JP4279072B2 - プラットホーム上の可動柵 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラットホーム上の可動柵に関し、特に、車輌側のドアの間隔に適合して戸袋を短くするプラットホーム上の可動柵に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗降客は、電車のような列車に対して駅に形成されるプラットホームを介して乗降する。列車の発着時にプラットホーム上の人と車体の接触による事故、又は、通過列車の風圧により人が巻き込まれる事故の発生が憂慮されている。そのような事故の発生を回避するために、後掲特許公報1に見られるように、プラットホーム上に可動柵を設ける安全対策技術が知られている。可動柵としては、水平方向可動柵と鉛直方向可動柵が知られている。鉛直方向可動柵の可動のためには、鉛直方向に十分である高さ幅が可動設備に要求される。水平方向に長く続くプラットホームに設備する可動柵は、水平方向に可動であることが好ましい。水平方向に可動である可動柵の移動距離は、列車の開閉扉の水平方向開口幅Mと隣り合う2箇所の開閉扉の間の間隔Nとにより規定される。大量の乗降客を一挙に輸送し1つの駅で多人数の乗降客の乗降を要求される地下鉄電車では、乗降時間の短縮化のために、開口幅がそれぞれに広い複数の開閉扉が短い間隔で配置される。この場合に、隣り合う2箇所の開閉扉の間の間隔を短くすることにより、1車輌当たりの扉数の増大化が考えられている。
【0003】
そのような開口幅mと間隔Nとが考慮される必要性は、図9が参照されて次のように説明される。図9に示されるように、前方車両の後方側の車輌側開閉扉101−1と後方車両の前方側の車輌側開閉扉101−2との間の間隔は、Nで表されている。車輌開閉扉の開口幅は、Mで表されている。単位時間当たりの乗降客数の増大のために、図9のB部に示されるように、隣り合う車輌側開閉扉101−1,2の開口幅Mを大きくするためには、車輌側開閉扉101−1,2の中心間距離に相当するプラットホーム側の可動柵102の全長Nを小さくし、且つ、可動柵102を構成するプラットホーム側開閉扉103−1,2の可動距離Laを長くする必要がある。この場合に、プラットホーム側開閉扉103−1,2を共通の戸袋104に完全に収容するためには、プラットホーム側開閉扉103−1,2の全横幅(Nに相当)を狭くする必要がある。プラットホーム側開閉扉103−1,2の全横幅Nを狭くするためには、戸袋104の幅を狭くする必要があって、図10に示されるように、プラットホーム側開閉扉103−1,2の進退移動距離(水平方向移動距離)L2が結果的に短くなる。車輌側開閉扉101−1,2の開口幅Mに適合させて、プラットホーム側開閉扉103−1,2の長さを長くするためには、戸袋104の長さが長くなることのような相矛盾する問題が存在している。
【0004】
列車の停止精度、乗車待ち客の拡がり幅、降車客の通路幅が更に考慮されることが重要である。数値的に更に具体的には、可動柵102の開口幅Laが3000mmに設定され、車輌側開閉扉101−1,2の中心間距離Nが4760mmに設定され、図9のA部に示されるように前後方向に1組の可動柵102−1,2が配置される場合には、プラットホーム側開閉扉103−1,2の1つの扉の進退移動距離Lは、可動柵102の開口幅Laに等しい3000mmになって、プラットホーム側開閉扉103−1,2は巨大な構造体になる。このような巨大化を回避するためには、図9のB部に示されるように、プラットホーム側開閉扉103−1,2は、中央側で重なって共通の戸袋104に収容されることが好ましい。この場合には、開口幅La(=3000mm)は前後方向に均等に配分されて、戸袋104の全長Yは1760(4760−3000)mmになる。この場合では、プラットホーム側開閉扉103−1,2の長さL1を最大限に長くし(現実的には最大で880mm)、プラットホーム側開閉扉103−1,2の進退移動距離L2をできる限り短くすることが望まれる。
【0005】
隣り合う乗降口の間隔が小さく、且つ、大きい開口幅が必要であるプラットホームの可動柵として、後掲特許文献1の技術が知られている。図11に示されるように、左右端部に開口を有する箱状の戸袋105に収容される開閉扉106,107が設けられている。開閉扉106,107は、戸袋105に取り付けられている2条のリニアレール108,109に沿って往復動的に運動する。開閉扉106,107の有効長さはRで示され、戸袋105の有効長さがYで表されている。凹凸的に互いに部分的に入り込む開閉扉106,107が上下方向に重なり合うオーバーラップ部分Qの半分は、戸袋105を短くすることができる長さである。このオーバーラップ部分Qの半分は、有効長さRの短縮化に反映される。オーバーラップ部分Qの長さの延長は、支持構造上の点から一定限度に制約される。開閉扉108,109は、スライドブロック110,111を介して戸袋105に吊り下げ式に支持されていて、往復運動は不安定である。
【0006】
左右の開閉扉が互いに入り込み合う技術として、更に、後掲特許文献2が知られている。図12に示されるように、左右の開閉扉112,113は戸袋114に収容される。左右両側のリニアレール115,116は、上下に重なり合って上下に間隔を開けて配置されている。上下のスライドブロック117,118は、開閉扉112,113の互いに上下に重なり合って水平方向に突出する支持部分119,120に支持されている。このように支持されるスライドブロック117,118が開閉扉112,113と同体にリニアレール115,116に案内されて互いに反対方向に往復運動する。
【0007】
重なり部分である支持部分119,120は、既述の公知技術の重なり部分の長さより長く、両技術で戸袋の長さYが同じであれば、開閉扉112,113の重なり合わない部分の長さRはより長く設計され得る。支持部分119,120を水平方向に長くする支持構造は、開閉扉112,113の重なり合わない部分の間のギャップZが水平方向に長くなる。開閉扉112,113の重なり合わない部分の長さを極限まで長くすることは不都合であるから、戸袋114のスペースを有効に活用できない恨みがある。開閉扉112,113を支持する上下のリニアレールと開閉扉112,113との間に介設されるスライドブロック117,118の上下方向の間隔が狭くなる設計では、動作が不安定になる問題点がある。
【0008】
設置スペースの長さが限界まで短縮されることが求められる。更には、動作が安定することが望まれる。更には、低コスト化が要求される。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−334579号
【特許文献2】
特開2002−308089号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、設置スペースの長さが限界まで短縮されるプラットホーム上の可動柵を提供することにある。
本発明の他の課題は、更には動作が安定するプラットホーム上の可動柵を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、更にはコスト上昇を抑制するプラットホーム上の可動柵を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0012】
本発明によるプラットホーム上の可動柵は、プラットホーム上に配置される戸袋(2)と、戸袋(2)に対して第1方向に出入りする第1開閉扉(3)と、戸袋(2)に対して第1方向に逆方向である第2方向(B)に出入りする第2開閉扉(4)と、第1開閉扉(3)を支持し戸袋(2)の下方側に配置され第1方向に延びる第1水平方向支持体(9)と、第2開閉扉(4)を支持し戸袋(2)の下方側に配置される第2水平方向支持体(12)と、戸袋(2)に対して支持され第1開閉扉(3)を支持する第1案内レール(5)と、戸袋(2)に対して支持され第2開閉扉(4)を支持する第2案内レール(6)とから構成されている。第1開閉扉(3)と第2開閉扉(4)は同一の鉛直面内に配置され、第1開閉扉(3)は第1水平方向支持体(9)の第1方向(A)の収納方向に後方に位置する第1後方部位に支持され、第2開閉扉(4)は第2水平方向支持体(12)の前記第2方向(B)の収納方向に後方に位置する第2後方部位に支持され、第1水平方向支持体(9)を鉛直面内で回転不能に第1案内レール(5)に支持する第1回転不能機構と、第2水平方向支持体(12)を鉛直面内で回転不能に第2案内レール(6)に支持する第2回転不能機構とが更に構成されている。第1水平方向支持体(9)は、第1案内レール(5)に案内されて鉛直面内で第1方向(A)に往復移動し、第2水平方向支持体(12)は第2案内レール(6)に案内されて鉛直面内で前記第2方向(B)に往復移動する。第1案内レール(5)は、第2案内レール(6)に対して鉛直面に直交する直交方向に位相差を有して離隔し、第1開閉扉(3)と第2開閉扉(4)が互いに接近して戸袋(2)に収納される収納位置で、第1水平方向支持体(9)と第2水平方向支持体(12)はその位相差に対応する位相差を有して直交方向に重なり合い、且つ、収納位置で、第1開閉扉(3)と第2開閉扉(4)とは前記直交方向に重ならない。
【0013】
戸袋(2)の狭い空間内で両側開閉扉(3,4)は、重ならずに収納されるが、回転不能機構により両側開閉扉は安定的に支持される。このような安定性が確保された状態で、設置スペースの長さは限界まで短縮され、動作は安定し、且つ、設備コストの上昇が抑制されている。
【0014】
そのような第1回転不能機構は、第1水平方向支持体(9)の下面側に固定され第1案内レール(5)に嵌まり込む第1リニアガイド(14)として形成されている。第1リニアガイド(14)は、第1案内レール(5)の鉛直方向に対向する2対向面に第1方向(A)に離隔する2位置で接触している。第2回転不能機構は、第2水平方向支持体(12)の下面側に固定され第2案内レール(6)に嵌まり込む第2リニアガイド(15)を形成し、第2リニアガイド(15)は第2案内レール(6)の鉛直方向に対向する2対向面に第2方向(B)に離隔する2位置で接触している。2位置のリニアガイドによる回転不能機構は簡素であり、設備コストの上昇が効果的に抑制されている。
【0015】
第1後方部位に結合し第1後方部位から鉛直方向上方に立ち上がる第1鉛直方向支持体(11)と、第2後方部位に結合し第2後方部位から鉛直方向上方に立ち上がる第2鉛直方向支持体(13)と、戸袋(2)の上端部位に支持され、第1鉛直方向支持体(11)の第1上端部位を第1方向(A)に案内し、且つ、第2鉛直方向支持体(13)の第2上端部位を第2方向(B)に案内する第3案内レール(17,19)とが追加される。第1開閉扉(3)は第1鉛直方向支持体(11)に結合し、第2開閉扉(4)は第2鉛直方向支持体(13)に結合している。第1鉛直方向支持体(11)の上端部位と第2鉛直方向支持体(13)の上端部位とを第3案内レール(17,19)で支持することにより、大きい質量の開閉扉(3,4)に起因する回転モーメントによる回転を効果的に抑制し、構造を更に簡素化することができる。
【0016】
第1上端部位と第2上端部位は、鉛直面内で回転不能であるように、第3案内レール(17,19)に嵌まり込むことは重要である。
【0017】
第1鉛直方向支持体(11)に結合し第1方向(A)の収納方向に延びる第1駆動腕(22)と、第2鉛直方向支持体(13)に結合し第2方向(B)の収納方向に延びる第2駆動腕(24)と、戸袋(2)に支持され第1駆動腕(22)と第2駆動腕(24)を互いに反対方向(A,B)に同期的に駆動する駆動機構が追加される。第1鉛直方向支持体(11)の上方部位と第1水平方向支持体(9)の収納方向(A)に前方である第1前方部位とを結合する第1補強体(38)と、第2鉛直方向支持体(13)の上方部位と第2水平方向支持体(12)の収納方向(B)に前方である第2前方部位とを結合する第2補強体(39)との追加は特に好ましい。第1鉛直方向支持体(11)と第1水平方向支持体(9)とが形成するL字状の構造体の曲がり強度を有効に強化することができ、その構造物を軽量化することにより、走行性能を改善することができる。
【0018】
第1補強体(38)は、第2補強体(39)に対して直交方向に位相差を有して離隔しているので、戸袋(2)の幅を狭くすることができ、戸袋(2)の全体を更に軽量化することにより、走行性能を更に改善することができる。
【0019】
第1開閉扉(3)の前記収納方向の長さと第2開閉扉(4)の収納方向の長さとの合計長さは戸袋(2)の収納空間の長さに概ね等しくすることができ、戸袋(2)の長さを極限に短くすることができる。開位置の第1開閉扉(3)と開位置の第2開閉扉(4)との
中心線間距離は、車輌の隣り合う2つの車輌側開閉扉の中心線間距離に概ね等しい。車輌の扉の配置の実状に適合して、戸袋(2)の長さを効果的に短縮することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明によるプラットホーム上の可動柵は、プラットホームの線路側線状狭域に1対2体として配置されている。可動柵10は、単一の戸袋2と左右両側の開閉扉とから構成されている。その開閉扉は、第1開閉扉3と第2開閉扉4とから形成されている。第1開閉扉3と第2開閉扉4は、互いに運動方向に対向して往復運動することができる。ここで、運動方向は、プラットホームに立つ人から見て左右方向であり、線路方向に一致している。第1開閉扉3は戸袋2の一方側(右側)の縦長開口を通り、第2開閉扉4は戸袋2の他方側(左側)の縦長開口を通る。
【0021】
戸袋2には戸袋2の底面側で1対の下側リニアレールが、固定的に配置されている。その下側リニアレールは、第1下側リニアレール5と第2下側リニアレール6とから形成されている。第2下側リニアレール6は、図2に示されるように、第1下側リニアレール5より前方(プラットホームに立つ人から見て手前)に配置されている。第1下側リニアレール5と第2下側リニアレール6の中心線間距離は、適正な間隔aに設定されている。
【0022】
第1開閉扉3は、第1支持体7を介して、第1下側リニアレール5に支持されている。第2開閉扉4は、第2支持体8を介して、第2下側リニアレール6に支持されている。第1支持体7は、第1支持水平部分9と第1支持鉛直部分11とから形成されている。第1支持水平部分9は、第1支持鉛直部分11の下端部位で一体に結合し第1支持鉛直部分11の下端部位から第1方向Aに長く延びている。ここで、第1方向Aは第1開閉扉3が戸袋2に向かって収容される収容方向を示す。第2支持体8は、第2支持水平部分12と第2支持鉛直部分13とから形成されている。第2支持水平部分12は、第2支持鉛直部分13の下端部位で一体に結合し第2支持鉛直部分13の下端部位から第2方向Bに長く延びている。ここで、第2方向は第2開閉扉4が戸袋2に向かって収容される収容方向を示す。第1方向Aは、第2方向Bに逆方向に対向している。
【0023】
第1支持水平部分9と第1下側リニアレール5との間には、1対2体の第1リニアガイド14が介設されている。第1リニアガイド14は、第1支持水平部分9に取り付けられている。第1リニアガイド14の2体は、第1方向Aに離隔的に配置されている。第1リニアガイド14の1体は第1方向Aに後方に配置され、第1リニアガイド14の他の1体は第1方向Aに前方に配置される。第2支持水平部分12と第2下側リニアレール6との間には、1対2体の第2リニアガイド15が介設されている。第2リニアガイド15は、第2支持水平部分12に取り付けられている。第2リニアガイド15の2体は、第2方向Bに離隔的に配置されている。第2リニアガイド15の1体は第2方向Bに後方に配置され、第2リニアガイド15の他の1体は第2方向Bに前方に配置される。
【0024】
第1支持鉛直部分11は第1方向Aに後方の端部から鉛直方向に長く延び、第2支持鉛直部分13は第2方向Bに後方の端部から鉛直方向に長く延びている。第1支持鉛直部分11の頂部(上端部位)には、第1案内輪16が回転自在に取り付けられている。戸袋2の頂部には、第1上側リニアレール17が固定されている。第1案内輪16は、第1上側リニアレール17に支持され且つ第1上側リニアレール17に案内されて第1方向A又はそれの逆方向に円滑に走行する。第1支持鉛直部分11は、第1案内輪16を介して第1上側リニアレール17に支持され案内されて往復運動する。第2支持鉛直部分13の頂部には、第2案内輪18が回転自在に取り付けられている。戸袋2の頂部には、第2上側リニアレール19が固定されている。第2案内輪18は、図2に示されるように、第2上側リニアレール19に支持され且つ第2案内輪18に案内されて第2方向A又はそれの逆方向に円滑に走行する。第2支持鉛直部分13は、第2案内輪18を介して第2上側リニアレール19に支持され案内されて往復運動する。第1上側リニアレール17と第2上側リニアレール19は、一体に単一軌条として設計され得る。
【0025】
図2に1点鎖線で示されるように、第1支持鉛直部分11の下端部位は前方方向に変位し、第1リニアガイド14はそのように変位した変位部分21の下端に配置されている。このような変位により、第1リニアガイド14は第2リニアガイド15に対して離隔幅aの位相差を有している。この位相差は、第1支持水平部分9と第2支持水平部分12が対向方向に接近して運動する際の干渉を回避させている。
【0026】
第1開閉扉3と第2開閉扉4は、同一鉛直平面上に配置されている。第1開閉扉3は、第1支持鉛直部分11の外側端面に第1支持鉛直部分11に同体に取り付けられている。第2開閉扉4は、第2支持鉛直部分13の外側端面に第2支持鉛直部分13に同体に取り付けられている。第1方向Aに限界まで移動する第1開閉扉3と第2方向Bに限界まで移動する第2開閉扉4とは前後方向に重なることはなく、且つ、第1方向Aに限界まで移動する第1開閉扉3と第2方向Bに限界まで移動する第2開閉扉4とは左右方向にに重なることはない。図2に示されるように、第1下側リニアレール5に案内される第1支持水平部分9は、第2下側リニアレール6に案内される第2支持水平部分12に対して前後方向に重なることはない。
【0027】
第1支持鉛直部分11の鉛直方向の中間部位に取り付けられ第1支持鉛直部分11から水平方向に第1方向Aに延びる第1駆動連結腕22は、第1駆動機構23により駆動される。第2支持鉛直部分13の鉛直方向の中間部位に取り付けられ第2支持鉛直部分13から水平方向に第2方向Bに延びる第2駆動連結腕24は、第2駆動機構25により駆動される。第1駆動機構23は、戸袋2の鉛直壁26に回転自在に支持される第1駆動プーリ27と、図2に示されるように鉛直壁26に回転自在に支持される第1従動プーリ28と、鉛直壁26に支持され第1駆動プーリ27を駆動する第1電動機29とから構成されている。第1駆動プーリ27と第1従動プーリ28との間には、これらを周回する第1ベルト31が巻き付けられている。第1ベルト31には、張力調整機構(図示されず)が付随している。
【0028】
第2駆動機構25は、図2に示されるように鉛直壁26に回転自在に支持される第2駆動プーリ32と、鉛直壁26に回転自在に支持される第2従動プーリ33と、鉛直壁26に支持され第2駆動プーリ32を駆動する第2電動機34とから構成されている。第2駆動プーリ32と第2従動プーリ33との間には、これらを周回する第2ベルト35が巻き付けられている。第2ベルト35には、張力調整機構(図示されず)が付随している。第1駆動連結腕22の自由端側に形成される第1結合部位36は、第1ベルト31の一部分に結合している。第2駆動連結腕24の自由端側に形成される第2結合部位37は、第2ベルト35の一部分に結合している。第1ベルト31と第2ベルト35は同一回転方向に回転し、第1駆動連結腕22と第2駆動連結腕24は互いに逆方向に往復的に移動する。
【0029】
プーリに替えられてスプロケットが用いられ、ベルトに替えられてチェーンが用いられ、電動機に替えられて流体式アクチェータが用いられ得る。駆動機構は、ピニオンラックが用いられて単一化され得る。
【0030】
第1駆動連結腕22と第2駆動連結腕24は上下方向に互いに離隔していて互いに干渉することがない。大質量物体である第1開閉扉3は第1駆動連結腕22を介して支持されず直接的に第1下側リニアレール5に支持され、大質量物体である第2開閉扉4は第2駆動連結腕24を介して支持されず直接的に第2下側リニアレール6に支持されていて、支持機構のどの部位にも無理に第1開閉扉3の重力が作用することはない。第1開閉扉3は、第1上側リニアレール17にも分力的に支持されている。大質量物体である第2開閉扉4は第2駆動連結腕24を介して支持されず直接的に第2下側リニアレール6に支持されていて、支持機構のどの部位にも無理に第2開閉扉4の重力が作用することはない。第2開閉扉4は、第2上側リニアレール19にも分力的に支持されている。
【0031】
第1開閉扉3は第1支持体7に回転モーメントを与えるが、第1支持体7の第1支持水平部分9は第1方向Aに離隔する2箇所の第1リニアガイド14により嵌め込み式に第1下側リニアレール5に支持され、且つ、第1支持体7の第1支持鉛直部分11は第1案内輪16を介して第1上側リニアレール17に支持され、第1支持体7は3点で支持され、第1開閉扉3から受ける回転モーメントに対して強靱な支持構造を形成している。第2開閉扉4は第1支持体7に回転モーメントを与えるが、第2支持体8の第2支持水平部分12は第2方B向に離隔する2箇所の第2リニアガイド15により嵌め込み式に第2下側リニアレール6に支持され、且つ、第2支持体8の第2支持鉛直部分13は第2案内輪18を介して第2上側リニアレール19に支持され、第2支持体8は3点で支持され、第2開閉扉4から受ける回転モーメントに対して強靱な支持構造を形成している。このように、第1開閉扉3と第2開閉扉4はそれぞれに片持ち構造で支持されているが、回転モーメントに対して十分に強靱な支持構造を有し、簡素な複数点支持は、支持構造を簡素化し、コストを低廉化する。
【0032】
第1支持体7と第2支持体8の干渉がなく、特には、図3に示されるように、第1下側リニアレール5と第2下側リニアレール6は前後方向に離隔し且つ互いに平行に配置され、第1下側リニアレール5と第2下側リニアレール6は戸袋2の全幅領域に長く延されて敷設され、結果的に、第1支持体7の第1支持水平部分9と第2支持体8の第2支持水平部分12は全移動範囲で互いの干渉がなく、第1開閉扉3と第2開閉扉4との対向する両対向端面は戸袋2の中央線に限りなく接近することができ、第1開閉扉3と第2開閉扉4のそれぞれの左右方向長さは戸袋2の左右方向長さの2分の1に限りなく等しく設計されることができ、第1開閉扉3と第2開閉扉4との前後方向の重なり合う部分がなく、それぞれに強靱な構造に設計され得る第1開閉扉3と第2開閉扉4はそれぞれに最大限に長く設計され得る。逆に表現されれば、戸袋2の長さは最小限に設計され得る。
【0033】
更に、図4に示されるように、第1開閉扉3と第2開閉扉4は重なり合わず同一鉛直面Sの上に配置され、戸袋2の前後方向幅が狭く設計される。第1上側リニアレール17と第2上側リニアレール19は1本のレールとして形成されて製造コストと組立コストがともに削減される。戸袋2の底部に配置される第1下側リニアレール5と第2下側リニアレール6は、他の構造物体の配置の邪魔にならない。第2リニアガイド15と第1下側リニアレール5の嵌め合わせ構造は、第2リニアガイド15の上下の2面を第1下側リニアレール5で支持し、既述の強靱性の他に、第1開閉扉3の走行の円滑性を保証する。第2開閉扉4に関しても同じ強靱性と円滑性が保証されている。
【0034】
図5は、本発明によるプラットホーム上の可動柵の実施の他の形態を示している。実施の本形態には、実施の既述の形態に対して第1補強構造と第2補強構造が付加されている。その第1補強構造は、第1補強斜め桁38を備えている。その第2補強構造は、第2補強斜め桁39を備えている。第1補強斜め桁38は、第1上側補強斜め桁41と第1下側補強斜め桁42とから形成されている。第2補強斜め桁39は、第2上側補強斜め桁43と第2下側補強斜め桁44とから形成されている。第1上側補強斜め桁41の一端部位は第1支持体7の第1支持鉛直部分11の頂部近傍に固着され、第1上側補強斜め桁41の他端部位は第1駆動連結腕22の自由端側部位(先頭部位)近傍に固着されている。第1下側補強斜め桁42の一端部位は第1駆動連結腕22の自由端側部位近傍に固着され、第1下側補強斜め桁42の他端部位は第1支持体7の第1支持水平部分9の先頭部位に固着されている。第2上側補強斜め桁43の一端部位は第2支持体8の第2支持鉛直部分13の頂部近傍に固着され、第2上側補強斜め桁43の他端部位は第2駆動連結腕24の自由端側部位(先頭部位)近傍に固着されている。第2下側補強斜め桁44の一端部位は第1駆動連結腕22の自由端側部位近傍に固着され、第2下側補強斜め桁44の他端部位は第2支持体8の第2支持水平部分12の先頭部位に固着されている。
【0035】
第1支持水平部分9と第1支持鉛直部分11と第1補強斜め桁38は、実質的に三角形を形成して変形困難性を有している。第1上側補強斜め桁41と第1下側補強斜め桁42は鉄棒、鉄帯のような剛体で作成され、第1補強斜め桁38はL字形状の第1支持体7の構造を強化し、特に、第1開閉扉3の重力に起因する第1支持体7の曲がりを防止している。第2上側補強斜め桁43と第2下側補強斜め桁44は鉄棒、鉄帯のような剛体で作成され、第2補強斜め桁39はL字形状の第2支持体8の構造を強化し、特に、第2開閉扉4の重力に起因する第2支持体8の曲がりを防止している。図5に小円Cで囲まれる第2支持体8の直角的曲がり部分の構造が強化される。このような強化により第1支持体7と第2支持体8のそれぞれの剛性が高くなり、結果的に、左右方向に離隔する2体の第1リニアガイド14の中心間距離Xと、左右方向に離隔する2体の第2リニアガイド15の中心間距離Y(=X)を広く設計することができる。このことは、第1支持水平部分9と第2支持水平部分12のそれぞれの軽量化を促進するとともに、第1開閉扉3と第2開閉扉4と戸袋2の一体構造を強化し、結果的に、第1開閉扉3と第2開閉扉4の動作を安定化することができる。
【0036】
図6と図7とに示されるように、第1上側補強斜め桁41と第1下側補強斜め桁42が同一平面上に存在する第1補強斜め桁38は、第2上側補強斜め桁43と第2下側補強斜め桁44とが同一平面上に存在する第2補強斜め桁39に対して、前後方向に立体的に離隔し位相差を有していて、第1開閉扉3と第2開閉扉4の相対的移動の間で、第1補強斜め桁38と第2補強斜め桁39とが干渉することはない。
【0037】
図8は、実施の図5の形態の両開閉扉3,4の収納状態を示している。両開閉扉3,4の対向面間のギャップDは、極小化されている。両開閉扉3,4は、概ね矩形体であり、互いに突出して相手側に入り込む変形部分はなく、両開閉扉3,4の左右方向幅はそれぞれに戸袋2の左右方向幅の半分近くに極大化されていて、構造強化されている。突出している第1支持水平部分9と第2支持水平部分12は、互いに入り込むことがなく立体交叉して干渉せず、戸袋2の全長を有効に利用して移動することができている。開閉扉3と開閉扉4は立体的に(前後方向に)交叉せず戸袋2の前後方向幅は狭くなっている。図5で開閉扉3に前後方向に位置対応する車輌の扉と開閉扉4に前後方向に位置対応する車輌の扉との間の間隔が狭く設計される際に、戸袋2の左右方向幅が効果的に狭く設計され得る。
【0038】
【発明の効果】
本発明によるプラットホーム上の可動柵は、戸袋が短縮化され、且つ、構造が簡素であり、走行が安定している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるプラットホーム上の可動柵の実施の形態を示す正面断面図である。
【図2】図2は、図1の側面断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線断面図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、本発明によるプラットホーム上の可動柵の実施の他の形態を示す正面断面図である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線断面図である。
【図7】図7は、図5のVII−VII線断面図である。
【図8】図8は、収納状態を示す断面図である。
【図9】図9は、公知の可動柵を示す正面図である。
【図10】図10は、図9の一部の詳細を示す正面図である。
【図11】図11は、公知の他の可動柵を示す正面断面図である。
【図12】図12は、公知の更に他の可動柵を示す正面断面図である。
【符号の説明】
2…戸袋
3…第1開閉扉
4…第2開閉扉
5…第1案内レール
6…第2案内レール
9…第1水平方向支持体
11…第1鉛直方向支持体
12…第2水平方向支持体
13…第2鉛直方向支持体
14…第1リニアガイド
15…第2リニアガイド
17,19…第3案内レール
22…第1駆動腕
24…第2駆動腕
38…第1補強体
39…第2補強体
A…第1方向
B…第2方向
Claims (7)
- プラットホーム上に配置される戸袋と、
前記戸袋に対して第1方向に出入りする第1開閉扉と、
前記戸袋に対して前記第1方向に逆方向である第2方向に出入りする第2開閉扉と、
前記第1開閉扉を支持し前記戸袋の下方側に配置され前記第1方向に延びる第1水平方向支持体と、
前記第2開閉扉を支持し前記戸袋の下方側に配置される第2水平方向支持体と、
前記戸袋に対して支持され前記第1開閉扉を支持する第1案内レールと、
前記戸袋に対して支持され前記第2開閉扉を支持する第2案内レールと、
第3案内レールと、
第1鉛直方向支持体と、
第2鉛直方向支持体と、
第1補強斜め桁と、
第2補強斜め桁と、
を具備し、
第1開閉扉と前記第2開閉扉は同一の鉛直面内に配置され、
前記第1開閉扉は前記第1水平方向支持体の前記第1方向の収納方向に後方に位置する第1後方部位に支持され、
前記第2開閉扉は前記第2水平方向支持体の前記第2方向の収納方向に後方に位置する第2後方部位に支持され、
前記第1水平方向支持体を前記鉛直面内で回転不能に前記第1案内レールに支持する第1回転不能機構と、
前記第2水平方向支持体を前記鉛直面内で回転不能に前記第2案内レールに支持する第2回転不能機構とを更に構成し、
前記第1水平方向支持体は前記第1案内レールに案内されて前記鉛直面内で前記第1方向に往復移動し、
前記第2水平方向支持体は前記第2案内レールに案内されて前記鉛直面内で前記第2方向に往復移動し、
前記第1鉛直方向支持体は、前記第1後方部位に結合し前記第1後方部位から鉛直方向上方に立ち上がり、
前記第2鉛直方向支持体は、前記第2後方部位に結合し前記第2後方部位から鉛直方向上方に立ち上がり、
前記第3案内レールは、前記戸袋の上端部位に支持され、前記第1鉛直方向支持体の第1上端部位を前記第1方向に案内し、且つ、前記第2鉛直方向支持体の第2上端部位を前記第2方向に案内し、
前記第1開閉扉は前記第1鉛直方向支持体に結合し、前記第2開閉扉は前記第2鉛直方向支持体に結合し、
前記第1補強斜め桁は、前記第1鉛直方向支持体の上方部位と前記第1水平方向支持体の前記収納方向に前方である第1前方部位とを結合し、
前記第2補強斜め桁は、前記第2鉛直方向支持体の上方部位と前記第2水平方向支持体の前記収納方向に前方である第2前方部位とを結合し、
前記第1案内レールは、前記第2案内レールに対して前記鉛直面に直交する直交方向に位相差を有して離隔し、前記第1開閉扉と前記第2開閉扉が互いに接近して前記戸袋に収納される収納位置で、前記第1水平方向支持体と前記第2水平方向支持体は前記位相差に対応する位相差を有して前記直交方向に重なり合い、且つ、前記収納位置で、前記第1開閉扉と前記第2開閉扉とは前記直交方向に重ならない
プラットホーム上の可動柵。 - 前記第1回転不能機構は、
前記第1水平方向支持体の下面側に固定され前記第1案内レールに嵌まり込む2体の第1リニアガイドを備え、前記2体の第1リニアガイドは前記第1方向に隔離されて配置され、前記2体の第1リニアガイドは前記第1案内レールの鉛直方向に対向する2対向面に前記第1方向に離隔する2位置で接触し、
前記第2回転不能機構は、
前記第2水平方向支持体の下面側に固定され前記第2案内レールに嵌まり込む2体の第2リニアガイドを備え、前記2体の第2リニアガイドは前記前記第2方向に隔離されて配置され、前記2体の第2リニアガイドは前記第2案内レールの鉛直方向に対向する2対向面に前記第2方向に離隔する2位置で接触する
請求項1のプラットホーム上の可動柵。 - 前記第1上端部位と前記第2上端部位は、前記鉛直面内で回転不能であるように、前記第3案内レールに嵌まり込む
請求項1又は2のプラットホーム上の可動柵。 - 前記第1鉛直方向支持体に結合し前記第1方向の収納方向に延びる第1駆動腕と、
前記第2鉛直方向支持体に結合し前記第2方向の収納方向に延びる第2駆動腕と、
前記戸袋に支持され前記第1駆動腕と前記第2駆動腕を互いに反対方向に同期的に駆動する駆動機構
とを更に具備する請求項1乃至3のいずれかに記載のプラットホーム上の可動柵。 - 前記第1補強斜め桁は、前記第2補強斜め桁に対して前記直交方向に位相差を有して離隔している
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラットホーム上の可動柵。 - 前記第1開閉扉の前記収納方向の長さと前記第2開閉扉の前記収納方向の長さとの合計長さは前記戸袋の収納空間の長さに概ね等しい
請求項1乃至5のいずれかに記載のプラットホーム上の可動柵。 - 前記第1補強斜め桁は、前記第1駆動腕に固着され、
前記第2補強斜め桁は、前記第2駆動腕に固着される
請求項4に記載のプラットホーム上の可動柵。
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