場合には、現像液は、感光層222(図3参照)の全体に行き渡り、感光層222(図3参照)の現像処理が終了する。現像処理が終了した感光フィルム22は、プラテンローラ15によって搬送されて、筐体1の排出口131から排出される(図1参照)。
【0062】
本願発明の上述した実施の形態には限定されず、種々に設計変更可能である。たとえば、感光フィルムに対して赤色光、緑色光、および青色光を順次的に照射する場合には、図11に示した液晶シャッタ6Bを使用することもできる。この液晶シャッタ6Bは、図9および図10に示した液晶シャッタ6のように各個別電極61r,61g,61bがソース線63r,63g,63bに接続されているのではなく、副走査方向B1,B2方向に並ぶ3つの個別電極61r,61g,61bが1つのソース線63により接続されている。そのため、液晶シャッタ6Bを線順次方式で駆動することにより、感光フィルム22に対しては赤色光、緑色光および青色光を順次的に照射することができる。この場合、照明装置としては、白色光を出射できるもの、あるいは赤色光、緑色光および青色光を個別かつ順次的に出射できるもののいずれをも使用することができる。また、シャッタ部の列を1列としてもよく、その場合には、各シャッタ部における透過光の波長選択性がないものとされる。ただし、照明装置としては、赤色光、緑色光および青色光を個別かつ順次的に出射できるもののいずれをも使用する必要がある。
【0063】
本実施の形態においては、照明装置についても種々に設計変更可能である。たとえば、導光部を省略するとともに、基板上に複数のLEDチップを列状に配置してもよく、もちろん、LED以外の光源を用いることもできる。たとえば、図12および図13に示したように、有機ELにより光源部を構成してもよい。
【0064】
図12に示した照明装置5Bは、長矩形状の透明基板56上に線状の光源部57を形成したものである。光源部57は、アノード571、有機層572およびカソード573を、この順序で積層することにより形成されている。アノード571は、たとえばITОにより透明に形成されている。一方、カソード573は、アルミニウムなどにより形成されて反射性の高いものとされている。
【0065】
有機層572は、有機物からなる発光性物質を含んだ発光層を有している。本実施の形態では、発光層が赤色光、緑色光および青色光を含む可視光、たとえば白色光を自発光するように構成されている。有機層572は、たとえば発光層に含ませる発光性物質が低分子量のものである場合には、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層により構成される。発光層に含ませる発光性物質が高分子量のものである場合には、ホール輸送層と発光層のみにより有機層572を構成してもよい。もちろん、使用する発光物質の種類によっては、電子輸送層と発光層からなる2層構造、あるいはホール輸送層、電子輸送層および発光層からなる3層構造として有機層572を構成することもできる。
【0066】
光源部57では、アノード571およびカソード573を介して有機層572に電界を与えることにより発光し、この光が透明基板56を介して液晶シャッタ6Bに向けて出射される。
【0067】
光源部57は、図12(b)に仮想線で示したように封止部58により覆うのが好ましい。この封止部58は、光源部57を収容する凹部581が形成されたものであり、たとえば接着剤を介して透明基板56に接着することにより設けられている。封止部58は、ガラス板を加工することにより形成することができるが、ガラスペーストなどを塗布した後に焼成し、あるいは溶融ないし軟化したガラスを塗布した後に乾燥させて形成してもよい。このような封止部58を設ければ、光源部57が外力から保護され、また無機物たるガラスは、有機物に比べて水分を吸収しにくいため、周囲環境からの光源部57への水分の侵入が抑制される。これにより、光源部57の劣化が抑制される。
【0068】
一方、図13に示した照明装置5Cは、主走査方向A1,A2に延びる赤色光線状光源部57R、緑色光線状光源部57G、および青色光線状光源部57Bを有している。赤色光線状光源部57R、緑色光線状光源部57G、および青色光線状光源部57Bは、透明基板56上に、アノード571、3つの有機層572R,572G,572Bおよび3つのカソード573R,573G,573Bを、この順序で積層することにより形成されている。アノード571は、たとえばITОにより透明に形成されている一方、カソード573R,573G,573Bは、アルミニウムなどにより形成されて反射性の高いものとされている。
【0069】
有機層572R,572G,572Bは、有機物からなる発光性物質を含んだ発光層を有している。有機層572R,572G,572Bは、使用する発光性物質の種類を選択することにより赤色光、緑色光または青色光を自発光するように構成されている。したがって、照明装置5Cでは、電界を与えるべき有機層572R,572G,572Bを選択することにより、赤色、緑色または青色の線状光を個別に発光させることができる。
【0070】
上述した各実施の形態においては、感光フィルムがケース内に収容されたフィルムパックとして感光フィルムが装着される画像形成装置について説明したが、感光フィルムのみを逐次追加するように構成された画像形成装置やプラテンローラによってプリントヘッドに密着して感光フィルムを搬送する構成の画像形成装置についても本願発明を適用できる。液晶シャッタは、光源装置とともに積層体を構成する必要はなく、これらが分離していてもよい。プリントヘッドにおいてレンズアレイを使用するか否かは選択的事項であり、またレンズアレイとしては、ロッドレンズアレイ以外のものを用いることもできる。
【0071】
図14は、本願発明のプリントヘッドの参考例を示す。このプリントヘッド3A、レンズアレイ31を、ロッドレンズ313のレンズ軸がフレーム30の厚み方向C1,C2に向くように配置している。この場合、レンズアレイ31の光出射側に透明な棒状部材34を配置するのが好ましい。図示した棒状部材34は、光入射面341および光出射面342を有している。光入射面341は、ロッドレンズ313との直接接触するのを防止して、ロッドレンズ313が傷ついてしまうのを回避するようにしている。一方、光出射面342は、主走査方向(紙面に直交する方向)に延びる凹部343および凸部344を有している。凸部344は、フレーム30の厚み方向C1,C2に突出しており、たとえば感光フィルム22に密着した状態で、この感光フィルム22に対してプリントヘッド3を相対動させる場合には、凸部344のみが感光フィルム22と接触する。つまり、感光フィルム22にプリントヘッド3を密着させて露光する場合であっても、プリントヘッド3と感光フィルム22との間の接触面積および接触抵抗が極力小さくなるようになされている。その結果、感光フィルム22の損傷を抑制するとともに、感光フィルム22に対するプリントヘッド3の相対動をスムーズに行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る画像形成装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】 画像形成装置の要部の断面図である。
【図3】 感光フィルムの断面図である。
【図4】 プリントヘッドの分解斜視図である。
【図5】 プリントヘッドの断面図である。
【図6】 照明装置の分解斜視図である。
【図7】 照明装置の断面図である。
【図8】 光源装置の平面図である。
【図9】 液晶シャッタの要部平面図である。
【図10】 液晶シャッタの基板を示す斜視図および要部拡大図である。
【図11】 液晶シャッタの他の説明するための基板を示す斜視図および要部拡大図である。
【図12】 (a)は照明装置の他の例を説明するための平面図であり、(b)は(a)のXIIb−XIIb線に沿う断面図である。
【図13】 (a)は照明装置の他の例を説明するための平面図であり、(b)は(a)のXIIIb−XIIIb線に沿う断面図である。
【図14】 プリントヘッドの参考例を示す断面図である。
【符号の説明】
X 画像形成装置
22 感光フィルム(感光性記録媒体)
3 プリントヘッド
30 フレーム
31 ロッドレンズアレイ
313 ロッドレンズ
32 プリズム
34 棒状部材
5,5B,5C 照明装置
52 (照明装置の)導光部
53R,53G,53B (照明装置の)点状光源
57,57R,57G,57B 線状光源部
6,6B,6C 液晶シャッタ
60,61 (液晶シャッタの)透明基板
65R,65G,65B シャッタ部
A1,A2 主走査方向
B1,B2 副走査方向
C1,C2 厚み方向

Claims (8)

  1. 主走査方向に延びる線状に光を出射する照明装置と、この照明装置から進行してくる光を透過させるか否かを個別選択することができる複数のシャッタ部を有し、これらのシャッタ部が上記主走査方向に並んで配置された液晶シャッタと、この液晶シャッタから進行してくる光を感光性記録媒体に向けて出射するための光出射部と、を備え、上記液晶シャッタは、一対の基板の間に反強誘電性液晶を保持し、かつ上記複数のシャッタ部がアクティブ駆動可能なように構成されているプリントヘッドであって、
    一定の厚みを有するとともに上記主走査方向に長軸を有し、副走査方向の幅を有し、上面側に上記照明装置および上記液晶シャッタを保持するとともに、下面側に上記光出射部が配置されたフレームと、
    レンズ軸が上記副走査方向に延びる複数のレンズが上記主走査方向に並んだ状態で上記フレームに保持されたレンズアレイと、
    上記液晶シャッタから進行してくる光の進行方向を変えて上記複数のレンズに向かわせる反射部材と、
    上記複数のレンズから出射された光の進行方向を90°変えて上記光出射部に向かわせるプリズムと、
    を備えており、
    上記光出射部は、上記感光性記録媒体に当接させるための凸部と、線状の光を出射させるための凹部と、を有しているとともに、上記凸部と上記凹部とは、上記プリズムに一体形成されていることを特徴とする、プリントヘッド。
  2. 上記照明装置は、LEDのベアチップにより構成された点状発光部を有する光源装置を有している、請求項1に記載のプリントヘッド。
  3. 上記照明装置は、上記点状光源部から発せられた光を上記主走査方向に延びる線状に出射するための導光部をさらに有している、請求項2に記載のプリントヘッド。
  4. 上記照明装置は、有機物を含む発光層を有する発光部を備えており、
    上記有機物は、電界を与えた際のエレクトロルミネセンスにより発光するものである、請求項1に記載のプリントヘッド。
  5. 上記照明装置は、赤色光、緑色光または青色光を発光するとともに、個別に駆動可能な赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部を有しており、
    上記液晶シャッタは、赤色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第1シャッタ部と、緑色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第2シャッタ部と、青色光を選択して透過させることが可能であり、かつ上記主走査方向に並ぶ列状に配置された複数の第3シャッタ部と、を有している、請求項1ないし4のいずれかに記載のプリン
    トヘッド。
  6. 上記赤色光発光部、緑色光発光部および青色光発光部は、個別に発光量の調整が可能とされている、請求項5に記載のプリントヘッド。
  7. 上記感光性記録媒体に対する光照射は、赤色光、緑色光または青色光を照射するために個別に設定された3つの光照射ラインについて同時に行われる、請求項5または6に記載のプリントヘッド。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載したプリントヘッドを備えたことを特徴とする、画像形成装置。
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